JP4200683B2 - 駆動回路、電気光学パネル、及び電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学材料を有する電気光学パネルおよびこれを駆動する駆動回路、ならびに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気光学装置、例えば、液晶装置の駆動回路は、画像表示領域に配線されたデータ線や走査線などに、データ線信号や走査信号などを所定タイミングで供給するためのデータ線駆動回路や、走査線駆動回路などから構成されている。
【0003】
アクティブマトリクス方式の液晶パネルは、主に、マトリクス状に配列した画素電極の各々にスイッチング素子が設けられた素子基板と、カラーフィルタなどが形成された対向基板と、これら両基板との間に充填された液晶とを備える。このような構成において、走査線を介してスイッチング素子に走査信号を印加すると、当該スイッチング素子が導通状態となる。この導通状態の際に、データ線を介して、画素電極に画像信号を印加すると、当該画素電極および対向電極(共通電極)の間の液晶層に所定の電荷が蓄積される。
【0004】
また、液晶パネルの素子基板には、走査線を選択するための走査線駆動回路や、データ線にデータ線信号を供給するためのデータ線駆動回路が形成されることが多い。このような駆動回路の能動素子および表示領域に形成されるスイッチング素子は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、「TFT」と称する)によって構成される。
【0005】
TFTの構造は、MOSの構造に類似しており、ゲートに薄い酸化膜を使用している。また、ゲートの入力インピーダンスは極めて高い。このため、運搬時や組み立て時等に静電気によって高電位がゲートに誘起されると、TFTの特性が劣化したりあるいは素子そのものが破壊されることがある。そこで、駆動回路の入力端子には保護回路を設けるのが一般的である。
【0006】
ところで、液晶装置の表示諧調は、液晶に印加する電位と透過率との特性によって定まる。コントラスト比を高くするには、高い電位で液晶を駆動する必要がある。一方、駆動回路はシフトレジスタ等の論理回路を備えるが、消費電力を低減するためには、その電位電源を低くする必要がある。
【0007】
このため、駆動回路は2種類の電源から給電を受け、高電位電源としてVHHおよびVDD、低電位電源としてVSSおよびVLLが使用される。但し、VHH>VDD>VSS>VLLとする。この場合、駆動回路を構成する論理回路は、VDD−VSSによって駆動される一方、駆動回路の出力段はVHH−VLLによって駆動される。これにより、低消費電力で高いコントラスト比を得ることが可能となる。
【0008】
このような駆動回路に用いられる保護回路を図13に示す。同図に示すように保護回路は、アノードが第2高電源ラインLH2にカソードが入力端子Tに各々接続されるダイオードD1およびアノードが第2低電源ラインLS2にカソードが入力端子Tに各々接続されるダイオードD2とを備える。そして、第2高電源ラインLD2には第2高電位電源VHHが給電される一方、第2低電源ラインLS2には第2低電位電源VLLが給電される。
【0009】
また、内部回路には、第1高電源ラインLD1を介して第1高電位電源VDDが給電され、第1低電源ラインLS1を介して第1低電位電源VSSが給電される。したがって、保護回路の動作振幅はVHH−VLLであり、内部回路の動作振幅および入力信号Sinの振幅はVDD−VSSとなる。
【0010】
ここで、ダイオードD1およびD2の順方向電圧をVDとすれば、入力端子Tの電位がVHH+VDを超えようとすると、ダイオードD1によって入力端子Tの電位がVHH+VDにクランプされる。また、入力端子Tの電位がVLL−VDを下回ろうとすると、ダイオードD2によって入力端子Tの電位がVLL−VDにクランプされる。すなわち、保護回路の動作開始電位は、VHH+VDおよびVLL−VDとなっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、VHH+VDは、内部回路の第1高電位電源VDDより高く、また、VLL−VDは、第1低電位電源VSSより低い。つまり、内部回路の動作振幅より大きな振幅のノイズが入力端子Tに入力しない限り保護回路は動作しない。したがって、最悪の場合には、保護回路の動作前に内部回路が破壊されてしまう可能性がある。
【0012】
さらに、ノイズのパルス幅が狭く、ノイズに大きな高周波成分が含まれている場合には、ダイオードD1およびD2の応答が間に合わず、ノイズを完全にクランプできないこともある。すなわち、保護回路が動作してもノイズが漏れて内部回路に供給され、内部回路が破壊されてしまうこともある。
【0013】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、内部回路を高い信頼性の下に動作させることができる保護能力の高い保護回路を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る駆動回路は、第1の電源電位が供給される第1の電源線と、第2の電源電位が供給される第2の電源線と、第1接続点を有し、クロック信号を入力する第1配線と、前記第1及び第2の電源線が接続され、前記クロック信号に同期して、転送開始パルスを順次転送して複数の信号を出力するシフトレジスタと、前記第1配線における前記第1接続点と前記第1の電源線との間に設けられた第1ダイオードと、前記第1配線における前記第1接続点と前記第2の電源線との間に設けられた第2ダイオードと、からなる第1の保護回路と、第1入力端子と、前記第1入力端子と前記第1配線における前記第1接続点との間に設けられた第1の保護抵抗とを備え、前記第1配線が前記第1の電源線と交差する部分は、前記第1配線における前記第1接続点と前記第1の保護抵抗との間に設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る駆動回路は、上記の駆動回路であって、第2接続点を有し、前記転送開始パルスを入力する第2配線と、前記第2配線における前記第2接続点と前記第1の電源線との間に設けられた第3ダイオードと、前記第2配線における前記第2接続点と前記第2の電源線との間に設けられた第4ダイオードと、からなる第2の保護回路と、第2入力端子と、前記第2入力端子と前記第2配線における前記第2接続点との間に設けられた第2の保護抵抗とを備え、前記第2配線が前記第1の電源線と交差する部分は、前記第2配線における前記第2接続点と前記第2の保護抵抗との間に設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る駆動回路は、上記の駆動回路であって、前記シフトレジスタは、転送開始パルスを順次転送した後、最終段からエンドパルスを出力し、第3接続点を有し、前記エンドパルスを出力する第3配線と、前記第3配線における前記第3接続点と前記第1の電源線との間に設けられた第5ダイオードと、前記第3配線における前記第3接続点と前記第2の電源線との間に設けられた第6ダイオードと、からなる第3の保護回路と、第1出力端子と、前記第1出力端子と前記第3配線における前記第3接続点との間に設けられた第3の保護抵抗とを備え、前記第3配線が前記第1の電源線と交差する部分は、前記第3配線における前記第3接続点と前記第3の保護抵抗との間に設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る駆動回路は、上記の駆動回路であって、第3の電源電位が供給される第3の電源線と、第4の電源電位が供給される第4の電源線と、前記第3及び第4の電源線に接続されるとともに、前記複数の信号に対応して設けられ、前記複数の信号のレベルを前記第3の電源電位と前記第4の電源電位に変換し、複数の出力信号として出力するレベルシフタとをさらに備え、第4接続点をそれぞれ有し、前記複数の出力信号に対応して設けられた複数の第4配線と、前記第4配線における前記第4接続点と前記第3の電源線との間に設けられた第7ダイオードと、前記第4配線における前記第4接続点と前記第4の電源線との間に設けられた第8ダイオードと、からなる第4の保護回路と、前記複数の出力信号に対応して設けられた複数の第2出力端子と、前記第2出力端子と前記第4配線における前記第4接続点との間に設けられた第4の保護抵抗とを備え、前記第4配線が前記第3の電源線と交差する部分は、前記第4配線における前記第4接続点と前記第4の保護抵抗との間に設けられていることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る駆動回路は、基準電位より高い複数の高電位を高電位電源として用いるとともに前記基準電位より低い複数の低電位を低電位電源として用い、入力保護回路とその後段に設けられる内部回路とを備え、入力信号に基づいて電気光学材料を有する電気光学パネルを駆動するものであって、前記入力保護回路は、前記入力信号の最大電位以上の電位を有し且つ前記複数の高電位電源のうち最も低い電位を有する高電位電源と、前記入力信号の最小電位以下の電位を有し且つ前記複数の低電位電源のうち最も高い電位を有する低電位電源とから給電を受け、給電される高電位電源の電位と低電位電源の電位とに基づいて、前記入力保護回路と前記内部回路との接続点の電位を制限することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、複数の高電位電源と複数の低電位電源とから給電を受ける駆動回路において、入力保護回路は内部回路との接続点の電位を制限する。一般に、ある点の電位を制限するには、基準となる電位が必要となるが、この発明では、所定の高電位電源の電位と低電位電源の電位とに基づいて制限する。ここで、所定の高電位電源の電位は入力信号の最高電位以上の電位を有し且つ複数の高電位電源のうち最も低い電位である。例えば、入力信号の最高電位が+V3であり、駆動回路に給電される複数の高電位が+V1、+V2、+V4であり、+V1>+V2>+V3>+V4であるとする。この場合、入力信号の最高電位以上の電位は+V1および+V2であり、これらのうち最も低い電位は+V2となるから、接続点の電位が+V2を超えないように制限される。よって、入力信号はクリップされることなく内部回路に取り込まれる。また、内部回路は入力信号が最大振幅で入力しても破壊されないことが前提であるから、内部回路に用いられる高電位電源は+V1または+V2となる。一方、入力保護回路は接続点の電位が+V2を超えないように制限する。したがって、内部回路の入力電位(接続点の電位)は、内部回路に用いる高電位電源の電位以下となる。また、低電位側についても同様である。よって、この駆動回路では、静電気等によって高振幅のノイズが入力端子に誘起されたとしても、入力保護回路が直ちに動作して接続点の電位を制限するから、内部回路を確実に保護することができる。
【0016】
また、前記入力保護回路は、前記高電位電源が供給される高電源ラインと、前記低電位電源が給電される低電源ラインと、前記高電源ラインとアノードが接続される第1ダイオードと、前記第1ダイオードのカソードとアノードが接続されるともに前記低電源ラインとカソードが接続される第2ダイオードとを備え、前記入力保護回路と前記内部回路との接続点は、前記第1ダイオードと前記第2ダイオードの接続点であることが好ましい。この発明によれば、第1および第2ダイオードによって接続点の電位が制限される。
【0017】
さらに、前記接続点は、前記入力信号が供給される入力端子と接続されてもよい。あるいは、前記入力信号が供給される入力端子と、前記接続点と前記入力端子との間に設けられた抵抗とを備えるものであってもよい。この場合、抵抗によって、入力端子から接続点に流れ込む電流が制限され、また、抵抗と寄生容量によってローパスフィルタが構成されてノイズの振幅が小さくなる。よって、入力保護回路の保護能力をより一層高めることができる。
【0018】
ここで、前記抵抗は、複数個の抵抗を並列接続したものであることが好ましい。複数の抵抗の一部が破壊されても他の抵抗によって、内部回路を保護することができるからである。
【0019】
さらに、駆動回路が集積化されたものであれば、前記入力端子と前記抵抗とを接続する配線および前記抵抗は、他の配線および素子と交差しないことが好ましい。駆動回路を集積化した場合、配線を交差させることがある。そして、交差部分は絶縁膜によって絶縁されているが、高電位が絶縁膜に印加されると、絶縁破壊を来して交差部分が短絡する可能性がある。この発明によれば、保護の対象となる信号線を入力端子側から見たとき、少なくとも抵抗の後に信号線と他の配線または素子との交差がある。上述したように抵抗によって電流を制限し且つノイズ等の振幅を小さくすることができるから、交差部分の絶縁破壊を防止することができる。
【0020】
次に、本発明に係る他の駆動回路は、基準電位より高い複数の高電位を高電位電源として用いるとともに前記基準電位より低い複数の低電位を低電位電源として用い、内部回路とその後段に設けられる出力保護回路とを備え、電気光学材料を有する電気光学パネルを前記内部回路の出力信号によって駆動するものであって、前記出力保護回路は、前記内部回路の出力信号の最大電位以上の電位を有し且つ前記複数の高電位電源のうち最も低い電位を有する高電位電源と、前記出力信号の最小電位以下の電位を有し且つ前記複数の低電位電源のうち最も高い電位を有する低電位電源とから給電を受け、給電される高電位電源の電位と低電位電源の電位とに基づいて、前記出力保護回路と前記内部回路との接続点の電位を制限することを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、上述した入力保護回路と同様に静電気等によって高振幅のノイズが入出力端子に誘起されたとしても、出力保護回路が直ちに動作して接続点の電位を制限するから、内部回路を確実に保護することができる。
【0022】
より具体的には、前記出力保護回路は、前記高電位電源が供給される高電源ラインと、前記低電位電源が給電される低電源ラインと、前記高電源ラインとアノードが接続される第1ダイオードと、前記第1ダイオードのカソードとアノードが接続されるともに前記低電源ラインとカソードが接続される第2ダイオードとを備え、前記出力保護回路と前記内部回路との接続点は、前記第1ダイオードと前記第2ダイオードの接続点であることが好ましい。この発明によれば、第1および第2ダイオードによって接続点の電位が制限される。
【0023】
また、前記接続点は、前記出力保護回路の出力端子と接続されていてもよい。あるいは、静電気等のノイズによる電流を制限する観点あるいはその振幅を制限する観点より、前記出力保護回路から信号を出力する出力端子と、前記接続点と前記出力端子との間に設けられた抵抗とを備えることが好ましい。さらに、抵抗保護の観点より、前記抵抗は、複数個の抵抗を並列接続したものであることが好ましい。
【0024】
さらに、駆動回路が集積化されたものであれば、前記出力端子と前記抵抗とを接続する配線および前記抵抗は、他の配線および素子と交差しないことが好ましい。上述したように抵抗によって電流を制限し且つノイズ等の振幅を小さくすることができるから、この発明によれば、交差部分の絶縁破壊を防止することができる。
【0025】
次に、本発明の電気光学パネルは、電気光学材料を有するものであって、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応してマトリックス状に配置された画素電極およびスイッチング素子と、前記走査線と前記データ線のうち少なくとも一方を駆動することが好ましい。この電気光学パネルによれば、静電気等のノイズが駆動回路に入力されても、入力保護回路または出力保護回路が直ちに動作して接続点の電位を制限するから、内部回路を確実に保護することができる。
【0026】
次に本発明に係る電子機器にあっては、基準電位より高い複数の高電位を高電位電源として生成するとともに前記基準電位より低い複数の低電位を低電位電源として生成する電源回路と、請求項13に記載した電気光学パネルとを備える。この発明によれば、静電気等のノイズが発生しやすい環境で使用しても、高い信頼性の下に動作させることが可能な電子機器を提供することができる。このような電子機器としては、例えば、プロジェクタ、モバイル型パーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話機等が該当する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0028】
<1:液晶装置の全体構成>
【0029】
まず、本発明に係る電気光学装置として、電気光学材料として液晶を用いた液晶装置を一例にとって説明する。液晶装置は、主要部として液晶パネルAAを備える。液晶パネルAAは、スイッチング素子としてTFTを形成した素子基板と対向基板とを互いに電極形成面を対向させて、かつ、一定の間隙を保って貼付し、この間隙に液晶が挟持されている。
【0030】
図1は実施形態に係る液晶装置の全体構成を示すブロック図である。この液晶装置は、液晶パネルAA、タイミング発生回路300、画像処理回路400、および電源回路500を備える。液晶パネルAAは、その素子基板上に画像表示領域A、走査線駆動回路100およびデータ線駆動回路200を備える。
【0031】
この液晶装置に供給される入力画像データDは、例えば、3ビットパラレルの形式である。タイミング発生回路300は、入力画像データDに同期してYクロック信号YCK、反転Yクロック信号YCKB、Xクロック信号XCK、反転Xクロック信号XCKB、Y転送開始パルスDYおよびX転送開始パルスDXを生成して、走査線駆動回路100およびデータ線駆動回路200に供給する。また、タイミング発生回路300は、画像処理回路400を制御する各種のタイミング信号を生成し、これを出力する。
【0032】
ここで、Yクロック信号YCKは、走査線2を選択する期間を特定し、反転Yクロック信号YCKBはYクロック信号YCKの論理レベルを反転したものである。Xクロック信号XCKは、データ線3を選択する期間を特定し、反転Xクロック信号XCKBはXクロック信号XCKの論理レベルを反転したものである。
【0033】
画像処理回路400は、入力画像データDに、液晶パネルAAの光透過特性を考慮したガンマ補正等を施した後、RGB各色の画像データをD/A変換して、画像信号40R、40G、40Bを生成して液晶パネルAAに供給する。
【0034】
電源回路500は、タイミング発生回路300および画像処理回路400に電位電源を供給する他、走査線駆動回路100に対して、第1高電位電源VDDY第1低電位電源VSSY、第2高電位電源VHHY、および第2低電位電源VLLYを供給し、データ線駆動回路200に対して、第1高電位電源VDDX、第1低電位電源VSSX、第2高電位電源VHHX、および第2低電位電源VLLXを供給する。但し、VHHY、VDDY、VHHX、VDDXは基準電位と比較して高電位であり、VSSY、VLLY、VSSX、VLLXは基準電位と比較して低電位である。基準電位はいかなる電位であってもよいが、例えば、接地電位が該当する。また、これらの電源電位には、以下の関係がある。
VHHY>VDDY>VSSY>VLLY
VHHX>VDDX>VSSX>VLLX
【0035】
<2:画像表示領域>
【0036】
次に、画像表示領域Aには、図1に示されるように、m(mは2以上の自然数)本の走査線2が、X方向に沿って平行に配列して形成される一方、n(nは2以上の自然数)本のデータ線3が、Y方向に沿って平行に配列して形成されている。そして、走査線2とデータ線3との交差付近においては、TFT50のゲートが走査線2に接続される一方、TFT50のソースがデータ線3に接続されるとともに、TFT50のドレインが画素電極6に接続される。そして、各画素は、画素電極6と、対向基板に形成される対向電極(後述する)と、これら両電極間に挟持された液晶とによって構成される。この結果、走査線2とデータ線3との各交差に対応して、画素はマトリクス状に配列されることとなる。
【0037】
また、TFT50のゲートが接続される各走査線2には、走査信号Y1、Y2、…、Ymが、パルス的に線順次で印加されるようになっている。このため、ある走査線2に走査信号が供給されると、当該走査線に接続されるTFT50がオンするので、データ線3から所定のタイミングで供給されるデータ線信号X1、X2、…、Xnは、対応する画素に順番に書き込まれた後、所定の期間保持されることとなる。
【0038】
各画素に印加される電位レベルに応じて液晶分子の配向や秩序が変化するので、光変調による階調表示が可能となる。例えば、液晶を通過する光量は、ノーマリーホワイトモードであれば、印加電位が高くなるにつれて制限される一方、ノーマリーブラックモードであれば、印加電位が高くなるにつれて緩和されるので、液晶装置全体では、画像信号に応じたコントラストを持つ光が各画素毎に出射される。このため、所定の表示が可能となる。
【0039】
また、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、蓄積容量51が、画素電極6と対向電極との間に形成される液晶容量と並列に付加される。例えば、画素電極6の電位は、ソース電位が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量51により保持されるので、保持特性が改善される結果、高コントラスト比が実現されることとなる。
【0040】
<3:走査線駆動回路>
【0041】
次に、走査線駆動回路100について説明する。図2は、走査線駆動回路100の構成を示すブロック図である。この図に示すように走査線駆動回路100は、入力保護回路101、Yシフトレジスタ102、レベルシフタ103および出力保護回路104、105を備える。入力保護回路101、Yシフトレジスタ102、および出力保護回路105には、第1高電位電源VDDYおよび第1低電位電源VSSYが供給される。一方、レベルシフタ103および出力保護回路104には第2高電位電源VHHYおよび第2電位電源VLLYが供給される。すなわち、走査線駆動回路100は、VDDY−VSSY、VHHY−VLLYといったように複数系統の電源によって駆動される。
【0042】
Y転送開始パルスDY、Yクロック信号YCKおよび反転Yクロック信号YCKBは入力保護回路101を介してYシフトレジスタ102に供給される。Yシフトレジスタ102は、Yクロック信号YCKおよび反転Yクロック信号YCKBに同期して、Y転送開始パルスDYを順次転送して信号y1、y2、…、ymを出力する。また、Yシフトレジスタ102からは、最終段からY転送開始パルスDYがエンドパルスEPとして、出力保護回路105を介して出力される。エンドパルスEPは、Yシフトレジスタ102の検査のために用いられる。なお、Y転送開始パルスDY、Yクロック信号YCK、反転Yクロック信号YCKBおよび信号y1、y2、…、ymの信号振幅は、VDDY−VSSYである。
【0043】
レベルシフタ103は信号振幅を変換する。レベルシフタ103によって、信号y1、y2、…、ymの信号振幅は、VDDY−VSSYからVHHY−VLLYに変換される。レベルシフタ103の各出力信号は、走査信号Y1、Y2、…、Ymとして出力保護回路104を介して各走査線2に出力される。
【0044】
<3−1:保護回路例1>
【0045】
図3は入力保護回路とその周辺構成を示す回路図である。この例では、入力保護回路101として、Yクロック信号XCKに対応する部分のみを示すが、他の信号についても同様に構成されている。また、この例では、内部回路として機能するYシフトレジスタ102として、PチャネルTFTとNチャネルTFTとで構成されるインバータが示されているが、これは例示であり、実際の回路では異なる構成にしてもよい。
【0046】
同図に示すように入力保護回路101とYシフトレジスタ102とには、第1高電源ラインLDYを介して第1高電位電源VDDYが供給され、第1低電源ラインLSYを介して第1低電位電源VSSYが供給される。ダイオードD1およびD2の順方向電圧をVDとすれば、入力保護回路101の保護動作は、入力端子Tの電位がVDDY+VDを上回る場合および入力端子T1の電位がVSSY−VDを下回る場合に開始される。
【0047】
上述したようにYクロック信号XCKの振幅はVDDY−VSSYである。一方、走査線駆動回路100は、電源として高電位側VHHY>VDDY、低電位側VSSY>VLLYを有する。したがって、入力信号の振幅に着目すれば、保護回路の電源電位は、複数の電源電位の中から、入力信号の振幅以上であり且つ最も振幅の小さい組を選択したものである。より具体的には、走査線駆動回路100は、複数の高電位を高電位電源VHHY、VDDYとして用いるとともに複数の低電位を低電位電源VSSY、VLLYとして用いる。そして、入力保護回路101は、入力信号の最大電位以上の電位を有し且つ複数の高電位電源のうち最も低い電位を有する高電位電源と、入力信号の最小電位以下の電位を有し且つ複数の低電位電源のうち最も高い電位を有する低電位電源とから給電を受ける。
【0048】
上述した例では、入力信号であるYクロック信号XCKの振幅が第1高電位電源VDDYおよび第1低電位電源VSSYと一致するので、入力保護回路101の電源電位はVDDYおよびVSSYとなる。
【0049】
例えば、複数レベルの電源として、高電位側:VDD3>VDD2>VDD1、低電位側:VSS1>VSS2>VSS3を有する回路を想定する。この場合、入力信号の振幅がVDD2−VSS3であれば、保護回路の電源電位としてVDD2とVSS3とを選択する。これにより、入力信号の振幅よりも高電位の信号やノイズが回路に印加されると、直ちに保護回路が動作し、内部回路の破壊や特性劣化を防止することが可能となる。
【0050】
また、図2に示す出力保護回路104、105は、図3に示す入力保護回路101と同様に構成されている。但し、出力保護回路104には、第1高電位電源VDDYの代わりに第2高電位電源VHHYが供給されるとともに第1低電位電源VSSYの代わりに第2低電位電源VLLYが供給されるようになっている。これにより、静電気等によって各走査線2にノイズが誘起されたとしても、出力保護回路104によって、振幅が制限されるから、レベルシフタ103を保護することができる。
【0051】
<3−2:保護回路例2>
【0052】
また、図4に保護回路の他の例を示す。入力保護回路101’は、ダイオードD1およびD2の接続点W1と入力端子T1との間に保護抵抗R1およびR2を設けた点を除いて、図3に示す入力保護回路101と同様に構成されている。保護抵抗R1およびR2を設けることによって、回路に流れ込む電流が小さくなる。また、保護抵抗R1およびR2と寄生容量によってローパスフィルタが構成されるので、パルス幅の狭いノイズの振幅を小さくすることができる。したがって、入力保護回路101’によって、内部回路の破壊をより一層防止することが可能となる。
【0053】
また、保護抵抗として、複数の抵抗を並列に設けたのは、仮に一つの抵抗が破壊されたとしても残りの抵抗が保護抵抗として機能することが期待できるからである。
【0054】
次に、出力保護回路104’は、ダイオードD1およびD2の接続点W2と出力端子T2との間に保護抵抗R1およびR2を設けた点を除いて、図3に示す出力保護回路104と同様に構成されている。出力保護回路104’は、入力保護回路101’と同様に、保護抵抗R1およびR2を備えるので、高振幅の信号やノイズが出力端子T2に印加されたとしても、回路に流れ込む電流を制限するとともにパルス幅の狭いノイズの振幅を小さくすることができる。したがって、出力保護回路104’によって、内部回路の破壊をより一層防止することが可能となる。
【0055】
なお、実際の回路において、図5に示すようにダイオードD1およびD2をPチャネルTFTP1およびNチャネルTFTN1を用いて構成することが好ましい。
【0056】
<3−3:配線レイアウト>
【0057】
次に、上述した図4および図5に示す保護回路を適用した走査線駆動回路100の配線レイアウトの一部を図6に示す。まず、入力保護回路101’において、保護抵抗R1およびR2は、保護すべき信号線が他の配線(信号線および電源線を含む)と交差する前に設けられている。具体的には、第1高電源ラインLDYおよび信号線の交差部分C1の前に保護抵抗R1およびR2が形成されてる。
【0058】
このような配線レイアウトにしたのは以下の理由による。仮に、保護すべき信号線が他の配線と交差した後に保護抵抗R1およびR2を設けたとすると、交差部分の絶縁膜に高電圧が印加される。この電圧が絶縁膜の耐圧を超えると、交差部分の絶縁膜が破壊されてしまい、交差部分が短絡してしまう可能性がある。これに対して、保護抵抗R1およびR2を交差部分C1の前に形成すると、ノイズが保護抵抗R1およびR2を通過すると、その振幅が低下する。よって、交差部分C1の電圧を下げることができ、入力保護回路101’自体が、ノイズ等によって破壊されるのを防止することができる。
【0059】
次に、出力保護回路104’において、出力側から見て保護すべき信号線が他の配線と交差する前に保護抵抗R1およびR2が設けられている。具体的には、第2低電源ラインLLYと信号線との交差部分C2の前に保護抵抗R1およびR2が形成されている。これにより、ノイズは保護抵抗R1およびR2を通過することによってその振幅が低下するから、交差部分C2の電圧を下げることができる。よって、出力保護回路104’自体が、ノイズ等によって破壊されるのを防止することができる。
【0060】
なお、この例では、保護抵抗R1およびR2は、N+あるいはP+にドープしたポリシリコンを用いて形成しているが、配線をジグザグあるいは渦巻状に形成した抵抗配線パターンを採用してもよい。
【0061】
<4:データ線駆動回路>
【0062】
次に、データ線駆動回路200は、画像信号40R、40G、40Bを所定のタイミングでサンプリングしてデータ線信号X1〜Xnを生成し各データ線3に供給する。図7は、データ線駆動回路200の構成を示すブロック図である。この図に示すように、データ線駆動回路200は、入力保護回路201、Xシフトレジスタ202、レベルシフタ203、サンプリング回路204、および出力保護回路205、206を備える。
【0063】
入力保護回路201、Xシフトレジスタ202、および出力保護回路206には、第1高電位電源VDDXおよび第1低電位電源VSSXが供給される。一方、レベルシフタ203および出力保護回路104には第2高電位電源VHHXおよび第2電位電源VLLXが供給される。すなわち、データ線駆動回路200は、VDDX−VSSX、VHHX−VLLXといったように複数系統の電源によって駆動される。
【0064】
そして、入力保護回路201は、供給される電源電位を除いて、上述した走査線駆動回路の入力保護回路101と同様に構成されており、出力保護回路205、206は上述した走査線駆動回路100の出力保護回路104(104’)、105と同様に構成されている。
【0065】
Xシフトレジスタ202は、X転送開始パルスDXをXクロック信号XCKおよび反転Xクロック信号CKXBに同期して順次転送して各出力信号を生成する。ここで、Xシフトレジスタ202は、第1高電位電源VDDXと第1低電位電源VSSXとの給電を受けて動作するから、各出力信号の振幅はVDDX−VSSXとなっている。レベルシフタ203は、Xシフトレジスタ202の各出力信号のレベルを変換して、信号の振幅がVHHX−VLLXとなるサンプリング信号SR1〜SRnを順次生成する。
【0066】
サンプリング回路204は、n個のスイッチSW1〜SWnを備える。各スイッチSW1〜SWnは、TFTによって構成されている。そして、ゲートに供給される各サンプリング信号SR1〜SRnが順次アクティブになると、各スイッチSW1〜SWnが順次オン状態となる。すると、画像信号供給線L1〜L3を介して供給される画像信号40R、40G、40Bがサンプリングされる。そして、サンプリング結果であるデータ線信号X1〜Xnが出力保護回路205を介してデータ線3に順次供給される。
【0067】
以上の構成によれば、データ線駆動回路200は、入力保護回路201および、出力保護回路205、206を備えるので、入出力端子に静電気等に起因するノイズが入来しても、その振幅を確実に制限することができる。このため、Xシフトレジスタ202、レベルシフタ203およびサンプリング回路204等の内部回路を高い信頼性の下に保護することができる。
【0068】
<5:液晶パネルの構成例>
【0069】
次に、上述した電気的構成に係る液晶パネルの全体構成について図8および図9を参照して説明する。ここで、図8は、液晶パネルAAの構成を示す斜視図であり、図9は、図8におけるZ−Z’線断面図である。
【0070】
これらの図に示されるように、液晶パネルAAは、画素電極6等が形成されたガラスや半導体等の素子基板151と、共通電極158等が形成されたガラス等の透明な対向基板152とを、スペーサ153が混入されたシール材154によって一定の間隙を保って、互いに電極形成面が対向するように貼り合わせるとともに、この間隙に電気光学材料としての液晶155を封入した構造となっている。なお、シール材154は、対向基板152の基板周辺に沿って形成されるが、液晶155を封入するために一部が開口している。このため、液晶155の封入後に、その開口部分が封止材156によって封止されている。
【0071】
ここで、素子基板151の対向面であって、シール材154の外側一辺においては、上述したデータ線駆動回路200が形成されて、Y方向に延在するデータ線3を駆動する構成となっている。さらに、この一辺には複数の接続電極157が形成されて、タイミング発生回路300からの各種信号や画像信号40R、40G、40Bを入力する構成となっている。また、この一辺に隣接する一辺には、走査線駆動回路100が形成されて、X方向に延在する走査線2をそれぞれ両側から駆動する構成となっている。
【0072】
一方、対向基板152の共通電極158は、素子基板151との貼合部分における4隅のうち、少なくとも1箇所において設けられた導通材によって、素子基板151との電気的導通が図られている。ほかに、対向基板152には、液晶パネルAAの用途に応じて、例えば、第1に、ストライプ状や、モザイク状、トライアングル状等に配列したカラーフィルタが設けられ、第2に、例えば、クロムやニッケルなどの金属材料や、カーボンやチタンなどをフォトレジストに分散した樹脂ブラックなどのブラックマトリクスが設けられ、第3に、液晶パネルAAに光を照射するバックライトが設けられる。特に色光変調の用途の場合には、カラーフィルタは形成されずにブラックマトリクスが対向基板152に設けられる。
【0073】
くわえて、素子基板151および対向基板152の対向面には、それぞれ所定の方向にラビング処理された配向膜などが設けられる一方、その各背面側には配向方向に応じた偏光板(図示省略)がそれぞれ設けられる。ただし、液晶155として、高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれば、前述の配向膜、偏光板等が不要となる結果、光利用効率が高まるので、高輝度化や低消費電力化などの点において有利である。
【0074】
なお、データ線駆動回路200、走査線駆動回路100等の周辺回路の一部または全部を、素子基板151に形成する替わりに、例えば、TAB(Tape Automated Bonding)技術を用いてフィルムに実装された駆動用ICチップを、素子基板151の所定位置に設けられる異方性導電フィルムを介して電気的および機械的に接続する構成としても良いし、駆動用ICチップ自体を、COG(Chip On Grass)技術を用いて、素子基板151の所定位置に異方性導電フィルムを介して電気的および機械的に接続する構成としても良い。
【0075】
<6:応用例>
【0076】
<6−1:素子基板の構成など>
【0077】
上述した各実施形態においては、液晶パネルの素子基板151をガラス等の透明な絶縁性基板により構成して、当該基板上にシリコン薄膜を形成するとともに、当該薄膜上にソース、ドレイン、チャネルが形成されたTFTによって、画素のスイッチング素子(TFT50)やデータ線駆動回路200、および走査線駆動回路100の素子を構成するものとして説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0078】
例えば、素子基板151を半導体基板により構成して、当該半導体基板の表面にソース、ドレイン、チャネルが形成された絶縁ゲート型電界効果トランジスタによって、画素のスイッチング素子や各種の回路の素子を構成しても良い。このように素子基板151を半導体基板により構成する場合には、透過型の表示パネルとして用いることができないため、画素電極6をアルミニウムなどで形成して、反射型として用いられることとなる。また、単に、素子基板151を透明基板として、画素電極6を反射型にしても良い。
【0079】
さらに、上述した実施の形態にあっては、画素のスイッチング素子を、TFTで代表される3端子素子として説明したが、ダイオード等の2端子素子で構成しても良い。ただし、画素のスイッチング素子として2端子素子を用いる場合には、走査線2を一方の基板に形成し、データ線3を他方の基板に形成するとともに、2端子素子を、走査線2またはデータ線3のいずれか一方と、画素電極との間に形成する必要がある。この場合、画素は、走査線2とデータ線3との間に直列接続された二端子素子と、液晶とから構成されることとなる。
【0080】
また、本発明は、アクティブマトリクス型液晶表示装置として説明したが、これに限られず、STN(Super Twisted Nematic)液晶などを用いたパッシィブ型にも適用可能である。さらに、電気光学材料としては、液晶のほかに、エレクトロルミネッセンス素子などを用いて、その電気光学効果により表示を行う表示装置にも適用可能である。すなわち、本発明は、上述した液晶装置と類似の構成を有するすべての電気光学装置に適用可能である。
【0081】
<6−2:電子機器>
【0082】
次に、上述した液晶装置を各種の電子機器に適用される場合について説明する。
【0083】
<6−2−1:プロジェクタ>
【0084】
まず、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図10は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。
【0085】
この図に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
【0086】
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶パネルAAと同等であり、画像信号処理回路(図示省略)から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
【0087】
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
【0088】
なお、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
【0089】
<6−2−2:モバイル型コンピュータ>
【0090】
次に、この液晶パネルを、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図11は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶表示ユニット1206とから構成されている。この液晶表示ユニット1206は、先に述べた液晶パネル1005の背面にバックライトを付加することにより構成されている。
【0091】
<6−2−3:携帯電話>
【0092】
さらに、この液晶パネルを、携帯電話に適用した例について説明する。図12は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の液晶パネル1005を備えるものである。この反射型の液晶パネル1005にあっては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
【0093】
なお、図10〜図12を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように本発明よれば、走査線駆動回路やデータ線駆動回路といった複数系統の電位電源が供給される回路において、保護回路を設けたので内部回路を高い信頼性の下に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る液晶装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】 同装置の走査線駆動回路100の構成を示すブロック図である。
【図3】 走査線駆動回路100に用いる保護回路とその周辺構成を示す回路図である。
【図4】 他の保護回路とそのその周辺構成を示す回路図である。
【図5】 図4に示す保護回路のより具体的な構成を示す回路図である。
【図6】 図3および図4に示す保護回路を適用した配線レイアウトを示す平面図である。
【図7】 同装置のデータ線駆動回路200の構成を示すブロック図である。
【図8】 同液晶パネルの構造を説明するための斜視図である。
【図9】 同液晶パネルの構造を説明するための一部断面図である。
【図10】 同液晶装置を適用した電子機器の一例たるビデオプロジェクタの断面図である。
【図11】 同液晶装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図12】 同液晶装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
【図13】 従来の保護回路とその周辺構成を示す回路図である。
【符号の説明】
2……走査線
3……データ線
6……画素電極
50……TFT(スイッチング素子)
100……走査線駆動回路
101、101’、201……入力保護回路
104、104’、105、205、206……出力保護回路
200……データ線駆動回路
300……タイミング発生回路
Claims (6)
- 第1の電源電位が供給される第1の電源線と、
第2の電源電位が供給される第2の電源線と、
第1接続点を有し、クロック信号を入力する第1配線と、
前記第1及び第2の電源線が接続され、前記クロック信号に同期して、転送開始パルスを順次転送して複数の信号を出力するシフトレジスタと、
前記第1配線における前記第1接続点と前記第1の電源線との間に設けられた第1ダイオードと、前記第1配線における前記第1接続点と前記第2の電源線との間に設けられた第2ダイオードと、からなる第1の保護回路と、
第1入力端子と、
前記第1入力端子と前記第1配線における前記第1接続点との間に設けられた第1の保護抵抗とを備え、
前記第1配線が前記第1の電源線と交差する部分は、前記第1配線における前記第1接続点と前記第1の保護抵抗との間に設けられていることを特徴とする駆動回路。 - 第2接続点を有し、前記転送開始パルスを入力する第2配線と、
前記第2配線における前記第2接続点と前記第1の電源線との間に設けられた第3ダイオードと、前記第2配線における前記第2接続点と前記第2の電源線との間に設けられた第4ダイオードと、からなる第2の保護回路と、
第2入力端子と、
前記第2入力端子と前記第2配線における前記第2接続点との間に設けられた第2の保護抵抗とを備え、
前記第2配線が前記第1の電源線と交差する部分は、前記第2配線における前記第2接続点と前記第2の保護抵抗との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の駆動回路。 - 前記シフトレジスタは、転送開始パルスを順次転送した後、最終段からエンドパルスを出力し、
第3接続点を有し、前記エンドパルスを出力する第3配線と、
前記第3配線における前記第3接続点と前記第1の電源線との間に設けられた第5ダイオードと、前記第3配線における前記第3接続点と前記第2の電源線との間に設けられた第6ダイオードと、からなる第3の保護回路と、
第1出力端子と、
前記第1出力端子と前記第3配線における前記第3接続点との間に設けられた第3の保護抵抗とを備え、
前記第3配線が前記第1の電源線と交差する部分は、前記第3配線における前記第3接続点と前記第3の保護抵抗との間に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動回路。 - 第3の電源電位が供給される第3の電源線と、
第4の電源電位が供給される第4の電源線と、
前記第3及び第4の電源線に接続されるとともに、前記複数の信号に対応して設けられ、前記複数の信号のレベルを前記第3の電源電位と前記第4の電源電位に変換し、複数の出力信号として出力するレベルシフタとをさらに備え、
第4接続点をそれぞれ有し、前記複数の出力信号に対応して設けられた複数の第4配線と、
前記第4配線における前記第4接続点と前記第3の電源線との間に設けられた第7ダイオードと、前記第4配線における前記第4接続点と前記第4の電源線との間に設けられた第8ダイオードと、からなる第4の保護回路と、
前記複数の出力信号に対応して設けられた複数の第2出力端子と、
前記第2出力端子と前記第4配線における前記第4接続点との間に設けられた第4の保護抵抗とを備え、
前記第4配線が前記第3の電源線と交差する部分は、前記第4配線における前記第4接続点と前記第4の保護抵抗との間に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の駆動回路。 - 電気光学材料を有する電気光学パネルにおいて、
複数の走査線と、
複数のデータ線と、
前記走査線と前記データ線との交差に対応してマトリックス状に配置された画素電極およびスイッチング素子と、
前記走査線と前記データ線のうち少なくとも一方を駆動する請求項1乃至4のうち1項に記載した駆動回路と
を備えたことを特徴とする電気光学パネル。 - 請求項5に記載した電気光学パネルと
を備えたことを特徴とする電子機器。
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