JP4162959B2 - 地図データ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地図データ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ナビゲーション装置で使用される道路地図などの地図データは、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体で提供されていた。また、通信を使用して車両搭載のナビゲーション装置に地図データを提供することも行われている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−46379号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、記録媒体などで提供される大容量の地図データの一部を効率よく更新できる仕組みが提供されていなかった。
【0005】
本発明は、記録媒体などで提供される大容量の地図データの一部を効率よく更新し使用する地図データ処理装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、地図データ処理装置に適用され、同種の情報要素が複数集合して構成され、情報要素単位で更新可能なように構成され、情報要素単位の更新に応じて更新される地図に関する情報の管理情報が設けられるよう構成された地図に関する情報を、情報要素単位に更新する更新手段と、更新手段により更新された地図に関する情報を有する地図データに基づき、地図データの処理を行う処理手段とを備え、地図に関する情報は、道路地図を表示するための背景に関する情報であり、情報要素は、1つの表示管理単位の背景に関する情報であり、1つの表示管理単位の背景に関する情報は、描画順位に関する情報を有し、更新手段は、複数集合した1つの表示管理単位の背景に関する情報のうちいずれかを更新したとき、描画順位に応じて、複数集合した1つの表示管理単位の背景に関する情報を並べ替えることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、地図データ処理装置に適用され、同種の情報要素が複数集合して構成され、情報要素単位で更新可能なように構成され、情報要素単位の更新に応じて更新される地図に関する情報の管理情報が設けられるよう構成された地図に関する情報を、情報要素単位に更新する更新手段と、更新手段により更新された地図に関する情報を有する地図データに基づき、地図データの処理を行う処理手段とを備え、情報要素は、道路地図を表示するための1つの名称に関する情報であり、1つの名称に関する情報は、描画順位に関する情報を有し、更新手段は、複数集合した1つの名称に関する情報のうちいずれかを更新したとき、描画順位に応じて、複数集合した1つの名称に関する情報を並べ替えることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本実施の形態において、地図表示用データや誘導データや経路計算用データなどの地図データの授受について説明する図である。車載用ナビゲーション装置1は、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体2から、地図データや管理情報や案内検索データなどを読み取る。リムーバブルメモリ3からは、地図データなどの更新データの提供を受ける。リムーバブルメモリ3は、地図データの一部を更新するために更新データ等が記録された取り替え可能な記録媒体である。
【0008】
また、ナビゲーション装置1は、携帯電話などの通信装置4とも接続可能である。ナビゲーション装置1は、通信装置4を介してインタネット5に接続し、さらにインターネット5を介して地図サーバ6に接続することができる。地図サーバ6は、古い地図データから最新の地図データまでを地図データベース7に保有し、また、古い案内検索データから最新の案内検索データまでを案内検索データベース8に保有する。従って、地図サーバ6は、地図データの一部を更新する更新データをインターネット5を介してナビゲーション装置1に提供することができる。なお、案内検索データとは、POI等の位置情報、種別、名称等の属性情報を格納したデータである。
【0009】
ナビゲーション装置1は、制御装置11と不揮発性メモリ12を有する。制御装置11は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路から構成される。不揮発性メモリ12は、ナビゲーション装置1の内部に設けられたハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリである。不揮発性メモリ12は、ナビゲーション装置1の電源が落とされても、書きこまれたデータが消えない記憶装置であればどのようなものでもよい。
【0010】
記録媒体2は、一旦ナビゲーション装置1に搭載すると、新たな記録媒体2と入れ替えない限りナビゲーション装置1に搭載したままの状態となる。従って、リムーバブルメモリ3に対して固定メディアと称してもよい。地図データベース7や案内検索データベース8は、新旧すべての地図データや案内検索データなどを有しているためマザーデータのデータベースである。地図サーバ6は、地図データベース7や案内検索データベース8を使用して、初期の(更新前の)地図データなどを有する記録媒体2や、更新用データを有するリムーバブルメモリ3を準備することができる。
【0011】
図2は、車載用ナビゲーション装置1のブロック図である。ナビゲーション装置1は、制御装置11、不揮発性メモリ12、現在地検出装置13、DVD駆動装置14、メモリ15、通信インターフェース16、リムーバブルメモリ読込装置17、モニタ18、入力装置19を有する。
【0012】
現在地検出装置13は車両の現在地を検出する現在地検出装置であり、例えば車両の進行方位を検出する方位センサや車速を検出する車速センサやGPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ等から成る。DVD駆動装置14は、記録媒体2を搭載して地図データなどを読み込む装置である。本実施の形態では、記録媒体2はDVD−ROMとする。なお、CD−ROMや他の記録媒体であってもよい。
【0013】
メモリ15は、現在地検出装置13によって検出された車両位置情報等を格納したり、制御装置11が演算した推奨経路上のノード情報やリンク情報等を格納するメモリである。さらに、後述するメッシュ管理テーブルを格納したりもする。メモリ15は制御装置11のワーキングエリアである。通信インターフェース16は、通信装置4を接続するインターフェースである。通信インターフェース16を介して携帯電話の利用や、インターネットとの接続が可能である。リムーバブルメモリ読込装置17は、リムーバブルメモリ3を装填しリムーバブルメモリ3からデータを読み込むことが可能な装置である。
【0014】
モニタ18は、地図や推奨経路や各種情報を表示する表示装置である。モニタ18は、ナビゲーション装置本体の一部として一体に設けてもよいし、筐体としては別々に設けてもよい。さらに、モニタ18のみを、ナビゲーション装置本体とケーブルなどによって接続し、分離した位置に設けるようにしてもよい。入力装置19は、経路探索時に車両の目的地等を入力したりする入力装置である。リモコンであってもよいし、モニタ18の画面上に設けられたタッチパネルなどで構成してもよい。制御装置11は、現在地検出装置13で検出された車両の現在地情報と記録媒体2や不揮発性メモリ12に格納された地図データなどを使用して、道路地図の表示、経路計算(経路探索)、経路誘導等の各種のナビゲーション処理を行う。なお、制御装置11が実行する各種の処理プログラムは、制御装置11内部に設けられたROM(不図示)に組み込まれている。
【0015】
−地図データの構造−
上述した地図データのデータ構造について、さらに詳しく説明する。地図データは、地図に関する情報であり、道路データ、誘導データ、背景データ、名称データ、経路計算用データなどである。道路データは、道路の表示や車両の現在地の特定やマップマッチングなどに使用されるデータである。誘導データは、交差点名称・道路名称・方面名称・方向ガイド施設情報などからなり、演算された推奨経路に基づき運転者等に推奨経路を誘導する際に用いられる。背景データは、道路や道路地図の背景を表示するためのデータである。名称データは、地名や建物の名称などからなり、道路地図を表示するときに使用されるデータである。経路計算用データは、道路形状とは直接関係しない分岐情報などから成るネットワークデータであり、主に推奨経路を演算(経路探索)する際に用いられる。
【0016】
本実施の形態の地図データは、レベル、ブロック、メッシュという概念で管理する。本実施の形態では、地図データを縮尺率が異なる7つのレベルに分け、最詳細の縮尺率のレベルをレベル0とし、最広域地図のレベルをレベル6とする。各レベルは縮尺率が異なる地図データを含むものであるが、対象となる領域は各レベルとも同じである。すなわち、日本全土が対象であると、各レベルごとに縮尺率が異なる日本全土の地図データを有する。例えば、レベル0では縮尺率1/6250、レベル1では縮尺率1/25000、レベル2では縮尺率1/100000、レベル3では縮尺率1/400000、レベル4では縮尺率1/1600000、レベル5では縮尺率1/6400000、レベル6では縮尺率1/128000000の日本全土の地図データを有する。すなわち、レベル0〜6に対応して7つの地図データのセットがある。レベル0側を下位レベル、レベル6側を上位レベルとする。
【0017】
図3は、地図データのレベル、ブロック、メッシュの関係を説明する概念図である。代表して、レベル1と2を示している。符号101は、本地図データの対象となる領域を示す。日本全土の地図データを扱うとすると、領域101は日本全土を含む範囲となる。レベル1もレベル2も同じ範囲の領域を対象としている。レベル1では、領域101は、4×4=16の複数のブロック102に分けられて管理される。一つのブロック102は、複数のメッシュ103に分けられて管理される。本実施の形態では、m×n枚のメッシュで管理する。各ブロック102間の分割メッシュの数は、同じレベルでは同一数m×nである。
【0018】
レベル2では、領域101は、2×2=4の複数のブロック104に分けられて管理される。一つのブロック104は、複数のメッシュ105に分けられて管理される。本実施の形態では、p×q枚のメッシュで管理する。各ブロック104間の分割メッシュの数は、同じレベルでは同一数p×qである。
【0019】
レベル1とレベル2では、領域101を分割したブロックの数、各ブロックを分割したメッシュの数は異なる。これは、縮尺率の小さい(分母の値が大きい)より広域地図を扱うレベル2と、レベル2に比べて縮尺率の大きい(分母の値が小さい)より詳細地図を扱うレベル1とでは、扱うデータ量も異なるためである。すなわち、各レベルにおいて扱うデータ量に応じた適切な分割を行うようにしている。ただし、同一レベル内では、1つのブロックの大きさおよび1つのメッシュの大きさは同じである。なお、図3の各レベルの分割ブロック数は、1例であり、必ずしもこの数に限られるものではない。
【0020】
上記分割のたて方向は緯度方向に対応し、横方向は経度方向に対応する。上記ブロック、メッシュの呼び名は、本実施の形態で便宜上名づけたものである。従って、必ずしもこれらの名称に限定されるものではない。メッシュをパーセルと言ってもよいし、ブロックを第1の分割単位、メッシュを第2の分割単位と言ってもよい。また、これらのブロック、メッシュは地理的に分割された単位と言ってもよい。
【0021】
−道路・誘導データ−
以下、地図データのうち道路データと誘導データについて説明する。道路データと誘導データは、レベル、ブロック、メッシュという概念で管理される。各メッシュのメッシュデータとして道路データと誘導データが準備される。簡単に言うとブロック管理テーブルによりブロックを管理し、メッシュ管理テーブルにより各ブロック内におけるメッシュを管理する。
【0022】
図4は、ブロック管理テーブルとメッシュ管理テーブルとデータであるメッシュデータとの関係を概略的に示す図である。まず、レベルxのデータには1つのブロック管理テーブルがあることを示している。ブロック管理テーブルには、そのレベル内におけるすべてのブロックに関する情報がある。例えば、図3のレベル1では16枚のブロックがあり、対応する16個のブロック情報がある。レベル2では、レベル1の4枚のブロックが1枚のブロックとして管理されるため、4枚のブロックがあり、対応する4個のブロック情報がある。図4ではさらに、1枚のブロックに1つのメッシュ管理テーブルがあることを示している。
【0023】
このメッシュ管理テーブルによりメッシュを管理する。例えば、メッシュデータを取得するための記録媒体2や不揮発性メモリ12へのアクセスを管理する。正確に言うと、メッシュ管理テーブルはメッシュを管理するための情報を有し、制御装置11がこのテーブルを使用してメッシュを管理する。
【0024】
図5は、ブロック管理テーブルとメッシュ管理テーブルとメッシュデータとの関係をさらに詳細に説明する図である。ブロック管理テーブル201は、n個のブロック管理情報202を有する。各ブロックに対応して1つのメッシュ管理テーブル211が存在する。メッシュ管理テーブル211は、各メッシュの情報212〜214を格納する。格納順序は、ブロック内の左端下端メッシュを最初のメッシュとし、右隣のメッシュを順次格納し、右端に行くと1行上の左端から右隣に向けて順次格納し、最後は、右端上端メッシュの情報を格納する。ここで、左は西、右は東、下は南、上は北に対応する。左端下端メッシュの情報212は、セクタアドレス221とメッシュデータのファイル名称222と格納場所223とから構成される。隣接メッシュ(右)の情報213は、ブロック数224とメッシュデータのファイル名称225と格納場所226とから構成される。その後のメッシュの情報は、ブロック数224とメッシュデータのファイル名称225と格納場所226とから構成される。
【0025】
なお、記録媒体2は、記録領域を複数のセクタで分割し、セクタ内をさらに複数のブロックで分割して管理されている。ブロック数224は、1つ手前のメッシュ情報が使用したブロック数を示す。従って、最初のメッシュ情報221に格納された先頭セクタアドレスと、その後のメッシュ情報に格納されたブロック数を累積することにより、所望のメッシュのメッシュデータの記録媒体2上の格納場所を計算することができる。
【0026】
格納場所223、226には、該当メッシュのメッシュデータが、記録媒体2上に記録されているのか、不揮発性メモリ12上に記録されているのかを識別するための識別情報が格納されている。不揮発性メモリ12上に記録されている場合、さらに、その格納先のアドレスや、データサイズが格納さる。なお、格納場所223、226の代わりに、メッシュデータのファイル名称222、225を該当メッシュのメッシュデータが、記録媒体2上に記録されているのか、不揮発性メモリ12上に記録されているのかを識別するための識別情報として使用してもよい。例えば、メッシュデータがまだ記録媒体2のみに記録されている場合は、メッシュデータのファイル名称222、225にはNULLを格納し、不揮発性メモリ12上に記録されるようになった場合にそのファイル名称を記録する。プログラムは、まず、ファイル名称222、225がNULLか否かを判断し、NULLの場合は、記録媒体2にアクセスに行き、NULLでない場合は、そこに格納されているファイル名称で不揮発性メモリ12にアクセスに行けばよい。
【0027】
符号231は、メッシュデータの内容を示す。メッシュデータ231は、基本的に、リンクテーブル232、リンク属性テーブル233、リンク間情報テーブル234から構成される。各テーブルへのアクセスが可能なように、メッシュデータの最初に、リンクテーブルへのオフセット235、リンクテーブルのサイズ236、リンク属性テーブルへのオフセット237、リンク属性テーブルのサイズ238、リンク間情報テーブルへのオフセット239、リンク間情報テーブルのサイズ240が格納されている。例えば、リンクテーブルのオフセット235より、メッシュデータ231におけるリンクテーブル232の先頭アドレスを取得し、リンクテーブルのサイズ236に格納された値(例えばバイト数)分のデータを読み取る。他のテーブルも同様である。
【0028】
なお、本実施の形態では、道路をリンクとノードとリンク列という概念で表す。ノードは交差点や道路上特に指定された点を言う。リンクは隣接するノード間の道路に該当し、リンク列は1本の道路を連続した複数のリンクで表したものである。ノード間は、補間点により位置情報等が補間される。図6は、リンク列とリンクの構成の一例を示す図である。
【0029】
図7は、図5のリンクテーブル232の内容について説明する図である。リンクテーブル232は、1つのメッシュの中に存在するリンク列の総本数が格納されたリンク列本数301と、各リンク列1〜kのデータが格納されたリンク列302を有する。各リンク列302は、リンク列情報311、履歴情報312、削除フラグ313、リンク本数314、リンク1〜m315のデータから構成される。
【0030】
リンク列情報311は、サイズ321、リンク列属性322、道路名称オフセット323、路線番号324、レベル間統合リンクID番号325のデータから構成される。サイズ321は、リンク列のサイズ331とレベル間統合リンクID番号のサイズ332から構成される。リンク列属性322は、道路種別コード341、RESERVED(予約)342、路線番号有無フラグ343から構成される。レベル間統合リンクID番号325は、上位レベルのレベル間統合リンクID番号351を、上位レベルの数分格納する。各下位レベルのレベル間統合リンクID番号351は、レベル番号を識別する識別フラグ(レベルn+1)361と、レベルn+1の始点側レベル間対応キー362と、レベルn+1の終点側レベル間対応キー363とから構成される。レベル間対応キーについては後述する。
【0031】
各リンク315は、リンクのサイズ371、属性1+X座標372、属性2+Y座標373、下位レベルの正規化座標(X,Y)374、下位レベルのID番号(K)375、同一ノードオフセット376、リンク属性へのオフセット377、リンク間情報へのオフセット378から構成される。このリンク属性へのオフセット377により後述するリンク属性テーブルへのアクセスが可能となり、リンク間情報へのオフセット378により後述するリンク間情報テーブルへのアクセスが可能となる。
【0032】
X座標372、Y座標373は、正規化座標で表される。正規化座標とは、メッシュ内を、例えば、2048×2048に区分し、0〜2047の数字で表す。通常メッシュの位置は、メッシュの左下角の緯度経度で表される。すなわち、メッシュ管理テーブル211には、メッシュの左下角の緯度経度に対応する位置情報が格納される(不図示)。そして、メッシュの正規化座標は、メッシュの左下角を原点とする。従って、正規化座標は、緯度経度によるメッシュの位置情報を考慮すると、地図内の位置を緯度経度に対応した2次元座標値であらわしていることになる。この2次元座標値は緯度経度に対応する値であるため、ナビゲーション装置の別、規格の別などに影響されない普遍的な値と言える。
【0033】
本実施の形態では、X座標372、Y座標373の正規化座標に加えて、下位レベルの正規化座標(X,Y)374、下位レベルのID番号(K)375を格納する。上位レベルの座標は、そのレベルでの解像度の関係から、下位レベルの近接した複数のノードを包含する場合もある。従って、上位レベルと下位レベルのノードの対応関係がつかめない場合も生じる。そこで、本実施の形態では、下位レベルの正規化座標もデータとして含めることにより、対応する下位レベルのノードとの対応関係を正確に把握することが可能となる。下位レベルのID番号(K)375とは、正規化座標以外のパラメータであり、例えば、下位レベルにおけるそのノードの高さデータ、データの生成更新に関する時間データ(情報)、あるいはその両方データである。これらのX座標372、Y座標373、下位レベルの正規化座標(X,Y)374、下位レベルのID番号(K)375を組み合わせることにより、あるレベルのノードが確実に特定でき、レベル間の対応も確実に取れる。これらの組み合わされたデータを、本実施の形態では、レベル間対応キーと言う。あるレベルの2次元キーに他のレベルのパラメータが付加されているので、2.5次元空間キーと呼んでもよい。
【0034】
本実施の形態では、このレベル間対応キーを使用して、各レベルの各リンクにおけるリンクID番号を規定する。順方向のリンクID番号は、リンク列始点側のノードのレベル間対応キーとリンク列終点側のノードのレベル間対応キーによって規定される。逆方向のリンクID番号は、その逆の組み合わせで規定される。
【0035】
次に、図5のリンク属性テーブル233について説明する。図8は、リンク属性テーブル233の内容について説明する図である。リンク属性テーブル233は、リンク属性数401と、リンク属性402とから構成される。リンク属性テーブル233は、1つのメッシュの中に存在するすべてのリンクに関する属性データが格納されており、リンク属性の数401にはその総数、リンク属性402には各リンクの属性データが格納される。各リンク属性401は、要素点の数411と各要素点の要素点情報412と、各要素点の高さ情報413とから構成される。各要素点情報412は、座標値(X,Y)421、リンク種別コード422、種別付加情報423、道路幅員(順方向・逆方向)424、一方通行(順方向・逆方向)425、中間レーン情報(順方向・逆方向)426、リンクコスト427、VICSリンク番号428とから構成される。
【0036】
なお、要素点とは、図6において示されるノードや補間点を言う。リンクコスト427、VICSリンク番号428は、リンク(サブリンクではない)に関わる情報であるため、先頭ノードである要素点情報1にのみに設定する。リンク列中間点においては、順方向と逆方向の各方向の情報を保持する。リンク列始点(リンク1)における逆方向側の情報はなく、また、リンク列終点(リンクm)における順方向側の情報はない。
【0037】
次に、図5のリンク間情報テーブル234について説明する。図9は、リンク間情報テーブル234の内容について説明する図である。リンク間情報テーブル234は、リンク間情報の数501と、リンク間情報502とから構成される。リンク間情報テーブル234は、1つのメッシュの中に存在するすべてのリンク間に関する情報データが格納されており、リンク間情報の数501にはその総数、リンク間情報502には各リンク間の情報データが格納される。各リンク間情報502は、情報の数511と、交差点名称(順方向・逆方向)512、行き先看板名称(順方向・逆方向)513、交差点目標物(順方向・逆方向)514、交通規制情報515などから構成される。
【0038】
交通規制情報515は、進入側のレベルnのレベル間対応キー521と、退出側のレベルnのレベル間対応キー522と、規制内容523とから構成される。リンク間情報は、主に誘導時に使用される誘導データである。
【0039】
−ナビゲーション装置での地図データの更新管理−
以上のようにして構成される地図データ(道路・誘導データ)において、本実施の形態では、リンク列単位、リンク属性単位、リンク間情報単位でデータの更新が可能である。以下、リンク列単位での更新管理について説明する。
【0040】
図10は、ナビゲーション装置1での地図データの更新管理の様子を説明する図である。ナビゲーション装置1は、記録媒体2からメッシュ管理テーブルおよび地図データを読み込み、さらに、リムーバブルメモリ3あるいはインターネット5を介して地図サーバ6から更新地図データを読み込み、最新の地図データを使用することができる。
【0041】
従来のナビゲーション装置の場合、データの読み込み元はCD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体のみであった。本実施の形態のナビゲーション装置では、記録媒体2中の地図データと更新された地図データとを混在させて使用する。このため、読み書き可能メディアである不揮発性メモリ12を有する。不揮発性メモリ12はハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリで構成され、ナビゲーション装置の電源が落とされてもデータは保持される。不揮発性メモリ12は、キャッシュメディア12と呼んでもよい。
【0042】
不揮発性メモリ12は、図5で説明したブロック管理テーブル124を有する。ブロック管理テーブル124は、該当ブロックのメッシュ管理テーブルが記録媒体2上にあるのか不揮発性メモリ12上にあるのかの識別情報およびそのアクセスアドレスを有する。新しい地図データを初めて使用するとき、まずはじめに、記録媒体2に格納されたブロック管理テーブルを不揮発性メモリ12に読みこむ。初期値としては、各ブロックのメッシュ管理テーブルは記録媒体2上にあるとして設定されている。その後、地図データのリンク列単位の更新があると、更新されたリンク列のメッシュを有するブロックのメッシュ管理テーブル125を不揮発性メモリ12に作成し、ブロック管理テーブル124において、該当ブロックのメッシュ管理テーブルは不揮発性メモリ12上にある旨を設定する。プログラムは、ブロック管理テーブル124を参照することにより、メッシュ管理テーブルが、記録媒体2上にあるのか不揮発性メモリ12上にあるのかを判断することができる。
【0043】
符号126は、ナビゲーション装置のメモリ15内にあるメモリであり、メッシュ管理テーブルを格納する領域である。以下メモリ126と言う。プログラムは、メッシュ管理テーブルが記録媒体2上にあるのか不揮発性メモリ12上にあるのかを判断した後、該当メディアからメッシュ管理テーブルを読み出し、メモリ126に格納する。メモリ126に読み込まれたメッシュ管理テーブル127は、図5で説明したメッシュ情報を有する。
【0044】
リムーバブルメモリ3から、あるメッシュにおいて、初めてのリンク列単位の更新データを受け取ると、該当メッシュの地図データは不揮発性メモリ12に読み込まれ、地図データ133として格納される。そして、不揮発性メモリ12上でリンク列単位のデータ更新がなされる。このとき、不揮発性メモリ12上のメッシュ管理テーブルの該当メッシュ情報の格納場所の領域に、本メッシュのメッシュデータは不揮発性メモリ12に格納されている旨とそのアドレスを書きこむ。その後、この内容に基づき、不揮発性メモリ12へアクセスすることができる。すなわち、一度もリンク列単位の更新がされていないメッシュの地図データは記録媒体2へアクセスし、1回でもリンク列単位で更新されたことのあるメッシュの地図データは不揮発性メモリ12へアクセスする。
【0045】
−リンク列単位の更新−
次に、図7のリンクテーブル232において、リンク列302単位にデータを更新する場合について説明する。図11は、リンク列単位のデータ更新の制御のフローチャートを示す図である。図11の制御は、制御装置11において実行される。また、図11の制御は、更新対象のリンク列の該当メッシュはすでに不揮発性メモリ12に読み込まれていることを前提とする。さらに、制御装置11は、リムーバブルメモリ3の装填を確認し、リンク列の更新データを受け取り、更新対象リンク列の該当メッシュのメッシュデータは不揮発性メモリ12に存在することを確認済みであるところからスタートする。
【0046】
ステップS1では、不揮発性メモリ12にある該当メッシュのメッシュデータ231のリンクテーブル232に、読み込まれたリンク列の更新データをテーブルの最後に追加し、リンク列本数301をプラス1する。リンク列の更新データは、図7のリンク列全体のデータを含み、それ自体が正規のリンク列データである。更新データの削除フラグ313にはOFFが設定されている。ステップS2において、更新リンク列データに対応する旧リンク列データの削除フラグ313をONに設定する。この削除フラグは、リンク列データ全体を有効にするか無効にするかを識別するための識別情報である。ONの場合は無効、OFFの場合は有効である。
【0047】
ステップS3では、リンクテーブル232の更新に応じて、メッシュデータ231の、リンクテーブルへのオフセット235、リンクテーブルのサイズ236、リンク属性テーブルへのオフセット237、リンク属性テーブルのサイズ238、リンク間情報テーブルへのオフセット239、リンク間情報テーブルのサイズ240を更新する。ステップS4では、メッシュ管理テーブルの該当メッシュのメッシュ情報212〜214を更新する。例えば、不揮発性メモリ12上の格納先やデータサイズに変更があった場合、格納場所223、226に格納されたそのアドレスやデータサイズを更新する。
【0048】
なお、リンク属性単位、リンク間情報単位での地図データの更新も、上記と同様に行われる。リンク属性テーブルのリンク属性の数401、リンク間情報テーブルのリンク間情報の数501も同様に更新される。
【0049】
−地図表示の制御フローチャート−
図12は、制御装置11が地図データ(道路・誘導データ)を読み込んで地図表示を行う制御のフローチャートを示す図である。ステップS11では、現在地検出装置13を使用して、車両の現在地を検出する。ステップS12では、車両の現在地周辺の必要なメッシュのメッシュデータを読み込む。ステップS13では、必要なメッシュのメッシュデータをすべて読み込んだか否かを判断する。ステップS13で、まだ全てを読み込んでいないと判断すると、ステップS12に戻り、さらに必要なメッシュのメッシュデータを読み込む。ステップS13で、全ての必要な全てのメッシュのメッシュデータを読み込んだと判断するとステップS14に進み、地図表示処理を実行する。なお、地図表示処理において、削除フラグがONされているリンク列データや、リンク属性データや、リンク間情報データは無視される。
【0050】
図13は、図12のステップS12の処理の詳細なフローチャートを示す図である。ステップS21で、前述したように、不揮発性メモリ12にあるブロック管理テーブルにアクセスする。この場合、ブロック管理テーブルはすでに不揮発性メモリ12に読みこまれた状態であることを前提とする。ステップS22で、ブロック管理テーブルの内容に基づき、該当ブロックのメッシュ管理テーブルが記録媒体2上にあるか不揮発性メモリ12上にあるかを判断する。ステップS22で、記録媒体2にあると判断するとステップS23に進む。ステップS23では、記録媒体2から該当ブロックのメッシュ管理テーブルをメモリ126に読みこむ。
【0051】
一方、ステップS22で、記録媒体2上にない、すなわち、不揮発性メモリ12上にあると判断すると、ステップS24に進む。ステップS24では、不揮発性メモリ12から該当ブロックのメッシュ管理テーブルをメモリ126に読みこむ。ステップS25では、メモリ126に読みこまれたメッシュ管理テーブルの内容に基づき、該当メッシュの格納先アドレスを取得する。ステップS26で、取得された格納先からメッシュデータを読みこむ。この場合、メッシュデータが一度でもリンク列単位の更新がされていない場合は、記録媒体2からメッシュデータが読み込まれる。また、メッシュデータが一度でもリンク列単位で更新されている場合は、不揮発性メモリ12からデータが読み込まれる。
【0052】
以上のようにして、メッシュデータのリンクテーブルが、リンク列単位で更新され、リンク列単位で更新された地図データを使用して、地図表示処理がなされる。
【0053】
−背景・名称データ−
次に、地図データのうち背景・名称データについて説明する。背景・名称データについても、道路・誘導データと同様に、レベル、ブロック、メッシュという概念で管理される。従って、図5と同様に管理され、図5のメッシュデータ231を、図14のメッシュデータ601に置き換えて理解すればよい。図14は、背景・名称データのメッシュデータの内容を示す。メッシュデータ601は、基本的に、背景テーブル602、名称テーブル603から構成される。各テーブルへのアクセスが可能なように、メッシュデータ601の最初に、背景テーブルへのオフセット604、背景テーブルのサイズ605、名称テーブルへのオフセット606、名称テーブルのサイズ607が格納されている。例えば、背景テーブルのオフセット604より、メッシュデータ601における背景テーブル602の先頭アドレスを取得し、背景テーブルのサイズ605に格納された値(例えばバイト数)分のデータを読み取る。名称テーブルも同様である。
【0054】
図15は、図14の背景テーブル602の内容について説明する図である。背景とは、道路地図を表示するにあたり、道路以外の山や海や鉄道などの背景を言い、背景データとは、それぞれの背景要素を表示するためのポリゴン(面)データ、ポリライン(線)データ、点データである。背景テーブル602は、1つのメッシュの中に存在する背景データの総数が格納された背景データの数701と、背景データ1〜sが格納された背景データ702を有する。各背景データ702は、背景情報711、履歴情報712、削除フラグ713、要素点数714、始点X座標715、始点Y座標716、オフセット座標1(ΔX,ΔY)717、オフセット座標2(ΔX,ΔY)718、オフセット座標t(ΔX,ΔYY)719、インフォメーションポインタ720から構成される。
【0055】
背景情報711は、サイズ721、形状分類(面、線、点)722、描画順位723、背景属性724、名称オフセット725とから構成される。背景属性724は、ズーム許可フラグ731と背景種別コード732とから構成される。
【0056】
次に、図14の名称テーブル603について説明する。図16は、名称テーブル603の内容について説明する図である。名称とは、道路地図を表示する等において、地名や建物の名称やその他のあらゆる名称を言う。名称テーブル603は、名称データの数801と、名称データ802とから構成される。名称テーブル603は、1つのメッシュの中に存在するすべての名称データが格納されており、名称データの数801にはその総数が格納される。各名称データ802は、名称情報811、履歴情報812、削除フラグ813、文字数814、X座標815、Y座標816、文字列コード1:817、文字列コード2:818、文字列コードv:819、インフォメーションポインタ820とから構成される。
【0057】
名称情報811は、サイズ821、描画順位822、名称属性823とから構成される。名称属性823は、ズーム許可フラグ831と名称種別コード832とから構成される。
【0058】
以上のようにして構成される背景・名称データにおいて、本実施の形態では、背景データ単位、名称データ単位でデータの更新が可能である。更新管理については、リンク列単位での更新管理と同様であり、上述したリンク列を背景データあるいは名称データに置き換えて理解すればよい。背景テーブルの背景データの数701、名称テーブルの名称データの数801も同様に更新される。なお、背景データあるいは名称データは、更新前では最初に設定された描画順位に応じてデータが並べられている。更新により、背景データあるいは名称データが、変更、追加、削除等された場合は、各データに設定されている描画順位に応じて再度データを並べ変えることができる。
【0059】
−経路計算データ−
次に、地図データのうち経路計算データについて説明する。経路計算データについても、道路・誘導データと同様に、レベル、ブロック、メッシュという概念で管理される。従って、図5と同様に管理され、図5のメッシュデータ231を、図17のメッシュデータ901に置き換えて理解すればよい。図17は、経路計算データのメッシュデータの内容を示す。メッシュデータ901は、基本的に、接続部テーブル902、レベル間対応テーブル903から構成される。各テーブルへのアクセスが可能なように、メッシュデータ901の最初に、接続部テーブルへのオフセット904、接続部テーブルのサイズ905、レベル間対応テーブルへのオフセット906、レベル間対応テーブルのサイズ907が格納されている。例えば、接続部テーブルのオフセット904より、メッシュデータ901における接続部テーブル902の先頭アドレスを取得し、接続部テーブルのサイズ905に格納された値(例えばバイト数)分のデータを読み取る。レベル間対応テーブルも同様である。
【0060】
図18は、図17の接続部テーブル902の内容について説明する図である。経路計算データは、前述したように、道路形状とは直接関係しない分岐情報などから成るネットワークデータであり、ノードの接続情報からなる。接続部テーブル902は、1つのメッシュの中に存在するノードの総数が格納されたノード総数1001と、リンクの総数が格納されたリンク総数1002と、ノード情報1〜wが格納されたノード情報1003を有する。各ノード情報1003は、ノード情報のサイズ1011、履歴情報1012、削除フラグ1013、自ノード情報1014、隣接ノード#1〜#e情報1015とから構成される。
【0061】
自ノード情報1014は、隣接ノード数+X座標1021、上位レベル存在フラグ1022、自ノード道路種別コード+Y座標1023、下位レベルの正規化座標(X,Y)1024、下位レベルのID番号(K)1025とから構成される。本実施の形態では、X座標1021、Y座標1023の正規化座標に加えて、下位レベルの正規化座標(X,Y)1024と下位レベルのID番号(K)1025を格納する。この、X座標1021、Y座標1023と下位レベルの正規化座標(X,Y)1024と下位レベルのID番号(K)1025とを組み合わせることにより、自ノードID番号であるレベル間対応キーを構成する。レベル間対応キーは、道路・誘導データにおいて説明した通りである。
【0062】
各隣接ノード情報1015は、リンク種別コード+X座標1031、上位レベル存在フラグ+Y座標1032、下位レベルの正規化座標(X,Y)1033、下位レベルのID番号(K)1034、交通規制(通行コード)有無フラグ1035、図郭外フラグ+図郭方向1036、隣接ノード道路種別コード1037、リンク道路種別コード 1038、道路幅員+バイパスフラグ1039、規制速度+リンク長+平均旅行時間1040、通行コード(1ワード〜4ワード)1041とから構成される。隣接ノードにおいても、X座標1031、Y座標1032、下位レベルの正規化座標(X,Y)1033、下位レベルのID番号(K)1034とにより、隣接ノードID番号であるレベル間対応キーを構成する。
【0063】
上記した自ノードID番号と隣接ノードID番号とにより、その間のリンクID番号が規定される。これにより、経路計算データにおいても、あるレベルのノードやリンクが確実に特定でき、レベル間の対応も確実に取れる。図19は、隣接するノード1とノード2において、ノードID番号ととリンクID番号との関係を概念的に示す図である。ノードID番号は、自ノード情報でもあり、隣接するノードにおいては隣接ノード情報に使用される。リンクID番号において、ノードID番号の並びを逆にすることにより、順方向と逆方向のリンクID番号を規定している。
【0064】
例えば、ノードID番号とリンクID番号を使用して、経路表示をする場合について説明する。経路計算データを使用してある経路が計算された場合、その経路上のノードのノードID番号を取得できる。取得されたノードID番号に基づき、道路・誘導データにアクセスし、経路表示のためのデータを取得することができる。この場合、ノードの並び順により、ノードに接続する方向情報を有するリンクID番号が特定できる。特定された方向情報を有するリンクID番号を使用して、経路表示のためのデータを取得することができる。例えば、進行方向によって異なる交差点名称を有する交差点などを適切に表示することができる。
【0065】
次に、図17のレベル間対応テーブル903について説明する。図20は、レベル間対応テーブル903の内容について説明する図である。レベル間対応テーブル903は、当該レベルのノードが下位レベルのどのメッシュのどのノードに対応するかの情報を格納したテーブルである。
【0066】
レベル間対応テーブル903は、1つのメッシュの中において、レベル間対応情報が設けられたノードの総数が格納されたレベル間対応ノード総数1101と、リンクの総数が格納されたリンク総数1102と、対応情報1〜fが格納された対応情報1103を有する。各対応情報1103は、対応情報のサイズ1111、履歴情報1112、削除フラグ1113、自ノード対応情報1114、隣接ノード#1〜#g情報1115とから構成される。
【0067】
自ノード対応情報1114は、隣接ノード数1121、自レベル情報1122、下位レベル情報1123とから構成される。自レベル情報1122は、X座標1131、Y座標1132、下位レベルの正規化座標(X,Y)1133、下位レベルのID番号(K)1134とから構成される。これらを組み合わせは前述のレベル間対応キーを構成し、自レベルの自ノードID番号となる。下位レベル情報1123は、下位レベルの存在領域1141、X座標1142、Y座標1143、下位レベルの正規化座標(X,Y)1144、下位レベルのID番号(K)1145とから構成される。X座標1142、Y座標1143、下位レベルの正規化座標(X,Y)1144、下位レベルのID番号(K)1145の組み合わせは、同様にレベル間対応キーを構成し、下位レベルの自ノードID番号となる。
【0068】
各隣接ノード対応情報1115は、自レベル隣接情報1151、下位レベル情報1152とから構成される。自レベル隣接情報1151は、X座標1161、Y座標1162、下位レベルの正規化座標(X,Y)1163、下位レベルのID番号(K)1164とから構成される。これらを組み合わせは、同様にレベル間対応キーを構成し、自レベルの隣接ノードID番号となる。下位レベル隣接情報1152は、下位レベルの存在領域1171、X座標1172、Y座標1173、下位レベルの正規化座標(X,Y)1174、下位レベルのID番号(K)1175とから構成される。X座標1172、Y座標1173、下位レベルの正規化座標(X,Y)1174、下位レベルのID番号(K)1175の組み合わせは、同様にレベル間対応キーを構成し、下位レベルの隣接ノードID番号となる。
【0069】
以上のようにして構成される経路計算データにおいて、本実施の形態では、ノード情報単位、リンク間情報単位でデータの更新が可能である。更新管理については、リンク列単位での更新管理と同様であり、上述したリンク列をノード情報あるいはリンク間情報に置き換えて理解すればよい。接続部テーブルのノード総数1001、リンク総数1002、レベル間対応テーブルのレベル間対応総数1101、リンク総数1102も同様に更新される。
【0070】
以上説明したような本実施の形態の地図データの構造や、そのデータ構造を利用するナビゲーション装置は、次のような効果を奏する。
(1)道路・誘導データでは、リンク列単位、リンク属性単位、リンク間情報単位で更新可能であり、背景・名称データでは、ポリゴン、ポリライン、点等の背景表示管理単位、名称単位で更新可能であり、経路計算データでは、ノード情報単位、レベル間対応情報単位で更新可能である。すなわち、地図に関する情報を構成する情報要素単位で更新可能である。従って、地図データの一部のみ更新する場合、地図データが格納されたDVD−ROMなどの記録媒体全体を新しいものにする必要がない。また、最小単位でデータ更新がなされるので、データ更新に掛かる通信量(コスト)も低減することができる。また、更新時間も削減できる。ここで、地図に関する情報を構成する情報要素とは、情報あるいはデータの機能、用途等別に分類される要素であり、情報やデータの機能、用途別の種類とも言える。
(2)リンク列等の各情報要素には、削除フラグを設けるようにしたので、旧データを一々削除したり入れ替えたりしなくてもよい。なお、削除フラグを設けず、旧データを削除して、新しい更新データで置き換えるようにしてもよい。
(3)地図データを管理する管理テーブルを不揮発性メモリに格納し、リンク列等の情報要素の更新ごとに、管理テーブルの内容を更新できるようにした。これにより、リンク列等の情報要素単位の更新が可能になるとともに、後に更新されたデータのアクセスが可能となる。
(4)リンク列等の更新対象情報要素が含まれるメッシュデータを不揮発性メモリに格納するようにしたので、更新データの追加、あるいは書き換え、それらに伴う管理情報の更新が可能となる。また、装置の電源が落とされても、更新データが保持される。
(5)ノードの位置情報を、自レベルの位置情報のみならず下位レベルの位置情報も組み合わせたレベル間対応キーで表すようにしたので、ノードの特定が確実にでき、さらにレベル間の対応関係も容易に取ることができる。
(6)レベル間対応キー(ノードID番号)を使用して、各レベルの各リンクにおけるリンクID番号を規定するようにしたので、リンクの特定が確実にでき、さらにレベル間の対応関係も容易に取ることができる。また、レベル間対応キーの並びの順序を変えることにより、順方向あるいは逆方向のリンクID番号を規定するようにしたので、順方向あるいは逆方向のリンクID番号を容易に確実に特定することができる。上記のように規定されるリンクID番号は、例えば、経路計算結果に基づく経路表示や経路誘導において、リンクの方向を特定する必要があるときに有効に使用される。
(7)背景データや名称データに、描画順序の情報を設けるようにしたので、情報要素単位の更新時に、描画順序に応じてデータの並び替えをすることもできる。これにより、データが更新されても描画スピードの低下を招かない。
(8)更新データをインターネット経由の通信によっても提供するので、迅速にかつ安い費用で最新の更新データを提供することができる。
(9)ノード位置情報に、緯度経度に対応する2次元座標値を使用するようにしているので、データ更新の方式が機種に依存したり、規格に依存したりすることを防止することができる。すなわち、緯度経度に対応する2次元座標は普遍的なデータと言えるので、これらのデータを使用することにより、データ更新の方式を標準化できる。
(10)レベル間対応キーにおいて、2次元座標値以外のパラメータを使用しているので、ノード間の特定をより確実に行うことができる。例えば、高さデータを使用する場合、道路が高架して交差する接続点であっても、確実に区別することができる。
【0071】
上記の実施の形態では、ナビゲーション装置の制御装置11が実行する制御プログラムはROMに格納されている例で説明をしたが、この内容に限定する必要はない。制御プログラムやそのインストールプログラムをDVDなどの記録媒体で提供してもよい。なお、記録媒体はDVDに限定する必要はなく、CD−ROM、磁気テープやその他のあらゆる記録媒体を使用するようにしてもよい。
【0072】
さらに、それらのプログラムをインターネットなどに代表される通信回線などの伝送媒体を介して提供することも可能である。すなわち、プログラムを、伝送媒体を搬送する搬送波上の信号に変換して送信することも可能である。プログラムを記録媒体やインターネットで提供する場合は、図1と同じような構成で提供すればよい。例えば、記録媒体2をプログラム提供の記録媒体にし、地図サーバ6をアプリケーションプログラムを提供するサーバーとすればよい。
【0073】
また、上述の制御プログラムをパソコン上で実行させてカーナビゲーション装置を実現するようにしてもよい。その場合、現在地検出装置13や入力装置19などは、パソコンの所定のI/Oポートなどに接続するようにすればよい。
【0074】
上記の実施の形態では、リムーバブルメモリ3から更新データを提供する例を説明したが、この内容に限定する必要はない。更新用データをCD−ROMやDVD−ROMなどに書きこんで、記録媒体2を一時的に入れ替えて提供するようにしてもよい。
【0075】
上記の実施の形態では、記録媒体2から初期の地図データを読み込む例を説明したが、この内容に限定する必要はない。初期の地図データをインターネット5を介して受け取って不揮発性メモリ12に格納し、その後前述した手法で更新管理するようにしてもよい。また、インターネット5を介して必要な地図データをその都度受け取り、その都度不揮発性メモリ12に格納し、その後更新がある場合は、前述した手法で更新管理をしてもよい。
【0076】
上記の実施の形態では、不揮発性メモリ12はナビゲーション装置1の内部に設けられる例を説明したが、この内容に限定する必要はない。ケーブルなどによって接続される外部記憶装置であってもよい。
【0077】
上記の実施の形態では、複数のレベルに対応して地図データを有し、当該レベルにおけるノードの正規化座標と下位レベルの正規化座標とを組み合わせたレベル間対応キーを使用する例を説明したが、この内容に限定する必要はない。すべてのノード座標を、最も詳細なレベルで使用できる解像度の緯度経度に関する位置情報で表すようにしてもよい。例えば、所定の解像度の絶対緯度経度そのもので表してもよい。また、所定の解像度の緯度経度に関する位置情報と前述したノードの高さデータや更新時間データなどのID番号(K)との組み合わせで表すようにしもよい。
【0078】
上記の実施の形態では、道路・誘導データや経路計算データにおいて、リンク列単位やノード情報単位など、それぞれの情報要素の更新データを使用してそれぞれのデータを更新する例を説明したが、この内容に限定する必要はない。例えば、道路・誘導データのリンク列単位の更新データを使用して、リンクテーブルをリンク列単位で更新するとともに、経路計算データの接続部テーブルをノード情報単位で更新するようにしてもよい。リンク列単位の更新データには、ノードの位置情報や規制情報などが含まれ、経路計算データの更新データを生成することも可能であるからである。また、道路・誘導データや背景・名称データや経路計算データなどの情報要素単位の更新に共通に使用できる、所定のフォーマットの統合された更新データを提供し、各データを更新するようにしてもよい。この場合、ナビゲーション装置1側で、所定のフォーマットの統合された更新データから各データの情報要素単位の更新データを生成するプログラムを備えておく。このようにすることにより、通信データをコンパクト化でき、更新を迅速に行うことができるようになる。
【0079】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【0080】
【発明の効果】
本発明は、地図に関する情報を構成する情報要素単位で更新可能にしているので、地図データの一部のみが更新可能となり、更新に伴う費用の削減、時間の削減が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】地図データの授受について説明する図である。
【図2】車載用ナビゲーション装置のブロック図である。
【図3】地図データのレベル、ブロック、メッシュの関係を説明する概念図である。
【図4】ブロック管理テーブルとメッシュ管理テーブルとデータであるメッシュデータとの関係を概略的に示す図である。
【図5】ブロック管理テーブルとメッシュ管理テーブルとメッシュデータとの関係をさらに詳細に説明する図である。
【図6】リンク列とリンクの構成の一例を示す図である。
【図7】リンクテーブルの内容について説明する図である。
【図8】リンク属性テーブルの内容について説明する図である。
【図9】リンク間情報テーブルの内容について説明する図である。
【図10】ナビゲーション装置での地図データの更新管理の様子を説明する図である。
【図11】リンク列単位のデータ更新の制御のフローチャートを示す図である。
【図12】制御装置が地図データ(道路・誘導データ)を読み込んで地図表示を行う制御のフローチャートを示す図である。
【図13】図12のステップS12の処理の詳細なフローチャートを示す図である。
【図14】背景・名称データのメッシュデータの内容を示す図である。
【図15】背景テーブルの内容について説明する図である。
【図16】名称テーブルの内容について説明する図である。
【図17】経路計算データのメッシュデータの内容を示す図である。
【図18】接続部テーブルの内容について説明する図である。
【図19】ノードID番号とリンクID番号との関係を概念的に示す図である。
【図20】レベル間対応テーブルの内容について説明する図である。
【符号の説明】
1 ナビゲーション装置
2 記録媒体
3 リムーバブルメモリ
4 通信装置
5 インタネット
6 地図サーバ
7 地図データベース
8 案内検索データベース
11 制御装置
12 不揮発性メモリ
13 現在地検出装置
14 DVD駆動装置
15 メモリ
16 通信インターフェース
17 リムーバブルメモリ読込装置
18 モニタ
19 入力装置
Claims (2)
- 地図データ処理装置であって、
同種の情報要素が複数集合して構成され、前記情報要素単位で更新可能なように構成され、前記情報要素単位の更新に応じて更新される地図に関する情報の管理情報が設けられるよう構成された前記地図に関する情報を、前記情報要素単位に更新する更新手段と、
前記更新手段により更新された地図に関する情報を有する地図データに基づき、地図データの処理を行う処理手段とを備え、
前記地図に関する情報は、道路地図を表示するための背景に関する情報であり、
前記情報要素は、1つの表示管理単位の背景に関する情報であり、
前記1つの表示管理単位の背景に関する情報は、描画順位に関する情報を有し、
前記更新手段は、複数集合した前記1つの表示管理単位の背景に関する情報のうちいずれかを更新したとき、前記描画順位に応じて、前記複数集合した前記1つの表示管理単位の背景に関する情報を並べ替えることを特徴とする地図データ処理装置。 - 地図データ処理装置であって、
同種の情報要素が複数集合して構成され、前記情報要素単位で更新可能なように構成され、前記情報要素単位の更新に応じて更新される地図に関する情報の管理情報が設けられるよう構成された前記地図に関する情報を、前記情報要素単位に更新する更新手段と、
前記更新手段により更新された地図に関する情報を有する地図データに基づき、地図データの処理を行う処理手段とを備え、
前記情報要素は、道路地図を表示するための1つの名称に関する情報であり、
前記1つの名称に関する情報は、描画順位に関する情報を有し、
前記更新手段は、複数集合した前記1つの名称に関する情報のうちいずれかを更新したとき、前記描画順位に応じて、前記複数集合した前記1つの名称に関する情報を並べ替えることを特徴とする地図データ処理装置。
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