JP4145097B2 - 低誘電正接材料および炭化珪素焼結体の誘電正接を制御する方法 - Google Patents

低誘電正接材料および炭化珪素焼結体の誘電正接を制御する方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低誘電正接材料および炭化珪素焼結体の誘電正接を制御する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造装置においては、高周波電圧を使用して高周波プラズマを生成させることが行われており、半導体製造装置の内部に収容する各種の装置には、高周波電圧が印加されることがある。このため、半導体製造に使用する各種の部材には、誘電正接が低いことが求められる場合がある。一方、半導体製造装置内の各種部材は腐食性ガスに曝露されることから、耐蝕性セラミックス、例えば窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
炭化珪素焼結体は、ある種の腐食性ガスに対しては高い耐蝕性を有することから、半導体製造用途に有用である。しかし、炭化珪素焼結体は、一般に誘電正接(tanδ)が高く、例えば0.50以上であることが多い。そして、炭化珪素焼結体の誘電正接を高い確実性をもって制御する技術は開示されていない。このため、炭化珪素焼結体の誘電正接を低下させることが求められた。
【0004】
更に、最近は大寸法の炭化珪素焼結体からなる製品が要請されてきている。ここで、炭化珪素焼結体の寸法が大きくなってくると、その誘電正接や体積抵抗率を一定範囲に収めることは非常に困難であり、誘電正接や体積抵抗率のバラツキが大きくなってくる。
【0005】
本発明の課題は、高い耐蝕性を有しており、かつ比較的に低い誘電正接を有する低誘電正接材料を提供することである。
【0006】
また、本発明の課題は、炭化珪素焼結体の誘電正接を簡便に制御する方法を提供することである。
【0007】
更に,本発明の課題は、低誘電正接材料を構成する焼結体を大型化した場合にも誘電正接のバラツキを抑制できるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、0.50以下の誘電正接を有する低誘電正接材料であって、
1.0重量%以上の配合量の窒化ホウ素を含みかつ炭素粉末を含まない炭化珪素原料粉末の焼結体(相対密度95%以下を除く)からなり、前記焼結体が、窒化ホウ素粒界相を含み、体積抵抗率が1.0×10 +7 〜1.0×10 +13 Ω・cmであることを特徴とする。
また、本発明は、窒化ホウ素粒界相を含み、体積抵抗率が1.0×10 +7 〜1.0×10 +13 Ω・cmであり、炭化珪素焼結体(相対密度95%以下を除く)の誘電正接を制御する方法であって、
焼結により前記炭化珪素焼結体を生成する原料粉末中の前記原料粉末中の窒化ホウ素の配合量を1.0重量%以上とし、前記原料粉末が炭素粉末を含まないようにする。
本発明者は、炭化珪素焼結体の誘電正接と原料との関係を種々検討する過程において、炭化珪素原料粉末中に窒化ホウ素粉末を添加することによって、炭化珪素焼結体の誘電正接が一方向的かつほぼ直線的に変化することを見いだし、本発明に到達した。
【0009】
好ましくは、焼結体の粒界抵抗Zgbと粒内抵抗Zgの比(Zgb/Zg)が10000以下である。焼結体の粒界抵抗Zgbと粒内抵抗Zgの比(Zgb/Zg)を10000以下とすることによって、誘電正接のバラツキを少なくでき、安定して0.50以下に抑制できる。特に焼結体の寸法が大きくなった場合にも、焼結体の場所ごとの誘電正接のバラツキを小さくし、誘電正接が局所的に増大するのを防止できる。
【0010】
この理由は明かではないが、以下のように推定される。即ち、粒界抵抗Zgbと粒内抵抗Zgの比(Zgb/Zg)が大きいということは、焼結体の中で電気の流れやすさという点で、微視的に見てムラが大きいことを意味する。このように電気の流れやすさに微視的ムラが大きい場合には、結晶粒径レベル、あるいは粒界厚さレベルの空間で、空間分極が起き易くなる。分極の過程、すなわち電荷が移動する過程では電力損失を伴う。この電力損失の結果、誘電正接tanδが大きくなるものと考えられる。
【0011】
これに加えて、焼結体では、結晶粒と粒界とが大きさや特性に分布を有しながら3次元的に集合している。その上に前述のような微視的分極が相乗的に作用し、誘電正接のバラツキが大きくなるものと思われる。
【0012】
以上の効果は、印加周波数が非常に高く空間分極が生じない場合は顕著ではないものと考えられる。プラズマプロセスで使われる周波数(通常は100kHz〜5GHz)の周波数域で、Zgb/Zg比が特に重要な因子となることを発見した。
【0013】
焼結体のZgb/Zg比を決める微視的要因としては、SiC、添加剤等の原料粉末や、炉材に含まれる金属元素、炭素の混入量、結晶粒径、結晶相の構成が影響すると思われる。炭素の混入源は、原料中の過剰炭素もあるが、焼結体中の遊離炭素として定量できる。
【0014】
また、炭化珪素は粒界抵抗が粒内抵抗よりも大きいため、分極する空間は、粒界厚さでなく結晶粒と考えられる。このため粒径(空間分極の距離)が大きく影響する。従って、結晶粒径が小さいほど、空間分極が小さい。結晶粒自体に含まれる不純物量も空間分極に影響すると考えられる。
【0015】
こうした観点からは、炭化珪素粒子の粒径(長径)が50μm以下であることが好ましく、10μm以下であることが更に好ましい。
【0016】
誘電正接を低くし、そのバラツキを低減するという観点からは、(Zgb/Zg)は1000以下であることが好ましく、250以下であることが更に好ましい。
【0017】
図1は、炭化珪素焼結体の原料に対する窒化ホウ素粉末の配合量と焼結体の誘電正接tanδとの関係の一例を示すグラフである。
【0018】
図1には、原料粉末を2200℃で焼結した場合と、2300℃で焼結した場合とについて示してある。
【0019】
いずれの例においても、窒化ホウ素を添加することによって、誘電正接がほぼ直線的に低下する傾向が見られた。
【0020】
例えば、窒化ホウ素を1.0重量%以上配合すると、2300℃で焼結することで0.3以下の誘電正接が安定的に実現された。
【0021】
また、2.0重量%以上の窒化ホウ素を配合した場合には、0.25以下、更には0.20以下の誘電正接を安定的に実現できることが判明した。しかも、窒化ホウ素の配合量と焼結体の誘電正接との関係は一方向的であり、安定的であった。これは、原料粉末に対する窒化ホウ素の配合量を制御することによって、得られる焼結体の誘電正接を制御可能であることを示している。このように簡便な方法で炭化珪素焼結体の誘電正接を制御する方法は知られていない。
【0022】
なお、特開昭55−85465号公報に記載の技術においては、炭化珪素焼結体を製造するのに際して、高温安定相であるα型炭化珪素からなる原料粉末を使用している。そして、α型炭化珪素からなる粉末は難焼結性であるので、焼結助剤として窒化ホウ素粉末を配合している。しかし、この窒化ホウ素粉末は、難焼結性のα型炭化珪素粉末の焼結を促進するために添加されているものであり、その作用効果は、焼結体のマイクロクラックを抑制して曲げ強度を高くすることと、焼結体の密度を高くすることだけである。
【0023】
本発明の低誘電正接材料を製造する際には、原料粉末を焼結させる。この原料粉末においては、炭化珪素粉末中に窒化ホウ素を含有させることができるし、あるいは炭化珪素粉末と窒化ホウ素粉末とを混合することができる。いずれにせよ、原料粉末中における窒化ホウ素の配合量を制御する必要があり、焼結体の誘電正接を低減するためには窒化ホウ素の配合量を1.0重量%以上とする。
【0024】
原料粉末を構成する炭化珪素の結晶相や種類は限定されない。しかし、一般に焼結温度が高いほど、誘電正接が低下する傾向がある。そして、β型炭化珪素粉末を焼結させた場合には、焼結温度が高いと、β型炭化珪素が、高温安定相であるα型炭化珪素へと相転移し、焼結体の物性が不安定になるおそれがある。この観点からは、α型炭化珪素からなる原料粉末を使用することが好ましい。
【0025】
好適な実施形態においては、α型炭化珪素からなる原料粉末として、高純度の粉末を使用し、この炭化珪素粉末に対して、窒化ホウ素粉末を混合する。この高純度のα型炭化珪素粉末は、炭素および珪素以外の元素の量が、8000ppm以下であることが好ましく、4000ppm以下であることが更に好ましい。
【0026】
原料粉末中の窒化ホウ素の配合量は、焼結体の誘電正接を制御するという目的からは特に限定されない。しかし、焼結体の誘電正接を低減するという観点からは、1.0重量%以上とすることが好ましく、2.0重量%以上とすることが更に好ましく、3.0重量%以上とすることが特に好ましい。
【0027】
また、原料純度と焼結性の観点からは、原料粉末中の窒化ホウ素の配合量を、5.0重量%以下とすることが好ましい。
【0028】
焼結体の誘電正接は、焼結体の使用目的に応じて変更することができる。低誘電正接材料の場合には、誘電正接を0.30以下とすることが好ましく、0.25以下とすることが更に好ましく、0.20以下とすることが一層好ましい。また,焼結体の誘電正接の下限は特にないが、実際上は0.10以上となることが多い。
【0029】
本発明において、原料粉末中の窒化ホウ素の配合量を変化させることによって、焼結体の体積抵抗率を、例えば図2に示すように変更することができる。炭化珪素焼結体は、通常は半導体領域の体積抵抗率を有しているが、本発明によれば、原料粉末中の窒化ホウ素の配合量を増大させることによって、焼結体の体積抵抗率を増大させることができ、特に1.0×10+7Ω・cm以上、更には1.0×10+8Ω・cm以上、特には1.0×10+9以上の高抵抗とすることが可能である。ただし、図および表において、「1.0×10+7Ω・cm」は、「1.0E+07Ω・cm」と表記する。焼結体の体積抵抗率の上限は特にないが、通常は1.0×10+15Ω・cm以下である。
【0030】
ここで、焼結体の体積抵抗率を上昇させるという観点からは、窒化ホウ素の配合量を1.0重量%以上とすることが好ましく、2.0重量%以上とすることが好ましく、3.0重量%以上とすることが一層好ましい。
【0031】
焼成温度は限定されないが,1900℃−2350℃であることが好ましい。焼成温度で1900℃未満であると、焼結体の密度が低下する傾向があり、2350℃を超えると、炭化珪素が昇華しやすくなる。焼結体の誘電正接を低減するという観点からは、焼成温度が2100℃以上であることが好ましく、2200℃以上であることが更に好ましい。
【0032】
原料粉末中の炭素の配合量を増大させると、誘電正接が上昇する作用がある。この関係は例えば図3に示す。従って、本発明では、原料粉末に炭素を配合しない。
【0033】
原料粉末中の炭素の配合量を増大させると、焼結体の体積抵抗率が低下する作用がある。この関係は例えば図4に示す。従って、本発明では、原料粉末に炭素を配合しない。
【0034】
好適な実施形態においては、炭化珪素原料粉末がα型炭化珪素からなる。これによって、炭化珪素焼結体の体積抵抗率を高く維持することができる。炭化珪素原料粉末としてβ型炭化珪素を仕様すると、焼結後に遊離炭素相が生成しやすく、有利炭素相が導電層として働く。
【0035】
好適な実施形態においては、焼結体中の遊離炭素量が0.2重量%以下である。
【0036】
また、好適な実施形態においては、炭化珪素焼結体のうち、6H型の炭化珪素が80容量%以上(更に好ましくは90容量%以上)を占めている。
【0037】
また、好適な実施形態においては、SIMS分析により求まる炭化珪素粒子内のAl量がAl/Si 比で0.02以下である。
【0038】
また、好適な実施形態においては、SIMS分析により求まる炭化珪素粒子内のCa量がCa/Si 比で0.01以下である。
【0039】
好適な実施形態においては、炭化珪素原料粉末を、窒素を1容量%以上含有する雰囲気中で焼成する。また、好適な実施形態においては、炉内真空度を0.001Torr以下に保持しながら300℃/時間以上の昇温速度で2000℃以上昇温させ、2000℃以上の温度で焼結体を得る。このような焼成プロセスは、焼結体の誘電正接を低減し、誘電正接のバラツキを抑制する上で有効であった。
【0040】
本発明の低誘電正接材料の用途は限定されない。本発明の材料の用途は、例えば、ガスタービン用の燃焼器、静翼、動翼、熱交換器、燃焼ガス通路部品を例示できる。また、電磁波透過体にも適用できる。これには、電磁波透過窓、高周波電極装置、高周波プラズマを発生させるためのチューブ、高周波プラズマを発生させるためのドームを例示できる。また、本発明の材料は、ダミーウエハー、シャドーリング、半導体ウエハーを支持するためのリフトピン、シャワー板、ガス拡散板に利用できる。
【0041】
【実施例】
(実験例A1−A7)
α型炭化珪素からなる粉末を準備した。この粉末において、炭素および珪素以外の元素の割合は4000ppmである。また、炭化珪素のα化度は100%である。この炭化珪素粉末に対して、純度99.6%の窒化ホウ素粉末を添加した。窒化ホウ素粉末の配合量は、表1に示すように変更した。また、実験例A5、A6、A7においては、炭素粉末を1、2または3重量%配合した。ただし、ここで言う配合量は、炭化珪素粉末を100重量%としたときの各粉末の百分率比である。
【0042】
各原料粉末をプレス成形することによって、寸法φ250mm×10mmの成形体を得、この成形体を2200℃で4時間焼結させ、実験例A1−A7の各焼結体を得た。各焼結体について、以下の特性を測定した。
【0043】
(密度) 純水を媒体としたアルキメデス法により測定した。
(体積抵抗率) JIS C2141に準じた方法により、室温で測定した。試験片形状は50mm×50mm×1mmの平板形状とし、主電極径20mm、ガード電極内径30mm、ガード電極外径40mm、印加電極径45mmとなるよう各電極を銀で形成した。印加電圧は500V/mmとした。電圧印加後1分経過時の電流を読みとり、体積抵抗率を算出した。
(誘電正接tanδ) JIS C2141に準じた方法により、室温で測定した。試験片形状は25mm×25mm×1mmの平板形状とし、主電極径14mm、ガード電極内径16mm、ガード電極外径22mm、印加電極径24mmとなるよう各電極を金で形成した。測定周波数は13.56MHzとし、インピーダンス測定から誘電正接を算出した。
【0044】
【表1】
Figure 0004145097
【0045】
(実験例B1−B4)
上記の実験例と同様にして、B1−B4の各焼結体を製造した。ただし、原料粉末中における窒化ホウ素粉末の配合量は、表2に示すように変更し、カーボン粉末の配合量は0とした。また、焼成温度は2300℃にした。この結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
Figure 0004145097
【0047】
炭素を添加せず、窒化ホウ素の配合量を変更したときの焼結体の誘電正接の変化を図1に示す。炭素を添加せず、窒化ホウ素の配合量を変更したときの焼結体の体積抵抗率の変化を図2に示す。更に、窒化ホウ素の配合量を4.0重量%に固定し、炭素の配合量を変化させたときの焼結体の誘電正接の変化を図3に示す(焼成温度2200℃)。窒化ホウ素の配合量を4.0重量%に固定し、炭素の配合量を変化させたときの焼結体の体積抵抗率の変化を図4に示す。
【0048】
本発明者は、本焼結体が、主として窒化ホウ素からなる粒界相を含むことを見いだした。図5は、実験例A1(窒化ホウ素の添加量1重量%)の焼結体の走査型電子顕微鏡写真(1000倍)である。黒色の分散相が粒界相である。図6は、実験例A4(窒化ホウ素の添加量4重量%)の焼結体の走査型電子顕微鏡写真であり(400倍)、図7は同じ焼結体の倍率1000倍での写真である。また、図8は、図6と同じ視野で撮影したEPMA写真である。炭素と珪素の分布がほぼ一致しているのは、炭化珪素結晶の存在を示している。また、ホウ素の分布と窒素の分布とを対比すると、明確に一致しており、窒化ホウ素相が存在していることが分かる。EPMAにおいて確認された窒化ホウ素の分布を、図6に示した同一視野の顕微鏡写真と対比すると、EPMAで確認した窒化ホウ素の分布と、顕微鏡写真で確認された粒界相の形状とが一致していることが分かる。従って、本焼結体は、主として窒化ホウ素からなる粒界相を含んでいることを確認した。
【0049】
(実験例C1〜C5)
表3、表4に示す各原料粉末を準備した。各原料粉末の成分および添加量は表3、4に示す。混合時には、分散剤としてフラーレンを添加したイオン交換水にSiC 粉末を添加し、ポリエチレン製ポット中で湿式混合した。BNや、B4C を添加する場合は、SiC 粉末を添加する前に添加、混合した。湿式混合後、入口温度を220 ℃、出口温度を約100 ℃に設定したスプレードライヤーで造粒し、造粒粉末を得た。得られた造粒紛末の径は約50〜60μmである。各造粒粉末をプレス成形することによって、直径φ480mm×厚さ20mmの円盤状成形体を得た。各成形体をホットプレス炉にて、表3、表4に示す各条件で焼成した。
【0050】
ホットプレス工程は以下のように実施した。C1、C2、C3においては、室温から2000℃までは、真空度が1×10−3Torr以下になるよう排気しながら、300〜500℃/時間の昇温速度で昇温させた。プレス圧は200kg/cmで1500℃から印加を開始し、2000℃で200kg/cmに到達するよう設定した。上記のようにして、均質な造粒粉末を得るとともに、2000℃までの昇温速度を速め、かつ真空中で昇温することにより、良好な焼結体が得られた。
【0051】
C4においては、1容量%の窒素を含むアルゴン雰囲気中で2300℃まで昇温し、2300℃で焼結を実施した。C5においては、アルゴン雰囲気中で焼結を実施した。
【0052】
各実験例について、それぞれ2回焼結体を製造し、評価した(表3、表4のrun1およびrun2)。また、PCD=0mm(中心)付近、及びPCD=150mm、450mm(外周付近)の各位置からサンプルを切り出し、表3、表4に示す各種特性の評価に供した。
【0053】
(誘電正接tanδ) 前述のように、周波数2.5MHzで測定した。
(抵抗比Zgb/Zg値、及び粒内抵抗Zg)
1. Zgb / Zg 値を求めたい面を鏡面研磨し、金ペーストを約10μm 径の大きさとなるようにSiC 粒内に塗布し、空気中200 〜300 ℃で焼き付ける。これによりAu 電極を研磨面上に形成する。
2. 3個以上のSiC 粒について、マイクロコンタクト4端子法によりZgb とZgを測定する。Zgb 測定の場合は、SiC粒界を跨ぐ位置に形成されたAu電極を中央2端子とし、Zg測定の場合は、同一のSiC 粒内に中央2端子が配置されるように電極を選定する。
3. 40Vまでの直流電圧を印加し、電圧/電流の傾きを、Zgb 、Zgとする。電圧が低い領域では傾きが大となる場合があるが、ここでは傾き小(= 抵抗小)となる領域での電圧/ 電流傾きから求めたものをZgb 、及びZgとする。
4.各SiC 粒毎に比の値Zgb/Zgの常用対数log10 を求め、log10(Zgb/Zg比)の平均値とσn-1 を算出する。平均値から2σn-1 を加えた値、すなわち約95%の上限値をZgb/Zg比とし、あとは10の階乗に戻してZgb/Zg比を算出する
5.粒内抵抗Zgも同様で、3個以上のSiC 粒からZgを求め、常用対数から算出される約95%の下限値をZg値とする。
6.結晶粒が小さく、1〜5の方法で測定できない場合は複素インピーダンス法で求めても良い。
なお、図9は、実験例C4において、炭化珪素粒子に電極をを形成した状態を示す走査型電子顕微鏡写真である(倍率250)。
【0054】
(遊離炭素量)
JIS R 1616「ファインセラミックス用炭化けい素微粉末の化学分析法」に従った。
(不純物量測定方法)
Ti,K,Na,Cr,Ni の分析法はJIS R 1616には規定されていないが、Al,Fe,Ca,Mgと同様の方法(加圧酸分解ICP 発光分光法)で分析した。
(6H型SiC の定量方法)
定量したい面のCu Kα線によるX線回折スペクトルを2θが25°〜85°の範囲で測定する。次いで、いわゆるルスカの定義によるピークを用い、連立方程式を解いて求めた。用いたJCPDS カードはNo.29−1131である。
ルスカの定義に関する文献名
J. Ruska, L.J.Gauckler, J.Lorentz, H.U.Rexer, “The Quantitative Calculation of SiC Polytypes from measurements of X−ray Diffration Peak Intensities”, Journal of Materials Science,14, 2013−2017(1979)」
【0055】
(炭化珪素粒子の長径)
測定したい面を鏡面研磨し、走査型電子顕微鏡によって2次電子像を得る。各粒の断面で最も長い径を長径とする。図10は、実験例C2について、低加速電圧で撮影した鏡面走査型電子顕微鏡像を示す(倍率1500)。
【0056】
(粒内不純物の測定方法)
測定したい面を鏡面研磨し、Time−of−Flight型SIMSを用い、炭化珪素粒子から質量スペクトルを測定した。H,Li,B,C,Na,Mg,Al,Si,K,Ca,C3H5,SiHO,Ti,Fe,Niについて質量スペクトル強度を測定し、Siとの比率M/Si比を、SiC粒内の不純物Mの濃度とした。この結果を表5に示す。表5は、C1〜C5の各run 1試料の中心付近(PCD=0mm)を測定した結果を示す。他の位置、及びrun2についてはSi,Ca,Alのみの測定とした。また、表6は湿式化学分析結果を示す。
【0057】
【表3】
Figure 0004145097
【0058】
【表4】
Figure 0004145097
【0059】
【表5】
Figure 0004145097
【0060】
【表6】
Figure 0004145097
【0061】
実験例C1、C2、C3においては、誘電正接が低く、体積抵抗率が高く、試料の各場所での誘電正接および体積抵抗率のバラツキが小さい。実験例C4においては、誘電正接が若干増大している。実験例5においては、誘電正接が0.50を超えており、体積抵抗率が低い。更に、誘電正接や体積抵抗率のバラツキが大きい。
【0062】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、低誘電正接材料を構成する焼結体を大型化した場合にも誘電正接のバラツキを抑制できる。
【0063】
また、本発明によれば、高い耐蝕性を有しており、かつ比較的に低い誘電正接を有する低誘電正接材料を提供できる。また、炭化珪素焼結体の誘電正接を簡便な方法で制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒化ホウ素の配合量を変更したときの焼結体の誘電正接の変化を示すグラフである。
【図2】窒化ホウ素の配合量を変更したときの焼結体の体積抵抗率の変化を示すグラフである。
【図3】炭素の配合量を変化させたときの焼結体の誘電正接の変化を示すグラフである。
【図4】炭素の配合量を変化させたときの焼結体の体積抵抗率の変化を示すグラフである。
【図5】実験例A1(窒化ホウ素の添加量1重量%)の焼結体の走査型電子顕微鏡写真(倍率1000倍)を示す。
【図6】実験例A4(窒化ホウ素の添加量4重量%)の焼結体の走査型電子顕微鏡写真(倍率400倍)を示す。
【図7】図6と同じ焼結体の倍率1000倍での写真である。
【図8】図6と同じ視野で撮影したEPMA写真である。
【図9】炭化珪素粒子に電極を形成した状態を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図10】低加速電圧で撮影した鏡面走査型電子顕微鏡像を示す。

Claims (17)

  1. 0.50以下の誘電正接を有する低誘電正接材料であって、
    1.0重量%以上の配合量の窒化ホウ素を含みかつ炭素粉末を含まない炭化珪素原料粉末の焼結体(相対密度95%以下を除く)からなり、前記焼結体が、窒化ホウ素粒界相を含み、体積抵抗率が1.0×10 +7 〜1.0×10 +13 Ω・cmであることを特徴とする、低誘電正接材料。
  2. 誘電正接が0.30以下であることを特徴とする、請求項1記載の材料。
  3. 前記焼結体が、1900〜2350℃の温度で焼結された焼結体であることを特徴とする、請求項1または2記載の材料。
  4. 遊離炭素量が0.2重量%以下であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つの請求項に記載の材料。
  5. 6H型の炭化珪素が80容量%以上を占めることを特徴とする、請求項のいずれか一つの請求項に記載の材料。
  6. 炭化珪素粒子の粒径(長径)が50μm以下であることを特徴とする、請求項のいずれか一つの請求項に記載の材料。
  7. SIMS分析により求まる炭化珪素粒子内のAl量がAl/Si 比で0.02以下であることを特徴とする、請求項のいずれか一つの請求項に記載の材料。
  8. SIMS分析により求まる炭化珪素粒子内のCa量がCa/Si 比で0.01以下であることを特徴とする、請求項のいずれか一つの請求項に記載の材料。
  9. 前記炭化珪素原料粉末がα型炭化珪素からなることを特徴とする、請求項のいずれか一つの請求項に記載の材料。
  10. 前記炭化珪素原料粉末が、窒素を1容量%以上含有する雰囲気中で焼成されていることを特徴とする、請求項のいずれか一つの請求項に記載の材料。
  11. 炉内真空度を0.001Torr以下に保持しながら300℃/時間以上の昇温速度で2000℃以上に昇温させ、2000℃以上の温度で焼結を実施することを特徴とする、請求項1〜1のいずれか一つの請求項に記載の材料。
  12. 前記焼結体の粒界抵抗Zgbと粒内抵抗Zgの比(Zgb/Zg)が10000以下であることを特徴とする、請求項1記載の材料。
  13. 前記粒内抵抗Zgが1×10Ω・cm以上であることを特徴とする、請求項12記載の材料。
  14. 窒化ホウ素粒界相を含み、体積抵抗率が1.0×10 +7 〜1.0×10 +13 Ω・cmである炭化珪素焼結体(相対密度95%以下を除く)の誘電正接を制御する方法であって、
    焼結により前記炭化珪素焼結体を生成する原料粉末中の窒化ホウ素の配合量を1.0重量%以上とし、前記原料粉末が炭素粉末を含まないようにする、炭化珪素焼結体の誘電正接を制御する方法。
  15. 前記焼結体の焼結温度を1900〜2350℃とすることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  16. 前記原料粉末がα型炭化珪素からなることを特徴とする、請求項14または15記載の方法。
  17. 前記原料粉末が、窒素を1容量%以上含有する雰囲気中で焼成されていることを特徴とする、請求項116のいずれか一つの請求項に記載の方法。
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