JP2001181049A - 電磁波透過体およびその製造方法 - Google Patents

電磁波透過体およびその製造方法

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JP2001181049A JP36687499A JP36687499A JP2001181049A JP 2001181049 A JP2001181049 A JP 2001181049A JP 36687499 A JP36687499 A JP 36687499A JP 36687499 A JP36687499 A JP 36687499A JP 2001181049 A JP2001181049 A JP 2001181049A
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Kazuhiro Nishizono
和博 西薗
Usou Ou
雨叢 王
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Abstract

(57)【要約】 【課題】窒化アルミニウム粒子の平均粒径が1μm以
下、高密度、高強度で、かつ誘電正接の低い窒化アルミ
ニウム質焼結体からなる高強度、低誘電正接の電磁波透
過体を提供する。 【解決手段】焼結体中の窒化アルミニウム粒子の平均粒
径が1μm以下、相対密度が95%以上、曲げ強度が5
00MPa以上であり、かつ1GHzにおける誘電正接
が3×10-3以下の窒化アルミニウム質焼結体を用いて
電磁波透過体3を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体製造装置部
品、電磁波透過窓等に用いることができる電磁波透過体
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】マイクロ波等の電磁波をガスに照射しプラ
ズマを発生させて、エッチング等の加工や薄膜を形成す
る方法が、例えば半導体製造装置等に広く用いられてい
る。かかる半導体製造装置においては、封止でき、かつ
マイクロ波を吸収または減衰させずに透過できる電磁波
透過体が使用されている。この電磁波透過体としては、
現在では主にアルミナセラミックスや低誘電正接の石英
ガラスが用いられている。
【0003】これに対して、特開平2−26872号公
報や特許第2862779号公報にはバッチ炉による通
常焼成やホットプレス焼成により作製された窒化アルミ
ニウムからなる高周波透過用ウィンドウや電磁波透過体
が提案され、従来のアルミナセラミックスや石英ガラス
からなる電磁波透過体より熱伝導率、耐熱衝撃性に優
れ、溶融や破損等を生じない電磁波透過体となることが
開示されている。
【0004】一方、特開平6−247772号公報で
は、平均粒径0.8μmの窒化アルミニウム原料を用い
て成形体を作製し、これをカーボン型内に挿入して高周
波誘導加熱炉内にセットし、発振周波数4MHzにてカ
ーボン型を加熱してその熱により前記成形体を加熱する
ことによって、平均粒径1.1μmの窒化アルミニウム
質焼結体を得ることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−26872や特許第2862779号公報のように
通常焼成やホットプレス焼成によって窒化アルミニウム
質焼結体を作製する方法では、焼結体を緻密化するため
には焼成温度を1800℃以上に上げる必要があるため
に焼成時の昇温や降温時に窒化アルミニウム粒子の粒成
長が起こって焼結体の機械的特性を著しく低下させ、電
磁波透過体として用いることができず、また、窒化アル
ミニウム粒子の粒径を小さくするために1750℃以下
にて低温焼成すると、焼結体を充分に緻密化させること
ができず、または多量の焼結助剤を添加する必要がある
ために誘電正接、熱伝導率、強度等が低下するという問
題があった。
【0006】さらに、窒化アルミニウム質焼結体の誘電
正接は、焼結体中の窒化アルミニウム粒子の粒径が大き
く影響し、例えば半導体製造装置用のシャワープレート
やウインドウ等の電磁波透過体に汎用に使用される1〜
10GHz程度の周波数帯では、従来の粒径が大きい窒
化アルミニウム質焼結体からなる電磁波透過体では誘電
損失が高く、マイクロ波透過特性が劣化するという問題
があった。さらに、ホットプレス焼成では複雑な形状の
焼結体を作製することができない等の問題があった。
【0007】また、特開平6−247772号公報の高
周波誘導加熱炉を用いた方法でも、焼成温度を1800
℃以上と高める必要があり、焼結体の平均粒径を1.0
μm以下とすることができなかった。
【0008】従って、本発明は、窒化アルミニウム粒子
の平均粒径が1μm以下、高密度、高強度で、かつ誘電
正接を低減した窒化アルミニウム質焼結体を作製して、
高強度、低誘電正接の窒化アルミニウム質焼結体からな
る電磁波透過体を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について検討した結果、焼結体中の窒化アルミニウム粒
子の平均粒径が1μm以下であって、かつ強度が高く特
定の周波数帯での誘電正接が低い窒化アルミニウム質焼
結体が、電磁波透過体としての優れた特性を有するこ
と、また、この窒化アルミニウム質焼結体は、粒径の小
さい窒化アルミニウム原料粒子を含有する成形体を用い
て、これにマイクロ波を照射して窒化アルミニウム粒子
の自己加熱によって1750℃以下の温度で焼成する
か、または前記成形体をガス不透過シール層にて被覆し
た状態で、特定圧力以上の高圧ガス下1750℃以下の
温度にて焼成することによって充分に緻密化した焼結体
を作製できることを見いだした。
【0010】即ち、本発明の電磁波透過体は、窒化アル
ミニウム質焼結体からなり、該焼結体中の窒化アルミニ
ウム粒子の平均粒径が1μm以下、相対密度が95%以
上、曲げ強度が500MPa以上であり、かつ1GHz
における誘電正接が3×10 -3以下であることを特徴と
するものであり、特に前記窒化アルミニウム質焼結体の
熱伝導率が100W/m・K以上であることが望まし
い。
【0011】また、本発明の電磁波透過体の製造方法
は、平均粒径0.5μm以下の窒化アルミニウム粒子を
主成分とする成形体を作製した後、該成形体に、特に周
波数が10〜100GHzのマイクロ波を照射して前記
窒化アルミニウム粒子の自己加熱によって焼成すること
を特徴とするものである。
【0012】また、本発明の電磁波透過体の他の製造方
法は、平均粒径0.5μm以下の窒化アルミニウム原料
に対して、焼結助剤を添加し、成形体を作製した後、該
成形体周囲をガス不透過シール層を形成して、98MP
a以上の高圧ガス下で、1750℃以下の温度に加熱し
て焼成することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の電磁波透過体の一実施例
である窓部材を備えた半導体製造装置の一例についての
模式図を図1に示す。図1の半導体製造装置1は、チャ
ンバ2の壁面の一部またはチャンバ2の内部に電磁波透
過体3が配設されており、また、電磁波透過体3と近接
して配設された導波管5から電磁波透過体3を介してチ
ャンバ2内にマイクロ波、特に1〜10GHz帯のマイ
クロ波が照射される。
【0014】また、チャンバ2内部はチャンバ2と電磁
波透過体3とによって封止されており、かつチャンバ2
にはガス供給口7およびガス排出口8が形成されてチャ
ンバ2内にガスを導入される。そして、該ガスに前記マ
イクロ波を照射してプラズマを発生するとともに、該プ
ラズマをチャンバ2内の所定の位置に支持体10上に支
持されたウエハ11表面から照射してウエハ11表面に
プラズマを接触させることによってウエハ11の所定部
分をエッチングまたは成膜する。
【0015】本発明によれば、電磁波透過体3が、平均
粒径が1μm以下、特に0.9μm以下、さらに0.8
μm以下の窒化アルミニウム粒子を主成分とし、相対密
度が95%以上、曲げ強度が500MPa以上であり、
かつ1GHzにおける誘電正接が3×10-3以下である
窒化アルミニウム質焼結体からなることが大きな特徴で
あり、これによって構造部材として強度が高く、気密性
に優れ、かつ高周波、特に1〜10GHz、さらに1〜
2.5GHzの周波数帯の高周波を低損失で透過させる
ことができる。
【0016】また、窒化アルミニウム粒子内の酸素量
は、高熱伝導化の上で2重量%以下、望ましくは1重量
%以下、特に0.8重量%以下であることが望ましい。
【0017】また、前記焼結体の粒界には緻密化を促進
するため、および機械的強度向上のために少量の粒界相
が存在してもよく、例えば、一般化学式がAl5RE3
12、Al2RE49、AlREO3(RE:希土類元素)
で表される希土類酸化物とアルミナとの複合酸化物であ
る、いわゆるYAG型結晶相、YAM型結晶相、YAP
型結晶相や、RAl24、RAl47(R:アルカリ土
類金属元素)で表されるアルカリ土類金属酸化物とアル
ミナ系結晶相等が望ましい。さらに、焼結体中には少な
くともSi、Al、酸素を含有する非結晶相が存在して
いてもよいが、熱伝導率や誘電正接の点で前記非結晶相
は存在しないか、または微量のみ存在することが望まし
い。
【0018】上記態様の窒化アルミニウム質焼結体は、
平均粒径が1μm以下、特に0.9μm以下、さらに
0.8μm以下で、かつ相対密度が95%以上、特に9
7%以上、さらに99%以上であることから、焼結体の
曲げ強度が500MPa以上、特に、550MPa以上
であり、かつ1GHzにおける誘電正接が3×10-3
下、特に2.0×10-3以下、さらに1.0×10-3
下となる。また、望ましくは、空洞共振器法に基づく
2.5GHzにおける誘電正接が3×10-3以下、さら
に望ましくは、1〜10GHzにおける誘電正接が3×
10-3以下であることが望ましい。
【0019】すなわち、窒化アルミニウム質焼結体の誘
電正接については、相対密度99%、平均粒径1.5μ
mの窒化アルミニウム質焼結体に照射する周波数と誘電
正接との関係を示した図2からわかるように、周波数に
対して特異的な変化を示し、特定周波数にて誘電正接の
極大値を有するものである。また、該極大値と窒化アル
ミニウム粒子の粒径との関係を示す図3から明らかなよ
うに窒化アルミニウム質焼結体の誘電正接は窒化アルミ
ニウム粒子の粒径と大きな相関があるものである。従っ
て、1GHz、特に1〜10GHzにおける誘電正接を
小さくするためには焼結体の相対密度を95%以上とす
るとともに、窒化アルミニウム質焼結体中の窒化アルミ
ニウム粒子の平均粒径を1μm以下とすることが重要で
ある。
【0020】また、マイクロ波照射により発生した熱を
効率よく放熱するために電磁波透過体3の熱伝導率は1
00W/m・K以上であることが望ましく、さらに、チ
ャンバ2の気密性を高めるために電磁波透過体3の相対
密度は95%以上であることが望ましい。
【0021】次に、本発明の電磁波透過体の製造方法に
ついて説明する。まず、直接窒化法、還元窒化法および
CVD法等公知の方法で作製された純度98%以上、特
に99%以上、平均粒径0.5μm以下、特に0.3μ
m以下の窒化アルミニウム原料粒子を準備する。ここ
で、窒化アルミニウム原料粒径の平均粒径が0.5μm
を越えると、焼結体中の窒化アルミニウム粒子の粒径を
1μm以下とすることができないとともに、後述のマイ
クロ波照射による加熱時にマイクロ波吸収の効率が悪く
なり効率的な加熱ができず、また焼結に必要な駆動力が
低下して低温短時間で焼結体を相対密度95%以上に緻
密化させることができない。さらに、これを緻密化させ
るためには高温で焼成しなければならず焼結後の粒径が
大きくなり強度や電気的特性が悪くなるためである。
【0022】なお、焼結体の熱伝導率を高めるために窒
化アルミニウム原料粒子の酸素含有量は2重量%以下、
特に1重量%以下、さらに0.8重量%以下であること
が望ましい。
【0023】この原料粒子に対して、所望により、例え
ば、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属やY、L
a、Ce、Yb等の希土類金属、またはB(ホウ素)等
から選ばれる少なくとも1種の酸化物、窒化物、炭化
物、炭酸塩、硝酸塩等を総量が酸化物換算量で10重量
%以下、望ましくは5重量%以下、特に3重量%以下、
さらに1重量%以下となるように添加する。
【0024】そして、これに有機バインダ、溶媒等を添
加、混合して鋳込成形、プレス成形、押出成形、ロール
成形等公知の成形法によって成形する。また、場合によ
っては成形体の密度を高めるために該成形体に対して冷
間静水圧プレス成形を施してもよい。
【0025】次に、得られた成形体を焼成する。本発明
では2つの焼成方法を採用することができ、その1つで
あるマイクロ波を用いた焼成方法について説明する。ま
ず、マイクロ波加熱炉中に成形体を設置した後、炉内を
真空雰囲気または不活性雰囲気、望ましくは窒素雰囲気
とする。そして、炉内の前記成形体に直接300MHz
〜300GHz、特に窒化アルミニウム原料粒子を効率
的に加熱するため、10〜100GHz、特に20〜5
0GHzの周波数のマイクロ波を照射することにより、
成形体中の窒化アルミニウム原料粒子が誘電損失によっ
て自己発熱し、この熱によって前記成形体を加熱するこ
とができる。
【0026】なお、用いる周波数は図2、3から明らか
なように成形体の平均粒径に対して誘電正接が極大値±
10%となる周波数であることが最適である。
【0027】焼成条件としては、成形体の温度が140
0〜1750℃、特に1600〜1700℃、焼成時間
が5分〜3時間、特に5分〜30分にて焼成することが
望ましい。
【0028】上記マイクロ波加熱による焼成では、通常
炉(電気抵抗炉)よりもマイクロ波の非熱的効果のため
に低温、短時間で焼成できるとともに、昇温、降温時間
を大幅に短縮できるため、焼結による窒化アルミニウム
粒子の粒成長が抑制され、焼結体中の窒化アルミニウム
粒子の平均粒径を1μm以下に制御することができる。
また、複雑な形状の焼結体を作製することも可能であ
る。
【0029】次に、本発明の他の焼成方法について説明
する。まず、前記成形体の表面に窒化ホウ素等の離型材
を被覆した後、ガスを透過しない、タングステン、モリ
ブデン、チタン等の高融点金属またはシリカガラス等の
ガラスを主成分とするシール層を被覆し、カーボン等か
らなるるつぼ内に入れて、熱間静水圧プレス(HIP)
装置内に設置して、98MPa以上の高圧ガス下で、1
750℃以下に加熱することによって焼成することがで
きる。この方法によれば、成形体を直接加圧、加熱処理
できることから、従来のホットプレス法のように一旦成
形体を焼成してある程度緻密化させてから加圧、加熱す
る必要がないために1750℃以下の焼成温度で焼結体
を緻密化に低下させることができるとともに、窒化アル
ミニウム粒子の平均粒径が1μm以下の焼結体を作製す
ることができる。望ましい焼成条件としては、焼成温度
1700℃以下、さらに1650℃以下、焼成時間0.
5〜5時間、さらに0.5〜1時間である。
【0030】上記方法によって得られた焼結体に対し
て、所望により研磨等を行って望ましくは、表面粗さ
(Rmax)が1μm以下の電磁波透過体を作製するこ
とができ、この焼結体の外周側面にNi等のメッキを施
し、Cu、SUS等の金属からなる導波管またはチャン
バとロウ材等によって接続することができる。
【0031】なお、上記マイクロ波焼成を施した後、熱
間静水圧プレス(HIP)処理またはガス不透過シール
材を被覆して熱間静水圧プレス(HIP)処理を施し、
焼結体さらなる緻密化を図ることもできるが、この場合
においても焼結体中の窒化アルミニウム粒子の平均粒径
は1μm以下とすべきである。
【0032】
【実施例】(実施例1)直接窒化法にて作製した純度9
9%、酸素量0.99重量%で表1に示す平均粒径を有
する窒化アルミニウム原料粒子に焼結助剤としてY23
を3重量%、CaCO3を酸化物換算量で1重量%添加
し、プレス成形によって直径100mm、厚さ10mm
の成形体を作製し、これに200MPaにて冷間静水圧
プレス(CIP)成形を施して成形体の密度を50%以
上とした。
【0033】この成形体をマイクロ波焼成炉中に設置
し、窒素雰囲気中、周波数28GHzのマイクロ波を3
0分照射して試料を加熱した。この際、試料の表面から
の放熱を極力抑えて試料を効率よく加熱するために試料
周囲に多孔質のアルミナファイバーより作製した断熱材
を設置した。また、成形体表面に熱電対を接触させて試
料の温度を測定し、表1に示した。
【0034】得られた焼結体に対して、アルキメデス法
により焼結体の密度を測定し、理論密度に対する比であ
る相対密度を算出した。また、試料の研磨面についてS
EM観察を行いインターセプト法により窒化アルミニウ
ム粒子の平均粒径を算出した。
【0035】また、焼結体を4×3×40mmの大きさ
に加工しJISR1601の規格に従い4点曲げ強度を
測定した。さらに、焼結体をφ60×1mmの大きさに
加工して電流電圧法より1GHzにおける誘電正接を算
出した。さらに、レーザーフラッシュ法により厚さ1m
mの試料を用いて熱伝導率を測定した。結果は表1に示
した(試料No.1〜7)。
【0036】(実施例2)表1に示す窒化アルミニウム
原料粒子を含有する実施例1の成形体に対して、該成形
体表面に窒化ホウ素からなるシール材を被覆し、カーボ
ン型中に載置してシリカガラスを充填した後、窒素ガス
150MPa、1650℃、0.5時間で焼成する以外
は実施例1と全く同様にして焼結体を作製し、評価し
た。結果は表1に示した(試料No.8〜11)。
【0037】(比較例1)表1に示す窒化アルミニウム
原料粒子を含有する実施例1の成形体を抵抗加熱炉内に
載置して昇温速度10℃/minで、表1に示す焼成温
度、時間にて焼成した後、降温速度5℃/minにて冷
却して焼結体を作製する以外は実施例と同様に作製し、
評価した。結果は表1に示した。
【0038】(比較例2)平均粒径0.1μmの窒化ア
ルミニウム原料粒子を含有する実施例1の成形体をホッ
トプレス炉内に載置し、表1に示す焼成温度、時間にて
焼成した後、降温速度5℃/minにて冷却して焼結体
を作製する以外は実施例と同様に作製し、評価した。結
果は表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】表1の結果から明らかなように、平均粒径
が0.5μm以下の窒化アルミニウム原料粒子を用い、
1750℃以下の焼成温度でマイクロ波およびシールH
IP法により焼成を行った試料No.1〜4、6〜10
の試料では、焼結体の相対密度が95%以上、かつ平均
粒径が1μm以下の焼結体であり、曲げ強度500MP
a以上、1GHzにおける誘電正接も3×10-3以下の
優れた特性を有するものであった。
【0041】これに対して、窒化アルミニウム原料粒子
の平均粒径が0.5μmを超える試料No.5、11で
は、焼結後の平均結晶粒径が1μmを超え、強度は50
0MPaより低く、誘電正接も3×10-3を超えるもの
となった。
【0042】なお、従来の抵抗加熱炉によって1650
℃で焼成を行った試料No.11は、焼結体を緻密化さ
せることができず、1780℃で2時間焼成したNo.
12および1760℃でホットプレス焼成した試料N
o.13では、焼結体の窒化アルミニウムの平均粒径が
1μmを越え、曲げ強度は500MPaより低く、誘電
正接も高いものであった。
【0043】(実施例3)実施例1の試料No.1と試
料とNo.5に対して外周側面にNiめっきを5μm施
し、これを窓部材としてCu製の導波管内にAgロウ材
によりロウ付けし、2.45GHzの周波数のマイクロ
波を照射してマイクロ波の透過性および窓部材の耐久性
を評価した。マイクロ波の出力を徐々に上げていったと
ころ試料No.1はマイクロ波の透過も良好であり、発
熱量が小さく良好な特性を示したが、試料No.5で
は、マイクロ波の透過が悪く、かつ発熱して破損に至っ
た。
【0044】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の電磁波透過
体によれば、粒径の小さい窒化アルミニウム原料粒子を
含有する成形体に対して、マイクロ波を照射して窒化ア
ルミニウム粒子の自己加熱によって1750℃以下の温
度で焼成するか、または前記成形体をガス不透過シール
層にて被覆した状態で、特定圧力以上の高圧ガス下17
50℃以下の温度にて焼成することによって、高密度で
窒化アルミニウム粒子の平均粒径が1μm以下、かつ強
度が高く特定の周波数帯での誘電正接が低い窒化アルミ
ニウム質焼結体を作製でき、電磁波透過体用としての優
れた特性を有するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁波透過体の一実施例である窓部材
を備えた半導体製造装置の一例を示す模式図である。
【図2】窒化アルミニウム質焼結体に照射するマイクロ
波の周波数に対する焼結体の誘電正接の変化の一例を示
す図である。
【図3】窒化アルミニウム質焼結体の平均粒径と図2の
誘電正接が極大となる周波数との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体製造装置 2 チャンバ 3 電磁波透過体 5 導波管 7 ガス導入口 8 ガス排出口 10 支持体 11 ウエハ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウム質焼結体からなり、該焼
    結体中の窒化アルミニウム粒子の平均粒径が1μm以
    下、相対密度が95%以上、曲げ強度が500MPa以
    上であり、かつ1GHzにおける誘電正接が3×10-3
    以下であることを特徴とする電磁波透過体。
  2. 【請求項2】前記窒化アルミニウム質焼結体の熱伝導率
    が100W/m・K以上であることを特徴とする請求項
    1記載の電磁波透過体。
  3. 【請求項3】平均粒径0.5μm以下の窒化アルミニウ
    ム粒子を主成分とする成形体を作製した後、該成形体に
    マイクロ波を照射して前記窒化アルミニウム粒子の自己
    加熱によって焼成することを特徴とする電磁波透過体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】前記成形体に照射するマイクロ波の周波数
    が10〜100GHzであることを特徴とする請求項3
    記載の電磁波透過体の製造方法。
  5. 【請求項5】平均粒径0.5μm以下の窒化アルミニウ
    ム原料に対して、焼結助剤を添加し、成形体を作製した
    後、該成形体周囲をガス不透過シール層を形成して、9
    8MPa以上の高圧ガス下で、1750℃以下の温度に
    加熱して焼成することを特徴とする電磁波透過体の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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