JP3102318B2 - アルミナ製マイクロ波導入窓の製造方法 - Google Patents

アルミナ製マイクロ波導入窓の製造方法

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JP3102318B2
JP3102318B2 JP07260326A JP26032695A JP3102318B2 JP 3102318 B2 JP3102318 B2 JP 3102318B2 JP 07260326 A JP07260326 A JP 07260326A JP 26032695 A JP26032695 A JP 26032695A JP 3102318 B2 JP3102318 B2 JP 3102318B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミナ製マイクロ
波導入窓の製造方法に関し、より詳細にはマイクロ波の
照射により発生するプラズマを利用して半導体基板等に
エッチング、アッシング又はCVD等の処理を施す装置
(以下、プラズマ処理装置と記す)等に用いられるアル
ミナ製マイクロ波導入窓の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】真空近くに減圧した容器内に反応ガスと
マイクロ波を導入し、ガス放電を起こさせてプラズマを
生成させ、このプラズマを半導体基板表面に導いてエッ
チングやレジスト除去(アッシング)、CVD(Chemic
al Vapor Deposition )等の処理(以下、プラズマ処理
とも記す)を行わせるプラズマ処理装置は、半導体基板
等に低温で効率良くプラズマ処理を施すことができ、エ
ッチング深さ等の制御も比較的簡単であり、かつ半導体
基板等にダメージを与える虞れが少ないので、高集積半
導体装置等の製造において欠くことができないものとな
っている。
【0003】図1はこの種のプラズマ処理装置の一例を
模式的に示した断面図であり、図中、11は中空直方体
形状の反応容器を示している。この反応容器11はステ
ンレス等の金属により形成され、その周囲壁は二重構造
となっており、その内部は冷却水流通室18となってい
る。そして、装置の作動中はこの冷却水流通室18に冷
却水が流通させられて反応容器11の周囲が冷却され
る。
【0004】反応容器11の上部はプラズマ生成室20
となっており、プラズマ生成室20の上部はマイクロ波
の透過性を有し、誘電損失が小さく、かつ耐熱性を有す
る石英ガラス、アルミナセラミックス等の誘電体板を用
いて形成されたマイクロ波導入窓22によって気密状態
に封止されている。プラズマ生成室20の下方にはメッ
シュ構造の仕切板17を介して、反応室21が形成され
ており、反応室21内にはマイクロ波導入窓22と対向
する位置に試料Sを載置するための試料台23が配設さ
れている。また、反応室21の下部壁には図示しない排
気装置に接続された排気口14が形成されており、プラ
ズマ生成室21の一側壁には反応容器11内に所要の反
応ガスを供給するためのガス供給管13が接続されてい
る。
【0005】一方、反応容器11の上方には誘電体線路
12が配設されており、誘電体線路12の上部にはアル
ミニウム(Al)等を用いて形成された金属板12aが
配設され、金属板12aの下面には誘電体層12bがボ
ルトで固定されている。この誘電体層12bは誘電損失
の小さいフッ素樹脂、ポリエチレンあるいはポリスチレ
ン等を用いて形成されている。誘電体線路12には導波
管15を介してマイクロ波発振器16が連結されてお
り、マイクロ波発振器16からのマイクロ波が導波管1
5を介して誘電体線路12に導入されるようになってい
る。
【0006】このように構成されたプラズマ処理装置を
用い、例えば試料台23上に載置された試料S表面にプ
ラズマ処理を施す場合、まず排気口14から排気を行っ
て反応容器11内を所要の真空度に設定した後、ガス供
給管13からプラズマ生成室20内にCF4 、C3
8 、Cl2 、HBr、Ar、O2 等の反応性ガスを供給
する。また装置の作動中は、冷却水を冷却水流通室18
に流して反応容器11周辺を冷却する。次いで、マイク
ロ波発振器16を作動させてマイクロ波を発振させ、こ
のマイクロ波を導波管15を介して誘電体線路12に導
入する。これにより誘電体線路12下方に電界が形成さ
れ、形成された電界がマイクロ波導入窓22を通過して
プラズマ生成室20内に導入される。一方、ガス供給管
13から供給されたガスは、プラズマ生成室20内に導
入され、マイクロ波の照射によりプラズマ化される。こ
のプラズマのうち電気的に中性のラジカルが主にメッシ
ュ状の仕切板17を透過して反応室21内に均一に広が
り、試料台23に載置された試料S表面に到達し、試料
Sにプラズマ処理が施される。
【0007】このようなプラズマ処理装置においては、
従来、上述したようにプラズマ生成室20の上部にマイ
クロ波の透過性を有し、誘電損失が小さく、かつ耐熱性
を有する石英ガラス、アルミナセラミックス等の誘電体
板を用いて形成されたマイクロ波導入窓22が配設さ
れ、これにより反応容器11内部の気密性が保持されて
いた。
【0008】しかしながら、マイクロ波導入窓22とし
て前記石英ガラス等のガラス板が用いられた場合、前記
ガラス板はフッ化物系の反応ガスに対する耐食性に劣る
ため、このようなガスをエッチングガスとして使用する
ことができないという問題があった。また、前記ガラス
板は放射熱等を透過しやすいため、反応室21内部に生
成したプラズマによる熱が樹脂により形成された誘電体
層12bに放射されて熱変形を生じ、プロセス性能を低
下させるという問題があった。
【0009】一方、マイクロ波導入窓22としてアルミ
ナセラミックスからなる板(以下単にアルミナ板と記
す)が用いられた場合、マイクロ波を透過する際の誘電
損失に起因して発生する熱や反応室21内部のプラズマ
による熱のためにアルミナ板の温度が上昇して熱応力が
発生し、長時間使用しないうちに破損に至るという問題
があった。また、この誘電損失による発熱に起因して、
反応室21内部で発生したプラズマが安定せず、試料S
にエッチング等のプラズマ処理を施す際に、プラズマ処
理の速度が次第に低下していくという問題もあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解決
するために、誘電損失を小さくするアルミナ製磁器材料
として、例えば特開平4−356922号公報には、マ
イクロ波を透過させる性質を有し、かつプラズマ放電雰
囲気において使用されるプラズマ放電部材で、アルカリ
金属(Na2 O、K2 O)の総含有量が150ppm以
下で、誘電損失(tanδ)が1×10-4〜1×1
-3、すなわちQ値が1000〜10000の高純度多
結晶アルミナ又は高純度単結晶アルミナからなるプラズ
マ放電部材が開示されている。
【0011】しかしながら、前記公報の実施例の項に記
載されているような方法で高純度のアルミナを製造する
には、原料自身の純度が99.9%の高純度アルミナを
使用し、かつ水素雰囲気中で焼成する必要がある。その
ために特殊な焼成炉を必要とし、製造されるアルミナ自
身は高価なものとなってしまう。また、前記方法では肉
厚の大型品を製造するのが難しいという工業プロセス的
な制約が存在する。
【0012】そこで、安価ないわゆる低ソーダアルミナ
と呼ばれるアルミナ原料(一般に300〜500ppm
程度のナトリウムを含む)を用いて焼結体を製造する方
法が考えられるが、大気雰囲気中で従来から行われてい
るような方法で焼成することにより得られる肉厚(厚
さ:15mm以上)のアルミナ板は、該アルミナ板を通
過したプラズマの均一性が悪く、例えば前記アルミナ板
が使用されたプラズマ処理装置を用いてアッシング処理
を施した場合には、被処理物のアッシング速度が場所に
より不均一になるという課題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、前記した安価な
アルミナ原料が使用された大型マイクロ波導入窓におい
て被処理物のアッシング速度が不均一になる原因につ
き、実際に大型マイクロ波導入窓を製造して調査を行っ
た。すなわち、製造した380mm×380mm×20
mmのマイクロ波導入窓の様々な部分から、面内方向及
び厚み方向の誘電特性(マイクロ波領域)を評価するサ
ンプル及び不純物濃度を評価するサンプルを採取し、評
価を行った。その結果、fQ値は採取した部分により2
0,000〜120,000の間でばらつき、fQ値の
高い部分ではナトリウム含有量が100ppm以下であ
り、一方fQ値の低い部分ではナトリウム含有量が10
0ppmを超え、含有量が高いものと低いものとの範囲
は70〜250ppmであることがわかった。
【0014】また前記結果より、アッシング処理速度の
遅い部分とアッシング処理速度の早い部分とについて、
マイクロ波透過性の指標となる直上のマイクロ波導入窓
のfQ値(周波数×Q値)とを対応させたところ、これ
ら各部位のfQ値とアッシング処理速度の値とがほぼ一
定の相関関係を有することがわかった。このようにマイ
クロ波の透過性はプラズマの生成効率に影響を与え、こ
のマイクロ波導入窓のマイクロ波透過率の不均一性に起
因して、被処理物のアッシング速度が不均一となると推
定される。
【0015】本発明者は、安定なプロセス性能が得られ
る大型のマイクロ波導入窓を低コストで得ることを目的
とし、安価なアルミナを原料としたマイクロ波導入窓を
備えたプラズマ処理装置を用いてプラズマ処理を行う際
の処理速度の不均一性の原因について検討したところ、
前記マイクロ波導入窓中のナトリウム含有量の不均一性
に起因するfQ値の不均一性により処理速度の不均一が
生じること、及び前記マイクロ波導入窓を製造する際の
焼成条件(加熱条件)をうまく設定することにより、前
記マイクロ波導入窓中のナトリウム含有量の不均一性が
解消されることを見出し本発明を完成するに至った。
【0016】本発明によれば、厚さが15mm以上で、
ナトリウム含有量がいずれの部分においても100pp
m以下であり、かつ前記ナトリウム含有量のばらつきが
50ppm以下であることを特徴とするアルミナ製マイ
クロ波導入窓を提供できる。
【0017】本発明により、低ソーダアルミナ粉末から
なるアルミナ原料粉末の成形体を1200℃〜1550
℃で15時間以上保持し、その後1600℃〜1700
℃で1時間〜10時間焼結させることを特徴とするナト
リウム含有量がいずれの部分においても100ppm以
下であるアルミナ製マイクロ波導入窓の製造方法が提供
される。
【0018】また本発明により、低ソーダアルミナ粉末
からなるアルミナ原料粉末の成形体を加熱する際に、1
200℃〜1550℃の温度範囲を20℃/時間以下の
昇温速度で昇温させ、その後1600℃〜1700℃で
1時間〜10時間焼結させることを特徴とするナトリウ
ム含有量がいずれの部分においても100ppm以下で
あるアルミナ製マイクロ波導入窓の製造方法が提供され
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係るアルミ
ナ製マイクロ波導入窓は、厚さが15mm以上で、ナト
リウム含有量がいずれの部分においても100ppm以
下であり、かつ前記ナトリウム含有量のばらつきが50
ppm以下である。
【0020】上記アルミナ製マイクロ波導入窓のナトリ
ウム含有量のばらつきを50ppm以下としたのは、ナ
トリウム含有量のばらつきが50ppmを超えるとアッ
シング処理等を施す際の処理速度が不均一となるからで
ある。また、ナトリウム含有量がいずれの部分において
も100ppm以下としたのは、ナトリウム含有量がい
ずれかの部分において100ppmを超えるとfQ値が
100,000より小さくなり、誘電損失に起因する発
熱によりマイクロ波導入窓が破損する虞れがあるからで
ある。
【0021】ここで、前記アルミナ製マイクロ波導入窓
の厚さを15mm以上と規定したのは、その厚さが15
mm未満のアルミナ製マイクロ波導入窓については、従
来の製造方法によってもナトリウム含有量が100pp
m以下で、fQ値が100,000以上のものを得るこ
とができるからである。なお、fQ値とは周波数(GH
z)と誘電損失(tanδ)の逆数であるQ値との積で
あり、マイクロ波に対する誘電損失が格子振動の減衰項
に起因する場合はfQ値が一定になることが知られてお
り、材料固有の値として評価することができる。
【0022】実施の形態に係るアルミナ製マイクロ波導
入窓は、他の不純物として、金属元素の総含有量が20
00ppm以下であるのが好ましい。また、前記アルミ
ナ製マイクロ波導入窓をプラズマ処理装置に配設した
際、前記プラズマ処理装置の内部は気密に封止される必
要があるため、前記アルミナ製マイクロ波導入窓は開気
孔を有さず、その理論密度比は97%以上であるのが好
ましい。また、前記アルミナ製マイクロ波導入窓は、内
部が真空に近い状態で加熱されても破損しない必要があ
るため、その曲げ強度が20〜40kg/mm2 程度の
範囲にあるのが好ましい。ここで理論密度とは、X線回
折により求めたアルミナの格子定数から得られる単位格
子の体積と、単位体積に占めるAl、Oの総重量から求
めた値をいう。また理論密度比とは、前記理論密度に対
するアルキメデス法により求めた嵩密度の比をいう。
【0023】前記特性を有するアルミナ製マイクロ波導
入窓は、誘電損失が極めて小さいため、マイクロ波を照
射しても、誘電損失により発生する熱等に起因する熱応
力により前記アルミナ製マイクロ波導入窓が破損するこ
とはない。また、前記マイクロ波導入窓が装備されたプ
ラズマ処理装置を用いてプラズマ処理等を行う際の処理
速度を均一化することができる。
【0024】次に、本発明の実施の形態に係るアルミナ
製マイクロ波導入窓の製造方法について説明する。
【0025】実施の形態1に係るアルミナ製マイクロ波
導入窓の製造方法においては、アルミナ原料粉末の成形
体を1200〜1550℃で15時間以上保持する他
は、通常のセラミックス製品の製造方法と同様の方法で
前記アルミナ製マイクロ波導入窓を製造することができ
る。
【0026】すなわち、市販のナトリウム分の含有量が
比較的少ない、安価な低ソーダアルミナ粉末(ナトリウ
ム含有量:300〜500ppm、平均粒径:0.2〜
1.5μm)に、焼結助剤としてMgO等を0.1〜5
重量%程度添加した後、さらに有機バインダや水等を添
加してスラリを調製する。このスラリをスプレードライ
ヤ等を用いて造粒、乾燥させることにより造粒粉末を得
る。この造粒粉末をゴム型等に入れ、静水圧プレスで所
定のプレート形状に成形するのが望ましい。また、造粒
粉末を金型に入れ、一軸圧成形機を用いて所定の形状に
成形してもかまわない。また、金型内で一軸成形後、さ
らに静水圧プレスを行ってもかまわない。このようにし
て作製された成形体を加熱して脱脂を行った後、通常は
焼結を行い焼結体(マイクロ波導入窓)を製造するが、
実施の形態に係るアルミナ製マイクロ波導入窓の製造方
法においては、焼結前に大気雰囲気の下、1200〜1
550℃で15時間以上保持する。
【0027】アルミナ原料粉末中でのナトリウムの存在
形態は明らかでないが、加熱温度を前記した温度範囲に
設定することにより、前記成形体中のナトリウムの蒸気
圧が高くなり、成形体中から開気孔を通じてナトリウム
が外部に飛散して行くと考えられる。保持温度が120
0℃未満では、ナトリウムの蒸気圧が低いため、その含
有量が100ppm以下で、かつそのばらつきが50p
pm以下にするのに長時間を要し、実用的でなく、他方
保持温度が1550℃を超えると、焼結が進行し、成形
体内から外部に通じる開気孔が少なくなるため、ナトリ
ウムの飛散する経路が小さくなり、その飛散速度が著し
く遅くなり、ナトリウム含有量を100ppm以下と
し、かつそのばらつきを50ppm以下とすることがで
きない。保持時間は製造するマイクロ波導入窓の厚さと
の兼ね合いで、厚さが厚いものほど、ナトリウムを飛散
させるのに長時間を要する。マイクロ波導入窓に要求さ
れる厚さは15〜40mm程度であるので、少なくとも
保持時間を15時間以上とることにより、製造されるマ
イクロ導入窓はいずれの部分をとってナトリウム含有量
が100ppm以下で、そのばらつきが50ppm以下
となり、マイクロ導入窓の各部分を面内方向及び厚み方
向のいずれの方向で測定してもfQ値が100,000
以上となる。しかし、前記保持時間を48時間以上とし
てもナトリウム飛散の効果はそれほど変わらないので、
生産性を考慮すると、保持時間は15〜48時間が好ま
しい。このときの加熱雰囲気は、成形体内部に含まれる
バインダによる残炭問題を考慮し、大気圧下等の酸化雰
囲気が好ましい。また減圧下でもよい。
【0028】その後、1600〜1700℃で1〜10
時間焼結させることにより、アルミナ製マイクロ波導入
窓を製造することができる。
【0029】また本発明の実施の形態2に係るアルミナ
製マイクロ波導入窓の製造方法においては、1200〜
1550℃の温度範囲において、アルミナ原料粉末の成
形体を20℃/時間以下の昇温速度で昇温させる他は、
前記した実施の形態1に係るアルミナ製マイクロ波導入
窓の製造方法と同様の条件で製造することができる。
【0030】昇温速度が20℃/時間を超えると、昇温
速度が早すぎるため、ナトリウムが成形体の外に飛散す
る前に焼結が進行するようになり、ナトリウム含有量が
低下しなくなる。しかし、昇温速度が5℃/時間よりも
小さいと、ナトリウムを飛散させるのに時間がかかりす
ぎ、経済的でない。従って、加熱時間を15〜48時間
の範囲でやめ、その後、昇温、焼結を行えばよい。
【0031】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係るアルミナ製マ
イクロ波導入窓の実施例を説明する。市販の低ソーダア
ルミナ粉末(アルミナ純度:99.8wt%、ナトリウ
ム含有量:0.04wt%、平均粒径0.9μm)10
0重量部に焼結助剤としてMgO(平均粒径:0.7μ
m)を0.3重量部を添加して混合し、この混合粉末に
有機バインダ(ポリビニルアルコール)3重量部と純水
100重量部とを混合してスラリを調製した。次に、こ
のスラリをスプレ−ドライヤ−により乾燥して造粒し
た。次に、この造粒粉末をゴム型に充填し、1.2to
n/cm2 の静水圧を加え、500mm×500mm×
30mmのプレート形状に成形した。
【0032】次に、この成形体を10℃/時間の昇温速
度で1000℃まで昇温させて有機バインダを徐々に飛
散させた後、1000℃から保持温度まで30℃/時間
の速度で昇温させ、所定の温度及び時間で保持した後、
30℃/時間の速度で1650℃まで昇温させ、165
0℃の温度で3時間焼結させることによりアルミナセラ
ミックスよりなるマイクロ波導入窓の製造を完了した。
室温から1000℃までの昇温速度、1000℃〜保持
温度までの昇温速度、保持温度、保持時間、保持温度か
ら1650℃までの昇温速度、焼結温度(1650
℃)、焼結時間、及び1650℃から室温までの冷却速
度を下記の表1に示している。
【0033】また、別の焼成パターンとして、1000
〜1200℃まで30℃/時間で昇温させた後、120
0〜1550℃まで、下記の表2に示す昇温速度で昇温
した他は、上記したパターンと同様に加熱、焼結を行
い、マイクロ波導入窓を製造した。室温から1000℃
までの昇温速度、1000〜1200℃までの昇温速
度、1200〜1550℃までの昇温速度、1550〜
1650℃までの昇温速度、焼結温度(1650℃)、
焼結時間、及び1650℃から室温までの冷却速度を下
記の表2に示している。
【0034】前記製造条件により得られたマイクロ波導
入窓の厚さ方向及び面内方向につき30か所から直径1
6mm、厚さ6.3mmの円柱状サンプルを切り出し、
ネットワークアナライザで誘電特性の測定を行った。
【0035】また、上記誘電体特性評価サンプルを粉砕
し、発光分光分析法を用いてナトリウム含有量の測定を
行った。
【0036】前記マイクロ波導入窓とは別に、380m
m×380mm×20mmの形状のマイクロ波導入窓を
前記実施例及び比較例と同様の条件で製造した。次に、
このマイクロ波導入窓を図1に示したプラズマ処理装置
のマイク波導入窓として実際に使用し、Siウエハ(試
料S)上に形成されたSi酸化膜にエッチング処理を施
し、Siウエハの各部分におけるエッチング速度の分布
を測定した。
【0037】このエッチング処理は、CF4 とO2 との
混合ガスを用い、ガスの流量比をCF4 :O2 =9:1
に設定し、また反応容器11内の圧力を133Pa、ガ
ス流量を1slm(standard liter per minute )に設
定して、混合ガスを反応容器11内に流通させることに
より行った。また、このときマイクロ波パワーを1.4
kWに設定し、1枚のSiウエハを処理するために、2
分間のマイクロ波パワーの印加を行い、Siウエハの各
部分におけるエッチング速度の分布を測定した。結果を
同じく下記の表3及び表4に示している。
【0038】また、比較例に係るマイクロ波導入窓につ
いても同様に、その製造条件、及び特性の測定結果を下
記の表1〜表4に記載している。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】上記表1及び表2に記載したマイクロ波導
入窓の製造条件及び表3及び表4に示したマイクロ波導
入窓に関する特性より明らかなように、実施例に係るマ
イクロ波導入窓は、ナトリウム含有量がいずれの部分に
おいても100ppm以下であり、かつ前記ナトリウム
含有量のばらつきが45ppm以下で、fQ値が11
0,000〜175,000であり、実施例に係るマイ
クロ波導入窓が使用されたプラズマ処理装置では、Si
ウエハの面内エッチング速度のばらつきがいずれも5%
以内となっており、エッチング速度が極めて均一であ
る。なお、実施例に係るマイクロ波導入窓の抗折強度は
25〜40kg/mm2 の範囲であった。
【0044】他方、比較例に係るマイクロ波導入窓につ
いて、その特性を見てみると、比較例1の場合は、一定
の温度での保持工程なしに焼結を行っているため、厚み
方向にナトリウム含有量のばらつきが大きく、fQ値も
20,000〜120,000とばらついている。その
ため、エッチング速度のばらつきも12%と大きくなっ
ている。また、保持温度が1150℃と低い比較例2の
場合も、ナトリウム含有量が低減されておらず、エッチ
ング速度のばらつきも10%と大きくなっている。比較
例3〜7の場合は、保持時間が15時間より短いため、
ナトリウム含有量が100ppm以下に低減されない
か、ナトリウム含有量のばらつきが50ppmより大き
く、エッチング速度のばらつきも7%以上となってい
る。比較例8、9の場合は、保持温度が1600℃と高
いため、ナトリウムが飛散する前に焼結が始まり、結果
的にナトリウムの含有量が低減されていない。さらに比
較例10、11の場合のように、1200〜1500℃
の温度範囲における昇温速度が20℃/時間を超えて
も、ナトリウム含有量が100ppm以下に低減されな
いか、ナトリウム含有量のばらつきが50ppmより大
きくなっている。
【0045】
【発明の効果】上記アルミナ製マイクロ波導入窓によれ
ば、各部分のfQ値を均一化することができ、そのため
に前記マイクロ波導入窓が装備されたプラズマ処理装置
を用いてアッシング処理等を行う際の処理速度を均一化
することができる。また、誘電損失に起因する発熱によ
るマイクロ波導入窓の破損を防止することができる。
【0046】上記アルミナ製マイクロ波導入窓の製造方
法(1)又は(2)によれば、ナトリウムを成形体中か
ら飛散させることができ、その後の焼結により、ナトリ
ウム含有量が小さく、かつ均一な、各部分においてfQ
値が大きなアルミナ製マイクロ波導入窓を製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマ処理装置の一例を模式的に示した断面
図である。
【符号の説明】
22 マイクロ波導入窓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C04B 35/10 H01L 21/205

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低ソーダアルミナ粉末からなるアルミナ
    原料粉末の成形体を1200〜1550℃で15時間
    以上保持し、その後1600℃〜1700℃で1時間〜
    10時間焼結させることを特徴とするナトリウム含有量
    がいずれの部分においても100ppm以下であるアル
    ミナ製マイクロ波導入窓の製造方法。
  2. 【請求項2】 低ソーダアルミナ粉末からなるアルミナ
    原料粉末の成形体を加熱する際に、1200〜155
    0℃の温度範囲を20℃/時間以下の昇温速度で昇温さ
    せ、その後1600℃〜1700℃で1時間〜10時間
    焼結させることを特徴とするナトリウム含有量がいずれ
    の部分においても100ppm以下であるアルミナ製マ
    イクロ波導入窓の製造方法。
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