JP2004153209A - プラズマ処理装置用部材及びその製造方法 - Google Patents

プラズマ処理装置用部材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマに対する耐性が高く、損失を小さくすることで発熱量を抑え効率的にマイクロ波を透過させることが可能で、且つ高純度でウェハへの汚染が極めて小さい窒化アルミニウムセラミックスからなるプラズマ処理装置用部材を提供する。
【解決手段】腐食性ガスにマイクロ波9を印加してプラズマ11を発生させるプラズマ処理装置に用いられる部材5であって、窒化アルミニウムセラミックスからなり、2〜3GHzの周波数領域におけるtanδが3×10−3以下、且つ表面におけるtanδをAとし、表面から全体厚みの半分の厚みにおける面のtanδをBとしたとき、両者の比(A/B)が0.85〜1とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェハにCVDやエッチングを行なう際に用いられるプラズマ処理装置においてマイクロ波を透過する部材に関し、マイクロ波透過窓等のプラズマ処理装置用部材及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ウェハに対する薄膜の形成やエッチングなどのプロセスにおいて腐食性ガスを励起してプラズマ化し、それによりCVDやエッチングを行うプラズマCVDやプラズマエッチングが用いられている。
【0003】
現在、一般的に使用されている装置としては電極に13.56MHzの高周波を印加してプラズマを発生させる反応性イオンエッチング(RIE)や電子サイクロトロン(ECR:Electron Cyclotron Resonance)、プラズマCVD装置等がある。
【0004】
図1は、プラズマ処理装置のうちECR装置の構成を示した模式図である。
【0005】
マイクロ波発信器7で発生した2.45GHzのマイクロ波9は、導波管6を通して照射され、マイクロ波透過窓5を透過し、チャンバー1の内部に入射される。導波管6の外側を囲むようにソレノイドコイル8が設置されており、チャンバー1にはガスノズル4が設置され、腐食性ガス10をチャンバー1の内部へ供給している。チャンバー1内へ供給されたCl、F等のハロゲンガスからなる腐食性ガス10はマイクロ波9によって励起され、ECRによって局所的にプラズマ11を発生させる。次いでプラズマ11に一定方向の力を印加し、プラズマ11を加速させる仕組みである。このプラズマ11を用いて、チャンバー1内に設置されたサセプタ2に載置されたウェハ3に対し、CVDやエッチングを行う。
【0006】
上記マイクロ波9がマイクロ波透過窓5を透過する際、マイクロ波透過窓5内の分子や極性基などの内部摩擦により熱を発生する。この発熱量Qは、Q=kfEεtanδで表される。この式においてkは定数であり、fは周波数であり、Eは電場であり、εは誘電率、tanδは誘電正接である。
【0007】
この発熱量を小さくするため、上記マイクロ波透過窓5等のプラズマ処理装置用部材には、tanδを小さくすることが求められ、アルミナセラミックスからなる場合は、窒化アルミニウムセラミックスに比べtanδが小さく、発熱量は小さくなるものの熱伝導率が低く、またマイクロ波9が透過すると温度が局所的に上昇し、熱衝撃や熱応力に耐えきれずに破損することがある。
【0008】
そこで、窒化アルミニウムセラミックスからなるマイクロ波透過窓5が提案されている。
【0009】
窒化アルミニウムセラミックスは、2〜3GHzにおけるtanδの値が大きいため、発熱量が大きくなり、マイクロ波9の透過率が低くなってしまう。マイクロ波9の透過に伴う発熱は、tanδに比例することが知られている。窒化アルミニウムセラミックスの誘電特性、特にtanδは周波数に依存することが分かっており、一般的に窒化アルミニウムセラミックスのtanδは1GHz付近でピークとなり、それ以降徐々に低減していき、ECR装置で使用される2.45GHzでは非常に大きなtanδの値を示すことになる(特許文献1参照)。
【0010】
また、上記tanδを低下させるために、窒化アルミニウム結晶相内に存在する酸素量を10000ppm以下とし、マイクロ波9透過時の発熱による熱衝撃や熱応力に対しても破損を防止するため、高熱伝導を維持する目的で、イットリウム、イッテリビウム等の希土類元素の酸化物を添加した窒化アルミニウムセラミックスからなるマイクロ波透過窓5が提案され、そのtanδは1×10−2〜3×10−4程度、熱伝導率は100〜150W/mKのものが提案されている(特許文献2参照)。
【0011】
また、通常、上記窒化アルミニウムセラミックスからなるマイクロ波透過窓5を得るには、イットリウム、イッテリビウム等の希土類元素の酸化物を添加物として0.5〜10重量%添加した原料粉末を所定の形状に成形した後、得られた成形体をカーボン治具が載置されたGPS、真空炉等で1600〜2000℃程度で焼成して作製されていた。
【0012】
【特許文献1】
特開平07−142197号公報
【特許文献2】
特開2000−335974号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の窒化アルミニウムセラミックスからなるマイクロ波透過窓5は、カーボン治具を使用して焼成しているため、部材にカーボンが混入しやすい。焼成温度については、窒化アルミニウムが焼結するように1600℃〜2000℃の範囲で設定されており、通常の高熱伝導だけを目的とした場合には問題なかったが、窒化アルミニウムセラミックスは、アルミナセラミックスなどに比べると焼結性が劣るため、大型の製品となると均一な焼成が困難になる。そのため、表面付近と厚み方向の中心付近では結晶粒径が異なり、マイクロ波透過窓5等のプラズマ処理装置用部材のtanδはその焼結度合いに影響を受け、表面ではtanδのバラツキは少ないものの、厚み方向の中心でのtanδはバラツキが多くなるという欠点を有していた。表面のtanδをAとし、厚み方向の中心の面におけるtanδをBとした場合には、その両者の比(A/B)が0.7程度と大きなものとなり、透過するマイクロ波9の透過率が部分的にばらつきやすく、安定したプラズマを発生させることができないという欠点を有していた。
【0014】
また、高熱伝導を維持するために、イットリウム、イッテリビウム等の希土類元素の酸化物を0.5〜9.0重量%添加しているため、結晶粒界に存在する副成分がより大きなパーティクルとなり、ウェハ3への汚染源となりやすいという欠点を有していた。また、純度が低下して不純物が多くなるため、プラズマに曝されると表面がエッチングされパーティクルが増加してウェハの生産効率が低下するという欠点を有していた。
【0015】
このようにtanδの値にバラツキが生じると、マイクロ波透過窓5を透過するマイクロ波9に部分的にムラが生じ、マイクロ波透過窓5内で発熱量が異なって温度分布にムラが発生してしまう。そして、結果的にはプラズマ11が発生する反応空間に対して、透過されるマイクロ波9のバラツキと、それによるマイクロ波透過窓5の温度バラツキによって、発生するプラズマ11が部分的に不均一になり、安定した半導体の製造プロセスを供給することが困難になってしまう。
【0016】
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであってその目的は、プラズマ処理装置において使用される部材を高純度でウェハへの汚染が極めて小さい窒化アルミニウムセラミックスから形成することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラズマ処理装置用部材は、腐食性ガスにマイクロ波を印加してプラズマを発生させるプラズマ処理装置に用いられる部材であって、窒化アルミニウムセラミックスからなり、2〜3GHzの周波数領域における表面のtanδが3×10−3以下、且つ表面におけるtanδをAとし、表面から全体厚みの半分の厚みにおける面のtanδをBとしたとき、両者の比(A/B)が0.85〜1であることを特徴とする。
また、本発明のプラズマ処理装置用部材は、熱伝導率が50W/m・K以上であることを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明のプラズマ処理装置用部材は、窒化アルミニウムの純度が99.5%以上であることを特徴とする。
【0019】
またさらに、本発明のプラズマ処理装置用部材は、厚みが20mm以上であることを特徴とする。
【0020】
本発明のプラズマ処理装置用部材の製造方法は、窒化アルミニウムセラミックスからなる成形体を得、該成形体を窒化ホウ素からなる焼成用治具にて囲まれた空間の中に配置し、最高温度を1950〜2100℃、最高温度での保持時間を5時間以上として焼成することを特徴とする。
【0021】
これにより、プラズマ処理装置用部材の表面のエッチングを抑制するとともに、反応空間に均一で安定したプラズマを発生させることができ、パーティクルの発生を低減することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0023】
図1はプラズマ処理装置の一つであるECR装置の構成を示した模式図である。
【0024】
マイクロ波発信器7で発生した2.45GHzのマイクロ波9は、導波管6を通して照射され、マイクロ波透過窓5を透過し、チャンバー1の内部に入射される。導波管6の外側を囲むようにソレノイドコイル8が設置されており、チャンバー1にはガスノズル4が設置され、ハロゲンガス等の腐食性ガス10をチャンバー1の内部へ供給している。チャンバー1内へ供給された腐食性ガス10はマイクロ波9によって励起され、ECRによって局所的にプラズマ11を発生させる。次いでプラズマ11に一定方向の力を印加し、プラズマ11を加速させる仕組みである。このプラズマ11を用いて、チャンバー1内に設置されたサセプタ2に載置したウェハ3にCVDやエッチングを行うものである。
【0025】
本発明は、上記マイクロ波透過窓5等のプラズマに曝され、マイクロ波9を透過するプラズマ処理装置用部材を2〜3GHzの周波数領域における表面のtanδが3×10−3以下、且つ表面におけるtanδをAとし、表面から全体厚みの半分の厚みにおける面のtanδをBとしたとき、両者の比(A/B)が0.85〜1とすることが重要である。
【0026】
これによって、マイクロ波透過窓5の表面から内部までのtanδのバラツキを防止して、周波数2〜3GHzのマイクロ波9を均一に透過することができ、腐食性ガスを効率よくプラズマ化することが可能になる同時に、マイクロ波9透過時の発熱を極力低減することを可能にする。
【0027】
マイクロ波9がマイクロ波透過窓5を透過する際、マイクロ波透過窓5内の分子や極性基などの内部摩擦により熱を発生する。この発熱量QはQ=kfEεtanδで表される。この式において、kは定数であり、fは周波数であり、Eは電場であり、εは誘電率、tanδは誘電正接である。この発熱量Qの式におけるtanδの数値を小さくすることで、発熱量を抑える、つまりはマイクロ波9の透過率を向上させることができる。上記tanδが3×10−3より大きくなると、マイクロ波9の透過率が低下し反応空間へのエネルギーロスが大きくなるとともにマイクロ波透過窓5の発熱量が大きくなり、マイクロ波透過窓5の温度が上昇し発生する熱応力が大きくなり破損しやすいものとなる。
【0028】
また、マイクロ波透過窓5の表面におけるtanδをAとし、表面から全体厚みの半分の厚みにおける面のtanδをBとしたとき、両者の比(A/B)が0.85〜1とすることによって、マイクロ波9の透過率が均一化させることが可能になり、マイクロ波透過窓5の下にある反応空間内のガスが均一に励起されてプラズマ化される。発生するプラズマは反応空間内で均一に安定しているため、ウェハに対して均一なCVDなどの処理が可能になる。
【0029】
上記A/Bが0.85未満となると、マイクロ波9がマイクロ波透過窓5等の部材を透過して反応空間へ到達する量が、場所によって異なり、ウェハ3上に位置する反応空間で発生するプラズマ11の密度が場所によって異なってしまい、ウェハ3へのエッチング又はCVD処理時のレートにバラツキが生じてしまう。また、表面付近のtanδがいくら小さくても、焼結性の落ちる厚み方向の中心部でtanδが大きくなった場合、マイクロ波の透過はそこで決まってしまうこととなる。
【0030】
このように、窒化アルミニウムセラミックスからなるプラズマ処理装置用部材の表面におけるtanδをAとし、表面から全体厚みの半分の厚みにおける面のtanδをBとしたとき、両者の比(A/B)が0.85〜1とするには、詳細を後述するように、窒化アルミニウムセラミックス成形体を焼成する工程において、成形体を窒化ホウ素にて製作された焼成用治具にて囲まれた空間の中に配置し、焼成の最高温度を1950〜2100℃、最高温度での保持時間を5時間以上として窒化アルミニウムセラミックスの焼結性を高め、内部まで焼結が十分に進み結晶粒径の大きさのバラツキを少なくさせることが重要となる。
【0031】
上記プラズマ処理装置用部材の表面におけるtanδと、表面から全体厚みの半分の厚みにおける面のtanδは、それぞれ空洞共振気法で測定する。
【0032】
また、上記マイクロ波透過窓5等のプラズマ処理装置用部材は、その熱伝導率が50W/m・K以上であることが好ましく、マイクロ波透過時の発熱に対し破損を防ぐことができる。一方、熱伝導率が50W/m・K未満であるときは、マイクロ波が透過するときの発熱や、プラズマに曝される際の吸熱によって部材自体の温度が上昇し、熱応力で破損しやすい。
【0033】
なお、プラズマ処理装置用部材の熱伝導率を50W/m・K以上とするには、焼結助剤として微量の希土類元素(Y等)を添加することが有効である。
【0034】
また、上記プラズマ処理装置用部材の熱伝導率は、熱伝導率の測定法にはレーザーフラッシュ法によって測定できる。
【0035】
さらに、上記プラズマ処理装置用部材を形成する窒化アルミニウムセラミックスにおける窒化アルミニウムの純度が99.5%以上であることが好ましく、プラズマ処理装置用部材の結晶粒径を内部まで均一にし、結晶粒界のパーティクルを防止してウェハ3への汚染を極力低減することを可能にする。一方、窒化アルミニウムの純度が99.5%未満であると、一般にマイクロ波透過窓5はウェハ3の上部へ取り付けることが多く、ウェハ3への汚染源となりやすい。また、純度が低下すると、結晶粒界に存在する副成分がより大きなパーティクルとなり、プラズマに曝されると表面がエッチングされパーティクルが増加してウェハの生産効率が低下するという欠点があった。
【0036】
なお、窒化アルミニウムの純度が99.5%以上としたプラズマ処理装置用部材を得るためには、高純度の出発原料を用いることが必須となる。また、窒化アルミニウム純度は、窒化アルミニウムセラミックスを水溶液化し、窒化アルミニウム以外の不純物成分の含有量を調べ100から引くことによって算出できる。
【0037】
ここで、本発明のプラズマ処理装置用部材の製造方法について説明する。
【0038】
先ず、純度99.9%以上の窒化アルミニウムセラミックス粉末を99.7%に対し、焼結助剤としてY、Er、Ybなどの周期律表3a族元素酸化物を0.3重量%で添加し、さらにバインダーと溶媒を添加混合した後、加圧成形する。
【0039】
なお、上記焼結助材として添加する酸化物はその添加量を0.5重量%未満とすることによって、窒化アルミニウムの純度を向上させる。
【0040】
次いで、得られた成形体を切削加工後、窒化ホウ素にて作製された焼成用治具にて囲まれた空間の中に配置する。この焼成治具とは窒化ホウ素からなる壁によって作製した空間からなる。
【0041】
しかる後、最高温度1950〜2100℃とし、その保持時間を5時間以上として焼成する。
【0042】
通常、窒化アルミニウムセラミックスからなる成形体を焼成する場合、GPSや真空炉で行なわれるとともに、その焼成温度は2000℃程度である。そのため、焼成炉の中はカーボン治具が大量に使用され、このカーボンが窒化アルミニウムセラミックスの焼結を阻害し、カーボンの混入が発生し、均一な焼成が困難となり、純度低下、未焼結等を引き起こす。上記窒化ホウ素からなる焼成治具を用いることによって内部まで焼成が均一に行なうことができる。また、各焼成治具のつなぎ目をプラズマ処理装置用部材に用いた窒化アルミニウム粉末と同じもので詰めることがより好ましい。
【0043】
また、焼成の最高温度を1950℃〜2100℃、その保持時間を5時間以上とすることにより、99.5%程度の純度を持つ窒化アルミニウムセラミックスからなるプラズマ処理装置用部材において、表面における平均結晶粒径を10〜20μm、中心における結晶粒径を表面の結晶粒径と同じ程度の大きさとして、表面と内部で均一とすることができる。
【0044】
さらに、上記焼成における最高温度が1950℃未満となると、焼結が内部まで十分に進まず結晶の粒成長不足等が発生する。一方、2100℃を越えると、温度範囲を外れてもオーバーシンターとなって異常粒成長が起こってしまう。また、最高温度での保持時間が5時間未満となると焼結が内部まで十分に進まず結晶の粒成長不足等が発生する。なお、上記焼成の最高温度は1980〜2060℃、その保持時間を8時間以上とすることがより好ましい。
【0045】
このようにして得られたプラズマ処理装置用部材は、その厚みが20mm以上の場合により好適に用いることができ、20mm以上の厚みとなっても窒化ホウ素からなる焼成治具によって内部まで均一に焼成することができるため、表面と内部でのtanδの値のバラツキを有効に防止することができる。また、上記厚みは30mm以上となることがより好ましい。
【0046】
なお、上記プラズマ処理装置用部材は、図1に示すマイクロ波透過窓5に限定されることはなく、マイクロ波を透過する必要がある部材として好適に用いることができる。
【0047】
【実施例】
プラズマ処理装置用部材として、窒化アルミニウムセラミックスからなる円板状の試料を作製した。試料のサイズは実際の200mmウェハ処理プロセスをふまえφ230mmとし、厚みは20mmとしている。tanδの数値はその焼結性に影響を受けることが多く、結果を顕著に見るために厚み20mmを採用した。
【0048】
先ず、純度99.9%以上の窒化アルミニウムセラミックス粉末を99.7%に対し、焼結助剤としてY、Er、Ybなどの周期律表3a族元素酸化物を0.3重量%添加し、さらにバインダーと溶媒を添加混合した後、加圧成形する。
【0049】
次いで、得られた成形体を切削加工後、表1に示す如く条件で焼成した。
また、比較例1として上記同様な窒化アルミニウムセラミックス成形体を準備し、カーボン台板の上に窒化アルミニウムからなるシートを敷き、その上に成形体を載置して、1900℃で5時間焼成した。
【0050】
さらに、比較例2として純度99.9%以上の窒化アルミニウムセラミックス粉末を98%に対し、焼結助剤としてY、Er、Ybなどの周期律表3a族元素酸化物を2重量%添加し、さらにバインダーと溶媒を添加混合した後、加圧成形した後、比較例1と同様な条件で焼成した。
【0051】
そして、各試料の表面におけるtanδをA、表面から全体厚みの半分の厚みにおける面のtanδをBとしたときの両者の比(A/B)を算出した。
【0052】
なお、上記窒化アルミニウム純度は、セラミックス試料を水溶液化し、窒化アルミ以外の不純物成分の含有量を調べ、100から引くことによって算出し、tanδは周波数2.45Hz、室温にて空洞共振器法を用いて測定した。
【0053】
また、同様に作製した試料を用いて図1に示すようなECR装置のマイクロ波透過窓としてセットし、腐食性ガスを周波数2.45GHzのマイクロ波によって励起させ、プラズマを発生させ、ウェハにエッチング処理をほどこした。
【0054】
その後、各試料の重量を測定し、エッチング処理前後の重量を測定しその比を算出した。
【0055】
また、エッチング処理を施したウェハを任意の10点にて寸法を測定し、10点のデータ中の最小値を最大値で割った数値、寸法変化量比を測定した。
【0056】
その結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
Figure 2004153209
【0058】
表1に示すとおり、窒化ホウ素からなる焼成治具を用いて、最高温度を1950〜2100℃とした試料(No.2,4,5,)は、tanδがそれぞれ、2.6×10−3〜3×10−3、2.2×10−3〜2.4×10−3、2〜2×10−3.1×10−3と小さくでき、厚み方向の中心の面との比もそれぞれ、0.88、0.93、0.95と非常に小さいものであった。また、各試料の処理前後の重量比も0.997〜0.999、エッチングによるウェハの寸法変化比も0.86、0.89、0.92となっており、内部まで焼成が進み、均一にマイクロ波が透過されていることにより、ウェハ面内でのエッチングが均一になされていることが判った。
【0059】
これに対し、1900℃で焼成した試料(No.1)は、tanδが4.9×10−3と大きくマイクロ波の透過を阻害している。
【0060】
また、2000℃焼成を行っているものの、保持時間が4時間の試料(No.3)はtanδの数値は小さいものの、最小値と最大値の比が小さくなっており、そのために、エッチングによるウェハの寸法変化量比が0.77と小さくなっている。
【0061】
さらに、焼成温度が2150℃の試料(No.6)については、結晶が大きくなりすぎて強度が劣化しているため、使用中に破損してしまった。
【0062】
比較例1であるカーボンからなる焼成治具を用いた試料、比較例2である希土類酸化物を2重量%添加した試料は、tanδの比が小さくなっており表面と内部では大きなtanδの差が見られ、マイクロ波を均一に透過できないため、エッチングによるウェハの寸法変化量の比も小さくなっている。
【0063】
【発明の効果】
本発明のプラズマ処理装置用部材は、窒化アルミニウムセラミックスからなり、腐食性ガスに2〜3GHzのマイクロ波を印加してプラズマを発生させるプラズマ処理装置用部材であって、2〜3GHzの周波数領域におけるtanδが3×10−3以下、且つ表面におけるtanδをAとし、表面から全体厚みの半分の厚みにおける面のtanδをBとしたとき、両者の比(A/B)が0.85〜1であることから、プラズマによる入熱及びマイクロ波による自己発熱に伴う高温での表面反応を受けにくく、また破損しにくくすることを可能にし、反応空間に均一で安定したプラズマを発生させることができるため、プラズマ処理装置用部材の表面のエッチングを抑制するとともに、反応空間に均一で安定したプラズマを発生させることができ、パーティクルの発生を低減することができる。
【0064】
また、本発明のプラズマ処理装置用部材は、熱伝導率が50W/m・K以上であることにより、マイクロ波透過時の発熱に対し破損を防ぐことができる。
【0065】
また、窒化アルミニウムの純度が99.5%以上であることにより、ウェハへの汚染を極力低減することを可能にする。
【0066】
さらに、本発明のプラズマ処理装置用部材の製造方法は、窒化アルミニウムセラミックスからなる成形体を得、該成形体を窒化ホウ素からなる焼成用治具にて囲まれた空間の中に配置し、最高温度を1950〜2100℃、保持時間を5時間以上として焼成することから焼結性の悪い窒化アルミニウムセラミックスの焼結性を高めることができ、内部まで均一に焼成するため、全体の結晶サイズをより均一することができ、tanδの値が安定し、反応空間に均一で安定したプラズマを発生させることができ、プラズマ処理装置用部材の表面のエッチングを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ処理装置用部材を用いたECR装置の構成を示した模式図である。
【符号の説明】
1:チャンバー
2:サセプタ
3:ウェハ
4:ガスノズル
5:マイクロ波透過窓
6:導波管
7:マイクロ波発信器
8:ソレノイドコイル
9:マイクロ波
10:腐食性ガス
11:プラズマ

Claims (5)

  1. 腐食性ガスにマイクロ波を印加してプラズマを発生させるプラズマ処理装置に用いられる部材であって、窒化アルミニウムセラミックスからなり、2〜3GHzの周波数領域における表面のtanδが3×10−3以下、且つ表面におけるtanδをAとし、表面から全体厚みの半分の厚みにおける面のtanδをBとしたとき、両者の比(A/B)が0.85〜1であることを特徴とするプラズマ処理装置用部材。
  2. 熱伝導率が50W/m・K以上であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置用部材。
  3. 窒化アルミニウムの純度が99.5%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置用部材。
  4. 厚みが20mm以上であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のプラズマ処理装置用部材。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載のプラズマ処理装置用部材の製造方法であって、窒化アルミニウムセラミックスからなる成形体を得、該成形体を窒化ホウ素からなる焼成用治具にて囲まれた空間の中に配置し、最高温度を1950〜2100℃、最高温度での保持時間を5時間以上として焼成することを特徴とするプラズマ処理装置用部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023013383A1 (ja) * 2021-08-03 2023-02-09 日新電機株式会社 プラズマ処理装置

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