JP2007096256A - 負イオン発生用電極と負イオン処理装置及び負イオン処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の装置よりも高いエッチングレートを得られ、エッチングによる被処理物へのダメージが少なく、ラジオ周波数帯で表面波ダウンストリーム負イオンの生成が可能であるプラズマ処理装置およびプラズマ発生方法を提供する。
【解決手段】比誘電率が40以上200以下である円筒状体の外周面上に、前記円筒状体の長さ方向中心よりも一方端側に全体が配されているようにして環状の給電部を取着させてなること。
【選択図】図1
【解決手段】比誘電率が40以上200以下である円筒状体の外周面上に、前記円筒状体の長さ方向中心よりも一方端側に全体が配されているようにして環状の給電部を取着させてなること。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体やMEMSを中心とする材料プロセスの内、特にプラズマによるエッチングプロセスに用いられるものであり、エッチング速度が速く、被エッチング材へのダメージの少ない負イオン処理装置および負イオン発生方法に関する。
半導体やMEMSを中心とする材料プロセスにおいて、プラズマによるエッチングプロセスは重要な役割を担っている。特に、MEMS分野は今後膨大な発展が期待され、高スループットのMEMS加工装置の必要性が高まると予想される。高スループットすなわち、高エッチング速度を実現するためには機能性の高いプラズマ発生法の開発が重要である。
一方、被エッチング材となる例えばシリコンウエハへのダメージをできるだけ小さくしてやる、つまり、低損傷エッチングへの要求も高くなっており、表面波を用いたダウンスリームプラズマによるエッチングが大変有用である。現在でも、2.45GHz程度のマイクロ波電源を用いた装置では表面波を用いたダウンストリームプラズマの生成が確認されており、それを用いたプラズマ処理装置によるエッチングが行われている。従来、半導体集積回路、フラットパネルディスプレイ、マイクロメカニクスなどの素子は、プラズマCVDなどによる各種膜の形成工程、プラズマエッチングなどによる膜のエッチング工程、プラズマアッシングなどによるレジストのアッシング工程、プラズマクリーニングなどによるクリーニング工程等を適宜繰り返して製造される。
これらの工程に用いられる従来のプラズマ処理装置は、減圧可能な反応容器、その反応容器内に原料ガスを供給する原料ガス供給手段、該反応容器内に高周波電力を供給する高周波波供給部及び高周波電源、上記反応容器内に配置された被処理物保持手段、その反応容器内の反応後のガスを排気する排気手段とから構成されている。
そして、反応容器内に原料ガスを減圧状態で供給するとともに、上述の高周波電源で発生させた高周波電力を高周波供給部に供給し、被処理物保持手段により保持される被処理物と高周波供給部との間にプラズマを発生させて被処理物に積層膜を形成している。
ところで、上述する反応容器の材質としては、従来から石英ガラスを用いた材質が提案されていたが、塩素やフッ素等の腐食性の強い元素を含んだプラズマに用いると、石英ガラスは高速でエッチングされてしまうため、誘電体の部品パーツの交換周期が非常に短くなり、装置の稼働率が著しく低下していた。また、石英ガラスのエッチング生成物であるSiやOがプラズマ中に混入し、プラズマの特性を大きく変えてしまい、しかも、パーツが削れてその形状が刻々と変化するため、それに合わせてプラズマ状態(均一性や密度)も変動してしまうことがあった。
そのため、腐食性ガスに対する耐食性があり、且つ誘電特性の良い材料として、アルミナ及び窒化アルミニウム、イットリア、YAG(イットリア−アルミナ−ガーネット)が検討されている(特許文献1〜7参照)。
一方、レーザー発振器に用いられる上記誘電体セラミックスのような放電発生部材としては、特許文献8に、比誘電率5以上の材料を用いることが開示され、特許文献9及び10には、比誘電率20以上の酸化チタン系セラミックスまたはチタン酸バリウム系セラミックスを用いることが開示されている。
また、本出願人は特許文献11や12に、イルメナイト型構造からなる結晶と、イルメナイト構造以外の金属酸化物の結晶相とを含むセラミックスからなり、前記イルメナイト型構造からなる結晶相が前記両結晶相の総量に対して5重量%以上含有されており、さらに前記セラミックスは気孔率が5%以下であることを特徴とする放電発生部材を提案している。
特開平5−217946号公報
特開2001−24474号公報
特開2003−112964号公報
特開2001−151559号公報
特開2001−91370号公報
特開2001−12365号公報
特開2001−31484号公報
特開平11−68196号公報
特開2001−237475号公報
特開2001−251000号公報
特開2004−87813号公報
特開2004−99400号公報
しかしながら、一般的に従来のプラズマ処理装置は、エッチングレートが低く、エッチングによる被処理物へのダメージが多いため、処理後の基板の強度が低いことが最大の課題である。
また、一例である成膜装置やエッチング装置に用いる放電発生部材に関して、材質としてアルミナは、セラミック材料としては最も広く普及している材料であるが、耐熱衝撃性に弱く且つ熱伝導率が低いため、高パワーの高周波電力を投入すると、局所的に高温になり、熱応力で破壊してしまうといった課題があり、また、窒化アルミニウムは、室温での誘電特性はアルミナと同等であり、その他の物性でアルミナより優れているが、高周波波の透過率が使用時間とともに徐々に低下し、プラズマ処理速度が低くなるといった課題があった。
また、イットリア、YAGなどの材質は、耐食性について石英ガラス、アルミナ、窒化アルミニウムよりも優れるが、強度、耐熱衝撃性が低くなるため、高パワーの高周波電力が使用される条件では熱応力で破壊してしまうといった課題があった。
ところで、上述した石英ガラス、アルミナ、窒化アルミニウム、イットリア及びYAGを誘電体とした場合、比誘電率εrがいずれも12以下と低い値である。そして、これらの材質を反応容器として使用する場合、プラズマ密度を高める為には、印加電圧を高めなければならないといった課題があった。
一般的に比誘電率εrの誘電体に対し、その誘電体の内部では電磁波の波長がおよそ1/εr1/2に短縮されるので、誘電体の比誘電率εrが大きいと誘電体を伝搬する電磁波の波長が短くなり、電磁界エネルギーを誘電体に集中させた後、放電することができるため、プラズマ密度が高まり、プラズマの放電が安定することが知られている。
従って、従来の反応容器に使用されている比誘電率の低い石英ガラス、アルミナ等は、プラズマ処理装置に用いる場合には、プラズマ密度を高める為に、電源の周波数を高めなければならないといった課題があった。
一方、比誘電率εrの値の高い材質として、一般的に共振器等に利用されているチタン酸バリウムや酸化チタン系セラミックスが挙げられる。この誘電体をプラズマ処理装置の反応容器として用いた場合、出力の大きな高周波電力を印加すると、結晶界面の応力を誘発して亀裂進展による絶縁破壊を招きやすく、プラズマ密度を向上させることが困難であった。つまり、高い高周波電力を印加すると放電電流が大きくなるものの、アーク放電が発生するので粒界部分の耐電圧を越えてしまうことにより絶縁破壊を起こしやすいものと考える。
特に、比誘電率εrが190以上の材料の代表としてチタン酸バリウム系のセラミックスがあるが、この材料は誘電正接の値が0.3以上と大きいので、電磁界エネルギーの多くが熱エネルギーに変換され、大きく発熱しやすく、電磁界エネルギーを効率良くプラズマに伝達できないため、プラズマ密度を向上させることが極めて困難であるという課題があった。
また、tanδの値が大きいと、特に反応容器の高周波印加用の高周波コイルを配置する部分だけが発熱するため、反応容器の発熱状態に分布が生じるということがあった。プラズマ処理の際、反応ガスとして使用されているハロゲン系腐食性ガスは、反応容器の内壁面のセラミックスと反応して内壁面上にハロゲン化物を生成し、反応生成物として堆積するが、反応容器に生じた温度分布の要因で内周面の位置によっては堆積量に差が生じてしまう。そのため反応生成物の堆積が多い部分で、堆積可能な許容量を超えると、被処理物上に剥がれ落ちてパーティクルとなるという課題があった。
また、従来の放電発生部材として用いられている誘電体の酸化チタン系セラミックスやチタン酸バリウムといった単独の結晶相からなる放電発生部材は、電気的な絶縁破壊強度が強いことが知られているが、出力の大きな高周波電源により電圧を印加すると、結晶界面の応力を誘発して亀裂進展による絶縁破壊を招きやすいといった課題があった。
さらに、従来の放電発生部材は、放電時に電極のコーナー部に放電エネルギーが集中することによって、放電発生部材が破壊するという課題があった。
また、挿通するガスの解離等によりアーク放電が起こると、従来の放電発生部材は、表面に亀裂が発生したり、破壊したりするという課題があった。
また、マイクロ波を用いた表面波ダウンストリームプラズマ処理装置では、マイクロ波電源が高価であるばかりでなく、マイクロ波を導入するための導波管やその周辺の装置構成が複雑であり、かつ大がかりになってしまうため、装置としてのコストが莫大なものになってしまうという欠点があった。
また、マイクロ秒オーダーでプラズマをON−OFF変調することによって負イオンを生成し、低損傷のエッチングを行うという技術が公表されているが、電力の消費効率が悪く、実用的な段階にはなっていない。
本発明は、上記の事情に鑑みて完成されたもので、その目的は従来の放電発生部材が有する問題点を解決し、高誘電率の放電部材を用いることによって高密度のプラズマが急激に減衰することによって生じた負イオンを被処理物に照射せしめることによって、被処理物へのチャージアップが無く、効率よくエッチング等の処理が行えるとともに、被処理物へのダメージの少ない処理が行えること特徴とするプラズマ処理装置である。
上記に鑑みて本発明は、比誘電率が40以上200以下である円筒状体の外周面上に、前記円筒状体の長さ方向中心よりも一方端側に全体が配されているようにして環状の給電部を取着させてなることを特徴とするものである。
上記給電部を取着させた領域の円筒状体の平均内径が20mm以上300mm以下であることを特徴とする。
上記円筒状体の一方端側の平均内径D1が他方端側の平均内径D2より大きいことを特徴とする。
上記平均内径D1と平均内径D2の比(D1/D2)が2以上であることを特徴とする。
さらに上記円筒状体はMgTiO3を10〜30質量%、CaTiO3を70〜90質量%含有することを特徴とする。
また上記負イオン発生用電極と、該負イオン発生用電極の他方端側に接続される反応容器と、上記反応容器内に配置された保持手段と、上記負イオン発生用電極の内部を通って上記反応容器内にガスを供給するガス供給手段と、上記給電部に高周波電力を供給する高周波電力供給手段と、上記反応容器内のガスを排気するガス排気手段とを有したことを特徴とする。
また、円筒状をなす負イオン発生用電極の下方に被処理物を配置する工程と、
上記負イオン発生用電極内にガスを供給しながら上記イオン発生用電極に高周波電力を印加してプラズマを発生させるとともに、該発生領域と前記被処理物との間に生成した負イオンを上記被処理物に照射する工程とを含むことを特徴とする。
上記負イオン発生用電極内にガスを供給しながら上記イオン発生用電極に高周波電力を印加してプラズマを発生させるとともに、該発生領域と前記被処理物との間に生成した負イオンを上記被処理物に照射する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の負イオン処理装置は、従来の装置よりも高いエッチングレートを得られるばかりでなく、エッチングによる被処理物へのダメージが少なくできるため、処理後の基板の強度が高いことが最大の特徴である。
ラジオ周波数帯で表面波ダウンストリーム負イオンの生成が可能であることによって、マイクロ波の場合に必要となる電力を伝えるための導波管や、立体的な回路が不要であり、装置構成上有利である。
また、誘電率の高い材料を用いることによって、表面波の波長を短くすることが出来るので、負イオン発生用電極の長さを短くすることが可能となり、更に装置構成上有利になる。
負イオン発生用電極内部でのプラズマ電子密度のピーク値が、負イオン発生用電極端部では30%以下に減衰しているため、プラズマによる被処理物に対するダメージが少なく、高密度プラズマの生成によって下流部1cに多量に発生した負イオンによって高速エッチングが可能であり、且つ直接プラズマが当たらないためにウエハへのダメージを少なくすることが可能になる。
また、本発明の負イオン発生用電極の比誘電率が40〜200と高くなっているので、焼結体の厚みを増すことが可能となり、その結果、負イオン発生用電極の強度を向上させることが可能となる。また、大型の焼結体となっても、負イオン発生用電極の発熱による変形や破損がなくなる。
また、高周波波の透過率が使用時間とともに徐々に低下することなく、負イオン処理速度が安定したものとなる。
また、プラズマに対する耐食性も高く、大きく削られて、その形状が刻々と変化してプラズマ状態の均一性やプラズマ密度が損なわれることがない。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図1で説明する。
本発明は比誘電率が40以上200以下である円筒状体1aの外周面上に、前記円筒状体1aの長さ方向中心よりも一方端側1cに全体が配されているようにして環状の給電部1bを取着させてなる負イオン発生用電極1である。
従来は、円筒状体1aの中心や全体に給電部1bを取着させていたが、本発明のように円筒状体1bの長さ方向中心よりも一方端側1cに全体が配されているようにして環状の給電部1bを取着させることで、他方端側1dでの負イオン発生を容易にすることができる。
ここで、上記負イオン発生用電極1の比誘電率が40より小さい場合には、表面波ダウンストリーム負イオンが得られず、エッチングレートの測定に於いても、石英やアルミナとの顕著な差が見られず、また、誘電率が200よりも大きい場合には、プラズマ電子密度の値を、実現不可能な程、高い領域にしないと、表面波が生成出来ないため、同様な効果を得ることが出来ない。
よって、本発明の負イオン発生用電極1は、高い誘電率、且つ、誘電正接の低いセラミックスを負イオン発生用電極1として用いることによって、高密度のプラズマを生成しても、過剰に発熱することが無く安定したプラズマ生成が出来るというものであり、被処理物へのチャージアップが無く、効率よくエッチング等の処理が行えるとともに、被処理物へのダメージの少ない処理が行える負イオン処理装置に用いることができる。
さらに本発明の負イオン発生電極は、上記円筒状体1aの少なくとも給電部1bを取り付けた側の一方端の平均内径が20mm以上であることを特徴とする。さらに、上記平均内径が40mm以上で有ればより好ましい。
ここで給電部1bを取着させた領域の円筒状体1aの平均内径(以下、単に平均内径という)については、上記領域の両端の径と中心の径の平均で求める。
上記平均内径を20mm以上に大きくすることによりプラズマへの電力消費効率が上昇し、プラズマ電子密度が増加するという効果がある。一般的に、内径を一定のまま供給電力を増やすと、総電子数は供給電力に比例して増加するが、プラズマ電子密度は増加しない。これに対して、本発明に示すように平均内径を20mm以上に大きくすることにより、プラズマへの電力供給率が上昇する効果がある。
また上記負イオン発生電極は、上記環状の給電部1bを取り付けた一方端側の平均内径D1(以下、単に平均内径d1という)が他方端の平均内径D2(以下、単に平均内径d2という)より大きいことを特徴とし、一部ストレート部分を有するものなども含み、円筒状体全長に渡ってテーパー状をなすものなどがある。このような構造にすることにより、一方端の平均内径D1である半径の大きい部分でプラズマを効率的に発生させるために作用させることができ、他方端の平均内径D2である半径の小さい部分で、負イオン処理装置内にプラズマを導入するための導入部分として作用させることができる。
また上記負イオン発生電極1は、上記環状の給電部1bを取り付けた側である一方端の円筒状体の平均内径D1と他方端の円筒状体の平均内径D2の比(D1/D2)が2以上であることを特徴とする。
これにより、円筒状体1bの平均内径D1では他方端の平均内径D2より2倍以上大きいので、より効率的にプラズマを発生させることができると同時に、平均内径D2の部分では、プラズマ密度がアップするので、エッチングを行いたい部分に効率よく負イオンを照射できるので、エッチングレートの向上に寄与することができる。
ここで平均内径D1、D2とは図18に示すように、円筒状体の両端から任意の等距離xの範囲内で等間隔yでの3ポイントを測定した内径の平均値ことである。
さらに本発明の円筒状体1aはMgTiO3を10〜30質量%、CaTiO3を70〜90質量%含有する負イオン発生用電極である。
好ましくは、MgTiO3が40〜15重量%、CaTiO3が60〜85重量%の配合比に調整することによって、比誘電率をコントロールすることが可能となり、MgTiO3、CaTiO3の組み合わせで上記組成の範囲外となると、40〜200比誘電率を満たすことができない。
さらに本発明は、上記負イオン発生用電極1と、該負イオン発生用電極1の他方端側1dに接続される反応容器4と、上記反応容器4内に配置された保持手段8と、上記負イオン発生用電極1の内部を通って上記反応容器4内にガスを供給するガス供給手段19と、上記給電部1bに高周波電力を供給する高周波電力供給手段17と、上記反応容器4内のガスを排気するガス排気手段21とを有することで負イオン処理装置とすることができる。
図1において3はガス導入口、5はロータリーポンプ、8はステージとしている。
まず、エッチングを行う為にシリコンなどから成る被処理物を、負イオン発生用電極1の下に設置したステージ8上に置いた。
次に、反応容器4内をロータリーポンプ5により排気し、減圧状態にした。
次に、マスフローコントローラーを介してガス導入口3よりSF6ガスを導入した。
その後、誘電率が40〜200である高誘電率の誘電体から成る負イオン発生用電極1の外周部に配したSUS34製メッシュ電極を介して高周波電源より13.56MHzの高周波電力を導入してSF6プラズマを生成した。この時、上記負イオン発生用電極1の下方にプラズマ化領域が形成され、該プラズマ化領域外に発生した負イオンを保持手段8上に設置した被処理物に照射し、エッチング処理を行うことが出来た。
また、本発明は円筒状をなす負イオン発生用電極1の下方に被処理物を配置する工程と、上記負イオン発生用電極1内にガスを供給しながら上記イオン発生用電極1に高周波電力を印加してプラズマを発生させるとともに、該発生領域と前記被処理物との間に生成した負イオンを上記被処理物に照射する工程とを含む負イオン処理方法とすることができるものである。
本発明の負イオン発生用電極1及び負イオン処理装置は、負イオンを効率的に発生させ、被処理物を負イオン中に配置して処理することができるので、本発明の負イオン処理方法を実現するために最も有効な構成であるといえる。
ここで、本発明にかかるK140からなる負イオン発生用電極1の製造方法について説明する。
本発明にかかるK140負イオン発生用電極1の製造方法は、具体的には例えば以下の工程(1a)〜(6a)から成る。
(1a)出発原料として、高純度の炭酸マグネシウムおよび酸化チタンの各粉末を用いて、1:1となるように秤量後、純水を加え、混合原料の平均粒径が2.0μm以下、望ましくは6〜1.4μmとなるまで1〜100時間、ジルコニアボール等を使用したボールミルにより湿式混合及び粉砕を行い混合物を得る。この混合物を乾燥後、900〜1100℃で1〜10時間仮焼し、仮焼物Aを得る。
(2a)出発原料として、高純度の炭酸カルシウムおよび酸化チタンの各粉末を用いて、1:1となるように秤量後、純水を加え、混合原料の平均粒径が2.0μm以下、望ましくは6〜1.4μmとなるまで1〜100時間、ジルコニアボール等を使用したボールミルにより湿式混合及び粉砕を行い混合物を得る。この混合物を乾燥後、900〜1100℃で1〜10時間仮焼し、仮焼物Bを得る。
(3a)得られた仮焼物A、Bを2:8の割合で、およびMnO2、NiO、CoO、Al2O3、WO3およびCr2O3のうち少なくとも1種を混合し、純水を加え、平均粒径が2.0μm以下、望ましくは0.6〜1.4μmとなるまで1〜100時間、ジルコニアボール等を使用したボールミルにより湿式混合及び粉砕を行う。
(4a)更に、3〜10重量%のバインダーを加えてから脱水し、その後公知の例えばスプレードライ法等により造粒または整粒し、得られた造粒体又は整粒粉体等を公知の成型法、例えば冷間静水圧プレス法、押し出し成形法、インジェクション成形法等の公知の成形方法によりプラズマ処理装置1を得るための形状に成形する。
尚、造粒体又は整粒粉体等の形態は粉体等の固体のみならず、スラリー等の固体、液体混合物でも良い。この場合、液体は水以外の液体、例えばIPA(イソプロピルアルコール)、メタノ−ル、エタノ−ル、トルエン、アセトン等でも良い。
尚、造粒体又は整粒粉体等の形態は粉体等の固体のみならず、スラリー等の固体、液体混合物でも良い。この場合、液体は水以外の液体、例えばIPA(イソプロピルアルコール)、メタノ−ル、エタノ−ル、トルエン、アセトン等でも良い。
(5a)得られた成形体を大気中1250〜1350℃で、5〜10時間保持して焼成する。
(6a)得られた焼成体をさらに大気中1100〜1200℃に加熱後、平均降温速度15〜40℃/時間で降温して熱処理する。
上述の製造方法によって得られた本発明にかかるK140焼結体はMgTiO3及びCaTiO3が2:8の割合となった結晶相を有し、比誘電率が40〜200、誘電正接が3×14であり、これを円筒状態1aに用いてプラズマ処理装置1を得ることができる。
比誘電率が40より小さい場合には、表面波ダウンストリームプラズマが得られず、エッチングレートの測定に於いても、石英やアルミナとの顕著な差が見られず、また、誘電率が200よりも大きい場合には、プラズマ電子密度の値を、実現不可能な程、高い領域にしないと、表面波が生成出来ないため、同様な効果を得ることが出来ない。
誘電率の測定は、外径φ16mm、厚み2mmの円板を製作し、その両端面を金属で短絡して構成した共振器の共振周波数と無負荷のQ値を測定することによって求めた(誘電体円柱共振器法)
図1における本発明に用いた装置の概略は、平均内径φ15mm、肉厚2mm、L寸330mmの負イオン発生用電極1を本発明の誘電体材料(以後K140と呼ぶMgTiO3及びCaTiO3が2:8の複合ペロブスカイト系セラミックス)にて形成し、外周部に配したSUS34製の給電部1bを介して13.56MHzの高周波電力を導入してSF6プラズマを生成するというものであり、石英及びK140の比誘電率はそれぞれ3.8と140である。
給電部1bは幅30mmの帯状のメッシュを用いて円筒状体1bに巻きつけ、円筒状体1bの長さ方向中心よりも上流部すなわち一方端側1cに配されているようにして取着させる。
比較例1として、図13に比較例1として負イオン発生用電極1として石英ガラスを用いたプラズマ処理装置を示す。この場合、上述のようにプラズマ密度を高める為に、電源の周波数を高めなければならない為、2.45GHzのマイクロ波電源を用いた。この為、装置構成としては、マイクロ波を装置に導入する為に、立体的な回路によって構成された導波管17が必要であるため、大がかりなものになってしまうという欠点が有った。なお、比較例1に用いた石英としては、公知な信越石英社製の石英ガラスを所定の形状に加工した部材を購入して比較用材料とした。
給電部1bの位置は実施例と同様に配されているようにして取着させた。
比較例2として図14には、比較例2として一般的なICP(誘導結合プラズマ)装置の概略を示す。
反応容器20の上部に石英の電極(外径φ270m厚み15mmの円板)がOリングによってシールされた状態で設置されており、アンテナを介して13.56MHzの高周波波を導入し、SF6プラズマの生成を行うものである。
比較例3として本発明の実施例をベースに給電部10を中央部に配置したものを作成した。
高周波出力は10〜160Wの範囲で変化させ、SF6ガスは負イオン発生用電極1上部のガス導入口3よりマスフローコントローラーによって15sccmに調節し導入した。
また、ガス圧力は反応容器4とロータリーポンプ5の間に設置したバルブ6により6.65〜79.8Paの間で調節を行った。反応容器4は図1に示すとおり平均内径φ400mm、高さは260mmである。プラズマの各種パラメーターはプラズマ診断装置を用いて直径φ1mmの白金製ラングミュアプローブにより測定した。プローブは同軸構造になっており、外側のシールド部分は直径φ3mmのステンレス管を用い、プラズマに影響を及ぼさないように出来るだけ細くした。
また、本実験ではマイクロ波に比べて低周波の高周波電力を用いているため、ノイズの影響が考えられるが、プローブにノイズフィルターを設置することによって測定を可能とした。プラズマの発光分光は分光器を用いて負イオン発生用電極1の横方向からの軸方向分布の測定及び、反応容器4底面に取り付けたビューイングポートからの負イオン発生用電極1の軸方向の測定を行った。分光測定には、F原子に於ける電子の遷移による発光を用い、700〜750nmの間の6つのFIラインを用いた。
測定波長の詳細を図2に示した。F原子の電離エネルギーは、17.42eVである。縦軸には電子エネルギーをとった。図では発光波長に対する電子の遷移とそのエネルギーを示している。表面波伝搬の軸方向分布の測定には高耐圧プローブ(1001)をメッシュ電極に取り付け基準位相とし、ダイポールアンテナ7との位相差により測定を行った。
また、以上の実験の基準位置(Zz=0cm)は給電部1bを中心とした。
以上の設定で本発明の実施例と、比較例1、比較例2、比較例3の装置を用いて、それぞれシリコンウエハのエッチングをエッチングレートが3μm/minとなるように処理条件を調整した上で30秒間のエッチングを行った。その後のシリコンウエハの強度測定を行った結果を表2に示す。
本発明の実施例を用いてエッチングを行ったシリコンウエハは、比較例1、2、3の装置を用いてエッチングを行ったシリコンウエハと比較して強度が高く、処理によるダメージが小さいことがわかる。
比較例1の石英の電極を用いた場合、前述の負イオン発生用電極1の横方向からの測定の結果にて、プラズマ生成が下流部1cまで行われていることが確認されているが、上流部1cでプラズマが減衰しているK140の場合よりも負イオン発生用電極1の軸方向での発光分光の強度が低い。このことから、K140の円筒状体1aにおいての上流部1cでのプラズマ密度は石英に比べて非常に高くなっていることが確認された。
以上の発光分光実験の結果から、高誘電率であるK140の負イオン発生用電極1を用いた装置の場合、上流部1cにおいて高密度なプラズマが生成されており軸方向に対して急激な減衰を示した。このことから、比誘電率40〜200の負イオン発生用電極1を用いることによって、高周波周波数表面波により高密度のプラズマを短い距離で減衰させ、ダウンストリーム負イオンを生成することが可能であることが確認された。
比較例2の石英の電極18を用いてマイクロ波を投入した場合も被処理物へのダメージが大きくなることがわかる。
比較例3から給電部1bは円筒状体1aの中央部に配置される場合、実施例に比べて他方端側1dでのプラズマが十分減衰せず負イオンが十分に発生しないため、被処理物へのダメージが大きくなることがわかる。
誘電率が40より小さい場合にはエッチングレートが低い為に効果が得られず、また、誘電率が200より大きい場合には高周波電極自身の発熱によって破損してしまった。
以下、実施例と比較例1,2,3の実験の結果の補足説明をする。
プラズマ電子密度の軸方向分布の測定結果を図3に示す。
SF6ガス流量15sccm、ガス圧力13.3Pa、高周波出力150Wの条件で生成したプラズマの電子密度の軸方向分布である。全体的に見ると、どちらの負イオン発生用電極1においても軸方向に対してプラズマの電子密度は減少傾向にある。K140の円筒状体1aの負イオン発生用電極1を用いた場合、円筒状体1aの一方端側である上流部1cに高密度なプラズマ電子が生成されており、軸方向に対して急激な減少傾向を示している。
一方、比較例1の石英の負イオン発生用電極9を用いた装置の場合には、上流部1cにおいても低密度であり、減衰もなだらかである。
これは、実施例のK140の円筒状体1aの負イオン発生用電極1を用いた装置の場合、表面波の波長が十分に短く、伝搬速度が遅くなっているため、上流部1cにおいて高周波電力がプラズマに効率よく吸収され、急激な減衰を示している物と考えられる。逆に比較例1の石英の円筒状体1aの電極9を用いた装置の場合、比誘電率が低いため、プラズマによる表面波の吸収が効率的に行われていないことが伺える。このことは、上記負イオン発生用電極1に発生した軸方向の表面波プラズマの密度が、被処理物に向かって減衰するようにしたものであることを特徴とする負イオン発生方法であることを示している。
次に図4に電子温度の軸方向分布を示し、縦軸に電子温度、横軸に軸方向位置を示す。
電子温度の傾向はともに軸方向に対して上昇傾向を示している。また、どちらの場合の電子温度も同様の値を示した。電子温度は荷電粒子に与えるエネルギーを示す値である。
下流部1dでの電子温度の上昇はプロセスへの影響が問題となるが、本実験での電子温度の値は、下流部1dでも十分に低い値を示していることから、問題はないものと考えられる。以上のことから、実施例のK140の円筒状体1aの負イオン発生用電極1を用いた装置で生成したプラズマは、上流部1cにて高密度になり急激に減衰をしていることから、表面波波長が十分に短く、また、伝搬する速度も遅くなるため、良好なダウンストリーム負イオンの生成が可能であることがわかる。
逆に比較例1の石英の電極9を用いた装置で生成したプラズマは、上流部1cにおいても密度は低く、減衰もなだらかであることから、電極9の誘電率が低いため、表面波の波長が長く、プラズマへの吸収がうまく行われていないことが考えられる。
また、両負イオン発生用電極の電子温度の値は同程度であることから、K140負イオン発生用電極を用いることによって、低損傷かつ高エッチレートのエッチングを行うことが出来ると考えられる。
本実験では、ラングミュア法によるプラズマ診断に併せてプラズマの発光分光よる評価を行った。
図5、6に負イオン発生用電極横方向から測定を行ったFIライン発光強度の軸方向分布を示す。実験条件は前項と同じく、SF6ガス流量15sccm、ガス圧力13.3Pa、高周波出力150Wにて行った。縦軸は発光強度、横軸は軸方向位置をとり、図5及び図6にはそれぞれ、石英の電極9及びK140の負イオン発生用電極1を用いた装置の場合のプラズマ発光強度を示した。実験に使用した発光のラインは700〜750nmの間のFIラインである。
また、K140の負イオン発生用電極1が不透明であるため、図の縦軸は相対発光強度になっている。各負イオン発生用電極1においてFIライン発光強度の傾向はほぼ同じであり、全体的に見ると軸方向に対して減少を示している。
また、実施例のK140の負イオン発生用電極1及び比較例1の石英の電極9で比較を行うと、K140の負イオン発生用電極1を用いた装置での発光強度は軸方向に対して急激に減衰しており、石英の電極9を用いた装置における減衰の約5倍であった。このことより、K140の負イオン発生用電極1では、表面波プラズマの生成が行われ、その誘電率の高さによって表面波の波長が短くなると共に、伝搬速度が遅くなり、高周波電力が効率よくプラズマに吸収されて短い距離でプラズマが減衰しているものと考えられる。これらの結果は、前項のラングミュア法でのプラズマ診断結果と良い一致を示しており、どちらの結果からもこの現象を説明することが出来る。
また、K140の負イオン発生用電極1を用いた装置の場合のプラズマの減衰の速さは、短い負イオン発生用電極1を用いることが出来るということを示している。
次に反応容器底面に取り付けたビューイングポートから負イオン発生用電極1の軸方向のプラズマの発光分光を行った。この方法により、負イオン発生用電極1によるプラズマ発光の透過率を考慮せずに測定を行うことが出来、プラズマ発光そのものを評価することが出来る。本実験では、前述の発光分光測定と同じF1ラインの測定を行ったが、どの実験条件においても6本のFIラインは同様の傾向を示していたため、その中でも発光強度が最も高かった73.7nmのラインにより評価を行った。
図7にSF6ガス流量15sccm、ガス圧力13.3Pa一定とし、高周波出力を15〜150Wと変化させて測定を行った発光強度の高周波出力依存性を示した。全体的に見ると高周波パワーの上昇に伴って発光強度は上昇傾向を示す。石英の電極9及びK140の負イオン発生用電極1の比較をすると、どの条件においても実施例のK140の負イオン発生用電極1を用いた装置の場合の発光強度が高く、その比は約1.5〜2倍高いことが確認された。
次にダイポールアンテナによる電界位相測定結果を示す。ダイポールアンテナを負イオン発生用電極1の横方向から垂直に当て軸方向に対しての基準位相からの変化を測定した結果を図8に示す。縦軸には電界位相をとり、横軸には軸方向位置をとった。
また、実験条件はSF6ガス流量75sccm、ガス圧力79.8Pa、高周波出力160Wで軸方向位置、電極中心からの距離5cm〜22cmの間で測定を行った。石英の電極9を用いた場合、負イオン発生用電極1の他方端側1dである22cmまで位相の変化が続いているが、実施例のK140の負イオン発生用電極1を用いた装置の場合には、軸方向位置14cmの位置で位相の変化が止まっている。この場所がプラズマの終了する場所、すなわちプラズマエンドであり、プラズマの無い領域では表面波は伝搬せず、位相の変化も測定されなくなったものと考えられる。
以上のことから、K140負イオン発生用電極1を用いることによって、高密度プラズマを発生することが可能となり、且つ、急激に減衰させることが出来るため、プラズマ生成部と、被処理物との距離を短くすることが出来ることがわかった。
このことが、実際のウエハプロセスでどのような効果を発揮するのかを確認するためにシリコンウエハのエッチングをおこなった。発光分光及び電界位相の測定から明らかになったプラズマエンドポイントからダウンストリーム領域でのエッチングレート比較を行った結果を図9に示す。
縦軸はエッチングレート、横軸はプラズマエンドを0cmとした時のプラズマエンドからの軸方向距離を示している。実施例のK140の負イオン発生用電極1を用いた装置の場合では、比較例1の石英の電極9を用いた装置の場合と比較して、プラズマエンドにおいても、プラズマエンドから10cm離れたダウンストリーム領域でも約4倍のエッチングレートを示した。
以上のことから、比誘電率40〜200のK140の負イオン発生用電極1を用いた装置の場合、高密度のプラズマが上流部1cで生成され、軸方向に対して急激に減衰しており、短い距離でダウンストリーム負イオンが生成可能であることがわかる。
また、プラズマエンドからのエッチングレートの傾向も、比誘電率40〜200の負イオン発生用電極1を用いたために生成される高密度なプラズマによるものであり、ラジカルの生成の多さを伺うことが出来る。このことによって、上記プラズマ化領域と被処理物の距離が10cm以内であることを特徴とするプラズマ処理装置を構成することが可能となる。
次に、高誘電率の負イオン発生用電極1による高密度ダウンストリーム負イオン生成の特徴を活かして、酸素プラズマの生成による負イオンの生成実験を試みた。
実験装置はプラズマ診断、エッチングの実験と同じものを用い、導入するガスを酸素とし、酸素プラズマを生成した。実験条件は、酸素ガス流量100sccmで固定し、ガス圧力は66.5Pa、133Pa、199.5Paの3水準、高周波出力は20W、50W、100Wの3水準として発光分光測定を行った結果を図10、11,12に示す。
実験に使用した発光のラインは777nm、845nmのOIラインである。SF6のプラズマ発光分光測定の結果と同様に、石英の電極9に比べてK140を用いた装置での発光強度の減衰は急激であり、高周波出力20W、ガス圧力66.5Paの条件では電極中心からの軸方向位置10cmの所で発光がゼロになっている。
これに対して、比較例1の石英の電極9を用いた装置の場合には、負イオン発生用電極1の他方端側1dに向かって、ダラダラと発光強度が減衰している。
一方、実施例のK140の負イオン発生用電極1を用いた装置の場合には、ガス圧力、高周波出力を上昇させることによって、一度発光が無くなった所から更に軸方向に離した位置で再発光が見られることがわかった。これは、石英の電極9を用いた装置では見られない現象であり、酸素負イオンの生成を示すものであると思われる。
次に円筒状体1aのサイズを変更してエッチングレートの比較を行った。上述の平均内径15mm、肉厚2mm、L寸330mm円筒状体1aに加え、内径を20mm、30mm、40mm,50mm、60mm、70mm、80mmと変化させ、肉厚は2mm、L寸は330mmに合わせて円筒状体1aをK140にて作成し、SF6プラズマによるシリコンエッチングを行い、エッチング速度を比較した。
条件としては、内径の断面積に対する印加RF電力密度が同一になるように、内径φ15円筒状体1aでは160W、内径φ20円筒状体1aでは213W、内径φ30円筒状体1aでは320W、内径φ40円筒状体1aでは427W、内径φ50円筒状体1aでは533W、内径φ60円筒状体1aでは640W、内径φ70円筒状体1aでは747W、内径φ80の円筒状体1aでは853Wの電力を投入した。また、SF6ガス圧は80Pa、ガス流量は75sccm、電源の周波数は13.56MHzで統一した。
図15に軸方向位置12cmでのエッチングレートについて、内径をφ15mmからφ80mmまで変化させた円筒状体1aで比較した結果を示す。この結果、内径φ20mm付近にエッチングレートが急激に上昇する変曲点が存在し、内径が大きくなる程、エッチングレートは上昇するが、その上昇の仕方はやがて鈍化していることがわかる。これは、円筒状体1aの径が大きくなったことにより、プラズマへの電力消費効率が上昇し、プラズマ電子密度が増加したためであると考えられる。
図15より、円筒状体1aの内径はφ30以上でレートが高く、より好ましくはφ40以上であることが望ましいことが分かる。なおレートはφ300で飽和する傾向がある。
図16に内径φ40mm円筒状体1aでのエッチング速度のRF電力依存性を示す。RF電力上昇に伴い、エッチング速度が向上し、電力2KWでは0.1mm/minの高レートを得た。このことにより、高誘電率の円筒状体1aの大口径化により、シリコンの高速エッチングが可能である。
図17には、円筒状体1aの形状を上流側の平均内径D1を大きく、下流側の平均内径D2を小さくした場合のエッチングレートの比較実験結果を示す。
実験条件としては、ガス導入側の平均内径D1をφ40mmとし、RF電力は427W、SF6ガス圧は80Pa、ガス流量は75sccm、電源の周波数は13.56MHzで統一した。
図17より、平均内径D1、D2の比が2以上でレートが最大に近づくことが分かる。
1…負イオン発生用電極(K140)
1a・・・円筒状体
1b・・・給電部
1c・・・一方端側(上流部)
1d・・・他方端側(下流部)
3…ガス導入口(ガス供給手段)
4…反応容器
5…ロータリーポンプ(ガス排気手段)
6…バルブ
7…ダイポールアンテナ
8…ステージ(保持手段)
9…電極(石英)
11…ガス導入口(ガス供給手段)
12…反応容器
13…ロータリーポンプ(ガス排気手段)
14…バルブ
15…ダイポールアンテナ
16…ステージ(保持手段)
17…導波管(電力供給手段)
18…電極(石英)
19…ガス導入口(ガス供給手段)
20…反応容器
21…ロータリーポンプ(ガス排気手段)
22…ステージ(保持手段)
1a・・・円筒状体
1b・・・給電部
1c・・・一方端側(上流部)
1d・・・他方端側(下流部)
3…ガス導入口(ガス供給手段)
4…反応容器
5…ロータリーポンプ(ガス排気手段)
6…バルブ
7…ダイポールアンテナ
8…ステージ(保持手段)
9…電極(石英)
11…ガス導入口(ガス供給手段)
12…反応容器
13…ロータリーポンプ(ガス排気手段)
14…バルブ
15…ダイポールアンテナ
16…ステージ(保持手段)
17…導波管(電力供給手段)
18…電極(石英)
19…ガス導入口(ガス供給手段)
20…反応容器
21…ロータリーポンプ(ガス排気手段)
22…ステージ(保持手段)
Claims (7)
- 比誘電率が40以上200以下である円筒状体の外周面上に、前記円筒状体の長さ方向中心よりも一方端側に全体が配されているようにして環状の給電部を取着させてなる負イオン発生用電極。
- 上記給電部を取着させた領域の円筒状体の平均内径が20mm以上300mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の負イオン発生用電極。
- 上記円筒状体の一方端側の平均内径D1が他方端側の平均内径D2より大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の負イオン発生用電極。
- 上記平均内径D1と平均内径D2の比(D1/D2)が2以上であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の負イオン発生用電極。
- 上記円筒状体はMgTiO3を10〜30質量%、CaTiO3を70〜90質量%含有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の負イオン発生用電極。
- 請求項1乃至5の何れかに記載の負イオン発生用電極と、
該負イオン発生用電極の他方端側に接続される反応容器と、
上記反応容器内に配置された保持手段と、
上記負イオン発生用電極の内部を通って上記反応容器内にガスを供給するガス供給手段と、
上記給電部に高周波電力を供給する高周波電力供給手段と、
上記反応容器内のガスを排気するガス排気手段とを有した負イオン処理装置。 - 円筒状をなす負イオン発生用電極の下方に被処理物を配置する工程と、
上記負イオン発生用電極内にガスを供給しながら上記イオン発生用電極に高周波電力を印加してプラズマを発生させるとともに、該発生領域と前記被処理物との間に生成した負イオンを上記被処理物に照射する工程とを含む負イオン処理方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006076893A JP2007096256A (ja) | 2005-08-29 | 2006-03-20 | 負イオン発生用電極と負イオン処理装置及び負イオン処理方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015006065A1 (en) * | 2013-07-09 | 2015-01-15 | Phoenix Nuclear Labs Llc | High reliability, long lifetime, negative ion source |
JP2017188236A (ja) * | 2016-04-03 | 2017-10-12 | 国立大学法人東北大学 | プラズマ処理装置におけるプラズマ状態の計測方法及びその計測方法に使用されるプラズマ計測装置 |
-
2006
- 2006-03-20 JP JP2006076893A patent/JP2007096256A/ja active Pending
Cited By (4)
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WO2015006065A1 (en) * | 2013-07-09 | 2015-01-15 | Phoenix Nuclear Labs Llc | High reliability, long lifetime, negative ion source |
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JP2017188236A (ja) * | 2016-04-03 | 2017-10-12 | 国立大学法人東北大学 | プラズマ処理装置におけるプラズマ状態の計測方法及びその計測方法に使用されるプラズマ計測装置 |
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