JP3477573B2 - プラズマ処理装置、プラズマ生成導入部材及びスロット電極 - Google Patents

プラズマ処理装置、プラズマ生成導入部材及びスロット電極

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JP3477573B2
JP3477573B2 JP2000085332A JP2000085332A JP3477573B2 JP 3477573 B2 JP3477573 B2 JP 3477573B2 JP 2000085332 A JP2000085332 A JP 2000085332A JP 2000085332 A JP2000085332 A JP 2000085332A JP 3477573 B2 JP3477573 B2 JP 3477573B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理装
置、プラズマ生成導入部材及びスロット電極に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製品の製造工程において、
成膜、エッチング、アッシング等の処理のためにプラズ
マ処理装置が使用される場合がある。例えば、典型的な
マイクロ波プラズマ処理装置においては、2.45GH
z程度のマイクロ波が導波管、スロット電極を通過し、
半導体ウェハやLCD基板などの被処理体が配置され、
真空ポンプで減圧環境下に維持された処理室内に導入さ
れる。一方、反応ガスも処理室に導入され、マイクロ波
によってプラズマ化され、活性の強いラジカルとイオン
となり、これが被処理体と反応して成膜処理やエッチン
グ処理などが行われる。
【0003】マイクロ波は、スロット電極と処理室との
間で誘電板を通過する場合もある。誘電板は処理室の真
空を維持すると共にマイクロ波を通過させる。マイクロ
波は誘電板のように絶縁材でないと通過することができ
ない。従来のスロット電極は、マイクロ波を処理室に案
内するための渦巻状や同心円状に配列された多数のスリ
ットを有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のスロッ
ト電極はスリットの密度について考慮していなかったた
め高品質のプラズマ処理を行えないという問題を有して
いた。例えば、スロット電極のスリットから供給される
マイクロ波からのイオンエネルギーの強弱が場所により
異なり、誘電板が遊離する場合がある。誘電板が遊離す
ると、誘電体材料が不純物として被処理体に混入し、高
品質のプラズマ処理を妨げる。その一方、誘電板の遊離
を防止するためにスリットを小さくするとプラズマ処理
速度が低下して歩留まりが低下する。また、スリット密
度が異なるとプラズマ密度が不均一になり被処理体の処
理深さが部分的に変化して高品質のプラズマ処理を妨げ
る。
【0005】そこで、このような課題を解決する新規か
つ有用なプラズマ処理装置、プラズマ生成導入部材及び
スロット電極を提供することを本発明の概括的目的とす
る。
【0006】より特定的には、被処理体へのプラズマ処
理速度を確保しつつ不純物の混入を防止することによっ
て高品質のプラズマ処理を施すプラズマ処理装置、プラ
ズマ生成導入部材及びスロット電極を提供することを本
発明の例示的目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の例示的一態様で
あるスロット電極は、被処理体にプラズマ処理を行う処
理室に当該プラズマ処理に必要な電源周波数の波を案内
するスリットを有するスロット電極であって、当該スロ
ット電極を均等な面積を有する複数の多角形領域に分割
して各領域に前記スリットを配置し、前記スリットは、
前記スロット電極の中心から見てほぼ45度に傾斜する
T字形又はV字形の組から構成される。かかるスロット
電極は、均等な面積を有する複数の領域に分割して各領
域に前記スリットを配置しているために、ほぼ一定のス
リット密度を有する。また、かかるスロット電極と当該
スロット電極に接続されて前記処理室の雰囲気を維持す
ると共に前記波の透過を可能にする誘電板を有するプラ
ズマ生成導入部材、及び、当該プラズマ生成導入部材と
処理室とを有するプラズマ処理装置も前記スロット電極
の作用を奏することができる。
【0008】本発明の他の目的及び更なる特徴は以下添
付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明
らかにされるであろう。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の例示的なマイクロ波プラズマ処理装置100につい
て説明する。なお、各図において同一の参照符号は同一
部材を表している。ここで、図1は、マイクロ波プラズ
マ処理装置100の概略ブロック図である。本実施例の
マイクロ波プラズマ処理装置100は、クラスターツー
ル300に連通されたゲートバルブ101と、半導体ウ
ェハ基板やLCD基板などの被処理体Wを載置している
サセプタ104を収納可能な処理室102と、処理室1
02に接続されている高真空ポンプ106と、マイクロ
波源110と、アンテナ部材120と、ガス供給系13
0及び160とを有している。なお、プラズマ処理装置
100の制御系については図示が省略されている。
【0010】処理室102は側壁や底部がアルミニウム
などの導体により構成される。本実施例では処理室10
2は例示的に円筒形状を有するが、その形状は断面的に
矩形上に限定されずに凸状などに成形されることができ
る。処理室102内には、サセプタ104とその上に被
処理体Wが支持されている。なお、図1においては、被
処理体Wを固定する静電チャックやクランプ機構などは
便宜上省略されている。
【0011】サセプタ104は、処理室102内で被処
理体Wの温度制御を行う。サセプタ104の温度は、所
定の温度範囲に温度調節装置190によって調節され
る。
【0012】温度制御装置190は、図2に示すよう
に、制御装置191と、冷却ジャケット192と、封止
部材194と、温度センサ196とヒータ装置198と
を有し、水道などの水源199から冷却水を供給され
る。ここで、図2は図1に示す温度調節装置190のよ
り詳細な構造を示すブロック図である。制御装置191
は、サセプタ104及び被処理体Wの温度が所定の温度
範囲になるように制御する。制御の容易性から、水源1
99から供給される冷却水の温度は恒温であることが好
ましい。
【0013】例えば、被処理体Wの処理として、シリコ
ン基板上にシリコン窒化膜(Si34)を直接形成する
場合(単層窒化膜の場合)、制御装置191は、サセプ
タ104及び被処理体Wの温度が約450℃乃至約50
0℃になるようにヒータ装置198を制御する。被処理
体Wは約450℃以上に維持されないとダングリングボ
ンドが生じてしまう。ダングリングボンドを生じると後
述するように閾値電圧が変化するので好ましくない。
【0014】次に、被処理体Wの処理として、シリコン
基板上にシリコン酸化膜(SiO2)を形成してからシ
リコン窒化膜を形成する積層構造を作る場合について考
えてみる。この場合、シリコン酸化膜上に窒素を導入し
てプラズマ処理をしてシリコン酸化膜の上部をシリコン
窒化膜に変化させる。かかる処理においては、制御装置
191は、サセプタ104及び被処理体Wの温度を約2
50℃乃至約350℃になるようにヒータ装置198を
制御する。
【0015】まず、制御装置191が約350℃以下に
温度を設定する理由は以下の通りである。即ち、図3に
示すように、ヒータ装置198の温度を約350℃以上
に設定すると窒素分布がシリコン酸化膜の表面(上部)
だけでなくシリコン酸化膜の内部にも多量導入される。
ここで、図3は、高温(例えば、500℃程度)で被処
理体Wに積層構造を形成する場合の深さ方向の窒素分布
を示すグラフであり、窒素がシリコン酸化膜の表面から
20Åまで到達していることが理解されるであろう。
【0016】この場合、窒素がシリコン基板とシリコン
酸化膜との境界に到達してシリコン、酸素及び窒素の化
合物を形成し、これが半導体の性能が低下させる(例え
ば、増幅率が低下させるなど)ので好ましくない。窒素
がシリコン基板とシリコン酸化膜との境界に到達する割
合は素子の大きさにも依存する。従来のように、ゲート
長が0.18μm乃至0.3μm程度であればその影響
も無視できるであろうが、近年の素子の小型化に伴うゲ
ート長の短縮化(例えば、0.13μm、0.10μm
など)に伴い、その影響は今後ますます無視できなくな
るであろうと本発明者らは予想している。
【0017】一方、図4に示すように、ヒータ装置19
8の温度を約350℃以下に設定すると窒素分布がシリ
コン酸化膜の表面(上部)だけでなくシリコン酸化膜の
内部への浸透量は許容範囲内(10Å以下)になる。こ
こで、図4は、適温(例えば、350℃程度)で被処理
体Wに積層構造を形成する場合の深さ方向の窒素分布を
示すグラフである。この結果、設定温度を約350℃以
下にすれば上述の問題は回避できることが理解されるで
あろう。
【0018】次に、制御装置191が約250℃以上に
温度を設定する理由は以下の通りである。被処理体W
(半導体)の動作特性を表すものとして、ゲート電圧V
と容量Cとの関係を示すCV特性がしばしば使用され
る。かかるCV特性においてはヒステリシスがゲート電
圧Vの印加時と解除時に発生する。ヒステリシスが高い
とゲート電圧の閾値電圧(半導体がオンする電圧とオフ
する電圧)が変わることになり信頼性が低下するため、
ヒステリシスを所定電圧以内(例えば、0.02V以
内)に抑えることが好ましい。これは積層構造にも当て
はまるが、ヒステリシスはシリコン窒化膜の欠陥(ダン
グリングボンド)に起因して大きくなり、0.02V以
内に抑えるためには図5の点線で示すようなシリコン窒
化膜の欠陥密度を維持しなければならず、その欠陥密度
は約250℃以上に対応することを本発明者らは発見し
た。ここで、図5は、シリコン窒化膜中の欠陥濃度の温
度分布であり、点線は許容される欠陥密度を示してい
る。
【0019】制御装置191は、その他のCVDプロセ
スであれば約450℃に、エッチングプロセスであれば
少なくとも80℃以下に温度を制御する。いずれの場合
にしろ、被処理体Wには不純物としての水分が付着しな
いような温度に設定される。
【0020】冷却ジャケット192はプラズマ処理時の
被処理体Wを冷却するための冷却水を流す。冷却ジャケ
ット192は、例えば、ステンレスなど熱伝導率がよ
く、流路193を加工しやすい材料が選択される。流路
193は、例えば、矩形状の冷却ジャケット192を縦
横に貫通し、ねじなどの封止部材194を貫通孔にねじ
込むことによって形成することができる。もちろん、図
2に拘らず、冷却ジャケット192と流路193それぞ
れは任意の形状を有することができる。冷却水の代わり
に他の種類の冷媒(アルコール、ガルデン、フロン等)
を使用することができるのはもちろんである。温度セン
サ196は、PTCサーミスタ、赤外線センサ、熱電対
など周知のセンサを使用することができる。温度センサ
196は流路193に接続してもよいし、接続していな
くてもよい。
【0021】ヒータ装置198は、例えば、冷却ジャケ
ット192の流路193に接続された水道管の周りに巻
かれたヒータ線などとしてから構成される。ヒータ線に
流れる電流の大きさを制御することによって冷却ジャケ
ット192の流路193を流れる水温を調節することが
できる。冷却ジャケット192は熱伝導率が高いので流
路193を流れる水の水温と略同じ温度に制御されるこ
とができる。
【0022】サセプタ104は処理室102内で昇降可
能に構成されている。サセプタ104の昇降系は、昇降
部材、ベローズ、昇降装置などから構成され、当業界で
周知のいかなる構造も適用することができる。サセプタ
104は、昇降装置により、例えば、ホームポジション
とプロセスポジションの間を昇降する。サセプタ104
はプラズマ処理装置100のオフ時や待機時にホームポ
ジションに配置され、また、ホームポジションにおい
て、サセプタ104はクラスターツール300からゲー
トバルブ101を介して被処理体Wの受け渡しを行う
が、選択的に、サセプタ104にはゲートバルブ170
と連絡するために、受け渡しポジションが設定されても
よい。サセプタ104の昇降距離は図示しない昇降装置
の制御装置又はプラズマ処理装置100の制御装置によ
って制御することができ、図示しないビューポートから
目視することができる。
【0023】サセプタ104は、一般に、図示しないリ
フタピン昇降系に接続される。リフタピン昇降系は、昇
降部材、ベローズ、昇降装置などから構成され、当業界
で周知のいかなる構造も適用することができる。昇降部
材は、例えばアルミニウムから構成され、例えば正三角
形の頂点に配置された垂直に延びる3本のリフタピンに
接続されている。リフタピンは、サセプタ104内部を
貫通して被処理体Wを支持してサセプタ104上で昇降
させることができる。被処理体Wの昇降は、被処理体W
をクラスターツール300から処理室102に導入する
際に、及び、プロセス後の被処理体Wをクラスターツー
ル300に導出する際に行われる。昇降装置は、サセプ
タ104が所定位置(例えば、ホームポジション)にあ
るときにのみリフタピンの昇降を許容するよう構成され
てもよい。また、リフタピンの昇降距離は図示しない昇
降装置の制御装置又はプラズマ処理装置100の制御装
置によって制御することができるし、図示しないビュー
ポートからも目視することができる。
【0024】サセプタ104は、必要があれば、バッフ
ル板(又は整流板)を有してもよい。バッフル板はサセ
プタ104と共に昇降してもよいし、プロセスポジショ
ンに移動したサセプタ104と係合するように構成され
てもよい。バッフル板は被処理体Wが存在する処理空間
とその下の排気空間を分離して、主として、処理空間の
電位を確保(即ち、マイクロ波を処理空間に確保)する
と共に真空度(例えば、50mTorr)を維持する機
能を有する。バッフル板は、例えば、純アルミニウム製
で中空のディスク形状を有する。バッフル板は、例え
ば、厚さ2mmを有し、径2mm程度の孔をランダムに
多数(例えば、開口率50%以上)有する。なお、選択
的に、バッフル板はメッシュ構造を有していてもよい。
必要があれば、バッフル板は排気空間から処理空間への
逆流を防止したり、処理空間と排気空間の差圧をとった
りする機能を有していてもよい。
【0025】サセプタ104には、バイアス用高周波電
源282とマッチングボックス(整合回路)284が接
続されて、アンテナ部材120と共にイオンプレーティ
ングを構成している。バイアス用高周波電源282は被
処理体Wに負の直流バイアス(例えば、13.56MH
zの高周波)を印加している。マッチングボックス28
4は、処理室102内の電極浮遊容量、ストレーインダ
クタンスなどの影響を防止する。マッチングボックス2
84は、例えば、負荷に対して並列及び直列に配置され
たバリコンを利用してマッチングをとることができる。
この結果、被処理体Wに向かってイオンがそのバイアス
電圧によって加速されてイオンによる処理が促進され
る。イオンエネルギーはバイアス電圧によって定まり、
バイアス電圧は高周波電力によって制御することができ
る。電源283が印加する周波数はスロット電極200
のスリット210に応じて調節することができる。
【0026】処理室102の内部は高真空ポンプ106
により所定の減圧又は真空密閉空間に維持されることが
できる。高真空ポンプ106は処理室102を均一に排
気して、プラズマ密度を均一に保ち、部分的にプラズマ
密度が集中して部分的に被処理体Wの処理深さが変化す
ることを防止する。高真空ポンプ106は、図1におい
ては、一つのみ処理室102の端部に設けられている
が、その位置や数は例示的である。高真空ポンプ106
は、例えば、ターボ分子ポンプ(TMP)により構成さ
れ、図示しない圧力調整バルブを介して処理室102に
接続されている。圧力調整バルブはコンダクタンスバル
ブ、ゲートバルブ又は高真空バルブなどの名称で当業界
では周知である。圧力調整バルブは不使用時に閉口さ
れ、使用時に処理室102の圧力を高真空ポンプ106
によって真空引きされた所定の圧力(例えば、0.1乃
至数10mTorr)に保つように開口される。
【0027】なお、図1に示すように、本実施例によれ
ば、高真空ポンプ106は処理室102に直接接続され
ている。ここで、「直接接続」とは、配管を介さない
で、という意味であり、圧力調整バルブが介在すること
は問わない。
【0028】処理室102の側壁には、(反応)ガス供
給系130に接続された石英パイプ製ガス供給リング1
40と、(放電)ガス供給系160に接続された石英パ
イプ製ガス供給リング170とが取り付けられている。
ガス供給系130及び160は、ガス源131及び16
1と、バルブ132及び162と、マスフローコントロ
ーラ134及び164と、これらを接続するガス供給路
136及び166とを有している。ガス供給路136及
び166はガス供給リング140及び170に接続され
ている。
【0029】例えば、窒化シリコン膜を堆積する場合に
は、ガス源131はNH3やSiH4ガスなどの反応ガス
(又は材料ガス)を供給し、ガス源161はネオン、キ
セノン、アルゴン、ヘリウム、ラドン、クリプトンのい
ずれかにN2とH2を加えたもの等の放電ガスを供給す
る。但し、ガスはこれらに限定されず、Cl2、HC
l、HF、BF3、SiF3、GeH3、AsH3、P
3、C22、C38、SF6、Cl2、CCl22、C
4、H2S、CCl4、BCl3、PCl3、SiCl4
Oなど広く適用することができる。
【0030】ガス供給系160は、ガス源131をガス
源131及び161のそれぞれのガスを混合したガスを
供給する一のガス源に置換することにより省略すること
ができる。バルブ132及び162は、被処理体Wのプ
ラズマ処理時に開口され、プラズマ処理以外の期間に閉
口されるように制御される。
【0031】マスフローコントローラ134及び164
はガスの流量を制御し、例えば、ブリッジ回路、増幅回
路、コンパレータ制御回路、流量調節バルブ等を有し、
ガスの流れに伴う上流から下流への熱移動を検出するこ
とによって流量測定して流量調節バルブを制御する。但
し、マスフローコントローラ134及び164には、こ
れ以外に当業界で周知のいかなる構造をも適用すること
ができる。
【0032】ガス供給路136及び166は、例えば、
シームレスパイプを使用したり、接続部に食い込み継ぎ
手やメタルガスケット継ぎ手を使用したりして供給ガス
への配管からの不純物の混入が防止している。また、配
管内部の汚れや腐食に起因するダストパーティクルを防
止するために配管は耐食性材料から構成されるか、配管
内部がPTFE(テフロン(登録商標))、PFA、ポ
リイミド、PBIその他の絶縁材料により絶縁加工され
たり、電解研磨処理がなされたり、更には、ダストパー
ティクル捕捉フィルタを備えたりしている。
【0033】図6に示すように、ガス供給リング140
は石英からなるリング形状の筐体又は本体部を有し、ガ
ス供給路136に接続された導入口141と、導入口1
41に接続された流路142と、流路142に接続され
た複数のガス供給ノズル143と、流路142及びガス
排出路138に接続された排出口144と、処理室10
2への取付部145とを有する。ここで、図6はガス供
給リング140の平面図である。
【0034】均一に配置された複数のガス供給ノズル1
43は処理室102内にガスの均一な流れを作るのに寄
与している。もちろん、本発明のガス導入手段はこれに
限定されず、中心から周辺へガスを流すラジアルフロー
方式や被処理体Wの対向面に多数の小孔を設けてガスを
導入する後述のシャワーヘッド方式も適用することがで
きる。
【0035】後述するように、本実施例のガス供給リン
グ140(の流路142及びガス供給ノズル143)は
ガス排出路138に接続された排出口144から排気可
能である。ガス供給ノズル143は0.1mm程度の口
径しか有しないためにガス供給ノズル143を介してガ
ス供給リング140を高真空ポンプ106により排気し
てもその内部に残留し得る水分を効果的に除去できな
い。このため、本実施例のガス供給リング140はノズ
ル143よりも口径の大きな排出口144を介して流路
142及びガス供給ノズル143内の水分などの残留物
を効果的に除去することを可能にしている。
【0036】なお、ガス供給ノズル173も、ガス供給
ノズル143と同様に、ガス供給リング170に設けら
れており、ガス供給リング170はガス供給リング14
0と同様の構成を有している。従って、ガス供給リング
170は、図示しない導入口171と、流路172と、
複数のガス供給ノズル173と、排出口174と、取付
部175とを有する。ガス供給リング140と同様に、
本実施例のガス供給リング170(の流路172及びガ
ス供給ノズル173)はガス排出路168に接続された
排出口174から排気可能である。ガス供給ノズル17
3も0.1mm程度の口径しか有しないためにガス供給
ノズル173を介してガス供給リング170を高真空ポ
ンプ106により排気してもその内部に残留し得る水分
を効果的に除去できない。このため、本実施例のガス供
給リング170はノズル173よりも口径の大きな排出
口174を介して流路172及びガス供給ノズル173
内の水分などの残留物を効果的に除去することを可能に
している。
【0037】ガス供給リング140の排出口144に接
続されているガス排出路138の多端には真空ポンプ1
52が圧力調整バルブ151を介して接続されている。
また、ガス供給リング170の排出口174に接続され
ているガス排出路168の多端には真空ポンプ154が
圧力調整バルブ153を介して接続されている。真空ポ
ンプ152及び154には、例えば、ターボ分子ポン
プ、スパッターイオンポンプ、ゲッターポンプ、ソープ
ションポンプ、クライオポンプなどを使用することがで
きる。
【0038】圧力調整バルブ151と153は、バルブ
132及び162の開口時に閉口され、バルブ132及
び162の閉口時に開口されるように開閉時期が制御さ
れる。この結果、バルブ132及び162が開口される
プラズマ処理時には真空ポンプ152及び154は閉口
されて、ガスがプラズマ処理に使用されることを確保す
る。一方、プラズマ処理の終了後、被処理体Wを処理室
102に導入排出期間、サセプタ104の昇降期間な
ど、バルブ132及び162が閉口されるプラズマ処理
以外の期間においては真空ポンプ152及び154は開
口される。これにより、真空ポンプ152及び154
は、ガス供給リング140及び170をそれぞれ残留ガ
スの影響を受けない真空度まで排気する。この結果、真
空ポンプ152及び154は、その後のプラズマ処理に
おいてガス供給ノズル143及び173が詰まることに
よるガスの不均一な導入や水分などの不純物が被処理体
Wに混入することを防止することができ、高品質なプラ
ズマ処理が被処理体Wに施されることを可能にする。
【0039】代替的に、図7に示すように、ガス供給リ
ング140の排出口144を高真空ポンプ106に接続
するバイパスライン182や、ガス供給リング170の
排出口174を高真空ポンプ106に接続するバイパス
ライン184を設けてもよい。ここで、図7は、ガス供
給リング140及び170にガス排出路138及び16
8を接続する代わりにバイパスライン182及び184
を接続した構造を示す概略断面図である。バイパスライ
ン182及び184は周知の真空保持用のフランジやガ
スケット及びバルブ181を介してガス供給リング14
0に接続可能である。また、これらのバイパスライン1
82及び184は接続されてもよい。
【0040】バイパスライン182及び184は、本実
施例では、ガス供給ノズル143及び173よりも大き
い口径25mm乃至40mmを有するため、高真空ポン
プ106は、ガス供給ノズル143及び173を利用す
るよりも効率的に、バイパスライン182及び184を
利用してガス供給リング140及び170を排気するこ
とができる。なお、本実施例では、バイパスライン18
2及び184は高真空ポンプ106に接続されている
が、本発明は、図示しない処理室102の粗引き用ポン
プやその他の排気用ポンプに接続されることを妨げるも
のではない。
【0041】マイクロ波源110は、例えば、マグネト
ロンからなり、通常2.45GHzのマイクロ波(例え
ば、5kW)を発生することができる。マイクロ波は、
その後、モード変換器112により伝送形態がTM、T
E又はTEMモードなどに変換される。なお、図1で
は、発生したマイクロ波がマグネトロンへ戻る反射波を
吸収するアイソレータや、負荷側とのマッチングをとる
ためのEHチューナ又はスタブチューナは省略されてい
る。
【0042】アンテナ部材120は、温調板122と、
収納部材123と、誘電板230とを有している。温調
板122は、温度制御装置121に接続され、収納部材
123は、遅波材124と遅波材124に接触するスロ
ット電極200とを収納している。また、スロット電極
200の下部には誘電板230が配置されている。収納
部材123には熱伝導率が高い材料(例えば、ステンレ
ス)が使用されており、その温度は温調板122の温度
とほぼ同じ温度に設定される。
【0043】遅波材124には、マイクロ波の波長を短
くするために所定の誘電率を有すると共に熱伝導率が高
い所定の材料が選ばれる。処理室102に導入されるプ
ラズマ密度を均一にするには、スロット電極200に多
くのスリット210を形成する必要があり、遅波材12
4は、スロット電極200に多くのスリット210を形
成することを可能にする機能を有する。遅波材124と
しては、例えば、アルミナ系セラミック、SiN、Al
Nを使用することができる。例えば、AlNは比誘電率
εtが約9であり、波長短縮率n=1/(εt1/2
0.33である。これにより、遅波材124を通過した
マイクロ波の速度は0.33倍となり波長も0.33倍
となり、スロット電極200のスリット210間隔を短
くすることができ、より多くのスリットが形成されるこ
とを可能にしている。
【0044】スロット電極200は、遅波材124にね
じ止めされており、例えば、直径50cm、厚さ1mm
以下の円筒状銅板から構成される。スロット電極200
は、当業界ではラジアルラインスロットアンテナ(RL
SA)(又は超高能率平面アンテナ)と呼ばれる場合も
ある。但し、本発明はその他の形式のアンテナ(一層構
造導波管平面アンテナ、誘電体基板平行平板スロットア
レーなど)の適用を排除するものではない。スロット電
極200には、図8に示すスロット電極200a、図9
に示すスロット電極200b、図10に示すスロット電
極200c、図11に示すスロット電極200dを適用
することができる。ここで、図8乃至図11は、図1に
適用可能なスロット電極の例示的な構造を示す平面図で
ある。また、特に断らない限り、以下の説明ではアルフ
ァベットのない参照番号はアルファベットを付した参照
番号を総括するものとする。
【0045】スロット電極200は、円盤を均等な面積
を持つ複数の(仮想)領域に分割して各領域に略T字状
にわずかに離間されたスリット212a及び214a、
212b及び214bの組を配置している。図8に示す
スリット電極200aにおいては各領域は6角形を有
し、図9乃至図11に示すスリット電極200b乃至2
00dにおいては各領域は4角形を有する。スリット電
極200b及び200cは共にT字形のスリット210
を有するが、スリット210の寸法と配置において相違
する。また、スリット電極200dはスリット210が
V字形を有する。
【0046】スロット電極200は円盤状のスリット密
度がほぼ一定になるようにスリット210を配置し、直
下の誘電板230が遊離して反応ガスに不純物として混
入することを防止する。従来技術は、同心円状又はスパ
イラル(渦巻状)などにスリットを配置したスロット電極
200を提案しているがスリット密度については考慮し
ていなかった。このため、スロット電極直下の誘電板で
はスリット部分に対応する部分がその他の部分に比較し
て高いイオンエネルギーを受けて元素脱離(遊離)が発
生し、後述する問題を生じる。これに対して、本実施例
のスロット電極は誘電板230に略均一なイオンエネル
ギーの分布をもたらすため誘電板230の遊離を防止し
て高品質なプラズマ処理を達成することができる。
【0047】各スリット212、214の長さL1はマ
イクロ波の管内波長λの略1/2から自由空間波長の略
2.5倍の範囲内に設定されると共に幅は1mm程度に
設定され、スリット外輪と内輪との間隔L2は僅かな調
整はあるが管内波長λと略同一の長さに設定されてい
る。スリットの長さL1は、次の式で示される範囲内に
設定される。このように各スリット212、214を形
成することにより、処理室102に均一なマイクロ波の
分布を形成することが可能になる。
【0048】
【数1】 各スリット212a及び214a、212b及び214
bは中心から見て45度傾斜しているが中心から離れる
につれて大きくその形状は大きく設定されている。例え
ば、中心からの距離が2倍になるとスリット212a及
び214a、212b及び214bの大きさは1.2倍
乃至2倍に設定される。
【0049】なお、円盤上のスリット密度を略一定にで
きる限り、スリット210の形状や配置は問わない。ま
た、分割された各領域の形状も問わない。従って、各領
域は同一形状を有してもよいし、異なる形状を有しても
よい。また、同一形状を有する場合でもその形状は6角
形及び4角形に限定されず、3角形など任意の形状を採
用することができる。但し、本発明は、スリット210
がスリット密度の一定ではない同心円又は渦巻状に多数
配列されることを妨げるものではない。
【0050】選択的に、スロット電極200のアンテナ
効率を上げるために、スロット電極200の周縁部には
これに沿って幅数mm程度のマイクロ波電力反射防止用
放射素子が形成されてもよい。なお、本実施例のスロッ
ト電極200のスリットの模様は単なる例示であり、任
意のスリット形状を有する電極をスロット電極として利
用することができることはいうまでもない。
【0051】温度制御装置121は、マイクロ熱による
収納部材123及びこの近傍の構成要素の温度変化が所
定の範囲になるように制御する機能を有する。温度制御
装置121は、図示しない温度センサとヒーター装置と
を温調板122に接続し、温調板122に冷却水や冷媒
(アルコール、ガルデン、フロン等)を導入することに
より温調板122の温度を所定の温度に制御する。温調
板122は、例えば、ステンレスなど熱伝導率がよく、
冷却水などが流れる流路を内部に加工しやすい材料が選
択される。温調板122は収納部材123に接触してお
り、収納部材123と遅波材124は熱伝導率が高い。
この結果、温調板122の温度を制御することによって
遅波材124とスロット電極200の温度を制御するこ
とができる。遅波材124とスロット電極200は、温
調板122などがなければ、マイクロ波源110の電力
(例えば、5kW)を長時間加えることにより、遅波材1
24とスロット電極200での電力ロスから電極自体の
温度が上昇する。この結果、遅波材124とスロット電
極200が熱膨張して変形する。
【0052】例えば、スロット電極200は、熱膨張に
より最適なスリット長さが変化して処理室102内の全
体のプラズマ密度が低下したり部分的にプラズマ密度が
集中したりする。全体のプラズマ密度が低下すれば被処
理体Wの処理速度が変化する。その結果、プラズマ処理
が時間的に管理して、所定時間(例えば、2分)経過す
れば処理を停止して被処理体Wを処理室102から取り
出すというように設定した場合、全体のプラズマ密度が
低下すれば所望の処理深さ(エッチング深さや成膜厚
さ)が被処理体Wに形成されていない場合がある。ま
た、部分的にプラズマ密度が集中すれば、部分的に被処
理体Wの処理深さが変化してしまう。このようにスロッ
ト電極200が温度変化により変形すればプラズマ処理
の品質が低下する。
【0053】更に、温調板122がなければ、遅波材1
24とスロット電極200の材質が異なり、また、両者
はねじ止めされているから、スロット電極200が反る
ことになる。この場合も同様にプラズマ処理の品質が低
下することが理解されるであろう。
【0054】誘電板230はスロット電極200と処理
室102との間に配置されている。スロット電極200
と誘電板230は、例えば、ロウにより強固にかつ機密
に面接合される。代替的に、焼成されたセラミック又は
窒化アルミニウム(AlN)からなる誘電板230の裏
面に、スクリーン印刷などの手段により銅薄膜を、スリ
ットを含むスロット電極200の形状にパターン形成し
て、これを焼き付けるように銅箔のスロット電極200
を形成してもよい。
【0055】なお、温調板122の機能を誘電板230
に持たせてもよい。即ち、誘電板230の側部周辺に流
路を有する温調板を誘電板230に一体的に取り付ける
ことによって誘電板230の温度を制御し、これによっ
て遅波材124とスロット電極200とを制御すること
ができる。誘電板230は例えばオーリングにより処理
室102に固定されている。従って、代替的に、オーリ
ングの温度を制御することにより誘電板230、そして
この結果、遅波材124とスロット電極200の温度を
制御するように構成してもよい。
【0056】誘電板230は、減圧又は真空環境にある
処理室102の圧力がスロット電極200に印加されて
スロット電極200が変形したり、スロット電極200
が処理室102に剥き出しになってスパッタされたり銅
汚染を発生したりすることを防止している。また、絶縁
体である誘電板230はマイクロ波が処理室102に透
過することを可能にしている。必要があれば、誘電板2
30を熱伝導率の低い材質で構成することによって、ス
ロット電極200が処理室102の温度により影響を受
けるのを防止してもよい。
【0057】本実施例の誘電板230の厚みは誘電板2
30内のマイクロ波の波長の0.5倍よりも大きく0.7
5倍よりも小さく、好ましくは、約0.6倍から約0.7
倍の範囲に設定されている。2.45GHzのマイクロ
波は真空中で約122.5mmの波長を有する。誘電板
230がAlNから構成されれば、上述したように、比
誘電率εtが約9であるから波長短縮率n=1/(εt
1/2=0.33となり、誘電板230内のマイクロ波の
波長は約40.8mmとなる。従って、誘電板230が
AlNから構成されれば、誘電板230の厚さは約2
0.4mmよりも大きく約30.6mmよりも小さく、好
ましくは、約24.5mm乃至約28.6mmの範囲に設
定される。より一般的には、誘電板230の厚さHは、
誘電板230内のマイクロ波の波長λを用いて、0.5
λ<H<0.75λを満足し、より好ましくは、0.6λ
≦H≦0.7λを満足する。ここで、誘電板230内の
マイクロ波の波長λは、真空中のマイクロ波の波長λ0
と波長短縮率n=1/(εt1/2とを用いて、λ=λ0
nを満足する。
【0058】誘電板230の厚みが誘電板230内のマ
イクロ波の波長の0.5倍の場合は定在波であるマイク
ロ波の誘電板230の表面への前進波と裏面から反射さ
れた後退波が合成され、反射が最大になり図12に示す
ようにマイクロ波の処理室102への透過が最低にな
る。従って、この場合にはプラズマの生成が不十分にな
り、所望の処理速度が得られなくなる。ここで、図12
は、誘電板230の厚みとマイクロ波の透過電力との関
係を示すグラフである。
【0059】一方、誘電板230の厚みが誘電板230
内のマイクロ波波長の0.75倍の場合は反射は最小と
なって透過電力が最大になるものの図12に示すように
プラズマ中のイオンエネルギーも最大となる。本発明者
らは、プラズマ中のイオンエネルギーに依存して誘電板
230からは元素脱離(遊離)が図13に示すように発
生することを発見した。ここで、図13は、誘電板23
0の厚みと誘電板230からの元素脱離量(スパッタ
率)との関係を示すグラフである。誘電板230からの
元素脱離は反応ガスへの不純物となり、高品質なプラズ
マ処理を阻害する。
【0060】そこで、本発明では、マイクロ波の処理室
102への透過を所望の処理速度を得る程度に確保しつ
つ高品質なプラズマ処理を達成するために誘電板230
からの遊離を防止するために、図14に示すように、誘
電板230の厚みHを0.3λ乃至0.4λ、0.6λ乃
至0.7λ、…0.3Nλ乃至0.3Nλ+0.1に設
定している(但し、Nは整数)。換言すれば、誘電板2
30の厚みHは、一般式として、0.3λN≦H≦0.3
λNを満足する。なお、本実施例では、誘電板230の
材料(例えば、アルミナ)に依存する機械的強度を考慮
して0.3λ乃至0.4λの範囲を採用しなかったが機械
的強度が維持できる限り(例えば、誘電板230が石英
(比誘電率3.8)によって形成される場合など)かか
る範囲を除外するものではない。また、上述の一般式は
マイクロ波に限定されず、広くプラズマ生成に使用され
るその他の波にも適用することができる。
【0061】ガス供給系130及び160は、上述した
ように、処理室102の側壁にノズル143及び173
を設けて側部から反応ガスと放電ガスを供給する構造で
あるため、ガスが被処理体Wの上面を横切ったり、ある
いは、ノズル143及び173をサセプタ104の中心
に関する点対称の位置に設けたとしても、被処理体Wの
上面でガスの密度が均一でなく均一なプラズマ密度を確
保できなかったりするおそれがある。これを解決するた
めにサセプタ104の上方に電界を乱さないようなガラ
ス管製のシャワーヘッド構造を設置することが考えられ
る。以下、かかる実施例について図15乃至図19を参
照して説明する。ここで、図15は、図1に示す給排気
系の変形例を示す概略断面図である。
【0062】図15に示すガス給排気系は、誘電板24
0とシャワー板250とを有している。なお、誘誘電板
240とシャワー板250とを一の誘電体として観念し
てもよい。誘電板240は、例えば、厚さ30mmを有
し、窒化アルミニウム(AlN)により構成される板形
状を有する。シャワー板250は誘電板250の下部に
取り付けられる。誘電板240は、導入口241と、流
路242と、排出口244とを画定している。
【0063】導入口241には、ガス供給系130の供
給路136が接続されている。排出口244にはガス排
出路138が接続されている。図15に示す誘電板24
0は、ガス供給系130のみに適用されているが、ガス
源131及び161の混合ガスの供給路を図15に示す
供給路136に置換してもよい。代替的に、誘電板24
0は、好ましくは誘電板240の中心に関して対称に配
置された図示しない一対のガス供給路136に接続され
る。一対としたのは、シャワー板250のノズル252
に取り付けられた噴出部材260から均一な密度で反応
ガスを処理室102に導入するためである。なお、誘電
板240に設けられるガス導入口の位置及び数は限定さ
れないことはいうまでもない。また、一対の導入口24
1を設けて一方をガス供給路136に他方をガス供給路
166に接続してもよい。
【0064】代替的に、ガス供給系160は処理室10
2の側部に図1と同様に接続されてもよい。なぜなら、
アルゴンなどの放電ガスはシランやメタンなどの反応ガ
スと比較して分解しにくいから処理室102の側部から
処理室102に導入しても反応ガスほどの不均一なプラ
ズマ密度をもたらさないからである。誘電板240に接
続された真空ポンプ152の動作及び効果は上述と同様
なので説明は省略する。真空ポンプ152の代わりにバ
イパスライン182及び184を接続してもよいことは
図7を参照して説明された上述の実施例と同様である。
【0065】次に、図15に示すシャワー板250の詳
細を図16乃至図19を参照して説明する。ここで、図
16は、図15に示すシャワー板250のノズル252
の拡大断面図である。図16に示すように、誘電板24
0はシャワー板250のノズル252の上部に円筒形の
凹部246を有する。
【0066】シャワー板250は、例えば、厚さ6mm
の薄板形状を有して、AlNから構成される。シャワー
板250は、所定の均一な配置で多数の(例えば、10
個以上、20個、40個などの)ノズル253を形成し
ている。図16に示すように、各ノズル253には噴射
部材260が取り付けられている。噴射部材260は、
ねじ(262及び264)とナット266から構成され
ている。
【0067】噴出部材260は、選択的に、シャワー部
材250と全部又は部分的に一体的に構成されてもよい
し、その形状は問わない。例えば、噴出部材260は、
図17乃至図19に示すように、流路352a乃至35
2cと噴出口354a乃至354cを有する噴出部材3
50a乃至350cに置換されてもよい。ここで、図1
7乃至図19は、図16に示す噴出部材260の変形例
の構造を示す概略断面図である。
【0068】ねじは、ねじ頭部262とねじ胴部264
から構成されている。ねじ頭部262は約2mmの高さ
を有し、その内部には一対の噴射流路269がシャワー
板250の下面256に対して±45度の角度でそれぞ
れ形成されている。各噴射流路269は、後述する流路
268から分岐しており、例えば、0.1mm径を有す
る。噴射流路269は反応ガスの均一な噴射を達成する
ためにこのように傾斜されており、この目的が達成され
る限り、その角度及び個数は問わない。
【0069】本発明者らの実験によれば、シャワー板2
50の下面256に対して90度に(即ち、垂直に)設
定された一の噴射流路269は処理室102内において
均一な噴射を成功裡に達成しなかったので図16に示す
ように傾斜していることが好ましい。流路268は、例
えば、1mm径を有し、誘電板240の下面241とシ
ャワー板250との間に形成された空隙部(流路)24
2に接続されている。ナット266は、ねじ胴部264
の端部と係合し、誘電板240の凹部246に収納され
る。
【0070】流路242はプラズマが発生を抑制する薄
い空間であることが好ましい。プラズマの発生を抑制す
るのに必要な厚さは、圧力によって変化し、例えば、圧
力10Torrの下では厚さは約0.5mmに設定され
る。また、この場合、シャワー板250下の処理室10
2の処理空間は約50mTorrに設定される。このよ
うに流路242と処理空間との間に圧力差を設けて反応
ガスを所定の速度で導入している。
【0071】本実施例のシャワー板250によれば、反
応ガスは流路242でプラズマを発生せずに処理空間に
均一且つ流量制御良く導入される。流量制御は、空隙部
242と処理空間との間に圧力差、噴射流路269の
数、角度、大きさなどにより行うことができる。例え
ば、ノズル253に詰め物をしてその詰め物の表面を介
して反応ガスを噴射することも考えられる。しかし、か
かる構造では詰め物とノズルとの間隔を制御するのが困
難で、詰め物が取れたり、詰め物が完全にノズルを塞い
だりするため、正確な流量制御が難しい。従って、本実
施例のシャワー板250は、このような構造に比べて優
れている。
【0072】次に、本実施例のクラスターツール300
について、図20を参照して説明する。ここで、図20
は、図1に示すプラズマ処理装置100に接続可能なク
ラスターツール300の構造を示す概略平面図である。
上述したように、被処理体Wの温度制御はサセプタ10
4によって行うことができる(なお、以下、サセプタ1
04は特に断らない限りサセプタのその他の変形例を総
括しているものとする)。しかし、積層成膜処理におい
て、例えば、被処理体Wを常温からサセプタ104によ
り約250℃乃至約350℃まで加熱するには時間がか
かり、不便且つ不経済である。そこで、本実施例のクラ
スターツール300は、被処理体Wを処理室102に導
入する前に被処理体Wを加熱しておき、プロセスの迅速
な開始を達成しようとするものである。同様に、プロセ
ス終了後に約250℃乃至約350℃から常温に戻すに
は時間がかかるため、本実施例のクラスターツール30
0は、被処理体Wを処理室102から導出した後に被処
理体Wを冷却し、次段のプロセス(イオン注入やエッチ
ングなど)の迅速な開始を達成しようとするものであ
る。
【0073】図20に簡略的に示すように、本発明のク
ラスターツール300は、搬送部320と、予備加熱部
340と、予備冷却部360と、その他のロードロック
(L/L)室380とを有している。なお、図20で
は、処理室102と同様の2つの処理室102A、10
2Bを示しているが、その数は所望の数に変更すること
ができる。予備加熱部340や予備冷却部360は、ロ
ードロック室(処理室を待機中に開放しないで被処理体
の取り入れと取り出しを可能にする真空室)内に形成さ
れている。
【0074】搬送部320は、被処理体Wを支持する搬
送アームと、搬送アームを回転する回転機構とを含んで
いる。予備加熱部340は、ランプなどのヒータを有し
て被処理体Wがいずれかの処理室102A又は102B
に導入される前に、処理温度付近までこれを加熱する。
また、予備冷却部340は、冷媒により冷却されている
冷却室を有して処理室102A又は102Bから導入さ
れた被処理体Wを次段の装置(イオン注入装置やエッチ
ャーなど)に搬送する前に常温まで冷却する。なお、好
ましくは、クラスターツール300は、図示しない回転
角検出センサと、温度センサと、一又は複数の制御部
と、制御プログラムを格納しているメモリとを更に有し
て搬送部320の回転制御、予備加熱部340及び予備
冷却部360の温度制御を行う。かかるセンサ、制御方
法及び制御プログラムは当業界で周知のいかなるものを
も適用することができるので、ここでは詳しい説明は省
略する。また、制御部は、プラズマ処理装置100の図
示しない制御部が兼ねてもよい。搬送部320の搬送ア
ームは被処理体Wを図1に示すゲートバルブ101を介
して処理室102に導入する。
【0075】次に、以上のように構成された本実施例の
マイクロ波プラズマ処理装置100の動作について説明
する。まず、図20に示す搬送部320の搬送アームが
被処理体Wを処理室102に導入する。ここで、処理室
102(図20においてはいずれかの処理室102A又
は102B。以下、「処理室102」はこれらを総括す
るものとする。)では被処理体にプラズマCVD処理を
施すとすると、クラスターツール300の図示しない制
御部が、被処理体Wを処理室102に導入する前に、被
処理体Wを例えば、300℃付近まで加熱するために、
搬送部320に被処理体Wを予備加熱部340に搬送す
るように命令する。
【0076】例えば、クラスターツール300は処理室
102Aでシリコン基板にシリコン酸化膜をプラズマ処
理により形成し、処理室102Bでシリコン酸化膜の形
成されたシリコン基板上に窒素を導入してシリコン酸化
膜の表面をプラズマ処理してシリコン窒化膜を形成する
ことができる。処理室102Aにおけるプラズマシリコ
ン酸化膜用の反応ガス系は、典型的には、SiH4−N2
O系であるがSiH4の代わりにTEOS(tetra
ethylorthosilicate)、TMCTS
(tetramethylcyclotetrasil
oxane)、DADBS(diacetoxydit
ertiarybutoxysilane)等を利用し
てもよい。処理室102Bにおけるプラズマ表面窒化用
の反応ガス系は、典型的には、SiH4−NH3系である
が、SiH4の代わりにSi26、NF3、SiF4など
も使用することができる。
【0077】これに応答して、搬送部320は予備加熱
部340に被処理体Wを導入して加熱する。クラスター
ツール300の図示しない温度センサが被処理体Wの温
度が300℃付近まで過熱されたことを検出すると、か
かる検出結果に応答してクラスターツール300の図示
しない制御部は搬送部172に被処理体Wを予備加熱部
340から導出してゲートバルブ101から処理室10
2に導入する。被処理体Wを支持した搬送部320の搬
送アームがサセプタ104の上部に到着すると、リフタ
ピン昇降系がサセプタ104から(例えば、3本の)図
示しないリフタピンを突出させて被処理体Wを支持す
る。この結果、被処理体Wの支持は、搬送アームからリ
フタピンに移行するので、搬送部320は搬送アームを
ゲートバルブ101より帰還させる。その後、ゲートバ
ルブ101は閉口される。搬送部320は搬送アームを
その後図示しないホームポジションに移動させてもよ
い。
【0078】一方、リフタピン昇降系は、その後、図示
しないリフタピンをサセプタ104の中に戻し、これに
よって被処理体Wをサセプタ104の所定の位置に配置
する。図示しないベローズは昇降動作中処理室102の
減圧環境を維持すると共に処理室102内の雰囲気が外
部に流出するのを防止する。サセプタ104はその後、
被処理体Wを300℃まで加熱するが、既に被処理体W
は予熱されているのでプロセス準備が完了するまでの時
間は短くて済む。より詳細には、図2に示す制御装置1
91がヒータ装置198を制御してサセプタ104の温
度が300℃にする。
【0079】次に、高真空ポンプ106が図示しない圧
力調整バルブを介して処理室102の圧力を、例えば、
50mTorrに維持する。また、図1においては、バ
ルブ151及び153が開口されて真空ポンプ152及
び154がガス供給リング140及び170を排気す
る。代替的に、図7に示すバルブ181が開口されて高
真空ポンプ106がバイアスライン182及び184を
介してガス供給リング140及び170を排気する。こ
の結果、ガス供給リング140及び170に残留する水
分など十分に排気可能となる。
【0080】また、サセプタ昇降系が予め設定されたプ
ロセスポジションにサセプタ104と被処理体Wをホー
ムポジションから移動させる。図示しないベローズは昇
降動作中処理室102の減圧環境を維持すると共に処理
室102内の雰囲気が外部に流出するのを防止する。そ
の後、図1に示すバルブ151及び153又は図7に示
すバルブ181は閉口される。
【0081】次いで、バルブ132及び162が開口さ
れ、マスフローコントローラ134及び164を介して
ガス供給リング140及び170から反応ガスをそれぞ
れ処理室102に導入する。図1に示すバルブ151及
び153又は図7に示すバルブ181は閉口されるの
で、真空ポンプ152及び154又は106がガス供給
系130及び160からのガスが処理室102に導入さ
れることを妨げることはない。
【0082】図15のシャワー板250が使用される場
合には、処理室102内を所定の処理圧力、例えば、5
0mTorrに維持してガス供給路136から導入口2
41を介して、例えば、ヘリウム、窒素及び水素の混合
ガスにNH3を更に混合した一以上の反応ガスを誘電板
240に導入する。その後、ガスは、図16に示す空隙
部242を通って凹部246から噴出部材260の流路
268及び269を介して処理室102に導入される。
ガスは空隙部242ではプラズマ化せずに流量制御良く
安定かつ均一な密度で処理室102に導入される。
【0083】処理室102の処理空間の温度は300℃
程度になるようにより調整される。一方、マイクロ波源
110からのマイクロ波を図示しない矩形導波管や同軸
導波管などを介してアンテナ部材120の遅波材124
に、例えば、TEMモードなどで導入する。遅波材12
4を通過したマイクロ波はその波長が短縮されてスロッ
ト電極200に入射し、スリット210から処理室10
2に誘電板230を介して導入される。遅波材124と
スロット電極200は温度制御されているので、熱膨張
などによる変形はなく、スロット電極200は最適なス
リット長さを維持することができる。これによってマイ
クロ波は、均一に(即ち、部分的集中なしに)かつ全体
として所望の密度で(即ち、密度の低下なしに)処理室
102に導入される。
【0084】その後、マイクロ波は、反応ガスをプラズ
マ化して積層成膜処理を行う。バッフル板が使用される
場合には、バッフル板は処理空間の電位及び真空度を維
持して処理空間からマイクロ波が逃げるのを防止する。
これにより、所望のプロセス速度を維持することができ
る。
【0085】継続的使用により、サセプタ104の温度
が所望の設定温度よりも高くなれば制御装置191はサ
セプタ104を冷却する。同様に、処理開始時や過冷却
によりサセプタ104の温度が設定温度よりも低くなれ
ば制御装置191はサセプタ104を加熱する。
【0086】成膜処理は、予め設定された所定時間(例
えば、約2分)だけ行われてその後、被処理体Wは上述
したのと逆の手順によりゲートバルブ101から処理室
102の外へクラスターツール300の搬送部320に
より導出される。導出時に図示しない昇降装置は、サセ
プタ104と被処理体Wを搬送部320との接続位置に
戻す。ここで、「約2分」としたのは積層窒化膜の形成
に一般的な必要なプラズマCVD処理時間だからであ
る。たとえ、温度調節装置190が温度を約250℃乃
至約350℃に設定しても長時間成膜処理は温度を35
0℃以上に設定したのと同様の問題を引き起こす場合が
あるからである。また、短時間であれば被処理体Wから
生成された半導体はリーク電流を効果的に防止できない
場合があるからである。
【0087】処理室102には所望の密度のマイクロ波
が均一に供給されるので被処理体Wにはシリコン酸化膜
とシリコン窒化膜が所定の厚さで形成される。また、処
理室102の温度は水分などがウェハWに混入すること
のない温度に維持されるので所望の成膜品質を維持する
ことができる。処理室102から導出された被処理体W
はまず予備冷却部360は導入されて常温まで短時間で
冷却される。次いで、必要があれば、搬送部320は、
被処理体Wを次段のイオン注入装置などに搬送する。
【0088】以上、本発明の好ましい実施例を説明した
が、本発明はその要旨の範囲内で種々の変形及び変更が
可能である。例えば、本発明のマイクロ波プラズマ処理
装置100は電子サイクロトロン共鳴の利用を妨げるも
のではないため、所定の磁場を発生させるコイルなどを
有してもよい。また、本実施例のマイクロ波プラズマ処
理装置100はプラズマCVD装置として説明されてい
るが、マイクロ波プラズマ処理装置100は被処理体W
をエッチングしたりクリーニングしたりする場合にも使
用することができることはいうまでもない。また、本発
明は、RLSA方式のプラズマ装置だけでなくグロー放
電を利用した平行平板型プラズマ装置への適用を妨げる
ものではない。
【0089】
【発明の効果】本発明の例示的一態様であるプラズマ処
理装置、プラズマ生成導入部材及びスロット電極によれ
ば、被処理体の歩留まりを下げることなく、一定に維持
されたスリット密度がスリットを通過する波のイオンエ
ネルギーの集中を防止して誘電板が遊離することを防止
することができる。また、一定に維持されたスリット密
度が均一なプラズマ密度の生成を可能にする。この結
果、本発明の例示的一態様であるプラズマ処理装置、プ
ラズマ生成導入部材及びスロット電極は、被処理体に高
品質のプラズマ処理を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の例示的一態様としてのマイクロ波
プラズマ処理装置の構造を示す概略ブロック図である。
【図2】 図1に示すプラズマ処理装置の温度調節装置
のより詳細な構造を示すブロック図である。
【図3】 図1に示すプラズマ処理装置により高温で被
処理体Wに積層構造を形成する場合の深さ方向の窒素分
布を示すグラフである。
【図4】 図1に示すプラズマ処理装置により適温で被
処理体Wに積層構造を形成する場合の深さ方向の窒素分
布を示すグラフである。
【図5】 シリコン窒化膜中の欠陥濃度の温度分布であ
る。
【図6】 図1に示すプラズマ処理装置に適用可能なガ
ス供給リングの平面図である。
【図7】 図1の変形例を示す概略断面図である。
【図8】 図1に示すプラズマ処理装置のスロット電極
に適用可能な例示的な構造を示す平面図である。
【図9】 図1に示すプラズマ処理装置のスロット電極
に適用可能な例示的な別の構造を示す平面図である。
【図10】 図1に示すプラズマ処理装置のスロット電
極に適用可能な例示的な更に別の構造を示す平面図であ
る。
【図11】 図1に示すプラズマ処理装置のスロット電
極に適用可能な例示的な更に別の構造を示す平面図であ
る。
【図12】 図1に示すプラズマ処理装置の誘電板の厚
みとマイクロ波の透過電力との関係を示すグラフであ
る。
【図13】 図1に示すプラズマ処理装置の誘電板の厚
みと誘電板からの元素脱離量(スパッタ率)との関係を
示すグラフである。
【図14】 図7に示すシャワー板のノズル付近の拡大
断面図である。
【図15】 図1に示す給排気系の変形例を示す概略断
面図である。
【図16】 図15に示す給排気系のシャワー板のノズ
ル付近の拡大断面図である。
【図17】 図16に示すシャワー板に取り付けられる
噴出部材の変形例の構造を示す概略断面図である。
【図18】 図16に示すシャワー板に取り付けられる
噴出部材の別の変形例の構造を示す概略断面図である。
【図19】 図16に示すシャワー板に取り付けられる
噴出部材の別の変形例の構造を示す概略断面図である。
【図20】 図1に示すプラズマ処理装置に接続可能な
クラスターツールの構造を示す概略平面図である。
【符号の説明】
100 プラズマ処理装置 102 処理室 102A 処理室 102B 処理室 104 サセプタ 106 高真空ポンプ 110 マイクロ波源 120 アンテナ部材 130 (反応)ガス供給系 140 ガス供給リング 151 バルブ 152 真空ポンプ 153 バルブ 154 真空ポンプ 160 (放電)ガス供給系 170 ガス供給リング 182 バイパスライン 184 バイパスライン 190 温度制御装置 191 制御装置 192 冷却ジャケット 198 ヒータ装置 200 スロット電極 230 誘電板 300 クラスターツール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−181052(JP,A) 特開2000−58294(JP,A) 特開 平5−129095(JP,A) 特開2000−77335(JP,A) 実開 平4−117437(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/31 B01J 19/08 C23C 16/511 H01L 21/3065 H05H 1/46

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理体にプラズマ処理を行う処理室に
    当該プラズマ処理に必要な電源周波数の波を案内するス
    リットを有するスロット電極であって、 当該スロット電極を均等な面積を有する複数の多角形領
    域に分割して各領域に前記スリットを配置し、前記スリ
    ットは、前記スロット電極の中心から見てほぼ45度に
    傾斜するT字形又はV字形の組から構成されるスロット
    電極。
  2. 【請求項2】 前記多角形領域は6角形である請求項1
    記載のスロット電極。
  3. 【請求項3】 前記多角形領域は4角形である請求項1
    記載のスロット電極。
  4. 【請求項4】 前記スロット電極はラジアルラインスロ
    ットアンテナである請求項1記載のスロット電極。
  5. 【請求項5】 前記スリットの大きさは前記スロット電
    極の中心からの距離に比例する請求項1記載のスロット
    電極。
  6. 【請求項6】 被処理体にプラズマ処理を行う処理室に
    接続されるプラズマ生成導入部材であって、 前記プラズマ処理に必要な電源周波数の波を案内するス
    リットを有するスロット電極であって、当該スロット電
    極を均等な面積を有する複数の多角形領域に分割して各
    領域に前記スリットを配置し、前記スリットは前記スロ
    ット電極の中心から見てほぼ45度に傾斜するT字形又
    はV字形の組から構成されるスロット電極と、 前記スロット電極に接続されて前記処理室の雰囲気を維
    持すると共に前記波の透過を可能にする誘電板とを有す
    るプラズマ生成導入部材。
  7. 【請求項7】 前記スロット電極はラジアルラインスロ
    ットアンテナである請求項6記載のプラズマ生成導入部
    材。
  8. 【請求項8】 被処理体にプラズマ処理を行う処理室
    と、 前記プラズマ処理に必要な電源周波数の波を案内するス
    リットを有するスロット電極であって、当該スロット電
    極を均等な面積を有する複数の多角形領域に分割して各
    領域に前記スリットを配置し、前記スリットは前記スロ
    ット電極の中心から見てほぼ45度に傾斜するT字形又
    はV字形の組から構成されるスロット電極と、 前記処理室と前記スロット電極の間に配置されて前記処
    理室の雰囲気を維持すると共に前記波の前記処理室への
    透過を可能にする誘電板とを有するプラズマ処理装置。
  9. 【請求項9】 前記スロット電極はラジアルラインスロ
    ットアンテナである請求項8記載のプラズマ処理装置。
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