JP3238137B2 - プラズマ処理室のクリーニング方法 - Google Patents

プラズマ処理室のクリーニング方法

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JP3238137B2
JP3238137B2 JP07720999A JP7720999A JP3238137B2 JP 3238137 B2 JP3238137 B2 JP 3238137B2 JP 07720999 A JP07720999 A JP 07720999A JP 7720999 A JP7720999 A JP 7720999A JP 3238137 B2 JP3238137 B2 JP 3238137B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラズマ処理室のク
リーニング方法に係り、特にプラズマを生成し、半導体
素子基板等の試料にエッチング処理,成膜処理等のプラ
ズマ処理を施す装置に好適なプラズマ処理室のクリーニ
ング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のマイクロ波プラズマ処理装置は、
例えば特開平4−133322号公報に記載のように、
導波管の形状を略円筒形とし、気密に設けたマイクロ波
透過窓を介して導波管につながる放電室を、マイクロ波
の進行方向にテーパ状に拡大された中空円筒の導電材料
で形成された放電ブロックで形成し、放電ブロックの外
側に設けた空心コイルにより放電室内に発生させた磁界
と、導波管を介して放電室内に導入したマイクロ波の電
界との相互作用を用いて、密度の高いプラズマを生成
し、処理の均一性を向上させるようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、放電
室内へのさらなるマイクロ波の導入効率の点、放電室の
耐プラズマ性の点および試料の安定処理の点等において
配慮されていなかった。すなわち、導波管内を伝播する
マイクロ波の電気力線に対し、放電室への導入形状につ
いて十分配慮されておらず、プラズマの均一性,発生効
率が十分なものでなかった。また、従来技術では放電ブ
ロックが非磁性導電材料、例えば、アルミニウムで形成
されており、エッチング処理における被処理材がAlま
たはAl合金等の場合には、エッチングガスとしてハロ
ゲンガスが用いられ、このようなガスがプラズマ化され
た場合、被処理材とともに放電室を構成する放電ブロッ
クの内壁面もプラズマ中の活性種によってエッチングさ
れてしまうという問題がある。さらに、プラズマ処理中
のプラズマ発生室の温度上昇およびプラズマ処理中に発
生する反応性生物の付着等による処理の経時変化が生じ
るという問題がある。
【0004】さらに、本発明の目的は、処理性能の良い
状態を継続させ安定したプラズマ処理が行えるようにす
るためのプラズマ処理室のクリーニング方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、被処理基板
をプラズマ処理し、被処理基板がプラズマ処理され処理
室から搬出された後、試料台に被処理基板を配置しない
まま処理室内をプラズマクリーニングするとともに、プ
ラズマ処理室の大気開放によるクリーニングの際に、試
料台の被処理基板配置面に開口する隙間に不活性ガスを
流すことにより、達成される。
【0006】円形導波管内を通って伝播するマイクロ波
は、その空間内でインピーダンス整合にに対して最適形
状に設定されたチューニング手段によってチューニング
され、均一で最も効率の良い状態でマイクロ波導入窓を
介して放電ブロック内に導入され、ガス供給手段および
真空排気手段によって所定圧力に制御された処理ガス
が、効率良く導入されたマイクロ波の電界とソレノイド
コイルによる磁界との相互作用によって、さらに均一か
つ高密度にプラズマ化される。これにより、処理性能が
さらに向上する。
【0007】また、放電ブロックの内壁面に保護部材を
形成することにより、放電ブロック内に生成されたプラ
ズマに対して、放電ブロックと同材質の被処理材を処理
する場合でも放電ブロック自体がエッチングされること
がなく、被処理材の材質に関係なく処理性能の良いプラ
ズマ処理が行える。
【0008】さらに、放電ブロックに温度調整可能な加
熱器を設け、プラズマ発生室を所定の温度で一定に保持
したまま、被処理基板をプラズマ処理し、被処理基板が
プラズマ処理され処理室から搬出された後、試料台に被
処理基板がない状態で処理室内をプラズマクリーニング
し、プラズマクリーニングが終了して新たな被処理基板
を処理室に搬入し、新たな被処理基板を処理するように
することにより、処理性能の良い状態を継続させること
ができ、安定したプラズマ処理を継続して行うことがで
きる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図1および図
2により説明する。図1は、マイクロ波プラズマ処理装
置の構成図を示し、この場合、プラズマ処理としてエッ
チング処理に適用した場合について説明する。処理室1
は、例えば、ステンレス鋼で形成され、内部に空間を有
する容器で形成されている。処理室1は、上部に円形の
開口部を有し、下部に排気口11が設けられている。排
気口11には、真空排気手段が接続されている。真空排
気手段は、この場合、圧力制御バルブ12,ターボ分子
ポンプ13,ホットバルブ14およびロータリーポンプ
15で構成され、排気口11に配管を介して順次接続さ
れて成る。また、排気口11には圧力制御バルブ12の
前で、バルブ16を介して高真空を検出するための圧力
検出器17(この場合、ペニング真空計)が取り付けら
れている。また、排気口11に圧力制御バルブ12の前
で処理中の圧力を検出する隔膜真空計(図示省略)が取
り付けられている。処理室1は、この場合、ベーローズ
を用いた仕切弁18によって内部空間が仕切られる構造
となっている。仕切弁18には、昇降駆動装置19が連
結されている。
【0010】処理室1上部の開口部にはサポートが設け
られ、サポート上にウエハ押え19を載置して保持して
いる。処理室1上部の開口部には、リング状のベースフ
ランジ2を介して中空円筒の放電ブロック3が気密に取
り付けられている。放電ブロック3は、内面が下方(図
面上)に向けて軸方向に向けて約20°の角度でテーパ
状に拡大された形状をなし、上部(図面上)内面の円周
上に、この場合、24ヶ所のガス吹出口32が均等に設
けてある。放電ブロック3内面のテーパ形状はプラズマ
の均一拡散を行わせ、被処理基板を均一に処理させるた
めのものであるが、テーパの角度は放電ブロック3内で
マイクロ波が進行する際に電界モードが変化または他の
電界モードが増加して混入しないようにゆるやかな角度
とするのが良い。このテーパ角度の寸法は、例えば、マ
イクロ波の電界モードTE11もしくは近似モードの場
合、被処理基板の径をDとすると、被処理基板の位置で
1.5〜2.0D、マイクロ波導入窓の位置で0.5〜
1.5D、その間の高さを1.0〜1.5Dとすること
が望ましい。放電ブロック3は、アルミニウム,非磁性
ステンレス等の非磁性導電材料により形成されている。
放電ブロック3の内面には、耐プラズマ部材である保護
部材が形成されている。該耐プラズマ部材とはプラズマ
中の活性種によってエッチングされにくい材料をいう。
例えば、アルミナ,ムライト(Al2O3+SiO2),
石英等を用いる。この場合は、保護部材として保護膜3
1が形成してある。放電ブロック3の外周面には、ヒー
タ33および熱電対(図示省略)が接触させて取り付け
てあり、ヒータ33および熱電対に接続された制御装置
34によって放電ブロック3が120℃程度の温度に加
温制御される。放電ブロック3の上部開口部には、石
英,アルミナ等のマイクロ波を透過可能な材料で形成さ
れた円板状のマイクロ波導入窓4が気密に取り付けてあ
り、処理室1およびこれに連通した放電ブロック3内の
プラズマ生成空間が気密に保持される。
【0011】マイクロ波導入窓4には円形導波管5が接
続してある。円形導波管5の他端には、矩形−円形変換
導波管51および矩形導波管52が順次接続してあり、
矩形導波管52端部にマイクロ波発振器6が取り付けて
ある。円形導波管5内には、マイクロ波のチューニング
を行うチューニング手段が設けられている。ここでチュ
ーニング手段とはマイクロ波の反射量を少なくする手段
をいう。この場合、リング状の円板でなるマイクロ波チ
ューニング板53であり、この場合、マイクロ波導入窓
4の上部に取り付けてある。チューニング手段は、マイ
クロ波が連通する開口を有する板であって、該開口の形
状はマイクロ波の電界モードによってその最適形状が異
なる。例えば、TE11モードおよびこれに近いモードの
場合には、楕円等の非円形の形状が好ましい。このよう
なマイクロ波モードに合わせた最適形状にすると、マイ
クロ波が吸収されるプラズマ部の電界形状分布(被処理
面に平行な面内での分布)が均一となるから、試料処理
の均一性が図られる。
【0012】円形導波管5および放電ブロック3の外周
部には、ソレノイドコイル91およびソレノイドコイル
92が位置するようにコイルケース9に取り付けて配置
してある。ソレノイドコイル91はソレノイドコイル9
2よりも強い磁場を発生できるものとしてあり、ソレノ
イドコイル91,92に接続された制御装置93によっ
てそれぞれ磁場強度を制御可能になっている。コイルケ
ース9は円形導波管5と放電ブロック3とに取付け固定
してあり、放電ブロック3から上部を一体として、ベー
スフランジ2から分離可能に構成してある。放電ブロッ
ク3から上部は図示を省略した昇降手段によって取付け
取外しされる。コイルケース9の下部には冷却ガス供給
口94を設け、円形導波管5の下部には通気孔54を設
けて、コイルケース9内部に窒素ガス,空気等の冷却ガ
スを供給可能にしてあり、コイルケース5内に供給され
た冷却ガスが通気孔54を介して導波管5,51,52
を通って大気に放出されるようにしてある。
【0013】ベースフランジ2には、処理ガスのガス供
給口21が設けてあり、放電ブロック3との嵌合部に設
けたガス連絡通路および放電ブロック3に設けたガスパ
イプを介してガス吹き出し口32につながるガス供給路
が形成してある。さらに、例えば、石英板でなるマイク
ロ波導入窓4の下に、ガス吹き出し用孔を有する石英板
を設置し、該石英板とマイクロ波導入窓4との間に処理
ガスを導入し、処理ガスを放電ブロック3の上部から吹
き出させることもできる(図示省略)。これらのように
すると、放電ブロック3内面のテーパ形状と相まって放
電ブロック3内での新旧処理ガスの置換が促進される。
このため、反応生成物の放電ブロック3外への排出が容
易となり、エッチング速度および均一性等の向上が伺わ
れる。ベースフランジ2と放電ブロック3との嵌合部に
設けたガス連絡通路は、それぞれが組み合わされたとき
に形成される。
【0014】処理室1の底部には、上部に設けた放電ブ
ロック3の軸心と一致させて、被処理基板であるウエハ
10が配置される試料台8が絶縁材7を介して設けられ
る。試料台8には図示を省略した高周波電源が接続され
ており、バイアス電圧が印加可能になっている。試料台
8の中央部には、ウエハ10を試料台8上に配置する、
または試料台8から取り除く際に図示を省略した公知の
搬送手段、例えば、ロボットアームとの間でウエハ10
を遣り取りするためのウエハ押上81が設けてある。ウ
エハ押上81の下端には昇降駆動装置82が設けてあ
り、ウエハ押上81を昇降させる。昇降駆動装置82は
試料台8下部に連結して取り付けた支持部材83によっ
て固定支持される。さらに、支持部材83の下部には昇
降駆動装置84が設けてあり、試料台8を昇降させる。
昇降駆動装置84は処理室8下部に取り付けた支持部材
85によって固定支持される。試料台8内には、渦巻状
の冷媒流路86が形成してあり、冷媒流路86は配管を
介して支持部材85に設けた冷媒供給口87と冷媒回収
口88につながる。
【0015】上記のように構成されたマイクロ波プラズ
マエッチング装置では、公知の技術によりロードロック
室(図示省略)にウエハが導入され真空に保持された状
態で、昇降駆動装置19によって仕切弁18が下げら
れ、搬送アーム(図示省略)によって処理室1内へ搬入
される。このとき、試料台8は、昇降駆動装置84によ
って下げられている。また、ウエハ押上81も昇降駆動
装置82によって下げられている。試料台上部でウエハ
を載置した搬送アームが停止したら、昇降駆動装置82
によってウエハ押上81が上昇し、搬送アーム上からウ
エハ押上81上にウエハを受け取る。ウエハがウエハ押
上81上に移ったら、搬送アームは退避位置に戻り、そ
の後、仕切弁18が上げられ処理室1内部が密閉空間に
仕切られ、真空排気手段によって処理室1内が真空排気
される。
【0016】また、搬送アームが退避した後、ウエハ押
上81が下げられ、ウエハ10を試料台8上面に配置す
る。その後、試料台8は昇降駆動装置84によってプラ
ズマ処理されるのに必要な所定の位置まで上昇する。こ
の際、試料台8が上昇する途中で、処理室1のサポート
状に載置されたウエハ押え19に、上昇して来たウエハ
10の外周上面が当接し、そのままウエハ押え19を持
ち上げる。これにより、ウエハ10はウエハ押え19の
自重(またはバネ力を利用した押し付け)により試料台
8上面に支持される。なお、ウエハ10の試料台8上面
への支持は、ウエハ押えの他に静電吸着力を利用したも
のでも良い。また、試料台8の冷媒流路86には、冷媒
供給口87から冷却水等の冷却媒体が供給され、試料台
8が所定温度に維持されている。冷却媒体は、冷却する
試料台の温度によって使い分けられる。
【0017】処理ガス供給前の真空排気手段による処理
室1内の真空排気において、圧力検出器17によって所
定の圧力を検出したなら、バルブ16を閉じ処理室1内
雰囲気から圧力検出器17を隔離する。これにより、処
理ガスおよび処理中の反応生成物から圧力検出器17を
保護することができ、必要なときに常に正確な検出を行
うことができる。次に、ガス供給口21から処理ガスを
供給し、複数個均等に設けられたガス吹出口32から放
電ブロック3内に処理ガスを均一に導入しながら、隔膜
真空計(図示省略)によって処理室1内の圧力を検出
し、圧力制御バルブ12によって処理室1内を所定の圧
力に制御する。このとき、放電ブロック3内では、放電
ブロック3の上部で中心に向けて均等に処理ガスが導入
され、上部から下方に向けてテーパ状の放電ブロック3
内の空間で均一に拡散されながら排気されるので、生成
されるプラズマの均一性向上に効果を与えることができ
る。
【0018】処理室1内が処理のための所定の圧力にな
ったら、マイクロ波発振器6からマイクロ波を発振し、
円形導波管5およびマイクロ波導入窓4を介して、放電
ブロック3内にマイクロ波を導入する。この際、矩形導
波管52および矩形−円形変換導波管51を介して円形
導波管5内に導かれたマイクロ波は、拡大された円形導
波管5内の空間とマイクロ波チューニング板53とによ
って、インピーダンスの整合が行われ均一で強い電界が
形成され、マイクロ波導入窓4を介して放電ブロック3
内に導入される。なお、このとき放電ブロック3は、ヒ
ータ33によって加温され、図示省略した温度検出手段
(熱電対)により温度検出しながら制御装置34によっ
て所定温度で保持される。一方、ソレノイドコイル91
および92には制御装置93によってそれぞれ所定強度
の磁場が発生されるように電力が供給され、放電ブロッ
ク3内に平面状のECR面を形成するように磁場が発生
される。放電ブロック3内へのマイクロ波の導入と磁場
の形成により、放電ブロック3内の処理ガスがECR作
用を受けてプラズマ化される。このとき生成されるプラ
ズマは、マイクロ波チューニング板53の作用によって
均一に強められた円形導波管5からの電界によって、均
一かつ高密度に生成される。マイクロ波チューニング板
53は、円形導波管5内のマイクロ波のインピーダンス
の整合を行うのに最適な形状に設定され、円形導波管5
内のマイクロ波を均一にし、効率良く放電ブロック3内
へ導く。
【0019】放電ブロック3内に生成された均一かつ高
密度のプラズマによって、ウエハ10が均一性良くプラ
ズマ処理される。例えば、被エッチング材として、アル
ミニウム合金(この場合、Al−Si−Cu)をBCl
3+Cl2+CH2F2(流量比約6:7:1で200sc
cm)のエッチングガスを用いて、処理圧力を0.01
2Torrとし、マイクロ波電力を1000W(2.4
5GHz)として処理した場合、マイクロ波チューニン
グ板53を用いた場合、均一性が約4%となり、マイク
ロ波チューニング板53を使用しなかったときの均一性
約9%に対し、約倍の均一性向上を得ることができた。
なお、この場合は、試料台8に高周波電圧を印加しな
い、プラズマ中の活性種だけによる均一性についての評
価結果である。
【0020】また、このようにしてウエハ10をプラズ
マ処理するときに、ソレノイドコイル91,92への電
力供給量をそれぞれ制御してECR面のできる位置を、
ウエハ10に対して近付ける、または、遠ざけることに
より、ウエハ10へのプラズマ中のイオンの入射量が変
わり、これにより、処理時の低ダメージ処理,高速エッ
チング処理,選択エッチング等の処理を選択することが
できる。
【0021】また、このようにしてウエハ10をプラズ
マ処理するときに、例えば、上記のような処理の場合、
反応生成物としてAlCl3が生成され、プラズマ生成
室である放電ブロック3の内壁面に付着しようとする
が、放電ブロック3をヒータ33によって、この場合、
約120℃に加温することにより、放電ブロック3の内
壁面に付着しようとした反応生成物は、昇温して帰化す
るので、放電ブロック3の内壁面には付着せず排気され
る。これにより、プラズマ処理の経時変化を抑制するこ
とができる。このように、プラズマ処理中は、反応生成
物が帰化する温度に放電ブロック3を加温する。
【0022】また、プラズマに晒される放電ブロック3
の内壁面には耐プラズマ材料としてアルミナ,ムライ
ト,石英等の保護部材、この場合、保護膜31が形成し
てあるので、この場合、アルミニウムで形成された放電
ブロック3が、アルミニウム合金でなる被処理材料と同
系であっても、被処理材料をエッチング処理するプラズ
マから放電ブロック3を保護することができる。
【0023】ウエハ10のエッチング処理はこのように
して行われ、処理が終了すると、エッチング用の処理ガ
スの供給、マイクロ波電力の供給、高周波電力の供給等
が停止され、試料台8を下降させて、ウエハの搬入時と
逆の工程によりウエハを搬出する。ウエハ搬出後は、エ
ッチング処理用の処理ガスに替え、例えば、O2または
O2+SF6等のプラズマクリーニング用のガスを放電ブ
ロック3内に導入し、試料台8にウエハ10またはダミ
ーウエハ等を配置しないまま、試料台8への高周波電圧
の印加は行わずに、エッチング処理時と同様にしてプラ
ズマを発生させる。このプラズマクリーニングを10数
秒実施した後、前述と同様にして新たなウエハをエッチ
ング処理する。ウエハなしのこのプラズマクリーニング
は、ウエハの1枚処理毎に実施するのが一番効果的であ
るが、処理装置を制御する制御装置を、全体のスループ
ットと兼ね合わせて2枚毎または3枚毎とn枚毎に設定
できるようにしておき、処理装置が自動的にクリーニン
グするようにしておく。これにより、従来から行われて
いたダミーウエハを用いた長時間、例えば、30分程度
の本格的なプラズマクリーニングの処理サイクルを、例
えば、1ロット毎に行っていたものを4倍ないし10倍
以上に延ばせるとともに、さらに、例えば、1日掛かり
で1週間毎に行っていた処理装置内を大気開放してのウ
ェットクリーニングを2ないし3週間以上の処理サイク
ルにすることができ、大幅なスループット向上を図るこ
とができる。なお、基板なしのプラズマクリーニングで
も、処理時間が短いことおよび試料台8のウエハ配置面
にアルマイト加工等の保護加工を施すことにより、試料
台8に影響なく行うことができる。また、クリーニング
時には、ウエハ押上81の設けられた隙間に試料台8の
下方から上方に向けて不活性ガス、例えば、N2,He
等のプロセスに影響を与えないガスを流し、ウエハ押上
81の設けられた隙間に溜った埃を吹き飛ばすクリーニ
ングを行うと、さらにクリーニング効果があがる。ま
た、ソレノイドコイル91,92および制御装置93を
除いた場合及び他のプラズマを用いる処理装置の場合で
も、スループット向上に関しては同様にこれら上述の作
用効果が生じる。
【0024】また、放電ブロック3内の大気開放に当た
っては、放電ブロック3とベースフランジ2との間での
ガス流路の構成により、ガス配管等の接続,取外し作業
がなく、また、コイルケース9により一体に構成された
放電ブロック3,ソレノイドコイル91および92を一
体でベースフランジ2から取り外すことができ、クリー
ニング作業の準備および点検,補修作業を容易にするこ
とができる。
【0025】さらに、真空排気手段のターボ分子ポンプ
13等の高真空ポンプとロータリーポンプ等の補助ポン
プとの間のバルブを加温可能なホットバルブとすること
により、高真空ポンプの排出側で圧力が高くなり反応性
生物等が付着しやすくなるのを防止でき、真空排気手段
の信頼性を向上させることができる。
【0026】このように、本実施例によれば、種々の作
用・効果があり、均一かつ高密度プラズマの生成により
ウエハのプラズマ処理における均一性等の処理性能をさ
らに向上させることができ、また、被処理材料に関係な
く処理性能の良いプラズマ処理が行え、さらに、処理性
能の良い状態で安定したプラズマ処理を継続して行うこ
とができる。
【0027】なお、本実施例では、Al合金のエッチン
グ処理を例に説明したが、被エッチング材の対象として
はこれに限られるものでなく、メタル,ゲート,酸化膜
等種々の被エッチング材料に対して適用できる。また、
エッチング処理だけでなく、成膜処理等他のプラズマ処
理に適用しても良いことはいうまでもない。
【0028】また、図1でソレノイドコイル91,92
および制御装置93を除いた場合でも、均一性に関して
は本実施例と同様の作用が生じ、処理の均一性の向上を
図れる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、処理性能の良い状態を
継続させ安定したプラズマ処理を行うことができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるマイクロ波プラズマ処
理装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…処理室、3…放電ブロック、4…マイクロ波導入
窓、5…円形導波管、8…試料台、10…ウエハ、13
…ターボ分子ポンプ、31…保護膜、33…ヒータ、5
3…マイクロ波チューニング板、91,92…ソレノイ
ドコイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 空岡 稔 山口県下松市大字東豊井794番地 株式 会社 日立製作所 笠戸工場内 (72)発明者 梅本 強志 山口県下松市大字東豊井794番地 株式 会社 日立製作所 笠戸工場内 (72)発明者 木原 秀樹 山口県下松市大字東豊井794番地 株式 会社 日立製作所 笠戸工場内 (72)発明者 工藤 勝義 山口県下松市大字東豊井794番地 日立 笠戸エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 行正 亨 山口県下松市大字東豊井794番地 日立 笠戸エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 角谷 裕文 山口県下松市大字東豊井794番地 日立 笠戸エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−48421(JP,A) 特開 平5−226461(JP,A) 特開 平1−298180(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C23F 4/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静電吸着式の試料台が設けられたプラズマ
    処理室内をクリーニングする方法において、プラズマ処
    理終了後の被処理基板の搬出によって前記試料台に被処
    理基板がない状態で前記プラズマ処理室内プラズマ
    クリーニングと、前記プラズマ処理室の大気開放による
    クリーニングとを行い、前記大気開放クリーニングの際
    に、前記試料台の被処理基板配置面に開口する隙間に不
    活性ガスを流すことを特徴とするプラズマ処理室のクリ
    ーニング方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のプラズマ処理室のクリーニ
    ング方法において、前記プラズマクリ−ニングのサイク
    ルを前記被処理基板のn枚(n=1,・・・n)おきに
    選択し実施するプラズマ処理室のクリーニング方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載のプラズマ処理室のクリーニ
    ング方法において、所定回数の前記プラズマ処理が終了
    した後、前記プラズマ処理室を冷却し大気開放してクリ
    ーニングするプラズマ処理室のクリーニング方法。
  4. 【請求項4】プラズマ処理室内をクリーニングする方法
    において、所定回数のプラズマ処理が終了した後、前記
    プラズマ処理室を大気開放してクリーニングする際に、
    試料台の被処理基板配置面に開口する隙間に不活性ガス
    を流すことを特徴とするプラズマ処理室のクリーニング
    方法。
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