JP2006237627A - プラズマ処理方法 - Google Patents

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強志 梅本
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秀樹 木原
Katsuyoshi Kudo
勝義 工藤
Toru Yukimasa
亨 行正
Hirofumi Sumiya
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Abstract

【課題】処理性能の良い状態を継続させ安定したプラズマ処理を行えるクリーニング方法を提供する。
【解決手段】1枚毎に被処理基板10のプラズマ処理を実行し、n枚毎(n=1,2,3・・・)の被処理基板10のプラズマ処理が終了した段階で、プラズマ処理室1内からプラズマ処理終了後の被処理基板10を搬出した後、試料台8に被処理基板10がない状態で試料台8への高周波電圧の印加を行わずにプラズマ処理室1内をプラズマクリーニングした後、被処理基板10のプラズマ処理をn枚実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマ処理室内をクリーニングし、被処理基板プラズマ処理を継続して行うプラズマ処理方法に係り、特にプラズマを生成し、半導体素子基板等の試料にエッチング処理,成膜処理等のプラズマ処理を施す装置に好適なプラズマ処理室内をクリーニングするプラズマ処理方法に関するものである。
従来のマイクロ波プラズマ処理装置は、例えば特許文献1に記載のように、導波管の形状を略円筒形とし、気密に設けたマイクロ波透過窓を介して導波管につながる放電室を、マイクロ波の進行方向にテーパ状に拡大された中空円筒の導電材料で形成された放電ブロックで形成し、放電ブロックの外側に設けた空心コイルにより放電室内に発生させた磁界と、導波管を介して放電室内に導入したマイクロ波の電界との相互作用を用いて、密度の高いプラズマを生成し、処理の均一性を向上させるようにしたものがある。
特開平4−133322号公報
上記従来技術は、放電室内へのさらなるマイクロ波の導入効率の点,放電室の耐プラズマ性の点および試料の安定処理の点等において配慮されていなかった。すなわち、導波管内を伝播するマイクロ波の電気力線に対し、放電室への導入形状について十分配慮されておらず、プラズマの均一性,発生効率が十分なものでなかった。また、従来技術では放電ブロックが非磁性導電材料、例えば、アルミニウムで形成されており、エッチング処理における被処理材がAlまたはAl合金等の場合には、エッチングガスとしてハロゲンガスが用いられ、このようなガスがプラズマ化された場合、被処理材とともに放電室を構成する放電ブロックの内壁面もプラズマ中の活性種によってエッチングされてしまうという問題がある。さらに、プラズマ処理中のプラズマ発生室の温度上昇およびプラズマ処理中に発生する反応性生物の付着等による処理の経時変化が生じるという問題がある。
さらに、本発明の目的は、処理性能の良い状態を継続させ安定したプラズマ処理が行えるようにするためのプラズマ処理室内をクリーニングするプラズマ処理方法を提供することにある。
上記目的は、プラズマ処理室内をクリーニングするプラズマ処理方法において、1枚毎に被処理基板のプラズマ処理を実行し、n枚毎(n=1,2,3・・・)の前記被処理基板のプラズマ処理が終了した段階で、前記プラズマ処理室内からプラズマ処理終了後の被処理基板を搬出した後、試料台に被処理基板がない状態で試料台への高周波電圧の印加を行わずに前記プラズマ処理室内をプラズマクリーニングした後、前記被処理基板のプラズマ処理をn枚毎実行することにより、達成される。
円形導波管内を通って伝播するマイクロ波は、その空間内でインピーダンス整合に対して最適形状に設定されたチューニング手段によってチューニングされ、均一で最も効率の良い状態でマイクロ波導入窓を介して放電ブロック内に導入され、ガス供給手段および真空排気手段によって所定圧力に制御された処理ガスが、効率良く導入されたマイクロ波の電界とソレノイドコイルによる磁界との相互作用によって、さらに均一かつ高密度にプラズマ化される。これにより、処理性能がさらに向上する。
また、放電ブロックの内壁面に保護部材を形成することにより、放電ブロック内に生成されたプラズマに対して、放電ブロックと同材質の被処理材を処理する場合でも放電ブロック自体がエッチングされることがなく、被処理材の材質に関係なく処理性能の良いプラズマ処理が行える。
さらに、放電ブロックに温度調整可能な加熱器を設け、プラズマ発生室を所定の温度で一定に保持したまま、被処理基板をプラズマ処理し、被処理基板がプラズマ処理され処理室から搬出された後、試料台に被処理基板がない状態で処理室内をプラズマクリーニングし、プラズマクリーニングが終了して新たな被処理基板を処理室に搬入し、新たな被処理基板を処理することにより、処理性能の良い状態を継続させることができ、安定したプラズマ処理を継続して行うことができる。
本発明によれば、処理性能の良い状態を継続させ安定したプラズマ処理を行うことができるという効果がある。
本発明の一実施例を図1および図2により説明する。図1は、マイクロ波プラズマ処理装置の構成図を示し、この場合、プラズマ処理としてエッチング処理に適用した場合について説明する。
処理室1は、例えば、ステンレス鋼で形成され、内部に空間を有する容器で形成されている。処理室1は、上部に円形の開口部を有し、下部に排気口11が設けられている。排気口11には、真空排気手段が接続されている。真空排気手段は、この場合、圧力制御バルブ12,ターボ分子ポンプ13,ホットバルブ14およびロータリーポンプ15で構成され、排気口11に配管を介して順次接続されて成る。また、排気口11には圧力制御バルブ12の前で、バルブ16を介して高真空を検出するための圧力検出器17(この場合、ペニング真空計)が取り付けられている。また、排気口11に圧力制御バルブ12の前で処理中の圧力を検出する隔膜真空計(図示省略)が取り付けられている。処理室1は、この場合、ベーローズを用いた仕切弁18によって内部空間が仕切られる構造となっている。仕切弁18には、昇降駆動装置19が連結されている。
処理室1上部の開口部にはサポートが設けられ、サポート上にウエハ押え19を載置して保持している。処理室1上部の開口部には、リング状のベースフランジ2を介して中空円筒の放電ブロック3が気密に取り付けられている。放電ブロック3は、内面が下方(図面上)に向けて軸方向に向けて約20°の角度でテーパ状に拡大された形状をなし、上部(図面上)内面の円周上に、この場合、24ヶ所のガス吹出口32が均等に設けてある。放電ブロック3内面のテーパ形状はプラズマの均一拡散を行わせ、被処理基板を均一に処理させるためのものであるが、テーパの角度は放電ブロック3内でマイクロ波が進行する際に電界モードが変化または他の電界モードが増加して混入しないようにゆるやかな角度とするのが良い。このテーパ角度の寸法は、例えば、マイクロ波の電界モードTE11もしくは近似モードの場合、被処理基板の径をDとすると、被処理基板の位置で1.5〜2.0D,マイクロ波導入窓の位置で0.5〜1.5D,その間の高さを1.0〜1.5Dとすることが望ましい。放電ブロック3は、アルミニウム,非磁性ステンレス等の非磁性導電材料により形成されている。放電ブロック3の内面には、耐プラズマ部材である保護部材が形成されている。該耐プラズマ部材とはプラズマ中の活性種によってエッチングされにくい材料をいう。例えば、アルミナ,ムライト(Al+SiO),石英等を用いる。この場合は、保護部材として保護膜31が形成してある。放電ブロック3の外周面には、ヒータ33および熱電対(図示省略)が接触させて取り付けてあり、ヒータ33および熱電対に接続された制御装置34によって放電ブロック3が120℃程度の温度に加温制御される。放電ブロック3の上部開口部には、石英,アルミナ等のマイクロ波を透過可能な材料で形成された円板状のマイクロ波導入窓4が気密に取り付けてあり、処理室1およびこれに連通した放電ブロック3内のプラズマ生成空間が気密に保持される。
マイクロ波導入窓4には円形導波管5が接続してある。円形導波管5の他端には、矩形−円形変換導波管51および矩形導波管52が順次接続してあり、矩形導波管52端部にマイクロ波発振器6が取り付けてある。円形導波管5内には、マイクロ波のチューニングを行うチューニング手段が設けられている。ここでチューニング手段とはマイクロ波の反射量を少なくする手段をいう。この場合、リング状の円板でなるマイクロ波チューニング板53であり、この場合、マイクロ波導入窓4の上部に取り付けてある。チューニング手段は、マイクロ波が連通する開口を有する板であって、該開口の形状はマイクロ波の電界モードによってその最適形状が異なる。例えば、TE11モードおよびこれに近いモードの場合には、楕円等の非円形の形状が好ましい。このようなマイクロ波モードに合わせた最適形状にすると、マイクロ波が吸収されるプラズマ部の電界形状分布(被処理面に平行な面内での分布)が均一となるから、試料処理の均一性が図られる。
円形導波管5および放電ブロック3の外周部には、ソレノイドコイル91およびソレノイドコイル92が位置するようにコイルケース9に取り付けて配置してある。ソレノイドコイル91はソレノイドコイル92よりも強い磁場を発生できるものとしてあり、ソレノイドコイル91,92に接続された制御装置93によってそれぞれ磁場強度を制御可能になっている。コイルケース9は円形導波管5と放電ブロック3とに取付け固定してあり、放電ブロック3から上部を一体として、ベースフランジ2から分離可能に構成してある。放電ブロック3から上部は図示を省略した昇降手段によって取付け取外しされる。コイルケース9の下部には冷却ガス供給口94を設け、円形導波管5の下部には通気孔54を設けて、コイルケース9内部に窒素ガス,空気等の冷却ガスを供給可能にしてあり、コイルケース5内に供給された冷却ガスが通気孔54を介して導波管5,51,52を通って大気に放出されるようにしてある。
ベースフランジ2には、処理ガスのガス供給口21が設けてあり、放電ブロック3との嵌合部に設けたガス連絡通路および放電ブロック3に設けたガスパイプを介してガス吹き出し口32につながるガス供給路が形成してある。さらに、例えば、石英板でなるマイクロ波導入窓4の下に、ガス吹き出し用孔を有する石英板を設置し、該石英板とマイクロ波導入窓4との間に処理ガスを導入し、処理ガスを放電ブロック3の上部から吹き出させることもできる(図示省略)。これらのようにすると、放電ブロック3内面のテーパ形状と相まって放電ブロック3内での新旧処理ガスの置換が促進される。このため、反応生成物の放電ブロック3外への排出が容易となり、エッチング速度および均一性等の向上が伺われる。ベースフランジ2と放電ブロック3との嵌合部に設けたガス連絡通路は、それぞれが組み合わされたときに形成される。
処理室1の底部には、上部に設けた放電ブロック3の軸心と一致させて、被処理基板であるウエハ10が配置される試料台8が絶縁材7を介して設けられる。試料台8には図示を省略した高周波電源が接続されており、バイアス電圧が印加可能になっている。試料台8の中央部には、ウエハ10を試料台8上に配置する、または試料台8から取り除く際に図示を省略した公知の搬送手段、例えば、ロボットアームとの間でウエハ10を遣り取りするためのウエハ押上81が設けてある。ウエハ押上81の下端には昇降駆動装置82が設けてあり、ウエハ押上81を昇降させる。昇降駆動装置82は試料台8下部に連結して取り付けた支持部材83によって固定支持される。さらに、支持部材83の下部には昇降駆動装置84が設けてあり、試料台8を昇降させる。昇降駆動装置84は処理室8下部に取り付けた支持部材85によって固定支持される。試料台8内には、渦巻状の冷媒流路86が形成してあり、冷媒流路86は配管を介して支持部材85に設けた冷媒供給口87と冷媒回収口88につながる。
上記のように構成されたマイクロ波プラズマエッチング装置では、公知の技術によりロードロック室(図示省略)にウエハが導入され真空に保持された状態で、昇降駆動装置19によって仕切弁18が下げられ、搬送アーム(図示省略)によって処理室1内へ搬入される。このとき、試料台8は、昇降駆動装置84によって下げられている。また、ウエハ押上81も昇降駆動装置82によって下げられている。試料台上部でウエハを載置した搬送アームが停止したら、昇降駆動装置82によってウエハ押上81が上昇し、搬送アーム上からウエハ押上81上にウエハを受け取る。ウエハがウエハ押上81上に移ったら、搬送アームは退避位置に戻り、その後、仕切弁18が上げられ処理室1内部が密閉空間に仕切られ、真空排気手段によって処理室1内が真空排気される。
また、搬送アームが退避した後、ウエハ押上81が下げられ、ウエハ10を試料台8上面に配置する。その後、試料台8は昇降駆動装置84によってプラズマ処理されるのに必要な所定の位置まで上昇する。この際、試料台8が上昇する途中で、処理室1のサポート状に載置されたウエハ押え19に、上昇して来たウエハ10の外周上面が当接し、そのままウエハ押え19を持ち上げる。これにより、ウエハ10はウエハ押え19の自重(またはバネ力を利用した押し付け)により試料台8上面に支持される。なお、ウエハ10の試料台8上面への支持は、ウエハ押えの他に静電吸着力を利用したものでも良い。また、試料台8の冷媒流路86には、冷媒供給口87から冷却水等の冷却媒体が供給され、試料台8が所定温度に維持されている。冷却媒体は、冷却する試料台の温度によって使い分けられる。
処理ガス供給前の真空排気手段による処理室1内の真空排気において、圧力検出器17によって所定の圧力を検出したなら、バルブ16を閉じ処理室1内雰囲気から圧力検出器17を隔離する。これにより、処理ガスおよび処理中の反応生成物から圧力検出器17を保護することができ、必要なときに常に正確な検出を行うことができる。次に、ガス供給口21から処理ガスを供給し、複数個均等に設けられたガス吹出口32から放電ブロック3内に処理ガスを均一に導入しながら、隔膜真空計(図示省略)によって処理室1内の圧力を検出し、圧力制御バルブ12によって処理室1内を所定の圧力に制御する。このとき、放電ブロック3内では、放電ブロック3の上部で中心に向けて均等に処理ガスが導入され、上部から下方に向けてテーパ状の放電ブロック3内の空間で均一に拡散されながら排気されるので、生成されるプラズマの均一性向上に効果を与えることができる。
処理室1内が処理のための所定の圧力になったら、マイクロ波発振器6からマイクロ波を発振し、円形導波管5およびマイクロ波導入窓4を介して、放電ブロック3内にマイクロ波を導入する。この際、矩形導波管52および矩形−円形変換導波管51を介して円形導波管5内に導かれたマイクロ波は、拡大された円形導波管5内の空間とマイクロ波チューニング板53とによって、インピーダンスの整合が行われ均一で強い電界が形成され、マイクロ波導入窓4を介して放電ブロック3内に導入される。なお、このとき放電ブロック3は、ヒータ33によって加温され、図示省略した温度検出手段(熱電対)により温度検出しながら制御装置34によって所定温度で保持される。一方、ソレノイドコイル91および92には制御装置93によってそれぞれ所定強度の磁場が発生されるように電力が供給され、放電ブロック3内に平面状のECR面を形成するように磁場が発生される。放電ブロック3内へのマイクロ波の導入と磁場の形成により、放電ブロック3内の処理ガスがECR作用を受けてプラズマ化される。このとき生成されるプラズマは、マイクロ波チューニング板53の作用によって均一に強められた円形導波管5からの電界によって、均一かつ高密度に生成される。マイクロ波チューニング板53は、円形導波管5内のマイクロ波のインピーダンスの整合を行うのに最適な形状に設定され、円形導波管5内のマイクロ波を均一にし、効率良く放電ブロック3内へ導く。
放電ブロック3内に生成された均一かつ高密度のプラズマによって、ウエハ10が均一性良くプラズマ処理される。例えば、被エッチング材として、アルミニウム合金(この場合、Al−Si−Cu)をBCl+Cl+CH(流量比約6:7:1で200sccm)のエッチングガスを用いて、処理圧力を0.012Torrとし、マイクロ波電力を1000W(2.45GHz)として処理した場合、マイクロ波チューニング板53を用いた場合、均一性が約4%となり、マイクロ波チューニング板53を使用しなかったときの均一性約9%に対し、約倍の均一性向上を得ることができた。なお、この場合は、試料台8に高周波電圧を印加しない、プラズマ中の活性種だけによる均一性についての評価結果である。
また、このようにしてウエハ10をプラズマ処理するときに、ソレノイドコイル91,92への電力供給量をそれぞれ制御してECR面のできる位置を、ウエハ10に対して近付ける、または、遠ざけることにより、ウエハ10へのプラズマ中のイオンの入射量が変わり、これにより、処理時の低ダメージ処理,高速エッチング処理,選択エッチング等の処理を選択することができる。
また、このようにしてウエハ10をプラズマ処理するときに、例えば、上記のような処理の場合、反応生成物としてAlClが生成され、プラズマ生成室である放電ブロック3の内壁面に付着しようとするが、放電ブロック3をヒータ33によって、この場合、約120℃に加温することにより、放電ブロック3の内壁面に付着しようとした反応生成物は、昇温して帰化するので、放電ブロック3の内壁面には付着せず排気される。これにより、プラズマ処理の経時変化を抑制することができる。このように、プラズマ処理中は、反応生成物が帰化する温度に放電ブロック3を加温する。
また、プラズマに晒される放電ブロック3の内壁面には耐プラズマ材料としてアルミナ,ムライト,石英等の保護部材、この場合、保護膜31が形成してあるので、この場合、アルミニウムで形成された放電ブロック3が、アルミニウム合金でなる被処理材料と同系であっても、被処理材料をエッチング処理するプラズマから放電ブロック3を保護することができる。
ウエハ10のエッチング処理はこのようにして行われ、処理が終了すると、エッチング用の処理ガスの供給,マイクロ波電力の供給,高周波電力の供給等が停止され、試料台8を下降させて、ウエハの搬入時と逆の工程によりウエハを搬出する。ウエハ搬出後は、エッチング処理用の処理ガスに替え、例えば、OまたはO+SF等のプラズマクリーニング用のガスを放電ブロック3内に導入し、試料台8にウエハ10またはダミーウエハ等を配置しないまま、試料台8への高周波電圧の印加は行わずに、エッチング処理時と同様にしてプラズマを発生させる。このプラズマクリーニングを10数秒実施した後、前述と同様にして新たなウエハをエッチング処理する。ウエハなしのこのプラズマクリーニングは、ウエハの1枚処理毎に実施するのが一番効果的であるが、処理装置を制御する制御装置を、全体のスループットと兼ね合わせて2枚毎または3枚毎とn枚毎に設定できるようにしておき、処理装置が自動的にクリーニングするようにしておく。これにより、従来から行われていたダミーウエハを用いた長時間、例えば、30分程度の本格的なプラズマクリーニングの処理サイクルを、例えば、1ロット毎に行っていたものを4倍ないし10倍以上に延ばせるとともに、さらに、例えば、1日掛かりで1週間毎に行っていた処理装置内を大気開放してのウェットクリーニングを2ないし3週間以上の処理サイクルにすることができ、大幅なスループット向上を図ることができる。なお、基板なしのプラズマクリーニングでも、処理時間が短いことおよび試料台8のウエハ配置面にアルマイト加工等の保護加工を施すことにより、試料台8に影響なく行うことができる。
また、クリーニング時には、ウエハ押上81の設けられた隙間に試料台8の下方から上方に向けて不活性ガス、例えば、N,He等のプロセスに影響を与えないガスを流し、ウエハ押上81の設けられた隙間に溜った埃を吹き飛ばすクリーニングを行うと、さらにクリーニング効果があがる。
また、ソレノイドコイル91,92および制御装置93を除いた場合及び他のプラズマを用いる処理装置の場合でも、スループット向上に関しては同様にこれら上述の作用効果が生じる。
また、放電ブロック3内の大気開放に当たっては、放電ブロック3とベースフランジ2との間でのガス流路の構成により、ガス配管等の接続,取外し作業がなく、また、コイルケース9により一体に構成された放電ブロック3,ソレノイドコイル91および92を一体でベースフランジ2から取り外すことができ、クリーニング作業の準備および点検,補修作業を容易にすることができる。
さらに、真空排気手段のターボ分子ポンプ13等の高真空ポンプとロータリーポンプ等の補助ポンプとの間のバルブを加温可能なホットバルブとすることにより、高真空ポンプの排出側で圧力が高くなり反応性生物等が付着しやすくなるのを防止でき、真空排気手段の信頼性を向上させることができる。
このように、本実施例によれば、種々の作用・効果があり、均一かつ高密度プラズマの生成によりウエハのプラズマ処理における均一性等の処理性能をさらに向上させることができ、また、被処理材料に関係なく処理性能の良いプラズマ処理が行え、さらに、処理性能の良い状態で安定したプラズマ処理を継続して行うことができる。
なお、本実施例では、Al合金のエッチング処理を例に説明したが、被エッチング材の対象としてはこれに限られるものでなく、メタル,ゲート,酸化膜等種々の被エッチング材料に対して適用できる。また、エッチング処理だけでなく、成膜処理等他のプラズマ処理に適用しても良いことはいうまでもない。
また、図1でソレノイドコイル91,92および制御装置93を除いた場合でも、均一性に関しては本実施例と同様の作用が生じ、処理の均一性の向上を図れる。
本発明の一実施例であるマイクロ波プラズマ処理装置を示す縦断面図である。
符号の説明
1…処理室、3…放電ブロック、4…マイクロ波導入窓、5…円形導波管、8…試料台、10…ウエハ、13…ターボ分子ポンプ、31…保護膜、33…ヒータ、53…マイクロ波チューニング板、91,92…ソレノイドコイル。

Claims (4)

  1. プラズマ処理室内をクリーニングし、被処理基板のプラズマ処理を継続して行うプラズマ処理方法において、
    1枚毎に被処理基板のプラズマ処理を実行し、n枚毎(n=1,2,3・・・)の前記被処理基板のプラズマ処理が終了した段階で、前記プラズマ処理室内からプラズマ処理終了後の被処理基板を搬出した後、試料台に被処理基板がない状態で試料台への高周波電圧の印加を行わずに前記プラズマ処理室内をプラズマクリーニングした後、前記被処理基板のプラズマ処理をn枚毎実行することを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 請求項1記載のプラズマ処理方法において、前記プラズマクリーニングは、OまたはO+SFのガスを用いてプラズマクリーニングすることを特徴とするプラズマ処理方法。
  3. 請求項1記載のプラズマ処理方法において、前記プラズマクリーニングは、前記被処理基板のプラズマ処理と前記プラズマクリーニングとを繰り返した後に、前記試料台にダミー基板を配置した状態で前記プラズマ処理室内を長時間プラズマクリーニングする他のプラズマクリーニングを実行し、前記プラズマクリーニングと前記他のプラズマクリーニングとを組み合わせて繰り返し実行することを特徴とするプラズマ処理方法。
  4. 請求項3記載のプラズマ処理方法において、前記プラズマクリーニングと前記他のプラズマクリーニングとを組み合わせて繰り返した後に、前記プラズマ処理室内を大気開放してウェットクリーニングを実行することを特徴とするプラズマ処理方法。
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