JP2006021952A - ドープトシリカガラス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリカガラス中にドーパント元素が均一に存在し、均質性に優れたドープトシリカガラスを効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】シリカ中にドーパント元素を含有させたシリカガラス前駆体に電磁波を照射することにより、前記シリカガラス前駆体を加熱してガラス化することによりドープトシリカガラスを製造する。このドープトシリカガラスは、粒子径が1μm以上のドーパント元素の凝集粒子を含有しない。
【選択図】 選択図なし

Description

本発明は、半導体製造業あるいは光通信業などで幅広く用いられているシリカガラスにドーパント元素を含有させたドープトシリカガラス及びその製造方法に関するものである。更に詳しくは、ドーパント元素を含有するシリカガラス前駆体に、電磁波を照射して加熱することを含む、ドープトシリカガラスの製造方法に関する。さらに、上記製造方法によって合成されたドープトシリカガラスも本発明に含まれる。
シリカガラスは、優れた光透過性、熱安定性、化学安定性などを有し、半導体関連産業にとって欠かせない材料である。純粋なシリカガラスの特徴を活用した分野で使用されるほか、第3成分をドープして新たな機能を付加させたドープトシリカガラスとして、様々な分野で使用されると共に、新規分野への応用が検討されている。シリカガラスに第3元素をドープする方法としては幾つかの方法が提案されている。
酸水素火炎中に原料ガスを供給してシリカ多孔質体(スート体)を形成し、このスート体を高温で熱処理してシリカガラスを製造する方法(VAD法)において、原料ガス中にシリカ源と共にドーパント元素を供給して、ドーパント元素を含有したスート体を形成し、このスート体を電気炉中でガラス化させてドープトシリカガラスを製造する方法が提案されている(特許文献1)。
別の製造方法としては、ドーパント元素の気化が困難な場合のドープ方法として、VAD法で形成したスート体を、ドーパント元素イオンを含有した溶液中に浸漬してドーパント元素をスート体に浸透させ、このスート体を電気炉中でガラス化させてドープトシリカガラスを製造する方法が提案されている(特許文献2)。
特開平5−85759(第2頁) 特公平8−5684(第1頁)
特許文献1に記載された、ドーパント元素含有化合物を合成時にシリカ原料と混合してドープトシリカガラスを合成する方法では、シリカ源とドーパント元素含有化合物との沸点などの違いにより、シリカガラス中に効率よく均一にドーパント元素を含有させることが困難である。その結果、この方法は、製造効率が劣り、コストの点で問題がある。また、この方法では、合成温度などの合成条件が変わると、シリカガラス中に取り込まれるドーパント元素の濃度が変化する。そのため、ドープ量の制御が困難であるばかりでなく、ドーパント元素の分布が不均一になり、得られるドープトシリカガラスは、均質性に劣る、という問題がある。ここで、「均質性」とは、単にドーパント元素濃度分布の均一性を示すのではなく、屈折率分布、歪み分布、透過率分布、熱膨張率分布などシリカガラスに一般的に要求される特性の均一性を示す。ドーパント元素濃度分布が不均一になると、それが直接的あるいは間接的要因となり、屈折率分布などを含めたシリカガラスの均質性が低下する。
特許文献2に記載された、VAD法で形成したスート体にドーパント元素を含浸させた後、電気炉で高温熱処理を行ってドーパント元素を含有させる方法では、スート粒子の外部からドーパント元素が侵入する。そのため、スート粒子内部にドーパント元素を均一に拡散、固定化するのが非常に困難であり、得られるドープトシリカガラスは、均質性に劣るという問題がある。さらに、製造工程が複雑になり製造効率およびコストの点でも問題がある。
一般に知られている電気炉で原料を加熱する方法でガラス化した場合、スート体の外部に設置されたヒータからの熱によってスート体が加熱される。そのため、ガラス化はまず外周部から起こり、時間と共に内部へと進行して行く。このため、得られたシリカガラスインゴットの外周部と内部とでドーパント元素濃度などのシリカガラスの特性に分布が生じ、得られるドープトシリカガラスは、均質性に劣る、という問題がある。この問題を解決するため、シリカガラスインゴットを電気炉で高温熱処理して均質性を改善するための後処理を行う場合がある。しかし、後処理を行うことにより製造コストが高くなると共に、高温で長時間の熱処理を要するため製造効率も低下するという問題がある。このほか、外周部から内部へとガラス化が順次進行するため、ガラス化した部分とガラス化していない部分との境界に構造の違いによる歪みや微細な割れが生じるなどの問題もある。
また、VAD法あるいは、シリカガラス原料を火炎中で加水分解してターゲット上に堆積させると同時にガラス化してシリカガラスインゴットを製造する直接法などの一般的方法によってシリカガラス製品を製造する場合、まず円柱状あるいは角柱状のシリカガラスインゴットを製造した後、成形あるいは加工などの後処理によって所望の製品形状のシリカガラスを得る。そのため、製品歩留まりは30%〜60%程度と低く製造コストが高くなると共に、製造効率が低下するという問題がある。
そこで本発明の目的は、ドーパント元素濃度分布の均一性が高く、かつ屈折率分布、歪み分布、透過率分布、熱膨張率分布などシリカガラスに一般的に要求される特性の均一性にも優れたドープトシリカガラスを提供すること、及びこのドープトシリカガラスを高い製造効率で得られる方法を提供することにある。
以上述べた問題を解決するため、本発明者は鋭意検討を重ねた。その結果、シリカとドーパント元素を予め均一に分散させたシリカガラスの前駆体に、波長が例えば、ミリメートルまたはサブミリメートルの電磁波を照射してシリカガラス前駆体を均一に加熱してドープトシリカガラスを製造すればよいことを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するための本発明は以下の通りである。
[請求項1]シリカ中にドーパント元素を含有させたシリカガラス前駆体に電磁波を照射することにより、前記シリカガラス前駆体を加熱してガラス化することを特徴とするドープトシリカガラスの製造方法。
[請求項2]前記電磁波が連続またはパルス状の波長がミリメートルまたはサブミリメートルの電磁波である請求項1に記載の製造方法。
[請求項3]前記ガラス化は、前記シリカガラス前駆体を900〜1600℃に0.1〜10時間保持することで行う請求項1または2に記載の製造方法。
[請求項4]前記シリカガラス前駆体は、シリカ粉末とドーパント元素含有化合物の粉末との混合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
[請求項5]前記シリカガラス前駆体は、シリコン化合物とドーパント元素含有化合物とを出発原料としてゾル−ゲル法によって作製されたゲルの乾燥物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
[請求項6]ドーパント元素がリチウム、炭素、窒素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、リン、カルシウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ロジウム、パラジウム、銀、ランタン、セリウム、ネオジウム、サマリウム、タンタル、タングステン及び鉛から成る群から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
[請求項7]ドーパント元素がアルミニウム、チタン、マンガン、鉄及びジルコニウムから成る群から選ばれる少なくとも一種の元素である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
[請求項8]ドープトシリカガラスのドーパント元素のモル濃度[ドーパント元素/(シリコン+ドーパント元素)]が0.1%以上、20%以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
[請求項9]ガラス化後の形状が製品形状となるように、シリカガラス前駆体を成形し、成形したシリカガラス前駆体をガラス化する請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
[請求項10]請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法で製造して得られるドープトシリカガラス。
[請求項11]粒子径が1μm以上のドーパント元素の凝集粒子を含有しない請求項10に記載のドープトシリカガラス。
本発明によれば、ドーパント元素を均一に含有した、高均質性ドープトシリカガラスを得ることができる。
さらに本発明の製造方法によれば、ドーパント元素が均一に分散し、均質性に優れたドープトシリカガラスを製造することができる。また、本発明の製造方法では、製品形状への加工や均質性を高めるための熱処理が不要であるため、効率よく低コストでドープトシリカガラスを製造できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法で用いるシリカガラス前駆体は、シリカ中にドーパント元素を含有するものである。このシリカガラス前駆体において、ドーパント元素は、シリカ中になるべく均一に分散されていることが好ましい。「均一に分散されている」とは、ドーパント元素を含有する化合物の、例えば数10〜100μmより大きな凝集粒子がSEMなどで観察されない程度の均一性を意味する。
シリカガラス前駆体としては、例えば、シリカ粉末とドーパント元素含有化合物の粉末との混合物を挙げることができる。この混合物は、シリカ粉末とドーパント元素含有化合物の粉末とを混合することにより調製できる。シリカ粉末としては、例えば、水晶などの天然のシリカ原料を粉砕して作製したものや、シリコン化合物を出発原料として、化学合成反応によって合成して得たものなどを挙げることができる。ドーパント元素含有化合物としては、例えば、ドーパント元素の酸化物やチッ化物などを挙げることができる。
前述のように、シリカガラス前駆体においては、ドーパント元素は、シリカ中になるべく均一に分散されていることが好ましい。そこで、上記シリカ粉末とドーパント元素含有化合物の2種類の粉末を物理的に均一に混合して、ドーパント元素が均一に分散したシリカガラスの前駆体を作製する。この工程は化学反応を伴わないので作業が単純であり、製造効率もよく、再現性にも優れる。シリカ粉末及びドーパント元素含有化合物粉末の粒子径については特に限定されない。均一に混合するには粒子径は細かいほど好ましいが、粉末の取り扱い易さや混合の作業性などを考慮すると、例えば、0.1μm〜10μmの範囲であることが適当である。
別のシリカガラス前駆体としては、シリコン化合物とドーパント元素含有化合物とを出発原料としてゾル−ゲル法によって作製されたゲルの乾燥物を挙げることができる。このゲルの乾燥物は、シリコン化合物とドーパント元素含有化合物とを含む溶液を出発原料として、溶液中で化合物の加水分解、重合反応によってゾルを生成させ、さらに反応を進ませてゲル化し、得られたゲルを乾燥することで得られる。ここで使用するシリコン化合物として、例えば、シリコンアルコキシド、アルキルシリケートなどを挙げることができる。また、ここで使用するドーパント元素含有化合物は、例えば、ドーパント元素のアルコキシド、アルキル化合物、アミド、塩化物、酸化物などを挙げることができる。
本方法では、上述のように溶液中での反応を利用するため、ゾル形成段階でシリコンとドーパント元素とを原子レベルで均一に混合させることが可能である。そのため、ドーパント元素が均一に分散したシリカガラスの前駆体を得ることができる。
本発明の製造方法においては、シリカガラス前駆体を、ガラス化後の形状が製品形状となるように予め成形しておくことが好ましい。具体的には、シリカガラス前駆体を、加圧成形などを用いて、所望の形状に成形しておくことができる。この方法で製造すると、所望の形状のシリカガラスを直接製造できるので、ガラス化後の製品形状への成形あるいは加工などの処理工程が不要となり、生産効率が高まると共に、製品の歩留まりを高めることができる。
前記シリカガラス前駆体に電磁波を照射して加熱し、ガラス化する。ここで用いる電磁波は、シリカガラス前駆体のガラス化に必要な加熱を実施できるものであればよく、例えば、連続またはパルス状の波長がミリメートルまたはサブミリメートルの電磁波、より具体的には、波長0.1mm〜300mmの電磁波を挙げることができる。そのような電磁波の発生装置としては、一般にミリ波発生装置と呼ばれる、波長1mm〜15mm程度の電磁波を発生する装置を挙げることができる。より具体的には、電磁波の発生装置としては、例えば、ジャイロトロンやマグネトロンなどを挙げることができる。
加熱ガラス化する際に使用可能な装置の一例を図1に示す。加熱のための電磁波を発生するジャイロトロンは、導波管によってアプリケーターと接続されており、アプリケーター内は、これに接続された真空ポンプにより真空に排気できるようになっている。また、図1では示していないが、必要に応じて各種ガスを導入することも可能である。
このアプリケーター内に、加熱ガラス化するためのシリカガラス前駆体(試料)を設置する。試料は、均一に加熱ガラス化するため、保温材の中に設置する方が好ましい。保温材の材質としては、例えば、アルミナ等を例示することができる。
加熱ガラス化するための電磁波としては、試料の大きさや保温材の材質にもよるが、周波数1〜300GHz(波長:300〜1mm)、出力1〜10kWの電磁波を使用することが好ましい。また、照射する電磁波は、連続であってもパルス状であってもよい。
電磁波照射時のアプリケーター内の雰囲気としては特に制限はなく、大気雰囲気中、真空中、不活性ガス雰囲気中、窒素雰囲気中、酸素雰囲気中、水素雰囲気中などで行うことができる。不活性ガスとしては、例えば、アルゴン、ヘリウム等を例示することができ、系内の圧力としては、1〜105Paの範囲であることが好ましい。
更に、電磁波照射時の処理条件としては周波数や出力にもよるが、製造効率の点から、温度:900〜1600℃、時間:0.1〜10時間が好ましい。この際、温度は電磁波の強度(パルス幅、出力等)を制御することにより直線的に昇温させても、また、段階的に昇温させてもよく、更に一定温度に達した後、所望の時間、温度で維持してもよい。そして、処理後は、例えば、自然放冷により室温まで下げればよい。
試料を電気炉で加熱ガラス化する従来のガラス化方法では、試料の周囲に設置された発熱体や炉材からの熱伝導あるいは輻射熱により試料が加熱される。そのため、試料の外周部からガラス化が進行すると共に、試料内部に温度勾配が生じるため、ドーパント元素が試料中で拡散し、ドーパント元素濃度に分布が生じる。また、周辺部からガラス化することで、構造の歪みがシリカガラス内部に残存するため、歪みを除いて均質性を改善するための熱処理が必要になる。
これに対して、本発明の電磁波を照射する方法では、前駆体中のシリカの骨格振動が励起されてガラス化が起こり、ガラス化が試料全体で同時に進行する。そのためドーパント元素の移動が抑制され、ドーパント元素が均一に分布した均質性に優れたドープトシリカガラスのインゴットを得ることができる。
ドーパント元素の濃度は、ドーパント元素/(シリコン+ドーパント元素)のモル濃度比で0.1%以上、20%以下の範囲に制御することが望ましい。ドーパント元素濃度が0.1%以上であればドーパント元素を添加した効果が期待できる。また、ドーパント元素濃度が20%以下であれば、ドーパント元素それ自体が持つ特性が強くなりすぎることなく、シリカガラス特有の優れた性能を維持したドープトシリカガラスが得られる。また、ドーパント元素濃度が20%以下であれば、ドーパント元素の凝集も起りにくく、ドーパント元素が均一に分散した均質性の高いドープトシリカガラスを得ることができる。
ドーパント元素の種類は特に限定されるものではなく、例えば、リチウム、炭素、窒素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、リン、カルシウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ロジウム、パラジウム、銀、ランタン、セリウム、ネオジウム、サマリウム、タンタル、タングステン、鉛など種々の元素を用いることができる。これらの元素の中でも、例えば、アルミニウム、チタン、マンガン、鉄、あるいはジルコニウムなどシリカガラス中でシリコン原子と置換し得る元素は特に好ましい。シリカガラス中でシリコン原子と置換して存在する元素をドーパントとして選んだ場合、ドーパント元素がシリカガラスの骨格構造中に比較的容易に取り込まれるためドーパント元素の均一な分散が促進されると共に、一度置換した原子はシリカガラス中で比較的安定に存在するため、ガラス化後はドーパント元素の移動が起こり難く、凝集などの問題が生じない。また、ドーパント原子がシリコン原子と置換して存在するため、シリカガラスインゴット中に構造の歪みを生じることが無く、シリカガラスの均質性が高まる。
本発明は、上記本発明の方法で得られたドープトシリカガラスを包含する。このドープトシリカガラスは、好ましくは、粒子径が1μm以上のドーパント元素の凝集粒子を含有しない、均質性に優れたものである。
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何等限定されるものではない。
試料の均質性は、ドーパント元素の凝集の有無と、ドーパント元素濃度の分布を調べることで評価した。ドーパント元素の凝集は、EPMA分析装置でドーパント元素のマッピング像を観察し、ドーパント元素の1μm以上の凝集粒子の有無を確認して評価した。
ドーパント元素濃度分布は、EPMA分析法で評価した。具体的には、試料を5mm×5mmの升目に区切り、その中心部の10μm×10μmにおけるドーパント元素濃度を定量してその区画の代表値とし、全区画のドーパント元素の濃度を分析し、各々の定量値を比較して試料全体におけるドーパント元素濃度分布を評価した。
実施例1
VAD法により得られたスート体を粉砕してシリカ粉末を作製した。このシリカ粉末100gに市販のジルコニア粉末5gを均一に混合した混合粉末を加圧成形して作製したシリカガラス前駆体をアルミナ製の保温材の中に入れ、アプリケーター内に設置した。大気雰囲気中で、ジャイロトロンから発生した、周波数:24GHz,出力:2kWの電磁波を試料に照射し、室温から30分で1500℃に昇温して、同温度に30分間保持したのち放冷して、ジルコニウムをドープしたシリカガラスを得た。
このようにして得られたドープトシリカガラスから評価用試料を切出し、50mm×50mmの面内での均質性を調べた。ジルコニウムのマッピング像を観察した結果、1μm以上の凝集粒子は観察されなかった。また、ジルコニウム濃度を定量した結果、面内でのジルコニウム濃度(ジルコニウム/(シリコン+ジルコニウム)のモル濃度比)の最低値は2.3%、最高値は2.4%であり、ジルコニウム元素が均一に分布したドープトシリカガラスが得られた。
実施例2
シリコンエトキシドとエタノールと水とを混合した溶液に、チタンエトキシドをチタン/(シリコン+チタン)のモル濃度比が5%になるように混合し、塩酸を加えて加水分解反応によってシリカ−チタニアゾルを合成した。このゾルを乾燥ゲル化して得たシリカガラス前駆体をアルミナ製の容器に入れ、アプリケーター内に設置した。系内の圧力を1×103Paに保つように真空ポンプで排気しながら、ジャイロトロンから発生させた、周波数:300GHz,出力:1kWの電磁波を試料に照射し、室温から15分で1400℃に昇温して、同温度に30分間保持したのち放冷して、チタンをドープしたシリカガラスを得た。
このようにして得られたドープトシリカガラスから評価用試料を切出し、50mm×50mmの面内でのチタンの凝集の有無とチタン濃度分布を調べた。その結果、チタンの凝集は観察されず、また、面内でのチタン濃度の最低値は4.9%、最高値は5.0%であり、チタン元素が均一に分布したドープトシリカガラスが得られた。
実施例3
製品形状が145mm×115mm×6mmtのアルミニウムをドープしたシリカガラス製造を目的として、市販のシリカ粉末とアルミナ粉末を重量比で10:1の割合で混合し、約250mm×200mm×10mmtに加圧成形してシリカガラスの前駆体を作製した。このシリカガラス前駆体をアルミナ製の保温材の中に入れ、アプリケーター内に設置して、大気雰囲気中で、ジャイロトロンから発生した、周波数:24GHz,出力:2kWの電磁波を試料に照射し、室温から30分で1500℃に昇温して、同温度に30分間保持したのち放冷して、アルミニウムをドープしたシリカガラスを得た。得られたシリカガラスの形状は約150mm×120mm×7mmtであった。このシリカガラスから145mm×115mm×6mmtのアルミニウムをドープしたシリカガラス製品を得た。この時の製造歩留まりは約80%と非常に高く、非常に効率よくシリカガラス製品を製造することができた。また、この製品から評価用試料を切り出して均質性を評価した結果、アルミニウムの凝集は観察されなかった。また、アルミニウム濃度の最低値は10.4%、最高値は10.6%と均質性に優れたアルミニウムをドープしたシリカガラス製品が得られた。
本発明のドープトシリカガラスは、優れた光透過性、熱安定性、化学安定性などを有し、半導体関連産業など、種々の分野で利用される可能性がある。
実施例1で用いた装置を示す。

Claims (11)

  1. シリカ中にドーパント元素を含有させたシリカガラス前駆体に電磁波を照射することにより、前記シリカガラス前駆体を加熱してガラス化することを特徴とするドープトシリカガラスの製造方法。
  2. 前記電磁波が連続またはパルス状の波長がミリメートルまたはサブミリメートルの電磁波である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ガラス化は、前記シリカガラス前駆体を900〜1600℃に0.1〜10時間保持することで行う請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記シリカガラス前駆体は、シリカ粉末とドーパント元素含有化合物の粉末との混合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記シリカガラス前駆体は、シリコン化合物とドーパント元素含有化合物とを出発原料としてゾル−ゲル法によって作製されたゲルの乾燥物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. ドーパント元素がリチウム、炭素、窒素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、リン、カルシウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ロジウム、パラジウム、銀、ランタン、セリウム、ネオジウム、サマリウム、タンタル、タングステン及び鉛から成る群から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. ドーパント元素がアルミニウム、チタン、マンガン、鉄及びジルコニウムから成る群から選ばれる少なくとも一種の元素である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. ドープトシリカガラスのドーパント元素のモル濃度[ドーパント元素/(シリコン+ドーパント元素)]が0.1%以上、20%以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. ガラス化後の形状が製品形状となるように、シリカガラス前駆体を成形し、成形したシリカガラス前駆体をガラス化する請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法で製造して得られるドープトシリカガラス。
  11. 粒子径が1μm以上のドーパント元素の凝集粒子を含有しない請求項10に記載のドープトシリカガラス。
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