JPH10275524A - 耐プラズマ部材 - Google Patents

耐プラズマ部材

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JPH10275524A
JPH10275524A JP9080657A JP8065797A JPH10275524A JP H10275524 A JPH10275524 A JP H10275524A JP 9080657 A JP9080657 A JP 9080657A JP 8065797 A JP8065797 A JP 8065797A JP H10275524 A JPH10275524 A JP H10275524A
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JP
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aluminum nitride
microwave
plasma
sintered body
dielectric loss
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JP9080657A
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Koichi Nagasaki
浩一 長崎
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フッ素系や塩素系などのハロゲン系腐食性ガス
雰囲気下において優れた耐プラズマ性を有するととも
に、マイクロ波の透過性に優れる窒化アルミニウム焼結
体からなる耐プラズマ部材を提供する。 【解決手段】フッ素系や塩素系などのハロゲン系腐食性
ガス雰囲気下でプラズマに曝された基体を、窒化アルミ
ニウムを主体とし、その平均結晶粒子径が3μm以上で
あって、かつマイクロ波帯域の誘電損失が1×10-2
下である窒化アルミニウム焼結体により形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素系や塩素系
などのハロゲン系腐食性ガス雰囲気下で優れた耐プラズ
マ性を有するとともに、マイクロ波の高い透過性をもっ
た窒化アルミニウム焼結体からなる耐プラズマ部材に関
するものであり、例えば、半導体製造装置、液晶製造装
置、感光ドラム製造装置等において、主にマイクロ波を
使用し、ハロゲン系腐食性ガス雰囲気下でプラズマを発
生させるCVD装置やスパッタリング装置、あるいはエ
ッチング装置等に用いられるマイクロ波導入窓やマイク
ロ波結合用アンテナ、あるいは静電チャックやサセプタ
などの試料支持台等を構成する基体として好適なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、半導体装置の製造工程に
おいて、半導体ウエハに薄膜を形成するCVD装置やス
パッタリング装置などの成膜装置、あるいは半導体ウエ
ハに微細加工を施すエッチング装置などの半導体製造装
置には、高集積化を目的としてマイクロ波を用いたプラ
ズマ発生機構を備えたものが使用されており、その一つ
に電子サイクロトロン共鳴を用いたものがある。
【0003】この電子サイクロトロン共鳴は、電磁波に
よる電磁界によって自由電子にエネルギーを与え、高密
度のプラズマを発生させる機構であり、このプラズマエ
ネルギーによって半導体ウエハ上に微細加工を施した
り、成膜ガスを原子状態にまで分解して半導体ウエハ上
に薄膜を形成するようになっていた。
【0004】ところで、このようなプラズマ発生機構を
備えた半導体製造装置には、マイクロ波導入窓やマイク
ロ波結合用アンテナ、あるいはサセプタや静電チャック
などの試料支持台が用いられている。
【0005】そして、これらマイクロ波導入窓やマイク
ロ波結合用アンテナには、ハロゲン系腐食性ガス雰囲気
下での耐プラズマ性、マイクロ波の高透過性(低誘電
率、低誘電損失)、真空気密性が要求され、サセプタや
静電チャックなどの試料支持台には、ハロゲン系腐食性
ガス雰囲気下での耐プラズマ性、耐熱性、耐摩耗性が要
求されることから、これらの耐プラズマ部材をアルミナ
焼結体により形成したものがあった(特開平6−345
527号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ナ焼結体は、耐熱衝撃性が低いことから、マイクロ波導
入窓やマイクロ波結合用アンテナとして用いると、マイ
クロ波の透過時に局部的な温度上昇を生じ、この熱応力
により破損する恐れがあり、試料支持台として用いた場
合においても、局部的な温度上昇による破損の恐れがあ
るとともに、アルミナ焼結体は熱伝導特性が悪いために
半導体ウエハを所定の温度に均一に加熱あるいは冷却す
ることが難しく、成膜精度や加工精度に悪影響を与える
とった課題があった。
【0007】一方、近年、フッ素系や塩素系などハロゲ
ン系腐食性ガス雰囲気下において優れた耐プラズマ性を
有するとともに、アルミナ焼結体に比べて耐熱衝撃性に
優れ、かつ高熱伝導特性を有する窒化アルミニウム焼結
体により形成した耐プラズマ部材が提案されている(特
開平5−251365号公報参照)。
【0008】ところが、窒化アルミニウム焼結体は、マ
イクロ波帯域の誘電損失が非常に大きくなるといった課
題があった。
【0009】その為、この窒化アルミニウム焼結体から
なる耐プラズマ部材をマイクロ波導入窓やマイクロ波結
合用アンテナとして用いると、マイクロ波エネルギーの
吸収が大きく、マイクロ波の透過性が悪いことから、所
定出力のプラズマを発生させることができず、さらには
マイクロ波エネルギーの吸収に伴って高温に発熱するこ
とから、この熱応力によって破損する恐れがあり、試料
支持台として用いると、マイクロ波エネルギーの吸収に
より試料支持台の温度が所定値より高くなるために、成
膜精度や加工精度に悪影響を与えるといった課題があっ
た。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本件発明者は、
アルミナ焼結体に比べて耐熱衝撃性及び熱伝導特性の点
で優れるとともに、ハロゲン系腐食性ガス雰囲気下で優
れた耐プラズマ性を有する窒化アルミニウム焼結体に着
目し、この窒化アルミニウム焼結体のマイクロ波帯域に
おける誘電損失を下げることができないかを種々実験を
繰り返したところ、誘電損失は窒化アルミニウムの粒子
径に左右されることを知見し、その平均結晶粒子径を3
μm以上とすることで、マイクロ波帯域における窒化ア
ルミニウム焼結体の誘電損失を1×10-2以下とできる
ことを見出したものである。
【0011】即ち、本発明は、フッ素系や塩素系などの
ハロゲン系腐食性ガス雰囲気下でプラズマに曝される耐
プラズマ部材を、窒化アルミニウムを主体とし、その平
均結晶粒子径が3μm以上であって、かつマイクロ波帯
域の誘電損失が1×10-2以下である窒化アルミニウム
焼結体により形成したものである。
【0012】窒化アルミニウム焼結体の誘電損失を1×
10-2以下とするのは、誘電損失を1×10-2以下とす
ることにより、マイクロ波の透過性を高め、マイクロ波
エネルギーの吸収に伴う発熱を抑えることができるから
である。
【0013】ところで、マイクロ波帯域の誘電損失を1
×10-2以下とするためには、窒化アルミニウムの平均
結晶粒子径を3μm以上、好ましくは10〜15μmと
することが重要である。
【0014】窒化アルミニウムの平均結晶粒子径が3μ
mより小さくなると、耐プラズマ性や機械的強度等を高
めることができるものの、マイクロ波帯域の誘電損失が
1×10-2より大きくなるために、マイクロ波の透過性
が悪くなり、焼結体内に局部的な熱応力が発生するから
である。なお、窒化アルミニウムの平均結晶粒子径が大
きすぎると、窒化アルミニウム焼結体の機械的強度が大
幅に低下することから、50μmを上限とすることが良
い。
【0015】一方、本発明の耐プラズマ部材を構成する
窒化アルミニウム焼結体としては、実質的に窒化アルミ
ニウムのみからなる高純度窒化アルミニウム焼結体、あ
るいはY2 3 、Er2 3 、CeO2 などの希土類酸
化物を1〜10重量%の範囲で含有してなる窒化アルミ
ニウム焼結体が良く、特に、高純度窒化アルミニウム焼
結体は粒界相が殆ど存在しないためにプラズマによる腐
食を大幅に抑えることができ、優れた耐プラズマ性を有
している。
【0016】なお、窒化アルミニウム焼結体の気孔率が
1%より大きかったり、気孔径が10μmより大きなも
のがあると、プラズマによる腐食が進行することから、
気孔率は1%以下、気孔径は10μm以下の緻密質体と
することが良い。
【0017】また、これらの窒化アルミニウム焼結体に
は不純物としてSiあるいはNaやCaなどの周期律表
2a族元素が含まれているが、特にSiはハロゲン系腐
食性ガスと反応し易く、プラズマによる腐食を促進させ
ることになる。その為、耐プラズマ性を高めるうえで、
Siの含有量は1500ppm以下、好ましくは100
0ppm以下とし、他の不純物についても2000pp
m以下とすることが良い。
【0018】ところで、本発明の耐プラズマ部材を製作
するには、平均粒子径が3μm以下、好ましくは1μm
以下である純度99%以上のAlN粉末のみにバインダ
ーと溶媒を添加混合して泥漿を作製するか、上記AlN
粉末に平均粒子径が1μm程度のY2 3 、Er
2 3 、CeO2 などの希土類酸化物を1〜10重量%
の範囲で添加し、さらにバインダーと溶媒を添加混合し
て泥漿を作製する。
【0019】ここで、AlN粉末の平均粒子径を3μm
以下とするのは、均一な組成を得るためには微細なAl
N粉末を用いた方が良いからである。なお、上記AlN
粉末に不純物として含有するSiの含有量は1500p
pm以下、NaやCaなどの周期律表2a族元素の含有
量は2000ppm以下のものが良い。
【0020】次に、これらの泥漿をドクターブレード法
などのテープ成形法や鋳込成形法、あるいは押出成形法
など公知の成形手段により所定の形状に成形するか、あ
るいは上記泥漿を乾燥造粒して顆粒を製作し、この顆粒
を型内に充填して金型プレス法やラバープレス成形法な
ど公知の成形手段により所定形状に成形する。
【0021】しかるのち、成形体を焼成するのである
が、焼結した窒化アルミニウム焼結体の平均結晶粒子径
を3μm以上とするためには焼成条件が重要となる。
【0022】成形体がAlN粉末のみからなる時は、窒
素雰囲気下で65kg/cm2 程度に加圧しながら20
00〜2100℃程度の温度で1〜数時間焼成すること
により、純度が99%以上である高純度窒化アルミニウ
ム焼結体からなる耐プラズマ部材を得ることができ、窒
化アルミニウムの平均結晶粒子径を3μm以上とするこ
とができるとともに、成形体がAlN粉末に希土類酸化
物を含有させたものである時には、窒素雰囲気下で65
kg/cm2 程度に加圧しながら1600〜1900℃
程度の温度で1〜数時間焼成することにより、希土類酸
化物を含んだ窒化アルミニウム焼結体からなる耐プラズ
マ部材を得ることができ、窒化アルミニウムの平均結晶
粒子径を3μm以上とすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0024】図1は本発明の耐プラズマ部材により形成
した静電チャック1で、セラミック基体2の上面を吸着
面3とし、該セラミック基体2の吸着面3側の内部に吸
着用電極4を埋設したものであり、上記セラミック基体
2を、窒化アルミニウムの平均結晶粒子径が3〜15μ
mで、マイクロ波帯域の誘電損失が1×10-2以下であ
る高純度窒化アルミニウム焼結体により形成してある。
【0025】また、セラミック基体2の内部に埋設する
吸着用電極4は、セラミック基体2の変形や破損を防ぐ
観点から、セラミック基体2を形成する窒化アルミニウ
ム焼結体の熱膨張係数と近似したものが良く、例えば、
タングステン、モリブデン、コバール等の金属、あるい
はこれらの合金を用いることができる。
【0026】そして、この静電チャック1の吸着面3に
被吸着物50を載置し、該被吸着物50と吸着用電極4
との間に電圧を印加すると、誘電分極によるクーロン力
や微小な漏れ電流によるジョンソン・ラーベック力を発
現するため、被吸着物50を吸着面3に吸着保持するこ
とができる。そして、本実施形態では、静電チャック1
を構成するセラミック基体2が、高純度窒化アルミニウ
ム焼結体からなるため、フッ素系や塩素系などハロゲン
系腐食性ガス雰囲気下でプラズマに曝されたとしても腐
食が少なく、また、窒化アルミニウムの平均結晶粒子径
が3μm以上であるため、マイクロ波帯域の誘電損失を
1×10-2以下とすることができ、マイクロ波の透過性
を高めることができる。その為、マイクロ波エネルギー
の吸収に伴う発熱を抑えることができるため、この静電
チャック1を用いて被固定物50を吸着保持し、静電チ
ャック1の下面より温度制御機構により加熱あるいは冷
却すれば、被固定物50を所定の温度に均一に加熱ある
いは冷却することができるため、成膜精度やエッチング
加工精度を向上させることができる。
【0027】図2は本発明の耐プラズマ部材により形成
したサセプタ11で、円板状をしたセラミック基体12
からなり、その上面を保持面13としたもので、該セラ
ミック基体12を、窒化アルミニウムの平均結晶粒子径
が3〜15μmで、マイクロ波帯域の誘電損失が1×1
-2以下であり、かつY2 3 、Er2 3 、CeO2
などの希土類酸化物を1〜10重量%の範囲で含有して
なる窒化アルミニウム焼結体により形成してある。
【0028】本実施形態では、サセプタ11を構成する
セラミック基体12が、窒化アルミニウム焼結体からな
るため、フッ素系や塩素系などハロゲン系腐食性ガス雰
囲気下でプラズマに曝されたとしても腐食が少なく、ま
た、Y2 3 、Er2 3 、CeO2 などの希土類酸化
物を含んでいることから、熱伝導率が100W/mk以
上と熱伝導特性を高めることができる。しかも、窒化ア
ルミニウムの平均結晶粒子径が3μm以上であるため、
マイクロ波帯域の誘電損失を1×10-2以下とすること
ができ、マイクロ波の透過性を高めることができる。そ
の為、マイクロ波エネルギーの吸収に伴う発熱を抑える
ことができるため、このサセプタ11の保持面13に被
固定物50を載置し、サセプタ11の下面より赤外線ラ
ンプ51により間接的に加熱すれば、被固定物50を所
定の温度に均一に加熱することができるため、成膜精度
を向上させることができる。
【0029】図3は本発明の耐プラズマ部材により形成
したマイクロ波導入窓21で、プラスマ発生機構により
作られたマイクロ波を処理室に導く時に隔壁となるもの
である。このマイクロ波導入窓21は円板状をしたセラ
ミック基体22からなり、該セラミック基体22を、窒
化アルミニウムの平均結晶粒子径が3〜15μmで、マ
イクロ波帯域の誘電損失が1×10-2以下である高純度
窒化アルミニウム焼結体により形成してある。
【0030】また、上記セラミック基体22の両面は、
成膜装置やエッチング装置にOリングなどのシール材を
介して気密にシールするとともに、耐プラズマ性を高め
るためにその面粗さを中心線平均粗さ(Ra)で0.2
μm以下としてある。
【0031】本実施形態では、マイクロ波導入窓21を
構成するセラミック基体22が、高純度窒化アルミニウ
ム焼結体からなるため、フッ素系や塩素系などハロゲン
系腐食性ガス雰囲気下でプラズマに曝されたとしても腐
食が少なく、また、マイクロ波の透過性が高いことか
ら、所定出力のプラズマを発生させることができるとと
もに、マイクロ波エネルギーの吸収が少ないため、熱応
力による破損を防ぐことができる。
【0032】なお、本実施形態では、本発明の耐プラズ
マ部材により静電チャック、サセプタ、マイクロ波導入
窓を形成した例を示したが、他に、プラズマ発生機構を
備えるCVD装置やスパッタリング装置などの成膜装
置、あるいはエッチング装置等に用いられるマイクロ波
結合用アンテナ、処理室の監視窓、処理室の内壁材など
を構成する基体としても好適に使用できることは言うま
でもない。
【0033】(実施例)ここで、窒化アルミニウムの平
均結晶粒子径を異ならせた高純度窒化アルミニウム焼結
体からなる耐プラズマ部材を試作し、その熱伝導率、マ
イクロ波帯域の比誘電率及び誘電損失について測定実験
を行った。
【0034】本実験では、平均粒子径1.2μm程度
で、かつ不純物としてSiを1000ppm以下の範囲
で含む純度99.8%のAlN粉末にバインダーと溶媒
を加えて泥漿を製作し、ドクターブレード法にて厚さ
0.4mmのグリーンシートを複数枚形成した。そし
て、これらのグリーンシートを積層し、80℃程度の温
度雰囲気下で50kg/cm2 の圧力を加えながら熱圧
着したあと、切削加工を施して円板状の板状体とし、し
かるのち、真空脱脂したあと、窒素雰囲気下で圧力を1
〜100kg/cm2 、焼成温度を1600〜2200
℃の範囲で適宜調整することにより、窒化アルミニウム
の平均結晶粒子径を異ならせた直径200mm、厚み8
mmの円盤状をしたセラミック基体を製作し、両面を中
心線平均粗さ(Ra)0.1μmに研摩したものを試料
として使用した。
【0035】そして、これらの試料の熱伝導率、比誘電
率、誘電損失をそれぞれ測定した。
【0036】なお、窒化アルミニウムの平均結晶粒子径
は、試料断面を1000倍に拡大したSEM(電子顕微
鏡)写真を撮影し、この写真に10本の線を任意に引い
たあと、各線の長さの合計を各線上にある結晶の数で割
った値を平均値として測定し、熱伝導率はレーザーフラ
ッシュ法により測定し、マイクロ波帯域での比誘電率と
誘電損失については、レゾネータ法により2.45GH
zの共振周波数にて測定した。
【0037】各試料の特性(熱伝導率、比誘電率、誘電
損失)は表1に示す通りである。
【0038】
【表1】
【0039】この結果、窒化アルミニウムの平均結晶粒
子径が大きくなるにしたがって、比誘電率及び誘電損失
が小さくなる傾向にあり、特に、試料B〜Fのように窒
化アルミニウムの平均結晶粒子径を3μm以上とすれ
ば、誘電損失を1×10-2以下とすることができた。な
お、窒化アルミニウムの平均結晶粒子径を大きくしても
熱伝導率には変化が見られなかった。
【0040】次に、これらの試料をマイクロ波導入窓と
して電子マイクロトロン共鳴を用いたCVD装置に組み
込み、マイクロ波の透過性及びCF4 ガス雰囲気下での
耐プラズマ性について実験を行った。
【0041】本実験では、マイクロ波の透過性について
2.45GHz、2kWのマイクロ波を導入した時の発
熱を測定することにより評価し、耐プラズマ性について
は、厚みに対する腐食量が10μm未満のものを○と
し、それ以上のものを×として評価した。
【0042】それぞれの結果は表2に示す通りである。
【0043】
【表2】
【0044】この結果、いずれの試料も、高純度窒化ア
ルミニウム焼結体からなるため、耐プラズマ性は優れて
いた。
【0045】しかしながら、試料Aは窒化アルミニウム
の平均結晶粒子径が2μmと小さいために、誘電損失が
1×10-2より大きく、そのためにマイクロ波導入窓が
120℃にまで発熱した。
【0046】これに対し、窒化アルミニウムの平均結晶
粒子径が3μm以下の試料B〜Fは、誘電損失が1×1
-2以下であるために、発熱温度が高くても60℃にま
で抑えることができ、特に、本実験例の窒化アルミニウ
ム焼結体では、窒化アルミニウムの平均結晶粒子径を1
0μmとした試料Dのものが最も発熱を抑えることがで
きた。
【0047】このように、窒化アルミニウムの平均結晶
粒子径を3μm以下とすれば、誘電損失を1×10-2
下とすることができ、マイクロ波の透過性を高められる
ことが判る。
【0048】なお、本実施例では、高純度窒化アルミニ
ウム焼結体からなる耐プラズマ部材について示したが、
希土類酸化物を含有する窒化アルミニウム焼結体からな
る耐プラズマ部材においても同様の傾向が見られた。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、フッ素
系や塩素系などのハロゲン系腐食性ガス雰囲気下でプラ
ズマに曝される耐プラズマ部材を、窒化アルミニウムを
主体とし、その平均結晶粒子径が3μm以上であって、
かつマイクロ波帯域の誘電損失が1×10-2以下である
窒化アルミニウム焼結体により形成したことにより、ハ
ロゲン系腐食性ガス雰囲気下でプラズマに曝されたとし
ても大きな腐食が見られず、かつマイクロ波の透過性に
優れたものとすることができる。
【0050】その為、本発明の耐プラズマ部材により静
電チャックやサセプタなどの試料支持台を形成すれば、
マイクロ波の吸収に伴う発熱を抑えることができるた
め、被固定物を所望の温度に均一に加熱、冷却すること
ができ、マイクロ波導入窓やマイクロ波結合用アンテナ
を形成すれば、所定出力をもったプラズマを発生させる
ことができるため、成膜精度や加工精度を高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の耐プラズマ部材により形成し
た静電チャックを示す斜視図であり、(b)は(a)の
X−X線断面図である。
【図2】本発明の耐プラズマ部材により形成したサセプ
タを示す斜視図である。
【図3】本発明の耐プラズマ部材により形成したマイク
ロ波導入窓を示す斜視図である。
【符号の説明】 1・・・静電チャック、 2・・・セラミック基体、
3・・・吸着面、4・・・吸着用電極、 11・・・サセ
プタ、 12・・・セラミック基体、13・・・保持面、
21・・・マイクロ波導入窓、 22・・・セラミック基
体、50・・・被吸着物、 51・・・赤外線ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23F 4/00 H01L 21/203 S H01L 21/203 21/68 R 21/68 H05H 1/46 C H05H 1/46 H01L 21/205 // H01L 21/205 C04B 35/58 104Y 21/3065 H01L 21/302 B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素系や塩素系などのハロゲン系腐食性
    ガス雰囲気下でプラズマに曝される基体を、窒化アルミ
    ニウムを主体とし、その平均結晶粒子径が3μm以上で
    あって、かつマイクロ波帯域の誘電損失が1×10-2
    下である窒化アルミニウム焼結体により形成したことを
    特徴する耐プラズマ部材。
JP9080657A 1997-03-31 1997-03-31 耐プラズマ部材 Pending JPH10275524A (ja)

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