JP2001278665A - セラミック抵抗体及び基板支持体 - Google Patents

セラミック抵抗体及び基板支持体

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JP2001278665A
JP2001278665A JP2000092466A JP2000092466A JP2001278665A JP 2001278665 A JP2001278665 A JP 2001278665A JP 2000092466 A JP2000092466 A JP 2000092466A JP 2000092466 A JP2000092466 A JP 2000092466A JP 2001278665 A JP2001278665 A JP 2001278665A
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ceramic
aluminum nitride
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weight
flat plate
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JP2000092466A
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Shoji Kosaka
祥二 高坂
Masaki Terasono
正喜 寺園
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】体積固有抵抗が均一で、製品毎のばらつきが少
ないセラミック抵抗体および基板支持体を提供する。 【解決手段】窒化アルミニウム結晶相を主体とする焼結
体からなり、該焼結体中の酸素量が0.3〜3重量%、
Al以外の金属の含有量が1重量%以下、50℃の体積
固有抵抗値が1×107〜1×1012Ωcm、X線回折
における窒化アルミニウム(100)面のX線回折強度
AlNに対する窒化アルミニウム以外の主結晶ピーク強
度Ixのピーク強度比Ix/IAlNが0.06以下である
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック抵抗体
及びその製造方法及び基板支持体に関するものであり、
例えば半導体製造装置等においてウエハを静電的に吸着
保持して処理したり、搬送するための静電チャック等に
用いる基板支持体、並びにこれらを用いた半導体製造装
置に関するものである。
【0002】
【従来技術】液晶を含む半導体デバイスの製造に用いる
半導体製造装置において、シリコンウエハ等の半導体を
成膜やエッチングなどにより加工するためには、シリコ
ンウエハの平坦度を保ちながら保持する必要がある。こ
のような保持手段に用いる基板支持体としては、機械
式、真空吸着式、静電吸着式が提案されている。
【0003】これらの中で、静電的にシリコンウエハを
保持する静電チャックは、シリコンウエハの加工時に要
求される加工面の平坦度や平行度を容易に実現すること
ができる。また、シリコンウエハを真空中で加工処理す
る事ができ、半導体の製造に適しているため、多用され
ている。
【0004】最近では、200℃以下で使用される静電
チャックにおいて、シリコンウエハの保持のためにより
高い吸着力が要求されており、より高い吸着力を得るた
めには、抵抗を低くすることが提案されている。
【0005】例えば、特開平2−22166号公報で
は、アルミナを主成分とするセラミック原料にアルカリ
土類金属及び遷移金属を、酸化物の重量に換算して、そ
れぞれ、1〜6重量%、0.5〜6重量%含有させ、還
元雰囲気下で焼成して静電チャック用のセラミックスを
製造し、その体積固有抵抗を1×1012Ωcmにまで低
下させている。
【0006】しかし、近年の半導体素子の集積度の向上
に伴い、静電チャック自体の高純度化が要求されるとと
もに、静電チャックへの要求特性が高度化してきてお
り、例えば、耐食性、耐摩耗性、耐熱衝撃性、熱伝導性
に優れた静電チャックが要求され、特に、窒化アルミニ
ウムが、注目されている。
【0007】例えば、特開平10−72260号公報で
は、高純度の窒化アルミニウムの成形体中に金属電極を
埋設し、ホットプレス焼成をすることにより、酸素を窒
化アルミニウム結晶中に固溶させた窒化アルミニウム結
晶相を形成し、室温での体積固有抵抗を1×109〜1
×1013Ωcmとした静電チャックが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
10−72260号公報に記載された窒化アルミニウム
焼結体の体積固有抵抗は、厚みが大きい場合、電極から
ウエハ載置面にかけて厚み方向の抵抗値の変化などによ
ると考えられる体積固有抵抗のばらつきが発生しやすい
という問題があった。
【0009】また、特開平10−72260号公報に記
載された窒化アルミニウム焼結体の吸着特性に影響を及
ぼす体積固有抵抗が、量産時においてばらつき、製品の
信頼性が低下するという問題があった。
【0010】さらに、特開平10−72260号公報に
は、電極を埋設せず、窒化アルミニウム焼結体の抵抗を
低くする方法も提案しているが、抵抗を低くするために
は、ホットプレスの後に高温での焼成をもう一度行わな
くてはならず、工程が複雑になり、製造コストが高くな
り問題である。
【0011】したがって、本発明は、体積固有抵抗が均
一で、製品毎のばらつきが少ないセラミック抵抗体およ
び基板支持体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミック抵
抗体の体積固有抵抗値が、セラミックス中に含有する酸
素量と窒化アルミニウム主結晶相の粒界に存在する粒界
結晶相とに依存し、これらを制御することにより目的の
抵抗値が安定して得られるという知見に基づくものであ
る。
【0013】すなわち、本発明のセラミック抵抗体は、
窒化アルミニウムを主体とする焼結体からなり、該焼結
体中の酸素量が0.3〜3重量%、Al以外の金属の含
有量が1重量%以下、50℃の体積固有抵抗値が1×1
7〜1×1012Ωcm、X線回折における窒化アルミ
ニウム(100)面のX線回折強度IAlNに対する窒化
アルミニウム以外の主結晶ピーク強度Ixのピーク強度
比Ix/IAlNが0.06以下であることを特徴とする。
【0014】この構成により、窒化アルミニウムを主体
とする焼結体は、窒化アルミニウム主結晶相の粒界に低
抵抗の粒界相を形成し、また、この粒界相の電気的な連
続性を切断する高抵抗物質が粒界に生成されにくなり、
その結果、焼結体内での体積固有抵抗が均一で、ばらつ
きの小さいセラミック抵抗体を得ることができる。
【0015】特に、窒化アルミニウムを主体とする焼結
体中の炭素量が、1重量%以下であることが好ましい。
このように炭素量を少なくすることによって、炭素によ
る1×105Ωcm以下の異常な低抵抗化を防ぐことが
できる。
【0016】また、焼結体中の窒化アルミニウム結晶相
の平均粒子径が、6μm以上であることが好ましく、耐
プラズマ性を向上することができる。
【0017】また、本発明のセラミック抵抗体の製造方
法は、酸素を0.3〜3重量%含有し、Al以外の金属
の含有量が1重量%以下の窒化アルミニウム粉末からな
る成形体を、1500〜1700℃で保持した後、20
00℃以上の温度で焼成することを特徴とし、この製造
方法により特性の安定化が図れるとともに、抵抗制御の
ために焼成後の熱処理を必要としないので低コスト化が
可能である。
【0018】本発明の基板支持体は、本発明のセラミッ
ク抵抗体からなるセラミック平板と、該セラミック平板
の一方の面に設けられた電極と他の面に設けられた被処
理物載置面とを具備し、前記電極に印加された電圧によ
って誘起された静電気力で被処理物を吸着し、固定する
ことを特徴とする。
【0019】また、セラミック平板と、該セラミック平
板の内部に設けられた電極と、前記セラミック平板の少
なくとも一方の表面に、被処理物を載置する被処理物載
置面とを具備し、前記電極に印加された電圧によって誘
起された静電気力で被処理物を吸着し、固定する基板支
持体において、前記セラミック平板内の少なくとも前記
電極と前記被処理物との間のセラミックスが本発明のセ
ラミック抵抗体からなることを特徴とする。
【0020】これら本発明の基板支持体は、離脱応答性
がよく、スループットを高め、製品のコストを低減する
ことができる。
【0021】さらに、本発明の半導体製造用装置は、真
空容器と基板支持体とを具備する半導体製造用装置であ
って、前記真空容器の少なくとも一部および/または基
板支持体に、本発明のセラミック抵抗体および/または
本発明の基板支持体を用いたことを特徴とする。
【0022】この装置を用いることにより、製品の低コ
スト化を可能とし、また、信頼性の高い半導体製造装置
を実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明のセラミック抵抗体は、窒
化アルミニウム結晶相を主体とする焼結体からなり、焼
結体中の酸素量を、0.3〜3重量%に制御することが
重要であり、特に0.4〜2.5重量%、さらには0.
5〜2重量%が好ましい。酸素量が0.3重量%未満ま
たは3重量%を越えると、50℃の抵抗が1×107
1×1012Ωcmの範囲を逸脱してしまう。
【0024】その理由について明らかではないが、酸素
量が0.3重量%未満では、電荷の移動体となる粒界相
が少なくなり、この粒界相が焼結体中で連続しなくなっ
て電気が流れなくなるため、抵抗が高くなると考えられ
る。換言すれば、導電経路となる粒界相を連続して形成
するために、酸素量を0.3重量%以上にする必要があ
る。
【0025】また、酸素量が3重量%を越えると、粒界
相に高抵抗のAlONやポリタイプの結晶が生成し、電
荷の移動体である粒界相の連続性を遮断するために抵抗
が高くなると考えられる。換言すれば、酸素が過度に含
有されると、AlONやポリタイプが増加し、その結
果、導電経路を分断してセラミック抵抗体の体積固有抵
抗値を高くしてしまう。
【0026】さらに、焼結体のX線回折強度において、
窒化アルミニウム(100)面のX線回折強度IAlN
対する窒化アルミニウム以外の主結晶ピーク強度Ix
ピーク強度比Ix/IAlNを0.06以下とすることが必
要で、特に0.04以下、さらには0.03以下が好ま
しい。
【0027】窒化アルミニウム以外に、例えば高抵抗の
AlONやポリタイプなどの結晶が生成すると、これら
の粒子が、電荷の移動体である粒界層の連続性を遮断す
るために、窒化アルミニウム結晶相を主体とする焼結体
の抵抗を高くしてしまうと考えられる。特に、酸素量が
多くなるにつれてAlN以外の結晶相の生成が促進され
る。
【0028】また、Al以外の金属の含有量が1重量%
以下であることが重要であり、特に0.5重量%以下、
さらには0.1重量%以下であることが好ましい。Al
以外の金属の含有量が1重量%よりも多いと金属はフッ
素含有ガス等に対する耐食性が低いため金属不純物の偏
在する部分の耐プラズマ性が劣ってしまう。実際には、
各金属の含有量を分析し、多い順に10種の合計量を上
記のAl以外の金属の含有量とした。分析法としては、
蛍光X線分析またはICP分析が好ましい。
【0029】さらに、体積固有抵抗値が1×107〜1
×1012Ωcmであることが重要である。これにより、
電荷の移動を容易にするとともに、移動する電荷量を制
限でき、特に静電チャックに好適に用いることができ
る。また、電荷移動量、すなわち漏れ電流を低く抑制す
る点で、体積固有抵抗値は、特に1×108〜1×101
1Ωcm、さらには1×109〜1×1010Ωcmが好ま
しい。
【0030】また、本発明品のセラミック抵抗体は、含
有する炭素量が1重量%以下にするのが好ましい。炭素
は導電性粒界相の形成に関係があると考えられるが、炭
素量を1重量%以下にすることにより、50℃における
体積固有抵抗を1×107〜1×1012Ωcmの範囲に
設定することが、容易になる。
【0031】さらにまた、焼結体の窒化アルミニウム主
結晶相の平均粒子径は、6μm以上、特に10μm以
上、さらには20μm以上であることが好ましい。この
粒子径を6μm以上にすることにより、耐プラズマ性を
向上させる傾向がある。
【0032】次に、本発明にかかる窒化アルミニウム質
焼結体を製造するための方法について説明する。まず、
出発原料として純度99重量%以上、粒子径が5μm以
下、好ましくは3μm以下のAlN粉末を用意する。用
いるAlN粉末は、還元窒化法、または直接窒化法のい
ずれの製造方法で作製した粉末でも良い。
【0033】AlN粉末の酸素量は、0.3〜3重量%
の範囲になるように調整することができる。すなわちA
23、SiO2等の酸化物を添加することにより、混
合粉末中の酸素量を0.3〜3重量%に調整する。
【0034】なお、所望により炭素源を混合し、炭素量
を調整することができる。すなわち、例えば、炭素源と
して、炭素粉末、加熱により炭素に変化する有機物、高
分子化合物等を添加すればよい。
【0035】次に上記の窒化アルミニウム粉末を、成形
し、所望の形状にする。成形の方法は、金型プレス、C
IP、テープ成形、鋳込み等どの成型方法を用いてもよ
い。成形体は、成形の時に必要なバインダー成分を除去
した後、焼成を行う。
【0036】まず、焼成温度に達する前に、1500〜
1700℃、好ましくは1550〜1650℃での保持
を設ける。導電性粒界相の形成を助長し、かつ過剰の炭
素等の制御をすることにより、体積固有抵抗値を安定化
することができる。この温度保持は、窒素ガスなどの不
活性ガス雰囲気または真空中などの雰囲気において行う
ことができる。雰囲気の圧力は特に限定されないが、1
気圧以下、特に1kPa、さらには100Pa以下の減
圧下において行うことが好ましい。保持時間は、試料の
量、組成によって異なるが、焼結が進むのを考慮すると
20分以上、特に1時間以上であることが好ましい。ま
た、圧力計を用いてガスの発生が少なくなるのを観察
し、それを保持終了の目安としても良い。
【0037】次いで、2000℃以上の温度に設定し
て、焼成を行う。したがって、例えばホットプレス装置
を用いて10Paの真空度で、1600℃で1時間保持
した後、昇温して温度を2100℃に保持し、200M
Paの圧力を加えて2時間保持して焼成を行う。なお、
焼成は炭素の存在する雰囲気の中で行うことが好まし
い。
【0038】本発明のセラミック抵抗体を用いた基板支
持体のひとつの例としてSiウエハなどを静電的に吸着
する静電チャックについて説明する。
【0039】本発明の基板支持体の一例である静電チャ
ックを図1に示す。これは、双極タイプの静電チャック
1であり、セラミック平板2の内部に電極3および4が
設けられている。電極3および4には、正、負の電圧が
それぞれ印加される。したがって、図1には記載してな
いが、外部から電極3および4に電圧を供給するための
接続端子を含むことは言うまでもない。
【0040】そして、セラミック平板2の一面にウエハ
5などの被処理物を載置する被処理物載置面6が設けら
れており、電極3および4に電圧を加えると、ウエハ5
は、静電チャック1に静電的に吸着される。
【0041】なお、セラミック平板2は電極3および4
の位置から被処理物載置面6までの吸着部位2aと、そ
の反対の支持部位2bとに、実質的に分けられ、少なく
とも吸着部位2aを本発明のセラミック抵抗体にするこ
とにより、特性の優れた静電チャックを実現することが
できる。
【0042】すなわち、本発明の基板支持体は、セラミ
ック平板2と、その内部に設けられた電極3および4
と、セラミック平板2の少なくとも一方の表面に、ウエ
ハ5などの被処理物を載置する被処理物載置面6とを具
備し、電極3および4に印加された電圧によって誘起さ
れた静電気力でウエハ5などの被処理物を吸着し、固定
する基板支持体において、セラミック平板2内の少なく
とも電極3および4と被処理物載置面6との間のセラミ
ックス、すなわち吸着部位2aのセラミックスが本発明
のセラミック抵抗体からなる。
【0043】特に、高い吸着力を得るために、吸着部位
2aの体積固有抵抗値が1×107〜1×1012Ωcm
であることが重要である。また、電圧を印加した時、流
れる電流を低く抑制する点で、体積固有抵抗値は、特に
1×108〜1×1011Ωcm、さらには1×109〜1
×1010Ωcmが好ましい。
【0044】したがって、この吸着部位2aの50℃の
体積固有抵抗は1×107〜1×1012Ωcmで、−7
0〜200℃の温度範囲において、ウエハを静電吸着す
ることができる。
【0045】また、図2は本発明の基板支持体の他の構
造を示すもので、単極タイプの静電チャック11の例で
ある。セラミック平板12の内部に電極13が埋設する
ように設けられ、セラミック平板12の一面にウエハ1
5などの被処理物を載置する被処理物載置面16が設け
られている。セラミック平板12は、実質的に吸着部位
12aおよび支持部位12bに分割され、少なくとも吸
着部位12aには、本発明のセラミック抵抗体が用いら
れている。
【0046】そして、電極13とウエハ15との間に電
圧が印可され、静電的な吸着が起こる。なお、図2には
記載してないが、外部から電極13に電圧を供給するた
めの接続端子が含まれることは言うまでもない。
【0047】さらに、図3は、本発明の基板支持体のさ
らに他の構造を示すもので、静電チャック21は、本発
明のセラミック抵抗体からなる平板22の一方の面に設
けられた電極23と、他の面に設けられたウエハ25な
どの被処理物を載置する被処理物載置面26とを具備
し、電極23に印加された電圧によって誘起された静電
気力によってウエハ25を吸着し、ウエハ25を基板支
持体である静電チャック21に固定するものである。
【0048】なお、図示はしないが、静電チャックの内
部には高周波用電極やヒーター用電極を埋設し、使用す
ることも可能である。これら電極には、周知の導電材料
が使用でき、例えば、タンタル、白金、レニウム、ハフ
ニウム、W、Mo、Mo−Mn、Ag、WC、C、Ti
N、TiB2等を例示できる。
【0049】さらには、所望により、冷却用の冷媒の通
路をセラミック平板内に設けたり、ペルチェ素子などの
冷却用装置を内蔵することもできる。
【0050】このように、本発明のセラミック抵抗体を
用いた基板支持体の一例である静電チャックは、吸着力
が高く、吸着の離脱応答性が向上し、スループットが速
くなる。また、その製造方法においては、歩留まりが向
上し、焼成後の熱処理も不要のため、製造コストを低減
できる。
【0051】
【実施例】粒子径1μmの還元窒化法の窒化アルミニウ
ム粉末(A1)または粒子径1μmの直接窒化法の窒化
アルミニウム粉末(A2)とを用いた。また、粒子径1
μmの炭素粉末及び粒子径1μmのAl23粉末を表1
に示す組成になるように混合した。
【0052】これらの混合粉末をエタノールを用いて混
合し、バインダを加えて成型用粉末を作製した。これを
直径50mm、厚み6mmの円板に成形し、脱脂してホ
ットプレス用成形体とした。ホットプレスは、カーボン
型に上記のホットプレス用成形体をセットし、表1に示
す条件で焼成した。なお、焼成前の1500〜1700
℃での保持は、すべて2時間とした。
【0053】得られた焼結体は、X線回折分析により得
られた回折パターンにおいて、窒化アルミニウム以外の
主結晶ピーク強度Ixと窒化アルミニウムの(100)
面のX線回折強度IAlNの比(Ix/IAlN)を算出し
た。
【0054】また、珪素と周期律表第3a族元素との組
成は焼結体の蛍光X線分析から分析し、金属不純物の多
い元素10種の総量を算出した。
【0055】さらに、試料厚みを2mmとし、体積固有
抵抗を、JIS3端子法により、50℃で測定した。こ
の時、各試料番号毎に10個ずつ測定し、平均値と、最
大値の対数と最小値の対数との差で表される体積固有抵
抗の幅とを算出した。すなわち、体積固有抵抗のばらつ
きはlog(最大値)−log(最小値)で表され、こ
の値は対数のため、桁を意味する。例えば、体積固有抵
抗の幅が1の時、1桁の範囲、例えば1×109〜1×
1010の範囲内で、ばらつくことを意味する。
【0056】粒子径は、焼結体を研磨後、鏡面状態に研
磨し、走査型電子顕微鏡により400、1000および
3000倍の写真を撮影し、コード法により窒化アルミ
ニウムの結晶粒子径を算出した。
【0057】さらにまた、プラズマテストを行い、耐食
性を評価した。すなわち、20mm×20mmで厚みが
2mmの試験片を作製し、表面を鏡面加工したものを試
料とした。表面のRaは0.4μm以下であった。
【0058】この試験片を、RIE(リアクティブ・イ
オン・エッチング)装置を用いてCH4とCHF3とAr
の混合ガスプラズマに試験片を曝し、エッチング率をテ
スト前後の重量変化から算出した。ガス流量100sc
cm、エッチング圧力は5Pa、RF出力は0.8W/
cm2、エッチング時間は3時間であった。
【0059】吸着特性は、図1に示した構造を有する静
電チャックを作製し、吸着力、吸着力が飽和するまでの
飽和時間、および電荷が除去されるまでの除電時間を測
定し、評価した。すなわち、吸着力は50℃で400V
を印加し、印加から30秒後までの吸着力の時間依存性
を測定した。吸着力が飽和するまでの時間(飽和時間)
と、電圧の印加を停止し吸着力がなくなるまでの時間
(除電時間)を測定した。すなわち、飽和時間は、電圧
印加30秒後の吸着力を100%とした時、90%の吸
着力を示す時間とした。また、除電時間は、電圧の印加
停止から吸着力が10MPaまで低下するのに要した時
間とした。結果を表1および表2に示した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】本発明の試料No.2〜9、11〜14、
16〜20、23〜24、26〜34および37〜48
は、焼結体中の酸素量が0.3〜3重量%、Al以外の
金属の含有量が1重量%以下、体積固有抵抗値は平均値
が1×107〜9×1011Ωcm、幅が1.7桁以下、
x/IAlNが0.06以下の材料特性を有しており、こ
れを用いた静電チャックの吸着力は200MPa以上、
吸着力の飽和時間は5秒以下、電荷の除電時間は6秒以
下であった。また、エッチング率は、10nm/min
以下であった。
【0063】一方、本発明の範囲外の試料No.1およ
び25は、焼結体中の酸素量が0.1重量%と少なく、
体積固有抵抗値も2×1012Ωcm以上と大きいため、
静電チャックに用いた場合、吸着力は150MPaと小
さく、吸着力の飽和時間は8秒以上、電荷の除電時間は
10秒以上であった。
【0064】また、本発明の範囲外の試料No.10お
よび35は、焼結体中の酸素量が5重量%と多く、XR
Dピーク比が0.1以上と大きく、体積固有抵抗値も3
×1012Ωcm以上と大きいため、静電チャックに用い
た場合、吸着力は150MPa以下と小さく、吸着力の
飽和時間は9秒以上、電荷の除電時間は11秒以上であ
った。
【0065】さらに、体積固有抵抗が3×1012Ωcm
以上と大きく、本発明の範囲外の試料No.22および
36は、静電チャックに用いた場合、吸着力は150M
Pa以下、吸着力の飽和時間は9秒以上、電荷の除電時
間は11秒以上であった。
【0066】さらにまた、体積固有抵抗値が3×103
Ωcmと小さく、本発明の範囲外の試料No.21は、
吸着しないため、吸着特性の測定が不可能であった。
【0067】また、本発明の範囲外の試料No.15
は、Al以外の金属の含有量が1.5重量%と大きいた
め、エッチング率が18nm/minと大きかった。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、酸素量を制御すること
により形成した導電性粒界相の導電性を利用することに
より、材料中の体積固有抵抗の均一性を高めると共に、
抵抗ばらつきのない信頼性の高い抵抗体を提供するとと
もに、吸着力が高く、吸着の離脱応答性に優れた基板支
持体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板支持体の構造を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の基板支持体の他の構造を示す断面図で
ある。
【図3】本発明の基板支持体のさらに他の構造を示す断
面図である。
【符号の説明】
1・・・基板支持体 2・・・セラミック平板 2a・・・吸着部位 2b・・・支持部位 3、4・・・電極 5・・・ウエハ 6・・・被処理物載置面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウム結晶相を主体とする焼結
    体からなり、該焼結体中の酸素量が0.3〜3重量%、
    Al以外の金属の含有量が1重量%以下、50℃の体積
    固有抵抗値が1×107〜1×1012Ωcm、X線回折
    における窒化アルミニウム(100)面のX線回折強度
    AlNに対する窒化アルミニウム以外の主結晶ピーク強
    度Ixのピーク強度比Ix/IAlNが0.06以下である
    ことを特徴とするセラミック抵抗体。
  2. 【請求項2】前記焼結体中の炭素量が、1重量%以下で
    あることを特徴とする請求項1記載のセラミック抵抗
    体。
  3. 【請求項3】前記焼結体の窒化アルミニウム結晶相の平
    均粒子径が、6μm以上であることを特徴とする請求項
    1または2記載のセラミック抵抗体。
  4. 【請求項4】酸素を0.3〜3重量%含有し、Al以外
    の金属の含有量が1重量%以下の窒化アルミニウム粉末
    からなる成形体を、1500〜1700℃で保持した
    後、2000℃以上の温度で焼成することを特徴とする
    セラミック抵抗体の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至3のうちいずれかに記載のセ
    ラミック抵抗体からなるセラミック平板と、該セラミッ
    ク平板の一方の面に設けられた電極と他の面に設けられ
    た被処理物載置面とを具備し、前記電極に印加された電
    圧によって誘起された静電気力で被処理物を吸着し、固
    定することを特徴とする基板支持体。
  6. 【請求項6】セラミック平板と、該セラミック平板の内
    部に設けられた電極と、前記セラミック平板の少なくと
    も一方の表面に、被処理物を載置する被処理物載置面と
    を具備し、前記電極に印加された電圧によって誘起され
    た静電気力で被処理物を吸着し、固定する基板支持体に
    おいて、前記セラミック平板内の少なくとも前記電極と
    前記被処理物との間のセラミックスが請求項1乃至3の
    うちいずれかに記載のセラミック抵抗体からなることを
    特徴とする基板支持体。
  7. 【請求項7】真空容器と基板支持体とを具備する半導体
    製造用装置であって、前記真空容器の少なくとも一部の
    容器構成部材および/または基板支持体に、請求1乃至
    3のうちいずれかに記載のセラミック抵抗体および/ま
    たは請求項5または6記載の基板支持体を用いたことを
    特徴とする半導体製造装置。
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