JPH07142414A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JPH07142414A
JPH07142414A JP11728994A JP11728994A JPH07142414A JP H07142414 A JPH07142414 A JP H07142414A JP 11728994 A JP11728994 A JP 11728994A JP 11728994 A JP11728994 A JP 11728994A JP H07142414 A JPH07142414 A JP H07142414A
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JP
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plasma processing
vacuum window
processing chamber
plasma
microwave
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JP11728994A
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Yasushi Sakakibara
康史 榊原
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】処理用ガスをマイクロ波でプラズマ化して被処
理体表面の処理を行うプラズマ処理装置を、マイクロ波
導波管と,装置本体のプラズマ処理室との間に介装され
てマイクロ波を透過させる,誘電体からなる板状の真空
窓の熱破壊を生じることなく大電力マイクロ波をプラズ
マ処理室へ導入可能な装置とする。 【構成】真空窓4の材質を、誘電体として金属なみに高
い熱伝導率と一般の無機質誘電体より大幅に小さい熱膨
張係数とを有するとともに耐蝕性がAl2 3と同等以
上に高い窒化アルミニウムとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体ウエハのプロ
セスに適用するプラズマ処理装置、より詳しくは、マイ
クロ波発生手段と、マイクロ波伝達手段と、誘電体から
なる板状の真空窓を介してマイクロ波伝達手段と結合さ
れるプラズマ処理室と、プラズマ処理室の排気手段とを
備え、プラズマ処理室に導入されたガスを真空窓を透過
したマイクロ波でプラズマ化してプラズマ処理室内の被
処理体に薄膜形成,食刻あるいは灰化等の処理を行うプ
ラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハに対する薄膜形成,食刻あ
るいは灰化などのプロセス処理をプラズマを利用して行
うプラズマ処理が周知であり、このプラズマ処理に用い
る装置として、プラズマの生成にマイクロ波を用いるプ
ラズマ処理装置が知られている。このプラズマ処理装置
は、周波数が高く、これによりプラズマ密度の上昇速度
が速く、高密度のプラズマが得られるマイクロ波を用い
てプラズマを発生させるものであり、その構成概要を図
4に示す。図において、1はマイクロ波発生装置、2は
マイクロ波を伝達するマイクロ波導波管、3は被処理ウ
エハが置かれるプラズマ処理室、4は誘電体からなる板
状の真空窓、10は真空窓4を透過したマイクロ波によ
ってプラズマ化されるプラズマ原料ガスをプラズマ処理
室3内へ導入するためのプラズマ原料ガス導入管、11
は反応ガスをプラズマ処理室3内へ導入するための反応
ガス導入管、12はプラズマ処理室3に接続した真空排
気装置、8は被処理ウエハ7を載置するとともに高周波
電源9に接続されかつ被処理ウエハ7の処理工程中被処
理ウエハ7の温度を所定温度に保持するように外部から
熱媒体を供給されるステージである。
【0003】このように構成されるプラズマ処理装置に
おけるプラズマ処理は、例えば被処理ウエハ7にSiO
2 薄膜を形成する場合には、以下のように推移する。ま
ず、プラズマ処理室3を真空排気により減圧した状態で
プラズマ原料ガス導入管10を通してO2 ガスを導入し
つつマイクロ波発生装置1を作動させると、O2 ガスの
プラズマが生成される。このO2 ガスプラズマはプラズ
マ処理室3の排気口へ向かって移動し、移動の途中、反
応ガス導入管11から導入されたSiH4 ガスを励起し
てこれを活性化し、活性化されたSiH4 ガスとともに
被処理ウエハ11の表面に近接し、あるいは接触して、
所定温度に保持された被処理ウエハ7の表面にSiO2
膜を形成する。なお、高周波電源9は、被処理ウエハ7
の表面に対地負極性の電位を生じさせ、これにより、被
処理ウエハ7に近接したプラズマ中のイオンを加速し、
イオン衝撃を被処理ウエハ7の表面に与え、これにより
膜を緻密化するとともに、被処理ウエハ表面凹凸部側壁
への直接成膜による密度の粗な膜の形成を阻止して、凹
部底面の膜のスパッタによる緻密な側壁膜形成の役割を
果たす。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記したプ
ラズマ処理装置では、真空窓を形成する誘電体にAl2
3 あるいはSiO2 が用いられており、以下のような
問題点が存在していた。すなわち、マイクロ波発生装置
から送られてきたマイクロ波が真空窓を透過する際に真
空窓はマイクロ波エネルギーの一部を吸収するととも
に、プラズマ処理室内のプラズマから輻射熱を受け、そ
の加熱、昇温の過程で真空窓内に温度分布が生じ、これ
により熱応力が発生する。この熱応力が真空窓材料の許
容応力を超えると真空窓が破壊する。真空窓が破壊する
と、マイクロ波導波管側からプラズマ処理室内へ大気が
流入して真空排気装置の負荷を急増させ、その排気能力
を超えるため、処理室に送り込まれた反応ガス(人体に
有害、あるいは発火性のガスが多い)の一部が破壊した
真空窓を通って導波管側へ流出し、非常に危険な状態が
現出する。
【0005】本発明者らが実験で確めたところ、Al2
3 製の真空窓では、マイクロ波電力が約700Wにな
ると破壊が起きた。しかし、SiO2 製真空窓では約1
000Wまで破壊が発生しなかった。しかし、SiO2
製真空窓は以下の理由からごく限られた用途にしか適用
できない。すなわち、プラズマ処理装置では、成膜時に
プラズマ処理室内壁や被処理ウエハを載置するステージ
にも膜が堆積し、膜の堆積厚さがある値に達すると剥離
して成膜中の膜をパーティクル汚染させるため、定期的
にプラズマ処理室内のクリーニングが行われる。このク
リーニングには、近年、装置を分解しないでクリーニン
グできるドライクリーニングが行われるようになってき
ており、このドライクリーニングには腐食性の強い,例
えばNF 3 のようなガスがクリーニングガスとして用い
られる。これは、このガスをプラズマ処理室内へ導入し
てマイクロ波で励起もしくはプラズマ化し、励起,プラ
ズマ化したクリーニングガスとプラズマ処理室内に堆積
した膜との化学反応により堆積膜を気化してクリーニン
グを行わせるためである。従って、真空窓の材料にSi
2 を用いると、クリーニング時に、クリーニングガス
によってプラズマ処理室側の面が削られてしまう。この
ため、SiO2 製真空窓は、プラズマ処理室内のガスと
直接接触するような使い方ではなく、その高い耐熱強度
を生かすため、耐蝕性は大きいが耐熱強度の比較的小さ
いAl2 3 製真空窓と組み合わせて2重真空窓を構成
し、SiO2 製真空窓は大気側に位置させ、プラズマ処
理室側に位置してガスと直接接触するAl2 3 製真空
窓が熱破壊したときに大気が大量にプラズマ処理室内に
流入するのを阻止して真空排気装置の負荷が急増するの
を防止させることにより、プラズマ処理装置の運転停止
までの間に排気系から大気中へ反応ガスが放出されない
ようにする使い方が提案されている(特願昭62−55
029号)。しかし、2重真空窓としてもAl2 3
真空窓が700程度のマイクロ波電力で熱破壊するの
と、真空窓の構造が複雑になるのとで、真空窓は1重窓
としてプラズマ処理室に導入するマイクロ波電力を制限
し(Al2 3 製真空窓ではマイクロ波電力を、安全率
を掛けて500Wに制限する)、真空窓に加わる熱応力
が許容応力を超えないような範囲で装置を運転してい
る。しかしながら、マイクロ波電力を制限すると、当然
のことながら、成膜,食刻,灰化等の処理速度も制限さ
れ、プラズマ処理装置の生産性が低下し、またクリーニ
ング時間が長引いて装置の稼働率が低下する。そこで、
マイクロ波電力を制限しないで少なくともその自然の耐
熱強度近傍相当のマイクロ波電力下で熱破壊を生じるこ
となく真空窓を使用可能とする方法として真空窓の冷却
が考えられる。これは、真空窓の熱破壊が、真空窓の昇
温過程で生じる温度分布に基因するものであることか
ら、真空窓全体の温度上昇を抑えることにより真空窓板
面上あるいは板材内で隣り合う高,低温2点間の温度勾
配を小さくして2点間に生じる応力を低下させようとす
るものである。しかし、冷却は真空窓の表面で行われ、
一方、熱は真空窓の内部で発生するので、冷却が充分で
ないと却って熱歪みが増すため、強力な冷却が必要とな
り、大形の冷却装置を必要とし、かつ真空窓まわりの構
造も複雑化する。
【0006】本発明の目的は、高いマイクロ波電力を使
用しても真空窓の破壊を生じることなく安全に運転する
ことのできる,処理能力,信頼性の高い、かつ装置構造
の複雑化を避けたプラズマ処理装置を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、冒頭記載のごとく構成されるプ
ラズマ処理装置において、請求項1記載のように、マイ
クロ波が透過する真空窓の材質を窒化アルミニウムとす
る。この場合には、プラズマ処理装置を、請求項2記載
のように、プラズマ処理室が板面に多数の貫通孔を分布
形成された仕切り板を用いて真空窓側空間と反真空窓側
空間とに仕切られ、プラズマ処理室に導入されてプラズ
マ化されるガスは真空窓側空間へ導入されるとともに被
処理体は反真空窓側空間に置かれかつプラズマ処理室の
排気手段は反真空窓側空間に備えられる装置に構成すれ
ば極めて好適である。
【0008】また、請求項1記載のプラズマ処理装置と
する場合、この装置を、プラズマ処理室内にマイクロ波
との電子サイクトロン共鳴を生じる磁場を形成するため
の磁場発生手段を備えたものとするのもよい。そして、
上記真空窓に用いる窒化アルミニウムは、純度90%以
上の高純度な窒化アルミニウムとするのがよい。
【0009】また、真空窓の板厚は、真空窓を透過する
マイクロ波波長の1/4以下とすれば好適である。
【0010】
【作用】前述のように、真空窓の熱破壊は、真空窓が吸
収するマイクロ波エネルギーの一部と,プラズマ処理室
内のプラズマから受ける輻射熱とによる加熱,昇温の過
程で真空窓内に生ずる温度分布に基づく熱応力によって
生じる。この熱応力は、真空窓の板面上あるいは板材内
で隣り合った高温点と低温点との間の温度勾配が大きい
ほど大きくなる。この温度勾配と,温度勾配により発生
する内部応力とに材質面で最も大きく影響するのは、材
質の物性値のうち、熱伝導率と熱膨張係数とである。熱
伝導率が大きいと熱の伝わり方が良好で、温度差が生じ
にくい。また、熱膨張係数が小さいと、高温点での熱歪
み量と低温点での熱歪み量との差が小さく、両温度点の
間に生じる歪み量が小さくなり、応力が小さくなる。表
1に窒化アルミニウムとAl2 3 との物性値を示す。
【0011】
【表1】
【0012】この表から見られるように、熱伝導率は室
温(RT:18℃)で150〔W/m・K〕,1000
℃で50〔W/m・K〕と、温度による差は大きいが、
絶対値が著しく大きく、金属に近い値を示す。因みに純
鉄の熱伝導率は材料温度27℃において80.3〔W/
m・K〕であり、この熱伝導率は少量の混合物で大きく
変化することから、窒化アルミニウムは一般の鉄鋼と同
等以上の良好な熱伝導性を有することになる。また、純
アルミニウムの熱伝導率は材料温度27℃において23
7〔W/m・K〕であり、窒化アルミニウムでは熱伝導
率はほぼ半減するものの、元の金属の熱特性の多くの割
合を保有している。
【0013】これに比べ、真空窓に従来から用いられて
いるAl2 3 の熱伝導率は、室温(RT:20℃)に
て33.5〔W/m・K〕と小さく、1000℃におけ
る値はあきらかではないが、窒化アルミニウム,Al2
3 ともにセラミックスであり、1000℃での値は窒
化アルミニウムと同様に低下するものと考えられ、窒化
アルミニウムと比べ材料中に急峻な温度勾配が生じやす
い。
【0014】一方、窒化アルミニウムの熱膨張係数(線
膨張係数)は室温(RT:20℃)から200℃までの
平均値で3.8〔10-6/℃〕,室温(RT:20℃)
から1000℃までの平均値で5.8〔10-6/℃〕
と、Al2 3 の線膨張係数8.0〔10-6/℃〕より
小さい。従って、真空窓の材質に窒化アルミニウムを用
いることにより、Al2 3 と用いる場合と比べ、格段
に大きいマイクロ波電力、実際の装置運用面では真空窓
の熱破壊を顧慮するすことなく無制限にマイクロ波電力
を投入してプロセスを進行させることができ、また耐蝕
性もAl2 3 と同等以上とすることができる。
【0015】従って、真空窓のこの特性を生かし、プラ
ズマ処理装置を請求項2記載のごとく構成すれば、以下
に説明するように、面積の広い被処理ウエハ面を均一に
かつ高速に処理することができる。請求項2記載の装置
構成は、仕切り板の真空窓側空間内へ高電力のマイクロ
波を導入してこの空間内でプラズマ原料ガスをプラズマ
化し、このプラズマ化された原料ガスを、排気手段によ
り減圧された反真空窓側空間内へ流出させ、例えば薄膜
形成のためにこの空間内に導入された反応ガスを励起し
てこの空間内に置かれた被処理ウエハ表面に薄膜を形成
するものである。この場合、被処理ウエハ面を均一に処
理できるためには仕切り板に多数分布形成された貫通孔
から流出するプラズマ化ガスを均一な面密度で流出させ
る必要があり、このため、真空窓側空間内でガス密度が
均一になるよう、この空間内でのガスの移動速度を緩慢
にしてこの空間内で圧力勾配を生じないようにする必要
がある。このため、仕切り板に多数分布形成する各貫通
孔の内径と数とは、この空間内に供給するプラズマ原料
ガスの量に見合って設定する必要がある。プラズマ原料
ガスの供給量が多いと、貫通孔の内径と数との積を大き
くすることができ、少ないと小さくしなければならな
い。いずれの場合にも、この空間内のガス圧力は反真空
窓側空間内のガス圧力よりも十分高い圧力に保たれるこ
とになる。しかし、ガス圧力が高いと分子の平均自由工
程が小さくなり、電離のための電子の走行距離が短くな
って電離に十分な速度に加速される前に分子に衝突する
ようになるため、電離効率が低下し、投入されたプラズ
マ化エネルギーが効率よく電離に消費されず、ガス圧力
は高いのにプラズマ密度が低下するようになることが知
られている。高圧力下で電離効率を上げるためには、短
い走行距離中に十分な速度に電子を加速できるようにす
る必要があり、このために強い電界を必要とする。そこ
で、本発明のように、真空窓の材質に窒化アルミニウム
を使用して高電力のマイクロ波、すなわち電界の強いマ
イクロ波を導入できるようにすると、プラズマ処理装置
の具体構成を請求項2記載のものとすることにより、マ
イクロ波電力を効率よく電離に消費しつつ広い面積の被
処理ウエハ表面を均一にかつ高速に処理することができ
る。従って直径の大きいウエハへの成膜や複数ウエハへ
の同時成膜、あるいは食刻後に残ったレジストの複数ウ
エハ同時灰化などにこの装置を適用することにより、効
率のよい処理を行うことができる。
【0016】また、真空窓に窒化アルミニウムを用いる
プラズマ処理装置の具体構成を請求項3記載のものとす
れば、電子サイクトロン共鳴(ECR)領域の面積が真
空窓の面積にほぼ等しく、かつECR領域で効率よく生
成されたプラズマの輸送が、磁場発生手段が形成した磁
力線に沿って行われることから、請求項2ほど大面積の
均一処理はできないが、真空窓の大きさを、現時点で
の,また現時点で考えられる将来のウエハの最大径であ
る8インチのウエハ面を均一処理可能とする大きさにす
ることは可能であるので、ECR領域のもつ高効率のプ
ラズマ化作用と高電力マイクロ波とにより被処理ウエハ
の高速処理が可能になる。
【0017】そして、真空窓に用いる窒化アルミニウム
の純度を、請求項3記載のように、90%以上とすれ
ば、純度が実質100%での誘電正接(tanδ):
3.55〜3.90×10-3(表1)の悪化によるマイ
クロ波エネルギー吸収量の増加はあっても、熱伝導率や
熱膨張係数の変化が小さいために耐熱強度は実質上変化
がなく、導入可能なマイクロ波電力の実質的な低下は生
じない。
【0018】また、真空窓の板厚を、請求項4記載のよ
うに、真空窓を通過する際のマイクロ波波長の1/4以
下とすると、マイクロ波の周波数が工業分野で標準的に
用いられている2.45GHzの場合には、板厚が1
0.4mm以下となる(周波数2.45GHzのマイク
ロ波の真空中の波長は122mmであり、誘電体中では
誘電率に反比例して波長が短くなるので、誘電率が8.
57(表1)である窒化アルミニウム中では41.6m
mとなる)。真空窓の板厚は、これが厚いと熱が内部に
こもり熱応力が大きくなるため、窒化アルミニウムの良
好な耐熱性が阻害される方向となる。従って耐熱性の面
からは板厚はできるだけ薄いことが望ましい。しかし、
一方、真空窓には処理工程中大気圧がかかるので、機械
強度的はこれに耐える厚さが必要である。真空窓を、8
インチウエハの表面を均一に処理できる大きさとする場
合、窒化アルミニウムの四点曲げ強度(表1)から、板
厚を10.4mmとすれば十分に大気圧に耐えることが
でき、また窒化アルミニウムのもつ高熱伝導率と低熱膨
張係数とによる高耐熱強度が保持され、SiO2 真空窓
で熱破壊なく通過させることのできたマイクロ波電力1
000Wを大きく上まわるマイクロ波電力を通過させる
ことが可能である。被処理ウエハの径が小さくなり、こ
れに見合って真空窓の径を小さくする場合には、真空窓
の板厚を10.4mmより小さくすることができる。な
お、真空窓の板厚を真空窓材料内マイクロ波波長の1/
4と、マイクロ波波長基準の表示として記憶に便ならし
めたのは、使用するマイクロ波の周波数として、2.4
5GHz以外のものの使用は将来にわたりあり得ないと
の想定に基づくものである。
【0019】
【実施例】図1に本発明によるプラズマ処理装置構成の
第1の実施例を示す。この実施例では、プラズマ処理装
置として、マスクを用いてウエハ表面に食刻処理を行っ
た後、食刻によって形成されたパターン上面に残るレジ
ストをマイクロ波プラズマを用いて灰化する装置の装置
構成例を示す。装置は、マイクロ波発生装置1と、マイ
クロ波導波管2と、窒化アルミニウムからなる真空窓4
と、プラズマ処理室3と、プラズマ処理室3内に位置し
て上面に被処理ウエハ7が載置されるステージ8と、反
応ガス導入管5とを主要構成要素として構成されてい
る。プラズマ処理室3は、板面に多数の貫通孔6aが均
一に分布して形成された仕切り板6により真空窓4側の
空間3aと,反真空窓側空間3bとに2分され、図示さ
れない真空排気手段が接続される排気口3cは反真空窓
側空間3bに設けられる。灰化処理時に反応ガス、例え
ばCF4 を20%含んだO2 +CF4 ガスを反応ガス導
入管5を通して真空窓側空間3a内へ導入しつつ同空間
内へ真空窓4を透過させてマイクロ波を導入し、反応ガ
スをプラズマ化すると、プラズマ化された反応ガスは、
図示されない真空排気手段により減圧された反真空窓側
空間(以下処理室という)3b内へ仕切り板6の多数の
貫通孔6aを通って流入する。この多数分布形成された
貫通孔6aは、個々の孔径と孔数とにより、真空窓側空
間(以下プラズマ発生室という)3a内のガス圧力が十
分高圧力に保持され、これにより、プラズマ発生室3a
内で圧力分布が生じないように形成されるので、プラズ
マ化された反応ガスは仕切り板6から均一な面密度で処
理室3b内へ流出する。流出した反応ガスは排気口3c
へ向かって移動の途中、ほぼ均一な密度で被処理ウエハ
7に接近してこれに接触し、ウエハ表面のレジスト膜と
反応してこれを灰化する。
【0020】この装置構成によれば、真空窓の材質を窒
化アルミニウムとしているので、真空窓の破壊なく高電
力マイクロ波をプラズマ発生室3a内導入でき、反応ガ
スの供給量を増すとともに仕切り板6の貫通孔総通過面
積を大きくして高速かつ均一に灰化処理を行うことがで
きる。なお、この装置構成では、反応ガス導入管5をプ
ラズマ原料ガス導入管として用いるとともに処理室3b
に反応ガス導入管を設けることにより、成膜装置として
の運用も可能である。また、プラズマ処理室3全体のド
ライクリーニングは、反応ガス導入管5からクリーニン
グガスをプラズマ発生室3a内へ導入し、これを真空窓
4を透過したマイクロ波で励起あるいはプラズマ化して
行う。
【0021】図2に本発明によるプラズマ処理装置構成
の第2の実施例を示す。この装置は、図4に示したプラ
ズマ処理装置に対して励磁ソレノイドコイル13を付加
したもので、励磁ソレノイドコイル13に通電すること
により、プラズマ処理室3内で窒化アルミニウム製真空
窓4の近傍にECR領域を形成することができる。これ
により、例えば被処理ウエハ7表面へのSiO2 膜形成
時に、このECR領域でプラズマ原料ガスO2 を効率よ
く電離して高密度のプラズマを生成し、このプラズマを
励磁ソレノイドコイル13が形成した磁力線に沿って被
処理ウエハ7方向へ移動させつつ反応ガスSiH4 を励
起することにより、図4の場合より高速にSiO2 膜を
ウエハ表面に成長させることができる。真空窓4を窒化
アルミニウムで形成しているので、従来の同種装置と比
べてより高電力のマイクロ波をプラズマ処理室3内へ導
入することができ、処理速度をさらに上げることができ
る。 なお、図3は図2の構成によるプラズマ処理装置
を対象とし、プラズマ処理室内をドライクリーニング法
によりクリーニングする場合の投入マイクロ波電力とク
リーニング速度との関係を示す特性図である。この図か
ら、Al2 3 製の真空窓を用いた従来の装置では投入
マイクロ波電力を500Wに制限しているために、クリ
ーニング速度が4000Å/min程度であったのに対
し、窒化アルミニウム製の真空窓を用いて投入マイクロ
波電力を1000Wと、従来所有するマイクロ波発生装
置出力の上限まで高めることにより、クリーニング速度
が6000Å/min程度にアップし、従来装置と比べ
てクリーニング速度が約1.5倍に高められることが分
る。
【0022】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明において
は、マイクロ波をプラズマ生成に用いるプラズマ処理装
置において、マイクロ波伝達手段とプラズマ処理室との
間に介装する真空窓の材質に窒化アルミニウムを用いる
ようにしたので、Al2 3 製真空窓を用いた従来のプ
ラズマ処理装置と比べ、プラズマ処理室に投入可能なマ
イクロ波電力を大幅に、実際の装置運用面では無制限に
大きくすることができるようになった。これにより、装
置の処理速度が大幅に向上し、装置の生産性を増すとと
もに、ドライクリーニング時のクリーニング時間も大幅
に短縮されて装置の稼働率を向上させることができた。
そして、この効果を装置構造に変更を加えることなく真
空窓の材質変更のみで得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプラズマ処理装置構成の第1の実
施例を示す断面図
【図2】本発明によるプラズマ処理装置構成の第2の実
施例を示す断面図
【図3】図2に示したプラズマ処理装置のプラズマ処理
室内をドライクリーニング法でクリーニングする際のク
リーニング速度とプラズマ処理室内へ投入するマイクロ
波電力との関係を示すクリーニング速度特性図
【図4】マイクロ波をプラズマ生成に用いる従来のプラ
ズマ処理装置構成の一例を示す断面図
【符号の説明】
1 マイクロ波発生装置(マイクロ波発生手段) 2 マイクロ波導波管(マイクロ波伝達手段) 3 プラズマ処理室 3a プラズマ発生室(真空窓側空間) 3b 処理室(反真空窓側空間) 3c 排気口 4 真空窓 5 反応ガス導入管 6 仕切り板 6a 貫通孔 7 被処理ウエハ 8 ステージ 10 プラズマ原料ガス導入管 11 反応ガス導入管 12 真空排気装置 13 励磁ソレノイドコイル(磁場発生手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マイクロ波発生手段と、マイクロ波伝達手
    段と、誘電体からなる板状の真空窓を介してマイクロ波
    伝達手段と結合されるプラズマ処理室と、プラズマ処理
    室の排気手段とを備え、プラズマ処理室に導入されたガ
    スを真空窓を透過したマイクロ波でプラズマ化してプラ
    ズマ処理室内の被処理体に薄膜形成,食刻あるいは灰化
    等の処理を行うプラズマ処理装置において、前記マイク
    ロ波を透過させる真空窓の材質を窒化アルミニウムとし
    たことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の装置において、プラズマ処
    理室が板面に多数の貫通孔を分布形成された仕切り板を
    用いて真空窓側空間と反真空窓側空間とに仕切られ、プ
    ラズマ処理室に導入されてプラズマ化されるガスは真空
    窓側空間へ導入されるとともに被処理体は反真空窓側空
    間に置かれかつプラズマ処理室の排気手段は反真空窓側
    空間に備えられることを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の装置において、真空窓を
    透過したマイクロ波と電子サイクロトロン共鳴をする磁
    場をプラズマ処理室内に形成するための磁場発生手段を
    備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3記載の装置におい
    て、真空窓に用いる窒化アルミニウムが純度90%以上
    の高純度な窒化アルミニウムであることを特徴とするプ
    ラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】請求項1,2または3記載の装置におい
    て、真空窓の板厚を該真空窓を通過するマイクロ波の波
    長の1/4以下とすることを特徴とするプラズマ処理装
    置。
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