JP4107169B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衛星から送出された電波を受信するアンテナ装置に関するものであり、特に、自動車の屋根等に取り付ける車載用アンテナとして好適なアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のドライバーに対して自車の進路等を誘導・案内するシステム、いわゆるカーナビゲーションシステムが広く普及している。このようなカーナビゲーションシステムにおいては、自車の速度や走行距離などによって現在位置の特定が行われる一方で、位置精度を向上させるために、GPS衛星から送出される電波を受信し、受信した電波から取得した位置情報によっても現在位置の特定が行われている。
【0003】
あるいは、近年、米国等においては、人工衛星から送出される電波によりデジタルラジオ放送等を提供することも進められている。このようなデジタルラジオ放送を受信するデジタルラジオ受信システムにおいても、やはり衛星から送出される電波を受信するアンテナが必要であり、いわゆる衛星ラジオ放送受信用アンテナが用いられている。
【0004】
衛星からの電波は、高周波数帯域が使用されていることから、高い指向性を有しており、したがって、前記カーナビゲーションシステムやデジタルラジオ受信システムにおいては、衛星からの電波を良好な受信状態で受信するために、自動車の上面(すなわち屋根等)に受信アンテナを取り付ける必要がある。このため、衛星からの電波を受信するアンテナ装置には、高い耐候性や防水性が要求されている。
【0005】
従来、この種のアンテナ装置における防水対策としては、ゴム等からなるガスケット(パッキン)を用いるのが一般的であり、図6に示すような取り付け構造が広く採用されている。すなわち、衛星から送出される電波を受信するアンテナモジュールを収納したカバー部材101の底面を、ガスケット102を取り付けたボトムプレート103で密閉して車のルーフパネル104に設置して、水等の侵入を防止するようにしている。このとき、図7に示すように、ガスケット102にスリット102aを設けて二重構造とし、このスリット102aにカバー部材101の底面側の端部101aを差し込んで、密閉状態を確実なものとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のような防水構造を採用した場合、カバー部材101の底面付近の周囲は、ガスケット102の被覆部102bによりスカートのように覆われる形になり、この部分を手で引っ張る等のいたずらが頻繁に報告されている。ガスケット102の前記被覆部102bを引っ張ると、防水機能を損なうおそれがあり、大きな問題である。
【0007】
また、前記被覆部102bによりスカートのように覆われた状態では、美観を大きく損なうことになり、さらには、防水機能の観点からも、前記被覆部102bとカバー部材101の隙間から水が侵入し易い等の問題があり、その改善が望まれている。
【0008】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、いたずらされるおそれがなく、確実に水等の侵入を防ぐことができ、美観的にも優れた新規なガスケットの取り付け構造を提供し、信頼性の高いアンテナ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係るアンテナ装置は、衛星又は地上から送出される電波を受信するアンテナモジュールと、前記アンテナモジュールを収納する内部空間を形成する内周面と開口を有し底面が開放されたカバー部材と、前記カバー部材の開放された底面を塞ぐボトムプレートと、前記内部空間を密閉状態とするガスケットを有し、前記ガスケットは、前記ボトムプレートに取り付けられ、前記ボトムプレートの縁部周囲を覆う内側面と、前記カバー部材の内周面に当接する外側面とを備え、前記外側面は、下端部に向かって次第に寸法が拡大する傾斜面を有しており、前記カバー部材の内周面に圧接されるとともに、前記カバー部材の下端縁が前記傾斜面に当接されていることを特徴とする。
【0010】
本発明のアンテナ装置では、カバー部材の底面側にガスケットが組み込まれ、カバー部材の内周面側にガスケットが当接することで水の侵入が防止される。したがって、カバー部材の外周面を覆う被覆部がなく、これを引っ張る等のいたずらが回避される。同時に、美観も確保される。また、カバー部材とガスケットの境界部が外部に臨んでいないので、これらの間の隙間から水等が侵入するおそれもない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したアンテナ装置について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
本実施の形態のアンテナ装置は、図1及び図2に示すように、衛星から送出される電波を受信するアンテナモジュール(図示は省略する。)と、前記アンテナモジュールを収納するに十分な内部空間を有し底面が開放されたカバー部材1と、前記カバー部材の開放された底面を塞ぐボトムプレート2と、このボトムプレート2の周囲及び底面を覆うガスケット3とから構成される。
【0013】
そして、前記ボトムプレート2の周囲を覆うように設けられるガスケット3が前記カバー部材1の内周面に当接することにより、前記アンテナモジュールが収納された内部空間が密閉されている。ここで、前記ガスケット3を装着したボトムプレート2は、カバー部材1の開放された底面に組み込まれる形で取り付けられており、図1に示すように、アンテナ装置を自動車の屋根等に組み付けた際には、前記ガスケット3はほとんど外部からは見えない状態となる。
【0014】
前記ガスケット3は、図2に示すように、ボトムプレート2の厚み方向の上端部3a及び下端部3bにおける寸法が他の部分よりも大とされ、且つ、前記下端部3bの外形寸法W1は前記カバー部材1の開放された底面の開口寸法W2よりも若干大きく設定されている。そして、前記ガスケット3の前記下端部3b側は、下端部3bに向かって次第に寸法が拡大する傾斜面3cとされている。また、図3及び図5に示すようにボトムプレート2の縁部全周囲に段部5が設けられており、ガスケット3の縁部が段部5を覆うようにしてガスケット3がボトムプレート2に取り付け保持される。
【0015】
したがって、前記ガスケット3を装着したボトムプレート2をカバー部材1の開放された底面に押し込んだ場合、図3に拡大して示すように、前記ガスケット3の上端部3aがカバー部材1の内周面1aに圧接されるとともに、カバー部材1の下端縁1bが前記傾斜面3cに当接されることになる。これにより、前記カバー部材1の下端縁1bが前記傾斜面3cに当接する部分、及びガスケット3の上端部3aがカバー部材1の内周面1aに圧接される部分の2カ所でシールされることになり、2重にシールされてカバー部材1内部への水の侵入を確実に防止することができる。
【0016】
また、ガスケット3は、ボトムプレート2の底面を覆う設置面部3dを有しており、アンテナ装置を自動車の屋根等に組み付けた際に、この設置面部3dがボトムプレート2と自動車の屋根の間に介在してパッキンの役割を果たす。このとき、ボトムプレート2には、接続ケーブル4を車内に引き込むためのボス2aが形成されており、図4に示すように、これに対応して前記設置面部3dには開口部3eが形成されている。したがって、この開口部3eからも水等が侵入するおそれがある。
【0017】
そこで、本実施形態では、前記設置面部3dの前記開口部3eの周囲を囲む円環状の複数の突条部、ここでは3重の突条部3f、3g、3hを形成し、この部分における水の侵入を防止するようになっている。すなわち、前記設置面部3dの開口部3eは、これら突条部3f、3g、3hが自動車の屋根に密着することにより、3重にシールされた形になり、この部分における水の侵入が確実に防止されている。
【0018】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明のアンテナ装置においては、ガスケットがカバー部材の底面に組み込まれており、カバー部材の外周面を覆う被覆部がないので、この部分を引っ張る等のいたずらを確実に回避することができる。したがって、いたずらによる防水性の劣化を防止することができ、いたずら防止策として非常に有効である。
【0019】
また、カバー部材の外周面を覆う被覆部がないことは、美観的にも大きなメリットであり、ガスケットがほとんど外部から見えないことにより、アンテナ装置を自動車の屋根等に取り付けた場合に、美観を損なうことがない。
【0020】
さらに、本発明のアンテナ装置では、ガスケットの周縁部により2重にシールされ、カバー部材とガスケットの境界部が外部に臨んでいないので、これらの間の隙間から水等が侵入するおそれもなく、優れた防水性、耐候性を付与することができ、信頼性の高いアンテナ装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したアンテナ装置の一例を示す側面図である。
【図2】本発明を適用したアンテナ装置を分解して示す側面図である。
【図3】カバー部材とガスケットのシール部分を拡大して示す要部断面図である。
【図4】本発明を適用したアンテナ装置の底面図である。
【図5】本発明を適用したアンテナ装置ボトムプレートの上面図である。
【図6】従来のアンテナ装置を示す側面図である。
【図7】従来のアンテナ装置のカバー部材とガスケットのシール部分を拡大して示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 カバー部材
2 ボトムプレート
2a ボス
3 ガスケット
3a 上端部
3b 下端部
3c 傾斜面
3d 設置面部
3e 開口部
3f 突条部
3g 突条部
3h 突条部
5 段部
Claims (4)
- 衛星又は地上から送出される電波を受信するアンテナモジュールと、前記アンテナモジュールを収納する内部空間を形成する内周面と開口を有し底面が開放されたカバー部材と、前記カバー部材の開放された底面を塞ぐボトムプレートと、前記内部空間を密閉状態とするガスケットを有し、
前記ガスケットは、前記ボトムプレートに取り付けられ、前記ボトムプレートの縁部周囲を覆う内側面と、前記カバー部材の内周面に当接する外側面とを備え、
前記外側面は、下端部に向かって次第に寸法が拡大する傾斜面を有しており、前記カバー部材の内周面に圧接されるとともに、前記カバー部材の下端縁が前記傾斜面に当接されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 前記外側面は、ボトムプレートの厚み方向の上端部及び下端部における寸法が他の部分よりも大とされ、且つ、前記下端部の外形寸法は前記カバー部材の開放された底面の開口寸法よりも若干大きく設定されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
- 前記ボトムプレートにはケーブル挿通用のボスが形成されるとともに、前記ガスケットには前記ボスに対応して開口部が形成され前記ボトムプレートの底面を覆う設置面部が形成され、
前記設置面部には、前記ボスの周囲を囲むように複数の突条部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記ボトムプレートは縁部に段部を有し、前記内側面は前記段部を覆うようにして前記ボトムケプレートに取り付け保持されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
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