JP4100351B2 - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents
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Description
この薄膜トランジスタとしては、基板上に、ソース電極、ドレイン電極が形成され、これら電極上に有機半導体層、ゲート絶縁層、ゲート電極がこの順に積層されたものが提案されており、蒸着法や塗布法によって大気中で作製が可能である(例えば、特許文献1、2、3、4参照。)。
この大気中で有機半導体層に酸素や水がドープされるのを防止する方法として、例えば非特許文献1に記載のように、薄膜トランジスタを封止する方法が提案されている。
さらに、基板としてプラスチック基板を用いる場合には、プラスチック材料のガスバリア性が低いため、プラスチック基板側にも、封止膜を形成する必要があり、コストが一層増加するという問題が生じる。
そこで、より安価に薄膜トランジスタに封止する方法として、例えば、ゲート電極を蒸着法により形成した金属膜で構成することが提案されている。
蒸着法により形成した金属膜は、緻密な膜となることから、水分や酸素に対して比較的高いバリア性を示すようになり、この金属膜をゲート電極としてチャンネル部を被うように形成すると、封止膜として機能させることが可能となる。
したがって、このような薄膜トランジスタは、その内部にとりこまれた酸素や水分により、その特性が低下するという問題が生じる。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、基板上にソース電極およびドレイン電極を形成する工程と、
前記ソース電極およびドレイン電極上に有機半導体層を形成する工程と、
前記有機半導体層上にゲート絶縁層を形成する工程と、
前記ゲート絶縁層上に導電性粒子を含む液状材料を塗布し塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を130℃以下の温度で加熱しゲート電極を形成する工程とを含み、
得られる前記ゲート電極が、前記導電性粒子を含む多孔質膜で構成され、前記多孔質膜の空孔率が51〜75%であることを特徴とする。
これにより、高温多湿な環境に晒された後でも、前記薄膜トランジスタの高い特性を好適に維持することができる。
また、前記多孔質膜は、その空孔率が51〜75%であることにより、内部に浸入した酸素や水分をより確実に排出可能とすることができるとともに、多孔質膜の導電性が低下するのを好適に防止することもできる。
前記多孔質膜を、導電性粒子を含む液状材料を用いて形成することにより、目的とする空孔率を有する多孔質膜の形成が容易となる。
前記多孔質膜を、塗布法を用いて形成することにより、多孔質膜をより容易に形成することができる。
前記多孔質膜を、熱処理工程を経て得ることにより、液状材料に含まれる除去すべき物質を、容易かつ確実に除去することができる。
さらに、前記熱処理工程における加熱温度を、130℃以下とすることにより、空孔率の低下を確実に防止することができる。
これにより、この空孔内面に撥水性を付与することができることから、この空孔内を水分等が通過する際の、結露(滞留)の発生を防止することができ、多孔質膜の変質・劣化を好適に防止することができる。
これらのものは、高い導電性を有するものであることから好ましい。
インクジェット法によれば、多孔質膜を高い寸法精度で形成することができる。
このような有機半導体材料で構成される有機半導体層は、一時的に高温多湿な環境下に晒されても、耐水性および耐酸化性が高いことから、品質劣化が防止され、特に化学的に安定なものとすることができる。
このような有機半導体材料で構成される有機半導体層は、一時的に高温多湿な環境下に晒されても、耐水性および耐酸化性が高いことから、品質劣化が防止され、特に化学的に安定なものとすることができる。
インクジェット法によれば、目的とする形状の有機半導体層を、寸法精度よく形成することができる。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法では、前記ソース電極およびドレイン電極は、双方が櫛歯状をなし、かつ、その歯が互いに噛み合うようにして形成されているのが好ましい。
これにより、ゲート電極と、ソース電極およびドレイン電極とが重なる部分の面積が増大するのを防止することができ、薄膜トランジスタの特性がより向上する。
まず、本発明の薄膜トランジスタの製造方法で製造される薄膜トランジスタの構成について説明する。
図1は、第1構成の薄膜トランジスタを示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は平面図である。なお、以下の説明では、図1(a)中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す薄膜トランジスタ1は、基板2上に設けられており、ソース電極3(ソース電極指3a)およびドレイン電極4(ドレイン電極指4a)と、有機半導体層(有機層)5と、ゲート絶縁層6と、ゲート電極7とが、この順で基板2側から積層されて構成されている。
このような薄膜トランジスタ1は、ソース電極3およびドレイン電極4が、ゲート絶縁層6を介してゲート電極7よりも基板2側に設けられた構成の薄膜トランジスタ、すなわち、トップゲート構造の薄膜トランジスタである。
基板2は、薄膜トランジスタ1を構成する各層(各部)を支持するものである。基板2には、例えば、ガラス基板、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)等で構成されるプラスチック基板(樹脂基板)、石英基板、シリコン基板、ガリウム砒素基板等を用いることができる。薄膜トランジスタ1に可撓性を付与する場合には、基板2には、樹脂基板が選択される。
下地層の構成材料としては、特に限定されないが、酸化珪素(SiO2)、窒化珪素(SiN)、ポリイミド、ポリアミド、あるいは架橋されて不溶化された高分子等が好適に用いられる。
この薄膜トランジスタ1では、有機半導体層5のうち、ソース電極3の各電極指3aと、ドレイン電極4の各電極指4aとの間の領域が、キャリアが移動するチャネル領域となっている。また、ソース電極3の各電極指3aと、ドレイン電極4の各電極指4aとの間の領域における、キャリアの移動方向の長さ、すなわち各電極指3a、4a間の距離がチャネル長Lに相当し、チャネル長L方向と直交する方向の長さω×電極指3aと電極指4aとの間隔(ギャップ)の数Nがチャネル幅Wとなる。
そして、本実施形態では、後述するように、ソース電極3およびドレイン電極4を、フォトリソグラフィー法により形成したレジスト層をマスクに用いて形成する。したがって、電極指3a、4aの幅Aは、フォトリソグラフィー法の精度に依存するが、フォトリソグラフィー法の精度は極めて高いため、狭小化することが可能である。
このように、本実施形態では、ゲート電極7を微細な形状に形成することを要求されないことから、その形成方法の選択の幅が広がり、ゲート電極7の形成に各種塗布法(特に、インクジェット法)を用いた場合でも、良好な特性を有する薄膜トランジスタ1が得られる。
各電極指3a、4aの幅Aは、それぞれ、20μm以下であるのが好ましく、10μm以下がより好ましい。
有機半導体層5は、有機半導体材料(半導体的な電気伝導を示す有機材料)を主材料として構成されている。
この有機半導体層5は、少なくともチャネル領域51においてチャネル長L方向とほぼ平行となるように配向しているのが好ましい。これにより、チャネル領域51におけるキャリア移動度が高いものとなり、その結果、薄膜トランジスタ1は、その作動速度がより速いものとなる。
有機半導体層5の厚さ(平均)は、0.1〜1000nm程度であるのが好ましく、1〜500nm程度であるのがより好ましく、10〜100nm程度であるのがさらに好ましい。
有機半導体層5上には、ゲート絶縁層6が有機半導体層5と接触して設けられている。
このゲート絶縁層6は、ソース電極3およびドレイン電極4に対してゲート電極7を絶縁するものである。
このような有機高分子材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリビニルフェニレン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のようなアクリル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなフッ素系樹脂、ポリビニルフェノールあるいはノボラック樹脂のようなフェノール系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテンなどのオレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ゲート絶縁層6の構成材料には、例えば、SiO2等の無機絶縁材料を用いることもできる。この場合、ゲート絶縁層6は、ポリシリケート、ポリシロキサン、ポリシラザンのような溶液を塗布して、塗布膜を酸素、または水蒸気の存在下で加熱することによって、溶液材料からSiO2を得ることができる。また、金属アルコキシド溶液を塗布した後、これを酸素雰囲気で加熱することによって無機絶縁材料を得る(ゾル・ゲル法として知られる)ことができる。
本実施形態では、ゲート電極7が、主として導電性材料で構成された多孔質膜で構成されている。
ここで、仮に、ゲート電極を蒸着法により形成した金属膜で構成する場合、前述したように、このようなゲート電極は比較的高い封止性を発揮するので、完全なものとするのは不可能である。そのため、このような薄膜トランジスタでは、その内部に、一旦、酸素や水分が浸入すると、それらは、薄膜トランジスタ外に排出されることなく長時間に亘り内部に留まることとなる。そのため、このような薄膜トランジスタは、その内部に貯留された酸素や水分により、その特性が低下するという問題が生じる。
多孔質膜(ゲート電極7)の厚さ(平均)は、特に限定されないが、0.1〜5000nm程度であるのが好ましく、1〜5000nm程度であるのがより好ましく、10〜5000nm程度であるのがさらに好ましい。
以上のような薄膜トランジスタ1は、ゲート電極7に印加する電圧を変化させることにより、ソース電極3とドレイン電極4との間に流れる電流量が制御される。
また、本実施形態では、薄膜トランジスタ1のゲート電極7が、多孔質膜で構成されたものについて説明したが、ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極のうちの少なくとも1つがこの多孔質膜で構成されるようなものであってもよい。
また、本発明の薄膜トランジスタの製造方法により製造される薄膜トランジスタは、トップゲート構造の他、ボトムゲート構造の薄膜トランジスタに適用することもできる。
次に、前述した薄膜トランジスタ1を複数備える配線基板の構成の一例を説明する。
図2は、本発明で製造された薄膜トランジスタを複数備える可撓性配線基板の実施形態を示す平面図である。なお、以下の説明では、図2中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」と言う。
図2に示す配線基板10は、基板2と、画素電極41と、薄膜トランジスタ1と、接続端子8と、配線9とで構成され、前記各部41、1、8および9が基板2上に設けられている。
画素電極41は、配線基板10を用いて後述する電気泳動表示装置20を構築した際に、各画素を駆動させるための電圧を印加する一方の電極を構成するものであり、マトリクス状に配列されている。
接続端子8は、複数の第1の端子81および複数の第2の端子82で構成されている。
また、配線9は、複数の第1の配線91と、各配線91とほぼ直交するように設けられた複数の第2の配線92とで構成されている。
本実施形態では、一列に配列された薄膜トランジスタ1のゲート電極7が共通電極とされており、この共通電極により、第1の配線91が構成されている。これにより、第1の配線91は、ほぼ直線状をなしている。そして、各第1の配線91は、それぞれの一端部が、第1の端子81に接続されている。
また、各第2の配線92の一端部は、それぞれ、第2の端子82と接続され、その途中には、複数の薄膜トランジスタ1のソース電極3が接続されている。
このような薄膜トランジスタ1を複数備える配線基板10は、例えば、次のようにして製造される。
図3および図4は、それぞれ、配線基板10の薄膜トランジスタ1の部分(図1中のA−A線)を形成する方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図3および図4中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
配線基板10の第1製造方法は、[A1]ソース電極、ドレイン電極、画素電極、配線および接続端子形成工程と、[A2]有機物除去工程と、[A3]有機半導体層形成工程と、[A4]ゲート絶縁層形成工程と、[A5]配線(ゲート電極)形成工程とを有している。以下、これらの各工程について、順次説明する。
ソース電極3、ドレイン電極4、画素電極41、接続端子8および第2の配線92、例えば、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法およびMOD法等により、導電性材料により構成される膜(導電膜)を形成した後、不要部分を除去することにより形成することができる。特に、導電膜は、無電解メッキ法により形成するのが好ましい。電解メッキ法を用いることにより、真空装置等の大がかりな装置を必要とせず、容易かつ安価に、高い成膜精度でソース電極3、ドレイン電極4、画素電極41、接続端子8および第2の配線92を形成することができる。
[A1−I] まず、図2(a)に示すような基板2を用意し、この基板2を、例えば、水(純水等)、有機溶媒等を単独または適宜組み合わせて洗浄する。これにより、基板2の水に対する濡れ性が向上し、以下に示す各種処理液が接触し易い状態になる。
この密着性向上処理(粗面加工)は、基板2の表面をエッチング液によりエッチング処理した後、還元剤を含む処理液による処理することにより行う。
一方、処理液に用いる還元剤としては、特に限定されないが、アルカリ金属元素を実質的に含まないものを用いるのが好ましい。これにより、基板2の表面にアルカリ金属イオンが取り込まれることがないので、後工程で形成される有機半導体層5へアルカリ金属イオンが拡散(混入)することが防止され、その結果、有機半導体層5の特性の低下を防止することができる。
この前処理は、例えば、カチオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤を含む溶液(界面活性剤溶液)を基板2に接触させることにより行う。これにより、基板2表面にカチオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤を付着させる。
基板2の表面は、カチオン性界面活性剤が付着することによりプラスに帯電し、アニオン性界面活性剤が付着することによりマイナスに帯電する。これらの帯電に対して、無電解メッキで用いる触媒の帯電極性が反対である場合、触媒が吸着し易いようになり、結果として、形成されるメッキ膜11(ソース電極3、ドレイン電極4、画素電極41、接続端子8および第2の配線92)と基板2との密着性が向上する。
このように、液体を基板2に接触させる方法には、各種方法があるが、以下の各工程では、液体を接触させる方法として、浸漬法を用いる場合を代表に説明する。
処理に際する界面活性剤溶液の温度は、0〜70℃程度であるのが好ましく、10〜40℃程度であるのがより好ましい。
また、界面活性剤溶液中での基板2の処理時間は、10〜90秒程度であるのが好ましく、30〜60秒程度であるのがより好ましい。
このようにして、前処理が施された基板2を、例えば、純水(超純水)、イオン交換水、蒸留水、RO水等を用いて洗浄する。
触媒としては、Au、Ag、Pd、Pt、Ni等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このうち、触媒としてPdを用いる場合には、Sn−Pd等のPd合金のコロイド液、または塩化パラジウム等のイオン系Pd触媒の溶液中に、基板2を浸漬することにより、Pd合金、またはイオン系Pd触媒を基板2の表面に吸着させる。その後、触媒に関与しない元素を除去することにより、Pdを基板2の表面に露出させる。
例えば、Sn−Pdコロイド液を用いる場合には、基板2をコロイド液に浸漬した後、酸溶液に浸漬する。これにより、Pdに配位しているSnが溶解して除去され、基板2の表面にPdが露出した状態になる。
処理に際する触媒を含む溶液の温度は、0〜70℃程度であるのが好ましく、10〜40℃程度であるのがより好ましい。
触媒を含む溶液中での基板2の処理時間は、10秒〜5分程度であるのが好ましく、20秒〜3分程度であるのがより好ましい。
酸溶液中での基板2の処理時間は、10秒〜5分程度であるのが好ましく、30秒〜3分程度であるのがより好ましい。
このようにして、触媒を付着(吸着)させた基板2を、例えば、純水(超純水)、イオン交換水、蒸留水、RO水等を用いて洗浄する。
ここで、無電解メッキに用いるメッキ液13としては、メッキ膜11(ソース電極3、ドレイン電極4、画素電極41、接続端子8および第2の配線92)を形成するための金属の金属塩と、還元剤とを含み、アルカリ金属イオンを実質的に含まないものを用いるのが好ましい。
これにより、形成されるメッキ膜11にアルカリ金属イオンが混入するのが防止される。その結果、後工程で形成される有機半導体層5へアルカリ金属イオンが拡散(混入)することが防止され、有機半導体層5の特性の低下を防止することができる。
還元剤としては、例えば、ヒドラジン、次亜隣酸アンモニウム等が挙げられるが、これらの中でも、ヒドラジンおよび次亜隣酸アンモニウムの少なくとも一方を主成分とするものが好ましい。適切なメッキ液温度、メッキ液pHの下で、還元剤としてこれらのものを用いることにより、メッキ膜11の成膜速度が適正なものとなり、ソース電極3、ドレイン電極4、画素電極41、接続端子8および第2の配線92において求められる最適な膜厚範囲に、容易に膜厚を制御できるようになる。また、形成されるメッキ膜11も、均一な膜厚、かつ、良好な表面性を有する(膜表面モフォロジーが高い)ものとなる。
また、メッキ液13における還元剤の含有量(溶媒への還元剤の添加量)は、10〜200g/L程度であるのが好ましく、50〜150g/L程度であるのがより好ましい。還元剤の含有量が少な過ぎると、還元剤の種類等によっては、金属イオンの効率のよい還元が困難になるおそれがある。一方、還元剤の含有量を前記上限値を超えて多くしても、それ以上の効果の増大が期待できない。
このpH調整剤としては、各種のものが挙げられるが、アンモニア水、トリメチルアンモニウムハイドライドおよび硫化アンモニウムのうちの少なくとも1種を主成分とするものであることが好ましい。これらのものは、緩衝作用に優れるため、これらのものをpH調整剤として用いることにより、前記効果がより顕著に発揮される。
処理に際するメッキ液13のpHは、5〜12程度であるのが好ましく、6〜10程度であるのがより好ましい。
処理に際するメッキ液13の温度は、30〜90℃程度であるのが好ましく、40〜80℃程度であるのがより好ましい。
メッキ液13のpH、温度、メッキ液13による処理時間を、それぞれ前記範囲とすることにより、成膜速度が特に適正なものとなり、均一な膜厚のメッキ膜11を高い精度で形成することができる。
また、メッキ液13中には、例えば、錯化剤、安定化剤等の添加物を、適宜添加するようにしてもよい。
安定化剤としては、例えば、2,2’−ビピリジル、シアン化合物、フェロシアン化合物、フェナントロリン、チオ尿素、メルカプトベンゾチアゾール、チオグリコール酸等が挙げられる。
このようにして、メッキ膜11が形成された基板2を、例えば、純水(超純水)、イオン交換水、蒸留水、RO水等を用いて洗浄する。
まず、図2(c)に示すように、メッキ膜11上に、レジスト材料12’を塗布(供給)する。次いで、ソース電極3、ドレイン電極4、画素電極41、接続端子8および第2の配線92の形状に対応するフォトマスクを介して露光した後、現像液で現像する。これにより、図3(d)に示すように、ソース電極3、ドレイン電極4および第2の配線92、さらには、図示しない画素電極41および接続端子8に対応する形状にパターニングされたレジスト層12が得られる。
このエッチングには、プラズマエッチング、リアクティブエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうち1種または2種以上を組み合わせて行うことができる。このうち、ウェットエッチングを用いるのが好ましい。これにより、真空装置等の大がかりな装置を用いずに、簡易な装置および工程でエッチングを行うことができる。
ウェットエッチングに用いるエッチング液としては、例えば、塩化第二鉄を含む溶液、硫酸や硝酸、酢酸を含む溶液等が挙げられる。
このレジスト層12の除去には、好ましくはレジスト剥離液が用いられるが、その他、例えば、前述の物理的エッチング法を用いることもできる。
したがって、ソース電極指3aおよびドレイン電極指4aの幅A、およびソース電極指3aとドレイン電極指4aとの間の距離(チャネル長L)を比較的短く設定することが可能となり、これにより、しきい電圧の絶対値が低く、またドレイン電流の大きい、すなわちスイッチング素子としての特性に優れた薄膜トランジスタ1を得ることができる。
なお、本実施形態においては、ソース電極3、ドレイン電極4、画素電極41、接続端子8および第2の配線92を形成する方法として、基板上に供給したメッキ膜11上に、レジスト層12を形成した後に、メッキ膜11の不要な部分をエッチングにより除去する方法について説明したが、これに代わり、以下のような方法により前記各部3、4、41、8および92を形成してもよい。
次に、ソース電極3、ドレイン電極4、画素電極41、接続端子8および第2の配線92が形成された基板2を、例えば、水(純水等)、有機溶媒等を単独または適宜組み合わせて洗浄する。
その後、基板2の有機半導体層5を形成する面側に存在する有機物を除去する。これにより、後工程で形成される有機半導体層5と、ソース電極3およびドレイン電極4間の界面のキャリアに対する障壁が除去され、薄膜トランジスタ1の特性の向上を図ることができる。
後者の方法によれば、大気圧下でプラズマ処理(大気圧プラズマ処理)を行うことができるため、チャンバーや減圧手段等の使用を不要にでき、製造コストの低減および製造時間の短縮を図ることができ有利である。
プラズマ発生に用いるガスとしては、特に限定されないが、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、フッ化炭素の少なくとも1種を主成分とするものを用いるのが好ましい。アルゴンまたはヘリウムを主成分に混合することによって、比較的真空度の低い雰囲気下または大気圧下でプラズマを発生することができるので、装置の簡易化を図ることができる。
なお、本工程[A2]は、必要に応じて、省略することもできる。
次に、図4(g)に示すように、ソース電極3、ドレイン電極4、画素電極41、接続端子8および第2の配線92が形成された基板2上に、ソース電極3およびドレイン電極4を覆うように、有機半導体層5を形成する。
このとき、ソース電極指3aとドレイン電極指4aとの間の領域には、チャネル領域51が形成される。
ここで、塗布法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法、マイクロコンタクトプリンティング法等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機半導体材料は、芳香族炭化水素基、複素環基などの共役系を含むため、一般的に芳香族炭化水素系溶媒に溶けやすい。トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼンなどが特に適する溶媒である。
次に、図4(h)に示すように、有機半導体層5および第2の配線92、さらに、図示しない画素電極41を覆うように、ゲート絶縁層6を形成する。
ゲート絶縁層6は、例えば、絶縁材料またはその前駆体を含む溶液を、塗布法を用いて、有機半導体層5上に塗布(供給)した後、必要に応じて、この塗膜に対して後処理(例えば加熱、赤外線の照射、超音波の付与等)を施すことにより形成することができる。
また、スピンコートで全面形成されたゲート絶縁層6に対してインクジェット法で溶剤を滴下しゲート絶縁層6を部分的に除去することが可能である。この場合、ゲート絶縁層6の接続端子8に対応する部分に孔が開くように溶剤を滴下する。滴下された溶剤はゲート絶縁層6を溶かした後、再び乾燥する。このときいったん溶剤に溶けた絶縁層材料は、溶剤の液滴の周辺部に再析出するため、中央付近に孔が開く。一回の液滴で孔が接続端子8まで貫通しない場合は、同じ場所で、溶剤滴下・乾燥を繰り返すことによって、孔の底が接続端子8に達する。
あるいは、接続端子8が基板2の縁に位置する場合、縁のみを溶剤中に浸漬させてゲート絶縁層6を除去する方法でも可能である。
次に、図4(i)に示すように、ゲート絶縁層6上に、第1の配線91(ゲート電極7)を形成する。
第1の配線91は、例えば、次のようにして形成することができる。
まず、導電性粒子を含む液状材料を、一列に配列された薄膜トランジスタ1のゲート電極7を形成するように塗布法を用いて、ほぼ直線状に供給して塗膜を形成する。
この導電性粒子は、前述したような導電性材料(金属材料や金属酸化物材料)で構成される。
その後、この塗膜(液状材料)に対して後処理(例えば加熱、赤外線の照射、超音波の付与等)を施すことにより第1の配線91を形成することができる。
インクジェット法では、導電性粒子を含む液状材料(以下、「インク」と言う。)を、液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出してパターニングする。
ここで、インクの粘度(常温)は、特に限定されないが、通常、2〜20cps程度であるのが好ましく、4〜8cps程度であるのがより好ましい。インクの粘度をかかる範囲とすることにより、ノズルからの液滴の吐出をより安定的に行うことができる。インクの粘度が上記範囲より小さい場合には、吐出時に変位させるピエゾ素子の振動が減衰しずらいので、吐出が不安定になり易い。また、インクの粘度が上記範囲より大きい場合には、インクの流路抵抗が大きいため、高速で印刷する際、インクの供給が追い付かず、やはり不安定になる。
インクには、例えば、次の<A>および<B>ようなものが用いられる。
この場合、インクにおける導電性粒子の含有量は、特に限定されないが、1〜40wt%程度であるのが好ましく、10〜30wt%程度であるのがより好ましい。
また、用いる導電性粒子の平均粒径は、特に限定されないが、1〜100nm程度であるのが好ましく、2〜30nm程度であるのがより好ましい。
なお、インクの粘度は、例えば、導電性粒子の含有量、分散媒の種類や組成、添加物の有無や種類等を適宜設定することにより調整することができる。
この場合、インクにおける金属酸化物粒子の含有量は、特に限定されないが、1〜40wt%程度であるのが好ましく、10〜30wt%程度であるのがより好ましい。
また、用いる金属酸化物粒子の平均粒径は、特に限定されないが、100nm以下であるのが好ましく、30nm以下であるのがより好ましい。
分散媒には、例えば、ブチルセロソルブ、ポリエチレングリコール等の低粘度油脂類、2−プロパノール等のアルコール類またはこれらを含む混合液を用いることができる。
なお、インクの粘度は、例えば、金属酸化物粒子の含有量、分散媒の種類や組成等を適宜設定することにより調整することができる。
後処理の方法としては、液状材料に含まれる除去すべき物質(例えば、分散媒、凝集阻止剤、除去剤等)を除去し得る方法であれば、特に限定されないが、熱処理を施す方法を用いるのが好ましい。熱処理によれば、容易かつ確実に、このような物質を除去することができる。その結果、より高い空孔率を有する多孔質膜(第1の配線91)が得られる。
さらに、このような加熱温度に設定することにより、前記除去すべき物質の一部が、前述したような炭素原子または炭素系化合物に変化して、多孔質膜(第1の配線91)の空孔内に残存するようになる。したがって、かかる方法によれば、多孔質膜を形成した後に、このような炭素原子または炭素系化合物を空孔内に付与する方法に比べて、工程の削減を図ることができ有利である。
このような製造方法では、ソース電極3およびドレイン電極4の形成方法として無電解メッキを用い、有機半導体層5、ゲート絶縁層6およびゲート電極7の各層を塗布法を用いて形成するので、真空装置等の大がかりな装置を要せず、簡易な方法により、低コストで薄膜トランジスタ1を製造することができる。
また、この無電界メッキに用いるメッキ液13に、アルカリ金属イオンが実質的に含まないものを用いることにより、ソース電極3およびドレイン電極4へのアルカリ金属イオンの混入が防止され、有機半導体層5へのアルカリ金属イオンの拡散が防止される。これにより、有機半導体層5の特性の低下が防止され、その結果、スイッチング素子としての特性に優れる薄膜トランジスタ1を製造することができる。
さらに、前記工程[A2]における有機物の除去方法として、大気圧プラズマ処理を用い、前記工程[A1]におけるメッキ膜11の除去方法として、ウェットエッチングを用いることにより、薄膜トランジスタ1の製造工程の全てを、大気圧下で行うことが可能となり、製造コストの削減および製造時間の短縮を図ることができる。
次に、前述したような配線基板10が組み込まれた表示装置について、電気泳動表示装置を一例に説明する。
図5は、配線基板10を電気泳動表示装置に適用した場合の実施形態を示す縦断面図である。
図5に示すように、電気泳動表示部25は、対向基板251と、対向電極252と、マイクロカプセル40と、バインダ材45とを有している。
対向基板251上に、対向電極252が積層され、マイクロカプセル40(表示媒体)がバインダ材45により、対向電極252上に固定されている。
さらに、この電気泳動表示部25と配線基板10とが、マイクロカプセル40(表示媒体)より配線基板10側に、薄膜トランジスタ1および画素電極41を覆うように設けられた保護膜30を介して接合されている。
また、各カプセル40内には、それぞれ、特性の異なる複数種の電気泳動粒子、本実施形態では、電荷および色(色相)の異なる2種の電気泳動粒子401、402を含む電気泳動分散液400が封入されている。
すなわち、このような電気泳動表示装置20では、1本あるいは複数本の配線91に選択信号(選択電圧)を供給すると、この選択信号(選択電圧)が供給された配線91に接続されている薄膜トランジスタ1がONとなる。
このとき、画素電極41と対向電極252との間に電界が生じ、この電界の方向、強さ、電気泳動粒子401、402の特性等に応じて、電気泳動粒子401、402は、いずれかの電極の方向に向かって電気泳動する。
したがって、配線91への選択信号の供給および停止、あるいは、配線92へのデータの供給および停止を適宜組み合わせて行うことにより、電気泳動表示装置20の表示面側(対向基板)には、所望の画像(情報)を表示させることができる。
また、本実施形態の電気泳動表示装置20は、配線基板10を有することにより、特定の配線91に接続された薄膜トランジスタ1を選択的にON/OFFすることができるので、クロストークの問題が生じにくく、また、回路動作の高速化が可能であることから、高い品質の画像(情報)を得ることができる。
また、本実施形態の電気泳動表示装置20は、低い駆動電圧で作動するため、省電力化が可能である。
まず、配線基板10と電気泳動表示部25とを予め作製する。
次に、配線基板10のゲート絶縁膜6側の面、または、電気泳動表示部25のマイクロカプセル40側の面、少なくとも一方に保護膜30を形成する。
そして、配線基板10のゲート絶縁膜6と、電気泳動表示部25のマイクロカプセル40とを保護膜30を介して接触させた状態で、例えば、配線基板10と電気泳動表示部25とが接近するように加圧しつつ、加熱する。これにより、保護膜30がバインダ剤として機能し、配線基板10と電気泳動表示部25とが接合されて、電気泳動表示装置20が製造される。
仮に保護膜30を省略した場合、電気泳動表示装置20を製造する際に、配線基板10と電気泳動表示部25とを加圧すると、薄膜トランジスタ1やマイクロカプセル40等に直接、圧力やせん断応力が掛かることになる。このとき、マイクロカプセル40が破裂(破損)した場合には、マイクロカプセル40内の電気泳動分散液400が流出する。
これに対して、電気泳動表示装置20では、保護膜30を有することから、たとえ、マイクロカプセル40が破裂して、電気泳動分散液400が流出した場合でも、保護膜30の存在により、有機半導体層5を溶解や膨潤させることを防止できる。これにより、薄膜トランジスタ1の特性の低下を好適に防止することができる。
なお、本発明で製造された薄膜トランジスタを複数備える表示装置は、このような電気泳動表示装置20への適用に限定されるものではなく、液晶表示装置、有機または無機EL表示装置等に適用することもできる。
このような電気泳動表示装置20は、各種電子機器に組み込むことができる。以下、電気泳動表示装置20を備える電子機器について説明する。
<<電子ペーパー>>
まず、本発明で製造された薄膜トランジスタを複数備える電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態について説明する。
図6は、本発明で製造された薄膜トランジスタを複数備える電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
この図に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。
このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
次に、本発明で製造された薄膜トランジスタを複数備える電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図7は、本発明で製造された薄膜トランジスタを複数備える電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。
この図に示すディスプレイ800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図6に示す構成と同様のものである。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。
また、このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600が、前述したような電気泳動表示装置20で構成されている。
例えば、前記実施形態では、薄膜トランジスタの製造方法で製造される薄膜トランジスタについて、トップゲート構造のものを代表に説明したが、本発明は、ボトムゲート構造の薄膜トランジスタの製造方法に適用することもできる。
また、本発明で製造された薄膜トランジスタを複数備える配線基板、表示装置および電子機器の各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することもできる。
なお、具体的実施例においては、配線基板の製造を行う前に、上述した配線基板の製造方法を用いて、薄膜トランジスタを製造した。
そこで、以下では、薄膜トランジスタの製造方法およびその評価について説明を行う。
1.薄膜トランジスタの製造
以下では、特に断らない限り、水として純水を用いた。
まず、平均厚さ1mmのガラス基板を用意し、水(洗浄液)を用いて洗浄した。
次に、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(カチオン性界面活性剤)の水溶液(25℃)中に、ガラス基板を60秒間浸漬した。これにより、ガラス基板の表面に塩化ジステアリルジメチルアンモニウムを吸着させた。その後、水を用いてガラス基板を洗浄した。
次に、HBF4とブドウ糖とを含む水溶液(25℃)中に、ガラス基板を60秒間浸漬した。これにより、ガラス基板の表面からSnを除去して、Pdをガラス基板の表面に露出させた。その後、水を用いてガラス基板を洗浄した。
なお、Niメッキ液は、硫酸ニッケル10gと、ヒドラジン(還元剤)100gと、硫化アンモニウム(pH調整剤)5gとを、それぞれ水1Lに溶解して調製した。
次に、このNiメッキ膜上に、フォトリソグラフィー法により、ソース電極およびドレイン電極の形状に対応するパターンのレジスト層を形成した。
次に、塩化第二鉄水溶液(25℃)中に、ガラス基板を浸漬した。これにより、レジスト層で覆われていない部分のメッキ膜を除去して、ソース電極およびドレイン電極を形成した。
なお、ソース電極指とドレイン電極指間との距離(チャネル長L)を10μm、チャネル幅Wを1mmとした。
次に、ソース電極およびドレイン電極が形成されたガラス基板に対して、大気圧下で酸素プラズマ処理(大気圧酸素プラズマ処理)を施した。
なお、大気圧プラズマ処理の条件は、RFパワー0.05W/cm2、ガス流量80sccmとした。
次に、有機半導体層上に、ポリスチレンの6%wt/vol酢酸ブチル溶液を、スピンコート法(2400rpm)により塗布した後、60℃×10分間で乾燥した。これにより、平均厚さ400nmのゲート絶縁層を形成した。
以上の工程により、図1に示す薄膜トランジスタを製造した。
ゲート絶縁層上に供給されたAg微粒子の水分散液の焼成条件およびそれにより形成されたゲート電極の平均厚さを表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして、図1に示す薄膜トランジスタを製造した。
(実施例6)
ガラス基板の代わりに、平均厚さ35μmのポリイミド基板を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ソース電極、ドレイン電極を形成した後、ポリイミド基板上に、フルオレン−ビチオフェン共重合体の1%wt/volトルエン溶液を、インクジェット法(液滴1滴の量20pL)により塗布した後、60℃×10分間で乾燥した。これにより、平均厚さ50nmの有機半導体層を形成した。
その後、前記実施例1と同様にして、ゲート絶縁層およびゲート電極を形成して、図1に示す薄膜トランジスタを製造した。
(実施例7〜10)
ゲート絶縁層上に供給されたAg微粒子の水分散液の焼成条件およびそれにより形成されたゲート電極の平均厚さを表1に示すように変更した以外は、前記実施例6と同様にして、図1に示す薄膜トランジスタを製造した。
前記実施例1と同様にして、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体層、ゲート絶縁層を作製した。その後、ゲート絶縁層上に、フォトリソグラフィー法により、ゲート電極を形成しない領域に対応するパターンのレジスト層を形成した。
なお、レジスト材料には、東京応化工業社製、「OPR800」を用いた。
次に、ゲート絶縁層上の、レジスト層が形成されていない領域、すなわち、ソース電極指とドレイン電極指とが互いに噛み合う領域に対応する部分に、真空蒸着法(チャンバー内圧力1×10−3Torr、基板の加熱温度100℃)によりAg膜(ゲート電極)を形成した。
次に、レジスト剥離液を用いて、レジスト層を除去した後、ゲート絶縁層上にゲート電極が形成されたガラス基板を、水およびメタノールで、順次洗浄した。これにより、平均厚さ800nmのゲート電極を形成した。
以上の工程により、図1に示す薄膜トランジスタを製造した。
ガラス基板の代わりに、平均厚さ35μmのポリイミド基板を用いた以外は、前記比較例1と同様にして、ソース電極、ドレイン電極を形成した後、ポリイミド基板上に、フルオレン−ビチオフェン共重合体の1%wt/volトルエン溶液を、インクジェット法(液滴1滴の量20pL)により塗布した後、60℃×10分間で乾燥した。これにより、平均厚さ50nmの有機半導体層を形成した。
その後、前記比較例1と同様にして、ゲート絶縁層およびゲート電極を形成して、図1に示す薄膜トランジスタを製造した。
各実施例および各比較例で製造した薄膜トランジスタを、I:低温低湿な環境(20℃、30%RH)に1時間放置し、次にII:高温多湿な環境(80℃、80%RH)に30分間放置し、その後再びIII:低温低湿な環境(20℃、30%RH)に5時間放置した。
このような環境に晒された、各実施例および各比較例で製造した薄膜トランジスタについて、それぞれ、オフ電流を、上記3ポイントにおいて測定を行った。
したがって、オフ電流が0に近いほど、良好な特性を有する薄膜トランジスタであることを意味する。
これらのオフ電流を表2に示す。
その後、各実施例の薄膜トランジスタは、II:高温多湿な環境(80℃、80%RH)に30分間放置することにより、オフ電流が増し、特性が低下したものの、再度III:低温低湿な環境(20℃、30%RH)に5時間放置することにより、Iで測定されたオフ電流にほぼ復帰した。これは、薄膜トランジスタ内に取り込まれた酸素や水分が円滑に排出されていることを示唆する結果である。そして、これらの排出により薄膜トランジスタの特性が速やかに回復したものと推察される。
Claims (9)
- 基板上にソース電極およびドレイン電極を形成する工程と、
前記ソース電極およびドレイン電極上に有機半導体層を形成する工程と、
前記有機半導体層上にゲート絶縁層を形成する工程と、
前記ゲート絶縁層上に導電性粒子を含む液状材料を塗布し塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を130℃以下の温度で加熱しゲート電極を形成する工程とを含み、
得られる前記ゲート電極が、前記導電性粒子を含む多孔質膜で構成され、前記多孔質膜の空孔率が51〜75%であることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 請求項1に記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記多孔質膜は、その空孔内に炭素原子または炭素系化合物を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 請求項1または2のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記導電性粒子は、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Niまたはこれらを含む合金のうち少なくともいずれかを含むことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記液状材料は、前記導電性粒子と、水を含む分散媒とを含有してなるものであることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記塗布は、インクジェット法で行うことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記有機半導体層は、アリールアミンを含む重合体またはその誘導体を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記有機半導体層は、フルオレンとビチオフェンとを含む共重合体またはその誘導体を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記有機半導体層は、インクジェット法を用いて形成されたものであることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記ソース電極およびドレイン電極は、双方が櫛歯状をなし、かつ、その歯が互いに噛み合うようにして形成されていることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
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