JP5181587B2 - 有機半導体素子およびその製造方法、有機トランジスタアレイ、およびディスプレイ - Google Patents

有機半導体素子およびその製造方法、有機トランジスタアレイ、およびディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は、有機半導体トランジスタが用いられた有機半導体素子、有機半導体素子の製造方法、有機トランジスタアレイ、およびディスプレイに関するものである。
TFTに代表される半導体トランジスタは、近年、ディスプレイ装置の発展に伴ってその用途を拡大する傾向にある。このような半導体トランジスタは、半導体材料を介して電極が接続されていることにより、スイッチング素子としての機能を果たすものである。
ここで、図5に例示するように上記半導体材料を用いたトランジスタ100は、通常、ゲート電極101と、上記ゲート電極101を絶縁するゲート絶縁層102と、上記半導体材料からなる半導体層103と、上記半導体層103に接触するように形成されたソース電極104およびドレイン電極105を有するものであり、上記ゲート電極101が、上記半導体層103の下面側に配置されているボトムゲート構造のものと(図5(a))、上記ゲート電極101が上記半導体層103の上面側に配置されているトップゲート構造のものと(図5(b))、が知られている。
従来、上記半導体トランジスタに用いられる半導体材料としては、シリコン(Si)やガリウム砒素(GaAs)やインジウムガリウム砒素(InGaAs)などの無機半導体材料が用いられており、近年、普及が拡大している液晶表示素子のディスプレイ用TFTアレイ基板にもこのような無機半導体材料を用いた半導体トランジスタが用いられている。その一方で、上記半導体材料としては、有機化合物からなる有機半導体材料も知られている。
このような有機半導体材料が用いられたトランジスタは、上記無機半導体材料が用いられたものに比べて安価に大面積化が可能であり、フレキシブルなプラスチック基板上に形成でき、さらに機械的衝撃に対して安定であるという利点を有することから、電子ペーパーに代表されるフレキシブルディスプレイ等の、次世代ディスプレイ装置への応用などを想定した研究が活発に行われている。
ここで、上記半導体材料が用いられた半導体トランジスタは、上述したように、通常、ゲート電極、ゲート絶縁層、半導体材料からなる半導体層、ソース電極およびドレイン電極からなるものであり、ゲート電圧によって上記半導体界面の電荷量を変化させることによって、ドレイン電流を制御してスイッチング機能を発揮させるものであるが、十分なスイッチング機能を発揮するためには、オン、オフ時のドレイン電流の比であるオンオフ比が大きいことが求められる。オンオフ比が大きい場合には、わずかなゲート電圧の変化で大きなドレイン電流の変化を得ることができるため、十分なスイッチング機能を発揮することができる。これに対してオンオフ比が小さい場合には、ゲート電圧の変化に対してドレイン電流の変化量が小さいため、スイッチング機能を発揮するためには、ゲート電圧に印加する電圧を大きなものとする必要がある。
このようにトランジスタの重要な機能であるスイッチング機能を発揮するために大きな影響を及ぼすオンオフ比であるが、有機半導体トランジスタは、無機半導体トランジスタと比べて、オンオフ比が小さいといった問題があった。
オンオフ比が小さくなる原因としては、オン電流が低い場合、オフ電流が高い場合が挙げられるが、なかでも、有機半導体トランジスタにおいては、オフ電流が高いことが問題となっていた。有機半導体トランジスタを構成する有機半導体層は、有機半導体材料からなる有機半導体層をパターン状に形成する等の微小加工が困難であり、ゲート電極に比べて面積が大きく、その結果、オフ時においても、電流の回り込みが発生し、オフ電流が高くなるためである。
これに対して、特許文献1では、ソース・ドレイン電極上に絶縁層を設けた後、有機半導体材料を蒸着法を用いて、ソース・ドレイン電極と接するように有機半導体層を形成する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、塗工液状にした有機半導体材料を塗工するスクリーン印刷法や、インクジェット法等の印刷法に比べ、生産性が低いという問題があった。
また、従来、有機半導体層をパターニングするためには、樹脂等により隔壁を形成し、その隔壁内部にインクジェット法等を用いて行っており、このような隔壁の形成を行う隔壁形成工程を、別工程として必要としていたため、生産性が低下するといった問題があった。
特開2000−269504号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、オフ電流が低い有機半導体トランジスタを有する有機半導体素子を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、基板、および、基板上に形成されたゲート電極と、上記ゲート電極上に形成されたゲート絶縁層と、上記ゲート絶縁層上に形成された多孔質体であるソース電極およびドレイン電極と、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層とを有する有機半導体トランジスタを有することを特徴とする有機半導体素子を提供する。
また、本発明は、基板、および、基板上に形成された多孔質体であるソース電極およびドレイン電極と、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層と、上記有機半導体層上に形成されたゲート絶縁層と、上記ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極とを有する有機半導体トランジスタを有することを特徴とする有機半導体素子を提供する。
本発明によれば、上記有機半導体層が上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに形成されていることにより、オフ時におけるドレイン電流量、すなわちオフ電流を低いものとすることができる。また、本発明によれば、上記ソース電極およびドレイン電極が多孔質体であることにより、例えば、本発明の有機半導体素子を製造する際に、有機半導体層をアディティブ法を用いて形成する場合において、上記ソース電極およびドレイン電極は、アディティブ法によって付与された有機半導体材料を吸収し、上記ソース・ドレイン電極間に安定的に保持することができることから、有機半導体層を安定的に形成することが容易になる。
さらに、上述したように上記電極間に有機半導体材料を安定的に保持することができることにより、上記ソース電極およびドレイン電極の高さを低いものとすることができ、これにより、上記ソース電極およびドレイン電極の形成を容易なものにすることができる。
またさらに、本発明の有機半導体素子の表面をフラットにすることができるため、パッシベーション層、対向電極の形成等を容易なものとすることができる。
このようなことから、本発明によればオンオフ比に優れる有機半導体素子を得ることができる。
本発明においては、上記ソース電極およびドレイン電極が備える多孔中に有機半導体材料が含まれることが好ましい。これにより有機半導体層と、ソース電極およびドレイン電極との接触面積を実質的に増加させることができるため、本発明における有機半導体トランジスタの性能を向上させることができるからである。また、このように有機半導体材料が、ソース電極およびドレイン電極に含有されるように有機半導体層を形成することにより、有機半導体層を上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに形成することが容易になるからである。
本発明においては、上記有機半導体層が上記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いて、アディティブ法により形成されたものであることが好ましい。ここで、アディティブ法とは、有機半導体材料を、ソース電極およびドレイン電極間のみに付与することができ、かつ、ソース電極およびドレイン電極間のみにパターン状に有機半導体層が形成されるように選択的に有機半導体材料を付与することができる方法をいう。上記有機半導体層がこのようなアディティブ法により形成されたものであることにより、例えば、本発明の有機半導体素子を製造する際に、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに、有機半導体層を形成することが容易になるからである。
また、従来であれば、上記有機半導体層を上記アディティブ法を用いてパターニングするためには、樹脂等により隔壁を形成する工程が必要であったが、上記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いることにより、有機半導体層を直接パターン状に形成できるため、生産性に優れたものとすることができるからである。
さらに、本発明においては上記ソース電極およびドレイン電極が多孔質体であることから、有機半導体層をアディティブ法を用いて形成する場合において、上記ソース電極およびドレイン電極が、アディティブ法によって付与された有機半導体材料を吸収し、上記ソース・ドレイン電極間に安定的に保持することができるため、有機半導体層を安定的に形成することが容易になるからである。
本発明においては、上記アディティブ法がインクジェット法であることが好ましい。上記アディティブ法がインクジェット法であることにより、位置精度良く、所望の量の有機半導体材料を付与できるため、例えば、本発明の有機半導体素子を製造する際に、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに、有機半導体層を形成することがより容易になるからである。
また本発明においては、上記有機半導体層が上記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いて、アディティブ法により形成されたものであり、かつ、上記ゲート絶縁層の表面が、上記アディティブ法に用いられる有機半導体層形成用塗工液に対する撥液性を有することが好ましい。これにより本発明の有機半導体素子を製造する過程において、上記有機半導体層を形成する際に、上記有機半導体層形成用塗工液が上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に濡れ拡がることを防止できるため、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体層を形成することが容易になるからである。
また本発明においては、上記有機半導体層が上記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いて、アディティブ法により形成されたものであり、かつ、上記基板の表面が、上記アディティブ法に用いられる有機半導体層形成用塗工液に対する撥液性を有することが好ましい。これにより本発明の有機半導体素子を製造する過程において、上記有機半導体層を形成する際に、上記有機半導体層形成用塗工液が上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に濡れ拡がることを防止できるため、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体層を形成することが容易になるからである。
さらに本発明においては、上記撥液性の程度が上記有機半導体層形成用塗工液に対する接触角で40°以上であることが好ましい。これにより本発明の有機半導体素子を製造する過程において、上記有機半導体層を形成する際に、上記ソース電極およびドレイン電極に染み込んだ上記有機半導体層形成用塗工液が電極外へ染み出すことを防止できるため、上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に有機半導体層が形成されることを防止できるからである。
本発明は、基板を用い、上記基板上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、上記ゲート電極上に、ゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、上記ゲート絶縁層上に、多孔質体であるソース電極およびドレイン電極を形成するソース・ドレイン電極形成工程と、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体材料からなる有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、を有することを特徴とする、有機半導体素子の製造方法を提供する。
本発明は、基板を用い、上記基板上に多孔質体であるソース電極およびドレイン電極を形成するソース・ドレイン電極形成工程と、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体材料からなる有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、上記有機半導体層上に、ゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、上記ゲート絶縁層上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、を有することを特徴とする有機半導体素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記有機半導体層形成工程が、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体材料からなる有機半導体層を形成することにより、オンオフ比に優れた有機半導体素子を製造することができる。
また、本発明によれば、上記ソース・ドレイン電極形成工程が、多孔質体であるソース電極およびドレイン電極を形成するものであることにより、例えば、上記有機半導体層形成工程において有機半導体層をアディティブ法を用いて形成する場合において、上記ソース電極およびドレイン電極が、アディティブ法によって付与された有機半導体材料を吸収し、上記ソース・ドレイン電極間に安定的に保持することができることから、有機半導体層を安定的に形成することが容易になるからである。
さらに、上述したように上記電極間に有機半導体材料を安定的に保持することができることにより、上記ソース電極およびドレイン電極の高さを低いものとすることができ、これにより、上記ソース電極およびドレイン電極の形成を容易なものにすることができる。またさらに、本発明の有機半導体素子の表面をフラットにすることができるため、パッシベーション層、対向電極の形成等を容易なものとすることができる。
本発明においては、上記有機半導体層形成工程が、上記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いて、アディティブ法によって上記有機半導体材料からなる上記有機半導体層を形成するものであることが好ましい。上記有機半導体層形成工程が、アディティブ法によって上記有機半導体材料からなる上記有機半導体層を形成するものであることにより、上記有機半導体層形成工程において、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体層を安定的に形成することが容易となるからである。
また、従来であれば、上記有機半導体層を上記アディティブ法を用いてパターニングするためには、樹脂等により隔壁を形成する工程が必要であったが、上記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いることにより、有機半導体層を直接パターン状に形成できるため、生産性に優れたものとすることができるからである。
さらに、本発明においては上記ソース・ドレイン電極形成工程が、多孔質体であるソース電極およびドレイン電極を形成するものであるから、上記有機半導体層形成工程がアディティブ法を用いるものであることにより、上記ソース電極およびドレイン電極が、アディティブ法によって付与された有機半導体材料を吸収し、上記ソース・ドレイン電極間に安定的に保持することができるため、有機半導体層を安定的に形成することが容易になるからである。
また、本発明においては、上記アディティブ法が、インクジェット法であることが好ましい。上記アディティブ法が、インクジェット法であることにより、位置精度良く、所望の量の有機半導体材料を付与できるため、上記有機半導体層形成工程において、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体材料からなる有機半導体層を安定的に形成することがより容易となるからである。
本発明においては、上記ソース・ドレイン電極形成工程が、金属ナノ粒子を含有する塗工液を塗布・焼結する塗布法によってソース電極およびドレイン電極を形成するものであることが好ましい。このような金属ナノ粒子を含有する塗工液を塗布・焼結する塗布法を用いてソース電極およびドレイン電極を形成することにより、ソース電極およびドレイン電極を多孔質体とすることができるからである。これにより上記有機半導体層形成工程において、有機半導体層をアディティブ法を用いて形成する場合において、多孔質体であるソース電極およびドレイン電極は、付与された有機半導体材料を吸収し、安定的に保持することができるため、上記ソース・ドレイン電極間のみに有機半導体層を安定的に形成することが容易になるからである。
また、上述したように上記電極間に有機半導体材料を安定的に保持することができることにより、上記ソース電極およびドレイン電極の高さを低いものとすることができ、これにより、上記ソース電極およびドレイン電極の形成を容易なものとすることができる。またさらに、本発明の有機半導体素子の表面をフラットにすることができるため、パッシベーション層、対向電極の形成等を容易なものとすることができるからである。
また本発明においては、上記有機半導体層形成工程が、上記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いて、アディティブ法によって有機半導体層を形成するものであり、かつ、上記ゲート絶縁層形成工程において形成されるゲート絶縁層の表面が、上記アディティブ法に用いられる有機半導体層形成用塗工液に対する撥液性を有することが好ましい。これにより上記有機半導体層形成工程において有機半導体層を形成する際に、上記有機半導体層形成用塗工液が上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に濡れ拡がることを防止できるため、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体層を形成することが容易になるからである。
また本発明においては、上記有機半導体層形成工程が、上記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いて、アディティブ法によって有機半導体層を形成するものであり、かつ、上記基板の表面が上記アディティブ法に用いられる有機半導体層形成用塗工液に対する撥液性を有することが好ましい。これにより有機半導体層形成工程において有機半導体層を形成する際に、上記有機半導体層形成用塗工液が上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に濡れ拡がることを防止できるため、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体層を形成することが容易になるからである。
さらに本発明においては、上記ソース・ドレイン電極形成工程が、金属ナノ粒子を含有する塗工液を塗布・焼結する塗布法によってソース電極およびドレイン電極を形成するものであり、かつ、上記撥液性の程度が上記有機半導体層形成用塗工液に対する接触角で40°以上であることが好ましい。これにより上記有機半導体層形成工程において有機半導体層を形成する際に、上記ソース電極およびドレイン電極に染み込んだ上記有機半導体層形成用塗工液が電極外へ染み出すことを防止できるため、上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に有機半導体層が形成されることを防止できるからである。
また本発明は、上記本発明に係る有機半導体素子が用いられ、上記基板上に上記有機半導体トランジスタが複数個形成されていることを特徴とする、有機トランジスタアレイを提供する。本発明によれば、上記本発明に係る有機半導体素子が用いられていることから、オンオフ比に優れる有機トランジスタアレイを得ることができる。
さらに本発明は、上記本発明に係る有機トランジスタアレイが用いられたことを特徴とするディスプレイを提供する。本発明によれば、上記本発明に係る有機トランジスタアレイが用いられていることにより、表示性能に優れたディスプレイを得ることができる。
本発明は、有機半導体層をソース電極およびドレイン電極の間のみに形成することにより、オフ電流が低い有機半導体トランジスタを有する有機半導体素子を提供するといった効果を奏する。
本発明は、有機半導体素子、有機半導体素子の製造方法、有機トランジスタアレイ、およびディスプレイに関するものである。以下、本発明の有機半導体素子、および、有機半導体素子の製造方法について順に説明する。
A.有機半導体素子
最初に、本発明の有機半導体素子について説明する。本発明の有機半導体素子は、基板、および有機半導体トランジスタを有するものである。ここで、上記有機半導体トランジスタとしては、ボトムゲート構造のものと、トップゲート構造のものとがあり、上記有機半導体トランジスタがボトムゲート構造を有する場合には、本発明の有機半導体素子は、基板、および、基板上に形成されたゲート電極と、上記ゲート電極上に形成されたゲート絶縁層と、上記ゲート絶縁層上に形成された多孔質体であるソース電極およびドレイン電極と、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層とを有する有機半導体トランジスタを有することを特徴とするものであり、上記有機半導体がトップゲート構造を有する場合には、本発明の有機半導体素子は、基板、および、基板上に形成された多孔質体であるソース電極およびドレイン電極と、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層と、上記有機半導体層上に形成されたゲート絶縁層と、上記ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極とを有する有機半導体トランジスタを有することを特徴とするものである。
次に、本発明の有機半導体素子について図を参照しながら説明する。図1は、本発明の有機半導体素子の一例を示す概略図である。本発明の有機半導体素子が、ボトムゲート構造の有機半導体トランジスタを有するものである場合には、図1(a)に例示するように本発明の有機半導体素子30Aは、基板20、およびボトムゲート構造の有機半導体トランジスタ10Aを有するものとなる。
ここで、ボトムゲート構造の有機半導体トランジスタ10Aは、上記基板20上に形成されたゲート電極1と、上記ゲート電極1上に形成されたゲート絶縁層2と、上記ゲート絶縁層2上に形成された多孔質体であるソース電極3およびドレイン電極4と、上記ソース電極3およびドレイン電極4の間のみに形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層5とを有するものである。
また、本発明の有機半導体素子が、トップゲート構造の有機半導体トランジスタを有するものである場合には、図1(b)に例示するように、本発明の有機半導体素子30Bは、基板20、およびトップゲート構造の有機半導体トランジスタ10Aを有するものとなる。
この場合において、トップゲート構造の有機半導体トランジスタ10Bは、上記基板20上に形成された多孔質体であるソース電極3’およびドレイン電極4’と、上記ソース電極3’およびドレイン電極4’の間のみに形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層5’と、上記有機半導体層5’上に形成されたゲート絶縁層2’と、上記ゲート絶縁層2’上に形成されたゲート電極1’とを有するものである。
本発明によれば、上記有機半導体層が上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに形成されていることにより、オフ時におけるドレイン電流量、すなわちオフ電流を低いものとすることができる。また、本発明によれば、上記ソース電極およびドレイン電極が多孔質体であることにより、例えば、本発明の有機半導体素子を製造する際に、有機半導体層をアディティブ法を用いて形成する場合において、上記ソース電極およびドレイン電極は、アディティブ法によって付与された有機半導体材料を吸収し、上記ソース・ドレイン電極間に安定的に保持することができることから、有機半導体層を安定的に形成することが容易になるからである。
さらに、上述したように上記電極間に有機半導体材料を安定的に保持することができることにより、上記ソース電極およびドレイン電極の高さを低いものとすることができ、これにより、上記ソース電極およびドレイン電極の形成を容易なものにすることができる。またさらに、本発明の有機半導体素子の表面をフラットにすることができるため、パッシベーション層、対向電極の形成等を容易なものとすることができる。
このようなことから、本発明によればオンオフ比に優れる有機半導体素子を得ることができる。
本発明の有機半導体素子は、基板、および有機半導体トランジスタを有するものである。
以下、このような有機半導体素子の各構成について説明する。
1.有機半導体トランジスタ
まず、本発明に用いる有機半導体トランジスタについて説明する。本発明に用いられる有機半導体トランジスタは、ボトムゲート構造の有機半導体トランジスタと、トップゲート構造の有機半導体トランジスタとの2態様に分けることができる。
以下、各態様に分けて本発明に用いられる有機半導体トランジスタについて説明する。
(1)第1態様の有機半導体トランジスタ
本態様の有機半導体トランジスタは、ボトムゲート構造を有するものである。すなわち、本態様の有機半導体トランジスタは、後述する基板上に形成されたゲート電極と、上記ゲート電極上に形成されたゲート絶縁層と、上記ゲート絶縁層上に形成された多孔質体であるソース電極およびドレイン電極と、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層とを有するものである。
このような本態様の有機半導体トランジスタは、図1(a)を用いて既に説明したように、有機半導体トランジスタ10Aが、後述する基板20上に形成されたゲート電極1と、上記ゲート電極1上に形成されたゲート絶縁層2と、上記ゲート絶縁層2上に形成された多孔質体であるソース電極3およびドレイン電極4と、上記ソース電極3およびドレイン電極4の間のみに形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層5とを有するものである。
本態様によれば、上記有機半導体層が上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに形成されていることにより、オフ時におけるドレイン電流量、すなわちオフ電流を低いものとすることができる。
本態様の有機半導体トランジスタは、少なくともゲート電極、ゲート絶縁層、ソース電極およびドレイン電極、および有機半導体層を有するものである。
以下、このような本態様の有機半導体トランジスタに用いられる各構成について順に説明する。
(a)有機半導体層
まず、本態様に用いられる有機半導体層について説明する。本態様に用いられる有機半導体層は有機半導体材料からなり、後述するソース電極およびドレイン電極の間のみに形成されたものである。
本態様に用いられる有機半導体材料としては、本発明の有機半導体素子の用途等に応じて、所望の半導体特性を備える有機半導体層を形成できる材料であれば特に限定されるものではなく、一般的に有機半導体トランジスタに用いられる有機半導体材料を用いることができる。このような有機半導体材料としては、例えば、π電子共役系の芳香族化合物、鎖式化合物、有機顔料、有機ケイ素化合物等を挙げることができる。より具体的には、ペンタセン等の低分子系有機半導体材料、および、ポリピロール、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)等のポリピロール類、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、ポリベンゾチオフェン等のポリチオフェン類、ポリイソチアナフテン等のポリイソチアナフテン類、ポリチェニレンビニレン等のポリチェニレンビニレン類、ポリ(p−フェニレンビニレン)等のポリ(p−フェニレンビニレン)類、ポリアニリン、ポリ(N−置換アニリン)等のポリアニリン類、ポリアセチレン等のポリアセチレン類、ポリジアセチレン、ポリアズレン等のポリアズレン類等の高分子系有機半導体材料を挙げることができる。
なかでも本態様においては溶液化が可能なものを好ましく用いることができる。後述するアディティブ法により有機半導体層の形成が可能であるため、後述するソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体層を形成するのが容易だからである。
また、本態様に用いられる有機半導体層の厚みについては、上記有機半導体材料の種類等に応じて所望の半導体特性を備える有機半導体層を発現できる範囲であれば特に限定されない。なかでも本態様においては、1nm〜1000nmであることが好ましく、なかでも1nm〜300nmの範囲内であることが好ましく、特に1nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より厚いとオフ時においても、回り込みによってドレイン電流が生じオフ電流が大きくなるからである。また、上記範囲より薄いと後述するソース電極およびドレイン電極と接触していない箇所が生じる可能性があるからである。
本態様に用いられる有機半導体層の形成方法は、ソース電極およびドレイン電極の間のみに形成できるものであれば特に限定されるものではない。このような形成方法としては、アディティブ法、フォトリソグラフィー法等が挙げることができるが、なかでも、上記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いて、アディティブ法により形成されたものであることが好ましい。上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに、有機半導体層を形成することが容易になるからである。
また、従来であれば、有機半導体層を上記アディティブ法を用いてパターニングするためには、樹脂等により隔壁を形成する工程が必要であったが、上記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いることにより、有機半導体層を直接パターン状に形成できるため、生産性に優れたものとすることができるからである。
さらに、本発明においては上記ソース電極およびドレイン電極が多孔質体であることから、有機半導体層をアディティブ法を用いて形成する場合において、上記ソース電極およびドレイン電極が、アディティブ法によって付与された有機半導体材料を吸収し、上記ソース・ドレイン電極間に安定的に保持することができるため、有機半導体層を安定的に形成することが容易になるからである。
ここで、アディティブ法とは、有機半導体材料を、ソース電極およびドレイン電極間のみに付与することができ、かつ、ソース電極およびドレイン電極間のみにパターン状に有機半導体層が形成されるように選択的に有機半導体材料を付与することができる方法をいい、具体的には、インクジェット法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷等の印刷法を挙げることができる。本態様においては、なかでも、インクジェット法によって形成されたものとすることが好ましい。上記アディティブ法がインクジェット法であることにより、位置精度良く、所望の量の有機半導体材料を付与できるため、例えば、本発明の有機半導体素子を製造する際に、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに、有機半導体層を形成することがより容易なものとなるからである。
(b)ソース電極およびドレイン電極
次に、本態様に用いられるソース電極およびドレイン電極について説明する。本態様に用いられるソース電極およびドレイン電極としては、多孔質体であり、所望の導電性を備える材料からなるものであれば特に限定されるものではないが、通常、金属材料からなるものが用いられる。このような金属材料としては、一般的に有機半導体トランジスタに用いられる金属材料を用いることができる。本態様に用いられる金属材料の例としては、Ag、Au、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Nb、Hf、Mo、Mo−Ta合金、ITO、IZO 、及びPEDOT/PSS等の導電性高分子を挙げることができる。なかでも本態様においては、Ag を用いることが好ましい。
ここで、上述したように本態様に用いられるソース電極およびドレイン電極は多孔質体であるが、本発明における「多孔質」とは、有機半導体材料を含有することができる程度の孔径の空孔を備える状態を指すものとする。
また、本態様に用いられるソース電極およびドレイン電極の厚みについては、上述した有機半導体層の厚みより厚く、かつ有機半導体層をソース電極およびドレイン電極の間のみに形成できる範囲であれば特に限定されない。本態様においては、50nm〜10000nmであることが好ましく、なかでも100nm〜2000nmの範囲内であることが好ましく、特に200nm〜2000nmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より厚いと対向電極、後述するパッシベーション層等の形成の妨げになる可能性があるからであり、上記範囲より薄いと上記有機半導体層を形成するために、例えば、アディティブ法により有機半導体材料を付与した際に、有機半導体材料がソース電極およびドレイン電極間から溢れ出てしまい、ソース電極およびドレイン電極間のみに有機半導体層を形成することが困難になるからである。
また、本態様に用いられるソース電極およびドレイン電極は、多孔質体であり、これにより、例えば、本発明の有機半導体素子を製造する際に、上述した有機半導体層をアディティブ法を用いて形成する場合において、有機半導体層を安定的に形成することが容易になるという効果を奏するものである。
ここで、上述したソース電極およびドレイン電極が多孔質体であることにより、有機半導体層を、ソース電極およびドレイン電極の間のみに安定的に形成することが容易となる理由については明らかではないが、次のような理由によるものであると考えられる。
すなわち、上記ソース電極およびドレイン電極は、多孔質体であることにより、上記有機半導体材料がアディティブ法により付与された際に、有機半導体材料をその多孔内に吸収し、ソース・ドレイン電極間に安定的に保持することを可能とする。これにより有機半導体層を上記ソース・ドレイン電極間に安定的に形成することができる。
このような効果によって、例えば、アディティブ法のなかでも、通常、ソース電極およびドレイン電極の厚みより直径が大きな液滴状態の有機半導体材料を付与することになるインクジェット法を用いた場合においても、ソース・ドレイン電極間から溢れることなく上記電極間のみに有機半導体層を形成することができる。これに対して上記ソース・ドレイン電極が多孔質体でない場合には、上記ソース・ドレイン電極の厚みを高くしないと、インクジェット法によって付与された液滴状態の有機半導体材料は上記電極間より溢れ出てしまい、上記電極間のみに有機半導体層を形成することが困難となる。
したがって、上記ソース電極およびドレイン電極は、多孔質体であることにより、上記ソース電極およびドレイン電極の高さを低いものとすることができ、これにより、上記ソース電極およびドレイン電極の形成を容易なものとすることができる。またさらに、本発明の有機半導体素子の表面をフラットにすることができるため、後述するパッシベーション層、対向電極の形成等を容易なものとすることができる。
本態様に用いられるソース・ドレイン電極が多孔質体である場合において、上記多孔質体の平均細孔径としては、ソース・ドレイン電極が所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、用いる金属ナノ粒子の大きさによって決定されるものである。
また、本態様においては、上記ソース電極およびドレイン電極が備える多孔中に有機半導体材料が含まれることが好ましい。これにより有機半導体層と、ソース電極およびドレイン電極との接触面積を実質的に向上させることができるため、本態様における有機半導体トランジスタの性能を増加させることができるからである。また、このように有機半導体材料が、ソース電極およびドレイン電極に含有されるように有機半導体層を形成することにより、有機半導体層を上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに形成することが容易になるからである。
(c)ゲート電極
次に、本態様に用いられるゲート電極について説明する。本態様に用いられるゲート電極としては、所望の導電性を備える材料からなるものであれば特に限定されるものではない。本態様においては、一般的に有機半導体トランジスタに用いられる金属材料を用いることができ、このような金属材料の例としては、Ag、Au、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Nb、Hf、Mo、Mo−Ta合金、ITO、IZO 、及びPEDOT/PSS等の導電性高分子を挙げることができる。
なお、本態様に用いられるゲート電極は、多孔質体であってもよく、多孔質体でなくてもよい。
(d)ゲート絶縁層
次に、本態様に用いられるゲート絶縁層について説明する。本態様に用いられるゲート絶縁層の材料は、一般的に有機半導体トランジスタに用いられるものと同様の絶縁性材料を用いることができる。このような絶縁性材料としては、例えば、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂等の有機材料や、SiO、SiNx、Al等の無機材料を用いることができる。
また、本態様に用いられるゲート絶縁層は、表面に撥液性を有するものであることが好ましい。特に、本態様に用いられる有機半導体層が上述したアディティブ法によって形成されたものである場合、本態様に用いられるゲート絶縁層は当該アディティブ法によって塗布される有機半導体層形成用塗工液に対する撥液性を備えるものであることが好ましい。ゲート絶縁層がこのような撥液性を有するものであることにより、本態様の有機半導体トランジスタを作製する過程において有機半導体層を形成する際に、上記有機半導体層形成用塗工液が上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に濡れ拡がることを防止できるため、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体層を形成することが容易になるからである。また、上記ゲート絶縁層上に形成される有機半導体層の半導体特性を向上させることができるからである。
ここで、上記有機半導体層形成用塗工液とは、上記有機半導体層がアディティブ法によって形成される場合に、上記ソース電極およびドレイン電極の間に塗布されるものであり、有機半導体材料を含有するものである。また、本態様において、上記「有機半導体層形成用塗工液に対する撥液性を備える」とは、ゲート絶縁層の表面に対する上記有機半導体層形成用塗工液に対する接触角が、40°以上であることを意味するものとする。
なお、上記接触角は、協和界面科学社製 Drop Master 700を用いて室温(23℃)において測定した値を用いるものとする。
本態様に用いられるゲート絶縁層として、表面に撥液性を有するものが用いられる場合、その撥液性の程度としては特に限定されるものではない。なかでも上記有機半導体層を形成する方法として上述したアディティブ法が用いられる場合は、当該アディティブ法によって塗布された有機半導体層形成用塗工液が、上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に濡れ拡がらない程度の撥液性を有することが好ましい。このような程度の撥液性を有することにより、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体層を形成することがさらに容易になるからである。
ここで、具体的な撥液性は上記有機半導体層形成用塗工液の組成や、ソース電極およびドレイン電極の形態等に応じて適宜調整されるものであるが、上記ソース電極およびドレイン電極として多孔質体のものを用いる場合、上記撥液性の程度は上記有機半導体層形成用塗工液に対する接触角が40°以上であることが好ましく、なかでも40°〜60°の範囲内であることが好ましく、特に40°〜45°の範囲内であることが好ましい。
上記接触角の範囲が上記範囲内であることにより、本態様の有機半導体トランジスタを製造する過程において有機半導体層を形成する際に、上記ソース電極およびドレイン電極に染み込んだ上記有機半導体層形成用塗工液が電極外へ染み出すことを防止できるため、上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に有機半導体層が形成されることを防止できるからである。
一方、上記ソース電極およびドレイン電極として多孔質体ではないものを用いる場合、上記撥液性の程度は上記有機半導体層形成用塗工液に対する接触角が50°以上であることが好ましく、なかでも50°〜60°の範囲内であることが好ましく、特に55°〜60°の範囲内であることが好ましい。
なお、上記接触角は、上述した測定方法および測定条件によって測定した値を用いるものとする。
本態様に用いられるゲート絶縁層として表面に撥液性を有するものを用いる場合、ゲート絶縁層が撥液性を備える態様としては、所望の撥液性を発現することができる態様であれば特に限定されるものではない。このような態様としては、例えば、ゲート絶縁層の表面が撥液化処理された態様、ゲート絶縁層が表面に撥液性材料を含有する撥液層を備える態様、ゲート絶縁層に撥液性材料が含有される態様、および、ゲート絶縁層の構成材料として所望の撥液性を有する材料が用いられた態様等を挙げることができる。本態様においてはこれらのいずれの態様のゲート絶縁層であっても好適に用いることができるが、なかでもゲート絶縁層の構成材料として所望の撥液性を有する材料が用いられた態様のものが好ましい。
(2)第2態様の有機半導体トランジスタ
本態様の有機半導体トランジスタは、トップゲート構造を有するものである。すなわち、本態様の有機半導体トランジスタは、後述する基板上に形成された多孔質体であるソース電極およびドレイン電極と、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層と、上記有機半導体層上に形成されたゲート絶縁層と、上記ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極とを有するものである。
このような本態様の有機半導体トランジスタは、図1(b)を用いて既に説明したように、有機半導体トランジスタ10Bが、後述する基板20上に形成された多孔質体であるソース電極3’およびドレイン電極4’と、上記ソース電極3’およびドレイン電極4’の間のみに形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層5’と、上記有機半導体層5’上に形成されたゲート絶縁層2’と、上記ゲート絶縁層2’上に形成されたゲート電極1’とを有するものである。
本態様によれば、上記有機半導体層が上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに形成されていることにより、オフ時におけるドレイン電流量、すなわちオフ電流を低いものとすることができる。
本態様に用いられる有機半導体トランジスタは、少なくとも上記ゲート電極、ゲート絶縁層、有機半導体層、ソースおよびドレイン電極を有するものである。ここで、本態様に用いられるこれらの各構成については、上記「(1)第1態様の有機半導体トランジスタ」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、本態様に用いられる有機半導体トランジスタは、上記ゲート電極、ゲート絶縁層、有機半導体層、ソースおよびドレイン電極以外の他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成についても上記「(1)第1態様の有機半導体トランジスタ」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(3)その他
本発明に用いられる有機半導体トランジスタは上述した構成を有し、ボトムゲート構造もしくは、トップゲート構造を有するものであれば特に限定されるものではなく、他の構成を有するものであってもよい。
このような他の構成としては本発明の有機半導体素子に所望の機能を付与できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも上記他の構成として本発明に好適に用いられるものとしては、上記有機半導体層を覆うように形成され、上記有機半導体層が空気中に含有される水分等に曝露されることを防止するパッシベーション層を挙げることができる。このようなパッシベーション層を有することにより、本発明に用いられる有機半導体トランジスタを、トランジスタ性能の経時劣化が少ないものにすることができる。
図2は、本発明に用いられる有機半導体トランジスタが上記パッシベーション層を有する場合の一例を示す概略図である。図2に例示するように、本発明に用いられる有機半導体トランジスタ10Aは、上記有機半導体層5を覆うようにパッシベーション層6が形成されているものであってもよい。
なお、図2は、上記有機半導体トランジスタがボトムゲート構造を有するものであるが、トップゲート構造を有するものである場合も同様にパッシベーション層を形成することができる。
本発明に用いられるパッシベーション層を構成する材料としては、上記有機半導体層が空気中に含有される水分等に曝露されることを所望の程度に防止できるものであれば特に限定されるものではない。このような材料としては、例えば、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂等の樹脂材料を挙げることができる。
また、本発明の有機半導体素子は、通常、後述する基板上に複数の有機半導体トランジスタが配置された構成を有するものである。ここで、上記複数の有機半導体トランジスタが基板上に配置される態様は特に限定されるものではなく、本発明の有機半導体素子の用途等に応じて所望の態様で配置することができる。
2.基板
次に、本発明の有機半導体素子に用いられる基板について説明する。本発明に用いられる基板は上記有機半導体トランジスタを支持するものである。
本発明に用いられる基板としては、本発明の有機半導体素子の用途等に応じて任意の機能を有する基板を用いることができる。このような基板としては、ガラス基板等の可撓性を有さないリジット基板であってもよく、または、プラスチック樹脂からなるフィルム等の可撓性を有するフレキシブル基板であってもよい。本発明においては、このようなリジット基板およびフレキシブル基板のいずれであっても好適に用いられるが、なかでもフレキシブル基板を用いることが好ましい。このようなフレキシブル基板を用いることにより、本発明の有機半導体素子をRoll to Rollプロセスにより製造することが可能になるため、本発明の有機半導体素子を生産性の高いものにすることができるからである。
ここで、上記プラスチック樹脂としては、例えば、PET、PEN、PES、PI、PEEK、PC、PPSおよびPEI等を挙げることができる。
また、本発明に用いられる基板は単一層からなるものであってもよく、または、複数の層が積層された構成を有するものであってもよい。上記複数の層が積層された構成を有する基板としては、例えば、上記プラスチック樹脂からなる基材上に、金属材料からなるバリア層が積層された構成を有するものを例示することができる。ここで、上記プラスチック樹脂からなる基板は、本発明の有機半導体素子を可撓性を有するフレキシブルなものにできるという利点を有する反面、上記ソース電極およびドレイン電極を形成する際に表面に損傷を受けやすいという欠点を有することが指摘されている。しかしながら、上記バリア層が積層された基板を用いることにより、上記プラスチック樹脂からなる基材を用いる場合であっても、上記のような欠点を解消することができるという利点がある。
また、本発明に用いられる基板の厚みは、通常、1mm以下であることが好ましく、なかでも50μm〜700μmの範囲内であることが好ましい。
ここで、本発明に用いられる基板が複数の層が積層された構成を有するものである場合、上記厚みは、各層の厚みの総和を意味するものとする。
さらに、上記有機半導体トランジスタとして上述した第2態様の有機半導体トランジスタが用いられる場合、本発明に用いられる基板は表面に撥液性を有するものであることが好ましい。特に、上記第2態様の有機半導体トランジスタに用いられる有機半導体層が上述したアディティブ法によって形成されたものである場合、本発明に用いられる基板は当該アディティブ法によって塗布される有機半導体層形成用塗工液に対する撥液性を備えるものであることが好ましい。基板がこのような撥液性を有するものであることにより、上記第2態様の有機半導体トランジスタを作製する工程において、上記有機半導体層形成用塗工液が上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に濡れ拡がることを防止できるため、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体層を形成することが容易になるからである。また、上記基板上に形成される有機半導体層の半導体特性を向上させることができるからである。
ここで、上記有機半導体層形成用塗工液、および、上記「有機半導体層形成用塗工液に対する撥液性を備える」の意味については、上記「第1態様の有機半導体トランジスタ」の項において説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様に用いられる基板として表面に撥液性を有するものが用いられる場合、その撥液性の程度としては特に限定されるものではない。なかでも上記第2態様の有機半導体トランジスタに用いられる有機半導体層を形成する方法として、上述したアディティブ法が用いられる場合は、当該アディティブ法によって塗布された有機半導体層形成用塗工液が、上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に濡れ拡がらない程度の撥液性を有することが好ましい。このような程度の撥液性を有することにより、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体層を形成することがさらに容易になるからである。
ここで、具体的な撥液性は上記有機半導体層形成用塗工液の組成や、ソース電極およびドレイン電極の形態等に応じて適宜調整されるものであるが、上記ソース電極およびドレイン電極として多孔質体のものを用いる場合、上記撥液性の程度は上記有機半導体層形成用塗工液に対する接触角が40°以上であることが好ましく、なかでも40°〜60°の範囲内であることが好ましく、特に40°〜45°の範囲内であることが好ましい。上記接触角の範囲が上記範囲内であることにより、上記2態様の有機半導体トランジスタを製造する過程において有機半導体層を形成する際に、上記ソース電極およびドレイン電極に染み込んだ上記有機半導体層形成用塗工液が電極外へ染み出すことを防止できるため、上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に有機半導体層が形成されることを防止できるからである。
一方、上記ソース電極およびドレイン電極として多孔質体ではないものを用いる場合、上記撥液性の程度は上記有機半導体層形成用塗工液に対する接触角が50°以上であることが好ましく、なかでも50°〜60°の範囲内であることが好ましく、特に55°〜60°の範囲内であることが好ましい。
なお、上記接触角は、上述した測定方法および測定条件によって測定した値を用いるものとする。
本態様に用いられる基板として表面に撥液性を有するものを用いる場合、基板が撥液性を備える態様としては、所望の撥液性を発現することができる態様であれば特に限定されるものではない。このような態様としては、例えば、基板の表面が撥液化処理された態様、基板が表面に撥液性材料を含有する撥液層を備える態様、基板に撥液性材料が含有される態様、および、基板の構成材料として所望の撥液性を有する材料が用いられた態様等を挙げることができる。本態様においてはこれらのいずれの態様の基板であっても好適に用いることができるが、なかでも基板の構成材料として所望の撥液性を有する材料が用いられた態様のものが好ましい。
3.有機半導体素子の用途
本発明の有機半導体素子の用途としては、例えば、TFT方式を用いるディスプレイ装置のTFTアレイ基板として用いることができる。このようなディスプレイ装置としては例えば、液晶ディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、および、有機ELディスプレイ装置等を挙げることができる。
4.有機半導体素子の製造方法
本発明の有機半導体素子の製造方法としては、例えば、後述する「B.有機半導体素子の製造方法」の項において説明する方法を挙げることができる。
B.有機半導体素子の製造方法
次に、本発明の有機半導体素子の製造方法について説明する。本発明の有機半導体素子の製造方法は、基板と、上記基板上に形成された有機半導体トランジスタとを有する有機半導体素子を製造するものである。ここで、本発明の有機半導体素子の製造方法は、上記有機半導体トランジスタの構造によって2つの態様に分けることができる。すなわち、本発明の有機半導体素子の製造方法は、ボトムゲート構造の有機半導体トランジスタを有する有機半導体素子を製造する第1態様と、トップゲート構造の有機半導体トランジスタを有する有機半導体素子を製造する第2態様とに大別することができる。
したがって、以下、各態様に分けて本発明の有機半導体素子の製造方法について説明する。
B−1:第1態様の有機半導体素子の製造方法
まず、本発明の第1態様の有機半導体素子の製造方法について説明する。本態様の有機半導体素子の製造方法は、ボトムゲート構造の有機半導体トランジスタを有する有機半導体素子を製造する方法である。すなわち、本態様の有機半導体素子の製造方法は、基板を用い、上記基板上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、上記ゲート電極上に、ゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、上記ゲート絶縁層上に、多孔質体であるソース電極およびドレイン電極を形成するソース・ドレイン電極形成工程と、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体材料からなる有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、を有することを特徴とするものである。
このような本態様の有機半導体素子の製造方法について図を参照しながら説明する。図3は本態様の有機半導体素子の製造方法の一例を示す概略図である。図3に例示するように、本態様の有機半導体素子の製造方法は、基板20を用い(図3(a))、上記基板20上にゲート電極1を形成するゲート電極形成工程(図3(b))、上記ゲート電極1上にゲート絶縁層2を形成するゲート絶縁層形成工程(図3(c))と、上記ゲート絶縁層2上に多孔質体であるソース電極3およびドレイン電極4を形成するソース・ドレイン電極形成工程(図3(d))と、上記ソース電極3およびドレイン電極4の間のみに有機半導体材料からなる有機半導体層5を形成する有機半導体層形成工程(図3(e))と、を有し、上記基板20上に、ボトムゲート構造の有機半導体トランジスタ10Aが形成された有機半導体素子30Aを製造するものである。
本態様の有機半導体素子の製造方法によれば、上記有機半導体層形成工程が、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体材料からなる有機半導体層を形成することにより、オンオフ比に優れた有機半導体素子を製造することができる。
また、本態様によれば、上記ソース・ドレイン電極形成工程が、多孔質体であるソース電極およびドレイン電極を形成するものであることにより、例えば、上記有機半導体層形成工程において有機半導体層をアディティブ法を用いて形成する場合において、上記ソース電極およびドレイン電極が、アディティブ法によって付与された有機半導体材料を吸収し、上記ソース・ドレイン電極間に安定的に保持することができることから、有機半導体層を安定的に形成することが容易になるからである。
さらに、上述したように上記電極間に有機半導体材料を安定的に保持することができることにより、上記ソース電極およびドレイン電極の高さを低いものとすることができ、これにより、上記ソース電極およびドレイン電極の形成を容易なものにすることができる。またさらに、本態様の有機半導体素子の表面をフラットにすることができるため、パッシベーション層、対向電極の形成等を容易なものとすることができる。
本態様の有機半導体素子の製造方法は、少なくとも上記ゲート電極形成工程と、上記ゲート絶縁層形成工程と、上記ソース・ドレイン電極形成工程と、上記有機半導体層形成工程と、を有するものであり、必要に応じて他の工程を有してもよいものである。
以下、このような本態様に用いられる各工程について詳細に説明する。
1.ゲート電極形成工程
まず、本態様に用いられるゲート電極形成工程について説明する。本工程は、基板を用い、基板上にゲート電極を形成する方法である。
本工程において、上記基板上に上記ゲート電極を形成する方法としては、ゲート電極を構成する材料の種類に応じて所望の形態のゲート電極を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、真空蒸着法や金属ナノ粒子を塗布・焼結して形成する塗布法等を挙げることができる。
また、本工程においては、通常、上記基板上にパターン状にゲート電極を形成するが、パターン状にゲート絶縁層を形成する態様としては、上述した方法によって基板上の全面にゲート電極を形成した後、これをパターニングする態様であってもよく、または、基板上に直接パターン状のゲート電極を形成する態様であってもよい。
ここで、上記ゲート電極をパターニングする方法としては、通常、リソグラフィー法が用いられ、なかでもフォトレジストを用いたフォトリソグラフィー法が好適に用いられる。
一方、上記パターン状のゲート電極を直接形成する方法としては、スクリーン印刷法、インクジェット法等の印刷法や、マスク蒸着法等が好適に用いられる。
なお、本工程に用いられる基板およびゲート電極を構成する金属材料については、上記「A.有機半導体素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.ゲート絶縁層形成工程
次に、本態様に用いられるゲート絶縁層形成工程について説明する。本工程は、上記ゲート電極上に絶縁性材料からなるゲート絶縁層を形成する工程である。
本工程において上記ゲート絶縁層を形成する方法としては、絶縁性を有する絶縁性材料を含有し、所望の絶縁性を有するゲート絶縁層を形成できる方法であれば特に限定されるものでない。このような方法としては、例えば、絶縁性材料として有機材料を用いる場合には、有機材料を溶媒に溶解させたゲート絶縁層形成用塗工液を調製し、これを上記ゲート電極を覆うように塗工する方法を挙げることができる。
上記ゲート絶縁層形成用塗工液を塗工する塗布方式としては、上記ゲート絶縁層形成用塗工液の粘度等に応じて、厚みが均一な塗膜を形成できる方式であれば特に限定されるものではない。このような塗布方式としては、例えば、スピンコート法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、LB法、ディップコート法、スプレーコート法、ブレードコート法、およびキャスト法等の塗布方法や、インクジェット法、スクリーン印刷法、パッド印刷法、フレキソ印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、および、グラビア・オフセット印刷法等の印刷方法等を挙げることができる。
また、絶縁性材料として無機材料を用いる場合には、CVD法等を用いることができる。
なお、上記ゲート絶縁層に用いられる絶縁性材料については、上記「A.有機半導体素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.ソース・ドレイン電極形成工程
次に、本態様に用いられるソース・ドレイン電極形成工程について説明する。本工程は、上記ゲート絶縁層上に多孔質体であるソース電極およびドレイン電極を形成する工程である。
本工程において、上記ソース電極およびドレイン電極を形成する方法としては、多孔質体であるソース電極およびドレイン電極の間隔(チャネル)を所望の距離で形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような形成方法としては、例えば、金属ナノ粒子を含有する塗工液を塗布・焼結して形成する塗布法等を挙げることができる。
本発明においては、上記ソース・ドレイン電極形成工程が、金属ナノ粒子を含有する塗工液を塗布・焼結する塗布法によってソース電極およびドレイン電極を形成するものであることが好ましい。このような金属ナノ粒子を含有する塗工液を塗布・焼結する塗布法を用いてソース電極およびドレイン電極を形成することにより、ソース電極およびドレイン電極を容易に多孔質体とすることができるからである。これにより後述する有機半導体層形成工程が、有機半導体層をアディティブ法を用いて形成する場合においては、ソース電極およびドレイン電極が、付与された有機半導体材料を吸収し、安定的に保持することができるため、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体層を安定的に形成することが容易になるからである。
また、上述したように上記ソース・ドレイン電極間に有機半導体材料を安定的に保持することができることにより、上記ソース電極およびドレイン電極の高さを低いものとすることができ、これにより、上記ソース電極およびドレイン電極の形成が容易なものとすることができる。さらに、本発明の有機半導体素子の表面をフラットにすることができるため、パッシベーション層、対向電極の形成等を容易なものとすることができるからである。
上記金属ナノ粒子を含有する塗工液を塗布・焼結する塗布法は、金属ナノ粒子を含有する塗工液を塗布し、次いで焼結するものであるが、より具体的には、金属ナノ粒子を溶媒に分散して金属ナノ粒子塗工液を調製する金属ナノ粒子塗工液作成工程と、金属ナノ粒子塗工液を上記ゲート絶縁層上に塗工し塗膜を形成する塗工工程と、形成された金属ナノ粒子の塗膜を焼結する焼結工程とを少なくとも有するものである。以下、このような金属ナノ粒子を含有する塗工液を塗布・焼結する塗布法について説明する。
(金属ナノ粒子塗工液作成工程)
まず、上記金属ナノ粒子を含有する塗工液を塗布・焼結する塗布法に用いられる金属ナノ粒子塗工液作成工程について説明する。本工程は、金属ナノ粒子を溶媒に分散して金属ナノ粒子塗工液を調製するものである。
本工程に用いられる金属ナノ粒子の平均粒径としては、多孔質体を形成できるものであれば特に限定されるものではない。本工程においては、後述する有機半導体層形成工程において用いられる有機半導体層の形成方法等によって異なるものであるが、0.5nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、なかでも1nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、特に1nm〜300nmの範囲内である。上記範囲内であれば、例えば、後述する有機半導体層形成工程がアディティブ法を用いて有機半導体層を形成するものであったとしても、十分な吸収性を有するものとすることができるからである。また上記範囲より大きいと、ソース・ドレイン電極の保持能力が低下し、付与された有機半導体材料が、ソース・ドレイン電極から染み出したり、強度不足による破損や、後述する焼結工程での焼結温度が高いものとなる可能性があるからである。
ここで、金属ナノ粒子塗工液に用いられる金属ナノ粒子の平均粒径は、レーザー法により測定した値とする。平均粒径とは、一般に粒子の粒度を示すために用いられるものであり、レーザー法とは、粒子を溶媒中に分散し、その分散溶媒にレーザー光線を当てて得られた散乱光を細くし、演算することにより、平均粒径、粒度分布等を測定する方法である。なお、上記平均粒径は、レーザー法による粒径測定機として、リーズ&ノースラップ(Leeds & Northrup)社製 粒度分析計 マイクロトラックUPA Model-9230を使用して測定した値である。
上記金属ナノ粒子を含有する塗工液を塗布・焼結する塗布法に用いられる溶媒としては、上記金属ナノ粒子を均一に分散できるものであれば特に限定されるものではない。本工程においては、使用する金属ナノ粒子によって適宜選択されるものであり、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル等のエステル類;メトキシエタノール、エトキシエタノール等のエーテルアルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類;ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、トリメチルペンタン等の長鎖アルカン;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の環状アルカン;などを挙げることができる。さらに、水を用いることもできる。
これらは、単独で用いても、混合溶剤として用いてもよい。例えば、長鎖アルカンの混合物であるミネラルスピリットであってもよい。
また、上記金属ナノ粒子を溶媒に分散させた金属ナノ粒子塗工液に含まれる金属ナノ粒子の濃度としては、溶媒の種類等にもよっても異なるが、20質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも60質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましい。上記範囲であることにより、後述する塗工工程において厚薄精度良く塗膜を形成することができるからである。
(塗工工程)
次に、上記金属ナノ粒子を含有する塗工液を塗布・焼結する塗布法に用いられる塗工工程について説明する。上記金属ナノ粒子塗工液作成工程において作成された金属ナノ粒子塗工液を上記ゲート絶縁層上に塗工する工程である。
本工程における上記金属ナノ粒子塗工液の塗工方法としては、厚みが均一な塗膜を形成できる方式であれば特に限定されるものではない。このような塗工方法としては、例えば、スピンコート法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、LB法、ディップコート法、スプレーコート法、ブレードコート法、およびキャスト法等の塗布方法や、インクジェット法、スクリーン印刷法、パッド印刷法、フレキソ印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、および、グラビア・オフセット印刷法等の印刷方法等を挙げることができる。なかでも、本工程にいては、スクリーン印刷法あるいはマイクロコンタクトプリンティング法を用いることが好ましい。上記金属ナノ粒子塗工液をパターン状に精度良く塗工することが容易だからである。すなわちソース電極およびドレイン電極をパターン状に精度良く形成することが容易だからである。
また、本工程においては、金属ナノ粒子塗工液を塗工した後に、焼結工程に即座に移行しても良いが、焼結工程に移行する前に金属ナノ粒子塗工液の溶媒を除去する乾燥工程を行うことが好ましい。乾燥工程を行うことにより、焼結体の膜厚が不均一になることを抑制できるからである。
(焼結工程)
次に、上記金属ナノ粒子を含有する塗工液を塗布・焼結する塗布法に用いられる焼結工程について説明する。本工程においては、上記ゲート絶縁層上に形成された金属ナノ粒子の塗膜を焼結し、多孔質体のソース電極およびドレイン電極を形成する工程である。
本工程において、上記金属ナノ粒子を焼結する温度は、金属ナノ粒子を固着させることができる温度であれば特に限定されるものではないが、本工程においては、100℃〜350℃の範囲内であることが好ましく、なかでも100℃〜250℃の範囲内であることが好ましく、特に100℃〜220℃の範囲内とすることが好ましい。上記範囲より低いと上記金属ナノ粒子を十分に固着することができないからであり、上記範囲より高いと、ソース電極およびドレイン電極が形成される上記ゲート絶縁層、ゲート電極、基板等の他の部材にダメージを与える恐れがあるからである。
また、本工程において、蒸着法を用いて、ソース電極およびドレイン電極を形成する場合においては、上記蒸着法としては公知の方法を用いることができる。また、マスクを介して蒸着するマスク蒸着法を用いても良い。上記ソース電極およびドレイン電極を直接パターン状に形成できるからである。
なお、上記ソース電極およびドレイン電極を構成する金属材料については、上記「A.有機半導体素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
4.有機半導体層形成工程
次に、本態様に用いられる有機半導体層形成工程について説明する。本工程は、上記ソース・ドレイン電極形成工程によって形成されたソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体材料からなる有機半導体層を形成する工程である。
本工程において有機半導体層形成する方法としては、ソース電極およびドレイン電極の間のみに、所望の厚みの有機半導体層を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。
このような方法としては、アディティブ法、マスク蒸着法、フォトリソグラフィー法等が挙げることができるが、なかでも、上記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いて、アディティブ法により形成されたものであることが好ましい。上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体材料からなる有機半導体層を安定的に形成することが容易となるからである。
また、従来であれば、有機半導体層を上記アディティブ法を用いてパターニングするためには、樹脂等により隔壁を形成する工程が必要であったが、上記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いることにより、有機半導体層を直接パターン状に形成できるため、生産性に優れたものとすることができるからである。
ここで、アディティブ法とは、有機半導体材料を、ソース電極およびドレイン電極間のみに付与することができ、かつ、ソース電極およびドレイン電極間のみにパターン状に有機半導体層が形成されるように選択的に有機半導体材料を付与することができる方法をいい、具体的には、インクジェット法や、スクリーン印刷法、フレキソ印刷等の印刷法を挙げることができる。本態様においては、なかでも、インクジェット法によって形成されたものとすることが好ましい。上記アディティブ法がインクジェット法であることにより、位置精度良く、所望の量の有機半導体材料を付与できるため、例えば、本発明の有機半導体素子を製造する際に、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに、有機半導体層を形成することがより容易なものとなるからである。
また、本工程で有機半導体層を形成する方法として、上述したアディティブ法が用いられる場合、上記ゲート絶縁層形成工程によって形成されるゲート絶縁層は表面に、上記アディティブ法によって塗布される有機半導体層形成用塗工液に対する撥液性を備えるものであることが好ましい。これにより本工程において有機半導体層を形成する際に、上記有機半導体層形成用塗工液が上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に濡れ拡がることを防止できるため、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体層を形成することが容易になるからである。また、上記ゲート絶縁層上に形成される有機半導体層の半導体特性を向上させることができるからである。
ここで、上記有機半導体層形成用塗工液、および、上記「有機半導体層形成用塗工液に対する撥液性を備える」の意味については、上記「A.有機半導体素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記ゲート絶縁層の撥液性の程度は、アディティブ法によって塗布された有機半導体層形成用塗工液が、上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に濡れ拡がらない程度であれば特に限定されるものではなく、上記有機半導体層形成用塗工液の組成や、ソース電極およびドレイン電極の形態等に応じて適宜調整されるものである。ここで、上記ソース電極およびドレイン電極が多孔質体として形成されたものである場合、上記撥液性の程度は上記有機半導体層形成用塗工液に対する接触角が40°以上であることが好ましく、なかでも40°〜60°の範囲内であることが好ましく、特に40°〜45°の範囲内であることが好ましい。接触角が上記範囲内であることにより本工程において有機半導体層を形成する際に、上記ソース電極およびドレイン電極に染み込んだ上記有機半導体層形成用塗工液が電極外へ染み出すことを防止できるため、上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に有機半導体層が形成されることを防止できるからである。
一方、上記ソース電極およびドレイン電極として多孔質体ではない場合、上記撥液性の程度は上記有機半導体層形成用塗工液に対する接触角が50°以上であることが好ましく、なかでも50°〜60°の範囲内であることが好ましく、特に55°〜60°の範囲内であることが好ましい。
なお、上記接触角は、上述した測定方法および測定条件によって測定した値を用いるものとする。
上記有機半導体材料については、上記「A.有機半導体素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
5.その他の工程
本態様の有機半導体素子の製造方法には、上述した工程以外に他の工程が用いられていてもよい。このような他の工程としては、本態様の有機半導体素子の製造方法により製造される有機半導体素子に所望の機能を付与できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも上記他の工程として、本態様に好適に用いられるものとしては、上記有機半導体層を覆うようにパッシベーション層を形成するパッシベーション層形成工程を挙げることができる。このようなパッシベーション層形成工程を有することにより、本態様の有機半導体層形成工程によって製造される有機半導体素子を、トランジスタ特性に経時劣化が少ないものにできる。
上記パッシベーション層形成工程において、パッシベーション層を形成する方法としては、所望の保護機能を備えるパッシベーション層を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。なかでも本工程においては、樹脂材料を溶媒に溶解したパッシベーション層形成用塗工液を用い、これを上記有機半導体層上に塗工する方法が好適に用いられる。このような方法としては、印刷法を用い、上記有機半導体層上に上記パッシベーション層形成用塗工液をパターン状に印刷する方法と、上記パッシベーション層形成用塗工液を上記有機半導体層上の全面に塗工することにより、パターニングされていないパッシベーション層を形成する方法とを挙げることができる。本工程においては上記のいずれの方法であっても好適に用いることができる。
なお、上記樹脂材料については、上記「A.有機半導体素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
B−2:第2態様の有機半導体素子の製造方法
次に、本発明の第2態様の有機半導体素子の製造方法について説明する。本態様の有機半導体素子の製造方法は、トップゲート構造の有機半導体トランジスタを有する有機半導体素子を製造する方法である。すなわち、本態様の有機半導体素子の製造方法は、基板を用い、上記基板上に多孔質体であるソース電極およびドレイン電極を形成するソース・ドレイン電極形成工程と、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体材料からなる有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、上記有機半導体層上にゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、上記ゲート絶縁層上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、を有することを特徴とするものである。
このような本態様の有機半導体素子の製造方法について図を参照しながら説明する。図4は本態様の有機半導体素子の製造方法の一例を示す概略図である。図4に例示するように、本態様の有機半導体素子の製造方法は、基板20を用い(図4(a))、上記基板20上に多孔質体であるソース電極3’およびドレイン電極4’を形成するソース・ドレイン電極形成工程(図4(b))と、上記ソース電極3’およびドレイン電極4’の間のみに有機半導体材料からなる有機半導体層5’を形成する有機半導体層形成工程(図4(c))と、上記有機半導体層5’上に、ゲート絶縁層2’を形成するゲート絶縁層形成工程(図4(d))と、上記ゲート絶縁層2’上にゲート電極1’を形成するゲート電極形成工程(図4(e))とを有し、上記基板20上に、トップゲート構造の有機半導体トランジスタ10Bが形成された有機半導体素子30Bを製造するものである。
本態様によれば、上記有機半導体層形成工程が、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体材料からなる有機半導体層を形成することにより、オンオフ比に優れた有機半導体素子を製造することができる。
また、本態様によれば、上記ソース・ドレイン電極形成工程が、多孔質体であるソース電極およびドレイン電極を形成するものであることにより、例えば、上記有機半導体層形成工程において有機半導体層をアディティブ法を用いて形成する場合において、上記ソース電極およびドレイン電極が、アディティブ法によって付与された有機半導体材料を吸収し、上記ソース・ドレイン電極間に安定的に保持することができることから、有機半導体層を安定的に形成することが容易になるからである。
さらに、上述したように上記電極間に有機半導体材料を安定的に保持することができることにより、上記ソース電極およびドレイン電極の高さを低いものとすることができ、これにより、上記ソース電極およびドレイン電極の形成を容易なものにすることができる。またさらに、本態様の有機半導体素子の表面をフラットにすることができるため、パッシベーション層、対向電極の形成等を容易なものとすることができる。
本態様の有機半導体素子の製造方法は、少なくとも上記ソース・ドレイン電極形成工程と、有機半導体層形成工程と、ゲート絶縁層形成工程と、ゲート電極形成工程を有するものであり、必要に応じて他の工程を有してもよいものである。
以下、このような本態様に用いられる各工程について詳細に説明する。
なお、本態様に用いられる有機半導体層形成工程については、上記「B−1:第1態様の有機半導体素子の製造方法」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
1.ソース・ドレイン電極形成工程
本態様に用いられるソース・ドレイン電極形成工程について説明する。本工程は基板を用い、上記基板上に多孔質体であるソース電極およびドレイン電極を形成する工程である。
ここで、本態様に用いられるソース・ドレイン電極形成工程は、上記ソース電極およびドレイン電極を上記基板上に形成すること以外は、上記「B−1:第1態様の有機半導体素子の製造方法」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.ゲート絶縁層形成工程
本態様に用いられるゲート絶縁層形成工程は、ゲート絶縁層を、上記有機半導体層上に形成する工程である。
ここで、本態様に用いられるゲート絶縁層形成工程は、ゲート絶縁層を上記有機半導体層上に形成すること以外は、上記「B−1:第1態様の有機半導体素子の製造方法」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.ゲート電極形成工程
本態様に用いられるゲート電極形成工程は、ゲート電極を、上記ゲート絶縁層形成工程で形成されたゲート絶縁層上に形成する工程である。
ここで、本態様に用いられるゲート電極形成工程は、ゲート電極を、上記ゲート絶縁層上に形成すること以外は、上記「B−1:第1態様の有機半導体素子の製造方法」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
4.その他の工程
本態様の有機半導体素子の製造方法には、上述した工程以外に他の工程が用いられていてもよい。このような他の工程としては、本態様の有機半導体素子の製造方法により製造される有機半導体素子に所望の機能を付与できるものであれば特に限定されるものではない。このような他の工程については、上記「B−1:第1態様の有機半導体素子の製造方法」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
5.その他
上記有機半導体層形成工程において有機半導体層を形成する方法として、上述したアディティブ法が用いられる場合、本発明に用いられる基板は表面に、上記アディティブ法によって塗布される有機半導体層形成用塗工液に対する撥液性を備えるものであることが好ましい。これにより有機半導体層形成工程において有機半導体層を形成する際に、上記有機半導体層形成用塗工液が上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に濡れ広がることを防止できるため、上記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体層を形成することが容易になるからである。また、上記基板上に形成される有機半導体層の半導体特性を向上させることができるからである。
ここで、上記有機半導体層形成用塗工液、および、上記「有機半導体層形成用塗工液に対する撥液性を備える」の意味については、上記「A.有機半導体素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記基板の撥液性の程度は、アディティブ法によって塗布された有機半導体層形成用塗工液が、上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に濡れ拡がらない程度であれば特に限定されるものではなく、上記有機半導体層形成用塗工液の組成や、ソース電極およびドレイン電極の形態等に応じて適宜調整されるものである。上記ソース電極およびドレイン電極が多孔質体として形成されたものである場合、上記撥液性の程度は上記有機半導体層形成用塗工液に対する接触角が40°以上であることが好ましく、なかでも40°〜60°の範囲内であることが好ましく、特に40°〜45°の範囲内であることが好ましい。接触角が上記範囲内であることにより、上記有機半導体層形成工程において有機半導体層を形成する際に、上記ソース電極およびドレイン電極に染み込んだ上記有機半導体層形成用塗工液が電極外へ染み出すことを防止できるため、上記ソース電極およびドレイン電極の間以外の領域に有機半導体層が形成されることを防止できるからである。
一方、上記ソース電極およびドレイン電極として多孔質体ではない場合、上記撥液性の程度は上記有機半導体層形成用塗工液に対する接触角が50°以上であることが好ましく、なかでも50°〜60°の範囲内であることが好ましく、特に55°〜60°の範囲内であることが好ましい。
なお、上記接触角は、上述した測定方法および測定条件によって測定した値を用いるものとする。
C.有機トランジスタアレイ
次に、本発明の有機トランジスタアレイについて説明する。上述したように本発明の有機トランジスタアレイは、上記本発明に係る有機半導体素子が用いられ、上記基板上に上記有機半導体トランジスタが複数個形成されていることを特徴とするものである。本発明の有機トランジスタアレイは、上記本発明に係る有機半導体素子が用いられていることから、オンオフ比に優れるという利点を有するものである。
本発明の有機トランジスタアレイは、上記本発明に係る有機半導体素子において基板上に複数個の有機半導体トランジスタが形成された構成を有するものである。本発明において上記有機半導体トランジスタが複数個形成される態様としては、本発明の有機トランジスタアレイの用途等に応じて適宜決定されることができるものであり、特に限定されるものではない。
なお、本発明の有機トランジスタアレイに用いられる有機半導体トランジスタについては、上記「A.有機半導体素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
D.ディスプレイ
次に、本発明のディスプレイについて説明する。上述したように本発明のディスプレイは、上記本発明に係る有機トランジスタアレイが用いられたことを特徴とするものである。本発明のディスプレイは、上記本発明に係る有機トランジスタアレイが用いられていることにより、表示性能に優れるという利点を有するものである。
本発明のディスプレイとしては、上記本発明に係る有機トランジスタアレイが用いられ、画像表示に寄与する各画素が、上記有機トランジスタアレイが備える各有機半導体トランジスタによってスイッチングされる構成を有するものであれば特に限定されるものではない。このような構成を有するディスプレイとしては、例えば、液晶ディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、および、有機ELディスプレイ装置等を挙げることができる。なお、これらの例におけるディスプレイ装置については、従来のTFTアレイに替えて、上記本発明の有機トランジスタアレイを用いること以外は一般的に公知のものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
また、本発明に用いられる有機トランジスタアレイについては、上記「C.有機トランジスタアレイ」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてさらに具体的に説明する。
[実施例1]
本実施例においては、トップゲート型構造を有する有機半導体トランジスタを備える有機半導体素子を作製した。
(1)ソース・ドレイン電極の形成
まず、150mm×150mm×0.7mmのガラス基板上にスクリーン印刷法で銀ペースト(固形分濃度:90%)をソース・ドレイン形状にパターニングした。パターニング後200℃オーブンにて焼成した。焼成後のソース・ドレイン電極の膜厚は1.8μmであった。形成されたソース電極およびドレイン電極を反射型光学顕微鏡にて観察したところ、ソース電極とドレイン電極との電極間距離(チャネル長)は50μmであった。
(2)有機半導体層の形成
有機半導体材料(ポリチオフェン)を固形分濃度0.2wt%でトリクロロベンゼン溶媒に溶解させた塗工液を、上記ソース、ドレイン電極間にインクジェット法により付与することにより、ソース電極およびドレイン電極の間(チャネル形成部位)のみにパターン塗布した。その後、N雰囲気下にてホットプレートで200℃、10分乾燥させることにより、有機半導体層を形成した。形成された有機半導体層の膜厚は0.1μmであった。
(3)ゲート絶縁層の形成
カルド系樹脂溶液(固形分濃度:20wt%)を前記基板上にスピンコートした。このときのスピンコートは、800rpmで10sec保持させた。その後、基板を120℃で2分乾燥させた後、350mJ/cmでパターン露光した。次に、露光部分のレジスト現像を行い、その後、200℃のオーブンで30分乾燥させた。ゲート絶縁層は有機半導体層(チャネル形成部)上およびソース・ドレイン電極上に形成した。なお形成されたゲート絶縁層の膜厚は1μmであった。
(4)ゲート電極の形成
Agナノコロイド溶液をインクジェット法により上記ゲート絶縁上にパターン塗布した。その後、ホットプレートにて150℃で30分間乾燥させた。
(5)評価
作製した有機半導体素子の有機半導体トランジスタのトランジスタ特性を測定した結果、トランジスタとして駆動していることが分かった。このとき、有機半導体トランジスタのON電流は1×10−5A、OFF電流は2×10−13Aであった。
[実施例2]
本実施例においては、ボトムゲート型構造を有する有機半導体トランジスタを備える有機半導体素子を作製した。
(1)ゲート電極の形成
スパッタリング法により全面にCrが300nm成膜された大きさ150mm×150mm×0.7mmのガラス基板を用意した。上記基板上にフォトレジスト(ポジ)をスピンコートした。このときのスピンコートは、1800rpmで10sec保持させた。その後、基板を100℃で1分乾燥させた後、50mJ/cmでパターン露光した。
次に、露光部分のレジスト現像を行い、その後、200℃のオーブンで60分乾燥させた。次いで、レジストのない部分のCrのエッチングを行い、ゲート電極とした。
(2)ゲート絶縁層の形成
カルド系樹脂溶液(固形分濃度:20wt%)を前記基板上にスピンコートした。このときのスピンコートは、800rpmで10sec保持させた。その後、基板を120℃で2分乾燥させた後、350mJ/cmでパターン露光した。次に、露光部分のレジスト現像を行い、その後、200℃のオーブンで30分乾燥させた。ゲート絶縁層はゲート電極上に形成した。なお形成されたゲート絶縁層の膜厚は1μmであった。
(3)ソース・ドレイン電極の形成
スクリーン印刷法で銀ペースト(固形分濃度:90%)をゲート絶縁層上にソース・ドレイン形状にパターニングした。パターニング後200℃オーブンにて焼成した。焼成後のソース・ドレイン電極の膜厚は1.8μmであった。形成されたソース電極およびドレイン電極を反射型光学顕微鏡にて観察したところ、ソース電極とドレイン電極との電極間距離(チャネル長)は50μmであった。
(4)有機半導体層の形成
有機半導体材料(ポリチオフェン)を固形分濃度0.2wt%でトリクロロベンゼン溶媒に溶解させた塗工液を、上記ソース、ドレイン電極間にインクジェット法により付与することにより、ソース電極およびドレイン電極の間(チャネル形成部位)のみにパターン塗布した。その後、N雰囲気下にてホットプレートを用いて200℃で10分乾燥させた。形成された有機半導体層の膜厚は0.1μmであった。
(5)評価
作製した有機半導体素子の有機半導体トランジスタのトランジスタ特性を測定した結果、トランジスタとして駆動していることが分かった。このとき、有機半導体トランジスタのON電流は8×10−6A、OFF電流は4×10−13Aであった。
2.比較例1
本比較例においては、トップゲート型構造を有する有機半導体トランジスタを備える有機半導体素子を作製した。
(1)ソース・ドレイン電極の形成
まず、150mm×150mm×0.7mmのガラス基板上へ真空蒸着法にてソース・ドレイン電極を形成した。なお、使用した材料は金でパターニングはメタルマスクを用いた。ソース・ドレイン電極の膜厚は1.8μmであった。形成されたソース電極およびドレイン電極を反射型光学顕微鏡にて観察したところ、ソース電極とドレイン電極との電極間距離(チャネル長)は50μmであった。
(2)有機半導体層の形成
有機半導体材料(ポリチオフェン)を固形分濃度0.2wt%でトリクロロベンゼン溶媒に溶解させた有機半導体層形成用塗工液を、上記ソース電極・ドレイン電極の間(チャネル形成部位)にパターン塗布したが、チャネル領域から有機半導体溶液が決壊した。その後、N雰囲気下にてホットプレートで200℃、10分乾燥させることにより、有機半導体層を形成した。形成された有機半導体層の膜厚は0.1μmであり、チャネル形成部位以外の領域にも有機半導体層が形成された。
(3)ゲート絶縁層の形成
カルド系樹脂溶液(固形分濃度:20wt%)を前記基板上にスピンコートした。このときのスピンコートは、800rpmで10sec保持させた。その後、基板を120℃で2分乾燥させた後、350mJ/cmでパターン露光した。次に、露光部分のレジスト現像を行い、その後、200℃のオーブンで30分乾燥させた。ゲート絶縁層は有機半導体層(チャネル形成部)上およびソース電極およびドレイン電極上に形成した。なお形成されたゲート絶縁層の膜厚は1μmであった。
(4)ゲート電極の形成
Agナノコロイド溶液をインクジェット法により上記ゲート絶縁上にパターン塗布した。その後、ホットプレートにて150℃で30分間乾燥させた。
(5)評価
作製した有機半導体素子の有機半導体トランジスタのトランジスタ特性を測定した結果、トランジスタとして駆動していることが分かった。しかしながら、有機半導体トランジスタのON電流は2×10−5A、OFF電流は3×10−10Aであり、実施例1と比較し、オンオフ比が2桁程度減少した。
3.比較例2
本比較例においては、ボトムゲート型構造を有する有機半導体トランジスタを備える有機半導体素子を作製した。
(1)ゲート電極の形成
スパッタリング法により全面にCrが300nm成膜された大きさ150mm×150mm×0.7mmのガラス基板を用意した。上記基板上にフォトレジスト(ポジ)をスピンコートした。このときのスピンコートは、1800rpmで10sec保持させた。その後、基板を100℃で1分乾燥させた後、50mJ/cmでパターン露光した。
次に、露光部分のレジスト現像を行い、その後、200℃のオーブンで60分乾燥させた。次いで、レジストのない部分のCrのエッチングを行い、ゲート電極とした。
(2)ゲート絶縁層の形成
カルド系樹脂溶液(固形分濃度:20wt%)を前記基板上にスピンコートした。このときのスピンコートは、800rpmで10sec保持させた。その後、基板を120℃で2分乾燥させた後、350mJ/cmでパターン露光した。次に、露光部分のレジスト現像を行い、その後、200℃のオーブンで30分乾燥させた。ゲート絶縁層はゲート電極上に形成した。なお形成されたゲート絶縁層の膜厚は1μmであった。
(3)ソース・ドレイン電極の形成
ゲート絶縁層上に真空蒸着法にてソース・ドレイン電極を形成した。なお使用した材料は金でパターニングはメタルマスクを用いた。ソース・ドレイン電極の膜厚は1.8μmであった。形成されたソース電極およびドレイン電極を反射型光学顕微鏡にて観察したところ、ソース電極とドレイン電極との電極間距離(チャネル長)は50μmであった。
(4)有機半導体層の形成
有機半導体材料(ポリチオフェン)を固形分濃度0.2wt%でトリクロロベンゼン溶媒に溶解させた塗工液を、ソース電極およびドレイン電極の間(チャネル形成部位)にパターン塗布したが、チャネル形成部位から有機半導体溶液が決壊した。その後、N雰囲気下にてホットプレートを用いて200℃で10分乾燥させた。形成された有機半導体層の膜厚は0.1μmであり、チャネル形成部位以外の領域にも有機半導体層が形成された。
(5)評価
作製した有機半導体素子の有機半導体トランジスタのトランジスタ特性を測定した結果、トランジスタとして駆動していることが分かった。しかしながら、有機半導体トランジスタのON電流は4×10−5A、OFF電流は5×10−10Aであり、実施例2と比較し、オンオフ比が2桁程度減少した。
本発明の有機半導体素子の一例を示す概略図である。 本発明に用いられる有機半導体トランジスタの一例を示す概略図である。 本発明の第1態様の有機半導体素子の製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の第2態様の有機半導体素子の製造方法の一例を示す概略図である。 一般的な半導体トランジスタの一例を示す概略図である。
符号の説明
1,1’… ゲート電極
2,2’ … ゲート絶縁層
3,3’ … ソース電極
4,4’ … ドレイン電極
5,5’ … 有機半導体層
6 … パッシベーション層
10A,10B … 有機半導体トランジスタ
20 … 基板
30A,30B … 有機半導体素子
100 … 有機半導体トランジスタ
101 … ゲート電極
102 … ゲート絶縁層
103 … 有機半導体層
104 … ソース電極
105 … ドレイン電極

Claims (17)

  1. 基板、および、基板上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極上に形成されたゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に形成された多孔質体であるソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極およびドレイン電極の間のみに形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層とを有する有機半導体トランジスタを有する有機半導体素子であって、
    前記ソース電極およびドレイン電極の厚みが、前記有機半導体層の厚みより厚く、
    前記ソース電極およびドレイン電極が備える多孔中に有機半導体材料が含まれることを特徴とする有機半導体素子。
  2. 基板、および、基板上に形成された多孔質体であるソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極およびドレイン電極の間のみに形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層と、前記有機半導体層上に形成されたゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極とを有する有機半導体トランジスタを有する有機半導体素子であって、
    前記ソース電極およびドレイン電極の厚みが、前記有機半導体層の厚みより厚く、
    前記ソース電極およびドレイン電極が備える多孔中に有機半導体材料が含まれることを特徴とする有機半導体素子。
  3. 前記有機半導体層が、前記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いて、アディティブ法により形成されたことを特徴とする請求項1または請求項に記載の有機半導体素子。
  4. 前記アディティブ法がインクジェット法であることを特徴とする請求項に記載の有機半導体素子。
  5. 前記有機半導体層が、前記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いて、アディティブ法により形成されたものであり、かつ、前記ゲート絶縁層の表面が、前記アディティブ法に用いられる有機半導体層形成用塗工液に対する撥液性を有することを特徴とする、請求項1に記載の有機半導体素子。
  6. 前記有機半導体層が、前記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いて、アディティブ法により形成されたものであり、かつ、前記基板の表面が、前記アディティブ法に用いられる有機半導体層形成用塗工液に対する撥液性を有することを特徴とする、請求項2に記載の有機半導体素子。
  7. 前記撥液性の程度が前記有機半導体層形成用塗工液に対する接触角で40°以上であることを特徴とする、請求項または請求項に記載の有機半導体素子。
  8. 基板を用い、前記基板上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、
    前記ゲート電極上に、ゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、
    前記ゲート絶縁層上に、多孔質体であるソース電極およびドレイン電極を形成するソース・ドレイン電極形成工程と、
    前記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体材料からなる有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、を有する有機半導体素子の製造方法であって、
    前記ソース電極およびドレイン電極の厚みが、前記有機半導体層の厚みより厚くなるように形成されており、
    前記ソース電極およびドレイン電極が備える多孔中に有機半導体材料が含まれることを特徴とする、有機半導体素子の製造方法。
  9. 基板を用い、前記基板上に多孔質体であるソース電極およびドレイン電極を形成するソース・ドレイン電極形成工程と、
    前記ソース電極およびドレイン電極の間のみに有機半導体材料からなる有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、
    前記有機半導体層上に、ゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、
    前記ゲート絶縁層上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、を有する有機半導体素子の製造方法であって、
    前記ソース電極およびドレイン電極の厚みが、前記有機半導体層の厚みより厚くなるように形成されており、
    前記ソース電極およびドレイン電極が備える多孔中に有機半導体材料が含まれることを特徴とする有機半導体素子の製造方法。
  10. 前記有機半導体層形成工程が、前記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いて、アディティブ法によって前記有機半導体材料からなる前記有機半導体層を形成することを特徴とする請求項または請求項に記載の有機半導体素子の製造方法。
  11. 前記アディティブ法が、インクジェット法であることを特徴とする請求項10に記載の有機半導体素子の製造方法。
  12. 前記ソース・ドレイン電極形成工程が、金属ナノ粒子を含有する塗工液を塗布・焼結する塗布法によってソース電極およびドレイン電極を形成することを特徴とする請求項から請求項11までのいずれかの請求項に記載の有機半導体素子の製造方法。
  13. 前記有機半導体層形成工程が、前記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いて、アディティブ法によって有機半導体層を形成するものであり、かつ、前記ゲート絶縁層形成工程において形成されるゲート絶縁層の表面が、前記アディティブ法に用いられる有機半導体層形成用塗工液に対する撥液性を有することを特徴とする、請求項に記載の有機半導体素子の製造方法。
  14. 前記有機半導体層形成工程が、前記ソース電極およびドレイン電極を隔壁として用いて、アディティブ法によって有機半導体層を形成するものであり、かつ、前記基板の表面が、前記アディティブ法に用いられる有機半導体層形成用塗工液に対する撥液性を有することを特徴とする、請求項に記載の有機半導体素子の製造方法。
  15. 前記ソース・ドレイン電極形成工程が、金属ナノ粒子を含有する塗工液を塗布・焼結する塗布法によってソース電極およびドレイン電極を形成するものであり、かつ、前記撥液性の程度が前記有機半導体層形成用塗工液に対する接触角で40°以上であることを特徴とする、請求項13または請求項14に記載の有機半導体素子の製造方法。
  16. 請求項1から請求項までのいずれかの請求項に記載の有機半導体素子が用いられ、前記基板上に前記有機半導体トランジスタが複数個形成されていることを特徴とする、有機トランジスタアレイ。
  17. 請求項16に記載の有機トランジスタアレイが用いられたことを特徴とする、ディスプレイ。
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