JP2005272935A - 成膜方法、膜、電子部品および電子機器 - Google Patents

成膜方法、膜、電子部品および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、所定のパターンの膜を容易かつ安価に形成し得る成膜方法、かかる成膜方法により形成された膜、この膜を備える電子部品および電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の成膜方法は、基材1上に、所定のパターンの膜3を形成する方法であり、基材1の膜3を形成する膜形成面側に飛来した飛来物31を用いて、膜3を形成する際に、基材1の膜形成面の膜3を形成する膜形成領域21に、飛来物31の堆積を促進させる機能を有する堆積促進粒子6を付着させておくものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、成膜方法、膜、電子部品および電子機器に関するものである。
従来、所定パターンの膜の形成には、樹脂を主成分とするマスクを用いたエッチング法が、広く利用されている(例えば、特許文献1参照。)。
具体的には、I:基材上に膜形成用の材料で構成される層を形成する。II:前記層上にレジスト材料を塗布する。III:レジスト材料を露光・現像し、前記層の不要部分に対応して開口部を有するレジスト層を得る。IV:レジスト層をマスクに用いて、エッチング法により、開口部内に露出した膜形成層を除去する。V:マスクを除去する。これにより、所定パターンに形成された膜を得る。
ところが、このような方法では、レジスト層の形成に時間と手間とを要する。その結果、膜形成までに長時間を要したり、コストが高くなる等の問題が生じる。
特開平5−338184号公報
本発明の目的は、所定のパターンの膜を容易かつ安価に形成し得る成膜方法、かかる成膜方法により形成された膜、この膜を備える電子部品および電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成させる。
本発明の成膜方法は、基材上に、所定のパターンの膜を形成する成膜方法であって、
前記基材の前記膜を形成する膜形成面側に、飛来物を飛来させ、該飛来物を堆積させて前記膜を形成するに際し、
前記膜形成面の前記膜を形成する膜形成領域に、前記飛来物の堆積を促進させる機能を有する堆積促進粒子を付着させておくことを特徴とする。
これにより、所定のパターンの膜を容易かつ安価に形成することができる。
本発明の成膜方法では、前記膜形成領域に、前記堆積促進粒子をほぼ均一に付着させるのが好ましい。
これにより、膜を膜形成領域の形状に対応したパターンでより確実に形成することができる。
本発明の成膜方法では、前記膜形成領域における前記堆積促進粒子の付着密度は、5×10-7g/cm以上であるのが好ましい。
堆積促進粒子の付着密度を前記範囲内とすることにより、飛来物をより確実に膜形成領域に堆積させることができる。
本発明の成膜方法では、前記膜の構成材料と前記堆積促進粒子の構成材料とは、同種のものであるのが好ましい。
これにより、飛来物と堆積促進粒子との親和性が高まり、飛来物が堆積促進粒子に接触した際に、飛来物を確実に堆積促進粒子に付着させること、すなわち、飛来物の膜形成領域への堆積を促進することができる。
本発明の成膜方法では、前記堆積促進粒子の平均粒径は、10〜100Åであるのが好ましい。
堆積促進粒子の平均粒径をこのように小さくすることにより、堆積促進粒子の表面積が増大し、膜形成領域における飛来物との接触の機会を増加させることができる。
本発明の成膜方法では、前記膜形成領域への前記堆積促進粒子の付着は、該堆積促進粒子を含有する液体を前記膜形成領域に接触させることにより行われるのが好ましい。
かかる方法によれば、膜形成領域に、前記液体を供給するという簡単な方法で、比較的容易に堆積促進粒子を膜形成領域に付着させることができる。
本発明の成膜方法では、前記液体と前記膜形成領域との接触は、インクジェット法により行われるのが好ましい。
かかる方法によれば、前記液体を容易かつ確実に膜形成領域の形状に対応して(選択的に)供給することができる。
本発明の成膜方法では、前記液体を前記膜形成領域に接触させるのに先立って、前記膜形成領域を、前記膜形成面の前記膜を形成しない非膜形成領域よりも、前記液体に対する濡れ性を高くする処理を施すのが好ましい。
これにより、前記液体を膜形成領域に接触させる際に、膜形成領域と非膜形成領域との濡れ性の違いを利用して、濡れ性の高い膜形成領域に前記液体を集めることができる。
本発明の成膜方法では、前記膜は、主として無機物で構成される無機膜であり、
前記堆積促進粒子は、金属材料および無機半導体材料の少なくとも一方を主材料として構成されるものであるのが好ましい。
これにより、飛来物と堆積促進粒子との親和性が高まり、飛来物が堆積促進粒子に接触した際に、飛来物を確実に堆積促進粒子に付着させること、すなわち、飛来物の膜形成領域への堆積を促進することができる。
本発明の成膜方法では、前記堆積促進粒子は、触媒機能を有するものであるのが好ましい。
これにより、飛来物が膜の構成材料の前駆体である場合には、飛来物が堆積促進粒子に付着した際に、堆積促進粒子が触媒として機能して、前駆体を膜材料に変化させる反応が促進される。このため、より迅速に膜が形成される。
本発明の成膜方法では、前記飛来物を前記基材の前記膜形成面側に飛来させるのに先立って、前記非膜形成領域に前記飛来物の堆積を阻止する機能を有する堆積阻止粒子を付着させるのが好ましい。
これにより、飛来物の基材に対する親和性が、飛来物の堆積促進粒子に対する親和性よりも高いような場合において、この堆積阻止粒子は、非膜形成領域における飛来物の基材に対する親和性を低減または消失させて、非膜形成領域に飛来物が堆積するのを阻止する機能を発揮する。
本発明の成膜方法では、前記堆積阻止粒子は、前記飛来物に対する親和性が、前記堆積促進粒子よりも低いものであるのが好ましい。
これにより、飛来物の基材に対する親和性が、飛来物の堆積促進粒子に対する親和性よりも高いような場合においても、飛来物を確実に膜形成領域に堆積させて、膜を形成することができる。
本発明の成膜方法では、前記非膜形成領域に、前記堆積阻止粒子をほぼ均一に付着させるのが好ましい。
これにより、非膜形成領域の一部において基材の表面が露出することを好適に防止することができ、非膜形成領域において飛来物が堆積することを確実に阻止することができる。
本発明の成膜方法では、前記非膜形成領域における前記堆積阻止粒子の付着密度は、5×10-7g/cm以上であるのが好ましい。
堆積阻止粒子の付着密度を前記範囲内とすることにより、非膜形成領域において、表面阻止粒子を基材の表面が露出しないように付着させることができ、非膜形成領域に飛来物が堆積することをより確実に阻止することができる。
本発明の成膜方法では、前記堆積阻止粒子の平均粒径は、10〜100Åであるのが好ましい。
これにより、堆積阻止粒子を緻密に非膜形成領域に付着させることができ、基材の露出面積が減少する。その結果、飛来物が前記非膜形成領域に付着することをさらに確実に阻止することができる。
本発明の成膜方法では、前記基材を加熱した状態で、前記飛来物を前記基材の前記膜形成面側に飛来させるのが好ましい。
これにより、膜を膜形成領域に、より選択性高く形成することができる。
本発明の成膜方法では、前記基材の加熱温度は、30〜300℃であるのが好ましい。
これにより、膜を膜形成領域に、特に選択性高く形成することができる。
本発明の成膜方法では、前記基材の前記膜形成面を鉛直下方に向けた状態、または鉛直下方に対して所定の角度傾斜させた状態で、前記飛来物を前記基材の前記膜形成面側に飛来させるのが好ましい。
これにより、膜の成長方向を制御することができる。
本発明の成膜方法では、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法または化学的気相成膜法に適用されるのが好ましい。
これらの成膜過程において、飛来物を容易に発生させることができる。
本発明の膜は、本発明の成膜方法により成膜されたことを特徴とする。
これにより、成膜精度(信頼性)の高い膜が得られる。
本発明の電子部品は、本発明の膜を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子部品が得られる。
本発明の電子機器は、本発明の電子部品を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
以下、本発明の成膜方法、膜、電子部品および電子機器について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<成膜方法>
まず、本発明の成膜方法の好適な実施形態について説明する。
<<第1実施形態>>
まず、本発明の成膜方法の第1実施形態について説明する。
図1〜図3は、それぞれ、本発明の成膜方法の第1実施形態を説明するための模式的な図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
本発明の成膜方法は、基材1上(基材1の膜3を形成する膜形成面側)に、膜3を形成するための飛来物31を飛来させ、この飛来物31を堆積させて所定のパターンの膜3を形成する方法である。
ここで、飛来物31は、膜材料(膜3の構成材料)またはその前駆体が、例えば、原子、分子、イオン、ラジカル等となったものである。
膜材料としては、例えば、Al、Cu、Ag、Ni、Sn、Cr、Ta、Pd、Pt、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Co、Cs、Rb、またはこれらを含む合金のような各種金属材料、二酸化ケイ素(SiO)、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、フッ素含有インジウム錫酸化物(FTO)のような各種酸化物系材料、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ等のカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、CNナノチューブ、CNナノファイバー、BCNナノチューブ、BCNナノファイバー、炭素繊維のような各種炭素系材料、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)、トリス(4−メチル−8キノリノレート)アルミニウム(III)(Almq)、(8−ヒドロキシキノリン)亜鉛(Znq)のような各種有機材料等が挙げられる。
また、膜材料の前駆体(以下、単に「前駆体」と言う。)としては、種々の反応により、前記膜材料に変化するものであり、例えば、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタジオネート−銅(II)のような有機金属化合物等の金属材料の前駆体、テトラエトキシシラン(TEOS)およびポリシラザン等の酸化物系材料の前駆体等が挙げられる。
この前駆体を膜材料に変化させる反応としては、例えば、熱分解反応、不均等化反応、重合反応、酸化反応、還元反応、窒化反応、炭化反応、ホウ化反応等が挙げられる。
具体的には、飛来物31としては、例えば、膜材料または前駆体を加熱することにより生じた蒸発粒子、または、この蒸発粒子がプラズマやレーザー光等によりイオン化されたもの、スパッタリングにより膜材料または前駆体で構成されたターゲットから叩き出されたスパッタ粒子、ガス状の膜材料または前駆体が熱、プラズマやレーザー光等によりラジカル化されたもの等が挙げられる。
このような飛来物31は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学的気相成膜法(CVD法)の成膜過程で容易に発生させることができる。すなわち、本発明は、これらの成膜法に好適に適用される。
図1〜3に示す成膜方法は、膜形成領域21に飛来物31の堆積を促進させる機能を有する堆積促進粒子6を付着させる表面処理工程[1]と、堆積促進粒子6の作用により、飛来物31を堆積(集積)させて、膜3を形成する膜形成工程[2]とを有する。以下、各工程について順次説明する。
[1]表面処理工程
まず、基材1を用意する。
この基材1は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、例えば、石英ガラス、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、各種低誘電率材料(いわゆる、low−K材)等の各種絶縁材料(誘電体)や、シリコン(例えば、アモルファスシリコン、多結晶シリコン等)、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム酸化物(IO)、酸化スズ(SnO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、Al、Al合金、Cr、Mo、Ta等の導電性材料で構成されたものを用いることができる。また、基材1は、これらの材料で構成された層を複数有する多層構成のものであってもよい。
また、基材1は、膜3を形成した後、除去(分離)されるものであってもよく、膜3と一体的に使用されるものであってもよい。
次に、この基材1の上面の膜3を形成する膜形成領域21に、堆積促進粒子6を付着させる。
この堆積促進粒子6は、飛来物31に対する吸着性、反応性等の親和性が高いものであり、基材1上に膜3を形成する際の核となるものである。
ここで、膜形成領域21は、次工程[2]において膜3が選択的に形成される領域であり、形成すべき膜3に対応したパターンとされる。一方、膜3を形成しない非膜形成領域22は、膜形成領域21を囲む領域となる。
次工程[2]において、基材1上に飛来した飛来物31は、基材1の表面で動き回る(表面拡散運動する)。
そして、非膜形成領域22に飛来した飛来物31は、表面拡散運動をしている間に、膜形成領域21と非膜形成領域22との境界部を越えて(通過して)、膜形成領域21に至る。
この膜形成領域21に至った飛来物31および膜形成領域21に飛来した飛来物31は、膜形成領域21を表面拡散運動している間に、膜形成領域21上に付着している堆積促進粒子6に接触(衝突)する。
ここで、この堆積促進粒子6は、飛来物31に対する親和性が高いことから、飛来物31が堆積促進粒子6に付着(吸着)して、飛来物31の表面拡散運動が停止することとなる。
すなわち、堆積促進粒子6が核となって、飛来物31がこの粒子6に定着(堆積)する。
そして、この過程が繰り返されることにより、この粒子6を核とする飛来物31が、この粒子6の周りに集まり、飛来物31で構成される集合体が形成される。さらに、この集合体が大きくなると、隣り合う集合体と融合して、さらに大きな集合体が形成される。
このようにして、堆積促進粒子6が付着している膜形成領域21において集合体の形成が促進される。その結果、膜形成領域21の形状に対応したパターンの膜3が形成される。
本発明では、かかる現象を利用して、次工程[2]において、膜形成領域21に選択的に膜3を形成する。
ここで、堆積促進粒子6の構成材料としては、飛来物31との親和性を考慮して選択され、特に限定されるものではないが、形成すべき膜3の構成材料と同種のものを用いるのが好ましい。
例えば、膜3として主として無機物で構成される無機膜を形成する場合には、堆積促進粒子6としては、金属材料および無機半導体材料の少なくとも一方を主材料とするものが好適に使用される。また、膜3として主として有機物で構成される有機膜を形成する場合には、堆積促進粒子6としては、有機材料を主材料とするものが好適に使用される。
これにより、飛来物31と堆積促進粒子6との親和性が高まり、飛来物31が堆積促進粒子6に接触した際に、この飛来物31を確実に堆積促進粒子6に付着させること、すなわち、飛来物31の膜形成領域21への堆積を促進させることができる。
さらに、堆積促進粒子6の構成材料としては、膜3の構成材料と同一のものを用いるのが好ましい。これにより、前記効果をより向上することができる。
また、飛来物31が膜3の構成材料の前駆体である場合には、堆積促進粒子6は、触媒機能を有するものが好適に使用される。これにより、飛来物31が堆積促進粒子6に付着した際に、堆積促進粒子6が触媒として機能して、前記前駆体を膜材料に変化させる反応が促進される。このため、より迅速に膜3が形成される。
特に、気相成長炭素繊維等の各種炭素系材料で構成される膜3を形成する場合には、堆積促進粒子6として触媒機能を有するものを用いることは、特に有効である。
このような触媒機能を有する堆積促進粒子6としては、例えば、Pd、Ni、Cu、Co、Pt、Au等およびこれらを含む合金が挙げられる。
このような堆積促進粒子6は、膜3が膜形成領域21に対応したパターンで形成されるのであれば、膜形成領域21に不均一に存在(例えば、膜形成領域21の縁部に偏在)していてもよいが、領域21にほぼ均一に存在(付着)しているのが好ましい。これにより、次工程[2]において、膜3が膜形成領域21の形状に対応したパターンでより確実に形成される。また、堆積促進粒子6が均一に存在することにより、均一な膜厚の膜3を得ることもできる。
膜形成領域21における堆積促進粒子6の付着密度は、特に限定されないが、5×10-7g/cm以上であるのが好ましく、5×10-7〜1×10-5g/cm程度であるのがより好ましい。堆積促進粒子6の付着密度を前記範囲内とすることにより、飛来物31をより確実に膜形成領域21に集める(堆積させる)ことができる。
堆積促進粒子6の平均粒径は、特に限定されないが、10〜100Å程度であるのが好ましく、20〜50Å程度であるのがより好ましい。堆積促進粒子6の平均粒径をこのように小さくすることにより、堆積促進粒子6の表面積が増大し、膜形成領域21における飛来物31との接触の機会を増加させることができる。その結果、飛来物31をより確実に膜形成領域21に堆積させることができる。
膜形成領域21に堆積促進粒子6を付着させる方法としては、各種の方法が用いられるが、以下では、堆積促進粒子6を含有する液体61(以下、単に「液体61」という。)を膜形成領域21に接触させることにより、堆積促進粒子6を膜形成領域21に付着させる方法を代表に説明する。かかる方法によれば、膜形成領域21に、液体61を供給するという簡単な方法で、比較的容易に堆積促進粒子6を領域21に付着させることができる。
[A−1] まず、基材1を用意し、例えば、水(純水等)、有機溶媒等を単独または適宜組み合わせて洗浄する。
[A−2] 次に、液体61を基材1の膜形成領域21に接触させるのに先立って、基材1の上面に前処理を行う。
この前処理は、例えば、膜形成領域21に非膜形成領域22よりもこの液体61に対する濡れ性を高くする処理が挙げられる。かかる処理を施すことにより、次工程[2]において、液体61を膜形成領域21に接触させる際に、これらの領域21、22の濡れ性の違いを利用して、濡れ性の高い膜形成領域21に液体61を集めることができる。
以下、この処理の一例について説明する。
[A−2a] まず、基材1の上面を酸化することにより、この上面に水酸基を導入する(図1(a)参照。)。
この水酸基を導入する方法としては、各種の方法を用いることができるが、例えば紫外線の照射を用いることができる。
照射する紫外線の波長は、100〜300nm程度であるのが好ましく、150〜2000nm程度であるのがより好ましい。
紫外線の強度は1〜50J/cm程度であるのが好ましく、1〜10J/cm程度であるのがより好ましい。
なお、紫外線照射を行う雰囲気は、大気中または減圧状態のいずれであってもよいが、減圧状態とするのが好ましい。
紫外線の照射時間は、1〜90分程度であるのが好ましく、2〜60分程度であるのがより好ましい。
紫外線照射の際の条件を上述したような範囲内とすることにより、基材1の上面に水酸基を確実に導入することができる。
なお、この基材1の上面に水酸基を導入する処理は、基材1として、例えば、石英ガラスのようなガラス材料等で構成されたもの、すなわち、表面に水酸基を有するものを用いる場合には、省略することもできる。
[A−2b] 次に、撥液性を有するカップリング剤を含有する処理液を用意する。
カップリング剤処理に用いるカップリング剤としては、例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、有機リン酸系カップリング剤、シリルパーオキサイド系カップリング剤等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。カップリング剤は、基材1の膜形成面に共有結合により結合することができることから、カップリング剤を密着性よく基材1上に結合させることができる。
これらの中でもカップリング剤としては、特にシラン系カップリング剤を主成分とするものが好ましい。シラン系カップリング剤は、安価であり入手が容易である。
ここで、撥液性を有するシラン系カップリング剤は、一般式RSiX(4−n)(但し、Xは、加水分解によりシラノール基を生成する加水分解基、Rは撥液性を有する官能基である。また、nは1〜3の整数である。)で表される。
この一般式において、Xとしては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
また、撥液性を有する官能基Rとしては、例えば、フルオロアルキル基、アルキル基等が挙げられる。
具体的には、撥液性を有するシラン系カップリング剤としては、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリクロロシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
なお、複数個のR同士またはX同士は、互いに同じものであっても、異なるものであってもよい。
[A−2c] 次に、撥液性を有するシラン系カップリング剤を含有する処理液を、基材1の膜形成面に供給する。
この処理液を基材1の膜形成面に供給する方法としては、例えば、基材1を処理液に浸漬する方法(浸漬法)、基材1の膜形成面に処理液を塗布する方法(塗布法)、基材1の膜形成面に処理液を噴霧(シャワー)する方法(噴霧法)等が挙げられるが、これらの中でも、浸漬法を用いるのが好ましい。浸漬法によれば、短時間に大量の基材1を処理することができる。
[A−2d] 次に、基材1を、例えば、加熱することにより、シラン系カップリング剤の加水分解基を加水分解させ、生成したシラノール基と水酸基とを反応させて、シロキサン結合を形成させる。
これにより、撥液性を有するシラン系カップリング剤で構成される撥液性を有する単分子膜5が基材1の上面のほぼ全面に形成される。(図1(b)参照。)。この状態で、基材1の表面には、撥液性を有する官能基Rが露出する。
加熱の際の加熱温度は、50〜200℃程度であるのが好ましく、80〜150℃程度であるのがより好ましい。
加熱時間は、1〜50分程度であるのが好ましく、5〜20分程度であるのがより好ましい。
[A−2e] 次に、非膜形成領域22の形状に対応したマスク4を用いて、膜形成領域21の上面に、水酸基を導入する処理を施す(図1(c)参照。)。
これにより、膜形成領域21の撥液性を有する単分子膜5の官能基Rが切断して、この切断部分に水酸基が導入される。これにより、膜形成領域21に親液性を有する単分子膜5’が形成される(図1(d)参照。)。この状態で、膜形成領域21の基材1の表面には、親液性を有する水酸基が露出し、非膜形成領域22の基材1の表面には、撥液性を有する官能基Rが露出する。これにより、膜形成領域21の液体61に対する濡れ性を、非膜形成領域22の液体61に対する濡れ性よりも高くすることができる。
この水酸基を導入する処理には、前記工程[A−2a]で用いたものと同様の方法を用いることができる。
[A−3] 次に、基材1の膜形成領域21に液体61を接触させる(図1(e)参照。)。
基材1の膜形成領域21に液体61を接触させる方法としては、各種の方法を用いることができるが、例えば塗布法を用いることができる。塗布用によれば、基材1の膜形成領域21に、確実に液体61を接触させることができる。
ここで、塗布法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法、マイクロコンタクトプリンティング法等が挙げられるが、特に、インクジェット法を用いるのが好ましい。インクジェット法によれば、液体61を容易かつ確実に膜形成領域21の形状に対応して(選択的に)供給することができる。
以下、液体61を、インクジェット法を用いて膜形成領域21に接触させる方法について説明する。
インクジェット法では、液体61を、液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出してパターニングする。
ここで、液体61の粘度(常温)は、特に限定されないが、通常、3〜10cps程度であるのが好ましく、4〜8cps程度であるのがより好ましい。液体61の粘度をかかる範囲とすることにより、ノズルからの液滴の吐出をより安定的に行うことができる。
また、液体61の1滴の量(平均)も、特に限定されないが、通常、0.1〜40pL程度であるのが好ましく、1〜30pL程度であるのがより好ましい。液滴の1滴の量(平均)をかかる範囲とすることにより、より精密な形状を形成することができる。
堆積促進粒子6を金属材料で構成する場合、液体61としては、例えば次のようなものを用いることができる。
この場合、液体61における堆積促進粒子6の含有量は、特に限定されないが、1〜40wt%程度であるのが好ましく、10〜30wt%程度であるのがより好ましい。
また、堆積促進粒子6には、常温での凝集を阻止するための凝集阻止剤(分散剤)で被覆したものを用いるのが好ましい。この凝集阻止剤としては、例えば、アルキルアミンのような窒素原子を含む基を有する化合物、アルカンジオールのような酸素原子を含む基を有する化合物、アルキルチオール、アルカンジチオールのような硫黄原子を含む基を有する化合物等が挙げられる。
この場合、液体61中には、所定の処理(例えば、加熱等)により、凝集阻止剤を除去し得る除去剤が添加される。この除去剤としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ヘキサン酸、オクチル酸のような炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の飽和カルボン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、安息香酸、ソルビン酸のような不飽和カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸のような二塩基酸等の各種カルボン酸類、これらのカルボン酸類のカルボキシル基をリン酸基やスルホニル基に置換した各種リン酸類や各種スルホン酸類等の有機酸、または、その有機酸エステル、その他、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)のような芳香族酸無水物、無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、アルケニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物のような環状脂肪族酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物などの脂肪族酸無水物等を挙げることができる。
分散媒には、例えば、テルピネオール、ミネラルスピリット、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、メシチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、エタノール、イソプロパノール(IPA)、水またはこれらを含む混合液を用いることができる。
また、液体61中には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、オリゴエステルアクリレート樹脂、キシレン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、フラン樹脂、ユリア樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂のような各種熱硬化性樹脂の前駆体を添加(混合)するようにしてもよい。
なお、液体61の粘度は、例えば、堆積促進粒子6の含有量、分散媒の種類や組成、添加物の有無や種類等を適宜設定することにより調整することができる。
[A−4] 次に、液体61に含まれる分散媒を除去して、基材1の膜形成領域21に堆積促進粒子6を付着(析出)させる(図1(f)参照。)。
液体61に含まれる分散媒を除去する方法としては、例えば、ヒータによる加熱方法、マイクロ波の照射、レーザー光の照射、赤外線の照射等用いることができるが、これらの中でも、ヒータによる加熱方法を用いるのが好ましい。ヒータによる加熱方法によれば、液体61に含まれる分散媒を、容易かつ安価に除去することができる。
加熱の際の加熱温度は、50〜200℃程度であるのが好ましく、80〜150℃程度であるのがより好ましい。
加熱時間は、1〜50分程度であるのが好ましく、5〜30分程度であるのがより好ましい。
以上のような工程を経て、基材1の膜形成領域21に堆積促進粒子6を付着させることができる。
[2] 膜形成工程
次に、図3(a)に示すように、飛来物31を基材1の膜形成面側(膜形成領域21および非膜形成領域22)に飛来させる。
そして、堆積促進粒子6の作用により、飛来物31を膜形成領域21に堆積させる(集める)。
すなわち、膜形成領域21に飛来した飛来物31は、この領域21に付着している堆積促進粒子6が存在するために、表面拡散運動をしている間に、この粒子6に接触(衝突)する。そして、この粒子6と飛来物31との吸着性、反応性等の親和性が高いために、この飛来物31は、接触した堆積促進粒子6に付着(吸着)する。
一方、非膜形成領域22に飛来した飛来物31は、この領域22には堆積促進粒子6が存在しないため、領域22に付着することなく動き回る(表面拡散運動する)。この飛来物31は、そのままの状態または互いに融合した状態(クラスタ状態)で領域22を通過して膜形成領域21に到達する。そして、この飛来物31は、この領域21に存在する堆積促進粒子6に接触して、付着する(図3(b)参照。)。
このとき、膜材料の飛来物31では、膜形成領域21において堆積促進粒子6が核となり、飛来物31が集まり(堆積して)膜3の形成が促進される。また、前駆体の飛来物31では、膜形成領域21において堆積促進粒子6が核となり、飛来物31が集まる(堆積する)とともに、前駆体同士が反応して膜材料に変化して、膜3の形成が促進される。
このようにして、膜形成領域21に飛来物31が集合(堆積)することにより、膜3が形成される(図3(c)参照。)。
なお、本工程[2]では、飛来物31を基材1の膜形成面側に飛来させる(供給する)のに際して、基材1を加熱した状態とするのが好ましい。これにより、第2の領域22における飛来物31の運動性を向上させることができ、その結果、膜3を第1の領域21に、より高い選択性をもって形成することができる。
基材1を加熱する方法としては、図示のようなヒータによる加熱方法の他、例えば、マイクロ波の照射による加熱方法、レーザー光の照射による加熱方法、赤外線の照射による加熱方法等が挙げられる。
基材1の加熱温度は、特に限定されないが、30〜300℃程度であるのが好ましく、80〜200℃程度であるのがより好ましい。このような範囲に加熱温度を設定することにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
また、飛来物31を基材1の膜形成面側に飛来させるのに際して、図3に示すように、基材1は、その膜形成面を鉛直下方に向けた状態、または鉛直下方に対して所定の角度傾斜させた状態(斜方状態)とするのが好ましい。これにより、膜3の成長方向を制御することができるとともに、パーティクルの発生を防止する効果が発揮される。
なお、本工程[2]の後に、必要に応じて、後処理工程を設けるようにしてもよい。この後処理工程としては、例えば、工程[2]において膜3が固化(硬化)に至らない場合に、膜3を固化させるための工程等が挙げられる。
以上のような工程を経て、所定のパターンの膜(本発明の膜)3が得られる。
本発明によれば、基材1上に直接マスク(レジスト層)を形成することを要せず、高い成膜精度で膜3を形成することができる。
また、本発明によれば、レジスト層を用いないことから、レジスト層を形成するための複雑な工程や、不要となったレジスト層を除去する工程を省略することができる。
このようなことから、本発明によれば、容易かつ安価に、成膜精度(信頼性)の高い膜3を得ることができる。
<<第2実施形態>>
次に、本発明の成膜方法の第2実施形態について説明する。
図4は、本発明の成膜方法の第2実施形態を説明するための模式的な図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図4中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、第2実施形態ついて、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態では、前記工程[A−3]および[A−4]において、膜形成領域21に堆積促進粒子6を付着させた後に、非膜形成領域22に、飛来物31の堆積を阻止する機能を有する堆積阻止粒子7を付着させる点が異なり、それ以外は、前記第1実施形態と同様である。
非膜形成領域22に堆積阻止粒子7を付着させる方法については、前記工程[A−3]および[A−4]において、膜形成領域21に堆積促進粒子6を付着させたのと同様の方法を用いることができる。これにより、図4に示すように、膜形成領域21には堆積促進粒子6を、非膜形成領域22には堆積阻止粒子7を、それぞれ付着させることができる。
ここで、堆積阻止粒子7は、例えば飛来物31の基材1に対する親和性が、飛来物31の堆積促進粒子6に対する親和性よりも高いような場合において用いられるものである。
この堆積阻止粒子7は、非膜形成領域22における飛来物31の基材1に対する親和性を低減または消失させることにより、非膜形成領域22に飛来物31が堆積するのを阻止する機能を発揮する。
このような堆積阻止粒子7としては、例えば飛来物31に対する親和性が、堆積促進粒子7よりも低いものを選択するのが好ましい。これにより、前述したような基材1を用いた場合においても、飛来物31を確実に膜形成領域21に堆積させて、膜3を形成することができる。
具体的には、膜3の構成材料および堆積促進粒子6として、それぞれAg(金属)を用いた場合では、堆積阻止粒子7としては、例えばAgO(その金属の酸化物)等で構成される粒子が好適に使用される。
堆積阻止粒子7は、非膜形成領域22にほぼ均一に付着しているのが好ましい。これにより、非膜形成領域22の一部において基材1の表面が露出することを好適に防止することができる。その結果、非膜形成領域22において飛来物31が堆積することを確実に阻止することができる。
また、堆積阻止粒子7は、非膜形成領域22において基材1の表面ができる限り露出しないように付着しているのが好ましく、その付着密度は、特に限定されないが、5×10-7g/cm以上であるのが好ましく、5×10-7〜1×10-5g/cm程度であるのがより好ましい。堆積阻止粒子7の付着密度を前記範囲内とすることにより、非膜形成領域22に飛来物31が堆積することをよりより確実に阻止することができる。
また、堆積阻止粒子7の平均粒径は、10〜100Å程度であるのが好ましく、20〜50Å程度であるのがより好ましい。これにより、堆積阻止粒子7を緻密に非膜形成領域22に付着させることができる。その結果、基材1の非膜形成領域22における露出面積がより減少して、飛来物31が非膜形成領域22に付着することをさらに確実に阻止することができる。
<電子部品>
このような膜3は、例えば、スイッチング素子(薄膜トランジスタ)、配線基板、半導体部品、表示パネル、有機EL素子のような発光素子等の各種電子部品に適用することができる。
以下では、本発明の電子部品を薄膜トランジスタ(特に、有機薄膜トランジスタ)および有機EL素子に適用した場合を代表に説明する。
<<薄膜トランジスタ>>
図5は、本発明の電子部品を適用した薄膜トランジスタの実施形態を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は平面図である。なお、以下では、図5(a)中の上側を「上」、下側を「下」として説明する。
図5に示す薄膜トランジスタ100は、基板20(基材1)上に設けられており、ソース電極30およびドレイン電極40と、有機半導体層(有機層)50と、ゲート絶縁層60と、ゲート電極70とが、この順で基板20側から積層されて構成されている。
具体的には、薄膜トランジスタ100は、基板20上に、ソース電極30およびドレイン電極40が分離して設けられ、これら電極30、40を覆うように有機半導体層50が設けられている。さらに有機半導体層50上には、ゲート絶縁層60が設けられ、さらにこの上に、少なくともソース電極30とドレイン電極40の間の領域に重なるようにゲート電極70が設けられている。
この薄膜トランジスタ100では、有機半導体層50のうち、ソース電極30とドレイン電極40との間の領域が、キャリアが移動するチャネル領域510となっている。以下、このチャネル領域510において、キャリアの移動方向の長さ、すなわちソース電極30とドレイン電極40との間の距離をチャネル長L、チャネル長L方向と直交する方向の長さをチャネル幅Wと言う。
このような薄膜トランジスタ100は、ソース電極30およびドレイン電極40が、ゲート絶縁層60を介してゲート電極70よりも基板20側に設けられた構成の薄膜トランジスタ、すなわち、トップゲート構造の薄膜トランジスタである。
以下、薄膜トランジスタ100を構成する各部について、順次説明する。
基板20は、薄膜トランジスタ100を構成する各層(各部)を支持するものである。基板20には、例えば、ガラス基板、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)等で構成されるプラスチック基板(樹脂基板)、石英基板、シリコン基板、ガリウム砒素基板等を用いることができる。薄膜トランジスタ100に可撓性を付与する場合には、基板20には、樹脂基板が選択される。
この基板20上には、下地層が設けられていてもよい。下地層としては、例えば、基板20表面からのイオンの拡散を防止する目的、ソース電極30およびドレイン電極40と、基板20との密着性(接合性)を向上させる目的等により設けられる。
下地層の構成材料としては、特に限定されないが、基板20にガラス基板を用いる場合には、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiN)等が好適に用いられる。
基板20上には、ソース電極30およびドレイン電極40が、チャネル長L方向に沿って、所定距離離間して並設されている。
このようなソース電極30およびドレイン電極40の形成に、本発明の成膜方法を適用することができる。
ソース電極30およびドレイン電極40の厚さ(平均)は、特に限定されないが、それぞれ、30〜300nm程度であるのが好ましく、50〜150nm程度であるのがより好ましい。本発明の成膜方法によれば、このように薄い膜厚の電極を寸法精度よく形成することができる。
ソース電極30とドレイン電極40との間の距離(離間距離)、すなわち、チャネル長Lは、2〜30μm程度であるのが好ましく、5〜20μm程度であるのがより好ましい。チャネル長Lを前記下限値より小さくすると、得られた薄膜トランジスタ100同士でチャネル長に誤差が生じ、特性(トランジスタ特性)がばらつくおそれがある。一方、チャネル長Lを前記上限値より大きくすると、しきい電圧の絶対値が大きくなるとともに、ドレイン電流の値が小さくなり、薄膜トランジスタ100の特性が不十分となるおそれがある。
チャネル幅Wは、0.1〜5mm程度であるのが好ましく、0.5〜3mm程度であるのがより好ましい。チャネル幅Wを前記下限値より小さくすると、ドレイン電流の値が小さくなり、薄膜トランジスタ100の特性が不十分となるおそれがある。一方、チャネル幅Wを前記上限値より大きくすると、薄膜トランジスタ100が大型化してしまうとともに、寄生容量の増大や、ゲート絶縁層60を介したゲート電極70へのリーク電流の増大を招くおそれがある。
また、基板20上には、ソース電極30およびドレイン電極40を覆うように、有機半導体層50が設けられている。
有機半導体層50は、有機半導体材料(半導体的な電気伝導を示す有機材料)を主材料として構成されている。
この有機半導体層50は、少なくともチャネル領域510においてチャネル長L方向とほぼ平行となるように配向しているのが好ましい。これにより、チャネル領域510におけるキャリア移動度が高いものとなり、その結果、薄膜トランジスタ100は、その作動速度がより速いものとなる。
有機半導体材料としては、例えば、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、フタロシアニン、ペリレン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、ジフェニルメタン、スチルベン、アリールビニル、ピラゾリン、トリフェニルアミン、トリアリールアミン、オリゴチオフェン、フタロシアニンまたはこれらの誘導体のような低分子の有機半導体材料や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ポリアリールアミン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂、フルオレン−ビチオフェン共重合体、フルオレン−アリールアミン共重合体またはこれらの誘導体のような高分子の有機半導体材料(共役系高分子材料)が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、特に、高分子の有機半導体材料(共役系高分子材料)を主とするものを用いるのが好ましい。共役系高分子材料は、その特有な電子雲の広がりにより、キャリアの移動能が特に高い。
高分子の有機半導体材料は、簡易な方法で成膜することができるとともに、比較的容易に配向させることができる。また、このうち、空気中で酸化され難く、安定であること等の理由から、高分子の有機半導体材料(共役系高分子材料)としては、フルオレン−ビチオフェン共重合体、ポリアリールアミンまたはこれらの誘導体のうちの少なくとも1種を主成分とするものを用いるのが特に好ましい。
また、高分子の有機半導体材料を主材料として構成される有機半導体層50は、薄型化・軽量化が可能であり、可撓性にも優れるため、フレキシブルディスプレイのスイッチング素子等として用いられる薄膜トランジスタへの適用に適している。
有機半導体層50の厚さ(平均)は、0.1〜1000nm程度であるのが好ましく、1〜500nm程度であるのがより好ましく、10〜100nm程度であるのがさらに好ましい。
なお、有機半導体層50は、ソース電極30およびドレイン電極40を覆うように設けられる構成のものに限定されず、少なくともソース電極30とドレイン電極40との間の領域(チャネル領域510)に設けられていればよい。
有機半導体層50上には、ゲート絶縁層60が設けられている。
このゲート絶縁層60は、ソース電極30およびドレイン電極40に対してゲート電極70を絶縁するものである。
ゲート絶縁層60は、主として有機材料(特に有機高分子材料)で構成されているのが好ましい。有機高分子材料を主材料とするゲート絶縁層60は、その形成が容易であるとともに、有機半導体層50との密着性の向上を図ることもできる。
このような有機高分子材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリビニルフェニレン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のようなアクリル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなフッ素系樹脂、ポリビニルフェノールあるいはノボラック樹脂のようなフェノール系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテンなどのオレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ゲート絶縁層60の厚さ(平均)は、特に限定されないが、10〜5000nm程度であるのが好ましく、100〜1000nm程度であるのがより好ましい。ゲート絶縁層60の厚さを前記範囲とすることにより、ソース電極30およびドレイン電極40とゲート電極70とを確実に絶縁しつつ、薄膜トランジスタ100が大型化すること(特に、厚さが増大すること)を防止することができる。
なお、ゲート絶縁層60は、単層構成のものに限定されず、複数層の積層構成のものであってもよい。
また、ゲート絶縁層60の構成材料には、例えば、SiO等の無機絶縁材料を用いることもできる。ポリシリケート、ポリシロキサン、ポリシラザンのような溶液を塗布して、塗布膜を酸素、または水蒸気の存在下で加熱することによって、溶液材料からSiOを得ることができる。また、金属アルコキシド溶液を塗布した後、これを酸素雰囲気で加熱することによって無機絶縁材料を得る(ゾルゲル法として知られる)ことができる。
ゲート絶縁層60上には、ゲート電極70が設けられている。
ゲート電極70の構成材料としては、例えば、Pd、Pt、Au、W、Ta、Mo、Al、Cr、Ti、Cuまたはこれらを含む合金等の金属材料、ITO、FTO、ATO、SnO等の導電性酸化物、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン等の炭素材料、ポリアセチレン、ポリピロール、PEDOT(poly−ethylenedioxythiophene)のようなポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリカルバゾール、ポリシランまたはこれらの誘導体等の導電性高分子材料等が挙げられ、通常塩化鉄、ヨウ素、無機酸、有機酸、ポリスチレンサルフォニック酸などの高分子でドープされ導電性を付与された状態で用いられる。さらに、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、ゲート電極70の形成に、本発明の成膜方法を適用してもよい。
ゲート電極70の厚さ(平均)は、特に限定されないが、0.1〜5000nm程度であるのが好ましく、1〜5000nm程度であるのがより好ましく、10〜5000nm程度であるのがさらに好ましい。
以上のような薄膜トランジスタ100は、ゲート電極70に印加する電圧を変化させることにより、ソース電極30とドレイン電極40との間に流れる電流量が制御される。
すなわち、ゲート電極70に電圧が印加されていないOFF状態では、ソース電極30とドレイン電極40との間に電圧を印加しても、有機半導体層50中にほとんどキャリアが存在しないため、微少な電流しか流れない。一方、ゲート電極70に電圧が印加されているON状態では、有機半導体層50のゲート絶縁層60に面した部分に電荷が誘起され、チャネル領域510にキャリアの流路が形成される。この状態でソース電極30とドレイン電極40との間に電圧を印加すると、チャネル領域510を通って電流が流れる。
<電子機器>
本発明の電子部品は、各種電子機器に用いることができる。
図6は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部を備える表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
本発明の電子部品は、例えば、表示部の各画素の切り替えを行うスイッチング素子、本体部1104と表示ユニット1106とを接続するための可撓性配線基板等として内蔵されている。
図7は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、表示部を備えている。
本発明の電子部品は、例えば、表示部の各画素の切り替えを行うスイッチング素子、データを保存するための半導体部品(各種メモリ)、回路基板等として内蔵されている。
図8は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
本発明の電子部品は、例えば、表示部の各画素の切り替えを行うスイッチング素子、CCDの撮像信号を保存するための半導体部品(各種メモリ)、回路基板1308等として内蔵されている。
なお、本発明の電子機器は、図6のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図7の携帯電話機、図8のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。
以上、本発明の成膜方法、膜、電子部品および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の成膜方法では、前記第1実施形態と前記第2実施形態とを組み合わせるようにしてもよい。
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
<1A> まず、石英ガラス基板(基材)を用意し、純水を用いて洗浄した。
<2A> 次に、この石英ガラス基板の膜を形成する側の面のほぼ全面に紫外線を照射した。
なお、紫外線を照射した際の条件は、以下に示すとおりである。
・紫外線の波長:172nm
・紫外線の強度:5J/cm
・雰囲気 :減圧中
・雰囲気温度 :25℃
・照射時間 :15分間
<3A> 次に、この石英ガラス基板を、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリエトキシシランを含む処理液に浸漬した後、100℃×10分で熱処理を施した。
<4A> その後、非膜形成領域の形状に対応するマスクを用いて、この石英ガラス基板上の膜形成領域に紫外線を照射した。
なお、紫外線を照射した際の条件は、以下に示すとおりである。
・紫外線の波長:172nm
・紫外線の強度:10J/cm
・雰囲気 :減圧中
・雰囲気温度 :25℃
・照射時間 :5分間
<5A> 次に、Agコロイド水溶液を、インクジェット法を用いて石英ガラス基板上の膜形成領域に供給した。
<6A> その後、この石英ガラス基板を、150℃×30分で熱処理を行った。
<7A> 次に、チャンバー内に、膜形成面を鉛直下方とした石英ガラス基板と、材料供給部にAgをセットした。そして、この状態で、石英ガラス基板を加熱しつつ、真空蒸着法により石英ガラス基板にAgを供給した。
また、真空蒸着法により石英ガラス基板にAgを供給した際の各種条件は、以下に示すとおりである。
・成膜時のチャンバー内の圧力:1×10−5Torr以下
・石英ガラス基板の加熱温度 :100℃
・成膜時間 :2分
これにより、膜形成領域の形状「E」にほぼ対応した形状のAg膜(平均厚さ:約100nm、各部の幅:約60μm)を得た。
(実施例2)
<1B> 前記工程<1A>〜<6A>と同様の工程を行った。
<2B> 次に、AgOコロイド水溶液を、インクジェット法を用いて石英ガラス基板上の非膜形成領域に供給した。
<3B> その後、この石英ガラス基板を、150℃×30分で熱処理を行った。
<4B> 前記工程<7A>と同様の工程を行った。
これにより、膜形成領域の形状「E」にほぼ対応した形状のAg膜(平均厚さ:約120nm、各部の幅:約60μm)が得られ、実施例1と同一の成膜条件において、実施例1よりも厚い平均膜厚の膜が得られた。
(実施例3)
<1C> 前記工程<1A>〜<4A>と同様の工程を行った。
<2C> Niコロイド水溶液を用いた以外は、前記工程<5A>と同様の工程を行った。
<3C> 前記工程<6A>と同様の工程を行った。
<4C> 次に、チャンバー内に、膜形成面を鉛直下方とした石英ガラス基板をセットした。そして、化学気相成膜法(CVD法)により、この石英ガラス基板がセットされたチャンバー内に、キシレンの蒸気をキャリヤーガスとともに供給した。
また、化学気相成膜法によりチャンバー内にキシレンを供給した際の各種条件は、以下に示すとおりである。
・キシレンの流量 :250sccm
・キャリヤーガス :水素ガス
・成膜時のチャンバー内の圧力 :2×10−3Torr
・成膜時のチャンバー内の加熱温度:900℃
・成膜時間 :60分
これにより、第1の領域の形状「E」にほぼ対応した形状のカーボンナノチューブ膜(平均厚さ:約150nm、各部の幅:約60μm)を得た。
本発明の成膜方法の第1実施形態を説明するための模式的な図(縦断面図)である。 本発明の成膜方法の第1実施形態を説明するための模式的な図(縦断面図)である。 本発明の成膜方法の第1実施形態を説明するための模式的な図(縦断面図)である。 本発明の成膜方法の第2実施形態を説明するための模式的な図(縦断面図)である。 本発明の電子部品を適用した薄膜トランジスタの実施形態を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は平面図である。 本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。
符号の説明
1……基材 21……膜形成領域 22……非膜形成領域 3……膜 31……飛来物 4……マスク 5……撥液性を有する単分子膜 5’……親液性を有する単分子膜 6……堆積促進粒子 61……堆積促進粒子を含有する液体 7……堆積阻止粒子 100‥‥薄膜トランジスタ 20‥‥基板 30‥‥ソース電極 40‥‥ドレイン電極 50‥‥有機半導体層 510‥‥チャネル領域 60‥‥ゲート絶縁層 70‥‥ゲート電極 1100……パーソナルコンピュータ 1102……キーボード 1104……本体部 1106……表示ユニット 1200……携帯電話機 1202……操作ボタン 1204……受話口 1206……送話口 1300‥‥ディジタルスチルカメラ 1302‥‥ケース(ボディー) 1304‥‥受光ユニット 1306‥‥シャッタボタン 1308‥‥回路基板 1312‥‥ビデオ信号出力端子 1314‥‥データ通信用の入出力端子 1430‥‥テレビモニタ 1440‥‥パーソナルコンピュータ

Claims (17)

  1. 基材上に、所定のパターンの膜を形成する成膜方法であって、
    前記基材の前記膜を形成する膜形成面側に、飛来物を飛来させ、該飛来物を堆積させて前記膜を形成するに際し、
    前記膜形成面の前記膜を形成する膜形成領域に、前記飛来物の堆積を促進させる機能を有する堆積促進粒子を付着させておくことを特徴とする成膜方法。
  2. 前記膜形成領域に、前記堆積促進粒子をほぼ均一に付着させる請求項1に記載の成膜方法。
  3. 前記膜形成領域における前記堆積促進粒子の付着密度は、5×10-7g/cm以上である請求項2に記載の成膜方法。
  4. 前記膜の構成材料と前記堆積促進粒子の構成材料とは、同種のものである請求項1ないし3のいずれかに記載の成膜方法。
  5. 前記堆積促進粒子の平均粒径は、10〜100Åである請求項1ないし4のいずれかに記載の成膜方法。
  6. 前記膜は、主として無機物で構成される無機膜であり、
    前記堆積促進粒子は、金属材料および無機半導体材料の少なくとも一方を主材料として構成されるものである請求項1ないし5のいずれかに記載の成膜方法。
  7. 前記堆積促進粒子は、触媒機能を有するものである請求項6に記載の成膜方法。
  8. 前記飛来物を前記基材の前記膜形成面側に飛来させるのに先立って、前記非膜形成領域に前記飛来物の堆積を阻止する機能を有する堆積阻止粒子を付着させる請求項1ないし7のいずれかに記載の成膜方法。
  9. 前記堆積阻止粒子は、前記飛来物に対する親和性が、前記堆積促進粒子よりも低いものである請求項8に記載の成膜方法。
  10. 前記非膜形成領域に、前記堆積阻止粒子をほぼ均一に付着させる請求項8または9に記載の成膜方法。
  11. 前記非膜形成領域における前記堆積阻止粒子の付着密度は、5×10-7g/cm以上である請求項10に記載の成膜方法。
  12. 前記堆積阻止粒子の平均粒径は、10〜100Åである請求項8ないし11のいずれかに記載の成膜方法。
  13. 前記基材を加熱した状態で、前記飛来物を前記基材の前記膜形成面側に飛来させる請求項1ないし12のいずれかに記載の成膜方法。
  14. 前記基材の加熱温度は、30〜300℃である請求項13に記載の成膜方法。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載の成膜方法により成膜されたことを特徴とする膜。
  16. 請求項15に記載の膜を備えることを特徴とする電子部品。
  17. 請求項16に記載の電子部品を備えることを特徴とする電子機器。
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WO2006093193A1 (ja) * 2005-03-02 2006-09-08 Mitsubishi Chemical Corporation 金属パターン及び有機電子デバイスとその製造方法
JP2010036500A (ja) * 2008-08-06 2010-02-18 Nbc Meshtec Inc 微粒子固定化無機材料及びその製造方法

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