JP4040201B2 - 放射線固体検出器、並びにそれを用いた放射線画像記録/読取方法および装置 - Google Patents

放射線固体検出器、並びにそれを用いた放射線画像記録/読取方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照射された放射線の線量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有する放射線固体検出器、並びに該検出器を使用して放射線画像情報を静電潜像として記録したり、記録された静電潜像を読み取る方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、医療用放射線撮影等において、被験者の受ける被爆線量の減少、診断性能の向上等のために、X線等の放射線に感応するセレン板等の光導電体を有する放射線固体検出器(静電記録体)を感光体として用い、該検出器にX線を照射し、照射された放射線の線量に応じた量の電荷を検出器内の蓄電部に蓄積せしめることにより、放射線画像情報を静電潜像として記録すると共に、レーザビーム或いはライン光源で放射線画像情報が記録された検出器を走査することにより、前記検出器から放射線画像情報を読み取る方法が知られている(例えば、米国特許第 4535468号等)。
【0003】
上記米国特許第 4535468号による方法は、X線光導電層、X線光導電層で発生した電荷を蓄積する電荷蓄積層(中間層或いはトラップ層ともいう)、および読取用光導電層をこの順に有する3層構成からなる検出器を使用するものであって、記録時に3層の両側に設けられた電極間に高圧を印加してX線を照射して潜像電荷を電荷蓄積層に蓄積せしめた後、電極をショートして潜像電荷を読み出すものである。この方法では、検出器の読取用光導電層をX線光導電層に比べて薄くすることで読取速度を速くして応答性を改善している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記米国特許第 4535468号による方法では、読取用光導電層をX線光導電層に比べ薄くしているので、外部に検出される信号電荷量が小さいという問題がある。さらに、電荷蓄積層は、電子およびホールともに電荷移動度が小さいため、厚くすることができない。これは、電荷移動度を大きくすると応答が遅くなったり、残像になるからである。すなわち、この方法では、読出しの高速応答性と効率的な信号電荷の取り出しの両立は困難である。
【0005】
一方、本願出願人は、特願平10−232824号や同10−271374号において、読出しの高速応答性と効率的な信号電荷の取り出しを両立させることを可能ならしめる放射線固体検出器、並びに、この検出器に放射線画像情報を記録する記録装置および放射線画像情報が静電潜像として記録された前記検出器から放射線画像情報を読み取る読取方法および装置を提案している。
【0006】
この特願平10−232824号等に記載の方法は、記録用の放射線またはこの放射線の励起により発せられる光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、潜像電荷に対しては略絶縁体として作用し、且つ潜像電荷と逆極性の輸送電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層、および読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層をこの順に有して成る放射線固体検出器を使用し、検出器の記録用光導電層側に記録用の放射線を照射し、照射された放射線の線量に応じた量の電荷を記録用光導電層と電荷輸送層との略界面に形成される蓄電部に蓄積せしめることにより、放射線画像情報を静電潜像として記録し、記録された静電潜像を読み出して放射線画像情報を得るものである。
【0007】
本発明は、本願出願による上記特願平10−232824号等において提案した検出器、並びに記録装置および読取装置と同様に、読出しの高速応答性と効率的な信号電荷の取り出しの両立を図ることを目的とするものであって、前記特願平10−232824号記載のものよりも一層その性能を高めることを可能ならしめる放射線固体検出器、この検出器に放射線画像情報を記録する方法および装置、並びに放射線画像情報が記録された検出器から放射線画像情報を読み取る方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による放射線固体検出器は、上記特願平10−232824号や同10−271374号に記載されている検出器等をさらに改善するもの、すなわち、照射された放射線の線量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有し、放射線画像情報を蓄電部に静電潜像として記録する放射線固体検出器であって、
記録用の放射線または該放射線の励起により発せられる光に対して透過性を有する第1の電極層、記録用の放射線または前記光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、読取用の電磁波に対して透過性を有する第2の電極層を、この順に有して成り、
記録用光導電層と読取用光導電層との間に形成される蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための第1の導電部材が第2の電極層内ないし第1の電極層と第2の電極層との間に設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
第1の導電部材の形状は、どのような形状であってもよいが、記録時における潜像形成(潜像電荷の移動・蓄積)プロセス、或いは読取時における潜像電荷と、該潜像電荷と逆極性の電荷すなわち輸送電荷との電荷再結合プロセスに影響を与えない形状とするのが望ましい。例えば、第1の導電部材を記録用光導電層内や、記録用光電層の、読取用光導電層側の面に設ける場合には、記録用光導電層内で発生した潜像電荷が蓄電部まで移動するのに邪魔にならない形状であることが望まれる。また読取用光導電層内や、後述する電荷輸送層若しくはトラップ層内に設ける場合には、読取用光導電層内で発生した輸送電荷が蓄電部まで移動するのに邪魔にならない形状であることが望まれる。このためには、例えば、丸や角等任意の形状の穴を画素に対応させて設けたり、画素の並び方向に連続する長穴を設ける等するとよい。
【0010】
また、この第1の導電部材は、該導電部材を記録用光導電層内に配設する場合には、記録用の放射線または該放射線の励起により発せられる光に対して透過性を有するものとし、放射線等が記録用光導電層内に十分に入射することができるようにして、光導電層内における電荷発生プロセスに影響を与えないようにするのが望ましい。
【0011】
なお、読取時の応答性を高めるために、蓄電部を形成する層と読取用光導電層のとの厚さの合計は記録用光導電層の厚さよりも薄ければ薄いほど好ましい。
【0012】
また、本発明による放射線固体検出器の、第2の電極層をなす電極および/または第1の導電部材は、多数の線状電極から成るストライプ電極であることが望ましい。
【0013】
「線状電極」とは、全体として細長い形状の電極を意味し、細長い形状を有している限り、円柱状のものや角柱状のもの等どのようなものであってもよいが、特に、平板電極とするのが好ましい。また、上述のように潜像形成プロセスや電荷再結合プロセス等に影響を与えないように、この線状電極に対して、さらに丸や角等任意の形状の穴を画素に対応させて設けたり、長手方向に延びた長穴を設ける等してもよい。
【0014】
ここで、第2の電極層をなす電極および第1の導電部材をストライプ電極とした場合には、第1の導電部材の線状電極が、第2の電極層をなす電極の線状電極に対して対向するように、または略直交するように、配設するのが望ましい。
【0015】
「対向するように配設する」とは、第1の導電部材の線状電極が、所定の間隔を置いて第2の電極層をなす電極の線状電極の略真上に位置し、且つ長手方向には互いに向き合うように配設することを意味する。「直交するように配設する」とは、第1の導電部材の線状電極と第2の電極層をなす電極の線状電極とが略直角に立体交差するように配設することを意味する。
【0016】
なお、この場合において、さらに第1の導電部材を記録用光導電層内、読取用光導電層内或いは電荷輸送層内に配設する場合には、記録時の潜像形成プロセスや電荷再結合プロセスに影響を与えないように、第1の導電部材の線状電極の幅を、第2の導電体層の線状電極のピッチの5〜30%とするとよい。
【0017】
また、夫々を線状電極とする場合において、第1の導電部材の線状電極を第2の電極層内に配設する場合には、第1の導電部材の線状電極を、第2の電極層の線状電極の間に互いに平行するように配置すると共に、読取用の電磁波に対して非透過性を有するものとし、電磁波が読取用光導電層内に入射せず読取解像度を劣化させないようにするのが望ましい。
【0018】
また、本発明による放射線固体検出器は、さらに、蓄電部に、潜像電荷を同電位化せしめる第2の導電部材が、電気信号が表す画像の画素毎に、格別に、設けられているものであることが好ましい。特に、記録用光導電層の、読取用光導電層側の面(界面)に設けられているものとするとよい。
【0019】
ここで画素毎に設けられているとは、潜像電荷を同電位化させ、読出時に画素周辺部の電荷を画素中央部に集中させることができるように、各画素に、好ましくは1つの導電部材が設けられることを意味し、1画素に対して多数の導電部材がランダムに配設され、読出時に画素周辺部の電荷を画素中央部に集中させることができない態様のものは含まない。
【0020】
「格別に」とは、各導電部材が、他の画素との間では、離散した状態、つまり、接続されないフローティング状態で配設されることを意味する。なお、1画素に対して複数の導電部材を設ける場合には、1画素分の部材間を電気的に接続しておくのが好ましい。
【0021】
この第2の導電部材のサイズは、画素ピッチと略同一に設定するのが好ましい。或いは、画素ピッチに対して小さく設定する、例えば1/2以下にすると共に、画素中央部に配置することにより、潜像電荷を画素中央部に集中させるようにしてもよい。導電部材のサイズとは、例えば、円形状の導電部材の場合には直径であり、方形状の導電部材の場合には各辺の長さである。なお、導電部材の形状は、円形、方形等どのような形状であってもよい。
【0022】
なお、第2の電極層をなす電極および第1の導電部材がストライプ電極であって、且つ、両電極をなす線状電極が直交するように配設された検出器を使用する場合には、両線状電極が交差する位置に電界が集中するので、この両線状電極が交差する位置に対応して第2の導電部材を配設することによって、電荷の集中効率を高めるのが望ましい。なお、記録に際しては、該第2の導電部材はオープンとしたままでよい。
【0023】
また、本発明による放射線固体検出器は、潜像電荷に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該潜像電荷と逆極性の輸送電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層を、記録用光導電層と読取用光導電層との間に有し、該電荷輸送層が蓄電部を形成するものであってもよい。或いは、放射線固体検出器は、潜像電荷を捕捉するトラップ層を、記録用光導電層と読取用光導電層との間に有し、該トラップ層が蓄電部を形成するものであってもよい。
【0024】
また、電荷輸送層若しくはトラップ層を有するものとした場合には、読取用光電層とトラップ層との界面または読取用光電層と電荷輸送層との界面、或いは電荷輸送層内またはトラップ層内に、第1の導電部材を設けるようにしてもよい。さらに、読取用光電層と電荷輸送層との界面または読取用光電層とトラップ層との界面に第2の導電部材を設けるようにしてもよい。
【0025】
本発明による放射線画像記録方法は、上記の放射線固体検出器に放射線を照射して、該照射した放射線の線量に応じた量の電荷を放射線固体検出器の蓄電部に潜像電荷として蓄積せしめることにより、放射線画像情報を蓄電部に静電潜像として記録する放射線画像記録方法であって、
放射線固体検出器の第1の電極層と第2の電極層との間に印加される直流電圧によって両電極層間に形成される電界分布を調整するための制御電圧を第1の導電部材に印加することを特徴とするものである。
【0026】
「放射線固体検出器に放射線を照射する」とは、被写体の放射線画像情報を担持する記録用の放射線を検出器に直接または間接的に照射することを意味し、記録用の放射線を直接的に検出器に照射することに限らず、例えば放射線をシンチレータ(蛍光体)に照射することにより、シンチレータ内で発せられる蛍光等、記録用の放射線の励起により発せられる光を検出器に照射することも含むものとする。
【0027】
「制御電圧」とは、第1の導電部材が記録時における潜像電荷の蓄積プロセスに所定の影響を与える大きさの電圧であって、例えば、第1の導電部材が設けられていない場合において形成されるべき電界分布と略同じになるような大きさのとすることができる。
【0028】
また、積極的に、第2の導電層の電位へ近づける、または遠ざける、或いは同じとすることで、潜像電荷が形成される領域に変化を与えることができる。これによって、信号の取出効率や信号の読出応答速度を改善することが可能となる。
【0029】
この制御電圧は直流電圧であってもよし、交流電圧であってもよい。交流電圧は、正弦波電圧に限定されるものではなく、前述のように信号の取出効率や信号の読出応答速度を改善することができるものであればどのような波形であってもよい。
【0030】
本発明による放射線画像読取方法は、放射線画像情報が静電潜像として記録された上記放射線固体検出器から放射線画像情報を読み取る放射線画像読取方法であって、放射線固体検出器の蓄電部に蓄積された潜像電荷に対応する電荷を第1の導電部材を介して読み出すことにより、潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を得ることを特徴とするものである。
【0031】
「第1の導電部材を介して読み出す」とは、少なくとも第1の導電部材を介して読み出すことを意味し、この第1の導電部材と第2の電極層の電極との間に流れる電流に加えて、第1の電極層の電極と第2の電極層の電極との間に流れる電流をも検出するものであってもよい。
【0032】
なお、読取用の電磁波としては、連続的に発せられる連続波であってもよいし、パルス状に発せられるパルス波であってもよいが、パルス波の方がより大きな電流を検出することができ、潜像電荷量が少ない画素であっても十分に大きな電流として検出することができるようになるので、画像のS/Nを飛躍的に改善することができ、有利である。
【0033】
但し、パルス波を使用する場合には、第2の電極層をなす電極および第1の導電部材がストライプ電極であって、且つ、両電極をなす線状電極が直交するように配設された検出器を使用する場合には、上述のように、両線状電極が交差する位置に電界が集中し、潜像電荷もこの位置に集中せしめられるので、少なくとも、この交差する位置に対応する読取用光導電層に読取用の電磁波を照射するのが好ましい。また、第2の導電部材が設けられた検出器を使用する場合には、該第2の導電部材に集中されて潜像電荷が蓄積されるので、少なくとも、この第2の導電部材が設けられている位置に対応する読取用光導電層に読取用の電磁波を照射するのが好ましい。なお、この読取に際しては、第2の導電部材はオープンとしたままでよい。
【0034】
本発明による放射線画像記録装置は、上記放射線画像記録方法を実現する装置であって、
放射線固体検出器の第1の電極層と第2の電極層との間に直流電圧を印加する電圧印加手段と、
該電圧印加手段により印加される直流電圧によって両電極層間に形成される電界分布を調整するための制御電圧を第1の導電部材に印加する制御電圧印加手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0035】
本発明による放射線画像記録装置は、上記放射線画像読取方法を実現する装置であって、放射線固体検出器の蓄電部に蓄積された潜像電荷に対応する電荷を第1の導電部材を介して読み出すことにより、潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を得る画像信号取得手段を備えたことを特徴とする。
【0036】
なお、第2の電極層の電極と第1の導電部材の電極とをストライプ電極とし、第1の導電部材の各線状電極が第2の電極層の各線状電極に対して略直交するように配設された検出器を使用する場合には、読取光の走査における各位置に対応する線状電極のみが第1の電極層および第2の電極層の各線状電極に接続されるように切り換えて、信号読出しに寄与しない分布容量を小さくするのが望ましい。
【0037】
また、本発明を適用する基本となる検出器は、記録用光導電層および読取用光導電層を挟むように電極を積層して成る検出器であればどのようなものであってもよいが、特に、本願出願人が、特願平10−232824号や同10−271374号において提案した検出器(静電記録体)に本発明を適用するのが好適である。
【0038】
【発明の効果】
本発明による放射線固体検出器によれば、潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための第1の導電部材が第2の電極層内ないし第1の電極層と第2の電極層との間に設けられたものとしたので、記録用光導電層と読取用光導電層との間に形成される蓄電部と第1の導電部材との間に新たなコンデンサを形成させることができ、記録によって蓄電部に蓄積せしめられた潜像電荷と逆極性の輸送電荷を、読取りの際の電荷再配列によって第1の導電部材にも帯電させることが可能となり、読取用光導電層を介して第2の電極層の電極と蓄電部との間で形成されるコンデンサに配分される前記輸送電荷の量を、この第1の導電部材を設けない場合よりも相対的に少なくすることができ、検出器から外部に取り出し得る信号電荷の量を多くして読取効率を向上させることが可能となる。
【0039】
本発明による放射線画像情報読取方法および装置によれば、放射線画像情報が記録された本発明による検出器から第1の導電部材を介して放射線画像情報を表す信号電荷を読み出して、蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を得るようにしている。したがって、より多くの電荷を検出器から読み出すことができるので、読取効率が大きくなり、より大きな信号を得ることが可能となり、画像のS/Nを向上させることができる。
【0040】
また、第1の導電部材を設けても、記録用光導電層や読取用光導電層の厚さには実質的に大きな影響を与えることがないので、読出しの応答性に悪影響を与えることがなく、例えば、特願平10−232824号や同10−271374号において記載されているように、電荷輸送層と読取用光導電層との厚さの合計を記録用光導電層の厚さよりも薄くすることで、読取時の応答性を高めることができる。つまり、本発明によれば、読取時の高速応答性を維持しつつ、従来の検出器を使用する場合よりも、読取効率を一層向上させることができる。
【0041】
また、本発明による放射線画像情報記録方法および装置によれば、第1の電極層と第2の電極層との間に形成される電界分布を調整するための制御電圧を第1の導電部材に印加するようにしたので、信号の取出効率や信号の読出応答速度を改善することが可能となる。
【0042】
また、潜像電荷を同電位化せしめる第2の導電部材が、電気信号が表す画像の画素毎に、格別に、蓄電部に設けられた検出器とすれば、該第2の導電部材上に蓄積された、各画素毎の潜像電荷を全て同電位にすることが可能となり、導電部材がない場合に較べて、読出効率を改善することができる。これは、導電部材の範囲内では潜像電荷の電位が一定に保たれるため、一般に読み出しにくい画素周辺部の潜像電荷を、導電部材内である限り読出しの進行に応じて、導電部材中央部、すなわち画素中央部に移動せしめることができ、潜像電荷をより十分に放電させることができるからである。
【0043】
また、画素を導電部材が配設された固定位置に形成することが可能となり、ストラクチャーノイズの補正を行うことも容易となる。
【0044】
さらに、導電部材のサイズを画素ピッチより小さく設定すると共に、画素中央部に配置すれば、記録時に形成される電界分布を該導電部材に引き寄せられた分布形状にすることができるから、潜像電荷を画素中心部に集中させて蓄積させることも可能となり、画像の鮮鋭度を向上させることもできる。
【0045】
また、この第2の導電部材を設けると、電荷輸送層やトラップ層がなくても潜像電荷を蓄積させることができるので、素子形成が容易である。
【0046】
なお、電荷輸送層やトラップ層が設けられた検出器に導電部材を設けた場合には、これら各層による電荷蓄積効果を利用することもできる。すなわち、導電部材のサイズを画素ピッチより小さく設定すると、これら各層が設けられていない場合には、導電部材に捕捉されない電荷は潜像電荷として蓄積され得ず、鮮鋭度の向上には効果があるが蓄積電荷量が少なくなるという問題を生じ得るのに対して、各層によって電荷を潜像電荷として蓄積せしめることにより、蓄積電荷量を少なくすることなく、鮮鋭度の向上を図ることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0048】
図1は本発明による第1の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図1(A)は斜視図、図1(B)はQ矢指部のXZ断面図、図1(C)はP矢指部のXY断面図である。この検出器10は、上述した特願平10−232824号に記載されている図12の静電記録体に、さらに第1の導電部材としてのサブ電極および第2の導電部材としてのマイクロプレートを設けたものであって、記録用の放射線(例えば、X線等。以下記録光という。)L1に対して透過性を有する第1の電極層11、この電極層11を透過した記録光L1の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層12、潜像電荷と(例えば負電荷)に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該潜像電荷と逆極性の輸送電荷(上述の例においては正電荷)に対しては略導電体として作用する電荷輸送層13、読取用の電磁波(以下読取光という)L2の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層14、読取光L2に対して透過性を有する第2の電極層15を、この順に積層してなるものである。
【0049】
記録用光導電層12の物質としては、アモルファスセレン(a−Se)、PbO,PbI2 等の酸化鉛(II)やヨウ化鉛(II)、Bi12(Ge,Si)O20,Bi23/有機ポリマーナノコンポジット等のうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が適当である。
【0050】
電荷輸送層13の物質としては、例えば電極層11に帯電される負電荷の移動度と、その逆極性となる正電荷の移動度の差が大きい程良く(例えば102 以上、望ましくは103 以上)ポリN−ビニルカルバゾール(PVK)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1'−ビフェニル〕−4,4'−ジアミン(TPD)やディスコティック液晶等の有機系化合物、或いはTPDのポリマー(ポリカーボネート、ポリスチレン、PUK)分散物,Clを10〜200ppmドープしたa−Se等の半導体物質が適当である。特に、有機系化合物(PVK,TPD、ディスコティック液晶等)は光不感性を有するため好ましく、また、誘電率が一般に小さいため電荷輸送層13と読取用光導電層14の容量が小さくなり読取時の信号取り出し効率を大きくすることができる。なお、「光不感性を有する」とは、記録光L1や読取光L2の照射を受けても殆ど導電性を呈するものでないことを意味する。
【0051】
読取用光導電層14の物質としては、a−Se,Se−Te,Se−As−Te,無金属フタロシアニン,金属フタロシアニン,MgPc(Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanine),CuPc(Cupper phtalocyanine)等のうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が好適である。
【0052】
記録用光導電層12の厚さは、記録光L1を十分に吸収できるようにするには、50μm以上1000μm以下であるのが好ましく、本例においては約 500μmとしている。また電荷輸送層13と光導電層14との厚さの合計は記録用光導電層12の厚さの1/2以下であることが望ましく、また薄ければ薄いほど読取時の応答性が向上するので、例えば1/10以下、さらには1/20以下等にするのが好ましい。
【0053】
電極層11および15としては、例えば、透明ガラス板上に導電性物質を塗布したネサ皮膜等が適当である。
【0054】
第2の電極層15の電極は、多数のエレメント(線状電極)16aをストライプ状に配列したストライプ電極16として形成されている。エレメント16aの間15aは、例えば、カーボンブラック等の顔料を若干量分散させたポリエチレン等の高分子材料を充填したものとし、読取光L2に対して遮光性を有するものとされている。
【0055】
記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面、すなわち蓄電部19には、多数の離散した方形のマイクロプレート18が、隣接したマイクロプレート18間に間隔を置いて、ストライプ電極16の各エレメント16aの真上に配設されている。このマイクロプレート18の各辺の長さは、エレメント16aの配列ピッチと略同一、つまり解像可能な最小の画素ピッチと略同一の寸法に設定されている。マイクロプレート18の配設される位置が検出器上の画素位置となる。
【0056】
マイクロプレート18は、例えば、真空蒸着または化学的堆積を用いて誘電層上に堆積され、金、銀、アルミニウム、銅、クロム、チタン、白金等の単一金属や酸化インジウム等の合金で、極めて薄い膜から作ることができる。該マイクロプレート18は、連続層として堆積させることができ、連続層は次にエッチングされて、解像可能な最小の画素と同一の範囲の寸法を持つ複数の個々の離散マイクロプレートとして形成される。この離散マイクロプレートはレーザーアプレーションまたはホトエッチング等光微細加工技術を利用して作ることもできる(”Imaging Procesing &Materials”Chapter 18の”Imaging for Microfabrication”(J.M.Shaw,IBM Watson Research Center)参照)。
【0057】
記録用光導電層12内の電荷輸送層13に近接した位置に、多数のエレメント17aをストライプ状に配列したサブ電極17が設けられている。このサブ電極17は、記録用光導電層12と電荷輸送層13との略界面に形成される蓄電部19に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための導電部材である。サブ電極17の各エレメント17aは、ストライプ電極16の各エレメント16aの真上に位置し、互いに向き合うように配設されている。サブ電極17は、導電性を有するものであればよく、金、銀、クロム、白金等の単一金属や、酸化インジウム等の合金から作ることができる。
【0058】
サブ電極17と電荷輸送層13との間の距離dは、記録用光導電層12の厚さにもよるが、本例のように記録用光導電層12の厚さが約 500μmの場合には、距離d=1μm〜100μm(1/500 〜1/5)とする。
【0059】
図2(A)〜(D)は、サブ電極17の各エレメント17aの形状の一例と、該エレメント17a、マイクロプレート18およびエレメント16aとの配置関係を示す概略図である。
【0060】
図2(A)に示すエレメント17aは、細長い平板電極であり、穴は一切設けられていない。エレメント17aの幅は、エレメント16aの幅よりも狭く、エレメント16aのピッチの5〜30%内となるように設定されている。これにより、記録用光導電層内で発生した潜像電荷が蓄電部に移動する際には、エレメント17aの横を通り易くしている。
【0061】
図2(B)に示すエレメント17aは、細長い平板電極であって、多数の丸穴が長手方向の画素に対応する位置に配置されるように設けられた穴あき平板電極である。エレメント17aの幅はエレメント16aの幅と略同じである。記録用光導電層内で発生した潜像電荷は、この丸穴を通って蓄電部19に設けられたマイクロプレート18に到達することができる。
【0062】
図2(C)に示すエレメント17aは、細長い平板電極であって、多数の角穴が長手方向の画素に対応する位置に配置されるように設けられた穴あき平板電極である。エレメント17aの幅はエレメント16aの幅と略同じである。記録用光導電層内で発生した潜像電荷は、この角穴を通ってマイクロプレート18に到達することができる。
【0063】
図2(D)に示すエレメント17aは、細長い平板電極であって、長手方向に延びた1つの長穴が設けられ、長手方向の両端部が結合された長穴あき平板電極である。エレメント17aの幅はエレメント16aの幅と略同じである。記録用光導電層内で発生した潜像電荷は、この長穴を通ってマイクロプレート18に到達することができる。
【0064】
このように、エレメント17aをエレメント16aの幅よりも狭くしたり、エレメント17aの長手方向に所定形状の穴を設けることにより、潜像電荷の移動の妨げとならず、潜像形成プロセスに影響を与えないようにすることができる。
【0065】
図3は、放射線画像情報記録装置と放射線画像情報読取装置を一体にした、検出器10を用いた記録読取装置1の概略構成図を示すものであり、図3(A)は検出器10の斜視図と共に示した図、図3(B)は検出器10のXZ断面図と共に電流検出回路70の詳細を示した図である。
【0066】
この記録読取装置1は、検出器10、画像信号取得手段としての電流検出回路70、記録光照射手段90、読取光照射手段93とからなる。
【0067】
電極層11の上面には被写体9が配設されており、被写体9は記録光LIに対して透過性を有する部分9aと透過性を有しない遮断部(遮光部)9bが存在する。記録光照射手段90は記録光L1を被写体9に一様に爆射するものである。
【0068】
読取光照射手段93は、ライン状に略一様な読取光L2をストライプ電極16の各エレメント16aと概略直交させつつ、エレメント16aの長手方向(図中の矢印方向)に走査露光するものである。なお、この読取光L2による走査露光は副走査に対応する。この走査露光においては、連続光を照射してもよいし、パルス光を照射するようにしてもよい。
【0069】
電流検出回路70は、蓄電部19に蓄積された潜像電荷に対応する電荷をサブ電極17を介して読み出すことにより、潜像電荷の量に応じたレベルの画像信号を得るものであり、ストライプ電極16の各エレメント16a毎に接続された電流検出アンプ71を多数有している。電流検出アンプ71は、各エレメント17aを介して、潜像電荷の量に応じた量の電荷を電流として検出するものであり、オペアンプ71a,積分コンデンサ71bおよびスイッチ71cから成る。検出器10の電極層11はスイッチ74、75の夫々一方の入力74a,75a、および電源72の負極に接続されている。電源72の正極は、電源73の負極およびスイッチ75の他方の入力75bに接続されている。電源73の正極は、スイッチ74の他方の入力74bに接続されている。各オペアンプ71aの非反転入力端子(+)がスイッチ74の出力に共通に接続され、反転入力端子(−)がエレメント16aに夫々個別に接続されている。スイッチ75の出力はサブ電極17の各エレメント17aに共通に接続されている。
【0070】
スイッチ74,75は、記録時には共にb側に接続され、オペアンプのイマジナリーショートを介して、電極層11とストライプ電極16との間に、電源72,73による所定の印加電圧が印加される。電源73は制御電圧印加手段としても機能するもので、記録時には、この電源73からサブ電極17に制御電圧としての直流電圧が印加される。この印加電圧の大きさは、電極層11とストライプ電極16との間で形成される電界分布、特に記録用光導電層12内の電位勾配が、サブ電極17が設けられていない場合において形成されるべき分布と略同じになるような大きさの電圧に設定し、蓄電部19に潜像電荷を安定して蓄積させることができるようにする。なお、サブ電極17に制御電圧を印加することなく、オープン状態としたまま記録を行うようにしてもよい。さらには、積極的に、サブ電極17に、第2導電層、すなわちストライプ電極16の電位へ近づける、または遠ざけることで、所定の電界を形成するように電圧を設定してもよい。
【0071】
一方、読取時には、スイッチ74,75が共にa側に接続され、ライン状の読取光がストライプ電極16側に露光されることにより、各電流検出アンプ71は、各エレメント16aに流れる電流を、接続された各エレメント16aについて同時(並列的)に検出する。なお、電流検出回路70や電流検出アンプ71の構成は、この例に限定されるものではなく、種々のものを使用することができる(例えば、特願平10−232824号や同10−271374号参照)。
【0072】
なお、本例においては、記録時に、電源73からサブ電極17に直流電圧が印加されるように構成しているが、サブ電極17用の専用電源を、電極層11とストライプ電極16との間に直流電圧を印加する電源とは別個に設け、記録時の電界分布をより好ましい状態に調整するため、所望の波形の制御電圧を印加するようにしてもよい。
【0073】
以下、上記構成の記録読取装置1において、検出器10に画像情報を静電潜像として記録し、さらに記録された静電潜像を読み出す方法について説明する。最初に静電潜像記録過程について、図4に示す電荷モデルを参照しつつ説明する。なお、記録光L1によって光導電層12内に生成される負電荷(−)および正電荷(+)を、図面上では−または+を○で囲んで表すものとする。また、サブ電極17のエレメント17aは省略して示す。
【0074】
上記構成の装置1において、検出器10に静電潜像を記録する際には、先ずスイッチ74,75を共にb側に切り換え、電極層11とストライプ電極16との間に直流電圧を印加し、両者を帯電させる。このとき、サブ電極17には、上述したように、蓄電部19に潜像電荷を安定して蓄積させるための制御電圧が印加される。これにより、電極層11とストライプ電極16との間には略Uの字状の電界が形成され、光導電層12の大部分の所は概略平行な電場が存在するが、光導電層12と電荷輸送層13との界面、すなわち蓄電部19には電界が存在しない部分が生じる。そして、このUの字がエレメント16aの長さ方向に連続した電界分布が形成される(図4(A))。
【0075】
次に放射線を被写体9に爆射し、被写体9の透過部9aを通過した被写体9の放射線画像情報を担持する記録光L1を検出器10に照射する。すると、検出器10の記録用光導電層12内で正負の電荷対が発生し、その内の負電荷が上述の電界分布に沿って蓄電部19に移動する(図4(B))。このとき、サブ電極17には、光導電層12内の電位勾配を乱さないように所定の直流電圧が電源75から印加されているので、負電荷は、サブ電極17に捕捉されることなく、サブ電極17の各エレメント17aの横或いは穴を通過して蓄電部19に移動する。つまり、光導電層12内で発生した電荷に対しては、サブ電極17が、実質的には、設けられていないのと同じ状態となる。
【0076】
蓄電部19には、マイクロプレート18が配設されており、光導電層12中を移動してきた負電荷はマイクロプレート18に捕捉されて停止し、この蓄電部19において、マイクロプレート18上に負電荷が潜像電荷として蓄積される(図4(C))。
【0077】
一方、記録用光導電層12内で発生した正電荷は電極層11に向かって高速に移動し、電極層11と光導電層12との界面で電源72,73から注入された負電荷と電荷再結合し消滅する。また、記録光L1は被写体9の遮光部9bを透過しないから、検出器10の遮光部9bの下部にあたる部分は何ら変化を生じない(図4(B),(C))。
【0078】
このようにして、被写体9に記録光L1を爆射することにより、被写体像に応じた電荷を光導電層12と電荷転送層13との界面である蓄電部19に蓄積することができるようになる。この蓄積される潜像電荷(負電荷)の量は被写体9を透過し検出器10に入射した放射線の線量に略比例するので、この潜像電荷が静電潜像を担持することとなり、該静電潜像が検出器10に記録される。なお、マイクロプレート18上に潜像電荷が蓄積されるので、主走査および副走査の両方について潜像電荷の蓄積位置を固定することができ、両走査方向について、固定位置に画素が形成されるようになる。
【0079】
次に静電潜像読取過程について、図5に示す電荷モデルを参照しつつ説明する。なお、記録過程と同様に、読取光L2によって読取用光導電層14内に生成される負電荷(−)および正電荷(+)を、図面上では−または+を○で囲んで表すものとする。
【0080】
検出器10から静電潜像を読み取る際には、先ずスイッチ74,75を共にa側にして、上記説明のようにして静電潜像が記録された検出器10の電極層11とサブ電極17を接続し、またオペアンプ71aのイマジナリショートを介してストライプ電極16とも接続して、これらを同電位に帯電させて電荷の再配列を行う(図5(A))。次いで、エレメント16aの長手方向に読取光照射手段93を移動させる、すなわち副走査することにより、ライン状の読取光L2で検出器10の全面を走査露光する。この読取光L2の走査露光により副走査位置に対応する読取光L2が入射した光導電層14内に正負の電荷対が発生する(図5(B))。なお、暗電流成分の影響を相対的に低減するために、読取光L2をパルス状に照射する場合には、マイクロプレート18のある位置で、読取光L2が照射されるように走査の同期をとるのが好ましい。
【0081】
蓄電部19とストライプ電極16との間は、その薄さ(厚さ)に応じて蓄積電荷(負電荷)により非常に強い電場(強電界)が形成されている。また、電荷輸送層13は正電荷に対しては導電体として作用するものであるから、光導電層14に生じた正電荷は蓄積部19の潜像電荷に引きつけられるように電荷輸送層13の中を急速に移動し、蓄電部19で潜像電荷と電荷再結合をし消滅する(図5(C))。一方、光導電層14に生じた負電荷は電極層11、ストライプ電極16およびサブ電極17の正電荷と電荷再結合し消滅する(図5(C))。
【0082】
光導電層14は読取光L2により十分な光量でもって走査露光されており、記録によって検出器10の蓄電部19に蓄積された潜像電荷が全て電荷再結合により消滅し、完全に放電される。このように、検出器10内の蓄電部19に蓄積されていた潜像電荷が消滅するということは、検出器10内に電荷の移動による放電電流が流れたことを意味するものであり、ストライプ電極16と蓄電部19との間が短絡されたものとみなすことができる。この状態は、蓄積電荷量に依存する検出器10内を流れる放電電流に比例した電流源79を用いて、図6のような等価回路でもって示すことができる。この読取りの際に検出器10内を流れる電流は、潜像電荷すなわち静電潜像に応じたものであるから、この電流を電流検出アンプ71により検出することにより、静電潜像を読み取る、すなわち静電潜像を表す画像信号を取得することができる。
【0083】
なお、蓄電部19とストライプ電極16との間は、非常に強い電場が形成されていることから、極めて高速に潜像電荷を消滅させることができ、このことは静電潜像の読取りの応答性が極めて高速であることを意味する。また、読取用光導電層14と電荷輸送層13との厚さの和が記録用光導電層12の厚さに較べて薄ければ薄いほど読取時には強電界が形成され、電荷の移動も急速に行われるようになるので、読取りをより高速に行うことができる。
【0084】
ここで、蓄電部19にはマイクロプレート18が設けられているので、読取過程(電荷再結合過程、放電過程)においては、マイクロプレート18外周部の潜像電荷を、マイクロプレート18の中心部に引き寄せることが可能となり、潜像電荷をより十分に放電させることができ、読残しが少なくなる。図7は、読取過程において、マイクロプレート18を設けた場合の効果を説明する図であって、図7(A),(B)はマイクロプレート18が設けられていない場合の図、図7(C),(D)はマイクロプレート18が設けられている場合の図である。
【0085】
図7に示すように、読取光L2、エレメント16aを通して読取用光導電層14内に入射し、読取用光導電層14内で、正負の電荷対を発生せしめる。発生した電荷のうちの正電荷と蓄電部19の潜像電荷との電荷再結合に際しては、エレメント16aに対向する近接した位置の電荷から順次結合される。つまり、読取り始めには、画素中央部の負電荷が電荷再結合により消滅し、順次外側の電荷との間で再結合が行われるようになる(図7(A))。マイクロプレート18が設けられていない場合には、蓄電部19の潜像電荷が同電位化されるということがなく、潜像電荷は蓄積された位置に留まったままである。このため、読取りの経過と共に、次第にエレメント16aから遠い位置の電荷を読取りにくくなり、場合によっては、最終過程において読残しが生じ得る(図7(B))。
【0086】
一方、マイクロプレート18が設けられている場合にも、読取り始めには、画素中央部の負電荷が電荷再結合により消滅し、順次外側の電荷との間で再結合が行われるが(図7(C))、マイクロプレート18上に蓄積されている電荷は、常に同電位に保持することが可能となる。したがって、読取りの経過と共に、潜像電荷が漸次マイクロプレート18の中央部、すなわちに画素中央部に移動し得るので、最終過程においても、最も放電効率のよいマイクロプレート18と第2導電層15すなわちストライプ電極16との最近接領域である画素中央部において、潜像電荷との間で電荷再結合させ、容易に放電を続けることができ、読残しが生じない(図7(D))。
【0087】
上記説明による静電潜像記録過程と静電潜像読取過程について、図8に示すコンデンサモデルを用いて、さらに詳しく説明する。この図8は、被写体9の透過部9aと遮光部9bとに分けて、コンデンサモデルによる電気的等価回路図として両過程を表したものである。記録用光導電層12を挟んで電極層11と蓄電部19との間にコンデンサC*aが形成され、電荷輸送層13および読取用光導電層14を挟んで蓄電部19とストライプ電極16(エレメント16a)との間にコンデンサC*bが形成され、記録用光導電層12の一部を挟んでサブ電極17(エレメント17a)と蓄電部19との間にコンデンサC*cが形成される。
【0088】
コンデンサC*aの両端には記録光L1によって導電性を呈する記録用光導電層12に対応する不図示の光スイッチSW*aが形成され、コンデンサC*bの両端には読取光L2によって導電性を呈する読取用光導電層14に対応する不図示の光スイッチSW*bが形成される。
【0089】
記録過程においては、最初に、検出器10に、電源72,73から直流電圧が印加されるから、分布コンデンサC*a,C*b,C*cは帯電せしめられる(図8(A))。
【0090】
透過部9aは記録光L1の照射により、光スイッチSW*aがオンし、光量に応じた抵抗R*aを介してコンデンサC*bのみが充電せしめられる(図8(B))。これが静電潜像記録過程であり、コンデンサC*bに潜像電荷として静電潜像が記録されたことになる。潜像電荷の量は記録光L1の光量に応じたものとなる。
【0091】
次に電源72,73を取り外した後、コンデンサC*aとの電極層11側およびコンデンサC*cのサブ電極17側と、コンデンサC*bのストライプ電極16側とをそれぞれ接続して電荷再配列を行う(図8(C))。各コンデンサに配分される、潜像電荷と逆極性の正電荷の量は、総計が潜像電荷の量と同じになり、また、各コンデンサの容量に比例した量となる。この後、読取光L2を露光することにより、光スイッチSW*bがオンし光量に応じた抵抗R*bを介して各コンデンサC*a,C*b,C*cに帯電している電荷が放電される(図8(D))。図6に示した等価回路は、このときに検出器10の外部に放電される電荷による放電電流を検出するものとして表したものである。
【0092】
一方、遮光部9bは記録光L1が光スイッチSW*aをオンさせることがなく、何れのコンデンサC*a,C*b,C*cにも変化を与えない(図8(E))。このため、読取時に、各コンデンサC*a,C*b,C*cを接続すると、全コンデンサC*a,C*b,C*cがともに放電状態となる(図8(F))。したがって、このような状態で読取光L2を露光しても何れのコンデンサC*a,C*b,C*cからも、電荷が放電されることがない(図8(G))。
【0093】
次に、各コンデンサC*a,C*b,C*cに帯電している電荷が放電される際に流れる電流の大きさについて説明する。先ず、説明を簡単にするため、サブ電極17が設けられていない、コンデンサC*a,C*bから成る場合について、図9(A)に示すコンデンサモデルを参照して説明する。上述のように、電荷再配列の際に、各コンデンサC*a,C*bに配分される正電荷の量Q+a,Q+bは、総計Q+ が潜像電荷の量Q- と同じで、各コンデンサの容量Ca ,Cb に比例した量となる。読取用光導電層14と電荷輸送層13との厚さの和が記録用光導電層12の厚さに較べて薄いので、各層の誘電率に大きな違いがないとすれば、コンデンサC*bの容量Cb の方がコンデンサC*aの容量Ca よりも大きくなる。したがって、コンデンサC*bのストライプ電極16側に誘起される正電荷の量Q+bの方が、コンデンサC*aの電極層11側に誘起される正電荷の量Q+aよりも多くなる。以上の説明を式で示すと下記のように表すことができる。
【0094】
- =Q+ =Q+a+Q+b
+a=Q+ ×Ca /(Ca +Cb
+b=Q+ ×Cb /(Ca +Cb
各コンデンサC*a,C*bに帯電している電荷が放電される際に流れる電流の大きさは、Q+a,Q+bに比例した大きさとなるから、コンデンサC*bから流れ出す電流Ib の方が、コンデンサC*aから流れ出す電流Ia よりも大きい。
【0095】
ここで、蓄電部19には信号取出し用の電極が直接には設けられていないので、コンデンサC*bから流れ出す電流Ib は読取時に光スイッチSW*bがオンしたときに生じる抵抗R*bを介して検出器10内で流れる内部電流となり、電流Ib を蓄電部19とストライプ電極17との間で検出することができず、透過部9aにおいてコンデンサC*bに配分された正電荷を検出器10から外部に信号電荷として取り出すことができない。つまり、検出器10内の蓄電部19に蓄積された潜像電荷(負電荷)に対応して電荷再配列された正電荷の量Q+ のうち、外部に取り出すことのできる電荷量、すなわち放射線画像情報を表す信号電荷量Qは、コンデンサC*aに配分された正電荷の量Q+aと同じくなり、検出器10から外部に流れ出る電流IはコンデンサC*aから流れ出る電流Ia と同じになる。
【0096】
換言すれば、読取光L2によって読取用光導電層14内で発せられた正電荷は、蓄電部19の潜像電荷と電荷再結合して消滅し、一方、読取用光導電層14内で発せられた負電荷のうちエレメント16aに再配列された正電荷の量の分Q+bがエレメント16aで電荷再結合して消滅するが、このときの電流は専ら検出器10の内部電流となる。そして、残りのQ+aと同じ量の負電荷がエレメント16aに誘起され、この負電荷と電極層11の正電荷との間での電荷再結合時に流れる電流が、検出器10から外部に流れ出る電流Iとして取り出されるものとなる。
【0097】
上述したように、読取速度の応答性を向上させるために、一般に読取用光導電層14と電荷輸送層13との厚さの和が記録用光導電層12の厚さに較べて薄く設定され、コンデンサC*bの容量Cb の方がコンデンサC*aの容量Ca よりも大きくなるから、記録された潜像電荷の量Q- に対して、信号電荷として取り出せる電荷量Qは小さくなり、その分信号電流I(=Ia )も小さくなり、読取効率が小さくなる。
【0098】
一方、本発明による放射線固体検出器10においては、サブ電極17を設けたことによって、コンデンサC*cがさらに形成される。以下、図9(B)に示すコンデンサモデルを参照して説明する。上述のように、電荷再配列の際に、各コンデンサC*a,C*b,C*cに配分される正電荷の量Q+a,Q+b,Q+cは、総計Q+ が潜像電荷の量Q- と同じで、各コンデンサの容量Ca ,Cb ,Cc に比例した量となる。これを式で示すと下記のように表すことができる。
【0099】
- =Q+ =Q+a+Q+b+Q+c
+a=Q+ ×Ca /(Ca +Cb +Cc
+b=Q+ ×Cb /(Ca +Cb +Cc
+c=Q+ ×Cc /(Ca +Cb +Cc
ところで、各コンデンサC*a,C*b,C*cの容量について考えてみると、サブ電極17が記録用光導電層12内の、記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部19から距離dだけ離れた位置に設けられ、一方電極層11が距離dよりもはるかに遠距離の位置に設けられているので、記録用光導電層12を介してサブ電極17と蓄電部19との間で形成されるコンデンサC*cの容量Cc は、記録用光導電層12を介して電極層11と蓄電部19との間で形成されるコンデンサC*aの容量Ca よりも十分大きくなる。一方で、上述のようにサブ電極17を設けても、読取用光導電層14および電荷輸送層13を介してストライプ電極16と蓄電部19との間で形成されるコンデンサC*bの容量Cc には、実質的に大きな影響は現れない。これにより、電荷再配列の際に、コンデンサC*bに配分される正電荷の量Q+bをサブ電極17を設けない場合よりも相対的に少なくすることができる。また、電極層11からの距離dの値を適当に設定することによって、コンデンサC*cの容量Cc を、コンデンサC*bの容量Cb よりも大きくすることができ、コンデンサC*bに配分される正電荷の量Q+bを一層少なくすることができる。
【0100】
サブ電極17が設けられていない場合と同様に、コンデンサC*bに配分された正電荷を検出器10から外部に信号電荷として取り出すことはできないから、外部に取り出すことのできる信号電荷量Qは、コンデンサC*a,C*cに配分された正電荷の量Q+a,Q+cの合計(Q+a+Q+c)と同じくなり、検出器10から外部に流れ出る電流IはコンデンサC*aから流れ出る電流Ia とコンデンサC*cから流れ出る電流Ic との合計(Ia +Ic )と同じになる。上述のように、コンデンサC*bに配分される正電荷の量Q+bを、サブ電極17を設けない場合よりも相対的に少なくすることができるから、検出器10から外部に流れ出る電流I(=Ia +Ic )を、サブ電極17を設けない場合よりも相対的に大きくすることができる。
【0101】
この結果、記録用光導電層12に対して薄い電荷輸送層13と読取用光導電層14を用いているにも拘わらず、サブ電極17を設けることによって、検出器10から外部に出力される信号電荷の量Qや信号電流Iを大きくする、つまり読取効率を大きくすることができ、再生画像のS/N向上を図ることができる。
【0102】
なお、コンデンサC*cの容量Cc はコンデンサC*aの容量Ca よりも十分大きくすることができるので、コンデンサC*cに配分される量Q+cの方がコンデンサC*aに配分される量Q+aよりも十分大きくすることができ、コンデンサC*cから流れ出る電流Ic の方がコンデンサC*aから流れ出る電流Ia よりも大きくすることができる。したがって、サブ電極17を介してコンデンサC*cから流れ出る電流Ic のみを検出しても、十分な大きさの画像信号を取り出すことが期待できる。
【0103】
電流検出回路70においては、検出器10から流れ出す電流Iを各エレメント16a毎に同時に検出する。すなわち、電流Iによって、エレメント16aの夫々に接続された各電流検出アンプ71の積分コンデンサ71bが充電され、流れる電流量に応じて積分コンデンサ71bに電荷が蓄積され、積分コンデンサ71bの両端の電圧が変化する。この電圧の変化は、検出器10に蓄積されていた各画素毎の潜像電荷の量Q- に比例する。したがって、走査露光中の画素と画素の間にスイッチ71cをオンして積分コンデンサ71bに蓄積された電荷を放電させることにより、積分コンデンサ71bの両端には次々と画素毎の潜像電荷に対応して電圧の変化が観測されることとなり、この電圧の変化を検出することによって静電潜像を表す画像信号を得る、つまり放射線画像情報を読み取ることができる。
【0104】
なお、サブ電極17の各エレメント17aを、ストライプ電極16の各エレメント16aの真上に位置し、互いに向き合うように配設した場合には、ストライプ電極16の各エレメント16a毎に同時に画像信号を読み出す都合から、全エレメント17aについて、同時に電荷の再配列を行う。この場合、読取光L2の副走査における読出画素位置以外の部分でも、エレメント16aとエレメント17aとが対向するので、信号読出しに寄与しない分布容量が大きくなり、固定ノイズ的には不利である。しかしながら、エレメント17aを切り換えないので、スイッチングノイズが生じることはない。
【0105】
図10は、本発明による第2の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図10(A)は斜視図、図10(B)はQ矢指部のXZ断面図、図10(C)はP矢指部のXY断面図である。なお、図10においては、図1に示す第1の実施の形態による検出器10の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。この第2の実施の形態による検出器10aは、サブ電極17の各エレメント17aが、ストライプ電極16の各エレメント16aに対して略直交するように配設されて成るものである。
【0106】
マイクロプレート18は、エレメント16aとエレメント17aとが交差する位置に対応して配設されている。なお、読取光L2としてパルス光を照射する場合には、少なくとも、マイクロプレート18が配設されている位置に対応する読取用光導電層14にパルス光が照射されるようにする。
【0107】
このように、エレメント17aをエレメント16aに対して略直交するように配設した場合には、読出しに先立ち、全てのエレメント17aを電流検出アンプ71の非反転入力端子および電極層11の電極と接続し、電荷再配列を行う。その後、読取光L2の副走査における各位置に対応するエレメント17a、つまり読出ラインのエレメント17aのみ、或いは読出ラインとその周辺ラインのエレメント17aがアンプ71の非反転入力端子および電極層11の電極に接続されるようにし、その他のエレメント17aについてはオープンとしておくのが好ましい。そうすれば、固定ノイズ的には非常に有利である。
【0108】
なお、読出し中、全てのエレメント17aを接続したままであっても、両エレメント16a,17aが互いに向き合うように配設した場合よりも、分布容量が小さくなる。この場合、エレメント17aのライン切換手段が不要となり、コストが安くなる。
【0109】
図11は、本発明による第3の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図11(A)は斜視図、図11(B)はQ矢指部のXZ断面図、図11(C)はP矢指部のXY断面図である。なお、図11においても、図1に示す第1の実施の形態による検出器10の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。この第3の実施の形態による検出器10bは、上記検出器10のマイクロプレート18を取り除いた構成のものである。
【0110】
このように、マイクロプレート18が設けられていない場合には、記録光L1の光量が少ないときには、負電荷はエレメント16aの中心に引き寄せられて各エレメント16a毎に潜像電荷が分離されるようになり、また、潜像電荷は各エレメント16aの並びに合わせて蓄積せしめられるから、エレメント16aのピッチを狭くすることにより、少なくともエレメント16aの並び方向については、潜像電荷の蓄積位置を固定することができる。
【0111】
なお、マイクロプレート18の有無に拘わらず、電荷輸送層13と読取用光導電層14とを合わせた厚さが記録用光導電層12の厚さに較べて薄いほど、また、エレメント16aの幅とピッチとの比が小さいほど(75%以下であれば良好である)、さらに電荷輸送層13と読取用光導電層14の厚みの和がストライプ電極16のピッチと略同等若しくはそれ以下であるほど、電界の存在しない部分が明確に形成される。さらに、電荷輸送層13における負電荷の移動度を正電荷の移動度より十分小さくすれば(例えば1/103 以下)、潜像電荷の蓄積性が向上し、静電潜像の保存性を向上させることができる。
【0112】
図12は、本発明による第4の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図12(A)は斜視図、図12(B)はQ矢指部のXZ断面図、図12(C)はP矢指部のXY断面図である。なお、図12においても、図1に示す第1の実施の形態による検出器10の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。この第4の実施の形態による検出器10cは、上記検出器10aと検出器10bとを組み合わせたものであって、サブ電極17の各エレメント17aが、ストライプ電極16の各エレメント16aに対して略直交するように配設されて成ると共に、マイクロプレート18を取り除いた構成のものである。この検出器10cを使用した場合の作用についての詳細な説明は省略するが、上述した検出器10の作用を基本とし、更に検出器10aと検出器10bとを組み合わせた作用をなす。
【0113】
なお、読取光L2としてパルス光を照射する場合には、両エレメント16a,17aが交差する位置に対応する読取用光導電層14にパルス光が照射されるようにする。
【0114】
図13は、本発明による第5の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図13(A)は斜視図、図13(B)はQ矢指部のXZ断面図、図13(C)はP矢指部のXY断面図である。なお、図13においても、図1に示す第1の実施の形態による検出器10の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。この第5の実施の形態による検出器10dは、上記検出器10aの電荷輸送層13を取り除いた構成のものである。電荷輸送層13がない分だけ、検出器10d全体の厚さを薄くすることができる。
【0115】
上述したように、マイクロプレート18が設けられている場合には、記録過程においては、記録用光導電層13内で発生した負電荷が、マイクロプレート18上に蓄積性せしめられる。したがって、潜像電荷に対して絶縁性を有する電荷輸送層13を設けなくても、マイクロプレート18のみで潜像電荷を蓄積することが可能となる。なお、マイクロプレート18上に蓄積させられなかった負電荷は、読取用光導電層14を通過してストライプ電極16に帯電している正電荷と結合して消滅する。また、読取過程においては、マイクロプレート18周辺部の潜像電荷を、マイクロプレート18の中心部に引き寄せて潜像電荷を十分に放電させて、読み残しを少なくすることもできる。
【0116】
図14は、本発明による第6の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図14(A)は斜視図、図14(B)はQ矢指部のXZ断面図、図14(C)はP矢指部のXY断面図である。なお、図14においても、図1に示す第1の実施の形態による検出器10の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。
【0117】
第6の実施の形態による検出器10eは、検出器10のマイクロプレート18のサイズを変更したものであって、マイクロプレート18の各辺の長さが、画素ピッチより短く、エレメント16aの配列ピッチの1/2以下に設定されているものである。各マイクロプレート18は、図14(B),(C)に示すように、エレメント16aの真下、すなわち画素中央部であって、エレメント16aの長手方向は、画素ピッチで配設されている。
【0118】
検出器10eを使用する場合における、静電潜像記録過程の電荷モデルを図15に示し、静電潜像読取過程の電荷モデルを図16に示す。
【0119】
記録過程においては、蓄電部19には、ストライプ電極16の各エレメント16aに対応して、画素ピッチより小さなマイクロプレート18が設けられているので、蓄電部19近傍では、Uの字状の電界がさらにマイクロプレート18、すなわち画素中央部に集中する。このため、図15(A)の矢印Zで示すハッチング部のように、蓄電部19には電界が存在しない部分が、大きく生じる。
【0120】
記録用光導電層12内で発生する負電荷は、この電界分布に沿ってマイクロプレート18に集中せしめられるように移動する(図15(B))。そして、光導電層12中を移動してきた負電荷がマイクロプレート18に捕捉されて停止し、マイクロプレート18上に蓄積される(図15(C))。また、電荷転送層13は電極層11に帯電した電荷と同じ極性の電荷(本例では負電荷)、すなわち潜像電荷に対して絶縁体として作用するものであるから、光導電層12中を移動してきた負電荷のうち、マイクロプレート18に捕捉されなかった電荷が、光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部19で停止する。これにより、蓄電部19においては、マイクロプレート18上だけでなく、その周辺部にも電荷が蓄積され、結果として、マイクロプレート18を中心として、負電荷が潜像電荷として蓄積される(図15(C))。
【0121】
このように、検出器10eにおいては、マイクロプレート18を中心として潜像電荷が蓄積されるので、主走査および副走査の両方について固定位置に画素を形成することができると共に、両走査方向について、高い鮮鋭度(空間解像度)をもって静電潜像を記録することができる。
【0122】
一方、読取過程においては、上述した検出器10と同様に、マイクロプレート18の中央部の潜像電荷から順次消滅する。検出器10eのマイクロプレート18は、検出器10のマイクロプレート18よりも小さく、マイクロプレート18上以外の周辺部にも潜像電荷が蓄積されており(図16(A))、この周辺部に蓄積された潜像電荷は、マイクロプレート18上の潜像電荷と、必ずしも同電位にあるとは言えず、読取りが経過してもその位置に留まる。しかしながら、記録過程において、潜像電荷をマイクロプレート18に集中せしめて蓄積しているので、マイクロプレート18を設けない場合よりも、より画素中央部に蓄積されるので、読取の最終過程においては読残しの問題が生じる可能性が少なくなる(図16(B),(C))。また、マイクロプレート18上だけでなく、その周辺部にも電荷を蓄積させているので、蓄積電荷量を低減させることがなく、読取りによって得られる画像信号のレベルを低減させることもない。つまり、この検出器10eによれば、画像信号レベルを低減させることなく、検出器上の固定位置に画素を形成すると共に、読取効率の改善と鮮鋭度の向上の両立を図ることができる。なお、このように、マイクロプレート18の各辺の長さ、すなわちサイズを、画素ピッチより短く設定する手法は、検出器10だけでなく、上述した他の検出器や後述する検出器にも同様に適用することができる。
【0123】
次に、本発明による放射線固体検出器の第7の実施の形態について図17を参照して説明する。図17(A)は検出器20の斜視図、図17(B)はQ矢指部のXZ断面図、図17(C)はP矢指部のXY断面図である。
【0124】
この検出器20は、電極層21,記録用光導電層22,電荷輸送層23,読取用光導電層24および電極層25を、この順に積層してなるものにおいて、電極層25内にサブ電極27を設けたものである。各層には、第1の実施の形態による検出器10と同様のものを使用している。また、検出器10と同様に、電極層25の電極は多数のエレメント26aをストライプ状に配列して成るストライプ電極26であり、さらに、記録用光導電層22と電荷輸送層23との界面である蓄電部29には、画素ピッチと略同サイズのマイクロプレート28が設けられている。
【0125】
電極層25内に設けられたサブ電極27は、多数のエレメント27aをストライプ状に配列したものであって、各エレメント27aは、該エレメント27aと前記ストライプ電極26のエレメント26aとが交互に配置されるように配列されている。両エレメントの間25aは、例えば、カーボンブラック等の顔料を若干量分散させたポリエチレン等の高分子材料を充填したものとし、読取光L2に対して遮光性を有するものとされている。また、ストライプ電極26とサブ電極27とは電気的に絶縁されている。サブ電極27は、記録用光導電層22と電荷輸送層23との略界面に形成される蓄電部29に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための導電部材である。
【0126】
また、サブ電極27は、AL,Cr等の金属でコーティングされ、読取光L2に対して遮光性を有するように形成されており、エレメント27aに対応する読取用光導電層24内では、信号取り出しのための電荷対を発生させないようにしている。
【0127】
マイクロプレート28は、エレメント26aの真上だけでなく、エレメント27aの真上まで延在している。これにより、マイクロプレート28上に蓄積されている潜像電荷は、常に同電位に保持され、マイクロプレート28上を自由に移動することが可能となり、読取時の放電が容易になるようにしている。なお、マイクロプレート28の中心がエレメント27aの真上に位置するように配置して、画素周辺の電荷を一層集め易くなるようにしてもよい。
【0128】
検出器10を使用する場合には、蓄電部19に潜像電荷を安定して蓄積させることができるように、サブ電極17に所定の制御電圧を印加するようにしていたが、この検出器20を使用する場合には、サブ電極27が電極層25内に設けられているので、サブ電極27の電圧が、ストライプ電極26と同電位になるように制御電圧を印加すれば、電極層21と電極層25との間で形成される電界分布を均一にできる。これは、マイクロプレート28の大きさが画素全体に亘る大きさ、つまり画素ピッチと同じ大きさを有する場合に好ましい。また、サブ電極27をオープンにする、或いはストライプ電極26の電位よりも電極層21の電位に近づけるように制御すれば、、潜像電荷をよりストライプ電極26の上部に集中して、蓄積することが可能となる。これは、マイクロプレート28が画素ピッチよりも小さい場合に適用すると効果がある。
【0129】
この検出器20においては、読取用光導電層24および電荷輸送層23を介して蓄電部29とサブ電極27との間でコンデンサC*cが形成される。なお、サブ電極27を設けても、記録用光導電層22を介して電極層21と蓄電部29との間で形成されるコンデンサC*aの容量Ca 、並びに読取用光導電層24および電荷輸送層23を介してストライプ電極26と蓄電部29との間で形成されるコンデンサC*bの容量Cc には、実質的に大きな影響は現れない。
【0130】
ここで、コンデンサC*b,C*cの容量について考えてみると、容量比C*b:C*cは、各エレメント26a,27aの幅の比Wb :Wc となる。これにより、上述した検出器10と同様に、電荷再配列の際に、コンデンサC*bに配分される正電荷の量Q+bをサブ電極27を設けない場合よりも相対的に少なくすることができ、検出器20から外部に流れ出る電流を、サブ電極27を設けない場合よりも相対的に大きくすることができる。
【0131】
また、検出器10においては、各コンデンサの容量は、膜厚比によって規定されていたが、この検出器20においては、少なくともコンデンサC*b,C*cの容量は、電極を形成する各エレメント26a,27aの幅比で規定されるので、検出器の構造がシンプルで製造が容易である。
【0132】
図18は、本発明による第8の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図18(A)は斜視図、図18(B)はQ矢指部のXZ断面図、図18(C)はP矢指部のXY断面図である。なお、図18においては、図17に示す第7の実施の形態による検出器20の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。この第8の実施の形態による検出器20aは、上記検出器20のマイクロプレート28を取り除くと共に、記録時に、ストライプ電極26とサブ電極27とを接続し、サブ電極27を電界分布の形成に積極的に利用するようにしたものである。
【0133】
図19(A)は、ストライプ電極26とサブ電極27とを接続して、記録を行う場合における静電潜像記録過程を示す電荷モデルであり、図19(B)は、被写体の透過部9aについての、静電潜像読取過程を示す電荷モデルである。ストライプ電極26とサブ電極27とを接続して記録を行うと、潜像電荷は、エレメント26aに対応する位置だけでなく、エレメント27aに対応する位置にも蓄積される。読取時に、光導電層24に読取光L2が照射されると、2本のエレメント27aに対応する部分、すなわち両エレメント27aの上空部分の潜像電荷が、2本のエレメント27aを介して順次読み出される。すなわち、図19(B)に図示するように、画素の中心に位置したエレメント26aから、その両隣のエレメント27aに対応する(上空にある)潜像電荷に向けて放電が生じ、それによって読出しが進行する。なお、より多くの信号電荷を取り出すためには、エレメント27aの幅を、エレメント26aの幅よりも広くした方がよい。
【0134】
図20は、本発明による第9の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図20(A)は斜視図、図20(B)はQ矢指部のXZ断面図、図20(C)はP矢指部のXY断面図である。なお、図20においても、図17に示す第7の実施の形態による検出器20の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。この第9の実施の形態による検出器20bは、上記検出器20のマイクロプレート28を取り除くと共に、1画素の中で、ストライプ電極26のエレメント26aとサブ電極27のエレメント27aの両者を交互に設けた構成のものである。図示する検出器20aにおいては、1画素内に、夫々3本のエレメント26aおよびエレメント27aが設けられている。この検出器20bを使用して、記録および読取りを行う場合には、各エレメント26a,27aを1画素単位でひと纏めにして取り扱うとよい。検出器20,20bの1画素のサイズを同じとすれば、検出器20bの各エレメント26a,27aの幅Wb ’,Wc ’は、上記検出器20の幅Wb ,Wc よりも狭く設定される。半導体形成技術の進歩した今日にあっては、両エレメント26a,27aを十分に狭く形成することは容易なことであり、検出器20bを容易に製造することができる。
【0135】
このようにすると、上記第8の実施の形態による検出器20aに比べて、蓄電部29と電極層25との間の距離D1と、両エレメント26a,27a間の距離D2の比D1/D2を、大きくすることが容易にできる。このことより、エレメント26aからその両隣にあるエレメント27aに対応する潜像電荷に向けての放電がし易くなり、読取時間を検出器20aよりも短くすることができる。マイクロプレート28を設けないときに、特に有効である。
【0136】
図21は、本発明による第10の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図21(A)は斜視図、図21(B)はQ矢指部のXZ断面図、図21(C)はP矢指部のXY断面図である。なお、図21においても図17に示す第7の実施の形態による検出器20の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。この第10の実施の形態による検出器20cは、上記検出器20aの電荷輸送層23を取り除いた構成のものであり、上述した検出器10dに対応するものである。
【0137】
検出器20cを使用する場合の、記録過程および読取過程における作用についての詳細な説明は省略するが、上記検出器10dと同様に、記録過程においては、記録用光導電層23内で発生した負電荷をマイクロプレート28上に蓄積することができ、また、読取過程においては、潜像電荷をより十分に放電させることができ、読残しが少なくなる。
【0138】
次に、本発明による放射線固体検出器の第11の実施の形態について図22を参照して説明する。図22(A)は検出器30の斜視図、図22(B)はQ矢指部のXZ断面図、図22(C)はP矢指部のXY断面図である。
【0139】
この検出器30は、電極層31,記録用光導電層32,電荷輸送層33,読取用光導電層34および電極層35を、この順に積層してなるものにおいて、読取用光導電層34と電荷輸送層33との界面にサブ電極37を設けたものである。各層には、第1の実施の形態による検出器10等と同様のものを使用している。また、検出器10等と同様に、電極層35の電極は、多数のエレメント36aをストライプ状に配列して成るストライプ電極36であり、さらに、記録用光導電層32と電荷輸送層33との界面である蓄電部39には、画素ピッチと略同サイズのマイクロプレート38が設けられている。
【0140】
サブ電極37は、多数のエレメント37aをストライプ状に配列したものであって、各エレメント37aは、ストライプ電極36の各エレメント36aに対して略直交するように配設されている。なお、このエレメント37aは、ストライプ電極36の各エレメント36aの真上に位置し、互いに向き合うように配設してもよい。サブ電極37は、記録光および読取光に対して、透明であっても非透明であっても、どちらでもよい。
【0141】
この検出器30を使用する場合には、サブ電極37が読取用光導電層34と電荷輸送層33との界面に設けられているので、電極層31とストライプ電極36との間で形成される電界分布がサブ電極37によって多少乱されるが、記録用光導電層32内で発生した潜像電荷がサブ電極37に捕捉されるということは生じ得ない。
【0142】
この検出器30においては、電荷輸送層33を介して蓄電部39とサブ電極37との間でコンデンサC*cが形成される。なお、サブ電極37を設けても、記録用光導電層32を介して電極層31と蓄電部39との間で形成されるコンデンサC*aの容量Ca 、並びに読取用光導電層34および電荷輸送層33を介してストライプ電極36と蓄電部39との間で形成されるコンデンサC*bの容量Cc には、実質的に大きな影響は現れない。
【0143】
なお、各コンデンサの容量は、検出器10と同様に、膜厚比によって規定される。また、検出器20とは異なり、サブ電極37が電極層35の外部に設けられているから、エレメント36aの幅やピッチに拘わらず、エレメント37aの幅やピッチを任意に設定することができるので、検出器20よりも容量の設定が容易である。
【0144】
この検出器30においても、コンデンサC*cを形成したことによって、電荷再配列の際に、コンデンサC*bに配分される正電荷の量Q+bをサブ電極37を設けない場合よりも相対的に少なくすることができ、検出器30から外部に流れ出る電流Iを、サブ電極37を設けない場合よりも相対的に大きくすることができる。
【0145】
検出器20においては、サブ電極27のエレメント27aをストライプ電極26のエレメント26aと平行して配列しているため、全エレメント27aを電気的に結合して読取りを行う必要があり、分布容量が大きくなって、固定ノイズ上不利である。一方、検出器30において、エレメント37aをエレメント36aに対して略直交するように配設した場合には、読取光L2の副走査における各位置に対応するエレメント37aのみが電極層31およびストライプ電極36に接続されるように切り換えて電荷再配列を行い、その他のエレメント37aについてはオープンとしておくことができるので、信号読出しに寄与しない分布容量を極めて小さくすることができ、固定ノイズを小さくすることができる。
【0146】
また、サブ電極37は、検出器30内の読取用光導電層34よりも蓄電部39に近い側に設けられているので、読取光L2による光電荷発生プロセスに影響を与えないから、サブ電極37が、読取光L2に対して透明であるか非透明であるかは、読取解像度に影響を与えることがない。
【0147】
また、ストライプ状のサブ電極を読取用光導電層と電荷輸送層との界面に設ける場合には、上述したように、エレメントの幅やピッチを任意に設定することができるので、マイクロプレート38の真下ではなく、各マイクロプレート38の間の下に位置するようにエレメント37aを配置し、読出ラインに関係するマイクロプレート38を挟む2本のエレメント37aを同時にショートして読出しを行うようにしてもよい。この場合、マイクロプレート38は、一般に画素ピッチと略同じサイズ、例えば、エレメント36aの幅が75μm、ピッチが100μmであるときには、マイクロプレート38のサイズが75μm角程度に設定されるので、この場合には、例えばエレメント37aの幅が10μm、ピッチが100μmとなるように設定するとよい。なお、マイクロプレートが設けられていない場合においても、2本のエレメント37aを同時にショートして、この2本のエレメント37aに挟まれた画素の電荷を読み出すこともできる。
【0148】
次に、本発明による放射線固体検出器の第12の実施の形態について図23を参照して説明する。図23(A)は検出器40の斜視図、図23(B)はQ矢指部のXZ断面図、図23(C)はP矢指部のXY断面図である。
【0149】
この検出器40は、電極層41,記録用光導電層42,電荷輸送層43,読取用光導電層44および電極層45を、この順に積層してなるものにおいて、電荷輸送層43内にサブ電極47を設けたものである。各層には、第1の実施の形態による検出器10等と同様のものを使用している。また、検出器10等と同様に、電極層45の電極は多数のエレメント46aをストライプ状に配列して成るストライプ電極46であり、さらに、記録用光導電層42と電荷輸送層43との界面である蓄電部49には、潜像電荷を画素中心部に集めるのに効果的なマイクロプレート48が設けられている。
【0150】
サブ電極47は、多数のエレメント47aをストライプ状に配列したものであって、各エレメント47aは、ストライプ電極46の各エレメント46aに対して略直交するように配設されている。なお、このエレメント47aは、ストライプ電極46の各エレメント46aの真上に位置し、互いに向き合うように配設してもよい。サブ電極47は、記録光および読取光に対して、透明であっても非透明であっても、どちらでもよい。
【0151】
この検出器40においては、電荷輸送層43の一部を介して蓄電部49とサブ電極47との間でコンデンサC*cが形成される。なお、サブ電極47を設けても、記録用光導電層42を介して電極層41と蓄電部49との間で形成されるコンデンサC*aの容量Ca 、並びに読取用光導電層44および電荷輸送層43を介してストライプ電極46と蓄電部49との間で形成されるコンデンサC*bの容量Cc には、実質的に大きな影響は現れない。各コンデンサの容量は、検出器10と同様に、膜厚比によって規定される。
【0152】
この検出器40は、サブ電極47を電荷輸送層43内に設けたものである点で、上記検出器30と構成上の違いがあるが、作用や効果においては大きな違いはない。但し、検出器30よりも、より蓄電部49に近い位置にサブ電極47を配置することができるので、サブ電極47を介して読み出される電流Ic を、検出器30よりも、相対的に大きくすることができる。
【0153】
図24は、本発明による第13の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図24(A)は斜視図、図24(B)はQ矢指部のXZ断面図、図24(C)はP矢指部のXY断面図である。
【0154】
この検出器50は、電極層51,記録用光導電層52,電荷輸送層53,読取用光導電層54および電極層55を、この順に積層してなるものにおいて、記録用光導電層52と電荷輸送層53との界面にサブ電極57を設けたものである。各層には、第1の実施の形態による検出器10等と同様のものを使用している。また、検出器10等と同様に、電極層55の電極は多数のエレメント56aをストライプ状に配列して成るストライプ電極56である。
【0155】
サブ電極57のエレメント57aは、ストライプ電極56の各エレメント56aに対して略直交するように配設されている。図示する検出器50においては、画素ピッチが100μm、エレメント56aの幅が75μm、エレメント57aの幅が10μmに設定されている。エレメント57aに帯電する潜像電荷の量が少なくなるようにエレメント57aの幅を狭くしている。
【0156】
図25(A)は、この検出器50を使用する場合における静電潜像記録過程を示す電荷モデル(上面図)であり、図25(B)は、静電潜像読取過程を、エレメント番号e1のエレメント56aについて示した電荷モデル(XY断面図)である。
【0157】
記録過程においては、全エレメント57aをフローティング状態にして記録を行う。被写体の透過部9aがエレメント番号e1のエレメント56aに対応するものとすれば、e1番のエレメント56aに対応する蓄電部59に潜像電荷が蓄積される。図25(A)においては、8個の潜像電荷が蓄積されたものとして示している。
【0158】
一方、読取過程においては、1画素について、2本のエレメント57aが同時に電流検出アンプ71の非反転入力端子および電極層51と接続されるようにして読出しを行う。光導電層54に読取光L2が照射されると、2本のエレメント57aに挟まれる位置に対応する部分の潜像電荷が、2本のエレメント57aを介して順次読み出される。図25(B)においては、蓄電部59に蓄積された8個の潜像電荷のうち、6個が信号電荷として電流検出アンプ71によって取り出されるものとして示している。
【0159】
図26は、本発明による第14の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図26(A)は斜視図、図26(B)はQ矢指部のXZ断面図、図26(C)はP矢指部のXY断面図である。なお、図26においても図24に示す第13の実施の形態による検出器50の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。この第14の実施の形態による検出器50aは、上記検出器50の電荷輸送層53を取り除いた構成のものであり、上述した検出器10d,20cに対応するものである。記録用光導電層52と読取用光導電層54との界面であって、エレメント57aに挟まれた位置で、且つエレメント56aの真上にマイクロプレート58が、画素毎に、格別に設けられている。
【0160】
図27(A)は、この検出器50aを使用する場合における静電潜像記録過程を示す電荷モデル(上面図)であり、図27(B)は、静電潜像読取過程を、エレメント番号e1のエレメント56aについて示した電荷モデル(XY断面図)である。記録過程および読取過程における作用についての詳細な説明は省略するが、上記検出器50の作用に、検出器10d,20cにおけるマイクロプレート18,28の効果を組み合わせたものとなる。
【0161】
以上、本発明による放射線固体検出器、該検出器に放射線画像情報を記録する方法および装置、並びに放射線画像情報が記録された本発明による検出器から放射線画像情報を読み取る方法および装置の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない限りにおいて、種々変更することが可能である。
【0162】
例えば、上記実施の形態では、信号読取りに際して、記録光が照射される側の第1の電極層と新たに設けたサブ電極とを接続し、第1の電極層により構成されるコンデンサC*aから流れ出る電流Ia とサブ電極により構成されるコンデンサC*cから流れ出る電流Ic との合計(Ia +Ic )を信号電流として検出するようにしているが、上述したように、本発明による検出器は、コンデンサC*cの容量Cc をコンデンサC*aの容量Ca よりも十分大きくすることができるので、コンデンサC*cから流れ出る電流Ic をコンデンサC*aから流れ出る電流Ia よりも大きくすることができ、サブ電極を介してコンデンサC*cから流れ出る電流Ic のみを検出しても、サブ電極を設けないときよりも大きい画像信号を取り出すことができる。特に、上述した検出器10,40は蓄電部に近接した位置にサブ電極を配設することができるので、コンデンサC*cの容量Cc をコンデンサC*aの容量Ca よりも極めて大きくすることができるから好都合である。
【0163】
また、本発明を適用する基本となる検出器は、記録用光導電層および読取用光導電層を挟むように電極を積層して成る検出器であればどのようなものであってもよく、例えば、本願出願人が、特願平10−232824号や同10−271374号において提案したもの等に適用するのが好適である。上述した各実施の形態による検出器に限らず、例えば、特願平10−232824号等において提案されている種々の変更態様、例えば電荷輸送層の材料変更や多層構成等と、本発明によるサブ電極やマイクロプレートの配設とを組み合わせることができる。これにより、読取りの高速応答性を維持しつつ、読取効率を一層向上させることができるし、読取解像度の向上や、暗電流の低減等を図ることができる。
【0164】
さらに、上記実施の形態による検出器は、何れも、第2の電極層の電極およびサブ電極がストライプ電極であったが、これら電極は、必ずしもストライプ電極に限定されるものではない。例えば、第2の電極層の電極は平板電極であってもよい。また、サブ電極は、上述したマイクロプレート同様に、微小電極を画素に対応するように配設すると共に、各微小電極から読出し線を引き出して信号を得るようにしてもよい。
【0165】
さらにまた、上記実施の形態による検出器は、何れも、記録用光導電層が、記録用の放射線の照射によって導電性を呈するものであるが、本発明による検出器の記録用光導電層は必ずしもこれに限定されるものではなく、記録用光導電層は、記録用の放射線の励起により発せられる光の照射によって導電性を呈するものとしてもよい(特願平10−232824号参照)。この場合、第1の電極層の表面に記録用の放射線を、例えば青色光等、他の波長領域の光に波長変換するいわゆるX線シンチレータといわれる波長変換層を積層したものとする。この波長変換層としては、例えばヨウ化セシウム(CsI)等を用いるのが好適である。また、第1の電極層は、記録用の放射線の励起により波長変換層で発せられる光に対して透過性を有するものとする。
【0166】
また、検出器10,20,30,40,50等においては、記録用光導電層と読取用光導電層との間に電荷輸送層を設け、記録用光導電層と電荷輸送層との界面に蓄電部を形成するようにしたものであるが、本発明においては、電荷輸送層をトラップ層に置き換えたものとしてもよい。トラップ層とした場合には、潜像電荷は、該トラップ層に捕捉され、該トラップ層内またはトラップ層と記録用光導電層の界面に潜像電荷が蓄積される。また、検出器10,20等のように、トラップ層と記録用光導電層の界面に、画素毎に、格別に、マイクロプレートを設けるようにしてもよい。
【0167】
また、上述の実施の形態による検出器においては、各画素毎に、方形状のマイクロプレートを夫々1つ設けたものであるが、画素を固定位置に形成したり、潜像電荷を同電位化させて、読取過程において画素周辺部の潜像電荷を十分に放電させたり、或いは記録過程において潜像電荷を画素中央部に集中させたりすることができるものである限り、多少その数が多くても構わない。例えば、各々が三角形状の導電部材を、全体として、画素毎に、方形をなすように4枚配置し、記録過程や読取過程において、方形中央部の三角形状の部材の頂点が対向する部分に潜像電荷が集まるようにしたり、扇形の導電部材を、全体として円形状に配設する等である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図2】サブ電極のエレメントの形状の一例と、該サブ電極のエレメント、マイクロプレートおよびストライプ電極のエレメントとの配置関係を示す概略図(A)〜(D)
【図3】上記放射線固体検出器を用いた記録読取装置の概略構成図
【図4】上記放射線固体検出器に静電潜像を記録する方法を説明する図
【図5】上記放射線固体検出器に記録された静電潜像を読み取る方法を説明する図
【図6】読取時における検出器内を流れる放電電流を電流源で表した等価回路図
【図7】マイクロプレートの効果を説明する図であって、マイクロプレートが設けられていない場合の図(A),(B)、およびマイクロプレートが設けられている場合の図(C),(D)
【図8】上記放射線固体検出器を用いた静電潜像の記録読取方法をコンデンサモデルで表した図
【図9】放射線固体検出器から出力される信号電荷量をコンデンサモデルで表した図;サブ電極が設けられていない場合(A)、サブ電極が設けられている場合(B)
【図10】本発明による第2の実施の形態の放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図11】本発明による第3の実施の形態の放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図12】本発明による第4の実施の形態の放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図13】本発明による第5の実施の形態の放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図14】本発明による第6の実施の形態の放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図15】第6の実施の形態の放射線固体検出器に静電潜像を記録する方法を説明する図
【図16】第6の実施の形態の放射線固体検出器に記録された静電潜像を読み取る方法を説明する図
【図17】本発明の第7の実施の形態による放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図18】本発明の第8の実施の形態による放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図19】第8の実施の形態による放射線固体検出器を使用する場合における、静電潜像記録過程を示す電荷モデル(A)、静電潜像読取過程を示す電荷モデル(B)
【図20】本発明の第9の実施の形態による放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図21】本発明の第10の実施の形態による放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図22】本発明の第11の実施の形態による放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図23】本発明の第12の実施の形態による放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図24】本発明の第13の実施の形態による放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図25】第13の実施の形態による放射線固体検出器を使用する場合における、静電潜像記録過程を示す電荷モデル(A)、静電潜像読取過程を示す電荷モデル(B)
【図26】本発明の第14の実施の形態による放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図27】第14の実施の形態による放射線固体検出器を使用する場合における、静電潜像記録過程を示す電荷モデル(A)、静電潜像読取過程を示す電荷モデル(B)
【符号の説明】
10,20,30,40,50 放射線固体検出器
11,21,31,41,51 第1の電極層
12,22,32,42,52 記録用光導電層
13,23,33,43,53 電荷輸送層
14,24,34,44,54 読取用光導電層
15,25,35,45,55 第2の電極層
16,26,36,46,56 ストライプ電極
17,27,37,47,57 サブ電極(第1導電部材)
18,28,38,48,58 マイクロプレート(第2導電部材)
19,29,39,49,59 蓄電部
70 電流検出回路(画像信号取得手段)
72 電源(電圧印加手段)
73 電源(電圧印加手段および制御電圧印加手段として機能)
L1 記録用の放射線(記録光)
L2 読取用の電磁波(読取光)

Claims (12)

  1. 照射された放射線の線量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有し、放射線画像情報を前記蓄電部に静電潜像として記録する放射線固体検出器において、
    記録用の放射線または該放射線の励起により発せられる光に対して透過性を有する第1の電極層、
    前記記録用の放射線または前記光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、
    読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、
    前記読取用の電磁波に対して透過性を有する第2の電極層を、この順に有して成り、
    前記記録用光導電層と前記読取用光導電層との間に形成される前記蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための第1の導電部材が前記記録用光電層内の前記読取用光導電層に近接する位置に設けられていることを特徴とする放射線固体検出器。
  2. 照射された放射線の線量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有し、放射線画像情報を前記蓄電部に静電潜像として記録する放射線固体検出器において、
    記録用の放射線または該放射線の励起により発せられる光に対して透過性を有する第1の電極層、
    前記記録用の放射線または前記光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、
    読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、
    前記読取用の電磁波に対して透過性を有する第2の電極層を、この順に有して成り、
    前記記録用光導電層と前記読取用光導電層との間に形成される前記蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための第1の導電部材が前記記録用光電層の、前記読取用光導電層側の面に設けられていることを特徴とする放射線固体検出器。
  3. 照射された放射線の線量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有し、放射線画像情報を前記蓄電部に静電潜像として記録する放射線固体検出器において、
    記録用の放射線または該放射線の励起により発せられる光に対して透過性を有する第1の電極層、
    前記記録用の放射線または前記光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、
    読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、
    前記読取用の電磁波に対して透過性を有する第2の電極層を、この順に有して成り、
    前記記録用光導電層と前記読取用光導電層との間に形成される前記蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための第1の導電部材が前記第2の電極層内ないし前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に設けられており、
    前記第1の導電部材が、前記放射線固体検出器の第1の電極層と第2の電極層との間に印加される直流電圧によって両電極層間に形成される電界分布を調整するための制御電圧が印加されるものであることを特徴とする放射線固体検出器。
  4. 照射された放射線の線量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有し、放射線画像情報を前記蓄電部に静電潜像として記録する放射線固体検出器において、
    記録用の放射線または該放射線の励起により発せられる光に対して透過性を有する第1の電極層、
    前記記録用の放射線または前記光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、
    読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、
    前記読取用の電磁波に対して透過性を有する第2の電極層を、この順に有して成り、
    前記記録用光導電層と前記読取用光導電層との間に形成される前記蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための第1の導電部材が前記読取用光導電層の前記記録用光導電層側の表面に設けられていることを特徴とする放射線固体検出器。
  5. 前記第2の電極層をなす電極および前記第1の導電部材が、多数の線状電極から成るストライプ電極であり、前記第1の導電部材の線状電極が、前記第2の電極層をなす電極の線状電極に対して対向するように、または略直交するように、配設されていることを特徴とする1から4いずれか1項記載の放射線固体検出器。
  6. 照射された放射線の線量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有し、放射線画像情報を前記蓄電部に静電潜像として記録する放射線固体検出器において、
    記録用の放射線または該放射線の励起により発せられる光に対して透過性を有する第1の電極層、
    前記記録用の放射線または前記光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、
    読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、
    前記読取用の電磁波に対して透過性を有する複数の線状電極からなる第1のストライプ電極を備えた第2の電極層を、この順に有して成り、
    前記記録用光導電層と前記読取用光導電層との間に形成される前記蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための第1の導電部材が前記第2の電極層内に設けられており、
    前記第1の導電部材が、前記読取用の電磁波に対して遮光性を有する複数の線状電極からなる第2のストライプ電極を備えたものであり、
    前記第2のストライプ電極の線状電極が、該第2のストライプ電極の線状電極と前記第1のストライプ電極の線状電極とが交互に配置されるように設けられていることを特徴とする放射線固体検出器。
  7. 前記蓄電部に、前記潜像電荷を同電位化せしめる第2の導電部材が、前記電気信号が表す画像の画素毎に、別に、設けられていることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の放射線固体検出器。
  8. 請求項1からいずれか1項記載の放射線固体検出器に放射線を照射して、該照射した放射線の線量に応じた量の電荷を前記放射線固体検出器の蓄電部に潜像電荷として蓄積せしめることにより、放射線画像情報を前記蓄電部に静電潜像として記録する放射線画像記録方法において、前記放射線固体検出器の第1の電極層と第2の電極層との間に印加される直流電圧によって両電極層間に形成される電界分布を調整するための制御電圧を前記第1の導電部材に印加することを特徴とする放射線画像記録方法。
  9. 放射線画像情報が静電潜像として記録された請求項1からいずれか1項記載の放射線固体検出器から前記放射線画像情報を読み取る放射線画像読取方法において、前記放射線固体検出器の蓄電部に蓄積された潜像電荷に対応する電荷を前記第1の導電部材を介して読み出すことにより、前記潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を得ることを特徴とする放射線画像読取方法。
  10. 請求項1からいずれか1項記載の放射線固体検出器に放射線を照射して、該照射した放射線の線量に応じた量の電荷を前記放射線固体検出器の蓄電部に潜像電荷として蓄積せしめることにより、放射線画像情報を前記蓄電部に静電潜像として記録する放射線画像記録装置において
    前記放射線固体検出器の第1の電極層と第2の電極層との間に直流電圧を印加する電圧印加手段と、
    該電圧印加手段により印加される直流電圧によって両電極層間に形成される電界分布を調整するための制御電圧を前記第1の導電部材に印加する制御電圧印加手段とを備えたことを特徴とする放射線画像記録装置。
  11. 放射線画像情報が静電潜像として記録された請求項1からいずれか1項記載の放射線固体検出器から前記放射線画像情報を読み取る放射線画像読取装置において、前記放射線固体検出器の蓄電部に蓄積された潜像電荷に対応する電荷を前記第1の導電部材を介して読み出すことにより、前記潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を得る画像信号取得手段を備えたことを特徴とする放射線画像読取装置。
  12. 照射された放射線の線量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有し、放射線画像情報を前記蓄電部に静電潜像として記録する放射線固体検出器において、
    記録用の放射線または該放射線の励起により発せられる光に対して透過性を有する第1の電極層、
    前記記録用の放射線または前記光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、
    前記潜像電荷に対しては絶縁体として作用し、かつ、該潜像電荷と逆極性の電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層と、
    読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、
    前記読取用の電磁波に対して透過性を有する第2の電極層を、この順に有して成り、
    前記記録用光導電層と前記電荷輸送層との間に形成される前記蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための第1の導電部材が電荷輸送層内に設けられていることを特徴とする放射線固体検出器。
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