JP2003209237A - 固体検出器 - Google Patents

固体検出器

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JP2003209237A
JP2003209237A JP2002007394A JP2002007394A JP2003209237A JP 2003209237 A JP2003209237 A JP 2003209237A JP 2002007394 A JP2002007394 A JP 2002007394A JP 2002007394 A JP2002007394 A JP 2002007394A JP 2003209237 A JP2003209237 A JP 2003209237A
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JP2002007394A
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Takashi Shiyouji
たか志 荘司
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1導電層11の大きさが記録用光導電層1
2の大きさよりも小さい固体検出器10において、第1
導電層11の外周縁部での記録用光導電層12への電荷
の注入の影響を回避して画質の向上を図る。 【解決手段】 第1導電層11、記録用光導電層12、
電荷輸送層13、読取用光導電層14、第2導電層15
をこの順に積層してなる固体検出器10において、第1
導電層11の角部11bを、曲率半径が3mm以上の略
円弧状に丸め、また、第1導電層11の外周縁部に、曲
率半径が1mm以上の略円弧状に上方へ膨出した断面形
状を有する隆起部11aを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照射された放射線
の線量或いは該放射線の励起により発せられる光の光量
に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有
する固体検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、照射された記録用の電磁波に
応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有す
る固体検出器(画像記録媒体)として、例えば、医療用
放射線撮影等において、X線等の放射線に感応するセレ
ン板等の光導電体を有する放射線固体検出器を感光体と
して用い、該放射線固体検出器にX線を照射し、照射さ
れた放射線の線量に応じた量の電荷を放射線固体検出器
内の蓄電部に蓄積せしめることにより、放射線画像情報
を静電潜像として記録すると共に、レーザビーム或いは
ライン光で放射線画像情報が記録された放射線固体検出
器を走査することにより、前記放射線固体検出器から放
射線画像情報を読み取る方法が知られている(例えば、
米国特許第4535468号明細書等)。上記放射線固
体検出器を利用することにより被験者の受ける被爆線量
の減少、診断性能の向上等を図ることができる。
【0003】本願出願人は、特開平2000−1052
97号公報や特願平10−271374号において、読
出しの高速応答性と効率的な信号電荷の取り出しを両立
させることを可能ならしめる放射線固体検出器、並び
に、この放射線固体検出器に放射線画像情報を記録する
記録装置および放射線画像情報が静電潜像として記録さ
れた前記放射線固体検出器から放射線画像情報を読み取
る読取方法および装置を提案している。
【0004】この特開平2000−105297号公報
等に記載の方法は、記録用の放射線またはこの放射線の
励起により発せられる光を透過する第1の電極層、放射
線または上記光の照射を受けることにより導電性を呈す
る記録用光導電層、潜像電荷に対しては略絶縁体として
作用し、且つ潜像電荷と逆極性の輸送電荷に対しては略
導電体として作用する電荷輸送層、および読取用の電磁
波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導
電層、読取用の電磁波を透過する第2の電極層をこの順
に有して成る放射線固体検出器を使用し、放射線固体検
出器の第1の電極層に記録用の放射線を照射し、照射さ
れた放射線の線量に応じた量の電荷を記録用光導電層と
電荷輸送層との略界面に形成される蓄電部に蓄積せしめ
ることにより、放射線画像情報を静電潜像として記録
し、記録された静電潜像を読取用の電磁波の照射により
読み出して放射線画像情報を得るものである。
【0005】さらに、本出願人は上記第2の電極層が読
取用の電磁波を透過する多数の線状電極をストライプ状
に配列してなるストライプ電極である放射線固体検出器
も提案しており、この放射線固体検出器においてはスト
ライプ電極の各線状電極に応じた蓄電部に上記潜像電荷
を集中して蓄積することができるので画像の鮮鋭度の向
上を図ることができる。
【0006】上記のような放射線固体検出器において
は、第1の電極層が負の電位、第2の電極層が正の電位
となるように直流電圧が印加されるとともに、被写体を
透過した放射線が上記放射線固体検出器の第1の電極層
に照射されると、第1の電極層を透過した放射線の照射
により記録用光導電層において放射線の線量に応じた電
荷対が発生し、負の電荷が蓄電部に潜像電荷として蓄積
され、放射線画像が静電潜像として記録される。
【0007】そして、上記直流電圧の印加を停止し、第
1の電極層と第2の電極層とを短絡して電荷の再配列を
行なった後、上記放射線固体検出器の第2の電極層に読
取用の電磁波を照射すると、この電磁波は第2の電極層
を透過して読取用光導電層に照射され、読取用光導電層
において電荷対が発生し、この電荷対のうち正の電荷は
電荷輸送層を通過して蓄電部に蓄積された負の電荷と結
合し、負の電荷は第2の電極層に帯電された正電荷と再
結合することによって放電が生じる。この放電により第
1の電極層と第2の電極層との間で発生した電圧変化を
電流検出アンプなどで電流変化として検出することによ
り静電潜像の読取りが行なわれる。
【0008】ここで、上記放射線固体検出器において、
その記録用光導電層の表面に第1の電極層を設置する方
法として真空蒸着法などを用いた場合には、記録用光導
電層の表面を下方に向けその外縁部を介して支持した状
態で電極材料の蒸着が行なわれるため、第1の電極層が
設置される範囲は上記外縁部の範囲だけ記録用光導電層
より小さい範囲となる。また、この第1の電極層を他の
製造方法を用いて設置した場合においても記録用光導電
層と全く同じ範囲に設置することは困難であり、記録用
光導電層の上面外縁部には若干の第1の電極層が設置さ
れない範囲が生じてしまう。さらに、第1の電極層を記
録用光導電層と同一の範囲に設置した場合には、第2の
電極層との放電が生じやすくなるため、上記のように記
録用光導電層よりも小さい範囲に設置する方が望ましい
場合がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように第1の電極層の大きさが記録用光導電層の大きさ
よりも小さい場合、放射線画像の記録において第1の電
極層と第2の電極層との間に直流電圧を印加した際、第
1の電極層の端部にて電界集中による電荷注入が生じ、
これにより生じた負電荷が第1の電極層が設けられてな
い記録用光導電層の外縁部の表面に帯電してしまう。さ
らに、第1の電極層の端部から漏れた負電荷が記録用光
導電層に注入され、この注入された負電荷は記録用光導
電層を通過して蓄電部に蓄積されてしまう。そして、上
記電荷注入により外縁部の表面に帯電した負電荷および
電荷注入により蓄電部に蓄積された負電荷は第2の電極
層との間に電界分布を形成する。この電界分布は上記読
取りの際、第1の電極層と第2の電極層とを短絡しても
消えることはなく保持される。つまり、本来画像が記録
されない上記外縁部に対しても、あたかも画像があるか
のように記録されてしまう。
【0010】一方、上記のような放射線固体検出器にお
いては、読取用の電磁波は、例えば、ライン光源などに
より副走査方向に線状に照射され、主走査方向に走査す
ることにより第2の電極層の全面に2次元的に照射され
る。または、ビーム状の電磁波を主走査方向および副走
査方向に走査して照射することにより第2の電極層の全
面に2次元的に照射される。従って、上記のように読取
用の電磁波を第2の電極層全面に照射した場合には、上
記外縁部に応じた第2の電極層の領域(非画像領域)に
まで読取用の電磁波が照射されるため、上記電界分布に
起因して読取用光導電層で発生した電荷対の放電が生
じ、この放電により大きな偽画像信号が発生する。この
偽画像信号は非常に大きなものであるため画像領域から
読み取られる画像信号に対して影響を及ぼし、画質の劣
化を招くことになる。また、上記電荷注入により外縁部
の表面に帯電した負電荷に起因する偽画像信号は特にそ
の時定数が大きいため、画像領域から読み取られる画像
信号に与える影響は大きい。さらに、上記のように画像
領域の読取りの際に画像信号に混入された偽画像信号を
後段の画像処理等で取り除くことも不可能である。
【0011】そのため、上記問題を解消するために、上
記外縁部に応じた遮光マスクを設けて外縁部を除いた領
域のみに読取用の電磁波を照射する方法もあるが、この
場合は固体検出器のサイズに対して画像領域が狭まって
しまうため、装置の大型化やコストアップを招いてしま
う。
【0012】本発明は、上記のような問題に鑑みて、上
記のように第1の電極層の大きさが記録用光導電層の大
きさよりも小さい固体検出器において、画像領域を狭め
ることなく画像の画質の向上を図ることができる固体検
出器を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の固体検出
器は、記録光に対して透過性を有する平面状の第1の導
電層と、記録光の照射を受けることにより光導電性を呈
する記録用光導電層と、記録光の光量に応じた量の電荷
を潜像電荷として蓄積する蓄電部と、読取光の照射を受
けることにより光導電性を呈する読取用光導電層と、読
取光に対して透過性を有する第2の導電層とをこの順に
積層してなる固体検出器において、第1の導電層の外周
縁部に、曲率半径が1mm以上の略円弧状に上方へ膨出
した断面形状を有する隆起部が形成されていることを特
徴とするものである。
【0014】なお、「上方」とは、固体検出器の各層の
積層方向であり、第1の導電層において記録用光導電層
とは反対側に向く方向を表す。
【0015】上記固体検出器においては、第1の導電層
の角部が、曲率半径が3mm以上の略円弧状に丸められ
ていることが好ましい。
【0016】本発明において、「読取光に対して透過性
を有する第2の導電層」とは、読取光に対して透過性を
有する電極を備えた層のことを意味し、例えば、特開2
000−284056号公報に記載されているような、
読取光に対して透過性を有する多数の線状電極からなる
ストライプ電極(光電荷対発生電極)と、蓄電部に蓄積
された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力さ
せるための読取光に対して遮光性を有する多数の線状電
極からなるサブストライプ電極(光電荷対非発生電極)
を、ストライプ電極の線状電極とサブストライプ電極の
線状電極とが交互にかつ互いに平行となるように設けた
層も含むものである。
【0017】また、「固体検出器」は、第1の導電層、
記録用光導電層、読取用光導電層および第2の導電層を
この順に有すると共に、記録用光導電層と読取用光導電
層との間に蓄電部が形成されて成るものであって、さら
に他の層や微小導電部材(マイクロプレート)等を積層
して成るものであってもかまわない。
【0018】なお、上記蓄電部を形成する方法として
は、電荷輸送層を設けてこの電荷輸送層と記録用光導電
層との界面に蓄電部を形成する方法(本出願人による特
開2000−105297号公報、特開2000−28
4056号公報参照)、トラップ層を設けこのトラップ
層内若しくはトラップ層と記録用光導電層との界面に蓄
電部を形成する方法(例えば、米国特許第453546
8号参照)、或いは潜像電荷を集中させて蓄電する微小
導電部材等を設ける方法(本出願人による特開2000
−284057号公報参照)等を用いるとよい。
【0019】
【発明の効果】本発明による固体検出器によれば、記録
用光導電層の上面の第1の導電層の外周縁部に、曲率半
径が1mm以上の略円弧状に上方へ膨出した断面形状を
有する隆起部が形成されているため、第1の導電層の外
周縁部に電界が集中するのを防止できるので、第1の導
電層の外周縁部からの記録用光導電層への電荷の注入に
起因する偽画像信号の発生を回避することができ、この
偽画像信号の影響による画像信号のS/Nの劣化を防止
して画質の向上を図ることができる。
【0020】さらに、第1の導電層の角部を、曲率半径
が3mm以上の略円弧状に丸めることにより、第1の導
電層の角部に電界が集中するのを防止できるため、より
一層偽画像信号の影響を回避することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は本発明による固体検
出器を用いた放射線画像記録読取装置の概略構成を示す
図であり、図2は本実施の形態に用いられる固体検出器
の概略構成図を示す図である。図2(A)は斜視図、図
2(B)はQ矢指部のXZ断面図、図2(C)はP矢指
部のXY断面図である。
【0022】この固体検出器10は、記録用の電磁波
(例えば、X線等の放射線。以下記録光という。)L1
を透過する第1導電層11、この第1導電層11を透過
した記録光L1の照射を受けることにより導電性を呈す
る記録用光導電層12、潜像電荷(例えば負電荷)に対
しては略絶縁体として作用し、かつ、該潜像電荷と逆極
性の輸送電荷(上述の例においては正電荷)に対しては
略導電体として作用する電荷輸送層13、読取用の電磁
波(以下読取光という)L2の照射を受けることにより
導電性を呈する読取用光導電層14、読取光L2を透過
する第2導電層15をこの順に積層してなるものであ
る。
【0023】図2(A)から(C)に示すように本実施
の形態に用いられる固体検出器10は、第1導電層11
の大きさが記録用光導電層12より小さいものでる。な
お、固体検出器10は読取光L2を透過する支持体上に
第2導電層15から順に形成されるものであるが、支持
体は図示省略している。
【0024】記録用光導電層12の物質としては、アモ
ルファスセレン(a−Se)、PbO,PbI等の
酸化鉛(II)やヨウ化鉛(II)、Bi12(Ge,S
i)O 20,Bi/有機ポリマーナノコンポジッ
ト等のうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質
が適当である。
【0025】電荷輸送層13の物質としては、例えば第
1導電層11に帯電される負電荷の移動度と、その逆極
性となる正電荷の移動度の差が大きい程良く(例えば1
以上、望ましくは10以上)ポリN−ビニルカ
ルバゾール(PVK)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス
(3−メチルフェニル)−〔1,1'−ビフェニル〕−4,4'
−ジアミン(TPD)やディスコティック液晶等の有機
系化合物、或いはTPDのポリマー(ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、PUK)分散物、Clを10〜20
0ppmドープしたa−Se等の半導体物質が適当であ
る。特に、有機系化合物(PVK,TPD、ディスコテ
ィック液晶等)は光不感性を有するため好ましく、ま
た、誘電率が一般に小さいため電荷輸送層13と読取用
光導電層14の容量が小さくなり読取時の信号取り出し
効率を大きくすることができる。なお、「光不感性を有
する」とは、記録光L1や読取光L2の照射を受けても
殆ど導電性を呈するものでないことを意味する。
【0026】読取用光導電層14の物質としては、a−
Se、Se−Te、Se−As−Te、無金属フタロシ
アニン、金属フタロシアニン、MgPc(Magnesium ph
talocyanine)、VoPc(phaseII of Vanadyl phthal
ocyanine)、CuPc(Cupper phtalocyanine)等のう
ち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が好適で
ある。
【0027】記録用光導電層12の厚さは、記録光L1
を十分に吸収できるようにするには、50μm以上10
00μm以下であるのが好ましく、本例においては約5
00μmとしている。また電荷輸送層13と光導電層1
4との厚さの合計は記録用光導電層12の厚さの1/2
以下であることが望ましく、また薄ければ薄いほど読取
時の応答性が向上するので、例えば1/10以下、さら
には1/20以下等にするのが好ましい。
【0028】第1導電層11としては、記録光L1に対
して透過性を有するものであればよく、例えば可視光に
対して透過性を持たせる場合には、光透過性金属薄膜と
して周知のネサ皮膜(SnO)、ITO(Indium Tin
Oxide)、あるいはエッチングのし易いアモルファス状
光透過性酸化金属であるIDIXO(Idemitsu Indium
X-metal Oxide ;出光興産(株))等の酸化金属を50
〜200nm厚程度、好ましくは100nm以上にして
用いることができる。また、アルミニウムAl、金A
u、モリブデンMo、クロムCr等の純金属を、例えば
20nm以下(好ましくは10nm程度)の厚さにする
ことによって可視光に対して透過性を持たせることもで
きるが、本実施の形態では、記録光L1としてX線を使
用し、第1導電層11側から該X線を照射して画像を記
録するため、第1導電層11としては可視光に対する透
過性が不要であるから、該第1導電層11は、例えば1
00nm厚のAlやAu等の純金属を用いることもでき
る。なお、本実施の形態では、第1導電層11はAuを
100nmに形成したものとする。
【0029】ここで、図を用いて第1導電層11の形状
について詳細に説明する。図3(A)は第1導電層11
の上面図、図3(B)は第1導電層11の(A)におけ
るA−A線断面図、図3(C))は第1導電層11の隆
起部11aの形成方法を示す図である。
【0030】図3(A)に示すように、第1導電層11
の角部11bは、曲率半径が3mm以上の略円弧状に丸
められている。また、図3(A)、(B)に示すよう
に、第1導電層11の外周縁部には、曲率半径が1mm
以上の略円弧状に上方へ膨出した断面形状を有する隆起
部11aが形成されている。このような隆起部11aを
形成するには、隆起部11aを形成する外周縁部の領域
が透過領域となっているマスク30a、および隆起部1
1aの幅の中心線を基準として透過領域を段階的に狭め
た複数のマスク30b、30c・・を用いて、Auが所
定の高さに形成されるまで段階的に蒸着していけばよ
い。その際、図3(C)に示すように、マスク30を第
1導電層11から所定の高さ程浮かせた状態で用いるこ
とにより、マスクの透過領域よりも若干外側にAuが拡
散するため、階段状にならずになだらかな傾斜となる。
【0031】第2導電層15の電極は、多数のエレメン
ト(線状電極)16aをストライプ状に配列したストラ
イプ電極16として形成されている。ここで、ストライ
プ電極16を形成する電極材の材質としては、ITO
(Indium Tin Oxide)、IDIXO(Idemitsu Indium
X-metal Oxide ;出光興産(株))、アルミニウムまた
はモリブデン等を用いることができる。エレメント16
aの間15aは、例えば、カーボンブラック等の顔料を
若干量分散させたポリエチレン等の高分子材料を充填し
たものとし、読取光L2に対して遮光性を有するものと
されている。
【0032】次に、本実施の形態の放射線画像記録読取
装置について説明を行う。図1は本実施の形態の放射線
画像記録読取装置の概略構成図を示すものであり、固体
検出器10のXZ断面図と共に電流検出回路70の詳細
を示した図である。
【0033】この放射線画像記録読取装置は、固体検出
器10、画像信号取得手段としての電流検出回路70、
記録光照射手段90、読取光照射手段93とからなる。
【0034】第1導電層11の上面には被写体9が配設
されており、被写体9には記録光L1を透過する部分9
aと透過しない遮断部(遮光部)9bが存在する。記録
光照射手段90は記録光L1を被写体9に一様に爆射す
るものである。
【0035】読取光照射手段93は、副走査方向と平行
するライン状に略一様な読取光L2をストライプ電極1
6の各エレメント16aの長手方向(図5における主走
査方向)と概略直交させつつ、該長手方向(主走査方
向)に走査露光するものである。この走査露光において
は、連続光を照射してもよいし、パルス光を照射するよ
うにしてもよい。
【0036】電流検出回路70は、蓄電部19に蓄積さ
れた潜像電荷の量に応じたレベルの画像信号を得るもの
であり、ストライプ電極16の各エレメント16a毎に
接続された電流検出アンプ71を多数有している。電流
検出アンプ71は、オペアンプ71a,積分コンデンサ
71bおよびスイッチ71cから成る。固体検出器10
の第1導電層11はスイッチ73の一方および電源72
の負極に接続されている。電源72の正極はスイッチ7
3の他方に接続されている。各オペアンプ71aの非反
転入力端子(+)がスイッチ73の一端に共通に接続さ
れ、反転入力端子(−)がエレメント16aに夫々個別
に接続されている。
【0037】スイッチ73は、記録時には電源72側に
接続され、オペアンプのイマジナリーショートを介し
て、第1導電層11とストライプ電極16との間に、電
源72による所定の直流電圧が印加される。
【0038】一方、読取時には、スイッチ73は第1導
電層11側に接続されて第1の電極層とストライプ電極
16とがオペアンプのイマージナリーショートを介して
短絡された状態で、ライン状の読取光L2がストライプ
電極16に露光されることにより、各電流検出アンプ7
1は、各エレメント16aに流れる電流を、接続された
各エレメント16aについて同時に検出する。なお、電
流検出回路70や電流検出アンプ71の構成は、この例
に限定されるものではなく、種々のものを使用すること
ができる。
【0039】以下、上記構成の放射線画像記録読取装置
において、固体検出器10に画像情報を静電潜像として
記録し、さらに記録された静電潜像を読み出す方法につ
いて説明する。最初に静電潜像記録過程について、図4
に示す電荷モデルを参照しつつ説明する。なお、記録光
L1によって記録用光導電層12内に生成される負電荷
および正電荷を、図面上では−または+を丸で囲んで表
すものとする。また、固体検出器10の支持体は図示省
略するものとする。
【0040】上記構成の放射線画像記録読取装置におい
て、固体検出器10に静電潜像を記録する際には、先ず
スイッチ73を電源72側に切り換え、第1導電層11
とストライプ電極16との間に直流電圧を印加し、両者
を帯電させる。これにより、第1導電層11とストライ
プ電極16との間には略Uの字状の電界が形成され、記
録用光導電層12の大部分の所は概略平行な電場が存在
するが、光導電層12と電荷輸送層13との界面、すな
わち蓄電部19には電界が存在しない部分が生じる。そ
して、このUの字状の電界がエレメント16aの長さ方
向に連続した電界分布が形成される(図4(A))。
【0041】次に放射線を被写体9に爆射し、被写体9
の透過部9aを通過した被写体9の放射線画像情報を担
持する記録光L1を固体検出器10に照射する。する
と、固体検出器10の記録用光導電層12内で正負の電
荷対が発生し、その内の負電荷が上述の電界分布に沿っ
て蓄電部19に移動する(図4(B))。一方、記録用
光導電層12内で発生した正電荷は第1導電層11に向
かって高速に移動し、第1導電層11と記録用光導電層
12との界面で電源72から注入された負電荷と電荷再
結合し消滅する。また、記録光L1は被写体9の遮光部
9bを透過しないから、固体検出器10の遮光部9bの
下部にあたる部分は何ら変化を生じない(図4(B),
(C))。
【0042】このようにして、被写体9に記録光L1を
爆射することにより、被写体像に応じた電荷を記録用光
導電層12と電荷転送層13との界面である蓄電部19
に蓄積することができるようになる。この蓄積される潜
像電荷(負電荷)の量は被写体9を透過し固体検出器1
0に入射した放射線の線量に略比例するので、この潜像
電荷が静電潜像を担持することとなり、該静電潜像が固
体検出器10に記録される。
【0043】ところで、従来では、第1導電層11の大
きさが記録用光導電層12の大きさよりも小さい固体検
出器10を用いた場合、上記記録過程において電源72
により第1導電層11と第2導電層15との間に直流電
圧を印加したとき、図5(A)に示すように第1導電層
11の外周縁部で電界集中による電荷注入が生じ、第1
導電層11の周辺部分の記録用光導電層12の周縁部の
表面付近に負の電荷が帯電する。また、第1導電層11
の端部では記録用光導電層12に電荷の注入が生じ、こ
の電荷が蓄電部19に蓄積される。上記電荷注入により
生じる負電荷および電荷注入により蓄電部19に蓄積さ
れた負電荷により第2導電層15の非画像領域Aに正電
荷が帯電して電界分布が形成される。つまり、本来画像
のない領域である非画像領域Aに画像があるかのように
電界分布が形成されてしまい、この状態において読取り
を行なうと上記電界分布に起因する偽画像信号まで読み
取られてしまう。この偽画像信号は非常に大きな信号と
なるため、画像領域から読取られる画像信号に影響を与
え、画像信号のS/Nの劣化の原因となる。また、上記
電荷注入による負電荷に起因する上記偽画像信号は非常
に長い時定数をもつため、特に画像領域の画像信号に与
える影響も大きい。
【0044】本実施の形態では、上記のような問題を解
消するために、第1導電層11の角部11bを、曲率半
径が3mm以上の略円弧状に丸めており、また、第1導
電層11の外周縁部には、曲率半径が1mm以上の略円
弧状に上方へ膨出した断面形状を有する隆起部11aを
形成しているため、第1導電層11の外周縁部に電界が
集中することが無くなるため、第1導電層11の外周縁
部で上記電荷注入が生じなくなる。そのため、図5
(B)に示すように記録過程における電圧印加時に、固
体検出器10に略一様な電界が形成され、また、非画像
領域に電界が形成されることがなくなる。
【0045】次に、本実施の形態の放射線画像記録読取
装置における静電潜像読取過程について説明する。
【0046】固体検出器10から静電潜像を読み取る際
には、先ずスイッチ73を第1導電層11側にし、第1
導電層11とストライプ電極16とをオペアンプ71a
のイマジナリショートを介して短絡し、電荷の再配列を
行う。次いで、エレメント16aの長手方向(主走査方
向)に読取光照射手段93を走査することにより、ライ
ン状の読取光L2で固体検出器10を走査露光する。こ
の読取光L2の走査露光により主走査位置に対応する読
取光L2が入射した光導電層14内に正負の電荷対が発
生する。
【0047】蓄電部19とストライプ電極16との間
は、非常に強い電場(強電界)が形成されており、ま
た、電荷輸送層13は正電荷に対しては導電体として作
用するものであるから、読取用光導電層14に生じた正
電荷は蓄積部19の潜像電荷に引きつけられるように電
荷輸送層13の中を急速に移動し、蓄電部19で潜像電
荷と電荷再結合をし消滅する。一方、読取用光導電層1
4に生じた負電荷は第1導電層11、ストライプ電極1
6の正電荷と電荷再結合し消滅する。上記電荷再結合に
よる第1導電層11とストライプ電極16との間の電圧
変化を電流検出アンプ71により電流変化として検出す
る。この読取りの際に固体検出器10内を流れる電流
は、潜像電荷すなわち静電潜像に応じたものであるか
ら、この電流を電流検出アンプ71により検出すること
により、静電潜像を読み取る、すなわち静電潜像を表す
画像信号を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像読取装置の具体的な実施の形
態を適用した放射線画像記録読取装置の概略構成図
【図2】図1に示す放射線画像記録読取装置にて用いら
れる固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図
(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図3】固体検出器の第1導電層の上面図(A)、第1
導電層のA−A線断面図(B)、第1導電層の隆起部の
形成方法を示す図(C)
【図4】上記固体検出器に静電潜像を記録する方法を説
明する図
【図5】第1導電層の端部での記録用光導電層への電荷
の注入を説明する図
【符号の説明】
9 被写体 10 放射線画像記録媒体 11 第1導電層 12 記録用光導電層 13 電荷輸送層 14 読取用光導電層 15 第2導電層 16 ストライプ電極 19 蓄電部70 電流検出回路(画像信号取得手
段) 71 電流検出アンプ 71a オペアンプ 71b 積分コンデンサ 71c スイッチ 72 電源 73 スイッチ 90 記録光照射手段 93 読取光照射手段 L1 記録用の放射線(記録光) L2 読取用の電磁波(読取光)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G088 EE01 FF02 GG21 JJ05 JJ32 LL11 LL12 4M118 AA05 AB01 BA05 CA15 CA40 CB05 FB09 FB23 FB25 FB30 GA01 GA10 5C024 AX12 AX17 CY47 DX04 GX01 5F088 AA11 BB03 BB07 DA05 DA17 LA08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録光に対して透過性を有する平面状の
    第1の導電層と、 前記記録光の照射を受けることにより光導電性を呈する
    記録用光導電層と、 前記記録光の光量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄
    積する蓄電部と、 読取光の照射を受けることにより光導電性を呈する読取
    用光導電層と、 前記読取光に対して透過性を有する第2の導電層とをこ
    の順に積層してなる固体検出器において、 前記第1の導電層の外周縁部に、曲率半径が1mm以上
    の略円弧状に上方へ膨出した断面形状を有する隆起部が
    形成されていることを特徴とする固体検出器。
  2. 【請求項2】 前記第1の導電層の角部が、曲率半径が
    3mm以上の略円弧状に丸められていることを特徴とす
    る請求項1記載の固体検出器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005057281A (ja) * 2003-08-01 2005-03-03 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc フォト・エレクトロン直接変換検出器アレイ用のガードリング
JP2009175102A (ja) * 2008-01-28 2009-08-06 Shimadzu Corp 直接変換型x線フラットパネルセンサー

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