JP2008198910A - 放射線画像検出装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画素領域間に蓄積した電荷に起因する残像の発生を低減する。
【解決手段】放射線検出装置1は、放射線画像情報を担持した電磁波の照射により電荷を発生する電荷発生層22と、電荷発生層22において発生した電荷を収集する複数の分割電極23とを備えている。そして、隣接する各分割電極23、5の隙間には隔壁層27が設けられており、隔壁層27上にはサブ電極28が積層されている。
【選択図】図1
【解決手段】放射線検出装置1は、放射線画像情報を担持した電磁波の照射により電荷を発生する電荷発生層22と、電荷発生層22において発生した電荷を収集する複数の分割電極23とを備えている。そして、隣接する各分割電極23、5の隙間には隔壁層27が設けられており、隔壁層27上にはサブ電極28が積層されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、記録用光導電層および読取用光導電層等を備え、照射された放射線により発生する電荷を信号電荷として電荷蓄電部に蓄積する放射線画像検出装置およびその製造方法に関するものである。
今日、医療診断等を目的とする放射線撮影において、放射線を検出して得た電荷を信号電荷として電荷蓄電部に一旦蓄積し、該蓄積した信号電荷を放射線画像情報を表す電気信号に変換して出力する放射線画像検出装置を使用する放射線画像情報記録読取装置が各種提案されている。
たとえば、特許文献1には、放射線有感な半導体の一方の側に共通電極を形成してバイアス電圧を印加し、他方の側に複数個の分割電極を形成して、放射線入射によって半導体内部に発生する電荷を、各々の分割電極から電気信号として取り出すことによって入射放射線の空間分布を検出する放射線検出器が開示される。
また、蓄積された電荷を外部に読み出す電荷読出プロセスの面から、検出器に読取光(読取用の電磁波)を照射して読み出す光読出方式のものがある。たとえば、特許文献2、3において、電荷蓄電部に蓄積された信号電荷を読み取るためのストライプ状の複数の線状電極と、電荷蓄電部に蓄積された信号電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるために線状電極の間にストライプ状に配列されたサブ電極とを備えた放射線画像検出装置が提案されている。
このサブ電極は電荷蓄電部との間でコンデンサを形成し、読取りの際の電荷再配列によって電荷蓄電部に蓄積された信号電荷とは逆極性の輸送電荷を帯電するようになっている。このため、読取用光導電層を介して線状電極と電荷蓄電部との間に形成されるコンデンサに配分される輸送電荷の量をサブ電極を設けない場合よりも相対的に少なくすることができる。これにより、外部に取り出す信号電荷の量を多くして読取効率を向上させると共に、読出しの高速応答性と効率的な信号電荷の取り出しの両立をも図ることができるようになっている。
さらに、特許文献2、3において、電荷蓄電部に信号電荷を同電位化する導電部材(マイクロプレート)を潜像の画素毎に複数設けた放射線画像検出装置が提案している。この導電部材は、導電部材の範囲内において信号電荷の電位が一定に保つようになっている。つまり、読取りにくい画素周辺部の信号電荷が読取りの進行に応じて導電部材中央部(画素中央部)に移動する。その結果、信号電荷を十分に放電させて読出効率を改善することができる。また、導電部材が配設された固定位置に画素を形成することができ、ストラクチャーノイズの補正を行うことも容易となる。
特開2004−146769号公報
特開2000−284057号公報
特開2003−234459号公報
ここで、特許文献1の場合、X線照射によって発生した信号電荷の一部が分割電極に収集されず、分割電極間の隙間に蓄積する場合があり、感度変動や残像を発生させるという問題がある。また、特許文献2、3の場合、X線照射によって発生した信号電荷の一部が電荷蓄電部に蓄電されず、電荷蓄電部を通過する漏れ電荷が発生する場合があり、特に大線量のX線照射がなされた場合に生じやすい。つまり、電荷蓄電部の線状電極上の領域において発生した漏れ電荷は線状電極によって放電される。一方、線状電極間の隙間上の領域を通過した漏れ電荷は、線状電極により放電されず線状電極間の隙間に帯電してしまい、画像情報に残像が発生してしまうという問題がある。
そこで、本発明は、画素領域間に蓄積された電荷に起因する残像の発生を低減することができる放射線画像検出装置およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の放射線画像検出装置は、放射線画像情報を担持した電磁波の照射により電荷を発生する電荷発生層と、電荷発生層において発生した電荷を収集する複数の分割電極と、隣接する各分割電極の隙間に設けられた隔壁層と、隔壁層上に設けられたサブ電極とを備えたことを特徴とするものである。
放射線画像検出装置の製造方法は、放射線画像情報を担持した電磁波の照射により電荷を発生する電荷発生層と、電荷発生層において発生した電荷を収集する複数の分割電極と、隣接する各分割電極の隙間に設けられた隔壁層と、隔壁層上に設けられたサブ電極とを有する放射線画像検出装置の製造方法であって、基板に隔壁部材を形成し、基板の隔壁部材を形成した面に導電膜を成膜することにより、互いに分離したサブ電極と分割電極とを異なる高さ位置に高さ方向からみたときに隙間なく形成し、形成したサブ電極および分割電極上に電荷発生層を積層することを特徴とするものである。
ここで、放射線画像情報を担時した電磁波は、放射線であってもよいし記録光であってもよい。
また、複数の分割電極はどのような構造のものであってもよく、たとえば矩形状の分割電極が格子状に配列された構造を有するものであっていわゆるTFT方式により放射線画像を読み取るものであってもよいし、あるいは複数の分割電極は各画素毎に設けられた導電部材(マイクロプレート)であって、この導電部材に蓄積した電荷をストライプ状に配列された複数の線状電極が読取る構造を有するものであってもよい。このとき、電荷発生層において発生した電荷の読取は線状電極の長手方向に沿って読取光を走査しながら照射することにより行われる。
なお、サブ電極と分割電極とは高さ方向からみたときに隙間なく設けられていてもよい。なお、サブ電極と分割電極との間に高さ方向からみて隙間が形成されていることが好ましい。なお「高さ」とは、分割電極上に電荷発生層が積層されている方向をいう。
また、サブ電極は隔壁層上の領域に設けられていれば良く、隔壁層上に直接積層されていても良いし他の層を介して積層されていてもよい。
さらに、隔壁層はその形状を問わないが、隔壁層上に形成されているサブ電極側から線状電極側に向かって先細りになるように形成されていることが好ましい。なお、隔壁層は読取用光導電層の厚さと分割電極の厚さとの和よりも高く形成されていることが望ましい。
本発明の放射線画像検出装置によれば、放射線画像情報を担持した電磁波の照射により電荷を発生する電荷発生層と、電荷発生層において発生した電荷を収集する複数の分割電極と、隣接する各分割電極の隙間に設けられた隔壁層と、隔壁層上に設けられたサブ電極とを備えたことにより、隣接する分割電極間の隙間に蓄電する電荷がサブ電極から放電されることになるため、この電荷が分割電極を介して線状電極から読み取られることによる残像の発生を低減し画質の劣化を防止することができる。
なお、サブ電極と分割電極とが、異なる高さ位置に形成されているとともに、高さ方向からみたときに隙間なく設けられているとき、サブ電極と分割電極と間にも電荷が蓄積することがないため、確実に分割電極間に発生する電荷をサブ電極により放電し残像の発生を低減することができる。
また、隔壁層が、隔壁層上に形成されているサブ電極側から分割電極側に向かって先細りになるように形成されているものであれば、高さ方向からみてサブ電極と分割電極とが重なり合うように形成することもできるとともに、サブ電極と分割電極とが電気的に短絡するのを確実に防止することができる。
放射線画像検出装置の製造方法によれば、放射線画像情報を担持した電磁波の照射により電荷を発生する電荷発生層と、電荷発生層において発生した電荷を収集する複数の分割電極と、隣接する各分割電極の隙間に設けられた隔壁層と、隔壁層上に設けられたサブ電極とを有する放射線画像検出装置の製造方法であって、基板に隔壁部材を形成し、基板の隔壁部材を形成した面に導電膜を成膜することにより、互いに分離したサブ電極と分割電極とを異なる高さ位置に高さ方向からみたときに隙間なく形成し、形成したサブ電極および分割電極上に電荷発生層を積層することにより、互いに分離したサブ電極と分割電極とを異なる高さ位置に高さ方向からみたときに隙間なく形成し、形成したサブ電極と分割電極上に記録用光導電層を積層することにより、隔壁層によって分離した高さ位置の異なるサブ電極と分割電極とを同時に形成することができるため、効率的に放射線検出装置を製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の放射線画像検出装置の一実施形態について説明する。図1は本発明の放射線画像検出装置の好ましい実施の形態を示す斜視図、図2は図1に示す放射線画像検出装置の平面図である。なお、図2において説明の便宜上、サブ電極28および隔壁層27は省略している。放射線画像検出器1は、TFT方式のものであり、上部平面電極21、電荷発生層22、分割電極23、サブ電極28、隔壁層27等を備えている。
上部平面電極21は、放射線を透過するAuなどの低抵抗の導電材料からなり、電荷発生層22上に略平面状に形成されている。上部平面電極21にはバイアス電圧を印加するための高圧電源HVが接続されており、放射線画像情報を記録するときに高電圧が印加されるようになっている。
電荷発生層22は放射線の照射により放射線の量に応じた電荷を発生するものであって、たとえばセレンを主成分とする膜厚100〜1000μmの非晶質a−Se膜からなっている。
分割電極(分割電極)23はたとえばAl、Au、Cr、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)等の材料を厚みが0.05μm〜1μmに成膜されており、分割電極23上に電荷発生層22が積層された状態になっている。よって、分割電極23は電荷発生層22に電気的に直列に接続された構造を有することになり、電荷発生層22において発生した電荷を収集可能になっている。なお、電荷発生層22と分割電極23との間に薄い絶縁層からなる電子阻止層が形成されていてもよい。分割電極23は図3に示すように矩形状に形成されており、水平方向(矢印Y方向)および垂直方向(矢印Z方向)に沿ってマトリックス状に複数設けられている。各分割電極23がそれぞれ電荷発生層22において発生した電荷を収集することにより、各分割電極23により収集した電荷がそれぞれ放射線画像の画素情報となる。
なお、各分割電極23により収集された電荷はそれぞれ電荷蓄電部34により蓄積され、各電荷蓄電部34に蓄積された電荷は複数のスイッチ素子33を介して読み取られるようになっている。具体的には、スイッチ素子33は薄膜トランジスタ(TFT)からなっており、スイッチ素子33のゲート電極32にはスイッチ素子33をON/OFFするための走査線31が接続されている。また、スイッチ素子33のドレイン電極37には電荷蓄電部34が接続されており、ソース電極36にはデータ線35を介してアンプ40に接続されている。そして、走査線31からスイッチング素子33をON状態にする信号が加えられると、電荷蓄電部34に蓄積された信号電荷が、ドレイン電極37からソース電極36、データ線35を介してアンプ40に入力される。
隔壁層27は基板10a上に形成されており、図2に示すように各分割電極23の隙間に格子状に形成されている。よって、隔壁層27は放射線画像検出装置1のYZ平面空間を各画素領域毎に分割していることになる。なお、隔壁層27はエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ゼラチン、ノボラック系樹脂とハフトキノンジアジスルフォン酸エステルドとの混合物等の感光性または非感光性の樹脂材料等の読取光L1および消去光L2を透過する材料からなっている。
図1のサブ電極28は、隔壁層27上に積層されたものであって、隔壁層27と同様に格子状に形成されている。したがって隣接する画素領域Pの間には隔壁層27とサブ電極28とが介在することになる。また、サブ電極7は放射線画像検出装置1に放射線画像情報を記録するときには正の電荷が帯電され、放射線画像検出装置1に読取光L1が照射されるときには接地されるようになっている。さらに、サブ電極28と分割電極28とは、異なる高さ位置に形成されており、図3に示すように高さ方向(矢印X方向)からみて隙間なく設けられている。
次に、図1から図3を参照して放射線画像検出器1の動作例について説明する。高電圧源HVにより、上部平面電極21と各分割電極23との間に高電圧が印加された状態で、図1の上方よりX線等の放射線画像を担持した記録用の放射線が照射される。放射線は上部平面電極21を透過し電荷発生層22に照射される。すると、電荷発生層22において電荷発生層22において、照射された放射線量に応じた量の電荷が発生する。この電荷のうち、電子は上部平面電極21(+電極)側に移動し、正孔が各分割電極23(−電極)側に移動することにより、電荷蓄積部34に電荷が蓄積される。
その後、走査線31を介してスイッチ素子33をON状態にする信号を加え、データ線35を介して各電荷蓄電部34に蓄積された電荷を取り出す。そして、アンプ40により各画素の電荷量が検出され画像情報が読み取られる。上記スイッチング動作を矢印Y方向およびZ方向にマトリクス状に配列された複数の分割電極23に接続されたスイッチ素子33へ順次走査することにより、二次元的にX線の画像情報を得ることができる。
ここで、隔壁層27上に接地されたサブ電極28が設けられていることにより、各分割電極23の間の隙間に発生する電荷はサブ電極28により放電され、隣接した分割電極23間に蓄電された電荷に起因する残像の発生を低減させることができる。すなわち、隣接する分割電極23の間にサブ電極28がなく電荷発生層22が充填されている場合、隣接する分割電極23間の隙間における電荷発生層22との界面に電荷が蓄積する。そして、隙間に蓄積された電荷は、分割電極23上の電荷が読み取られた後に遅れて読み取られ、これが残像となって表れてしまう場合がある。一方、隣接する分割電極23の間にサブ電極28が設けられている場合、分割電極23間の隙間に蓄積される電荷はサブ電極28により放電されるため、上述のような残像の発生を低減することができる。
さらに、図1、図3に示すように、分割電極23とサブ電極28とが高さ方向(矢印X方向)からみて隙間なく設けることにより、サブ電極28同士の隙間だけでなく分割電極5とサブ電極7との間の隙間にも電荷が蓄積することがないため、残像の発生をより確実に低減することができる。なお、分割電極23とサブ電極28とを隙間なく配列した場合であっても、分割電極23とサブ電極28とが異なる高さ位置に形成されているため電気的に短絡することを防止することができる。特に、隔壁層27がサブ電極28から分割電極23に向かって先細り形状になるように形成されているため、分割電極23をサブ電極28上の領域内まで形成し、分割電極27の形成領域とサブ電極28の形成領域とが重なり合うようにすることができるとともに、分割電極27とサブ電極28との電気的短絡を確実に防止することができる。
図4〜図6は本発明の放射線画像検出装置の別の実施形態を示す模式図である。なお、図4〜図6の放射線画像検出装置100において図1〜図3の放射線画像検出装置1と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。図4の放射線画像検出装置100が、図1の放射線画像検出装置1と異なる点は分割電極の構造であって、図1の放射線画像検出装置1がいわゆるTFT方式と呼ばれる読取方式であるのに対し、図4の放射線画像検出装置100は読取光を照射することにより記録された放射線画像を読取るいわゆる光読み出し方式の固体検出器であって、平板電極2、電荷発生層103、分割電極(マイクロプレート)5、線状電極6、サブ電極7、隔壁層8等を備えている。なお、放射線画像検出装置1は光透過性を有する基板(たとえばガラス基板)上に形成されるものであって、図4において基板は図示せず省略している。
平板電極2は、放射線画像情報を記録する際に負の電荷が帯電されるものであって、平板状に形成されている。平板電極2は放射線を透過する材料からなっており、たとえばネサ皮膜(SnO2)、ITO(Indium Tin Oxide)、アモルファス状光透過性酸化膜であるIDIXO(Idemitsu Indium X-metal Oxide ;出光興産(株))等の材料を用いて50〜200nmに成膜し、あるいはAlやAuなどを100nmに成膜することにより形成されている。
電荷発生層103は、記録用光導電層3、読取用光導電層4を備えている。記録用光導電層3は、放射線の照射を受けることにより電荷対を発生するものであって、たとえば放射線に対して比較的量子効率が高く、また暗抵抗が高いなどの点で優れているa−Seを主成分とするものを500μm程度に成膜することにより形成されている。
読取用光導電層4は読取光L1または消去光L2の照射を受けることにより電荷対を発生するものであって、たとえばa−Se、Se−Te、Se−As−Te、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン、MgPc(Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanine)、CuPc(Cupper phtalocyanine)などのうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質を用いて形成されており、0.1〜2μmの厚さを有している。また、記録用光導電層3と読取用光導電層4との界面には放射線画像情報を電荷として蓄電する電荷蓄電部11が形成されることになる。
隔壁層8は基板10a上に形成されており、図7に示すように読取用光導電層4および電荷蓄電部11を各画素領域P毎に分割するものである。隔壁層8は複数の線状電極6に対し交差するようにストライプ状に配列された複数の線状隔壁部材8aと、複数の線状隔壁部材8aに対し交差する補助隔壁部材8bとを有している。図7においては、複数の線状隔壁部材8aは複数の線状電極6の配列方向(矢印Y方向)に対し直交する方向(矢印Z方向)にストライプ状に配列されており、補助隔壁部材8bは複数の線状隔壁部材8aに直交する方向(矢印Z方向)に延びている。
そして、隔壁層8は線状隔壁部材8aと補助隔壁部材8bとにより格子状に形成されており、この線状隔壁部材8aと補助隔壁部材8bとによって読取用光導電層4および電荷蓄電部11が画素領域P毎に分割されている。なお、隔壁層8は線状電極6上の読取用光導電層4およびエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ゼラチン、ノボラック系樹脂とハフトキノンジアジスルフォン酸エステルドとの混合物等の感光性または非感光性の樹脂材料等の読取光L1および消去光L2を透過する材料からなっている。この隔壁層8は読取用光導電層4の厚さと分割電極5の厚さとの和よりも大きい厚さを有している。
分割電極(マイクロプレート)5は記録用光導電層3と読取用光導電層4との界面、すなわち電荷蓄電部11に各画素領域P毎に配置されており、画素領域P内の電荷蓄電部11に蓄電された電荷を同電位化する機能を有している。分割電極5はたとえば金、銀、アルミニウム、銅、クロム、チタン、白金等の単一金属や酸化インジウム等の合金を用いた薄い膜からなっている。
複数の線状電極6は基板10a上に設けられており、複数の線状電極6上には読取用光導電層4が積層されている。この複数の線状電極6は放射線画像検出装置1に読取光L1が照射されたとき、電荷蓄電部11に記録されている画像情報を信号電荷として読取るものであって、ストライプ状に設けられている。各線状電極6は読取光L1を透過する材料からなっており、たとえばネサ皮膜(SnO2)、ITO(Indium Tin Oxide)、アモルファス状光透過性酸化膜であるIDIXO(Idemitsu Indium X-metal Oxide ;出光興産(株))などを50〜200nm厚に形成したもの、もしくはAlやAuなどを100nm厚に形成したもののような、読取光L1および消去光L2を透過する材料からなっている。
サブ電極7は、隔壁層8上に読取用光導電層4を介して積層されたものであって、隔壁層8と同様に格子状に形成されている。なお、隔壁層8上の読取用光導電層4は放射線画像情報の読取りには寄与しない。したがって隣接する画素領域Pの間には隔壁層8とサブ電極7とが介在することになる。サブ電極7は線状電極6と同様に読取光L1および消去光L2を透過するITOやIDIXO等からなっている。また、サブ電極7は放射線画像検出装置1に放射線画像情報を記録するときには正の電荷が帯電され、放射線画像検出装置1に読取光L1が照射されるときには接地されるようになっている。さらに、サブ電極7と分割電極5とは、図4〜6に示すように異なる高さ位置に形成されており、図7に示すように高さ方向(矢印X方向)からみて隙間なく設けられている。
次に、図4から図7を参照して放射線画像検出装置の動作例について説明する。平板電極2と複数の線状電極6およびサブ電極7との間に高電圧が印加される。この状態において放射線源から被写体に向けて放射線が照射される。すると、被写体を透過した放射線が平板電極2側から照射され、平板電極2を透過して記録用光導電層3に照射される。放射線の照射により記録用光導電層3において電荷対が発生し、そのうち正の電荷は平板電極2に帯電した負の電荷と結合して消滅し、負の電荷は信号電荷として記録用光導電層3と読取用光導電層4との界面に形成される電荷蓄電部11に蓄積されて放射線画像が記録される。このとき、各画素領域Pの電荷蓄電部11に設けられた分割電極5により、電荷蓄電部11に蓄電された電荷は同電位化されている。
次に、図4から図7を参照して記録された放射線画像の読取について説明する。まず平板電極2およびサブ電極7が接地され、線状電極6がチャージアンプに電気的に接続される。この状態において、読取光L1が基板10a側から読取用光導電層4に照射され読取用光導電層4において電荷対が発生する。そして、読取用光導電層4において発生した電荷対のうち正の電荷は電荷蓄電部11における信号電荷と結合し、負の電荷は線状電極6に帯電した正の電荷と結合する。この結合によりチャージアンプに電流が流れ、この電流が積分されて画像信号として検出される。このとき、電荷蓄電部11には分割電極5により画素領域P内の電荷は同電位化されているため、線状電極6による読取効率の向上を図ることができる(特開2000−284057号公報参照)。さらに、隔壁層8により読取用光導電層4および電荷蓄電部11が各画素領域毎に分割されていることにより、電荷が隣接する画素領域P間を移動することがないため、クロストークが低減され画像の鮮鋭度を向上させることができる。
また隔壁層8上には接地されたサブ電極7が設けられていることにより、各分割電極5の間の隙間に発生する電荷はサブ電極7により放電され、隣接した分割電極5間に蓄電された電荷が分割電極5を介して線状電極6から読み取られるのを防止することができる。したがって、この分割電極5間に蓄積された電荷に起因する残像の発生を低減させることができる。すなわち、隣接する分割電極5の間にサブ電極7がなく記録用光導電層3もしくは読取用光導電層4が充填されている場合、隣接する分割電極5間の隙間にも記録用光導電層3と読取用光導電層4との界面に電荷が蓄積する。そして、隙間に蓄積された電荷は、分割電極5上の電荷が読み取られた後に遅れて線状電極6から読み取られ、これが残像となって表れてしまう場合がある。一方、隣接する分割電極5の間にサブ電極7が設けられている場合、分割電極5間の隙間に蓄積される電荷はサブ電極7により放電されるため、上述のような残像の発生を低減することができる。
さらに、図4、7に示すように、分割電極5とサブ電極7とが高さ方向(矢印X方向)からみて隙間なく設けることにより、サブ電極7同士の隙間だけでなく分割電極5とサブ電極7との間の隙間にも電荷が蓄積することがないため、残像の発生をより確実に低減することができる。なお、分割電極5とサブ電極7とを隙間なく配列した場合であっても、分割電極5とサブ電極7とが異なる高さ位置に形成されているため、分割電極5とサブ電極7とが電気的に短絡することを防止することができる。特に、隔壁層8がサブ電極7から分割電極5に向かって先細り形状になるように形成されているため、分割電極5をサブ電極7上の領域内まで形成し、分割電極5の形成領域とサブ電極7の形成領域とが重なり合うようにすることができるとともに、分割電極5とサブ電極7との電気的短絡を確実に防止することができる。
図8は本発明の放射線画像検出装置の製造方法の好ましい実施の形態を示す工程図であり、図4から図8を参照して放射線画像検出装置の製造方法について説明する。まず、図8(A)に示すように、ガラス等からなる基板10a上に厚さ0.1μmのITO等からなる複数の線状電極6がフォトリソグラフィー等によりストライプ状に形成される。次に、図8(B)に示すように形成した複数の線状電極6上に厚さ5μmの隔壁層8が格子状に積層される。このとき、隔壁層8は異方性エッチング等により基板10aに向かって先細りになるように形成される。
その後、図8(C)に示すように、基板10aの隔壁層8を積層した面に厚さ2μmの読取用光導電層4が積層される。このとき、読取用光導電層4は格子状に形成された隔壁層8により各画素領域P毎に分割された状態で積層されることになる。
そして、図8(D)に示すように、基板10aの積層した読取用光導電層4を積層した面に導電膜(たとえばAu)が成膜されることにより、隔壁層8により分割された各画素領域P(格子窓)内にはそれぞれ分割電極5が形成され、隔壁層8上にはサブ電極7が形成される。このとき、隔壁層8は読取用光導電層4の厚さ(2μm)と分割電極5の厚さ(0.1μm)との和よりも大きい厚さになるように形成されているため、一度の成膜工程により互いに分離した分割電極5とサブ電極7とを同時に形成することができ、効率的に放射線画像検出装置1の製造を行うことができる。特に、隔壁層8が先細り形状になっているため、分割電極5とサブ電極7とを同時に形成した場合であっても、分割電極5とサブ電極7との電気的短絡を確実に防止することができるとともに、線状電極6をサブ電極7上の領域内まで形成し高さ方向からみたときに分割電極5とサブ電極7とが重なり合うようにすることもできる。
さらに、画素領域P内に分割電極5を形成するときに、分割電極5が画素領域P内に位置するようにパターン形成する必要がないため、線状電極6と分割電極5とが位置ずれを生じることがない。よって、放射線画像検出装置1の製造の歩留まりを向上させることができる。
そして、分割電極5およびサブ電極7上に電荷発生層103が積層される(図4〜7参照)。なお、記録用光導電層3、平板電極2を形成する際、分割電極5およびサブ電極7と外部との電気的接続を図ることができるようなパターンを形成するメタルマスクが用いられる。その後、この電荷発生層103上に平板電極2が積層され、放射線画像検出装置1が作製される。
上記実施の形態によれば、放射線画像情報を担持した電磁波の照射により電荷を発生する電荷発生層22、103と、電荷発生層22、103において発生した電荷を収集する複数の分割電極23、5と、隣接する各分割電極23、5の隙間に設けられた隔壁層27、8と、隔壁層27、8上に設けられたサブ電極28、7とを備えたことにより電荷発生層22、103において発生した電荷がサブ電極7間の隙間に電荷が蓄積することがないため、隙間に残存した電荷に起因する残像の発生を低減することができる。
また、図3、図7に示すように、線状電極6とサブ電極7とが隔壁層8により異なる高さ位置に形成されたものであって隙間なく設けられていることにより、線状電極6とサブ電極7とを幅方向において隙間なく配列した場合であっても電気的に短絡するのを防止することができる。
本発明の実施の形態は上記実施の形態に限定されない。たとえば図4および図7において、隔壁層8が格子状に形成されている場合について例示しているが、補助隔壁部材8bが設けられておらず、線状隔壁部材8aのみ設けられていてもよい。このとき、サブ電極7もストライプ状に配列されることになる。この場合であっても、読取光の走査方向(矢印Z方向)の画素領域P間の隙間に蓄積された電荷をサブ電極7より放電することができる。さらに、隔壁層8は略正方形状の画素領域Pを形成するように格子状に設けられているが、たとえば菱形や6角形状に画素領域Pを形成するように格子状に設けられていても良い。
また、図4〜図7において、各画素領域P毎に1本の線状電極6が配置されている場合について例示しているが、図9に示すように複数本の線状電極6が配置されていても良い。このとき、複数の線状電極6は、たとえばITO膜からなるストライプ状に配置された複数の第1線状電極6aと、たとえばCr膜からなる複数の第1線状電極6aの間にストライプ上に配列された複数の第2線状電極6bを有しており、第1線状電極6aと第2線状電極6bとが交互に連続して配置された構造を有している。そして、第1線状電極6aと第2線状電極6bとが画素領域Pから電荷を読み取るようになっている。これにより、信号電荷の読取効率を向上させることができ、特に比較的画素領域(画素サイズ=150μm程度)の大きい構造の放射線画像検出装置1に有効である。
さらに、上記実施の形態において、記録用光導電層3および読取用光導電層4がa−Seからなる場合について例示しているが、記録用光導電層3がa−Siからなっていてもよい。a−Siはa−Seより電子移動度が一桁大きく、鮮鋭度の低下を生じることなく読取応答速度を向上させることができる。
1、100 放射線画像検出装置
2 平板電極
5、23 分割電極
6 線状電極
7、28 サブ電極
8、27 隔壁層
10a 基板
22、103 電荷発生層
11 電荷蓄電部
L1 読取光
L2 消去光
P 画素領域
2 平板電極
5、23 分割電極
6 線状電極
7、28 サブ電極
8、27 隔壁層
10a 基板
22、103 電荷発生層
11 電荷蓄電部
L1 読取光
L2 消去光
P 画素領域
Claims (6)
- 放射線画像情報を担持した電磁波の照射により電荷を発生する電荷発生層と、
該電荷発生層において発生した前記電荷を収集する複数の分割電極と、
隣接する前記各分割電極の隙間に設けられた隔壁層と、
該隔壁層上に設けられたサブ電極と
を備えたことを特徴とする放射線画像検出装置。 - 前記隔壁層が、格子状に形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の放射線画像検出装置。
- 前記分割電極と前記サブ電極とが、異なる高さ位置に形成されているとともに、高さ方向からみたときに隙間なく設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像検出装置。
- 前記隔壁層が、該隔壁層上に形成されている前記サブ電極側から前記分割電極側に向かって先細りになるように形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の放射線画像検出装置。
- 放射線画像情報を担持した電磁波の照射により電荷を発生する電荷発生層と、該電荷発生層において発生した前記電荷を収集する複数の分割電極と、隣接する前記各分割電極の隙間に設けられた隔壁層と、該隔壁層上に設けられたサブ電極とを有する放射線画像検出装置の製造方法であって、
基板に前記隔壁部材を形成し、
前記基板の前記隔壁部材を形成した面に導電膜を成膜することにより、互いに分離した前記サブ電極と前記分割電極とを異なる高さ位置に高さ方向からみたときに隙間なく形成し、
形成した前記サブ電極および前記分割電極上に前記電荷発生層を積層する
ことを特徴とする放射線画像検出装置の製造方法。 - 前記隔壁層を形成するとき、該隔壁層上に形成されている前記サブ電極側から前記分割電極側に向かって先細りになるように形成することを特徴とする請求項5記載の放射線画像検出装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007034634A JP2008198910A (ja) | 2007-02-15 | 2007-02-15 | 放射線画像検出装置およびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2014051118A1 (ja) * | 2012-09-28 | 2016-08-25 | 富士フイルム株式会社 | 放射線検出素子及び放射線画像検出装置 |
JP2023081818A (ja) * | 2021-12-01 | 2023-06-13 | レイナジー テック インコーポレイション | 光電子半導体構造 |
-
2007
- 2007-02-15 JP JP2007034634A patent/JP2008198910A/ja not_active Withdrawn
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