JP4091334B2 - 画像記録方法および装置並びに画像記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照射された記録用の電磁波に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有する画像記録媒体を用いて画像を静電潜像として記録する放射線画像記録装置、並びに画像記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、照射された記録用の電磁波に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有する画像記録媒体として、例えば、医療用放射線撮影等において、被験者の受ける被爆線量の減少、診断性能の向上等のために、X線等の放射線に感応するセレン板等の光導電体を有する放射線固体検出器(静電記録体)を用い、該検出器に放射線を照射し、照射された放射線の線量に応じた量の電荷を検出器内の蓄電部に蓄積せしめることにより、放射線画像を静電潜像として記録すると共に、レーザビーム或いはライン光で放射線画像が記録された検出器を走査することにより、前記検出器から放射線画像を読み取る方法が知られている(例えば、米国特許第4535468号明細書等)。
【0003】
本願出願人は、特開2000-284056号公報において読出しの高速応答性と効率的な信号電荷の取り出しを両立させることを可能ならしめる放射線固体検出器を提案している。この特開2000−284056号公報に記載の放射線固体検出器は、記録用の放射線または放射線の励起により発せられる光に対して透過性を有する第1の電極層、記録用の放射線または前記光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、照射された放射線の線量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部、読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、読取用の電磁波が照射される第2の電極層を、この順に有して成り、第2の電極層が、読取用の電磁波を透過する多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と、読取用の電磁波を遮光する第2ストライプ電極とを有し、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とが交互に略平行に配列されてなるものである。
【0004】
上記放射線固体検出器においては、第1の電極層が負の電位、第2の電極層が正の電位となるように電圧が印加された状態で被写体を透過した放射線が上記放射線固体検出器の第1の電極層に照射されると、第1の電極層を透過した放射線の照射により記録用光導電層において放射線の線量に応じた電荷対が発生し、負の電荷が蓄電部に潜像電荷として蓄積され、放射線画像が静電潜像として記録される。また、このとき、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とを接続して同電位とし記録を行うと潜像電荷は両電極に対応する位置の蓄電部に蓄積される。
【0005】
そして、上記放射線固体検出器の第2の電極層に読取用の電磁波が照射されると、この電磁波は第1ストライプ電極を透過して読取用光導電層に照射され、読取用光導電層において電荷対が発生し、この電荷対のうち正の電荷は蓄電部に蓄積された負の電荷と結合し、負の電荷は第1ストライプ電極および第2ストライプ電極に帯電された正電荷と結合することによって静電潜像の読取りが行なわれる。
【0006】
また、本願出願人は、上記放射線固体検出器における上記記録において、第1の電極層と第2ストライプ電極との間に直流電圧を印加し、その電圧印加により形成された電界分布を第1ストライプ電極に所定の制御電圧を印加することによって制御し、蓄電部に蓄積される潜像電荷を電流検出アンプの接続された第2ストライプ電極に対応する位置の蓄電部に局在化させることにより読取効率を向上させる方法を提案している。また、上記のように第1ストライプ電極に所定の制御電圧を印加するのではなく、オープンな状態にしておくことにより第1ストライプ電極の電位を第2ストライプ電極よりも第1の電極層に近い電位にすることにより、第2ストライプ電極に対応する位置の蓄電部に潜像電荷を局在化させて蓄積させる方法も提案している。さらに、上記方法においては、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とに印加する電圧を上記と逆にしたときも同様であり、つまり、第1の電極層と第1ストライプ電極との間に直流電圧を印加し、その電圧印加により形成された電界分布を第2ストライプ電極に所定の制御電圧を印加する、または、第2ストライプ電極をオープンな状態とすることにより第1ストライプ電極に対応する位置の蓄電部に潜像電荷を局在化させて蓄積させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような放射線固体検出器を用いて放射線画像を記録する際、第1ストライプ電極および第2ストライプ電極の少なくとも一方と第1の電極層との間には上記電界形成のための直流電圧が印加される。このとき、第1ストライプ電極および第2ストライプ電極はその形状から電極がもつ抵抗を無視することができないため、高圧な直流電圧の印加により第1ストライプ電極および第2ストライプ電極に比較的大きな電流が流れ、この電流により各ストライプ電極の両端では電位差を生じる。従って、例えば、第1ストライプ電極の各線状電極の一端を接地端とし、この接地端とは反対に位置する第2ストライプ電極の一端に電流検出アンプなどの画像信号取得手段を接続した場合(第2ストライプ電極は電流検出アンプのイマージナリーショートを介して接地される。)には、第1ストライプ電極の接地端と第2ストライプ電極の開放端が隣接し、また、第1ストライプ電極の開放端と第2ストライプの画像信号取得手段の接続端(接地端)が隣接することになり、その隣接部分において第1ストライプ電極と第2ストライプ電極との間で電位差を生じて電極の放電破壊を招くおそれがある。また、上記放電破壊は、第1ストライプ電極または第2ストライプ電極に上記制御電圧を印加して記録を行なう場合や第1ストライプ電極または第2ストライプ電極をオープンな状態にして記録を行なう場合には上記電位差がさらに大きくなる可能性があるためさらに生じやすくなるおそれがある。
【0008】
また、上記放電破壊を回避するためには第1ストライプ電極と第2ストライプ電極を絶縁するような絶縁層を設けることが考えられるが、このような絶縁層を設けた場合には絶縁層を介して潜像電荷を読み取ることになるため、信号の検出効率の低下を招く問題を生じる。
【0009】
本発明は、上記のような問題点に鑑みて、上記放射線固体検出器のように各ストライプ電極を有する画像記録媒体において、信号の検出効率を低下させるこなく上記放電破壊を回避することができる画像記録方法および装置、並びに画像記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の画像記録方法は、記録用の電磁波を透過する第1の電極層、記録用の電磁波を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、記録用光導電層において発生した潜像電荷を蓄積する蓄電部、読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、読取用の電磁波が照射され読取用の電磁波の照射に対して光電荷対発生用の多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と、読取用の電磁波に対して光電荷対非発生用の多数の線状電極からなる第2ストライプ電極とを有し、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とが交互に略平行に配列されてなる第2の電極層を、この順に有してなる画像記録媒体を用い、画像記録媒体の第1ストライプ電極および第2ストライプ電極の少なくとも一方と第1の電極層との間に直流電圧を印加すると共に、記録用の電磁波を照射し、該照射した記録用の電磁波に応じた潜像電荷を蓄電部に蓄積することにより、画像を蓄電部に静電潜像として記録する画像記録方法において、直流電圧の印加の際、直流電圧の立ち上がりに経時変化をもたせることを特徴とする。
【0011】
本発明による第2の画像記録方法は、記録用の電磁波を透過する第1の電極層、記録用の電磁波を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、記録用光導電層において発生した潜像電荷を蓄積する蓄電部、読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、読取用の電磁波が照射され読取用の電磁波の照射に対して光電荷対発生用の多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と、読取用の電磁波に対して光電荷対非発生用の多数の線状電極からなる第2ストライプ電極とを有し、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とが交互に略平行に配列されてなる第2の電極層を、この順に有してなる画像記録媒体を用い、画像記録媒体の第1ストライプ電極および第2ストライプ電極の少なくとも一方と第1の電極層との間に直流電圧を印加すると共に、記録用の電磁波を照射し、該照射した記録用の電磁波に応じた潜像電荷を蓄電部に蓄積することにより、画像を蓄電部に静電潜像として記録する画像記録方法において、潜像電荷の蓄積後、直流電圧の印加停止の際、直流電圧の立ち下がりに経時変化をもたせることを特徴とする。
【0012】
また、上記第1および第2の画像記録方法は、経時変化を、500V/ms以下とすることができる。
【0013】
本発明による第1の画像記録装置は、記録用の電磁波を透過する第1の電極層、記録用の電磁波を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、記録用光導電層において発生した潜像電荷を蓄積する蓄電部、読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、読取用の電磁波が照射され読取用の電磁波の照射に対して光電荷対発生用の多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と、読取用の電磁波に対して光電荷対非発生用の多数の線状電極からなる第2ストライプ電極とを有し、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とが交互に略平行に配列されてなる第2の電極層を、この順に有してなる画像記録媒体と、画像記録媒体の第1ストライプ電極および第2ストライプ電極の少なくとも一方と第1の電極層との間に直流電圧を印加する電圧印加手段とを備えてなり、電圧印加手段により直流電圧を印加した状態で記録用の電磁波の照射を受けて該電磁波に応じた潜像電荷を蓄電部に蓄積することにより、画像を蓄電部に静電潜像として記録する画像記録装置において、電圧印加手段により印加される直流電圧が、立ち上がりに経時変化をもつことを特徴とする。
【0014】
本発明による第2の画像記録装置は、記録用の電磁波を透過する第1の電極層、記録用の電磁波を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、記録用光導電層において発生した潜像電荷を蓄積する蓄電部、読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、読取用の電磁波が照射され読取用の電磁波の照射に対して光電荷対発生用の多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と、読取用の電磁波に対して光電荷対非発生用の多数の線状電極からなる第2ストライプ電極とを有し、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とが交互に略平行に配列されてなる第2の電極層を、この順に有してなる画像記録媒体と、画像記録媒体の第1ストライプ電極および第2ストライプ電極の少なくとも一方と第1の電極層との間に直流電圧を印加する電圧印加手段とを備えてなり、電圧印加手段により直流電圧を印加した状態で記録用の電磁波の照射を受けて該電磁波に応じた潜像電荷を蓄電部に蓄積することにより、画像を蓄電部に静電潜像として記録する画像記録装置において、電圧印加手段により印加される直流電圧が、潜像電荷の蓄積後直流電圧の印加停止の際、立ち下がりに経時変化をもつことを特徴とする。
【0015】
また、上記第1および第2の画像記録装置において、経時変化を、500V/ms以下とすることができる。
【0016】
ここで、上記第1および第2の画像記録方法および装置において、上記「記録用の電磁波」とは、被写体の放射線画像を担持する記録用の放射線や、該記録用の放射線をシンチレータ(蛍光体)に照射することにより、シンチレータ内で発生される光など、記録すべき画像情報を担持した光を意味する。
【0017】
また、上記「光電荷対発生用の多数の線状電極からなる第1ストライプ電極」とは読取用の電磁波を透過させ読取用光導電層に電荷対を発生せしめる電極であり、上記「光電荷対非発生用の多数の線状電極からなる第2ストライプ電極」とは読取用の電磁波を遮断して読取用光導電層に電荷対を発生させない電極であるが、完全に遮断して全く電荷対を発生させないものに限らず、その電磁波に対する多少の透過性は有していてもそれにより発生する電荷対が実質的に問題とならない程度の電極も含むものとする。従って、読取用光導電層に発生する電荷対は全て第1ストライプ電極を透過した電磁波のみによるものとは限らず、第2ストライプ電極を僅かに透過した電磁波によっても読取用光導電層において電荷対が発生しうるものとする。
【0018】
また、上記第1の画像記録方法および装置において、上記「直流電圧の立ち上がり」とは、直流電圧が印加された際の電圧変化を意味する。
【0019】
また、上記「直流電圧の立ち上がりに経時変化をもたせる」とは、直流電圧が印加された際、印加電圧の大きさをステップ状に急激に変化させて所望の電圧値とするのではなく、所定の時間をかけて次第に変化させて所望の電圧値にすることを意味する。
【0020】
また、上記第2の画像記録方法および装置において、上記「直流電圧の立ち下がり」とは、直流電圧の印加が停止された際の電圧変化を意味する。
【0021】
また、上記「直流電圧の立ち下がりに経時変化をもたせる」とは、直流電圧の印加が停止された際、印加電圧の大きさをステップ状に急激に変化させて所望の電圧値以下にするのではなく、所定の時間をかけて次第に変化させて所望の電圧値以下にすることを意味する。
【0022】
本発明による第1の画像記録媒体は、記録用の電磁波を透過する第1の電極層、記録用の電磁波を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、記録用光導電層において発生した潜像電荷を蓄積する蓄電部、読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、読取用の電磁波が照射され読取用の電磁波の照射に対して光電荷対発生用の多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と、読取用の電磁波に対して光電荷対非発生用の多数の線状電極からなる第2ストライプ電極とを有し、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とが交互に略平行に配列されてなる第2の電極層を、この順に有してなる画像記録媒体において、第1ストライプ電極は、一端が開放端である線状電極とその線状電極の他端に接続された接続ラインとからなり、第2ストライプ電極は、線状電極とその線状電極の両端にそれぞれ接続された接続ラインとからなり、第1ストライプ電極の開放端とその開放端に隣接する第2ストライプ電極の一部とを含む第1の端部領域と、接続ラインとその接続ラインが属するストライプ電極とは異なるストライプ電極に属する線状電極との交差点を含む第2の端部領域とにのみ、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極との間に配されるとともに第1ストライプ電極または第2ストライプ電極の少なくとも上面を被覆して第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とを絶縁する絶縁層を備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明による第2の画像記録媒体は、記録用の電磁波を透過する第1の電極層、記録用の電磁波を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、記録用光導電層において発生した潜像電荷を蓄積する蓄電部、読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、読取用の電磁波が照射され読取用の電磁波の照射に対して光電荷対発生用の多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と、読取用の電磁波に対して光電荷対非発生用の多数の線状電極からなる第2ストライプ電極とを有し、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とが交互に略平行に配列されてなる第2の電極層を、この順に有してなる画像記録媒体において、第1ストライプ電極は、線状電極とその線状電極の両端にそれぞれ接続された接続ラインとからなり、第2ストライプ電極は、一端が開放端である線状電極とその線状電極の他端に接続された接続ラインとからなり、第2ストライプ電極の開放端とその開放端に隣接する第1ストライプ電極の一部とを含む第1の端部領域と、接続ラインとその接続ラインが属するストライプ電極とは異なるストライプ電極に属する線状電極との交差点を含む第2の端部領域とにのみ、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極との間に配されるとともに第1ストライプ電極または第2ストライプ電極の少なくとも上面を被覆して第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とを絶縁する絶縁層を備えたことを特徴とする。
【0024】
本発明による第3の画像記録媒体は、記録用の電磁波を透過する第1の電極層、記録用の電磁波を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、記録用光導電層において発生した潜像電荷を蓄積する蓄電部、読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、読取用の電磁波が照射され読取用の電磁波の照射に対して光電荷対発生用の多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と、読取用の電磁波に対して光電荷対非発生用の多数の線状電極からなる第2ストライプ電極とを有し、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とが交互に略平行に配列されてなる第2の電極層を、この順に有してなる画像記録媒体において、第1ストライプ電極を構成する線状電極の一端および第2ストライプ電極を構成する線状電極の上記一端と反対に位置する一端が開放端であり、第1ストライプ電極の開放端とその開放端に隣接する第2ストライプ電極の一部とを含む第1の端部領域と、第2ストライプ電極の開放端とその開放端に隣接する第1ストライプ電極の一部とを含む第2の端部領域との少なくとも一方の端部領域にのみ、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極との間に配されるとともに第1ストライプ電極または第2ストライプ電極の少なくとも上面を被覆して第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とを絶縁する絶縁層を備えたことを特徴とする。
【0025】
また、上記第1から第3の画像記録媒体において、上記端部領域を非画像領域とすることができる。
【0026】
ここで、上記第1から第3の画像記録媒体において、上記「開放端」とは、何も接続されていない状態の一端を意味する。
【0027】
また、上記「非画像領域」とは、第1の電極層において記録用の電磁波が照射されない領域または第1の電極層において画像を担持した記録用の電磁波が照射されない領域に対応する第2の電極層の領域を意味する。
【0028】
また、第1および第2の画像記録媒体において、上記「接続ライン」とは、線状電極とGNDまたはアンプなどを接続する配線を意味する。また、同じストライプ電極の線状電極に接続される接続ライン同志を接続して共通ラインとしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
本発明による第1の画像記録方法および装置によれば、上記画像記録媒体を用いて上記記録を行なう場合、第1ストライプ電極および第2ストライプ電極の少なくとも一方と第1の電極層との間に印加する直流電圧の印加の際、直流電圧の立ち上がりに経時変化をもたせるようにしたので、この直流電圧の印加による各ストライプ電極に流れる電流を小さくすることができ、各ストライプ電極の開放端部とその開放端部と隣接する第1または第2ストライプ電極との間に生じる電位差を小さくすることができるので、上記放電破壊を回避することができる。
【0030】
本発明による第2の画像記録方法および装置によれば、上記画像記録媒体を用いて上記記録を行なう場合、潜像電荷を蓄電部に蓄積した後、第1ストライプ電極および第2ストライプ電極の少なくとも一方と第1の電極層との間に印加する直流電圧の印加停止の際、直流電圧の立ち下がりに経時変化をもたせるようにしたので、この直流電圧の印加停止による各ストライプ電極に流れる電流を小さくすることができ、各ストライプ電極の開放端部とその開放端部と隣接する第1または第2ストライプ電極との間に生じる電位差を小さくすることができるので、第1の画像記録方法および装置と同様に、上記放電破壊を回避することができる。
【0031】
本発明による第1から第3の画像記録媒体によれば、第1ストライプ電極または第2ストライプ電極の開放端を含む端部領域にのみ、第1ストライプ電極と第2ストライプ電極とを絶縁する絶縁層を備えるようにしたので、絶縁層を画像領域に設けることによる信号の検出効率の低下を招くことなく、上記記録における第1ストライプ電極と第1の電極層との間に直流電圧を印加する際および印加を停止する際の上記放電破壊を回避することができる。
【0032】
さらに、上記放電破壊は、直流電圧の印加の際および印加停止の際だけでなく、記録用の電磁波の照射の際にも記録用光導電層内での電荷対の発生による第1ストライプ電極および第2ストライプ電極の電位変化により生じるおそれがある。上記第1、第2および第3の画像記録媒体においては、上記直流電圧印加の際の放電破壊だけでなく、この記録用の電磁波の照射の際の放電破壊をも回避することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0034】
図1は本発明による画像記録方法を実施する画像記録装置を適用した放射線画像記録読取装置の実施の形態の概略構成を示す図であり、図2は本実施形態の放射線画像記録読取装置により放射線画像の記録を行なう放射線固体検出器の概略構成を示す図である。図2(A)は斜視図、図2(B)はQ矢指部のXZ断面図、図2(C)はP矢指部のXY断面図である。
【0035】
まず、本実施の形態の放射線画像記録読取装置により放射線画像が記録される放射線固体検出器について説明を行なう。図2に示す放射線固体検出器20は、記録用の電磁波(例えば、X線等。以下記録光という。)L1に対して透過性を有する第1の電極層21、この電極層21を透過した記録光L1の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層22、潜像電荷と(例えば負電荷)に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該潜像電荷と逆極性の輸送電荷(上述の例においては正電荷)に対しては略導電体として作用する電荷輸送層23、読取用の電磁波(以下読取光という)L2の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層24、読取光L2の照射に対して光電荷対発生用の多数のエレメント26aからなる第1ストライプ電極26と光電荷対非発生用の多数のエレメント27aからなる第2ストライプ電極27とを有し、各エレメント26aと各エレメント27aとが交互に略平行に配列されてなる第2の電極層25を、この順に積層してなるものである。
【0036】
第2の電極層25の各エレメント26aと各エレメント27aの間は、例えば、カーボンブラック等の顔料を若干量分散させたポリエチレン等の高分子材料を充填したものとし、読取光L2に対して遮光性を有するものとされている。また、第1ストライプ電極26と第2ストライプ電極27とは電気的に絶縁されている。
【0037】
また、第2ストライプ電極27は、AL,Cr等の金属でコーティングされ、読取光L2に対して遮光性を有するように形成されており、エレメント27aに対応する読取用光導電層24内では、信号取り出しのための電荷対を発生させないようにしている。第2ストライプ電極27は、導電性を有するものであればよく、金、銀、クロム、白金等の単一金属や、酸化インジウム等の合金から作ることができる。
【0038】
記録用光導電層22の物質としては、アモルファスセレン(a−Se)、PbO,PbI等の酸化鉛(II)やヨウ化鉛(II)、Bi12(Ge,Si)O20,Bi/有機ポリマーナノコンポジット等のうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が適当である。
【0039】
電荷輸送層23の物質としては、例えば電極層21に帯電される負電荷の移動度と、その逆極性となる正電荷の移動度の差が大きい程良く(例えば10以上、望ましくは10以上)ポリN−ビニルカルバゾール(PVK)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1'−ビフェニル〕−4,4'−ジアミン(TPD)やディスコティック液晶等の有機系化合物、或いはTPDのポリマー(ポリカーボネート、ポリスチレン、PUK)分散物,Clを10〜200ppmドープしたa−Se等の半導体物質が適当である。特に、有機系化合物(PVK,TPD、ディスコティック液晶等)は光不感性を有するため好ましく、また、誘電率が一般に小さいため電荷輸送層23と読取用光導電層24の容量が小さくなり読取時の信号取り出し効率を大きくすることができる。なお、「光不感性を有する」とは、記録光L1や読取光L2の照射を受けても殆ど導電性を呈するものでないことを意味する。
【0040】
読取用光導電層24の物質としては、a−Se,Se−Te,Se−As−Te,無金属フタロシアニン,金属フタロシアニン,MgPc(Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanine),CuPc(Cupper phtalocyanine)等のうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が好適である。
【0041】
記録用光導電層12の厚さは、記録光L1を十分に吸収できるようにするには、50μm以上1000μm以下であるのが好ましく、本例においては約500μmとしている。また電荷輸送層23と読取用光導電層24との厚さの合計は記録用光導電層22の厚さの1/2以下であることが望ましく、また薄ければ薄いほど読取時の応答性が向上するので、例えば1/10以下、さらには1/20以下等にするのが好ましい。
【0042】
電極層21および電極層25の第1ストライプ電極としては、例えば、透明ガラス板上に導電性物質を塗布したネサ皮膜等が適当である。また、ITO膜(Indium Tin Oxide)、アモルファス状光透過性酸化膜であるIDIXO(Idemitsu Indium X-metal Oxide ;出光興産(株))などを50〜200nm厚にして用いることができる。
【0043】
次に、上記放射線画像固体検出器20を用いて放射線画像の記録および読取りを行なう本実施の形態の放射線画像記録読取装置について説明する。
【0044】
本実施の形態の放射線画像記録読取装置は、図1に示すように上記放射線固体検出器20、該放射線固体検出器20に記録光の照射を行なう記録光照射手段70、該記録光照射手段70による記録光の照射により放射線画像の記録を行なう際に第1の電極層21と第2の電極層25の第2ストライプ電極27との間に直流電圧を印加する直流電圧印加手段30、上記記録を行なう際、第1の電極層21と第2ストライプ電極27との間に形成される電界分布を制御するための制御電圧を第1ストライプ電極26に印加する共に、読取りの際には第1ストライプ電極26を接地するように切り換える制御電圧印加手段60、上記放射線固体検出器20に記録された放射線画像を読み取るための読取光の照射を行なう読取光照射手段(図示せず)および該読取光照射手段からの読取光の照射による読取用光導電層24内での電荷対の発生により、蓄電部29に蓄積された潜像電荷に応じた電気信号を検出する画像信号取得手段50を備えている。
【0045】
第1の電極層21の上方には被写体10が設置されており、被写体10には記録光照射手段70から照射される記録光L1を遮断する遮断部10aと、記録光を透過する透過部10bとが存在する。記録光照射手段70は記録L1を被写体10に一様に照射するものである。
【0046】
読取光照射手段(図示せず)は、ライン状に読取光L1を第1および第2のストライプ電極26,27と略直交させつつ、両電極の長手方向(図2中のY方向)に走査露光するものである。この走査露光においては、連続光を照射してもよいし、パルス光を照射するようにしてもよい。
【0047】
直流電圧印加手段30は、放射線画像の記録時に第1の電極層21と第2の電極層25の第2ストライプ電極26との間に所定の大きさの直流電圧を印加することができる直流電圧源である。
【0048】
制御電圧印加手段60は、上記記録の際、上記電圧印加手段30の直流電圧の印加により第1の電極層21と第2ストライプ電極27との間に形成される電界分布を制御するための制御電圧を第1ストライプ電極26に印加する直流電圧電源と、読取りの際、第1ストライプ電極26が接地されるように切り換えるスイッチとを有するものである。
【0049】
画像信号取得手段50は、図1に示すように第2ストライプ電極27に接続され、蓄電部29に蓄積された潜像電荷の量に応じた電気信号を得るものであり、第2ストライプ電極27の各エレメント27aに接続される多数の電流検出アンプを備えてなるものである。
【0050】
また、本実施の形態では図3に示すように上記画像信号取得手段50が接続さていない第2ストライプ電極27の一端およびその一端と反対の位置の第1ストライプ電極の一端が開放端となっている。
【0051】
ここで、上記直流電圧印加手段30により第1の電極層21と第2ストライプ電極27との間に直流電圧が印加されると、第1ストライプ電極26および第2ストライプ電極27の抵抗により、図3に示すように各ストライプ電極には電流iが流れる。この電流iにより第1ストライプ電極26において接地されていない方の一端である開放端部26bとこの開放端部26bに隣接する第2ストライプ電極27の一部との間に電位差が生じ、放電破壊が生じるおそれがある。また、同様に第2ストライプ電極27aの開放端部27bにおいても隣接する第1ストライプ電極26の一部との間に電位差を生じ、放電破壊が生じるおそれがある。
【0052】
そこで、直流電圧印加手段30により印加される直流電圧について、図4に示すようにその立ち上がりに経時変化(500V/ms)をもたせることにより各ストライプ電極に流れる電流iを小さくし、上記放電破壊を回避するようにしている。
【0053】
また、直流電圧印加手段30による直流電圧を停止する場合にも各ストライプ電極には上記と同様にその開放端部26b,27bにおいて放電破壊が生じるおそれが生じるため、図4に示すように直流電圧の立ち下がりについても経時変化(500V/ms)をもたせるようにしている。
【0054】
次に、上記構成の本実施の形態の放射線画像記録読取装置において、放射線固体検出器20に放射線画像を静電潜像として記録し、さらに記録された静電潜像を読み出す作用について説明する。なお、記録光L1によって記録用光導電層22内に発生する負電荷および正電荷を図面上では−または+を丸で囲んで表すものとする。
【0055】
まず、放射線固体検出器20に静電潜像を記録する際には、第1の電極層21と第2ストライプ電極27との間に直流電圧印加手段30により所定の大きさの直流電圧を印加し、第1の電極層21を負に帯電させ、第2ストライプ電極を正に帯電させる。このとき上記のように印加される電圧の立ち上がりに経時変化をもたせてあるので、上記放電破壊を回避することができる。また、制御電圧印加手段60のスイッチがaの方に切り換わり第1ストライプ電極に制御電圧が印加される。
【0056】
そして、上記電圧印加により第1の電極層21と第2ストライプ電極27の各エレメント27aとの間には図1に示すようなU字状の電界が形成される。第1ストライプ電極26の電位は第2ストライプ電極27の電位と比較してより第1の電極層の電位に近い電位とする。そのため第2ストライプ電極27上には電位の谷が形成される。
【0057】
次に、放射線を被写体10に曝射する。被写体10の透過部10bを透過した放射線は、被写体10の放射線画像を担持する記録光L1として放射線固体検出器20に照射される。この記録光L1の照射により放射線固体検出器20の記録用光導電層22内で正負の電荷対が発生し、そのうち負電荷が上記電界分布に沿って蓄電部29に移動し、潜像電荷として蓄積される。このとき、上記のように第2ストライプ電極27上に電位の谷が形成されているので、対応する蓄電部29により多くの潜像電荷を局在して蓄積することができる。
【0058】
一方、記録用光導電層22内で発生した正の電荷は第1の電極層21に向かって高速に移動し、第1の電極層21と記録用光導電層22との界面で第1の電極層21に直流電圧印加により帯電された負の電荷と電荷結合し消滅する。また、記録光L1は被写体10の遮光部10aを透過しないから、放射線固体検出器20の被写体10aの下部のあたる部分はなんら変化を生じない。
【0059】
このようにして、被写体10に放射線を曝射することにより、被写体像に応じた電荷を記録用光導電層22と電荷輸送層23との界面に存在する蓄電部29に蓄積することができるようになる。この蓄積される潜像電荷の量は被写体10を透過し放射線固体検出器20に入射した放射線の線量に略比例するので、この潜像電荷が静電潜像を担持することとなり、該静電潜像が放射線固体検出器20に記録される。
【0060】
そして、上記蓄電部29への潜像電荷の蓄積後、直流電圧印加手段30による直流電圧の印加は停止され、制御電圧印加手段60においては制御電圧源が停止された後、スイッチがbの方に切り換わる。このとき、上記のとおり上記直流電圧はその立ち下がりに経時変化をもつので、上記放電破壊を回避することができる。
【0061】
次に、上記のようにして放射線固体検出器20に記録された静電潜像の読取過程について、図1および図5を参照して説明を行なう。なお、記録過程と同様に、読取光L2によって読取用光導電層24内に発生する負電荷および正電荷を−または+を丸で囲んで表すものとする。
【0062】
放射線固体検出器20から静電潜像を読み取る際には、上記のとおり第1の電極層は直流電圧印加手段30による電圧供給は停止されて接地された状態なり、また、第1ストライプ電極26は制御電圧印加手段60におけるスイッチがbの方に切り換わったことにより接地された状態となるため、第1ストライプ電極26と第2ストライプ電極27は同電位(接地電位)となる。
【0063】
次に、読取光照射手段80から読取用光導電層24に読取光L2が照射されると、第2ストライプ電極27の2本のエレメント27aに対応する部分、すなわち両エレメント27aの上空部分の潜像電荷が、2本のエレメント27aに帯電された正の電荷と結合することにより順次読み出される。すなわち、図5に示すように、画素の中心に位置した第1ストライプ電極のエレメント26aから、その両隣のエレメント26aに対応する(上空にある)潜像電荷に向けて放電が生じ、それによって読出しが進行する。なお、より多くの信号電荷を取り出すためには、エレメント27aの幅を、エレメント26aの幅よりも広くした方がよい。
【0064】
次に、本発明による画像記録媒体を適用した放射線固体検出器の実施の形態について説明をする。図6は本実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図である。図6(A)は本実施の形態の放射線固体検出器20bの第2の電極層25b側からみた平面図、図6(B)は本実施の形態の放射線固体検出器20bの後述する絶縁層80の部分、A−A断面図を示したものである。なお、本実施の形態の放射線固体検出器20bにおいて、上記実施の形態で用いられた放射線固体検出器20と同様の要素については同じ番号を付し、特に必要のないかぎり説明を省略する。
【0065】
本実施の形態における放射線固体検出器20bは、上記実施の形態で用いられた放射線固体検出器20と第1の電極層21と第2の電極層25の構成が異なるものであり、その他の層については構成および機能ともに同様である。
【0066】
放射線固体検出器20bの第1の電極層21bは図6(A)に示すように放射線固体検出器20bの両端部分を除く領域について設けられている(図6(A)の斜線部)。そして、この第1の電極層21bの設けられた領域が、放射線画像の記録を行なうことができる画像領域となる。一方、この第1の電極層21bの設けられていない領域は、放射線画像の記録を行なわない非画像領域である。
【0067】
また、放射線固体検出器20bの第2の電極層25bにおける非画像領域には、第1ストライプ電極26の開放端部26bとその開放端部26bと隣接する第2ストライプ電極27の一部との間で生じる放電を防止するとともに、第2ストライプ電極27の開放端部27bとその開放端部27bと隣接する第1ストライプ電極26の一部との間で生じる放電を防止する絶縁層80が図6の(A)および(B)に示すように設けられている。
【0068】
この絶縁層80により各ストライプ電極26,27の開放端部26b,27bは第1ストライプ電極26または第2ストライプ電極27と絶縁されているので、上記記録の際の直流電圧の印加による電極の放電破壊を回避することができる。
【0069】
さらに、上記放電破壊は上記のような直流電圧印加時だけでなく、放射線の照射時においてもこの放射線の照射により記録用光導電層22内で電荷対が発生することにより第1ストライプ電極26および第2ストライプ電極27の電位が急激に変化し、これに応じて第1ストライプ電極26および第2ストライプ電極27に電流が流れ、上記同様に各ストライプ電極26,27の開放端部26b,27bにおいて放電破壊が生じるおそれがある。この放射線の照射時における放電破壊は、上記実施の形態における放射線画像記録読取装置のように直流電圧および制御電圧の立ち上がり、立ち下がりに経時変化をもたせても回避することができない。しかしながら、上記実施の形態における放射線固体検出器20bを用いれば、各ストライプ電極26,27の開放端部26b,27bが絶縁層80により絶縁されているので、この放射線の照射時における電極の放電破壊も回避することが可能である。また、絶縁層80を非画像領域にのみ設けるようにしたので、絶縁層80を画像領域に設けることによる信号の検出効率の低下を生じることがない。
【0070】
また、上記実施の形態における放射線固体検出器20bは、絶縁層80を第1ストライプ電極26の開放端部26bとその開放端と隣接する第2ストライプ電極27の一部を含む第1の端部領域と第2ストライプ電極27の開放端部27bとその開放端部27bと隣接する第1ストライプ電極26の一部を含む第2の端部領域との両方にのみ設けるようにしたが、絶縁層80をいずれか一方の端部領域にのみ設けるようにしてもよい。
【0071】
また、図6(B)における第1ストライプ電極26のエレメント26aと第2ストライプ電極27aの上下の位置関係は、上下逆の位置関係としてもよい。
【0072】
また、図7(A)に示すように、第1ストライプ電極26の各エレメント26aの開放端同志を接続してコモン電極を形成するようにしてもよい。ただし、上記のように各エレメント26aの開放端同志を接続した場合には、開放端同志を接続するライン28と第2ストライプ電極27とが絶縁されるように絶縁層90を設ける必要がある。図7(B)には、絶縁層90のB−B断面図を示している。
【0073】
また、図7(B)における第1ストライプ電極26のエレメント26aと第2ストライプ電極27aの上下の位置関係は、上下逆の位置関係としてもよい。
【0074】
また、上記放射線固体検出器20,20bにおいては、記録用光導電層と読取用光導電層との間に電荷輸送層を設け、記録用光導電層と電荷輸送層との界面に蓄電部を形成するようにしたものであるが、本発明においては、電荷輸送層をトラップ層に置き換えたものとしてもよい。トラップ層とした場合には、潜像電荷は、該トラップ層に捕捉され、該トラップ層内またはトラップ層と記録用光導電層の界面に潜像電荷が蓄積される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像記録装置を適用した放射線画像記録読取装置の概略構成図
【図2】図1に示す実施の形態に用いられる放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図3】図1に示す実施の形態の放射線固体検出器に直流電圧を印加した時、各ストライプ電極に流れる電流を説明する図
【図4】図1に示す実施の形態の放射線画像記録読取装置において記録の際に印加される直流電圧の立ち上がりおよび立ち下がりの経時変化およびその直流電圧印加により各ストライプ電極に流れる電流変化を示す図
【図5】図1に示す実施の形態の放射線画像記録読取装置における放射線固体検出器から潜像電荷を読取る過程を示す図
【図6】本発明による画像記録媒体を適用した放射線固体検出器の一実施形態を示す図
【図7】本発明による画像記録媒体を適用した放射線固体検出器のその他の実施形態を示す図
【符号の説明】
10 被写体
10a 遮断部
10b 透過部
20,20b 放射線固体検出器
21,21b 第1の電極層
22 記録用光導電層
23 電荷輸送層
24 読取用光導電層
25,25b 第2の電極層
26 第1ストライプ電極
27 第2ストライプ電極
26a エレメント(第1ストライプ電極)
27a エレメント(第2ストライプ電極)
29 蓄電部
30 電圧印加手段
50 画像信号取得手段
60 制御電圧印加手段
70 記録光照射手段
80、90 絶縁層
L1 記録用の放射線(記録光)
L2 読取用の電磁波(読取光)

Claims (4)

  1. 記録用の電磁波を透過する第1の電極層、前記記録用の電磁波を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、該記録用光導電層において発生した潜像電荷を蓄積する蓄電部、読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、前記読取用の電磁波が照射され該読取用の電磁波の照射に対して光電荷対発生用の多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と、前記読取用の電磁波に対して光電荷対非発生用の多数の線状電極からなる第2ストライプ電極とを有し、前記第1ストライプ電極と前記第2ストライプ電極とが交互に略平行に配列されてなる第2の電極層を、この順に有してなる画像記録媒体を用い、該画像記録媒体の前記第1ストライプ電極および前記第2ストライプ電極の少なくとも一方と前記第1の電極層との間に直流電圧を印加すると共に、前記記録用の電磁波を照射し、該照射した記録用の電磁波に応じた前記潜像電荷を前記蓄電部に蓄積することにより、画像を前記蓄電部に静電潜像として記録する画像記録方法において、
    前記直流電圧の印加の際、該直流電圧の立ち上がりに経時変化をもたせ
    該経時変化が、500V/ms以下であることを特徴とする画像記録方法。
  2. 記録用の電磁波を透過する第1の電極層、前記記録用の電磁波を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、該記録用光導電層において発生した潜像電荷を蓄積する蓄電部、読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、前記読取用の電磁波が照射され該読取用の電磁波の照射に対して光電荷対発生用の多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と、前記読取用の電磁波に対して光電荷対非発生用の多数の線状電極からなる第2ストライプ電極とを有し、前記第1ストライプ電極と前記第2ストライプ電極とが交互に略平行に配列されてなる第2の電極層を、この順に有してなる画像記録媒体を用い、該画像記録媒体の前記第1ストライプ電極および前記第2ストライプ電極の少なくとも一方と前記第1の電極層との間に直流電圧を印加すると共に、前記記録用の電磁波を照射し、該照射した記録用の電磁波に応じた前記潜像電荷を前記蓄電部に蓄積することにより、画像を前記蓄電部に静電潜像として記録する画像記録方法において、
    前記潜像電荷の蓄積後、前記直流電圧の印加停止の際、該直流電圧の立ち下がりに経時変化をもたせ
    該経時変化が、500V/ms以下であることを特徴とする画像記録方法。
  3. 記録用の電磁波を透過する第1の電極層、前記記録用の電磁波を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、該記録用光導電層において発生した潜像電荷を蓄積する蓄電部、読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、前記読取用の電磁波が照射され該読取用の電磁波の照射に対して光電荷対発生用の多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と、前記読取用の電磁波に対して光電荷対非発生用の多数の線状電極からなる第2ストライプ電極とを有し、前記第1ストライプ電極と前記第2ストライプ電極とが交互に略平行に配列されてなる第2の電極層を、この順に有してなる画像記録媒体と、該画像記録媒体の前記第1ストライプ電極および前記第2ストライプ電極の少なくとも一方と前記第1の電極層との間に直流電圧を印加する電圧印加手段とを備えてなり、該電圧印加手段により前記直流電圧を印加した状態で前記記録用の電磁波の照射を受けて該電磁波に応じた前記潜像電荷を前記蓄電部に蓄積することにより、画像を前記蓄電部に静電潜像として記録する画像記録装置において、
    前記電圧印加手段により印加される前記直流電圧が、立ち上がりに経時変化をもち、
    該経時変化が、500V/ms以下であることを特徴とする画像記録装置。
  4. 記録用の電磁波を透過する第1の電極層、前記記録用の電磁波を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、該記録用光導電層において発生した潜像電荷を蓄積する蓄電部、読取用の電磁波の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、前記読取用の電磁波が照射され該読取用の電磁波の照射に対して光電荷対発生用の多数の線状電極からなる第1ストライプ電極と、前記読取用の電磁波に対して光電荷対非発生用の多数の線状電極からなる第2ストライプ電極とを有し、前記第1ストライプ電極と前記第2ストライプ電極とが交互に略平行に配列されてなる第2の電極層を、この順に有してなる画像記録媒体と、該画像記録媒体の前記第1ストライプ電極および前記第2ストライプ電極の少なくとも一方と前記第1の電極層との間に直流電圧を印加する電圧印加手段とを備えてなり、該電圧印加手段により前記直流電圧を印加した状態で前記記録用の電磁波の照射を受けて該電磁波に応じた前記潜像電荷を前記蓄電部に蓄積することにより、画像を前記蓄電部に静電潜像として記録する画像記録装置において、
    前記電圧印加手段により印加される前記直流電圧が、前記潜像電荷の蓄積後該直流電圧の印加停止の際、立ち下がりに経時変化をもち、
    該経時変化が、500V/ms以下であることを特徴とする画像記録装置。
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