JP2003035800A - 放射線固体検出器 - Google Patents

放射線固体検出器

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JP2003035800A
JP2003035800A JP2001222597A JP2001222597A JP2003035800A JP 2003035800 A JP2003035800 A JP 2003035800A JP 2001222597 A JP2001222597 A JP 2001222597A JP 2001222597 A JP2001222597 A JP 2001222597A JP 2003035800 A JP2003035800 A JP 2003035800A
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electrode
linear electrode
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light
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JP2001222597A
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Masaharu Ogawa
正春 小川
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サブストライプ電極を設けた放射線固体検出
器において、効率よく蓄積電荷を読み出すことができる
ようにする。 【解決手段】 第1電極21、記録用光導電層22、電
荷輸送層23、読取用光導電層24、多数の線状電極2
6aからなるストライプ電極26および多数の線状電極
27aからなるサブストライプ電極27を備えた第2電
極25、絶縁層33、多数の線状電極31aからなる光
電荷対発生線状電極用ストライプ電極31および多数の
線状電極32aからなる光電荷対非発生線状電極用スト
ライプ電極32からなる第3電極30をこの順に配して
放射線固体検出器20aを構成する。静電潜像記録時
に、光電荷対発生線状電極用ストライプ電極31に蓄電
部29に蓄積される潜像電荷と同極性の電圧を印加し、
光電荷対非発生線状電極用ストライプ電極32に蓄電部
29に蓄積される潜像電荷と反対極性の電圧を印加す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照射された放射線
の線量或いは該放射線の励起により発せられる光の光量
に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有
する放射線固体検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、医療診断等を目的とする放射線撮
影において、放射線を検出して得た電荷を潜像電荷とし
て蓄電部に一旦蓄積し、該蓄積した潜像電荷を放射線画
像情報を表す電気信号に変換して出力する放射線固体検
出器(以下単に検出器ともいう)を使用する放射線画像
情報記録読取装置が各種提案されている。この装置にお
いて使用される放射線固体検出器としては、種々のタイ
プのものが提案されているが、蓄積された電荷を外部に
読み出す電荷読出プロセスの面から、検出器に読取光
(読取用の電磁波)を照射して読み出す光読出方式のも
のがある。
【0003】本出願人は、読出しの高速応答性と効率的
な信号電荷の取り出しの両立を図ることができる光読出
方式の放射線固体検出器として、特開2000−105
297号公報、特開2000−284056号公報、特
開2000−284057号公報において、記録用の放
射線或いは該放射線の励起により発せられる光(以下記
録光という)に対して透過性を有する第1電極、記録光
を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、第
1電極に帯電される電荷と同極性の電荷に対しては略絶
縁体として作用し、かつ、該同極性の電荷と逆極性の電
荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層、読取
光(読取用の電磁波)の照射を受けることにより導電性
を呈する読取用光導電層、読取光に対して透過性を有す
る第2電極を、この順に積層して成り、記録用光導電層
と電荷輸送層との界面に形成される蓄電部に、画像情報
を担持する信号電荷(潜像電荷)を蓄積する検出器を提
案している。
【0004】そして、上記特開2000−284056
号公報および特開2000−284057号公報におい
ては、特に、読取光に対して透過性を有する第2電極を
多数の読取光に対して透過性を有する光電荷対発生線状
電極からなるストライプ電極とすると共に、蓄電部に蓄
積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力
させるための多数の光電荷対非発生線状電極を、前記光
電荷対発生線状電極と交互にかつ互いに平行となるよう
に設けた検出器を提案している。
【0005】このように、多数の光電荷対非発生線状電
極からなるサブストライプ電極を第2電極に設けること
により、蓄電部とサブストライプ電極との間に新たなコ
ンデンサが形成され、記録光によって蓄電部に蓄積され
た潜像電荷と逆極性の輸送電荷を、読取りの際の電荷再
配列によってこのサブストライプ電極にも帯電させるこ
とが可能となる。これにより、読取用光導電層を介して
ストライプ電極と蓄電部との間で形成されるコンデンサ
に配分される前記輸送電荷の量を、このサブストライプ
電極を設けない場合よりも相対的に少なくすることがで
き、結果として検出器から外部に取り出し得る信号電荷
の量を多くして読取効率を向上させると共に、読出しの
高速応答性と効率的な信号電荷の取り出しの両立をも図
ることができるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なサブストライプ電極を備えた検出器においては、読取
用光導電層を介してストライプ電極と蓄電部との間で形
成されるコンデンサに配分される前記輸送電荷の量より
も、読取用光導電層を介してサブストライプ電極と蓄電
部との間で形成されるコンデンサに配分される前記輸送
電荷の量が多いほど、外部に取り出し得る信号電荷の量
が多くなり読取効率が向上する。
【0007】そのため、光電荷対発生線状電極と光電荷
対非発生線状電極とのペアを1周期とするときこの周期
を最適化したり、光電荷対発生線状電極の幅に対する光
電荷対非発生線状電極の幅の比を最適化する方法も提案
されているが、更なる読取効率の向上が望まれている。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、サブストライプ電極を設けた放射線固体検出器
において、効率よく蓄積電荷を読み出すことができる放
射線固体検出器を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による放射線固体
検出器は、記録光に対して透過性を有する第1の電極
と、記録光の照射を受けることにより光導電性を呈する
記録用光導電層と、記録光の光量に応じた量の電荷を潜
像電荷として蓄積する蓄電部と、読取光の照射を受ける
ことにより光導電性を呈する読取用光導電層と、読取光
に対して透過性を有する多数の光電荷対発生線状電極
と、多数の光電荷対非発生線状電極とを備え、光電荷対
発生線状電極と光電荷対非発生線状電極とが交互に配置
された第2の電極とを、この順に積層してなる放射線固
体検出器において、第2の電極の読取用光導電層とは反
対の側に、蓄電部に蓄積される潜像電荷量を調整するた
めの第3の電極をさらに備えたことを特徴とするもので
ある。
【0010】ここで、「放射線固体検出器」は、第1の
電極、記録用光導電層、読取用光導電層、第2の電極お
よび第3の電極をこの順に有すると共に、記録用光導電
層と読取用光導電層との間に蓄電部が形成されて成るも
のであって、さらに他の層や微小導電部材(マイクロプ
レート)等を積層して成るものであってもかまわない。
また、この放射線固体検出器は、放射線画像情報を担持
する光(放射線もしくは放射線の励起により発生した
光)を照射することによって、画像情報を静電潜像とし
て記録させることができるものであればどのようなもの
でもよい。
【0011】なお、上記蓄電部を形成する方法として
は、電荷輸送層を設けてこの電荷輸送層と記録用光導電
層との界面に蓄電部を形成する方法(本出願人による特
開2000−105297号公報、特開2000−28
4056号公報参照)、トラップ層を設けこのトラップ
層内若しくはトラップ層と記録用光導電層との界面に蓄
電部を形成する方法(例えば、米国特許第453546
8号明細書参照)、或いは潜像電荷を集中させて蓄電す
る微小導電部材等を設ける方法(本出願人による特開2
000−284057号公報参照)等を用いるとよい。
【0012】また、「読取光に対して透過性を有する光
電荷対発生線状電極」とは、読取光を透過させ読取用光
導電層に電荷対を発生せしめる電極である。また、「光
電荷対非発生線状電極」とは、蓄電部に蓄積された潜像
電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための
電極であり、読取光に対して遮光性を有することが望ま
しいが、光電荷対非発生線状電極と読取光照射手段との
間に設けられる第3の電極が遮光性を有する場合等に
は、光電荷対非発生線状電極は必ずしも遮光性を有する
必要はない。ここで、「遮光性」とは、読取光を完全に
遮断して全く電荷対を発生させないものに限らず、その
読取光に対する多少の透過性は有していてもそれにより
発生する電荷対が実質的に問題とならない程度のものも
含むものとする。従って、読取用光導電層に発生する電
荷対は全て光電荷対発生線状電極を透過した読取光のみ
によるものとは限らず、光電荷対非発生線状電極を僅か
に透過した読取光によっても読取用光導電層において電
荷対が発生しうるものとする。
【0013】さらに、「読取光」は、放射線固体検出器
における電荷の移動を可能として、電気的に静電潜像を
読み取ることを可能とするものであればよく、具体的に
は光や放射線等である。
【0014】本発明による放射線固体検出器において、
第3の電極は、光電荷対発生線状電極に対応する位置に
設けられ、記録光照射時に蓄電部に蓄積される潜像電荷
と同極性の電圧を印加される光電荷対発生線状電極用線
状電極を備えてなるものとしてもよく、また、光電荷対
非発生線状電極に対応する位置に設けられ、記録光照射
時に蓄電部に蓄積される潜像電荷と反対極性の電圧を印
加される光電荷対非発生線状電極用線状電極を備えてな
るものとしてもよい。
【0015】また、光電荷対発生線状電極用線状電極
は、読取光に対して透過性を有することが望ましく、ま
た、光電荷対非発生線状電極用線状電極は、読取光に対
して遮光性を有することが望ましい。
【0016】
【発明の効果】本発明による放射線固体検出器によれ
ば、第2の電極の読取用光導電層とは反対の側に、蓄電
部に蓄積される潜像電荷量を調整するための第3の電極
をさらに備えたことにより、読取用光導電層を介してス
トライプ電極と蓄電部との間で形成されるコンデンサに
配分される輸送電荷の量よりも、読取用光導電層を介し
てサブストライプ電極と蓄電部との間で形成されるコン
デンサに配分される輸送電荷の量を多くすることができ
るため、外部に取り出し得る信号電荷の量を多くするこ
とができ読取効率を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は本発明の放射線固体
検出器の第1の実施の形態の概略構成を示す図であり、
図1(A)は放射線固体検出器20aの斜視図、図1
(B)は放射線固体検出器20aのQ矢指部のXZ断面
図、図1(C)は放射線固体検出器20aのP矢指部の
XY断面図である。
【0018】この放射線固体検出器20aは、被写体を
透過したX線等の放射線の画像情報を担持する記録光
(放射線もしくは放射線の励起により発生した光)に対
して透過性を有する第1電極21、この第1電極21を
透過した記録光の照射を受けることにより電荷対を発生
し導電性を呈する記録用光導電層22、前記電荷対の内
の潜像極性電荷(例えば負電荷)に対しては略絶縁体と
して作用し、かつ該潜像極性電荷と逆極性の輸送極性電
荷(上述の例においては正電荷)に対しては略導電体と
して作用する電荷輸送層23、読取光の照射を受けるこ
とにより電荷対を発生して導電性を呈する読取用光導電
層24、ストライプ電極(光電荷対発生線状電極)26
およびサブストライプ電極(光電荷対非発生線状電極)
27からなる第2電極25、読取光に対して透過性を有
する絶縁層33、光電荷対発生線状電極用ストライプ電
極31および光電荷対非発生線状電極用ストライプ電極
32からなる第3電極30をこの順に配してなるもので
ある。記録用光導電層22と電荷輸送層23との界面
に、記録用光導電層22内で発生した画像情報を担持す
る潜像極性電荷を蓄積する2次元状に分布した蓄電部2
9が形成される。
【0019】記録用光導電層22の物質としては、a−
Se(アモルファスセレン)、PbO、PbI 等の
酸化鉛(II)やヨウ化鉛(II)、Bi12(Ge,S
i)O 20、Bi/有機ポリマーナノコンポジッ
ト等のうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質
が適当である。
【0020】電荷輸送層23の物質としては、例えば第
1電極21に帯電される負電荷の移動度と、その逆極性
となる正電荷の移動度の差が大きい程良く(例えば10
以上、望ましくは10以上)ポリN−ビニルカルバ
ゾール(PVK)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3
−メチルフェニル)−〔1,1'−ビフェニル〕−4,4'−ジ
アミン(TPD)やディスコティック液晶等の有機系化
合物、或いはTPDのポリマー(ポリカーボネート、ポ
リスチレン、PUK)分散物、Clを10〜200pp
mドープしたa−Se等の半導体物質が適当である。特
に、有機系化合物(PVK,TPD、ディスコティック
液晶等)は光不感性を有するため好ましく、また、誘電
率が一般に小さいため電荷輸送層23と読取用光導電層
24の容量が小さくなり読取時の信号取り出し効率を大
きくすることができる。なお、「光不感性を有する」と
は、記録光や読取光の照射を受けても殆ど導電性を呈す
るものでないことを意味する。
【0021】読取用光導電層24の物質としては、a−
Se,Se−Te,Se−As−Te,無金属フタロシ
アニン,金属フタロシアニン,MgPc(Magnesium ph
talocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthal
ocyanine),CuPc(Cupper phtalocyanine)等のう
ち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が好適で
ある。
【0022】記録用光導電層22の厚さは、記録光を十
分に吸収できるようにするには、50μm以上1000
μm以下であるのが好ましい。
【0023】また電荷輸送層23と読取用光導電層24
との厚さの合計は記録用光導電層22の厚さの1/2以
下であることが望ましく、また薄ければ薄いほど読取時
の応答性が向上するので、例えば1/10以下、さらに
は1/100以下等にするのが好ましい。
【0024】なお、上記各層の材料は、第1電極21に
負電荷を、第2電極25に正電荷を帯電させて、記録用
光導電層22と電荷輸送層23との界面に形成される蓄
電部29に潜像極性電荷としての負電荷を蓄積せしめる
とともに、電荷輸送層23を、潜像極性電荷としての負
電荷の移動度よりも、その逆極性となる輸送極性電荷と
しての正電荷の移動度の方が大きい、いわゆる正孔輸送
層として機能させるものとして好適なものの一例である
が、これらは、それぞれが逆極性の電荷であっても良
く、このように極性を逆転させる際には、正孔輸送層と
して機能する電荷輸送層を電子輸送層として機能する電
荷輸送層に変更する等の若干の変更を行なうだけでよ
い。
【0025】例えば、記録用光導電層22として上述の
アモルファスセレンa−Se、酸化鉛(II)、ヨウ化鉛
(II)等の光導電性物質が同様に使用でき、電荷輸送層
23としてN−トリニトロフルオレニリデン・アニリン
(TNFA)誘電体、トリニトロフルオレノン( TNF)/ポ
リエステル分散系、非対称ジフェノキノン誘導体が適当
であり、読取用光導電層24として上述の無金属フタロ
シアニン、金属フタロシアニンが同様に使用できる。
【0026】また、上記検出器20aでは、蓄電部29
を記録用光導電層22と電荷輸送層23との界面に形成
していたが、これに限らず、例えば米国特許第 4535468
号明細書に記載のように、潜像極性電荷をトラップとし
て蓄積するトラップ層により蓄電部を形成してもよい。
【0027】第1電極21としては、記録光に対して透
過性を有するものであればよく、例えば可視光に対して
透過性を持たせる場合には、光透過性金属薄膜として周
知のネサ皮膜(SnO2 )、ITO(Indium Tin Oxi
de)、あるいはエッチングのし易いアモルファス状光透
過性酸化金属であるIDIXO(Idemitsu Indium X-me
tal Oxide ;出光興産(株))等の酸化金属を50〜2
00nm厚程度、好ましくは100nm以上にして用い
ることができる。また、アルミニウムAl、金Au、モ
リブデンMo、クロムCr等の純金属を、例えば20n
m以下(好ましくは10nm程度)の厚さにすることに
よって可視光に対して透過性を持たせることもできる。
なお、記録光としてX線を使用し、第1電極21側から
該X線を照射して画像を記録する場合には、第1電極2
1としては可視光に対する透過性が不要であるから、該
第1電極21は、例えば100nm厚のAlやAu等の
純金属を用いることもできる。
【0028】第2電極25は、多数の読取光透過性の光
電荷対発生線状電極26aをストライプ状に配列して成
るストライプ電極26と多数の読取光遮光性の光電荷対
非発生線状電極27aをストライプ状に配列してなるサ
ブストライプ電極27とからなる。各線状電極26a、
27aは、線状電極26aと線状電極27aとが交互に
かつ互いに平行に配置されるように配列されている。両
線状電極26a、27aの間は読取用光導電層24の一
部が介在しており、ストライプ電極26とサブストライ
プ電極27とは電気的に絶縁されている。このサブスト
ライプ電極27は、記録用光導電層22と電荷輸送層2
3との略界面に形成される蓄電部29に蓄積された潜像
電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための
導電部材である。
【0029】ここで、ストライプ電極26の各線状電極
26aを形成する電極材の材質としては、ITO(Indi
um Tin Oxide)、IDIXO(Idemitsu Indium X-meta
l Oxide ;出光興産(株))、アルミニウムまたはモリ
ブデン等を用いることができる。また、サブストライプ
電極27の各線状電極27aを形成する電極材の材質と
しては、アルミニウム、モリブデンまたはクロム等を用
いることができる。
【0030】第3電極30は、多数の読取光透過性の光
電荷対発生線状電極用線状電極31aをストライプ状に
配列して成る光電荷対発生線状電極用ストライプ電極3
1と多数の読取光遮光性の光電荷対非発生線状電極用線
状電極32aをストライプ状に配列してなる光電荷対非
発生線状電極用ストライプ電極32とからなる。
【0031】各線状電極31a,32aは、線状電極3
1aと線状電極32aとが交互にかつ互いに平行に配置
されるように配列されている。また、線状電極31a
は、線状電極26aの略真下に線状電極26aと平行に
なるように配置されている。同様に、線状電極32a
は、線状電極27aの略真下に線状電極26aと平行に
なるように配置されている。両線状電極31a,32a
の間は絶縁層33の一部が介在しており、光電荷対発生
線状電極用ストライプ電極31と光電荷対非発生線状電
極用ストライプ電極32とは電気的に絶縁されている。
この光電荷対発生線状電極用ストライプ電極31および
光電荷対非発生線状電極用ストライプ電極32は、記録
用光導電層22と電荷輸送層23との略界面に形成され
る蓄電部29に蓄積される潜像電荷量を調整するため導
電部材である。
【0032】ここで、光電荷対発生線状電極用ストライ
プ電極31の各線状電極31aを形成する電極材の材質
としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IDIXO
(Idemitsu Indium X-metal Oxide ;出光興産
(株))、アルミニウムまたはモリブデン等の、ストラ
イプ電極26を形成する材料と同様のものを用いること
ができる。また、光電荷対非発生線状電極用ストライプ
電極32の各線状電極32aを形成する電極材の材質と
しては、アルミニウム、モリブデンまたはクロム等の、
サブストライプ電極27を形成する材料と同様のものを
用いることができる。
【0033】本発明においては、少なくともサブストラ
イプ電極27または光電荷対非発生線状電極用ストライ
プ電極32のいずれか一方が遮光性を有していればよい
ため、他方は、ストライプ電極26や光電荷対発生線状
電極用ストライプ電極31を形成する材料と同様の読取
光に対して透過性を有するものを用いることもできる
が、サブストライプ電極27および光電荷対非発生線状
電極用ストライプ電極32の両方共に読取光に対して遮
光性を有することが好ましい。
【0034】また、第2電極25と第3電極30との間
には、読取光に対して透過性を有するSiO等からな
る絶縁層33を設けている。
【0035】次に、この検出器20aに画像情報を静電
潜像として記録し、さらに記録された静電潜像を読み出
す基本的な方法について簡単に説明する。図2は検出器
20aを用いた記録読取システムの概略図である。
【0036】この記録読取システムは、検出器20a
と、記録光照射手段(図示省略)と、画像信号取得手段
としての電流検出回路71と、読取光走査手段(図示省
略)とからなる。
【0037】電流検出回路71は、蓄電部29に蓄積さ
れた潜像電荷に対する電荷をサブストライプ電極27を
介して読み出すことにより、潜像電荷の量に応じたレベ
ルの画像信号を得るものであり、ストライプ電極26の
各線状電極26a毎に接続された電流検出アンプ(図示
省略)を多数有している。
【0038】ストライプ電極26とサブストライプ電極
27とを同電位になるように制御電圧を印加すれば、第
1電極21と第2電極25との間で形成される電界分布
を均一にできる。本実施の形態では、ストライプ電極2
6およびサブストライプ電極27は記録時および読取時
ともに接地電位となっている。
【0039】次に、上記構成の記録読取システムにおい
て、検出器20aに画像情報を静電潜像として記録し、
さらに記録された静電潜像を読み出す方法について説明
する。最初に静電潜像記録過程について、図2(A)に
示す電荷モデルを参照しつつ説明する。なお、記録光L
1によって光導電層22内に生成される負電荷(−)お
よび正電荷(+)を、図面上では−または+を○で囲ん
で表すものとする。
【0040】検出器20aに静電潜像を記録する際に
は、第1電極21とストライプ電極26およびサブスト
ライプ電極27との間に直流電圧を印加し、両者を帯電
させる。さらに、光電荷対発生線状電極用ストライプ電
極31に蓄電部29に蓄積される潜像電荷と同極性の電
圧を印加し、光電荷対非発生線状電極用ストライプ電極
32に蓄電部29に蓄積される潜像電荷と反対極性の電
圧を印加する。
【0041】次に放射線を被写体9に爆射し、被写体9
の透過部9aを通過した被写体9の放射線画像情報を担
持する記録光L1を検出器20aに照射する。すると、
検出器20aの記録用光導電層22内で正負の電荷対が
発生し、その内の負電荷が検出器20a内の電界分布に
沿って蓄電部29に移動する。ここで、負電荷は、線状
電極26aおよび線状電極27aに対応する位置に蓄積
されるが、このとき、線状電極26aの下部に配された
光電荷対発生線状電極用ストライプ電極31に負極性の
電圧が印加され、線状電極27aの下部に配された光電
荷対非発生線状電極用ストライプ電極32に正極性の電
圧が印加されているため、線状電極26a上部に比べて
線状電極27a上部の方がより多くの負電荷が蓄積され
る。
【0042】一方、記録用光導電層22内で発生した正
電荷は第1電極21に向かって高速に移動し、第1電極
21と光導電層22との界面で電源72から注入された
負電荷と電荷再結合し消滅する。また、記録光L1は被
写体9の遮光部9bを透過しないから、検出器20aの
遮光部9bの下部にあたる部分は何ら変化を生じない。
【0043】このようにして、被写体9に記録光L1を
爆射することにより、被写体像に応じた電荷を光導電層
22と電荷転送層23との界面である蓄電部29に蓄積
することができるようになる。この蓄積される潜像電荷
(負電荷)の量は被写体9を透過し検出器20aに入射
した放射線の線量に略比例するので、この潜像電荷が静
電潜像を担持することとなり、該静電潜像が検出器20
aに記録される。
【0044】次に、検出器20aから静電潜像を読み取
る際には、第1電極21は接地電位とされ、線状電極2
6aの長手方向に読取光照射手段を移動させる、すなわ
ち副走査することにより、ライン状の読取光L2で検出
器20aの全面を走査露光する。この読取光L2の走査
露光により副走査位置に対応する読取光L2が入射した
光導電層24内に正負の電荷対が発生する。
【0045】そして、2本の線状電極27aに対応する
部分、すなわち両線状電極27aの上空部分の潜像電荷
が、2本の線状電極27aを介して順次読み出される。
すなわち、図2(B)に図示するように(絶縁層33お
よび第3電極30は図示省略)、画素の中心に位置した
線状電極26aから、その両隣の線状電極27aに対応
する(上空にある)潜像電荷に向けて放電が生じ、それ
によって読出しが進行する。なお、より多くの信号電荷
を取り出すためには線状電極27aの幅を線状電極26
aの幅よりも広くした方がよい。
【0046】この検出器20aにおいては、記録用光導
電層22を挟んで第1電極21と蓄電部29との間にコ
ンデンサC*aが形成され、電荷輸送層23および読取
用光導電層24を挟んで蓄電部29とストライプ電極2
6(線状電極26a)との間にコンデンサC*bが形成
され、読取用光導電層24および電荷輸送層23を介し
て蓄電部29とサブストライプ電極27(線状電極27
a)との間にコンデンサC*cが形成される。読取時に
おける電荷再配列の際に、各コンデンサC*a
*b、C*cに配分される正電荷の量Q+a
+b、Q+cは、総計Qが潜像極性電荷の量Q
同じで、各コンデンサの容量C、C、Cに比例し
た量となる。これを式で示すと下記のように表すことが
できる。
【0047】Q =Q =Q+a+Q+b+Q+c+a =Q ×C /(C +C +C
) Q+b =Q ×C /(C +C +C
) Q+c =Q ×C /(C +C +C
) そして、検出器20aから取り出し得る信号電荷量はコ
ンデンサC*a、C に配分された正電荷の量
+a、Q+cの合計(Q+a+Q+c)と同じくな
り、コンデンサC*bに配分された正電荷は信号電荷と
して取り出せない(詳細は特開2000−284056
号公報参照)。
【0048】ここで、ストライプ電極26およびサブス
トライプ電極27によるコンデンサC*b、C*cの容
量について考えてみると、容量比C:Cは、各線状
電極26a、27aの幅の比Wb:Wcとなる。一方、
コンデンサC*aの容量CとコンデンサC*bの容量
は、サブストライプ電極27を設けても実質的に大
きな影響は現れない。
【0049】この結果、読取時における電荷再配列の際
に、コンデンサC*bに配分される正電荷の量Q+b
サブストライプ電極27を設けない場合よりも相対的に
少なくすることができ、その分だけ、サブストライプ電
極27を介して検出器20aから取り出し得る信号電荷
量をサブストライプ電極27を設けない場合よりも相対
的に大きくすることができる。
【0050】また、本発明による放射線固体検出器によ
れば、線状電極26aの下部に光電荷対発生線状電極用
ストライプ電極31を配し、線状電極27aの下部に光
電荷対非発生線状電極用ストライプ電極32を配して、
静電潜像記録時に、光電荷対発生線状電極用ストライプ
電極31に蓄電部29に蓄積される潜像電荷と同極性の
電圧を印加し、光電荷対非発生線状電極用ストライプ電
極32に蓄電部29に蓄積される潜像電荷と反対極性の
電圧を印加することにより、線状電極26a上部に比べ
て線状電極27a上部の方により多くの負電荷を蓄積さ
せることができるため、読取用光導電層24を介してス
トライプ電極26と蓄電部29との間で形成されるコン
デンサに配分される輸送電荷の量よりも、読取用光導電
層24を介してサブストライプ電極27と蓄電部29と
の間で形成されるコンデンサに配分される輸送電荷の量
を多くすることができるため、外部に取り出し得る信号
電荷の量が多くすることができ読取効率を向上させるこ
とができる。
【0051】以上、本発明による放射線固体検出器の好
ましい実施の形態について説明したが、本発明は上記実
施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更
しない限りにおいて、種々変更することが可能である。
【0052】例えば、上記実施の形態による検出器は、
何れも、記録用光導電層が、記録用の放射線の照射によ
って導電性を呈するものであるが、本発明による検出器
の記録用光導電層は必ずしもこれに限定されるものでは
なく、記録用光導電層は、記録用の放射線の励起により
発せられる光の照射によって導電性を呈するものとして
もよい(特開2000−105297号公報参照)。こ
の場合、第1電極の表面に記録用の放射線を、例えば青
色光等、他の波長領域の光に波長変換するいわゆるX線
シンチレータといわれる波長変換層を積層したものとす
るとよい。この波長変換層としては、例えばヨウ化セシ
ウム(CsI)等を用いるのが好適である。また、第1電
極は、記録用の放射線の励起により波長変換層で発せら
れた光に対して透過性を有するものとする。
【0053】また、上記実施の形態による検出器20a
は、記録用光導電層と読取用光導電層との間に電荷輸送
層を設け、記録用光導電層と電荷輸送層との界面に蓄電
部を形成するようにしたものであるが、電荷輸送層をト
ラップ層に置き換えたものとしてもよい。トラップ層と
した場合には、潜像電荷は、該トラップ層に捕捉され、
該トラップ層内またはトラップ層と記録用光導電層の界
面に潜像電荷が蓄積される。また、このトラップ層と記
録用光導電層の界面に、画素毎に、格別に、マイクロプ
レートを設けるようにしてもよい。
【0054】また、上記実施の形態による検出器20a
において第3電極30は、光電荷対発生線状電極用スト
ライプ電極31と光電荷対非発生線状電極用ストライプ
電極32とからなるものとしたが、いずれか一方のみと
してもよい。その場合においても、線状電極26a上部
に比べて線状電極27a上部の方により多くの潜像電荷
を蓄積させることができるため、上記実施の形態と同様
の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による放射線固体検
出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P
矢指部のXY断面図(C)
【図2】本発明の第1の実施の形態による放射線固体検
出器を使用する場合における、静電潜像記録過程を示す
電荷モデル(A)、静電潜像読取過程を示す電荷モデル
(B)
【符号の説明】
20a 放射線固体検出器 21 第1電極 22 記録用光導電層 23 電荷輸送層 24 読取用光導電層 25 第2電極 26 ストライプ電極 26a 光電荷対発生線状電極 27 サブストライプ電極 27a 光電荷対非発生線状電極 29 蓄電部 30 第3電極 31 光電荷対発生線状電極用ストライプ電極 31a 光電荷対発生線状電極用線状電極 32 光電荷対非発生線状電極用ストライプ電極 32a 光電荷対非発生線状電極用線状電極 33 絶縁層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録光に対して透過性を有する第1の電
    極と、 前記記録光の照射を受けることにより光導電性を呈する
    記録用光導電層と、 前記記録光の光量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄
    積する蓄電部と、 読取光の照射を受けることにより光導電性を呈する読取
    用光導電層と、 前記読取光に対して透過性を有する多数の光電荷対発生
    線状電極と、多数の光電荷対非発生線状電極とを備え、
    前記光電荷対発生線状電極と前記光電荷対非発生線状電
    極とが交互に配置された第2の電極とを、この順に積層
    してなる放射線固体検出器において、 前記第2の電極の前記読取用光導電層とは反対の側に、
    前記蓄電部に蓄積される潜像電荷量を調整するための第
    3の電極をさらに備えたことを特徴とする放射線固体検
    出器。
  2. 【請求項2】 前記第3の電極が、前記光電荷対発生線
    状電極に対応する位置に設けられた光電荷対発生線状電
    極用線状電極を備えてなり、該光電荷対発生線状電極用
    線状電極が、前記記録光照射時に前記蓄電部に蓄積され
    る潜像電荷と同極性の電圧を印加されるものであること
    を特徴とする請求項1記載の放射線固体検出器。
  3. 【請求項3】 前記第3の電極が、前記光電荷対非発生
    線状電極に対応する位置に設けられた光電荷対非発生線
    状電極用線状電極を備えてなり、該光電荷対非発生線状
    電極用線状電極が、前記記録光照射時に前記蓄電部に蓄
    積される潜像電荷と反対極性の電圧を印加されるもので
    あることを特徴とする請求項1または2記載の放射線固
    体検出器。
  4. 【請求項4】 光電荷対発生線状電極用線状電極が、前
    記読取光に対して透過性を有することを特徴とする請求
    項2または3記載の放射線固体検出器。
  5. 【請求項5】 光電荷対非発生線状電極用線状電極が、
    前記読取光に対して遮光性を有することを特徴とする請
    求項2から4のいずれか1項記載の放射線固体検出器。
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