JP2004134543A - 画像検出器 - Google Patents

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Takashi Shiyouji
荘司 たか志
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Abstract

【課題】電荷検出用電極と補助電極との間に絶縁層を設けた検出器において、さらにS/Nを向上させる。
【解決手段】第1の導電層21と、記録用光導電層22と、電荷輸送層23と、読取用光導電層24と、多数の線状のエレメント26aからなる電荷検出用電極26、多数の線状のエレメント27aからなる補助電極27、および、電荷検出用電極26と補助電極27との間に設けられた絶縁層28からなる第2導電層25とから構成される放射線固体検出器20において、電荷検出用電極26の両端間の抵抗を100kΩ以下とすべく、電荷検出用電極26に150nm厚のアルミニウムを用いる。
【選択図】     図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照射された放射線の線量あるいは該放射線の励起により発せられる光の光量等に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有する画像検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画像検出器を用いた装置、例えばファクシミリ、複写機あるいは放射線撮像装置等が知られている。
【0003】
例えば、医療診断等を目的とする放射線撮影において、放射線を検出して得た電荷を潜像電荷として蓄電部に一旦蓄積し、該蓄積した潜像電荷を放射線画像情報を表す電気信号に変換して出力する放射線固体検出器(静電記録体)を画像検出器として使用する方法や装置が各種提案、実用化されている。この方法や装置において使用される放射線固体検出器としては、種々のタイプのものが提案されているが、蓄積された潜像電荷の量に応じた大きさの信号を検出する電荷読出プロセスの面からは、検出器に読取光(読取用の電磁波)を照射する光読出方式のものがある。
【0004】
本願出願人は、読出しの高速応答性と効率的な信号電荷の取り出しの両立を図ることができる光読出方式の放射線固体検出器として、特許文献1および特許文献2等において、画像情報を担持する記録用の放射線あるいは放射線の励起により発せられる光(以下纏めて記録光という)に対して透過性を有する第1の導電層、記録光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、第1の導電層に帯電される電荷と同極性の電荷に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該同極性の電荷と逆極性の電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層、読取光(読取用の電磁波)の照射を受けることにより光電荷対を発生して導電性を呈する読取用光導電層、読取光に対して透過性を有する第2の導電層を、この順に積層してなり、記録用光導電層と電荷輸送層との界面に形成される蓄電部に、画像情報を担持する信号電荷(潜像電荷)を蓄積する検出器を提案している。
【0005】
そして、上記特許文献2等においては、特に、第2の導電層の電極(電荷検出用電極)を読取光に対して透過性を有する多数の線状電極がストライプ状に配列されてなるストライプ電極とするとともに、蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための多数のサブ線状電極を、前記ストライプ電極をなす線状電極(ストライプ線状電極)と互いに平行且つ交互に第2の導電層内に配列した検出器を提案している。
【0006】
このように、サブ線状電極からなるサブ電極(補助電極)を第2の導電層内に設けることにより、蓄電部と各サブ線状電極との間に新たなコンデンサが形成され、記録によって蓄電部に蓄積された潜像電荷と逆極性の輸送電荷を、読取りの際の電荷再配列によってこのサブ線状電極にも帯電させることが可能となる。これにより、読取用光導電層を介してストライプ線状電極と蓄電部との間で形成されるコンデンサに配分される前記輸送電荷の量を、このサブ線状電極を設けない場合よりも相対的に少なくすることができ、結果として検出器から外部に取り出し得る信号電荷の量を多くして読取効率を向上させるとともに、読出しの高速応答性と効率的な信号電荷の取り出しの両立をも図ることができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−162726号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2000−284056号公報
【0009】
【特許文献3】
特開2001−160922号公報
【0010】
【特許文献4】
特願2002−264240号
【0011】
【非特許文献1】
Electronic noise analysis of
127−micron pixel TFT/photodiode array,
Proceeding of SPIE Vol.4320(2001) pp.209−218
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第2の導電層内において、各ストライプ線状電極と各サブ線状電極とを交互に配設すると、ストライプ線状電極とサブ線状電極とのスペースが非常に狭くなり、製造欠陥等によって両線状電極がショートする虞が生じる。両線状電極がショートすると、サブ線状電極は読取効率を向上させる電極として機能しなくなる。そして、一部の両線状電極のみがショートしたときには、全体としてはサブ線状電極が設けられているので読取効率が向上するが、ショートした部分の読取効率がその周囲よりも劣るので、画像上においては、該ショート部分が筋状のノイズとなって現れる。
【0013】
そのため、本願出願人はこのようなショートの問題を解決するために、特許文献3において、ストライプ電極とサブ電極との間に絶縁層を設けた検出器を提案している。
【0014】
このように、ストライプ電極とサブ電極との間に絶縁層を設けることによって、両線状電極のショートの虞を無くすことができ、さらに、サブ線状電極からの電荷注入に起因する静電潜像の消去等といった問題をなくすこともできるため、S/Nの向上を図ることができる。
【0015】
本発明は、上記特許文献3に記載されたような、電荷検出用電極(ストライプ電極)と補助電極(サブ電極)との間に絶縁層を設けた検出器において、さらにS/Nを向上させることを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記特許文献3等に記載の電荷検出用電極を備えた検出器においては、潜像電荷の記録時に第1の導電層と第2の導電層(電荷検出用電極および補助電極)との間に高電圧を印加するが、その際、電界が電荷検出用電極を構成する各線状電極および補助電極を構成する各線状電極のエッジ付近、すなわち電荷検出用線状電極と補助線状電極との間の間隙付近に集中するため、この部分に潜像電荷が集中して蓄積される。
【0017】
従来、電荷検出用電極は、潜像電荷の読取時に読取用光導電層内に光電荷対を発生させるために、読取光に対して透過性を有する必要があると考えられていたが、本願出願人は上記の現象から、電荷検出用線状電極と補助線状電極との間の間隙から入射した読取光によっても潜像電荷の読取りに必要十分な光電荷対を発生可能であることを発見し、これにより、電荷検出用電極は必ずしも読取光に対して透過性を有する必要が無いことを見出した。
【0018】
また、第2の導電層の抵抗および静電容量とノイズとの関係について、非特許文献1に記載されている方法によりシュミレーションを行った。なお、ノイズσtotalは、電荷検出用電極の抵抗Rdataおよび電荷検出用電極と補助電極との間の静電容量Cdataから導出される熱ノイズσと、アンプノイズσampとで決まり、それ以外は無視できると仮定し、ノイズσtotalは、(1)式により導出されるものとしてシュミレーションを行った。
【0019】
(1) σtotal=√(σ +σamp
このシュミレーションの結果、これらの間には図3に示すような関係があることを見出した。図3は、縦軸をノイズ、横軸を抵抗として、これらの関係を示したグラフである。このグラフに示すように、抵抗値は小さくするほどノイズは小さくなり、抵抗が30kΩ以下ではノイズは略一定の最小値となるが、100kΩ以下でも最小値との差を数%以内に抑えることができ、このことから抵抗は100kΩ以下とすることが好ましい。また、静電容量も小さくするほどノイズは小さくなるが、診断ではノイズは3000電子以下であることが望ましく、このことから静電容量は300pF以下とすることが好ましい。
【0020】
本発明は、上記新たな知見に基づいて成されたものである。すなわち、本発明による画像検出器は、記録光に対して透過性を有する第1の導電層と、記録光の照射を受けることにより光導電性を呈する記録用光導電層と、記録光の光量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部と、読取光の照射を受けることにより光導電性を呈する読取用光導電層と、多数の線状電極からなる電荷検出用電極、多数の線状電極からなる補助電極、および、電荷検出用電極と補助電極との間に設けられた絶縁層を備え、電荷検出用電極の線状電極と補助電極の線状電極とが交互に配置された第2の導電層とをこの順に積層してなる画像検出器において、電荷検出用電極の両端間の抵抗が100kΩ以下であることを特徴とするものである。
【0021】
本発明による画像検出器において「記録光」とは、光、放射線または放射線の励起により発せられる光等を意味する。
【0022】
本発明による画像検出器においては、電荷検出用電極の任意の線状電極と、それに隣接する補助電極の線状電極との間の静電容量は300pF以下とすることが好ましい。
【0023】
電荷検出用電極の両端間の抵抗を100kΩ以下となるようにするには、電荷検出用電極に100nm以上の厚さのアルミニウムもしくはモリブデン等を用いるとよい。
【0024】
なお、本発明による検出器を使用して放射線画像の記録や読取りを行うに際しては、例えば、上記特許文献2、特許文献3および特許文献4等に記載されたような、本発明を適用しない従来の検出器を用いた記録方法および読取方法並びにその装置を変更することなく、そのまま利用することができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明による画像検出器によれば、上記新たな知見に基づいて、電荷検出用電極の両端間の抵抗を100kΩ以下としたため、画像検出器内で発生するノイズを抑えることができ、S/Nを向上させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明による画像検出器の一実施の形態の概略構成を示す図であり、図1(A)は画像検出器としての放射線固体検出器の斜視図、図1(B)は図1(A)のQ矢指部のXZ断面図、図1(C)は図1(A)のP矢指部のXY断面図である。
【0027】
この放射線固体検出器20は、画像情報を担持する可視光やX線等の記録光に対して透過性を有する第1の導電層21、この第1の導電層21を透過した記録光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層22、潜像電荷(例えば負電荷)に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該潜像電荷と逆極性の輸送電荷(上述の例においては正電荷)に対しては略導電体として作用する電荷輸送層23、読取光(読取用の電磁波)の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層24、読取光に対して透過性を有する第2の導電層25をこの順に配列してなるものである。記録用光導電層22と電荷輸送層23との界面に、記録用光導電層22内で発生した潜像極性電荷を蓄積する蓄電部29が形成される。なお、上記放射線固体検出器20のサイズは430mm×430mmとした。
【0028】
記録用光導電層22の物質としては、a−Se(アモルファスセレン)、PbO,PbI2 等の酸化鉛(II)やヨウ化鉛(II)、Bi12(Ge,Si)O20,Bi/有機ポリマーナノコンポジット等のうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が適当である。
【0029】
電荷輸送層23の物質としては、例えば第1の導電層21に帯電される負電荷の移動度と、その逆極性となる正電荷の移動度の差が大きい程良く(例えば102 以上、望ましくは103 以上)ポリN−ビニルカルバゾール(PVK)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン(TPD)やディスコティック液晶等の有機系化合物、あるいはTPDのポリマー(ポリカーボネート、ポリスチレン、PUK)分散物,Clを10〜200ppmドープしたa−Se等の半導体物質が適当である。特に、有機系化合物(PVK,TPD、ディスコティック液晶等)は光不感性を有するため好ましく、また、誘電率が一般に小さいため電荷輸送層23と読取用光導電層24の容量が小さくなり読取時の信号取り出し効率を大きくすることができる。なお、「光不感性を有する」とは、記録光や読取光の照射を受けても殆ど導電性を呈しないことを意味する。
【0030】
読取用光導電層24の物質としては、a−Se,Se−Te,Se−As−Te,無金属フタロシアニン,金属フタロシアニン,MgPc(Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanine),CuPc(Cupper phtalocyanine)等のうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が適当である。
【0031】
記録用光導電層22の厚さは、記録光を十分に吸収できるようにするには、50μm以上1000μm以下であるのが好ましく、本実施の形態において記録用光導電層22としては1000μm厚のa−Seを用いる。また電荷輸送層23と光導電層24との厚さの合計は記録用光導電層22の厚さの1/2以下であることが望ましく、また薄ければ薄いほど読取時の応答性が向上するので、例えば1/10以下、さらには1/20以下等にするのが好ましい。本実施の形態において読取用光導電層24としては10μm厚のa−Seを用いた。
【0032】
第1の導電層21としては、例えば、記録光が可視光のときにはITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜が、X線等の放射線のときには金やアルミニウム等といった金属膜が適当である。本実施の形態において第1の導電層21としては金を用いた。
【0033】
第2の導電層25は、多数のエレメント(電荷検出用線状電極)26aがストライプ状に配列されてなる電荷検出用電極26、絶縁層28、多数のエレメント(補助線状電極)27aがストライプ状に配列されてなる補助電極27をこの順に配列してなるものである。各エレメント26aと各エレメント27aは絶縁層28を挟んで配されているので、電気的に絶縁される。
【0034】
ここで、電荷検出用電極26の各エレメント26aを形成する電極材の材質と厚みとしては、100nm以上の厚さのアルミニウムもしくはモリブデンが適当である。本実施の形態において電荷検出用電極26としては150nm厚のアルミニウムを用いた。また、補助電極27の各エレメント27aを形成する電極材の材質と厚みとしては、電荷検出用電極26の場合と同様に、100nm以上の厚さのアルミニウムもしくはモリブデンが適当である。本実施の形態において補助電極27としては150nm厚のモリブデンを用いた。
【0035】
上記の様な材質を用いることにより、アンダーエッチング製法で放射線固体検出器20を生産する場合に、各エレメント26aと各エレメント27aとの間隙を大きくすることが可能となるため、電荷検出用電極26と補助電極27との間の静電容量の減少に寄与することができる。
【0036】
絶縁層28は、読取光に対して透過性を有する物質を用いる。例えば、SiO2 、SiC、SiN等を用いるとよい。また、PET(ポリエチレンテレフタレート)やポリカーボネート等の樹脂を用いることもできる。本実施の形態において絶縁層28としてはPETを用いた。絶縁層28の厚さは、電荷検出用電極26の任意のエレメント26aと、それに隣接する補助電極27の線状電極エレメント27aとの間の静電容量が300pF以下となる範囲で、できるだけ薄くするのが好ましい。
【0037】
図2は両エレメント26a、27aの配置関係および電流検出手段を示した図である。ここで、両エレメント26a、27aが互いに間に位置するように配列するに際しては、図2に示すように、両エレメント26a、27aの配列方向において、両エレメント26a、27aの間にスペースd1、d2を設けて、両エレメント26a、27aが積層方向において重なる部分を有しないように配列し、このスペースd1、d2から読取光を読取用光導電層24へ入射させるようにする。
【0038】
従来、電荷検出用電極26の各エレメント26aを形成する電極材の材質としては、読取光に対して透過性を有する必要があると考えられていたため、例えばITOもしくはIDIXO等を用いていた。このため、各エレメント26aの両端間の線抵抗が300kΩ程度となっていたため、S/Nが良好ではなかった。
【0039】
しかしながら、本願出願人による新たな知見に基づいて、必ずしも透過性を有する必要が無いことが見出されたため、100nm以上の厚さのアルミニウムもしくはモリブデン等の金属材料を使用することが可能となった。このため、各エレメント26aの両端間の線抵抗が数10kΩ程度となり、従来用いていたITOやIDIXO等と比較して著しく線抵抗が低くなるため、S/Nを向上させることができる。
【0040】
この検出器20を使用するに際しては、静電潜像の記録時に、電荷検出用電極26と補助電極27とを接続し、補助電極27を電界分布の形成に積極的に利用するようにする。
【0041】
このように電荷検出用電極26と補助電極27とを接続して記録を行うと、潜像電荷は、エレメント26aに対応する位置だけでなく、エレメント27aに対応する位置にも蓄積され、読取時に両エレメント26a、27aの間のスペースd1、d2より読取用光導電層24に読取光が照射されると、スペースd1、d2に隣接するエレメント26aおよびエレメント27aの上空部分の潜像電荷が、エレメント26aおよびエレメント27aを介して電流検出手段30により読み出される。
【0042】
電流検出手段30は、電荷検出用電極26の各エレメント26a毎に、反転入力端子に接続された多数の電流検出アンプ31と、この電流検出アンプ31から出力される信号を電流検出アンプ31毎に切り換えて出力するアナログマルチプレクサ32と、アナログマルチプレクサ32の出力をA/D変換するA/D変換器33とから構成されている。電流検出アンプ31は、チャージアンプ31aと2チャネルのサンプルホールド回路31bとからなり、相関2重サンプリングを行うように構成されている。
【0043】
相関2重サンプリング処理とは、チャージアンプ31aが蓄積モードに切り替わった直後に出力される電気信号とリセットモードに切り替わる直前に出力される電気信号とを2チャネルのサンプルホールド回路31bにより検出して、アナログマルチプレクサ32により2チャネルのサンプルホールド回路31bの出力の差を信号成分とすることにより、チャージアンプ31aで生じるチャージフィールドスルーと呼ばれるオフセットの影響を回避することができる処理である。
【0044】
なお、電流検出手段は、上記電流検出手段30のような相関2重サンプリング処理を行うものを用いることが好ましいが、相関2重サンプリング処理を行わないものを用いてもよい。
【0045】
この検出器20においては、記録用光導電層22を挟んで第1の導電層21と蓄電部29との間にコンデンサC*aが形成され、電荷輸送層23および読取用光導電層24を挟んで蓄電部29と電荷検出用電極26(エレメント26a)との間にコンデンサC*bが形成され、読取用光導電層24および電荷輸送層23を介して蓄電部29と補助電極27(エレメント27a)との間にコンデンサC*cが形成される。読取時における電荷再配列の際に、各コンデンサC*a、C*b、C*cに配分される正電荷の量Q+a、Q+b、Q+cは、総計Q+ が潜像電荷の量Q− と同じで、各コンデンサの容量C、C、Cに比例した量となる。これを式で示すと下記のように表すことができる。
【0046】
− =Q+ =Q+a+Q+b+Q+c
+a=Q+ ×Ca /(Ca +Cb +Cc 
+b=Q+ ×Cb /(Ca +Cb +Cc 
+c=Q+ ×Cc /(Ca +Cb +Cc 
そして、検出器20から取り出し得る信号電荷量は、コンデンサC*a、C*cに配分された正電荷の量Q+a、Q+cの合計(Q+a+Q+c)と同じくなり、コンデンサC*bに配分された正電荷は信号電荷として取り出せない(詳細は特許文献2参照)。
【0047】
ここで、電荷検出用電極26および補助電極27によるコンデンサC*b、C*cの容量について考えてみると、容量比Cb :Cc は、各エレメント26a、27aの幅の比Wb :Wc となる。一方、コンデンサC*aの容量CとコンデンサC*bの容量Cb は、補助電極27を設けても実質的に大きな影響は現れない。
【0048】
この結果、読取時における電荷再配列の際に、コンデンサC*bに配分される正電荷の量Q+bを補助電極27を設けない場合よりも相対的に少なくすることができ、その分だけ、電荷検出用電極26を介して検出器20から取り出し得る信号電荷量を、補助電極27を設けない場合よりも相対的に大きくすることができ、読取効率や画像のS/Nを向上させることが可能となる。
【0049】
また、電荷検出用電極26と補助電極27との間には、適当な厚さの絶縁層28が設けられているので、両エレメント26a、27aがショートする虞が少なくなり、検出器20の全面に亘って、読取効率を確実に向上させることができ、ショートによって画像に筋状のノイズが現れるという問題も生じない。
【0050】
以上、本発明による画像検出器の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない限りにおいて、種々変更することが可能である。
【0051】
例えば、上記実施の形態による画像検出器は、記録用光導電層が、記録用の放射線の照射によって導電性を呈するものであるが、本発明による画像検出器の記録用光導電層は必ずしもこれに限定されるものではなく、記録用光導電層は、記録用の放射線の励起により発せられる光の照射によって導電性を呈するものとしてもよい(特許文献1参照)。この場合、第1の導電層の表面に記録用の放射線を、例えば青色光等、他の波長領域の光に波長変換するいわゆるX線シンチレータといわれる波長変換層を積層したものとするとよい。この波長変換層としては、例えばヨウ化セシウム(CsI)等を用いるのが好適である。また、第1の導電層は、記録用の放射線の励起により波長変換層で発せられた光に対して透過性を有するものとする。
【0052】
また、波長変換層を積層することなく、画像情報を担持する可視光の照射によって導電性を呈する記録用光導電層が設けられたものとしてもよい。
【0053】
また、上記実施の形態による放射線固体検出器20は、記録用光導電層と読取用光導電層との間に電荷輸送層を設け、記録用光導電層と電荷輸送層との界面に蓄電部を形成するようにしたものであるが、電荷輸送層をトラップ層に置き換えたものとしてもよい。トラップ層とした場合には、潜像電荷は、該トラップ層に捕捉され、該トラップ層内またはトラップ層と記録用光導電層の界面に潜像電荷が蓄積される。また、このトラップ層と記録用光導電層の界面に、画素毎に、格別に、マイクロプレートを設けるようにしてもよい。さらに、電荷輸送層やトラップ層を設けることなく、記録用光導電層と読取用光導電層との界面に、マイクロプレートを設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図2】エレメントの配置関係および電流検出手段を説明する図
【図3】抵抗および静電容量とノイズとの関係について示したグラフ
【符号の説明】
20  放射線固体検出器(画像検出器)
21  第1の導電層
22  記録用光導電層
23  電荷輸送層
24  読取用光導電層
25  第2の導電層
26  電荷検出用電極
26a エレメント(線状電極)
27  補助電極
27a エレメント(線状電極)
28  絶縁層
29  蓄電部
30  電流検出手段

Claims (3)

  1. 記録光に対して透過性を有する第1の導電層と、
    前記記録光の照射を受けることにより光導電性を呈する記録用光導電層と、
    前記記録光の光量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部と、
    読取光の照射を受けることにより光導電性を呈する読取用光導電層と、
    多数の線状電極からなる電荷検出用電極、多数の線状電極からなる補助電極、および、前記電荷検出用電極と前記補助電極との間に設けられた絶縁層を備え、前記電荷検出用電極の線状電極と前記補助電極の線状電極とが交互に配置された第2の導電層とをこの順に積層してなる画像検出器において、
    前記電荷検出用電極の両端間の抵抗が100kΩ以下であることを特徴とする画像検出器。
  2. 前記電荷検出用電極の任意の線状電極と、それに隣接する前記補助電極の線状電極との間の静電容量が300pF以下であることを特徴とする請求項1記載の画像検出器。
  3. 前記電荷検出用電極が、100nm以上の厚さのアルミニウムもしくはモリブデンからなるものであることを特徴とする請求項1または2記載の画像検出器。
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