JP2006242827A - 放射線固体検出器および放射線固体検出器の試験方法 - Google Patents

放射線固体検出器および放射線固体検出器の試験方法 Download PDF

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    • G01T1/2928Static instruments for imaging the distribution of radioactivity in one or two dimensions; Radio-isotope cameras using solid state detectors

Abstract

【課題】 電荷検出用線状電極と補助線状電極とを備えた放射線固体検出器において、電荷検出用線状電極および補助線状電極の断線の有無を容易に確認できるようにする。
【解決手段】 放射線固体検出器を、多数のエレメント(電荷検出用線状電極)26aからなるストライプ電極26および多数のエレメント(補助線状電極)27aからなるサブストライプ電極27を備えた固体検出部20と、テスト信号を発生するテスト信号発生手段30と、サブストライプ電極27にテスト信号発生手段30もしくはグランドのいずれか一方を接続する接続切替手段とから構成し、エレメント27aにテスト信号を入力し、これによりエレメント27aと隣接するエレメント26aから出力されるクロストーク信号を検出して、このクロストーク信号を所定の基準信号と比較する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、照射された放射線の線量あるいは該放射線の励起により発せられる光の光量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有する放射線固体検出器およびこの放射線固体検出器の試験方法に関するものである。
今日、医療診断等を目的とする放射線撮影において、放射線を検出して得た電荷を潜像電荷として蓄電部に一旦蓄積し、該蓄積した潜像電荷を放射線画像情報を表す電気信号に変換して出力する放射線固体検出器(以下単に検出器ともいう)を使用する放射線画像情報記録読取装置が各種提案されている。この装置において使用される放射線固体検出器としては、種々のタイプのものが提案されているが、蓄積された電荷を外部に読み出す電荷読出プロセスの面から、検出器に読取光(読取用の電磁波)を照射して読み出す光読出方式のものがある。
本出願人は、読出しの高速応答性と効率的な信号電荷の取り出しの両立を図ることができる光読出方式の放射線固体検出器として、特許文献1、特許文献2、特許文献3において、記録用の放射線あるいは該放射線の励起により発せられる光(以下記録光という)に対して透過性を有する平板状の第1の導電層、記録光を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層、第1の導電層に帯電される電荷と同極性の電荷に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該同極性の電荷と逆極性の電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層、読取光の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層、読取光に対して透過性を有する第2の導電層を、この順に積層して成り、記録用光導電層と電荷輸送層との界面に形成される蓄電部に、画像情報を担持する潜像電荷(静電潜像)を蓄積する検出器を提案している。
そして、上記特許文献2および特許文献3においては、特に、読取光に対して透過性を有する第2の導電層の電極を多数の読取光に対して透過性を有する電荷検出用線状電極からなるストライプ電極とすると共に、蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための多数の読取光に対して遮光性を有する補助線状電極を、前記電荷検出用線状電極と交互にかつ互いに平行となるように、第2の導電層内に設けた検出器を提案している。
このように、多数の補助線状電極からなるサブストライプ電極を第2の導電層内に設けることにより、蓄電部とサブストライプ電極との間に新たなコンデンサが形成され、記録光によって蓄電部に蓄積された潜像電荷と逆極性の輸送電荷を、読取りの際の電荷再配列によってこのサブストライプ電極にも帯電させることが可能となる。これにより、読取用光導電層を介してストライプ電極と蓄電部との間で形成されるコンデンサに配分される前記輸送電荷の量を、このサブストライプ電極を設けない場合よりも相対的に少なくすることができ、結果として検出器から外部に取り出し得る信号電荷の量を多くして読取効率を向上させると共に、読出しの高速応答性と効率的な信号電荷の取り出しの両立をも図ることができるようになっている。
特開2000−105297号公報 特開2000−284056号公報 特開2000−284057号公報
ところで、上記固体検出器のストライプ電極(電荷検出用線状電極)およびサブストライプ電極(補助線状電極)の断線の有無を検査する場合、固体検出器に放射線を一様に照射して撮影を行った後、固体検出器から画像信号を読み出して画像信号中の不整部分の有無を確認することにより、上記電極の断線の確認を行っていたが、この方法だと検査時に放射線照射装置が必要となり、さらに固体検出器毎に撮影を行って画像信号の読出しを行わなくてはならないため、非常に手間がかかっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電荷検出用線状電極と補助線状電極とを備えた放射線固体検出器において、電荷検出用線状電極および補助線状電極の断線の有無を容易に確認することが可能な放射線固体検出器を提供することを目的とするものである。
本発明による放射線固体検出器は、記録光に対して透過性を有する第1の導電層、記録光の照射を受けることにより光導電性を呈する記録用光導電層、記録光の光量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部、読取光の照射を受けることにより光導電性を呈する読取用光導電層、および、多数の電荷検出用線状電極と多数の補助線状電極とを備え、電荷検出用線状電極と補助線状電極とが交互に配置された第2の導電層をこの順に積層してなる固体検出部と、試験信号を発生する試験信号発生手段と、補助線状電極の少なくとも一端に試験信号発生手段もしくはグランドのいずれか一方を接続する接続切替手段とを備えたことを特徴とするものである。
ここで、「記録光」としては、画像情報を担持する電磁波であって、固体検出器に照射することにより該固体検出器に画像情報を潜像電荷(静電潜像)として記録させ得るものであればどのようなものを用いてもよく、例えば光や放射線等を用い得る。
また、「読取光」としては、固体検出器に照射することにより該固体検出器に記録されている潜像電荷(静電潜像)に応じた電流を発生させ得る電磁波であればどのようなものを用いてもよく、例えば光や放射線等を用い得る。
また、「電荷検出用線状電極」とは、読取用光導電層内で発生した電荷対を検出するための電極であり、読取用光導電層内へ読取光を入射させるべく、読取光に対して透過性を有することが望ましいが、線状電極間から入射する読取光により読取用光導電層内に十分な電荷対が発生可能な場合は、電荷検出用線状電極は必ずしも透過性を有する必要はない。
また、「補助線状電極」とは、蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための電極であり、読取光に対して遮光性を有することが望ましいが、補助線状電極と読取光照射手段との間に遮光性を有する遮光膜等を設ける場合は、補助線状電極は必ずしも遮光性を有する必要はない。ここで、「遮光性」とは、読取光を完全に遮断して全く電荷対を発生させないものに限らず、その読取光に対する多少の透過性は有していてもそれにより発生する電荷対が実質的に問題とならない程度のものも含むものとする。従って、読取用光導電層に発生する電荷対は全て電荷検出用線状電極を透過した読取光や、線状電極間から入射した読取光によるものとは限らず、補助線状電極を僅かに透過した読取光によっても読取用光導電層において電荷対が発生しうるものとする。
また、「グランド」とは、放射線固体検出器の回路上の共通基準電位(GND)を意味する。
本発明による放射線固体検出器の試験方法は、本発明による放射線固体検出器を用いて、固体検出部の電荷検出用線状電極および補助線状電極の断線の有無を確認する放射線固体検出器の試験方法であって、補助線状電極に試験信号発生手段を接続し、補助線状電極に試験信号を入力し、試験信号に基づいて試験信号を入力した補助線状電極と隣接する電荷検出用線状電極から出力される出力信号を検出し、出力信号を所定の基準信号と比較することにより電荷検出用線状電極および補助線状電極の断線の有無を確認することを特徴とするものである。
固体検出部の電荷検出用線状電極と補助線状電極との間は一般に数10μmと狭く、このような狭い間隔で隣接する2つの線状電極の一方の線状電極に試験信号を入力すると、両線状電極間のカップリング容量に応じたクロストークにより、他方の線状電極にも試験信号と同様の波形のクロストーク信号が発生する。このクロストーク信号の波形の高さは両線状電極間のカップリング容量に比例するため、電荷検出用線状電極および補助線状電極の一方もしくは両方に断線が有るとカップリング容量が低下し、その分だけクロスクロストーク信号の波形の高さが低くなる。
そのため、予め正常な場合のクロスクロストーク信号の波形の高さを測定して基準信号を取得しておき、電荷検出用線状電極から出力される出力信号(クロストーク信号)の波形の高さを基準信号の波形の高さと比較することにより、電荷検出用線状電極および補助線状電極の断線の有無を確認することが可能となる。
なお、この試験は、補助線状電極一本ずつに試験信号を入力し、この補助線状電極に隣接する電荷検出用線状電極から出力される出力信号を検出して試験を行ってもよいし、複数の野補助線状電極に試験信号を同時に入力し、複数の電荷検出用線状電極から出力される出力信号を同時に検出して試験を行ってもよい。
本発明による放射線固体検出器を使用して放射線画像の記録や読取りを行うに際しては、例えば、上記特許文献2に記載されたような、本発明を適用しない従来の固体検出器を用いた記録方法および読取方法並びにその装置を変更することなく、そのまま利用することができる。
本発明による放射線固体検出器によれば、記録光に対して透過性を有する第1の導電層、記録光の照射を受けることにより光導電性を呈する記録用光導電層、記録光の光量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部、読取光の照射を受けることにより光導電性を呈する読取用光導電層、および、多数の電荷検出用線状電極と多数の補助線状電極とを備え、電荷検出用線状電極と補助線状電極とが交互に配置された第2の導電層をこの順に積層してなる固体検出部と、試験信号を発生する試験信号発生手段と、補助線状電極の少なくとも一端に試験信号発生手段もしくはグランドのいずれか一方を接続する接続切替手段とを備えたことにより、補助線状電極に試験信号発生手段を接続し、補助線状電極に試験信号を入力し、試験信号に基づいて試験信号を入力した補助線状電極と隣接する電荷検出用線状電極から出力される出力信号を検出し、出力信号を所定の基準信号と比較することにより電荷検出用線状電極および補助線状電極の断線の有無を確認することができるため、放射線照射装置を必要とせず容易に電荷検出用線状電極および補助線状電極の断線の有無を確認することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施の形態の放射線固体検出器の固体検出部の側面図、図2は上記放射線固体検出器の概略構成図である。
この放射線固体検出器は、放射線を検出する固体検出部20と、テスト信号を発生するテスト信号発生手段30と、固体検出部20のサブストライプ電極27にテスト信号発生手段30もしくはグランドのいずれか一方を接続する接続切替手段とから構成されている。
固体検出部20は、被写体を透過したX線等の放射線の画像情報を担持する記録光(放射線もしくは放射線の励起により発生した光)に対して透過性を有する平板状の第1の導電層21、この第1の導電層21を透過した記録光の照射を受けることにより電荷対を発生し導電性を呈する記録用光導電層22、前記電荷対の内の潜像極性電荷(例えば負電荷)に対しては略絶縁体として作用し、かつ該潜像極性電荷と逆極性の輸送極性電荷(上述の例においては正電荷)に対しては略導電体として作用する電荷輸送層23、読取光の照射を受けることにより電荷対を発生して導電性を呈する読取用光導電層24、ストライプ電極26およびサブストライプ電極27を備えた第2の導電層25、読取光に対して透過性を有する支持体18をこの順に配してなるものである。記録用光導電層22と電荷輸送層23との界面には、記録用光導電層22内で発生した画像情報を担持する潜像極性電荷を蓄積する2次元状に分布した蓄電部29が形成される。
支持体18としては、読取光に対して透明なガラス基板等を用いることができる。また、読取光に対して透明であることに加えて、その熱膨張率が読取用光導電層24の物質の熱膨張率と比較的近い物質を使用するとより望ましい。例えば、読取用光導電層24としてa−Se(アモルファスセレン)を使用する場合であれば、Seの熱膨張率が3.68×10−5/K@40℃ であることを考慮して、熱膨張率が1.0〜10.0×10−5/K@40℃、より好ましくは、4.0〜8.0×10−5/K@40℃である物質を使用する。熱膨張率がこの範囲の物質としては、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート(PMMA)等の有機ポリマー材料を使用することができる。これによって、基板としての支持体18と読取用光導電層24(Se膜)との熱膨張のマッチングがとれ、特別な環境下、例えば寒冷気候条件下での船舶輸送中等において、大きな温度サイクルを受けても、支持体18と読取用光導電層24との界面で熱ストレスが生じ、両者が物理的に剥離する、読取用光導電層24が破れる、あるいは支持体18が割れる等、熱膨張差による破壊の問題が生じることがない。さらに、ガラス基板に比べて有機ポリマー材料は衝撃に強いというメリットがある。
記録用光導電層22の物質としては、a−Se(アモルファスセレン)、PbO、PbI 等の酸化鉛(II)やヨウ化鉛(II)、Bi12(Ge,Si)O20、Bi/有機ポリマーナノコンポジット等のうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が適当である。
電荷輸送層23の物質としては、例えば第1の導電層21に帯電される負電荷の移動度と、その逆極性となる正電荷の移動度の差が大きい程良く(例えば10以上、望ましくは10以上)ポリN−ビニルカルバゾール(PVK)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1'−ビフェニル〕−4,4'−ジアミン(TPD)やディスコティック液晶等の有機系化合物、あるいはTPDのポリマー(ポリカーボネート、ポリスチレン、PUK)分散物、Clを10〜200ppmドープしたa−Se等の半導体物質が適当である。特に、有機系化合物(PVK,TPD、ディスコティック液晶等)は光不感性を有するため好ましく、また、誘電率が一般に小さいため電荷輸送層23と読取用光導電層24の容量が小さくなり読取時の信号取り出し効率を大きくすることができる。なお、「光不感性を有する」とは、記録光や読取光の照射を受けても殆ど導電性を呈するものでないことを意味する。
読取用光導電層24の物質としては、a−Se,Se−Te,Se−As−Te,無金属フタロシアニン,金属フタロシアニン,MgPc(Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanine),CuPc(Cupper phtalocyanine)等のうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が好適である。
記録用光導電層22の厚さは、記録光を十分に吸収できるようにするには、50μm以上1000μm以下であるのが好ましい。
また電荷輸送層23と読取用光導電層24との厚さの合計は記録用光導電層22の厚さの1/2以下であることが望ましく、また薄ければ薄いほど読取時の応答性が向上するので、例えば1/10以下、さらには1/100以下等にするのが好ましい。本実施の形態では読取用光導電層24の厚さを10μmとした。
なお、上記各層の材料は、第1の導電層21に負電荷を、第2の導電層25に正電荷を帯電させて、記録用光導電層22と電荷輸送層23との界面に形成される蓄電部29に潜像極性電荷としての負電荷を蓄積せしめるとともに、電荷輸送層23を、潜像極性電荷としての負電荷の移動度よりも、その逆極性となる輸送極性電荷としての正電荷の移動度の方が大きい、いわゆる正孔輸送層として機能させるものとして好適なものの一例であるが、これらは、それぞれが逆極性の電荷であっても良く、このように極性を逆転させる際には、正孔輸送層として機能する電荷輸送層を電子輸送層として機能する電荷輸送層に変更する等の若干の変更を行なうだけでよい。
例えば、記録用光導電層22として上述のアモルファスセレンa−Se、酸化鉛(II)、ヨウ化鉛(II)等の光導電性物質が同様に使用でき、電荷輸送層23としてN−トリニトロフルオレニリデン・アニリン(TNFA)誘電体、トリニトロフルオレノン( TNF)/ポリエステル分散系、非対称ジフェノキノン誘導体が適当であり、読取用光導電層24として上述の無金属フタロシアニン、金属フタロシアニンが同様に使用できる。
第1の導電層21としては、記録光に対して透過性を有するものであればよく、例えば可視光に対して透過性を持たせる場合には、光透過性金属薄膜として周知のネサ皮膜(SnO )、ITO(Indium Tin Oxide)、あるいはエッチングのし易いアモルファス状光透過性酸化金属であるIDIXO(Idemitsu Indium X-metal Oxide ;出光興産(株))等の酸化金属を50〜200nm厚程度、好ましくは100nm以上にして用いることができる。また、アルミニウムAl、金Au、モリブデンMo、クロムCr等の純金属を、例えば20nm以下(好ましくは10nm程度)の厚さにすることによって可視光に対して透過性を持たせることもできる。なお、記録光としてX線を使用し、第1の導電層21側から該X線を照射して画像を記録する場合には、第1の導電層21としては可視光に対する透過性が不要であるから、該第1の導電層21は、例えば100nm厚のAlやAu等の純金属を用いることもできる。
第2の導電層25は、多数の読取光透過性のエレメント(電荷検出用線状電極)26aをストライプ状に配列して成るストライプ電極26と多数の読取光遮光性のエレメント(補助線状電極)27aをストライプ状に配列してなるサブストライプ電極27とを備えている。各エレメント26a,27aは、エレメント26aとエレメント27aとが交互にかつ互いに平行に配置されるように配列されている。なお、ストライプ電極26とサブストライプ電極27とは電気的に絶縁されている。サブストライプ電極27は、記録用光導電層22と電荷輸送層23との略界面に形成される蓄電部29に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための導電部材である。
ここで、ストライプ電極26の各エレメント26aを形成する電極材の材質としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IDIXO(Idemitsu Indium X-metal Oxide ;出光興産(株))、アルミニウムまたはモリブデン等を用いることができる。また、サブストライプ電極27の各エレメント27aを形成する電極材の材質としては、アルミニウム、モリブデンまたはクロム等を用いることができる。
この固体検出部20においては、記録用光導電層22を挟んで第1の導電層21と蓄電部29との間にコンデンサC*aが形成され、電荷輸送層23および読取用光導電層24を挟んで蓄電部29とストライプ電極26(エレメント26a)との間にコンデンサC*bが形成され、読取用光導電層24および電荷輸送層23を介して蓄電部29とサブストライプ電極27(エレメント27a)との間にコンデンサC*cが形成される。読取時における電荷再配列の際に、各コンデンサC*a、C*b、C*cに配分される正電荷の量Q+a、Q+b、Q+cは、総計Qが潜像極性電荷の量Qと同じで、各コンデンサの容量C、C、Cに比例した量となる。これを式で示すと下記のように表すことができる。
=Q=Q+a+Q+b+Q+c
+a=Q×C/(C+C+C
+b=Q×C/(C+C+C
+c=Q×C/(C+C+C
そして、固体検出部20から取り出し得る信号電荷量はコンデンサC*a、C*cに配分された正電荷の量Q+a、Q+cの合計(Q+a+Q+c)と同じくなり、コンデンサC*bに配分された正電荷は信号電荷として取り出せない(詳細は特許文献2参照)。
ここで、ストライプ電極26およびサブストライプ電極27によるコンデンサC*b、C*cの容量について考えてみると、容量比C:Cは、各エレメント26a、27aの幅の比W:Wとなる。一方、コンデンサC*aの容量CとコンデンサC*bの容量Cは、サブストライプ電極27を設けても実質的に大きな影響は現れない。
この結果、読取時における電荷再配列の際に、コンデンサC*bに配分される正電荷の量Q+bをサブストライプ電極27を設けない場合よりも相対的に少なくすることができ、その分だけ、サブストライプ電極27を介して固体検出部20から取り出し得る信号電荷量をサブストライプ電極27を設けない場合よりも相対的に大きくすることができる。
この固体検出部20のサブストライプ電極27の一端はスイッチ31の入力側に接続されており、このスイッチ31の出力側の一方はテスト信号発生手段30に、他方はグランドに接続されている。また、サブストライプ電極27の他端はグランドに接続されている。スイッチ31はドライバー32の制御により出力側の接続を切り替えるものであり、スイッチ31とドライバー32とから接続切替手段が構成されている。
また、固体検出部20のストライプ電極26の一端には、各エレメント26a毎に電流検出手段40が接続されており、これら電流検出手段40はマルチプレクサー41に接続されており、このマルチプレクサー41はAD変換器42に接続されている。
例えば上記特許文献2に記載されているように、固体検出部20において放射線画像の記録や読取りを行う場合には、接続切替手段によりエレメント27a(サブストライプ電極27)をグランドと接続し、エレメント26aおよびエレメント27aの断線の有無を確認する場合には、接続切替手段によりエレメント27a(サブストライプ電極27)をテスト信号発生手段30と接続する。
上記のように構成された固体検出部20のエレメント26aおよびエレメント27aの断線の有無を確認する方法について説明する。図3はエレメント27aにテスト信号を入力した際にエレメント26aから出力されるクロストーク信号を示した図である。
図3中の断線していないエレメント26aに着目した場合、このエレメント26aに隣接する2本のエレメント27aにテスト信号が入力されると、エレメント26aとエレメント27aとの間のカップリング容量C2つ分に応じたクロストーク信号がエレメント26aから出力される。
また、断線しているエレメント26a´に着目した場合、このエレメント26a´に隣接する2本のエレメント27aにテスト信号が入力されると、エレメント26a´とエレメント27aとの間のカップリング容量C2つ分に応じたクロストーク信号がエレメント26a´から出力される。
カップリング容量はC>Cとなることから、クロストーク信号の波形の高さはエレメント26aから出力される信号よりもエレメント26a´から出力される信号の方が低くなる。
同様に、エレメント27aに断線がある場合でも、この断線があるエレメント27aに隣接するエレメント26aから出力されるクロストーク信号の波形の高さは低くなる。
そのため、予め正常な場合のクロスクロストーク信号の波形の高さを測定して基準信号を取得しておき、各エレメント26aから出力される出力信号(クロストーク信号)をマルチプレクサー41から順次AD変換器42に出力し、AD変換器42によりデジタルデータ化して不図示のCPUにより基準信号の波形の高さと比較することにより、固体検出部20中のエレメント26aおよびエレメント27aの断線の有無を確認することが可能となる。
以上、本発明による放射線固体検出器の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない限りにおいて、種々変更することが可能である。
また、上記実施の形態による検出器は、記録用光導電層が、記録用の放射線の照射によって導電性を呈するものであるが、本発明による検出器の記録用光導電層は必ずしもこれに限定されるものではなく、記録用光導電層は、記録用の放射線の励起により発せられる光の照射によって導電性を呈するものとしてもよい(特許文献1参照)。この場合、第1の導電層の表面に記録用の放射線を、例えば青色光等、他の波長領域の光に波長変換するいわゆるX線シンチレータといわれる波長変換層を積層したものとするとよい。この波長変換層としては、例えばヨウ化セシウム(CsI)等を用いるのが好適である。また、第1の導電層は、記録用の放射線の励起により波長変換層で発せられた光に対して透過性を有するものとする。
さらに、上記実施の形態による検出器は、記録用光導電層と読取用光導電層との間に電荷輸送層を設け、記録用光導電層と電荷輸送層との界面に蓄電部を形成するようにしたものであるが、電荷輸送層をトラップ層に置き換えたものとしてもよい。トラップ層とした場合には、潜像電荷は、該トラップ層に捕捉され、該トラップ層内またはトラップ層と記録用光導電層の界面に潜像電荷が蓄積される。また、このトラップ層と記録用光導電層の界面において画素毎に個別にマイクロプレートを設けるようにしてもよい。
本発明の一実施の形態の放射線固体検出器の固体検出部の側面図 上記放射線固体検出器の概略構成図 エレメント(補助線状電極)27aにテスト信号を入力した際にエレメント(電荷検出用線状電極)26aから出力されるクロストーク信号を示す図
符号の説明
20 放射線固体検出器
21 第1の導電層
22 記録用光導電層
23 電荷輸送層
24 読取用光導電層
25 第2の導電層
26 ストライプ電極
26a エレメント(電荷検出用線状電極)
27 サブストライプ電極
27a エレメント(補助線状電極)
29 蓄電部
30 テスト信号発生手段
31 スイッチ
32 ドライバー
40 電流検出手段
41 マルチプレクサー
42 AD変換器

Claims (2)

  1. 記録光に対して透過性を有する第1の導電層、前記記録光の照射を受けることにより光導電性を呈する記録用光導電層、前記記録光の光量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部、読取光の照射を受けることにより光導電性を呈する読取用光導電層、および、多数の電荷検出用線状電極と多数の補助線状電極とを備え、前記電荷検出用線状電極と前記補助線状電極とが交互に配置された第2の導電層とをこの順に積層してなる固体検出部と、
    試験信号を発生する試験信号発生手段と、
    前記補助線状電極の少なくとも一端に、前記試験信号発生手段もしくはグランドのいずれか一方を接続する接続切替手段とを備えたことを特徴とする放射線固体検出器。
  2. 請求項1記載の放射線固体検出器を用いて、前記固体検出部の前記電荷検出用線状電極および前記補助線状電極の断線の有無を確認する放射線固体検出器の試験方法であって、
    前記補助線状電極に前記試験信号発生手段を接続し、
    前記補助線状電極に前記試験信号を入力し、
    該試験信号に基づいて該試験信号を入力した前記補助線状電極と隣接する前記電荷検出用線状電極から出力される出力信号を検出し、
    該出力信号を所定の基準信号と比較することにより前記電荷検出用線状電極および前記補助線状電極の断線の有無を確認することを特徴とする放射線固体検出器の試験方法。
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