JP2003031836A - 放射線固体検出器 - Google Patents

放射線固体検出器

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JP2003031836A
JP2003031836A JP2001211998A JP2001211998A JP2003031836A JP 2003031836 A JP2003031836 A JP 2003031836A JP 2001211998 A JP2001211998 A JP 2001211998A JP 2001211998 A JP2001211998 A JP 2001211998A JP 2003031836 A JP2003031836 A JP 2003031836A
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JP2001211998A
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English (en)
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Masaharu Ogawa
正春 小川
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サブストライプ電極を設けた放射線固体検出
器において、サブストライプ電極の耐久性を向上させ
る。 【解決手段】 第1導電層21、記録用光導電層22、
電荷輸送層23、読取用光導電層24、ストライプ電極
26およびサブストライプ電極27を備えた第2導電層
25、絶縁層30、支持体18をこの順に配し、支持体
18上の各エレメント27aおよびエレメント26aと
エレメント27aとの間に対応する部分に遮光膜31を
設け、放射線固体検出器20aを構成する。このとき、
エレメント27aを、ITOからなる導電材料層42
と、Alからなる遮光材料層41とを積層して構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照射された放射線
の線量或いは該放射線の励起により発せられる光の光量
に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有
する放射線固体検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、医療診断等を目的とする放射線撮
影において、放射線を検出して得た電荷を潜像電荷とし
て蓄電部に一旦蓄積し、該蓄積した潜像電荷を放射線画
像情報を表す電気信号に変換して出力する放射線固体検
出器(以下単に検出器ともいう)を使用する放射線画像
情報記録読取装置が各種提案されている。この装置にお
いて使用される放射線固体検出器としては、種々のタイ
プのものが提案されているが、蓄積された電荷を外部に
読み出す電荷読出プロセスの面から、検出器に読取光
(読取用の電磁波)を照射して読み出す光読出方式のも
のがある。
【0003】本出願人は、読出しの高速応答性と効率的
な信号電荷の取り出しの両立を図ることができる光読出
方式の放射線固体検出器として、特開2000−105
297号、特開2000−284056号、特開200
0−284057号において、記録用の放射線或いは該
放射線の励起により発せられる光(以下記録光という)
に対して透過性を有する第1導電層、記録光を受けるこ
とにより導電性を呈する記録用光導電層、第1導電層に
帯電される電荷と同極性の電荷に対しては略絶縁体とし
て作用し、かつ、該同極性の電荷と逆極性の電荷に対し
ては略導電体として作用する電荷輸送層、読取光(読取
用の電磁波)の照射を受けることにより導電性を呈する
読取用光導電層、読取光に対して透過性を有する第2導
電層を、この順に積層して成り、記録用光導電層と電荷
輸送層との界面に形成される蓄電部に、画像情報を担持
する信号電荷(潜像電荷)を蓄積する検出器を提案して
いる。
【0004】そして、上記特開2000−284056
号および特開2000−284057号においては、特
に、読取光に対して透過性を有する第2導電層の電極を
多数の読取光に対して透過性を有する光電荷対発生線状
電極からなるストライプ電極とすると共に、蓄電部に蓄
積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力
させるための多数の光電荷対非発生線状電極を、前記光
電荷対発生線状電極と交互にかつ互いに平行となるよう
に、第2導電層内に設けた検出器を提案している。
【0005】このように、多数の光電荷対非発生線状電
極からなるサブストライプ電極を第2導電層内に設ける
ことにより、蓄電部とサブストライプ電極との間に新た
なコンデンサが形成され、記録光によって蓄電部に蓄積
された潜像電荷と逆極性の輸送電荷を、読取りの際の電
荷再配列によってこのサブストライプ電極にも帯電させ
ることが可能となる。これにより、読取用光導電層を介
してストライプ電極と蓄電部との間で形成されるコンデ
ンサに配分される前記輸送電荷の量を、このサブストラ
イプ電極を設けない場合よりも相対的に少なくすること
ができ、結果として検出器から外部に取り出し得る信号
電荷の量を多くして読取効率を向上させると共に、読出
しの高速応答性と効率的な信号電荷の取り出しの両立を
も図ることができるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なサブストライプ電極を備えた検出器においては、読取
時に、読取用光導電層のサブストライプ電極に対応する
部位に読取光が照射されると、潜像電荷を蓄積する蓄電
部とサブストライプ電極との間で放電が生じるため、検
出器から外部に取り出し得る信号電荷の量が減少してし
まい、読取効率が低下してしまう。そのため、サブスト
ライプ電極をなす電荷対非発生線状電極は遮光性を有す
る必要がある。
【0007】また、第2導電層と読取光照射手段との間
の、各線状電極間および光電荷対非発生線状電極に対応
する部分に、読取光を遮断する遮光膜を設ける方法もあ
るが、この場合においても、遮光膜を透過してきた読取
光や、遮光膜の隙間から散乱してきた読取光を、さらに
遮断することができるため、サブストライプ電極は遮光
性の導電材料で構成することが望ましい。
【0008】そのため、サブストライプ電極を構成する
材料には、遮光性を有する導電材料として、Al、Mo
またはCr等の金属材料が用いられていた。
【0009】しかしながら、サブストライプ電極は10
0nm程度の極薄に形成されるため、上記金属材料では
いずれも電極に電流が流れるときのジュール熱により極
薄の金属層が破損する虞があるため耐久性に問題があっ
た。さらに、Crの場合については環境への影響が懸念
されるため、使用するのは好ましくない。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、サブストライプ電極を設けた放射線固体検出器
において、サブストライプ電極の耐久性を向上させた放
射線固体検出器を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による放射線固体
検出器は、記録光に対して透過性を有する第1の導電層
と、記録光の照射を受けることにより光導電性を呈する
記録用光導電層と、記録光の光量に応じた量の電荷を潜
像電荷として蓄積する蓄電部と、読取光の照射を受ける
ことにより光導電性を呈する読取用光導電層と、読取光
に対して透過性を有する多数の光電荷対発生線状電極
と、読取光に対して遮光性を有する多数の光電荷対非発
生線状電極とを備え、光電荷対発生線状電極と光電荷対
非発生線状電極とが交互に配置された第2の導電層と
を、この順に積層してなる放射線固体検出器において、
光電荷対非発生線状電極が、読取光に対して透過性を有
する導電材料層と、読取光に対して遮光性を有する遮光
材料層とを積層してなるものであることを特徴とするも
のである。
【0012】ここで「放射線固体検出器」は、第1の導
電層、記録用光導電層、読取用光導電層および第2の導
電層をこの順に有すると共に、記録用光導電層と読取用
光導電層との間に蓄電部が形成されて成るものであっ
て、さらに他の層や微小導電部材(マイクロプレート)
等を積層して成るものであってもかまわない。また、こ
の放射線固体検出器は、放射線画像情報を担持する光
(放射線もしくは放射線の励起により発生した光)を照
射することによって、画像情報を静電潜像として記録さ
せることができるものであればどのようなものでもよ
い。
【0013】なお、上記蓄電部を形成する方法として
は、電荷輸送層を設けてこの電荷輸送層と記録用光導電
層との界面に蓄電部を形成する方法(本出願人による特
開2000−105297号公報、特開2000−28
4056号公報参照)、トラップ層を設けこのトラップ
層内若しくはトラップ層と記録用光導電層との界面に蓄
電部を形成する方法(例えば、米国特許第453546
8号参照)、或いは潜像電荷を集中させて蓄電する微小
導電部材等を設ける方法(本出願人による特開2000
−284057号公報参照)等を用いるとよい。
【0014】また、「読取光に対して透過性を有する光
電荷対発生線状電極」とは、読取光を透過させ読取用光
導電層に電荷対を発生せしめるための電極であり、「読
取光に対して遮光性を有する光電荷対非発生線状電極」
とは、読取光を遮断し読取用光導電層に電荷対を発生さ
せない電極であり、蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に
応じたレベルの電気信号を出力させるための電極であ
る。ここで、「遮光性」とは、読取光を完全に遮断して
全く電荷対を発生させないものに限らず、その読取光に
対する多少の透過性は有していてもそれにより発生する
電荷対が実質的に問題とならない程度のものも含むもの
とする。従って、読取用光導電層に発生する電荷対は全
て光電荷対発生線状電極を透過した読取光のみによるも
のとは限らず、光電荷対非発生線状電極を僅かに透過し
た読取光によっても読取用光導電層において電荷対が発
生しうるものとする。
【0015】さらに、「読取光」は、静電記録体におけ
る電荷の移動を可能として、電気的に静電潜像を読み取
ることを可能とするものであればよく、具体的には光や
放射線等である。
【0016】本発明において、遮光材料層は、導電材料
層よりも読取用光導電層側に位置することが望ましく、
また、遮光材料層の幅は、導電材料層の幅よりも広いこ
とが望ましい。
【0017】さらに、遮光材料層はAl、導電材料層は
ITOからなるものとするのが望ましい。
【0018】なお、本発明による検出器を使用して放射
線画像の記録や読取りを行うに際しては、例えば、特開
2000−284056号公報に記載されたような、本
発明を適用しない従来の検出器を用いた記録方法および
読取方法並びにその装置を変更することなく、そのまま
利用することができる。
【0019】
【発明の効果】本発明による放射線固体検出器によれ
ば、サブストライプ電極を構成する光電荷対非発生線状
電極を、Al等の金属層からなる遮光材料層と、熱に強
いITO等の酸化物により形成される導電材料層とを積
層して構成することにより熱損傷が軽減されるため、サ
ブストライプ電極の耐久性を向上させることができる。
【0020】また、導電材料層にITOを用いることに
より、同じ材質であるストライプ電極を構成する光電荷
対発生線状電極と同時に形成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は本発明の放射線固体
検出器の第1の実施の形態の概略構成を示す図であり、
図1(A)は放射線固体検出器20aの斜視図、図1
(B)は放射線固体検出器20aのQ矢指部のXZ断面
図、図1(C)は放射線固体検出器20aのP矢指部の
XY断面図である。
【0022】この放射線固体検出器20aは、被写体を
透過したX線等の放射線の画像情報を担持する記録光
(放射線もしくは放射線の励起により発生した光)に対
して透過性を有する第1導電層21、この第1導電層2
1を透過した記録光の照射を受けることにより電荷対を
発生し導電性を呈する記録用光導電層22、前記電荷対
の内の潜像極性電荷(例えば負電荷)に対しては略絶縁
体として作用し、かつ該潜像極性電荷と逆極性の輸送極
性電荷(上述の例においては正電荷)に対しては略導電
体として作用する電荷輸送層23、読取光の照射を受け
ることにより電荷対を発生して導電性を呈する読取用光
導電層24、ストライプ電極26およびサブストライプ
電極27を備えた第2導電層25、読取光に対して透過
性を有する絶縁層30、読取光に対して透過性を有する
支持体18をこの順に配してなるものである。記録用光
導電層22と電荷輸送層23との界面に、記録用光導電
層22内で発生した画像情報を担持する潜像極性電荷を
蓄積する2次元状に分布した蓄電部29が形成される。
【0023】支持体18としては、読取光に対して透明
なガラス基板等を用いることができる。また、読取光に
対して透明であることに加えて、その熱膨張率が読取用
光導電層24の物質の熱膨張率と比較的近い物質を使用
するとより望ましい。例えば、読取用光導電層24とし
てa−Se(アモルファスセレン)を使用する場合であ
れば、Seの熱膨張率が3.68×10−5/K@40
℃ であることを考慮して、熱膨張率が1.0〜10.
0×10−5/K@40℃、より好ましくは、4.0〜
8.0×10−5/K@40℃である物質を使用する。
熱膨張率がこの範囲の物質としては、ポリカーボネート
やポリメチルメタクリレート(PMMA)等の有機ポリ
マー材料を使用することができる。これによって、基板
としての支持体18と読取用光導電層24(Se膜)と
の熱膨張のマッチングがとれ、特別な環境下、例えば寒
冷気候条件下での船舶輸送中等において、大きな温度サ
イクルを受けても、支持体18と読取用光導電層24と
の界面で熱ストレスが生じ、両者が物理的に剥離する、
読取用光導電層24が破れる、あるいは支持体18が割
れる等、熱膨張差による破壊の問題が生じることがな
い。さらに、ガラス基板に比べて有機ポリマー材料は衝
撃に強いというメリットがある。
【0024】記録用光導電層22の物質としては、a−
Se(アモルファスセレン)、PbO、PbI 等の
酸化鉛(II)やヨウ化鉛(II)、Bi12(Ge,S
i)O 20、Bi/有機ポリマーナノコンポジッ
ト等のうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質
が適当である。
【0025】電荷輸送層23の物質としては、例えば第
1導電層21に帯電される負電荷の移動度と、その逆極
性となる正電荷の移動度の差が大きい程良く(例えば1
以上、望ましくは10以上)ポリN−ビニルカル
バゾール(PVK)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス
(3−メチルフェニル)−〔1,1'−ビフェニル〕−4,4'
−ジアミン(TPD)やディスコティック液晶等の有機
系化合物、或いはTPDのポリマー(ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、PUK)分散物、Clを10〜20
0ppmドープしたa−Se等の半導体物質が適当であ
る。特に、有機系化合物(PVK,TPD、ディスコテ
ィック液晶等)は光不感性を有するため好ましく、ま
た、誘電率が一般に小さいため電荷輸送層23と読取用
光導電層24の容量が小さくなり読取時の信号取り出し
効率を大きくすることができる。なお、「光不感性を有
する」とは、記録光や読取光の照射を受けても殆ど導電
性を呈するものでないことを意味する。
【0026】読取用光導電層24の物質としては、a−
Se,Se−Te,Se−As−Te,無金属フタロシ
アニン,金属フタロシアニン,MgPc(Magnesium ph
talocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthal
ocyanine),CuPc(Cupper phtalocyanine)等のう
ち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が好適で
ある。
【0027】記録用光導電層22の厚さは、記録光を十
分に吸収できるようにするには、50μm以上1000
μm以下であるのが好ましい。
【0028】また電荷輸送層23と読取用光導電層24
との厚さの合計は記録用光導電層22の厚さの1/2以
下であることが望ましく、また薄ければ薄いほど読取時
の応答性が向上するので、例えば1/10以下、さらに
は1/100以下等にするのが好ましい。
【0029】なお、上記各層の材料は、第1導電層21
に負電荷を、第2導電層25に正電荷を帯電させて、記
録用光導電層22と電荷輸送層23との界面に形成され
る蓄電部29に潜像極性電荷としての負電荷を蓄積せし
めるとともに、電荷輸送層23を、潜像極性電荷として
の負電荷の移動度よりも、その逆極性となる輸送極性電
荷としての正電荷の移動度の方が大きい、いわゆる正孔
輸送層として機能させるものとして好適なものの一例で
あるが、これらは、それぞれが逆極性の電荷であっても
良く、このように極性を逆転させる際には、正孔輸送層
として機能する電荷輸送層を電子輸送層として機能する
電荷輸送層に変更する等の若干の変更を行なうだけでよ
い。
【0030】例えば、記録用光導電層22として上述の
アモルファスセレンa−Se、酸化鉛(II)、ヨウ化鉛
(II)等の光導電性物質が同様に使用でき、電荷輸送層
23としてN−トリニトロフルオレニリデン・アニリン
(TNFA)誘電体、トリニトロフルオレノン( TNF)/ポ
リエステル分散系、非対称ジフェノキノン誘導体が適当
であり、読取用光導電層24として上述の無金属フタロ
シアニン、金属フタロシアニンが同様に使用できる。
【0031】また、上記検出器20aでは、蓄電部29
を記録用光導電層22と電荷輸送層23との界面に形成
していたが、これに限らず、例えば米国特許第 4535468
号に記載のように、潜像極性電荷をトラップとして蓄積
するトラップ層により蓄電部を形成してもよい。
【0032】第1導電層21としては、記録光に対して
透過性を有するものであればよく、例えば可視光に対し
て透過性を持たせる場合には、光透過性金属薄膜として
周知のネサ皮膜(SnO2 )、ITO(Indium Tin O
xide)、あるいはエッチングのし易いアモルファス状光
透過性酸化金属であるIDIXO(Idemitsu IndiumX-m
etal Oxide ;出光興産(株))等の酸化金属を50〜
200nm厚程度、好ましくは100nm以上にして用
いることができる。また、アルミニウムAl、金Au、
モリブデンMo、クロムCr等の純金属を、例えば20
nm以下(好ましくは10nm程度)の厚さにすること
によって可視光に対して透過性を持たせることもでき
る。なお、記録光としてX線を使用し、第1導電層21
側から該X線を照射して画像を記録する場合には、第1
導電層21としては可視光に対する透過性が不要である
から、該第1導電層21は、例えば100nm厚のAl
やAu等の純金属を用いることもできる。
【0033】第2導電層25は、多数の読取光透過性の
エレメント(光電荷対発生線状電極)26aをストライ
プ状に配列して成るストライプ電極26と多数の読取光
遮光性のエレメント(光電荷対非発生線状電極)27a
をストライプ状に配列してなるサブストライプ電極27
とを備えている。各エレメント26a,27aは、エレ
メント26aとエレメント27aとが交互にかつ互いに
平行に配置されるように配列されている。両エレメント
の間は読取用光導電層24の一部が介在しており、スト
ライプ電極26とサブストライプ電極27とは電気的に
絶縁されている。サブストライプ電極27は、記録用光
導電層22と電荷輸送層23との略界面に形成される蓄
電部29に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電
気信号を出力させるための導電部材である。
【0034】ここで、ストライプ電極26の各エレメン
ト26aを形成する電極材の材質としてはITO(Indi
um Tin Oxide)を50〜200nm厚程度にして用い
る。また、サブストライプ電極27の各エレメント27
aは、透過性を有する導電材料層42と、遮光性を有す
る遮光材料層41とを積層してなるものであり、導電材
料層42を形成する電極材の材質としてはITO(Indi
um Tin Oxide)を50〜200nm厚程度にして用い
る。導電材料層42に、エレメント26aと同じITO
を用いることにより、導電材料層42とエレメント26
aを同時に生成することができるため製作工程の効率化
を図ることができる。さらに生成した導電材料層42上
に、遮光材料層41としてアルミニウムを50〜200
nm厚程度コーティングする。このとき図2(A)に示
すように、遮光材料層41を、導電材料層42の上部を
覆うように生成すれば、導電材料層42側から入射して
くる読取光を遮光することができるが、遮光材料層41
と導電材料層42との位置合わせが厳しくなる。そのた
め、図2(B)または図2(C)に示すように、遮光材
料層41を、導電材料層42の側面をも覆うように生成
すれば、より確実に遮光することが可能になるととも
に、生成時の位置合わせが容易になる。
【0035】なお、本実施の形態において第2導電層2
5は、約100nm厚のITOをエッチング処理して、
ストライプ電極26の各エレメント26aと、サブスト
ライプ電極27の各エレメント27aを構成する導電材
料層42とを形成し、さらに導電材料層42上にアルミ
ニウムを約100nm厚コーティングしたものとする。
【0036】また、遮光材料層41に用いる材料として
はアルミニウム以外にも例えばモリブデン等の遮光性を
有する材料を用いることができ、導電材料層42に用い
る材料としてはITO以外にも例えば第1導電層21に
用いる材料と同様のものを用いることができる。また、
遮光材料層41上に導電材料層42を積層しても同様の
効果を得ることができる。
【0037】さらに支持体18上の各エレメント27a
およびエレメント26aとエレメント27aとの間に対
応する部分に、読取光のエレメント27aへの照射強度
が読取光のエレメント26aへの照射強度よりも小さく
なるように光透過性の劣る部材からなる遮光膜31が設
けられている。ここで、エレメント27aは遮光性を有
するため、エレメント27aに対応する部分には遮光膜
31を必ずしも設ける必要はないが、遮光膜31を設け
ることによってより確実に遮光することができる。
【0038】この遮光膜31の部材としては、必ずしも
絶縁性を有しているものでなくてもよく、遮光膜31の
比抵抗が2×10−6以上(さらに好ましくは1×10
15Ω・cm以下)のものを使用することができる。例
えば金属材料であればAl、Mo、Cr等を用いること
ができ、有機材料であればMOS、WSi、TiN
等を用いることができる。なお、遮光膜31の比抵抗が
1Ω・cm以上のものを使用するとより好ましい。
【0039】また、少なくとも遮光膜31の部材として
金属材料等導電性の部材を使用したときには、遮光膜3
1とエレメント27aとの直接接触を避けるため両者の
間に絶縁物を配する。本実施形態の検出器20aは、こ
の絶縁物として、第2導電層25と支持体18との間に
SiO等からなる絶縁層30を設けている。この絶縁
層30の厚さは、0.01〜10μm程度、より好まし
くは0.1μ〜1μm程度、最も好ましくは0.5μm
程度がよい。
【0040】この検出器20aにおいては、記録用光導
電層22を挟んで第1電極21と蓄電部29との間にコ
ンデンサC*aが形成され、電荷輸送層23および読取
用光導電層24を挟んで蓄電部29とストライプ電極2
6(エレメント26a)との間にコンデンサC*bが形
成され、読取用光導電層24および電荷輸送層23を介
して蓄電部29とサブストライプ電極27(エレメント
27a)との間にコンデンサC*cが形成される。読取
時における電荷再配列の際に、各コンデンサC *a、C
*b、C*cに配分される正電荷の量Q+a、Q+b
+cは、総計Qが潜像極性電荷の量Qと同じで、
各コンデンサの容量C、C、Cに比例した量とな
る。これを式で示すと下記のように表すことができる。
【0041】 Q =Q =Q+a+Q+b+Q+c+a =Q ×C /(C +C +C
) Q+b =Q ×C /(C +C +C
) Q+c =Q ×C /(C +C +C
) そして、検出器20aから取り出し得る信号電荷量はコ
ンデンサC*a、C に配分された正電荷の量
+a、Q+cの合計(Q+a+Q+c)と同じくな
り、コンデンサC*bに配分された正電荷は信号電荷と
して取り出せない(詳細は特開2000−284056
号公報参照)。
【0042】ここで、ストライプ電極26およびサブス
トライプ電極27によるコンデンサC*b、C*cの容
量について考えてみると、容量比C:Cは、各エレ
メント26a、27aの幅の比Wb:Wcとなる。一
方、コンデンサC*aの容量C とコンデンサC*b
容量Cは、サブストライプ電極27を設けても実質的
に大きな影響は現れない。
【0043】この結果、読取時における電荷再配列の際
に、コンデンサC*bに配分される正電荷の量Q+b
サブストライプ電極27を設けない場合よりも相対的に
少なくすることができ、その分だけ、サブストライプ電
極27を介して検出器20aから取り出し得る信号電荷
量をサブストライプ電極27を設けない場合よりも相対
的に大きくすることができる。
【0044】また、本発明による放射線固体検出器によ
れば、サブストライプ電極27を構成するエレメント2
7a(光電荷対非発生線状電極)を、読取光に対して透
過性を有する導電材料層42と、読取光に対して遮光性
を有する遮光材料層41とを積層して構成したため、サ
ブストライプ電極27の耐久性を向上させることができ
る。
【0045】以上、本発明による放射線固体検出器の好
ましい実施の形態について説明したが、本発明は上記実
施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更
しない限りにおいて、種々変更することが可能である。
【0046】例えば、上記実施の形態による検出器は、
記録用光導電層が、記録用の放射線の照射によって導電
性を呈するものであるが、本発明による検出器の記録用
光導電層は必ずしもこれに限定されるものではなく、記
録用光導電層は、記録用の放射線の励起により発せられ
る光の照射によって導電性を呈するものとしてもよい
(特開2000−105297号公報参照)。この場
合、第1導電層の表面に記録用の放射線を、例えば青色
光等、他の波長領域の光に波長変換するいわゆるX線シ
ンチレータといわれる波長変換層を積層したものとする
とよい。この波長変換層としては、例えばヨウ化セシウ
ム(CsI)等を用いるのが好適である。また、第1導電
層は、記録用の放射線の励起により波長変換層で発せら
れた光に対して透過性を有するものとする。
【0047】また、上記実施の形態による検出器20a
は、記録用光導電層と読取用光導電層との間に電荷輸送
層を設け、記録用光導電層と電荷輸送層との界面に蓄電
部を形成するようにしたものであるが、電荷輸送層をト
ラップ層に置き換えたものとしてもよい。トラップ層と
した場合には、潜像電荷は、該トラップ層に捕捉され、
該トラップ層内またはトラップ層と記録用光導電層の界
面に潜像電荷が蓄積される。また、このトラップ層と記
録用光導電層の界面に、画素毎に、格別に、マイクロプ
レートを設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による放射線固体検
出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P
矢指部のXY断面図(C)
【図2】本発明による放射線固体検出器の光電荷対非発
生線状電極の断面図
【符号の説明】
20a 放射線固体検出器 21 第1導電層 22 記録用光導電層 23 電荷輸送層 24 読取用光導電層 25 第2導電層 26 ストライプ電極 26a エレメント(線状電極) 27 サブストライプ電極 27a エレメント(サブ線状電極) 29 蓄電部 41 遮光材料層 42 導電材料層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 27/146 H01L 31/00 A 5F088 H04N 5/32 27/14 C Fターム(参考) 2G083 AA04 CC06 CC10 DD01 DD11 DD16 DD17 EE08 2G088 EE01 FF02 GG21 JJ05 JJ32 JJ37 KK32 LL12 4M118 AB01 BA05 CA14 CA32 CB05 CB11 FB03 FB09 5B047 AA30 BB04 BC01 5C024 AX11 CY48 DX04 EX24 GX09 GZ01 5F088 AA20 AB05 BB07 FA04 FA09 HA10 LA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録光に対して透過性を有する第1の導
    電層と、 前記記録光の照射を受けることにより光導電性を呈する
    記録用光導電層と、 前記記録光の光量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄
    積する蓄電部と、 読取光の照射を受けることにより光導電性を呈する読取
    用光導電層と、 前記読取光に対して透過性を有する多数の光電荷対発生
    線状電極と、前記読取光に対して遮光性を有する多数の
    光電荷対非発生線状電極とを備え、前記光電荷対発生線
    状電極と前記光電荷対非発生線状電極とが交互に配置さ
    れた第2の導電層とを、この順に積層してなる放射線固
    体検出器において、 前記光電荷対非発生線状電極が、前記読取光に対して透
    過性を有する導電材料層と、前記読取光に対して遮光性
    を有する遮光材料層とを積層してなるものであることを
    特徴とする放射線固体検出器。
  2. 【請求項2】 前記遮光材料層が、前記導電材料層より
    も前記読取用光導電層側に位置することを特徴とする請
    求項1記載の放射線固体検出器。
  3. 【請求項3】 前記遮光材料層の幅が、前記導電材料層
    の幅よりも広いことを特徴とする請求項1または2記載
    の放射線固体検出器。
  4. 【請求項4】 前記遮光材料層がAl、前記導電材料層
    がITOからなることを特徴とする請求項1から3のい
    ずれか1項記載の放射線固体検出器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7365353B2 (en) 2005-05-23 2008-04-29 Fujifilm Corporation Radiation image detector

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EP1768191A2 (en) 2005-09-27 2007-03-28 FUJIFILM Corporation Radiation image detector with optically controlled charge readout
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