JP2007231368A - 蒸着材料蒸発装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定以上の深さを有する蒸着容器を備えた蒸着材料蒸発装置において、蒸着材料加熱時に生じる突沸を抑制する。
【解決手段】蒸着材料5に、蒸着容器11の深さ方向に、容器底面に向かって温度が低くなる温度勾配を持たせるように蒸着材料5を加熱する加熱手段15を備える。蒸着容器の外周であって、深さ方向に異なる位置に配置された複数のヒータを備え、蒸着材料の上方側に配されているヒータの設定温度が容器底面側に配されているヒータの設定温度より高い設定温度とされる。
【選択図】図1

Description

本発明は蒸着材料蒸発装置に関し、特に、蒸着材料を収容する所定以上の深さを有する蒸着容器を備えた蒸着材料蒸発装置に関するものである。
従来、真空の処理室内で蒸着材料を蒸発させて基板に成膜を行う蒸着装置は広く知られている。このような装置では、蒸着材料を収容する蒸着容器と、蒸着材料を加熱する加熱手段を備えた蒸着材料蒸発装置を備え、蒸着材料を蒸発させ基板に蒸着させるよう構成されている。
従来の蒸発装置の加熱手段は、蒸着容器を外周側から加熱して間接的に蒸着材料を加熱し蒸発させる構成となっており、容器の中心側と周辺側とで蒸着材料に大きな温度差が生じるという問題があった。このような問題を解決するために特許文献1においては、容器の上方に輻射ヒーターを配置し、蒸着材料の表面から輻射熱により蒸着材料を直接加熱し、蒸発材料の蒸発面において均一な温度となるように構成した蒸発装置が提案されている。
さて一方、医療分野などにおいて、被写体を透過した放射線の照射を受けて電荷を発生し、その電荷を蓄積することにより被写体に関する放射線画像を記録する放射線画像検出器(固体検出器)が各種提案、実用化されている。放射線画像検出器としては、たとえば、特許文献2には、放射線を透過する第1の電極層、放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層、潜像電荷に対しては絶縁体として作用し、かつ潜像電荷と逆極性の輸送電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層、および読取光を透過する線状に延びる透明線状電極と読取光を遮光する線状に延びる遮光線状電極とが平行に交互に配列された第2の電極層をこの順に積層してなる放射線画像検出器が提案されている。
このような放射線画像検出器の光導電層を蒸着により製造する方法が例えば特許文献3に記載されている。放射線画像検出器を製造する場合には、放射線画像を検出するために略17インチ以上の大型の基板に対する真空蒸着を行う必要があり、かつ、感度を高めるために数百μm以上の厚膜の層を形成する必要がある。
特開2002−348658号公報 特開2000−284056号公報 特開2000−319773号公報
上述のように大型の基板に厚膜の層を形成するためには、蒸着容器として、ある程度の深さを有する容積の大きなものを用いる必要がある。このような場合、蒸着材料の蒸発面近傍と、容器内部での温度との間に温度差が生じる場合があり、液面よりも溶液内部の温度が高いと、その部分が選択的に蒸発を起こして突沸を生じてしまう。この突沸により団子状の粒子が一度に蒸発し、基板に付着すると突起状の欠陥(膜欠陥)を形成することがある。
本発明は、上記事情に鑑み、所定以上の深さを有する蒸着容器を備えた蒸着材料蒸発装置であって、蒸着材料加熱時に該蒸着材料の突沸を抑制することができる蒸着材料蒸発装置を提供することを目的とするものである。
本発明の蒸着材料蒸発装置は、蒸着材料を収容する所定以上の深さを有する蒸着容器と、該蒸着容器に収容された前記蒸着材料を加熱する加熱手段とを備え、前記蒸着材料を加熱蒸発させる蒸着材料蒸発装置において、
前記加熱手段が、前記蒸着材料に、前記深さ方向に、容器底面に向かって温度が低くなる温度勾配を持たせるように該蒸着材料を加熱するものであることを特徴とするものである。
ここで、「所定以上の深さ」とは、蒸着容器の開口部の最短径あるいは短手方向の長さの1/2以上の深さをいうものとする。蒸着容器の開口が円形である場合にはその直径が最短径であり、開口が楕円である場合には短軸の長さ(短径)が最短径であり、開口が長方形である場合にはその短い方の辺(幅)の長さが短手方向の長さである。また、深さは開口位置から容器底面までの距離であるが、容器底面が平面でない場合には、最深部での深さとする。
前記加熱手段は、前記蒸着容器の外周に配置された複数のヒーターを備え、該複数のヒーターが、前記深さ方向に異なる位置に配列されており、前記加熱する際に前記蒸着材料の上方側に配されているヒーターの設定温度が前記容器底面側に配されているヒーターより高い設定温度とされるもので構成することができる。
また、前記加熱手段は、前記蒸着材料の上方に配置され、該上方から前記蒸着材料を加熱するヒーターを備える構成とすることができる。
あるいは、前記加熱手段は、前記蒸着容器の外周に配置された、前記蒸着材料の最上部に対応する位置側から前記容器底面側に亘って延びる抵抗発熱型ヒーターを備え、該ヒーターに電流を導通するためのリード線が前記蒸着材料の最上部に対応する位置近傍に配置されている構成であってもよい。
さらに、前記加熱手段は、前記蒸着容器の外周に巻かれたコイル状ヒーターを備え、該ヒーターが、前記深さ方向に前記容器底面側に向かって巻数の密度が徐々に小さくなるように前記蒸着容器の外周に巻かれてなるものであってもよい。
本発明の蒸着材料蒸発装置は、加熱手段が、蒸着材料を、該蒸着材料に、深さ方向に、容器底面に向かって温度が低くなる温度勾配を持たせるように加熱するので、溶融された蒸着材料の液面側が内部と比較して高温となり、液面での蒸発が促進され、内部からの蒸発を抑えて突沸を抑制することができる。
加熱手段が、蒸着容器の外周に配置された複数のヒーターを備え、該複数のヒーターが、深さ方向に異なる位置に配列されており、加熱する際に蒸着材料の上方側に配されているヒーターの設定温度が容器底面側に配されているヒーターより高い設定温度とされるものであれば、蒸着材料に、深さ方向に、容器底面に向かって温度が低くなる温度勾配を容易かつ精度よく持たせることができる。
また、加熱手段が、蒸着材料の上方に配置され、該上方から前記蒸着材料を加熱するヒーターを備えたものであれば、蒸着材料の上方(蒸着材料の表面側)からの加熱により、蒸着材料表面の温度を容器内部および底面側と比較して高温に保つことができる。
加熱手段が、蒸着容器の外周に配置された、蒸着材料の最上部に対応する位置側から容器底面側に亘って延びる抵抗発熱型ヒーターを備え、該ヒーターに電流を導通するためのリード線が蒸着材料の最上部に対応する位置近傍に配置されているものであれば、通電時にヒーターの蒸着材料の最上部に対応する部分の電流密度が容器底面側に対応する部分の電流密度よりも大きくなるので、容易な構成で、蒸着材料に、深さ方向に、容器底面に向かって温度が低くなる温度勾配を持たせることができる。
加熱手段が、蒸着容器の外周に巻かれたコイル状ヒーターを備え、該ヒーターが、深さ方向に容器底面側に向かって巻数の密度が徐々に小さくなるように蒸着容器の外周に巻かれてなるものであれば、巻数の密度が大きいほど発熱量が大きくなるので、容器の底面側に向かって発熱量は小さくなり、蒸着材料に、深さ方向に、容器底面に向かって温度が低くなる温度勾配を精度よく持たせることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、蒸着材料を加熱して蒸発させ基板に蒸着させることにより基板に膜を形成する蒸着装置1の概略構成を示す模式図である。
蒸着装置1は、処理室2と、処理室2の内部の上面に設けられて基板3を保持する基板ホルダ4と、蒸着材料を蒸発させる本発明の第1の実施形態の蒸着材料蒸発装置10を備えている。
本実施形態の蒸着材料蒸発装置10は、蒸着材料5を収容する蒸着容器11と、蒸着容器11を加熱する加熱手段15とを備えている。加熱手段15は、蒸着容器11を外部から加熱することにより蒸着材料を間接的に加熱溶融させ蒸発させる手段であり、ここでは、蒸着容器11の外周に配置された3つの外周ヒーター16a、16b、16cと、3つのヒーター16a、16b、16cにリード線17(17a、17b、17c)を介して接続される電源を内包し、各ヒーターの設定温度を制御する温度制御部18とを備える。なお、図1において蒸着容器およびヒーター等の支持部材の図示は省略している。
図2は蒸着材料蒸発装置10の蒸着容器11およびヒーター16a、16b、16cの詳細を示す図であり、図2(A)は斜視図、図2(B)は同図(A)の2B−2B断面図である。蒸着容器11は円筒形で、容器直径はD、容器深さはhである。本発明は最短径(ここでは直径)Dと深さhとの関係が、h≧D/2である蒸着容器を備える蒸発装置を対象とするものであり、本実施形態の蒸着容器11はh≧D/2を満たす直径Dおよび深さhを有する。
ヒーター16a、16b、16cは幅Wのタンタル板を円筒状に形成して構成されたものであり、ヒーター16aが最も容器深さ方向の上部、ヒーター16bが中央部、ヒーター16cが下部となるようにそれぞれ容器深さ互いに異なる位置に配置されている。温度制御部18は、ヒーター16a、ヒーター16b、ヒーター16cのそれぞれの設定温度Ta、Tb、Tcが、Ta>Tb>Tcの関係とし、これにより、蒸着材料5の液面近傍位置A、深さ中央部近傍位置B、底面近傍位置Cにおける温度T、T、TがT>T>Tとなるように制御する。
次に、蒸着装置1の動作について説明する。蒸着材料5を収容した蒸着容器11を処理室2内に設置し、処理室2内を真空にした状態で、ヒーター16a、16b、16cにより蒸着容器11が加熱され、これに伴い蒸着容器11内部の蒸着材料5が加熱される。溶融され、蒸発した蒸着材料5は、基板3に達し、膜が形成される。なお、実際には蒸着容器11と基板3の間に不図示のシャッターが設けられており、加熱時初期はこのシャッターは閉じられており、加熱が進み、定常状態になったときにシャッターを開放して蒸着を行う。
なお、当初は溶融された蒸発材料の液面が容器深さの8割程度の位置、上部ヒーター16aが配置されている箇所に相当する程度の位置となるように、材料を容器内に収容するが、蒸着が進むにつれて液面が徐々に下がる。この場合、中央部ヒーター16bと下部ヒーター16cとの設定温度差により材料に温度差を持たせるよう制御すればよい。本発明の趣旨からはヒーター数は2以上であればよいが、このように、液面が徐々に低くなってきた場合に対応するためにはヒーター数は3以上であることが好ましい。
なお、上記実施形態において、加熱手段として3つの円筒状のヒーターを備えた例を挙げたが、ヒーターの材質、数、形状はこれに限らない。例えば、容器深さ方向の異なる位置に複数のランプヒーターを備えたものとしてもよい。また、上記では同一素材同一形状のヒーターを複数備えるものとしたが、互いに異なる素材、異なる形状のヒーターを複数備えてもよい。例えば、抵抗値の異なる素材により構成されたヒーターを備え、その抵抗値の違いに基づく発熱量の差を利用した構成とすることもできる。
以下、上述のような蒸着装置1において備えられる蒸着材料蒸発装置の他の実施形態について説明する。
図3は本発明の第2の実施形態の蒸着材料蒸発装置の主要部の概略構成を示す図であり、図3(A)は斜視図、図3(B)は同図(A)の3B−3B断面図である。
本実施形態の蒸着材料蒸発装置20は、蒸着材料5を収容する蒸着容器11と、蒸着容器11を加熱する加熱手段とを備えている。加熱手段25は、蒸着容器11に収容されている蒸着材料5の上方に配置され、該蒸着材料を加熱溶融させ蒸発させるヒーター26と、ヒーター26を蒸着材料の上方に支持するための金属製の支持部材27と該支持部材27およびリード線28を介してヒーター26に接続される図示しない電源とを備える。蒸着容器11は上述の第1の実施形態のものと同様であり、その詳細な説明は省略する。
ヒーター26は、蒸着容器11の直径Dよりやや小さい直径を有する円盤状を有するものであり、タンタルのメッシュ状部材により構成されている。メッシュの網目の大きさとしては例えば10μm〜500μm程度のものを用いる。ヒーター26は、蒸着材料5の最上部(融解された状態の液面)の上方に近接して配置され、蒸着材料5を上方から加熱する。ヒーター26により蒸着材料5を上方から加熱することにより、蒸着材料5の液面近傍位置A、深さ中央部近傍位置B、底面近傍位置Cにおける温度T、T、TをT>T>Tとすることができる。
なお、蒸着が進み液面が下がってきた場合には、ヒーター26を液面に近接するように位置を調整すればよい。あるいはヒーターの出力を上げて温度を調整すればよい。蒸着材料5はヒーター26のメッシュの網目を通過して基板3に達し、蒸着される。
図4は本発明の第3の実施形態の蒸着材料蒸発装置の主要部の概略構成を示す図であり、図4(A)は斜視図、図4(B)は同図(A)の4B−4B断面図である。
本実施形態の蒸着材料蒸発装置30は、蒸着材料5を収容する蒸着容器11と、蒸着容器11を加熱する加熱手段35とを備えている。加熱手段35は、蒸着容器11を外部から加熱することにより蒸着材料を間接的に加熱溶融させ蒸発させる手段であり、ここでは、蒸着容器の外周に配置された、蒸着材料の最上部に対応する位置側から容器底面側に亘って延びる抵抗発熱型ヒーター36と、リード線37を介して接続される図示しない電源を備えている。ヒーター36に電流を導通するためのリード線37は、ヒーター36の、蒸着材料の最上部に対応する位置近傍に配置されている。通電時には、ヒーター36の、蒸着材料の最上部に対応するリード線37が接続された部分の電流密度が容器底面側に対応する部分の電流密度よりも大きくなるので、蒸着材料5の液面近傍位置A、深さ中央部近傍位置B、底面近傍位置Cにおける温度T、T、TをT>T>Tとすることができる。
図5は本発明の第4の実施形態の蒸着材料蒸発装置の主要部の概略構成を示す図であり、図5(A)は斜視図、図5(B)は同図(A)の5B−5B断面図である。
本実施形態の蒸着材料蒸発装置40は、蒸着材料5を収容する蒸着容器11と、蒸着容器11を加熱する加熱手段45とを備えている。加熱手段45は、蒸着容器11を外部から加熱することにより蒸着材料を間接的に加熱溶融させ蒸発させる手段であり、ここでは、蒸着容器11の外周に、容器深さ方向に容器底面側に向かって巻数の密度が徐々に小さくなるように巻かれたコイル状ヒーター46と、該ヒーター46に接続された図示しない電源を備えている。コイル状ヒーター46は、その巻数の密度が容器上部側から底面側に向けて徐々に小さく、徐々に巻数が少なくなるように巻かれたものである。コイル状ヒーターの場合には、巻数の密度が大きいほど発熱量が大きくなるので、通電時には、密度が小さい底面側ほど発熱量は小さくなり、蒸着材料5の液面近傍位置A、深さ中央部近傍位置B、底面近傍位置Cにおける温度T、T、TをT>T>Tとすることができる。
上述の本発明の各実施形態の蒸着材料蒸発装置について従来の装置との比較実験を行った結果を説明する。
蒸着容器の容器材質は、いずれも窒化ボロン(BN)と窒化珪素(Si3N4)の化合物(以下、「SBN」と称する)であり、BN70%、SiN30%の比で構成されたものとした。
蒸着容器11としては、内径70mm、容器厚み5mm、深さhが75mmのものを用いた。溶融時に液面が容器内底面から60mm程度となるように蒸着材料を容器内に容れた。
実施例1は、第1の実施形態の蒸発装置20の実施例であり、ヒーター16a、16b、16cとして、いずれも0.2mmのタンタルの薄板を用いて成形した直径84mm、幅Wが20mmの円筒状ヒーターを用いた。
実施例2は、第2の実施形態の蒸発装置30の実施例であり、ヒーター26として、網目の大きさが200μmのメッシュ状のタンタルを用いて成形された、直径65mmの円盤状のものを用いた。
実施例3は、第3の実施形態の蒸発装置40の実施例であり、ヒーター36として、0.2mmのタンタルの薄板を用いて成形した直径84mm、幅Wが60mmの円筒状ヒーターを用いた。
実施例4は、第4の実施形態の蒸発装置50の実施例であり、ヒーター46として、径5mmの線状のタンタルをコイル状に巻いたものを用いた。
比較例の蒸発装置の断面図を図6に示す。比較例の蒸発装置は、その液面側が高くなるような温度勾配を積極的につけていない従来型の装置である。加熱手段は、実施例3のヒーターと同様の、蒸着容器11の外周に配置された、蒸着材料の最上部に対応する位置側から容器底面側に亘って延びる抵抗発熱型ヒーターであり、0.2mmのタンタルの薄板を用いて成形した直径84mm、幅Wが60mmの円筒状ヒーターを用いた。ただし、リード線52は、円筒状ヒーターの幅方向(容器深さ方向に相当)中央部に接続されている。
各実施例および比較例の蒸発装置について、容器11に蒸着材料5を入れ、ヒーターにより加熱させ、蒸着材料5を溶融、蒸発させた。蒸着材料5としてはCsBrを用い、200mm×200mmの基板上に700μmの厚みに蒸着させた。このとき、実施例1〜4については、液面近傍位置Aで約680℃となるように温度制御を行った。特に実施例1についてヒーター16a、ヒーター16b、ヒーター16cのそれぞれの設定温度Ta、Tb、Tcが、Ta>Tb>Tcとなるように制御した。一方、比較例は、各実施例における中央近傍位置Bの温度TBと同等となるようにTBが670℃になるように温度制御した。実施例、比較例について、上記温度制御を行った場合の溶融された蒸着材料5の液面近傍位置A、中央近傍位置B、底面近傍位置Cでの各温度T、T、T、1時間当たりの突沸回数および、基板に材料を蒸着させた場合の膜欠陥数を調べた。ここでは、膜欠陥数として、基板上に蒸着により形成したCsBr層上に観察された200μm以上の大きさの欠陥をカウントした。表1はその結果を示すものである。
Figure 2007231368
表1に示す通り、実施例1〜4は蒸着材料にT>T>Tなる温度勾配がつけられている。一方、比較例は逆に液面側の温度が低くなっていることが分かる。比較例の突沸回数が1時間当たり18回に対し、実施例1〜4は5、7、12、6回といずれも少なくなった。さらに、実施例1〜4の欠陥数はいずれも比較例と比較して大幅に低減された。すなわち、蒸着材料に液面側から底面側に向けて温度が低くなるように、つまり、液面側が最大温度となるように温度勾配を持たせることにより、突沸回数を抑制し、蒸着膜上の欠陥数を大幅に低減することが明らかである。
次に、本発明の蒸着材料蒸発装置を備えた蒸着装置を固体検出器の製造に用いる実施形態について説明する。固体検出器は、X線撮影装置等に使用されるものであり、例えば、記録光の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層を含む静電記録部を備えてなり、画像情報を担持する記録光の照射を受けて画像情報を記録し、記録した画像情報を表す画像信号を出力するものである。
図7に固体検出器の一例の構成を示す。図7に示す固体検出器100は、ガラス等の光透過性の基板B上に、第1電極101、界面結晶化防止層102、読取用光導電層103、電荷輸送層104、記録用光導電層105、第2電極106をこの順に積層した構造を有する。
第1電極101は、櫛形の電極構造を有し、例えばITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)からなる。界面結晶化防止層102はSe−As系合金からなる。読取用光導電層103は、読取光の照射により導電性を呈し電荷対を発生する層であり、Seからなる。電荷輸送層104は、たとえば負電荷に対して略絶縁体として作用し、正電荷に対して略導電体として作用する機能を有するものであり、Se−As系合金からなる。記録用光導電層105は、記録用の電磁波(光または放射線)の照射によって導電性を呈し電荷対を発生するものであり、Seからなる。第2電極106は、Auからなる。第1電極101と第2電極106は信号を処理する不図示の信号処理部と電気的に接続される。
上記構成のようなSe−As系合金およびSeを材料として含む固体検出器を製造する際には、蒸着装置の処理室内に、形成すべき層に応じて複数種類のSe−As系合金蒸着用、Se蒸着用など、形成すべき層ごとにそれぞれ蒸着材料蒸発装置を用意し、形成すべき層ごとに蒸発装置により材料を加熱蒸着させる。蒸発装置としては、例えば上述の第1〜4の実施形態の蒸着材料蒸発装置を用いることができる。
より具体的には、基板B上に、第1電極101が形成されたものの上に、界面結晶化防止層102となるSe−As系合金を蒸着し、その上に読取用光導電層103となるSeを蒸着し、その上に電荷輸送層104となるSe−As系合金を蒸着し、その上に記録用光導電層105となるSeを蒸着し、その上に第2電極106を形成する。なお、当然のことながら、蒸着により層形成が可能な固体検出器であれば、上記例以外の固体検出器も本発明を適用して製造可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいた変形が可能である。例えば、各実施形態のヒーターの材質としてタンタルを例に挙げたが、ヒーターの材質はタンタルに限るものではなく、各種高融点金属材料を用いることができる。また、蒸着容器の形状も円筒形に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいた変形が可能である。すなわち、蒸着容器は円筒形に限らず、開口部の最短径あるいは短手方向の長さの1/2以上の深さを有するものであればいかなる形状のものであってもよい。また、容器材質もSBNに限らずアルミナなど種々のセラミックスやカーボン、あるいはチタンやステンレスのような金属でもよい。
第1の実施形態の蒸着材料蒸発装置を備えた蒸着装置の概略構成を示す模式図 第1の実施形態の蒸着材料蒸発装置の主要部を示す(A)斜視図および(B)断面図 第2の実施形態の蒸着材料蒸発装置の主要部を示す(A)斜視図および(B)断面図 第3の実施形態の蒸着材料蒸発装置の主要部を示す(A)斜視図および(B)断面図 第4の実施形態の蒸着材料蒸発装置の主要部を示す(A)斜視図および(B)断面図 比較例の蒸着材料蒸発装置の主要部を示す断面図 固体検出器の構成を示す図
符号の説明
1 蒸着装置
2 処理室
3 基板
4 基板ホルダ
5 蒸着材料
10、20、30、40 蒸着材料蒸発装置
11 蒸着容器
15、25、35、45 加熱手段
16、26、36、46 ヒーター
17、28、37 リード線
18 温度制御部
100 固体検出器
101 第1電極
102 界面結晶化防止層
103 読取用光導電層
104 電荷輸送層
105 記録用光導電層
106 第2電極
B 基板

Claims (5)

  1. 蒸着材料を収容する所定以上の深さを有する蒸着容器と、該蒸着容器に収容された前記蒸着材料を加熱する加熱手段とを備え、前記蒸着材料を加熱蒸発させる蒸着材料蒸発装置において、
    前記加熱手段が、前記蒸着材料に、前記深さ方向に、容器底面に向かって温度が低くなる温度勾配を持たせるように該蒸着材料を加熱するものであることを特徴とする蒸着材料蒸発装置。
  2. 前記加熱手段が、前記蒸着容器の外周に配置された複数のヒーターを備え、
    該複数のヒーターが、前記深さ方向に異なる位置に配列されており、前記加熱する際に前記蒸着材料の上方側に配されているヒーターの設定温度が前記容器底面側に配されているヒーターより高い設定温度とされるものであることを特徴とする請求項1記載の蒸着材料蒸発装置。
  3. 前記加熱手段が、前記蒸着材料の上方に配置され、該上方から前記蒸着材料を加熱するヒーターを備えていることを特徴とする請求項1記載の蒸着材料蒸発装置。
  4. 前記加熱手段が、前記蒸着容器の外周に配置された、前記蒸着材料の最上部に対応する位置側から前記容器底面側に亘って延びる抵抗発熱型ヒーターを備え、
    該ヒーターに電流を導通するためのリード線が前記蒸着材料の最上部に対応する位置近傍に配置されていることを特徴とする請求項1記載の蒸着材料蒸発装置。
  5. 前記加熱手段が、前記蒸着容器の外周に巻かれたコイル状ヒーターを備え、
    該ヒーターが、前記深さ方向に前記容器底面側に向かって巻数の密度が徐々に小さくなるように前記蒸着容器の外周に巻かれてなるものであることを特徴とする請求項1記載の蒸着材料蒸発装置。
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