JP2007231370A - 蒸着容器および蒸着材料蒸発装置。 - Google Patents

蒸着容器および蒸着材料蒸発装置。 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸着容器および蒸着材料蒸発装置において、蒸着材料加熱時に生じる突沸を抑制する。
【解決手段】蒸着材料14を収容する蒸着容器11の容器底面に上げ底部12を部分的に設ける。該蒸着容器11を備えた蒸着材料蒸発装置10においては、加熱手段15として、蒸着容器11の外周に配置されたヒーター16を備え、好ましくはさらに、容器11の上げ底部12の外面に対向して配置されたヒーター17を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸着材料を収容する蒸着容器および該蒸着容器を備え蒸着材料を加熱して蒸発させる蒸着材料蒸発装置に関するものである。
従来、医療分野などにおいて、被写体を透過した放射線の照射を受けて電荷を発生し、その電荷を蓄積することにより被写体に関する放射線画像を記録する放射線画像検出器(固体検出器)が各種提案、実用化されている。放射線画像検出器としては、たとえば、特許文献1には、放射線を透過する第1の電極層、放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層、潜像電荷に対しては絶縁体として作用し、かつ潜像電荷と逆極性の輸送電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層、および読取光を透過する線状に延びる透明線状電極と読取光を遮光する線状に延びる遮光線状電極とが平行に交互に配列された第2の電極層をこの順に積層してなる放射線画像検出器が提案されている。
このような放射線画像検出器の光導電層を蒸着により製造する方法が例えば特許文献2に記載されている。放射線画像検出器を製造する場合には、放射線画像を検出するために略17インチ以上の大型の基板に対する真空蒸着を行う必要があり、かつ、感度を高めるために数百μm以上の厚膜の層を形成する必要がある。
さて、一方、真空の処理室内で蒸着材料を蒸発させて基板に成膜を行う蒸着装置は広く知られている。このような装置では、蒸着材料を収容する蒸着容器と、蒸着材料を加熱する加熱手段を備えた蒸着材料蒸発装置を備え、蒸着材料を蒸発させ基板に蒸着させるよう構成されている。
特開2000−284056号公報 特開2000−319773号公報
従来の蒸発装置の加熱手段は、蒸着容器を外周側から加熱して間接的に蒸着材料を加熱し蒸発させる構成となっており、容器の中心側と周辺側とで蒸着材料に大きな温度差が生じるという問題があった。この蒸着材料の温度が不均一となるという問題は、特に、放射線画像検出器のように、大型の基板に厚膜の層を蒸着により形成する場合には、蒸着容器の容積を十分大きくする必要があるためにより顕著なものとなる。蒸着材料の温度が不均一になると突沸が発生しやすくなり、この突沸により団子状の粒子が一度に蒸発し、基板に付着すると突起状の欠陥(膜欠陥)を形成することがある。
本発明は、上記事情に鑑み、蒸着材料加熱時に該蒸着材料の突沸を抑制することができる蒸着容器および該蒸着容器を備えた蒸着材料蒸発装置を提供することを目的とするものである。
本発明の蒸着容器は、蒸着材料を収容する蒸着容器であって、
容器底面に上げ底部が部分的に設けられていることを特徴とするものである。
設けられる上げ底部の形状、数は特に限定されるものではなく、上げ底部のない同外形状の容器と比較して、内表面積すなわち、試料との接触面積を大きくすることができるものであればよい。特には、上げ底部が、前記容器底面の略中央部に1つ設けられていることが望ましい。
蒸着容器の容器材質は、窒化珪素、窒化ボロン、および窒化ボロンと窒化珪素との化合物のうちいずれかであることが望ましい。
本発明の蒸着材料蒸発装置は、前記蒸着容器と、該蒸着容器に収容された前記蒸着材料を加熱する加熱手段とを備え、前記蒸着材料を加熱蒸発させる蒸着材料蒸発装置であって、
前記加熱手段が、前記蒸着容器の外周に配置されたヒーターを備えていることを特徴とするものである。
前記加熱手段は、さらに前記上げ底部の外面に対向して配置されたヒーターを備えていることが望ましい。
加熱手段は、蒸着容器を外部から加熱するヒーターを備えるものに限らず、蒸着容器自体を抵抗加熱により加熱するように構成されたものであってもよい。なお、蒸着容器自体を抵抗加熱により加熱する構成の場合には蒸着容器の容器材質としては高融点金属を用いる。
本発明の蒸着容器によれば、容器底面に部分的に上げ底部が設けられているので、上げ底部が設けられていない容器と比較して内表面積が大きくなり、収容されている材料と触れる面積が大きくなるので、蒸着材料の温度の均一化を図り、蒸着材料加熱時の突沸を抑制することができる。一般には蒸着容器をその外周から加熱するため、容器底面に上げ底部がない場合、蒸着容器の容積が大きくなり開口が大きくなるにつれ、容器内に収容された材料の容器中央部と周辺部との温度差、特に開口に近い側における中央部と周辺部との温度差が大きくなり突沸の発生が顕著になるので、容積が大きく開口が大きくなるほど、上げ底部を設けることの意義がより大きいものとなる。
なお、上げ底部が容器底面の略中央部に1つ設けられている場合、容器内の中央部と周辺部での蒸着材料の温度差を小さくし、均一化する効果を得やすい。
本発明の蒸着材料蒸発装置は、上述の本発明の蒸着容器を備えているため、蒸着材料の加熱時において、材料の温度の均一化を図り、突沸を抑えることができ、基板等への成膜において突沸により生じる膜欠陥を抑制することができる。
加熱手段が、蒸着容器の外周に配置されたヒーターに加えて、蒸着容器の上げ底部の外面に対向して配置されたヒーターを備えていれば、より効果的に蒸着材料の温度を均一にすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、蒸着材料を加熱して蒸発させ基板に蒸着させることにより基板に膜を形成する蒸着装置1の概略構成を示す模式図である。
蒸着装置1は、処理室2と、処理室2の内部の上面に設けられて基板3を保持する基板ホルダ4と、蒸着材料を蒸発させる本発明の第1の実施形態の蒸着材料蒸発装置10を備えている。
本実施形態の蒸着材料蒸発装置10は、蒸着材料14を収容する蒸着容器11と、蒸着容器11を加熱する加熱手段15とを備えている。加熱手段15は、蒸着容器11を外部から加熱することにより蒸着材料を間接的に加熱溶融させ蒸発させる手段であり、ここでは、蒸着容器11の外周に配置された外周ヒーター16と、上げ底部12の外面に対向して配置された内周ヒーター17と、各ヒーター16、17にそれぞれ接続された電源18、19とを備える。なお、図1において蒸着容器およびヒーター等の支持部材の図示は省略している。
図2は蒸着容器11の詳細を示すものであり、図2(A)は斜視図、図2(B)は上面図、図2(C)は同図(B)の2C−2C断面図である。蒸着容器11は、本発明の蒸着容器の一実施形態であり、容器底面に上げ底部が部分的に設けられていることを特徴とする。蒸着容器11は円筒形で、容器11の底面中央部に円筒形の上げ底部12が一つ設けられている。容器直径はD、容器深さはh、上げ底部の深さはh1、上げ底部の直径はD1である。上げ底部12を備えていることにより、加熱時において容器内に収容された蒸着材料14の温度の均一性を高めることができる。なお、図中では蒸着材料14が溶融された状態を示している。なお、容器直径Dが大きければ大きいほど、上げ底部が設けられたことによる材料の温度均一化の効果は顕著である。具体的には、直径が30mm以上の大径となってくると、上げ底部がない場合、容器外周から加熱した場合の容器中心部と周辺部とでの温度差が大きく突沸の発生頻度が大きくなるが、上げ底部を設けていれば突沸の発生を抑制でき、その効果が大きい。
加熱手段15のヒーター16、17はいずれもタンタル板により構成されている。外周ヒーター16は蒸着容器11の外周を取り巻く円筒形であり上面底面を有さない筒状のものである。一方、内周ヒーター17は、上げ底部12と同様の形状の円筒形であり、上げ底部12の上面12aに対向する面17aを有している。
次に、蒸着装置1の動作について説明する。蒸着材料14を収容した蒸着容器11を処理室2内に設置し、処理室2内を真空にした状態で、ヒーター16、17により蒸着容器11が加熱され、これに伴い蒸着容器11内部の蒸着材料14が加熱される。溶融され、蒸発した蒸着材料14は、基板3に達し、膜が形成される。なお、実際には蒸着容器11と基板3の間に不図示のシャッターが設けられており、加熱時初期はこのシャッターは閉じられており、加熱が進み、定常状態になったときにシャッターを開放して蒸着を行う。
上述の実施形態の蒸着材料蒸発装置においては、加熱手段として外周ヒーターと内周ヒーターとを備えたものについて説明したが、蒸発容器が上げ底部を備えていることから外周ヒーターのみであっても、蒸着材料の温度の均一化の効果を得ることができる。ただし、内周ヒーターを備えた方がより効果的であり好ましい。
上述の本発明の実施形態の蒸着材料蒸発装置について従来の装置との比較実験を行った結果を説明する。図3、4、および5はそれぞれ実施例1、実施例2および比較例の蒸発装置における蒸発容器とヒーターの構成および配置を示す断面図である。
蒸着容器の容器材質は、いずれも窒化ボロン(BN)と窒化珪素(Si3N4)の化合物(以下、「SBN」と称する)であり、BN70%、SiN30%の比で構成されたものとした。
実施例1の蒸発装置は、上述の実施形態の蒸着材料蒸発装置10と同様の構成とした。図3に実施例1における蒸着容器11およびヒーター16,17の具体的な寸法(単位はmm)を示している。実施例1で用いた蒸着容器11およびヒーターは上述の第1の実施形態で説明した図1および図2に記載のものと同一の形状である。蒸着容器11としては、内径70mm、容器厚み5mm、深さhが75mm、上げ底部の直径40mm、上げ底部の深さh1が35mmのものを用いた。また、外周ヒーター16、内周ヒーター17ともに0.2mmのタンタル(Ta)の薄板を用いて成形したものを用いた。外周ヒーター16は、直径84mm、高さ60mm、内周ヒーター17は、直径28mm、高さ40mmである。
実施例2の蒸発装置は、実施例1と同一の形状、寸法の蒸着容器11、および外周ヒーター16を備えたものであり、内周ヒーター17を備えていない点でのみ実施例1と異なる。
比較例の蒸発装置は、蒸着容器51が上げ底部を有していない点で実施例と異なる。容器の外形の寸法は実施例と同一であり、内径70mm、容器厚み5mm、深さhが75mmの円筒形状である。加熱手段としては、外周ヒーター16を備えた。
各蒸発装置について、容器に蒸着材料14を入れ、ヒーターにより加熱させ、蒸着材料14を溶解、蒸発させた。蒸着材料14としてはCsBrを用い、200mm×200mmの基板上に700μmの厚みに蒸着させた。このとき、容器内の位置C(容器内周辺部の底面近傍位置)での材料温度が670℃になるように温度制御を行った状態で溶解された蒸着材料14のA〜D(比較例についてはA〜F)の位置での温度を調べ、蒸着材料内の最大温度差、1時間当たりの突沸回数調べた。また、各蒸着材料蒸発装置を用いて基板に材料を蒸着させた場合の膜欠陥数を調べた。ここでは、膜欠陥数として、基板上に蒸着により形成したCsBr層上に観察された200μm以上の大きさの欠陥をカウントした。表1はその結果を示すものである。
Figure 2007231370
表1に示すとおり、いずれの場合にも、容器内周辺部の蒸発材料の温度は液面近傍位置A、上げ底部上面近傍位置B、容器底面近傍位置Cではほぼ温度は均一であるが、この容器内周辺部位置の温度と容器中央部の蒸発材料液面近傍位置Dの温度との間に温度差があった。しかしながら、実施例1の最大温度差は10℃、実施例2の最大温度差は18℃であり、比較例の最大温度差27℃と比較して小さくなっており、実施例1、実施例2の突沸回数および欠陥数も比較例と比較して大幅に少ないという結果が得られた。実施例2は比較例に対し、容器形状が異なるのみであるが、材料温度の均一化の効果は顕著であり、上げ底部を設けることにより、欠陥数は1/3以下に低減できた。実施例1のように、さらに内周ヒーターを備えることにより、材料温度の均一化がさらに促進され、欠陥数もさらに低減できることが明らかとなった。
さらに、図5に示したものと同様の円筒形状で上げ底部が設けられていない蒸発容器を備えた蒸着材料蒸発装置を用いて、容器材質別の突沸回数の評価を行った。ここでは、SBN、窒化珪素、カーボン、チタンがそれぞれ容器材質として用いられた同一形状の蒸発容器について、その表面粗さ(Ra)と1時間当たりの突沸回数を調べた。表2はその結果を示すものである。
Figure 2007231370
表2に示すように、表面粗さが小さいほど突沸回数が低減されることが明らかになった。カーボンのような表面粗さの大きいものと比較して、SBN、窒化珪素、チタンなどの表面表の小さいものを容器材質として用いることが好ましいことが明らかになった。チタンは表面粗さが最も小さく、突沸回数が最も少なかったが、金属であるために原料との反応の恐れや、ヒーターとの接触の問題がある。これらを考慮すると、SBNや窒化珪素が蒸発容器材質として好適であると考えられる。なお、窒化ボロンについてもSBN、窒化珪素と同程度の表面粗さの容器を形成できるため、容器材質として好適である。
さて、上記実施の形態および実施例では図2に示すような円筒形の蒸着容器の容器底面中央部に1つの上げ底部を備えたものについて説明したが、上げ底部は容器底面中央部に1つだけ設けられるものに限らない。図6(A)〜(C)に上げ底部の変形例を示す。図6はいずれも外形は図2の蒸着容器と同様円筒形であり、その直径位置における断面を示す図である。図6(A)に示す蒸着容器11Aは、第1の変形例でありドーナツ状の上げ底部12Aを備えたものである。図6(B)に示す蒸着容器11Bは、第2の変形例であり複数の山型の上げ底部12Bを備えたものである。図6(C)に示す蒸着容器11Cは、第3の変形例でありドーム状の上げ底部12Cを備えたものである。このように、上げ底部の数、形状は特に限定されるものではなく、上げ底部の無い容器と比較して、内表面積すなわち、収容する蒸着材料との接触面積を大きくすることができるような上げ底部であればよい。また、蒸着容器の外形状も円筒形に限るものではない。
上記の実施形態では、加熱手段として、タンタル板により形成された外部ヒーターを例示したが、コイル状ヒーターやランプヒーター等の別の加熱手段を用いてもよい。
図7は本発明の第2の実施形態による蒸着材料蒸発装置を備えた蒸着装置21の概略構成を示す模式図である。蒸着装置21は、処理室2と、処理室2の内部の上面に設けられて基板3を保持する基板ホルダ4と、蒸着材料を加熱して蒸発させる本発明の第2の実施形態の蒸着材料蒸発装置30とを備えている。
蒸着材料蒸発装置30は、蒸着材料34を収容する蒸着容器31と、蒸着容器31を加熱する加熱手段35を備えている。加熱手段35は、蒸着容器自体の抵抗加熱を利用するものであり、処理室2の外部に設けられた電源37と、蒸着容器31を支持すると共に電源37に電気的に接続され、電極としての役割を担う金属製の支持電極部材38とを備える。支持電極部材38は、処理室2の底面に直立して配設されており、蒸着容器31は、2つの支持部材8にねじ等を用いて着脱自在に固定される。
図8は、蒸着容器31の詳細を示すものであり、図8(A)は斜視図、図8(B)は上面図、図8(C)は同図(B)の8C−8C断面図である。蒸着容器31は、本発明の蒸着容器の一実施形態である。蒸着容器31は材料収容部31aの長手方向両端部に鍔部33を備え、材料収容部31aの底面中央部に断面台形の上げ底部32が一つ設けられてなる。容器開口部の長手方向長さL1、短手方向長さL2であり、容器深さはh、上げ底部の深さはh2である。本実施形態の蒸着容器31においても、上げ底部32を備えていることにより、加熱時において容器内に収容された蒸着材料34の温度の均一性を高めることができる。なお、図中では蒸着材料34は溶融された状態を示している。蒸着容器31の容器材質としては、高融点金属材料を用いる。高融点金属材料としては、タンタル、モリブデン、タングステン、白金、ニッケル等が挙げられる。
次に、蒸着装置21の動作について説明する。蒸着材料34を収容した蒸着容器31を支持電極部材38に固定し、処理室2内を真空にした状態で、電源37により支持電極部材38に電流を流すと、蒸着容器31が通電加熱される。蒸着容器31の加熱に伴い、該蒸着容器31に収容された蒸着材料34も加熱されて、溶融蒸発した蒸着材料34は、基板3に達し、膜が形成される。なお、実際には蒸着容器31と基板3の間に不図示のシャッターが設けられており、加熱時初期はこのシャッターは閉じられており、加熱が進み、定常状態になったときにシャッターを開放して蒸着を行う。
このように、蒸発材料蒸発装置は加熱手段が、外部加熱ではなく容器自体の抵抗加熱を利用するものであっても、容器が上げ底部を持ったものであれば、容器に収容された蒸発材料加熱時において、蒸発材料の温度の均一化を図る効果を得ることができる。
次に、本発明の蒸着材料蒸発装置を備えた蒸着装置を固体検出器の製造に用いる実施形態について説明する。固体検出器は、X線撮影装置等に使用されるものであり、例えば、記録光の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層を含む静電記録部を備えてなり、画像情報を担持する記録光の照射を受けて画像情報を記録し、記録した画像情報を表す画像信号を出力するものである。
図9に固体検出器の一例の構成を示す。図9に示す固体検出器100は、ガラス等の光透過性の基板B上に、第1電極101、界面結晶化防止層102、読取用光導電層103、電荷輸送層104、記録用光導電層105、第2電極106をこの順に積層した構造を有する。
第1電極101は、櫛形の電極構造を有し、例えばITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)からなる。界面結晶化防止層102はSe−As系合金からなる。読取用光導電層103は、読取光の照射により導電性を呈し電荷対を発生する層であり、Seからなる。電荷輸送層104は、たとえば負電荷に対して略絶縁体として作用し、正電荷に対して略導電体として作用する機能を有するものであり、Se−As系合金からなる。記録用光導電層105は、記録用の電磁波(光または放射線)の照射によって導電性を呈し電荷対を発生するものであり、Seからなる。第2電極106は、Auからなる。第1電極101と第2電極106は信号を処理する不図示の信号処理部と電気的に接続される。
上記構成のようなSe−As系合金およびSeを材料として含む固体検出器を製造する際には、蒸着装置の処理室内に、形成すべき層に応じて複数種類のSe−As系合金蒸着用、Se蒸着用の蒸着材料蒸発装置を配置し、形成すべき層ごとに蒸着容器を加熱して蒸着する。各蒸着材料蒸発装置としては、例えば上述の第1、第2の実施形態の蒸着材料蒸発装置を用いることができる。
より具体的には、基板B上に、第1電極101が形成されたものの上に、界面結晶化防止層102となるSe−As系合金を蒸着し、その上に読取用光導電層103となるSeを蒸着し、その上に電荷輸送層104となるSe−As系合金を蒸着し、その上に記録用光導電層105となるSeを蒸着し、その上に第2電極106を形成する。なお、当然のことながら、蒸着により層形成が可能な固体検出器であれば、上記例以外の固体検出器も本発明を適用して製造可能である。
第1の実施形態の蒸着材料蒸発装置を備えた蒸着装置の概略構成を示す模式図 第1の実施形態の蒸着容器の(A)斜視図、(B)上面図、(C)断面図 実施例1の蒸着材料蒸発装置の構成を示す断面図 実施例2の蒸着材料蒸発装置の構成を示す断面図 比較例の蒸着材料蒸発装置の構成を示す断面図 第1の実施形態の蒸着容器の第1〜第3の変形例を示す断面図 第2の実施形態の蒸着材料蒸発装置を備えた蒸着装置の概略構成を示す模式図 第2の実施形態の蒸着容器の(A)斜視図、(B)上面図、(C)断面図 固体検出器の構成を示す図
符号の説明
1、21 蒸着装置
2 処理室
3 基板
4 基板ホルダ
10、30 蒸着材料蒸発装置
11、31 蒸着容器
12、32 上げ底部
14、34 蒸着材料
15、35 加熱手段
16 外周ヒーター
17 内周ヒーター
18、19、37 電源
38 支持電極部材
100 固体検出器
101 第1電極
102 界面結晶化防止層
103 読取用光導電層
104 電荷輸送層
105 記録用光導電層
106 第2電極
B 基板

Claims (5)

  1. 蒸着材料を収容する蒸着容器であって、
    容器底面に上げ底部が部分的に設けられていることを特徴とする蒸着容器。
  2. 前記上げ底部が、前記容器底面の略中央部に1つ設けられていることを特徴とする請求項1記載の蒸着容器。
  3. 容器材質が、窒化珪素、窒化ボロン、および窒化ボロンと窒化珪素との化合物のうちいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の蒸着容器。
  4. 請求項1から3いずれか1項記載の蒸着容器と、該蒸着容器に収容された前記蒸着材料を加熱する加熱手段とを備え、前記蒸着材料を加熱蒸発させる蒸着材料蒸発装置であって、
    前記加熱手段が、前記蒸着容器の外周に配置されたヒーターを備えていることを特徴とする蒸着材料蒸発装置。
  5. 前記加熱手段が、さらに前記上げ底部の外面に対向して配置されたヒーターを備えていることを特徴とする請求項4記載の蒸着材料蒸発装置。
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