JP5812700B2 - X線放出ターゲット、x線発生管およびx線発生装置 - Google Patents

X線放出ターゲット、x線発生管およびx線発生装置 Download PDF

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Description

本発明は、X線放出ターゲットおよびX線放出装置に関し、特に医療機器および産業機器分野における診断応用や非破壊X線撮影等に適用できる、透過型X線放出ターゲットおよび、それを用いたX線放出装置に関する。
X線放出ターゲットとして、透過型ターゲットが公知である。透過型ターゲットでは、電子放出源とターゲット部と取り出し窓とを直線上に配置する事ができるので、透過型ターゲットの小型X線放出装置への応用が期待されている。
特許文献1には、ダイアモンド基板上にタングステンのアノードを形成する際に、アノードとダイアモンド基板の間に密着促進層を中間層として配置する事が開示されている。特許文献2では、ベリリウム基板上にタングステンのアノードを形成する際に、アノードとベリリウム基板間に、線膨張量の差に伴う応力剥がれを防止する為に、銅、クロム、鉄、チタン等の中間層を配置する事が開示されている。
特表2003―505845号公報 特開2000―306533号公報
ダイアモンドが有する、低密度(原子番号Z=6)、高熱伝導度(λ=1E3〜2E3 W/m・K)、高耐熱性(融点 3550℃)等の特異な物理特性により、 ダイアモンドを基板とした透過型ターゲットは、放熱性の点で有利である。しかしながら、透過型X線ターゲットにおいてダイアモンドを基板とした場合であっても、ターゲットにおける局在化した発熱の非局在化、すなわち、ターゲットのアノードの発熱部からダイアモンド基板への熱伝達特性が必ずしも十分ではなかった。そのため、ターゲットから放出されるX線の放出強度の変動(出力変動)が生じる場合があった。出力変動が抑制され安定した高出力動作を図る事は、X線ターゲットを用いたX線分析システムの高感度化、高性能化において重要である。
本発明の第1、電子の照射によりX線を発生するターゲット金属を含有するターゲット層と、前記ターゲット層で発生したX線を透過するダイアモンド基板と、前記ターゲット層と前記ダイアモンド基板との間に配され、前記ターゲット層の熱伝導率よりも低い熱伝導率を呈する中間層とを備え、前記中間層は、炭化物層であり、500℃から1500℃の温度域における炭化物標準生成自由エネルギーが負である被炭化金属を含有する事を特徴とするX線放出ターゲットである
さらに、本発明の第2、電子の照射によりX線を発生するターゲット金属を含有するターゲット層と、前記ターゲット層で発生したX線を透過するダイアモンド基板と、前記ターゲット層と前記ダイアモンド基板と間に前記ターゲット金属よりも低い熱伝導率を呈する中間層と、を備え、前記中間層は、500℃から1500℃の温度域における炭化物標準生成自由エネルギーが負である被炭化金属を含有する事を特徴とするX線放出ターゲットである
本発明によれば、ダイアモンド基板とターゲット層(アノード)との間の熱伝達特性に優れ、ターゲット層の温度上昇に伴う出力変動を抑制し、高出力かつ安定したX線放出特性を有するX線放出ターゲットおよびX線放出装置を提供することができる。
本発明におけるX線放出装置の断面図 本発明におけるX線放出ターゲットの断面図 本発明における他のX線放出ターゲットの断面図 本発明におけるX線放出部の断面図 本発明におけるX線放出ターゲットの伝熱径路を説明するための説明図 本発明における実験装置のブロック図
図1を用いて本発明のX線放出装置の構成例について説明する。
X線放出装置13は、放出窓10を有した筺体11とX線放出源1と駆動回路14から構成される。X線放出源1は、X線透過窓9を有する外囲器6からなる。外囲器6の内部は、減圧(真空排気)された内部空間12となっている。内部空間12は、電子の平均自由行程として、後述する電子放出源3とX線放出ターゲット8(以下、ターゲットと略す)の間の距離を少なくとも電子が飛翔可能なだけの真空度であれば良く、1E−4 Pa 以下の真空度が適用可能である。使用する電子放出源や、動作する温度等を考慮して適宜選択する事が可能であり、冷陰極電子放出源等の場合は、1E−6 Pa以下の真空度とする事がより好ましい。真空度の維持の為に、不図示のゲッタを内部空間12、若しくは、内部空間12に連通している不図示の補助スペースに設置する事も可能である。
外囲器6内に配置する電子放出源3としては、外囲器6の外部より放出電子量を制御可能な電子放出源であれば良く、熱陰極型電子放出源、冷陰極型電子放出源を適宜適用する事が可能である。電子放出源3は、外囲器6を貫通するよう配した電流導入端子4を介して、電子放出量および電子放出のオン・オフ状態を制御可能なように、外囲器6の外部に設置した駆動回路14に電気的に接続される。電子放出源3は、電子放出部2を有している。電子放出部2から放出された電子は、不図示の引き出しグリッド及び加速電極により、10keV〜200keV程度のエネルギーを有する電子ビーム5となり、電子放出部2に対向して配置した、ターゲット8に、入射可能となっている。前述の引き出しグリッド、加速電極は、熱陰極の電子銃管に内蔵する事も可能である。また、電子ビームの照射スポット位置および電子ビームの非点収差の調整の為の補正電極を電子放出源3に配置し、補正電極を、筺体11の内外に配置した不図示の補正回路と接続する事も可能である。また、筺体11は、所定の電位に規定する事が好ましく、接地端子16を介して接地する事が可能である。
次に、ターゲット8について図1および図2を用いて説明する。ターゲット8は、外囲器6内の真空雰囲気に配置され、電子放出源3からの電子ビーム5を、その一方の面に入射可能な位置に配置される。ターゲット8は重元素からなるターゲット物質により構成され、ターゲット物質内において、入射した電子ビームの電子が運動エネルギーを失う過程でX線が発生する。すなわち、ターゲット物質内の(電子侵入長×電子ビームスポット)の領域がX線の発生領域となり、ここから、全方位にX線が放射される。本発明のX線放出源1においては、発生したX線のうち、電子入射面の裏面側より放出された成分を利用するものである。
ターゲット8は、ターゲット保持部7に固定される。電子放出源3と、ターゲット8、放出X線の取り出し部(透過窓9および放出窓10)とは、それらの中心が同一直線上となるように配置される。さらに、ターゲット保持部7は、加速された電子ビーム5をターゲット8に入射させる為に、所定の電位にターゲットを電位規定する為の電気的接続機構を兼ねる事が可能である。従って、ターゲット保持部7は、ターゲット部の温度が変動した場合にも、安定した位置規定性能が維持される為の耐熱性と、電気的接続性能が維持されるための導電性とを有する材料を使用する事が好ましい。さらに、ターゲットの保持部7は、放射X線の外部取り出し成分15を規定するアパーチャ機構すなわち、X線遮蔽作用をも有する事が可能である。従って、ターゲット保持部7は、耐熱性と、導電性と、X線非透過の為の高い比重とを有する事がさらに望ましく、例えば、モリブデン、タンタル、タングステン等の重金属、すなわち、原子番号30以上の金属が使用可能である。
ターゲット保持部7は、ターゲット8の位置および電子放出源との相対的な角度を規定するターゲット保持面7Cを有する。さらに、ターゲット保持部7は、ターゲット保持面7Cより、電子放出源3側に突出した部位を有し、これを後方ターゲット保持部7Aとする。さらに、ターゲット保持部7は、ターゲット保持面7Cより、放出窓10側に突出した部位を有し、これを前方ターゲット保持部7Bとする。後方ターゲット保持部7Aが、高比重材料で構成されている場合は、ターゲット8で発生する反射電子と電子放出源3側に放射されるX線の放射範囲を制限する事ができる。同様にして、前方ターゲット保持部7Bが、高比重材料で構成されている場合は、ターゲット8で発生する電子放出源3側に放射されるX線の放射範囲を制限する事ができる。前述のターゲット8から離れた位置にあって部材の嵩が高い筺体11および外囲器6に、高比重の高比重材料を設ける場合に比較して、ターゲット8により近い位置にあるターゲット保持部7Bに高比重材料を設ける場合の方が、
X線発生装置全体の重量増を抑制する効果があり、軽量化の点で有利である。
ターゲット8についてさらに詳細に、図2を用いて説明する。ターゲット8は、ダイアモンド基板80と、500℃から1500℃の温度域における炭化物標準生成自由エネルギーが負である金属を含有する第1の層81と、原子番号が42以上の金属を含有する第2の層82がこの順に積層した構成からなる。
ダイアモンド基板80は、少なくとも第1の層81と第2の層82を付与する側の面(内面)と、その面の裏面としてX線を取り出す為の面(外面)と、ターゲット保持部7と接続する為の側面とを有している。ダイアモンド基板80の厚さ(内面と外面との距離)は、面内で実質的に一定であることが、X線の透過率分布を均一化する点で好ましい。ダイアモンド基板80は、円柱状(ディスク状)、平板状の形状とする事が可能である。ダイアモンド基板80の厚さの上限は、X線の透過率の観点で決める事が可能であり、厚さの下限は、熱伝達性と強度の観点から決める事が可能であって、50μm〜2000μmの範囲を使用する事が可能である。特に好ましくは、350μm〜1200μmの範囲を使用する事が可能である。ダイアモンド基板80は、単結晶体、多結晶体、ダイアモンドライクカーボン(DLC)のような非晶質体のいずれもでも良いが、熱伝導性の観点からは単結晶体である事が好ましい。同様にして、ダイアモンド基板80を得る為の製法についても、化学気相成長法(CVD)、焼結体形成法、種結晶と原料炭素と触媒金属を用いて高圧下で合成した高圧合成法のいずれでも可能であり、特に限定されないが、厚さの確保と熱物性、純度の観点からは、高圧合成法が好ましく適用される。
次に、第2の層82について説明する。第2の層82の含有する第2の金属は、入射電子を効率的にX線に変換する為に高い比重を有する材料が使用される。具体的には、前記第2の層82は、原子番号が42以上の金属を含有する。例えば、タングステン、ルテニウム、白金、イリジウム、タンタル等が適用可能である。電子からX線への変換に関与する領域は、同時に、発熱の領域でもあり、第2の層82の層厚方向で電子侵入長の範囲に局所的な発熱スポット生じる。第2の層82が高い熱伝導性を有する材料である事は、発熱部より低温であるターゲット保持部7への熱伝達性の点で有利であり、電子照射スポット53の過熱を緩和する事が可能となる。特にタングステンは、高融点3380℃であり、広い温度域で100W/mKより大の高熱伝導率を有する材料であってより好ましい材料の一つである。第2の層82の膜厚は、X線の(発生量、減衰量、線質)、電子の加速電圧、ターゲット支持部への熱伝達の観点から選択する事が可能であり、例えば、1μm〜15μmの範囲を実施する事が可能である。より高電圧で加速した電子を利用する場合は、第2の層82へ電子侵入長よりも高膜厚とする事が可能であるが、制動放射成分よりも特性放射成分を支配的としたい場合は、電子侵入長より低膜厚とする事が可能である。第2の層82の形成方法は、ダイアモンド基板や第1の層との密着性が確保されれば、特定の製法には限定されず、スパッタ、CVD、蒸着等が利用可能である。
次に、第1の層81について説明する。ダイアモンドは、高熱伝導性、高耐熱性、低比重の点からダイアモンド基板およびX線の透過窓として優れている。然しながら、ターゲット材料に適用可能な高比重な各種金属材料とダイアモンドとは親和性が低い為に、ターゲット金属(第2の層82)の成膜時およびX線放出動作時に膜剥がれを生じる等の密着性の問題を有していた。第1の層81は、当該密着性の問題を改善する目的から、ダイアモンド基板80と第2の層82の層間に、密着層として配置するものである。第1の層81は、ダイアモンドと炭化物を形成する第1の金属を含有する事でダイアモンドと密着性を確保する事が可能であり、炭化物の標準生成自由エネルギーが負である材料からなる。炭化物の標準生成自由エネルギーとは、炭化物を単体(金属)から
生成するときの自由エネルギー変化である。炭化物の標準生成自由エネルギーは、一般に温度特性を有しており、本発明における炭化物の標準生成自由エネルギーが考慮すべき温度範囲は、ターゲットの動作温度および第2層が含有する金属の融点を考慮して、500℃〜1500℃である。本発明の第1の層の炭化物の標準生成自由エネルギーは、負である事が、第1の層81とダイアモンド基板80間のアンカリング効果を得られる点で好ましい。本発明の第1の層の炭化物の標準生成自由エネルギーが−40 kJ/mol ℃以下である事により、第1の層81の層厚が薄くても、ダイアモンド基板80と間で充分なアンカリングの効果を得る事が可能であり、より好ましい。さらに、第2の層が含有する金属と第1の層が含有する金属が固溶体を形成する事が、第1の層81と第2の層82との間の高い親和性を利用可能となるので、より一層好ましい。同様の観点から、第2の層が含有する金属と第1の層が含有する金属が、全率固溶の関係にある事がより好ましい。
具体的には、第2の層82がタングステンであった場合には、第1の層としては、チタン、バナジウム、タンタル、クロムを適用する事で、第2の層82と第1の層81の各層其々に存在する金属元素同士が、任意の組成比で固溶体を形成する事が可能である。前述の通り、任意の組成比で固溶体を形成可能な材料からなる層間の界面は、連続的な金属濃度分布が形成される事で、二つの層の界面が強固に密接する事が可能となる。
さらには、第1の層81を構成する金属元素が、500℃〜1500℃における炭化物の標準生成自由エネルギーが負である事を満足する事を本発明の実施形態は含み、第1の層81とダイアモンド基板80との密着性を確保する事が可能となる。さらに、第1の層81として、チタン、バナジウム、タンタル、クロムを適用する事により、第1の層81を構成する金属元素が、500℃〜1500℃における炭化物の標準生成自由エネルギーが−40kJ/mol℃以下である事を満足し、第1の層81とダイアモンド基板80の密着性をより一層確保する事が可能である。さらに、第1の層81として、チタン、タンタルを適用する事により、炭化物の標準生成自由エネルギーが−100kJ/mol℃以下で有る事を満足し、さらにより一層の密着性を、第1の層81とダイアモンド基板80との間で確保する事が可能である。第1の層81の形成方法は、ダイアモンド基板80や第2の層82との密着性が確保されれば、特定の製法には限定されず、スパッタ、CVD、蒸着等が様々な成膜方法が利用可能である。
次に、第1の層81の膜厚の好適な範囲について説明する。第1の層81が含有する第1の金属は、前述のように、密着性に優れた金属であるが、これら金属の熱伝導率は、表1に示す通り、第2の層82に好適なタングステンよりも、必ずしも高い熱伝導率を有さない。
このため、第1の層81の層厚が厚すぎると、発熱部からダイアモンド基板80への熱伝達が阻害される。第2の層82の発熱部からの熱伝導について図5を用いて具体的に説明する。図5は、熱伝達パスを説明する為の説明図であり、図5(A)が上面図、図5(B)が上面図に対応する断面図である。半径r2のディスク状で厚さt0のダイアモンド基板50の上に、層厚t1の第1の層51と層厚t2の第2の層52が、それぞれ各層の下層の周縁部まで覆うように積層されている。積層されたターゲットは、各層の周縁部において、ターゲット保持部54により固定されている。第2の層には電子照射スポットに相当する高温部を、第1の層の加熱部53として示し、加熱部53は、第2の層82の外周円と同心円状に半径r1で示している。ここで、加熱部53から低温部(ターゲット保持部)54への熱伝達を考える。なお、ダイアモンド基板50、第1の層51、第2の層52の各熱伝導率は、それぞれ、λ0、λ1、λ2とした。
第2の層52の加熱部53から、直下の第1の層の熱伝達径路57を介してダイアモンド基板50に流れる熱流径路の熱伝達率K1は、式1となる。
第2の層52の加熱部53から第2の層52の膜面の方向に放射状に熱伝達し、低温部54に至る熱流経路58の熱伝達率K2は、式2となる。
第1の層51からダイアモンド基板50がその中央部で受けた熱流を、ダイアモンド基板50の中央部から基板面方向に放射状に熱伝達し、低温部54に至る熱流経路59の熱伝達率K0は、式3となる。
ここで、各熱流径路57、58、59の熱流の連続の関係を満足する条件と、熱流径路57が、加熱部53からダイアモンド基板50への熱伝達上のボトルネック(Thermal Flow流れを制限する意味当業者−伝熱技術分野の技術常識の範囲;英英辞書 a narrow or obstructed section, where movement is slowed down)とならない為の条件は、式4で示される。
熱伝導率λ0が高いダイアモンドを基板としている為、第2の層52の熱伝導率λ1との関係では、式5を満たす。
ダイアモンド基板50の厚さt0、第2の層52の厚さt2の関係t0>t2、および、ダイアモンド基板50の熱伝導率λ0、第2の層52の熱伝導率λ2の関係 λ0>λ2および、式2,式3から自明な、熱伝達率の関係K0 >> K2であることを考慮して、整理すると、第1の層51の厚さt1の上限は、第1の層51と第2の層52の形状と熱伝導率で規定され、式6のようになる。
式6は、第1の層51の熱的ボトルネックを解消し、より高熱伝達なダイアモンド基板50を、支配的な熱伝導経路とする事が可能となる技術的な意義を有する。例えば、第2の層52の層厚が大きい時には、第1の層51の層厚の上限をより一層小さくする事により、第1の層51の熱的なボトルネックを解消する事が可能である事を意味する。このようにする事で、ターゲット金属層(第2の層52)への電子照射密度が増大した場合にも、X線放出スポットである第2の層52の加熱部53の過熱を緩和する事が可能となる効果を得る事ができる。
第1の層51の層厚t1が式6を満たした上で、さらに、第1の層の層厚t1が、0.1nm以上100nm以下の範囲を満たす事により、X線放出動作時の線形性と出力安定性を確保したX線放出ターゲットとX線放出装置を提供する事が可能である事を、本発明者等は見出した。さらには、前記第1の層51の層厚が、1nm以上10nm以下である事により、X線放出動作時のより一層高い出力安定性を確保する事が可能である事を見出した。
なお、ダイアモンド基板80に対する、第1の層81および第2の層82の積層の形態は、図2に示すように、ダイアモンド基板の片面全体を覆うような形態に限らず、図3(B)乃至図3(D)の各図に示すように、さまざまな被覆状態をも含む。第1の層81および第2の層82をどの範囲まで被覆するかは、図3(A)のように、電子ビーム35の照射範囲や、ターゲット保持部7との電気的接続を考慮して、決定する事が可能である。本発明のターゲット8のターゲット保持部7に対する固定方法は、不図示の銀ロウ材等の導電性の接続部材を用いる方法、あるいは、圧着方法等が利用可能である。
また、ターゲット保持部7とターゲット8からなるX線放出部の形態ついては、図1に示す形態に限らずに、図4(A)乃至図4(D)に示すような様様な形態をとる事が可能である。どのような形態でターゲット8をターゲット保持部7が保持するかは、ターゲット8への電気的接続および、ターゲット8の第2の層82で反射する反射電子の到達範囲、および、放出X線や後方散乱X線の放射範囲を考慮して適宜決定する事が可能である。
また、電子放出源3およびX線の放射ターゲット8は、X線放出装置13およびX線放出源1に対して、図1のように単数配置するだけでなく、それぞれ複数配置する事も本発明は含む。
また、電子放出源3とターゲット8との電位関係は、筺体11の電位、および、電源回路の種類等により適宜選択可能である。電子放出源3とターゲット8との電位関係は、加速した電子ビーム5がターゲット8に所定の運動エネルギーで入射可能であればよく、例えば、電子放出源3の加速電極を接地した上で、電子放出部(カソード)2を接地電位に対して負電位に規定するようにする事も可能であるし、電子放出部2と加速電極の間の任意の電位を接地して、加速電極を正電位に、電子放出部2の電位を負電位に規定する事も可能である。
(第1の実施例)
第1の実施例を、図2、図4B、図6を用いて詳細に説明する。
まず、住友電気工業株式会社製の高圧合成ダイアモンドをダイアモンド基板80として用意した。ダイアモンド基板80は、直径5mm、厚さ1mmのディスク状(円柱状)の形状であり、室温での熱伝導率は、2000W/m/Kである。予め、UV−オゾンアッシャにより、ダイアモンド基板80の表面にある有機物を除去した。
このダイアモンド基板の直径1mmの円形の2面のうちの一方の面上に、スパッタ法により、Arをキャリアガスとして、チタンからなる第1の層81を10nmの厚さで形成した。チタンの成膜時のダイアモンド基板は、260℃となるように基板加熱した。次に、成膜装置の雰囲気をベントする事なしに、連続成膜により、第1の層81の上に、Arをキャリアガスとして、スパッタにより、タングステンからなる第2の層82を8μmの厚さに形成した。タングステンの成膜時のダイアモンド基板80は、チタンの成膜時と同様に、260℃となるようにステージにより基板加熱した。成膜過程で予め用意したモニター基板により各層の熱伝導率を評価したところ、第1の層の熱伝導率は、16W/m・Kであり、第2の層の熱伝導率は、178W/m・Kであった。
第1の層81および第2の層82の各層の厚さは、積層成膜する前に、予め、単層膜で成膜した膜厚と成膜時間との検量線データを取得し、成膜時間により指定の膜厚となるようにして積層した。検量線データを取得する為の膜厚の測定は、株式会社 堀場製作所製の分光エリプソメータUVISEL ERを用いた。
得られた、ターゲット8の断面を、機械研磨とFIB加工処理により、第2の層82、第1の層81およびダイアモンド基板80の界面を含むようにした断面検体S1を準備した。準備した検体S1をX線電子分光法(XPS)により、組成と結合の分布状態をマッピングしたところ、第1の層81に対応するチタンが支配的な領域と、ダイアモンド基板80に対応する炭素が支配的な領域との境界に、チタンと炭素の結合が存在する事を確認した。また、前記検体S1と同様にして、FIB加工処理する事により、透過型電子線顕微鏡(TEM)観察用の検体S2を準備した。その後、透過型電子線顕微鏡の明視野像観察と、電子線回折分析(ED)と電子線分光分析(EDX)を組合せて、結晶性分布と結晶方位分布と組成分布を評価した。得られた結晶方位のマッピングをした。この結果、第2の層82に対応するタングステンが支配的な領域と、第1の層81に対応するチタンが支配的な領域の遷移領域にタングステンとチタンの固溶体が形成されている事を確認した。このようにして、図2に示すような、ダイアモンド基板80、チタンからなる第1の層81、タングステンからなる第2の層82がこの順に積層したターゲット8を得た。次に、ターゲット8を後方ターゲット保持部7A、前方ターゲット保持部7Bからなるタングステン製のターゲット保持部7に狭持し、さらに不図示の銀ロウを接続層として用いて、図4(A)のように、第2の層82が後方ターゲット保持部7Aと接触するように固定した。
次に、ターゲット8とターゲット保持部7とからなるユニット(X線放出部)を、ターゲット8と、電子放出部2を有する含侵型の熱電子銃を電子放出源3とを、第2の層82と電子放出部2とが正対する様に対向させた。さらに、図6に示すように、前記ユニットと電子放出源3を、フランジ19を有する真空チャンバ18に配置した。ターゲット保持部7は、フランジ19を介して真空チャンバに固定される。ターゲット8は、ターゲット保持部7、フランジ19を介して真空チャンバとの間で電気的な導通が得られるよう接続した。さらに、真空チャンバ18は、真空チャンバ18に接続した接地端子16により接地電位に電位規定した。電子放出源3のカソードは、−120kVに不図示の電源回路により電位規定し、ターゲット8の第2の層82の中心に、120keVの運動エネルギーを有する電子ビーム5を照射可能となるようにした。電子放出源3の周縁部と後方ターゲット保持部7Aの周縁部には、内部に水を還流する不図示の銅製の冷却管を配置して、電子放出源3とターゲット8およびターゲット保持部7を、X線出力動作時に冷却可能なようにした。
次に、電子放出部2とディスク状のターゲット8の中心を結ぶ延長上で、かつ、ダイアモンド基板80の大気側面より大気側に100cm離れた箇所に、2種の線量計(20,21)を交換可能なように配置した。片方の線量計20は、電離箱方式の線量計であり、線量の時間積分値を測定する為に配置し、もう片方の線量計21は、半導体検出器を有して時間変動を測定する為に配置した。電子放出源3からの放出電流密度を変化させて、線量計20により電子照射量に対するX線量の線形性を測定した。さらに、電子放出源3を0.1秒、1秒、3秒間連続照射した時間経過後に、線量計21により検出した検出強度の中心値の1秒間の時間変動を測定した。なおいずれの電子照射も、第2の層82の真空側表面に焦点をアライメントし、電子ビーム5のスポット半径は、0.5mmとなるようにした。これらの評価結果を表2および、表3に示す。なお、線形性と安定性のいずれの評価も、第2の層82から接地電極に流れる電流を検知して、不図示の負帰還回路により、第2の層に流れる電流密度を1%以内の変動値とするよう制御した。
本実施例のX線出力強度の電子照射量に対する線形性、高ドーズ電子照射条件におけるX線出力強度の安定性のいずれの評価においても、充分な線形性と安定性を確認した。(本実施例およびその他の実施例のX線出力特性結果のうち線形性評価結果を示す表2、4,6,8,10,12の各表中の「○」は、線形性評価結果が問題無かった事を示す。さらに、出力安定性評価結果を示す表3,5,7,9,11,13の各表中の「○」は、出力安定性評価結果が問題無かった事を示している。)
(第2の実施例)
第1の実施例の第1の層81の層厚を1nm、第2の層82の層厚を7μmとした事以外は、実施例1と同様にして、X線出力強度の電子照射量に対する線形性、高ドーズ電子照射条件におけるX線出力強度の安定性を評価した。これらの評価結果を表4および、表5に示す。
本実施例のX線出力強度の電子照射量に対する線形性、高ドーズ電子照射条件におけるX線出力強度の安定性のいずれの評価においても、充分な線形性と安定性を確認した。
(第3の実施例)
第1の実施例の第1の層81の層厚を100nm、第2の層82の層厚を5.5μmとした事以外は、実施例1と同様にして、X線出力強度の電子照射量に対する線形性、高ドーズ電子照射条件におけるX線出力強度の安定性を評価した。これらの評価結果を表6および、表7に示す。
本実施例のX線出力強度の電子照射量に対する線形性、高ドーズ電子照射条件におけるX線出力強度の安定性のいずれの評価においても、充分な線形性と安定性を確認した。
(第4の実施例)
第1の実施例の第1の層81の層厚を0.1nm、第2の層82の層厚を5.6μmとした事以外は、実施例1と同様にして、X線出力強度の電子照射量に対する線形性、高ドーズ電子照射条件におけるX線出力強度の安定性を評価した。これらの評価結果を表8および、表9に示す。
本実施例のX線出力強度の電子照射量に対する線形性、高ドーズ電子照射条件におけるX線出力強度の安定性のいずれの評価においても、充分な線形性と安定性を確認した。
(第5の実施例)
第1の実施例の第1の層81を、スパッタ成膜したタンタルとして、第1の層81の層厚を100nmとした事以外は、実施例1と同様にして、X線出力強度の電子照射量に対する線形性、高ドーズ電子照射条件におけるX線出力強度の安定性を評価した。なお、形成したタンタルからなる第1の層の室温での熱伝導率は、58W/m・Kであった。これらの評価結果を表10および、表11に示す。
本実施例のX線出力強度の電子照射量に対する線形性、高ドーズ電子照射条件におけるX線出力強度の安定性のいずれの評価においても、充分な線形性と安定性を確認した。
また、実施例1と同様にして、XPSにより、第1の層81と基板80との間の界面の組成―結合の分布解析をしたところ、第1の層81に対応するタンタルが支配的な領域と、ダイアモンド基板80に対応する炭素が支配的な領域との境界に、タンタルと炭素の結合が存在する事を確認した。さらに、実施例1と同様にして、透過型電子線顕微鏡の明視野像観察と、電子線回折分析(ED)と電子線分光分析(EDX)を組合せて、結晶性分布と結晶方位分布と組成分布を評価した。得られた結晶方位のマッピングをした。この結果、第2の層82に対応するタングステンが支配的な領域と、第1の層81に対応するタンタルが支配的な領域の遷移領域にタングステンとタンタルの固溶体が形成されている事を確認した。
(第6の実施例)
第1の実施例の第1の層81をスパッタ成膜したタンタルとして層厚を1nmとした事以外は、実施例1と同様にして、X線出力強度の電子照射量に対する線形性、高ドーズ電子照射条件におけるX線出力強度の安定性を評価した。これらの評価結果を表12および、表13に示す。
本実施例のX線出力強度の電子照射量に対する線形性、高ドーズ電子照射条件におけるX線出力強度の安定性のいずれの評価においても、充分な線形性と安定性を確認した。
(第7の実施例)
第1の実施例と同様にして、ターゲット8の第2の層82と、電子放出部2とが正対するように対向させ、かつ、図1に示すように、ベリリウムからなる厚さ1mmの透過窓9を具備し、かつ、窒化ホウ素からなるセラミック製の外囲器6の中に、第1の実施例のターゲット8と電子放出源3とのそれぞれを配置した。ターゲット保持部7は、セラミック製の外囲器6に予め設けた不図示の電極との間で電気的に導通している。ターゲット8の非成膜面側が大気側を向き、成膜面側が真空側を向いている。透過窓9の中心と、ターゲット8の中心と、電子放出部2の中心とが同一直線上に並ぶように、透過窓9、ターゲット8、電子放出部2がそれぞれ固定されている。次に、外囲器6の内部空間12を減圧して真空外囲器6とした。真空外囲器6に設けた電極は、接地電位に電位規定され、電子放出源3のカソードがー120kVとなるようにして、ターゲット8の第2の層の中心部に、120keVの運動エネルギーの電子を照射可能となるようにした。この真空外囲器6からなるX線放出源1を、電子銃を駆動する駆動回路14とともに、図1のように、絶縁シリコーン油で満たした筺体11の筺体内部空間17に配置して、X線放出装置13を完成させた。得られたX線放出装置13に対して、実施例1と同様にして、X線出力強度の電子照射量に対する線形性、高ドーズ電子照射条件におけるX線出力強度の安定性を評価した。これらの評価結果を表14および、表15に示す。なお、線形性と安定性のいずれの評価も、第2の層82から接地電極に流れる電流を検知して、不図示の負帰還回路により、第2の層に流れる電流密度を1%以内の変動値とするよう制御した。
本実施例のX線出力強度の電子照射量に対する線形性、高ドーズ電子照射条件におけるX線出力強度の安定性のいずれの評価においても、充分な線形性と安定性を確認した。
以上、実施例1乃至実施例6で得られたいずれのX線放出ターゲット8、および実施例7のX線放出装置13は、X線出力強度の電子照射量に対する線形性、高ドーズ電子照射条件におけるX線出力強度の安定性において、充分な線形性と安定性を確認した。
50、80 ダイアモンド基板
51、81 第1の層
52、82 第2の層
8 X線放出ターゲット

Claims (17)

  1. 電子の照射によりX線を発生するターゲット金属を含有するターゲット層と、前記ターゲット層で発生したX線を透過するダイアモンド基板と、
    前記ターゲット層と前記ダイアモンド基板との間に配され、前記ターゲット層の熱伝導率よりも低い熱伝導率を呈する中間層とを備え、
    前記中間層は、炭化物層であり、500℃から1500℃の温度域における炭化物標準生成自由エネルギーが負である被炭化金属を含有する事を特徴とするX線放出ターゲット。
  2. 前記中間層の層厚が、1nm以上10nm以下である請求項1記載のX線放出ターゲット。
  3. 前記被炭化金属と、前記ターゲット金属との固溶体が、前記ダイアモンド基板と前記ターゲット層との境界に存在している事を特徴とする請求項1または2に記載のX線放出ターゲット。
  4. 前記被炭化金属は、チタン、バナジウム、タンタル、クロムのいずれかからなる事を特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のX線放出ターゲット。
  5. 前記被炭化金属は、500℃から1500℃の温度域における炭化物標準生成自由エネルギーが − 40 kJ/(mol℃) 以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のX線放出ターゲット。
  6. 前記炭化金属は、チタンまたはタンタルであることを特徴とする請求項に記載のX線放出ターゲット。
  7. 前記ターゲット金属は、原子番号が42以上の金属であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のX線放出ターゲット。
  8. 前記ターゲット金属は、タングステンであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のX線放出ターゲット。
  9. 内部が減圧されている真空外囲器と、
    前記真空外囲器の内部に配された電子放出源と
    前記電子放出源と前記ターゲット層とが対向するように配された請求項1乃至のいずれか1項に記載のX線放出ターゲットと、を備えたX線発生管。
  10. 請求項に記載のX線発生管と、前記電子放出源を駆動する駆動回路と、
    を備えることを特徴とするX線発生装置。
  11. 電子の照射によりX線を発生するターゲット金属を含有するターゲット層と、前記ターゲット層で発生したX線を透過するダイアモンド基板と、
    前記ターゲット層と前記ダイアモンド基板と間に前記ターゲット金属よりも低い熱伝導率を呈する中間層と、を備え、
    前記中間層は、500℃から1500℃の温度域における炭化物標準生成自由エネルギーが負である被炭化金属を含有することを特徴とするX線放出ターゲット。
  12. 前記中間層の層厚が、1nm以上10nm以下である請求項11に記載のX線放出ターゲット。
  13. 前記被炭化金属と、前記ターゲット金属との固溶体が、前記中間層と前記ターゲット層との境界に存在している事を特徴とする請求項11または12に記載のX線放出ターゲット。
  14. 前記被炭化金属は、チタン、バナジウム、タンタル、クロムのいずれかからなる事を特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載のX線放出ターゲット。
  15. 前記被炭化金属は、500℃から1500℃の温度域における炭化物標準生成自由エネルギーが −40 kJ/mol℃ 以下であることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載のX線放出ターゲット。
  16. 内部が減圧されている真空外囲器と、
    前記真空外囲器の内部に配された電子放出源と
    前記電子放出源と前記ターゲット層とが対向するように配された請求項11乃至15のいずれか1項に記載のX線放出ターゲットと、を備えたX線発生管。
  17. 請求項16に記載のX線発生管と、前記電子放出源を駆動する駆動回路と、
    を備えることを特徴とするX線発生装置。
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