JP5925219B2 - 放射線ターゲット、放射線発生管、放射線発生装置、放射線撮影システム及びその製造方法 - Google Patents

放射線ターゲット、放射線発生管、放射線発生装置、放射線撮影システム及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、医療機器及び産業機器分野における診断応用や非破壊X線撮影等に適用できる、透過型放射線ターゲット及びその製造方法に関する。
放射線ターゲットとして、透過型ターゲットが公知である。透過型ターゲットでは、電子放出源とターゲットと放射線取り出し窓とを直線上に配置する事ができるので小型化や高精細化した放射線発生装置への応用が期待されている。
特許文献1には、ベリリウム基板上にタングステンを配置したアノードが開示されている。さらに、タングステンとベリリウム基板間に、銅、クロム、鉄、チタン等の中間層を配置することにより、タングステンとベリリウム基板との線膨張量の差に伴う応力剥がれを防止することが開示されている。特許文献2には、ターゲット層で発生した熱の冷却効率を向上させる為に、銅合金又は銀合金からなる金属基材と、モリブデン、クロム、タングステン、金、銀、銅、鉄等の金属材料からなるターゲット層との間に、熱拡散層として銅又は銀にダイアモンド粉末又はチタンを混合して形成した中間層を配置することが開示されている。
特開2000―306533号公報 特開2002―93355号公報
従来の、中間層を有する透過型ターゲットでは、ランニング試験において、放射線出力強度が徐々に低下する場合がある。この出力変動の発生メカニズムは、明確には判明していないものの、中間層の密着性の変化が関係していると推定される。
本発明の目的は、ターゲット層の密着性を長期間に渡って維持することにより、放射線出力強度の変動を抑制し、安定した強度の放射線出力を得ることにある。
本発明の放射線ターゲットは、支持基板と、電子線の照射により放射線を発生するターゲット層と、前記支持基板と前記ターゲット層との間に位置する中間層とを備えた放射線ターゲットであって、前記中間層は、その層厚が1μm以下であるとともに、チタンを主成分として含有し、前記チタンの少なくとも一部は、400℃以下においてβ相を呈することを特徴とする。
また、本発明の放射線ターゲットの製造方法は、基板上に、V、Nb、Taから選ばれる少なくともいずれかの金属と、チタンとを含有する第1の層を形成する工程と、前記第1の層の上に、ターゲット金属を含有する第2の層を形成する工程と、前記第1の層を600℃以上1600℃以下に加熱するβ相安定化処理を行う工程を備えることを特徴とする。
本発明によれば、支持基板とターゲット層との間の密着性を長期間の動作環境下を経ても安定的に維持することができるので、ターゲット層の温度上昇に伴う放射線出力強度の変動を抑制することができる。信頼性の高い放射線放出特性を有する放射線ターゲットを提供することが可能となる。
本発明における放射線ターゲットの断面図 本発明における放射線発生装置の断面図 本発明における他の放射線ターゲットの断面図 本発明における他の放射線ターゲットの断面図 本発明における他の放射線ターゲットの断面図 本発明における他の放射線ターゲットの断面図 本発明における放射線発生管の断面図 本発明における放射線発生管の断面図 放射線発生管の放射線出力強度を測定する測定系ブロック図 Ti−V系の平衡状態図 本発明における放射線ターゲットの製造工程を示すブロック図 本発明における放射線ターゲットの製造工程を示すブロック図 本発明における放射線ターゲットの製造工程を示すブロック図 本発明における放射線ターゲットの製造工程を示すブロック図 本発明における放射線ターゲットの製造工程を示すブロック図 本発明の放射線撮影システムの構成図
まず、放射線発生管1について説明する。図4A、4Bは、本発明の放射線ターゲット(以降、単にターゲットと称する)8を備えた放射線発生管1の断面図である。放射線発生管1は、その内部空間12が真空に保持された外囲器6と、外囲器6内に配置された電子放出源3と、ターゲット8とを少なくとも備える。ターゲット8は、電子放出源3から放出された電子線5の照射を受けるように、電子放出源3と対向して外囲器6に配置される。
内部空間12の真空度は、電子放出源3とターゲット8の間の距離を少なくとも電子が飛翔可能なだけの平均自由行程を確保した真空度であれば良く、1E−4 Pa 以下の真空度が適用可能である。内部空間12の真空度は、使用する電子放出源3の種類を考慮して適宜選択する事が可能であり、冷陰極電子放出源等の場合は、1E−6 Pa以下の真空度とする事がより好ましい。内部空間12の真空度の維持の為に、ゲッタを内部空間12、若しくは、内部空間12に連通している補助スペースに設置する事も可能である。
外囲器6内に配置する電子放出源3としては、外囲器6の外部より放出電子量を制御可能な電子放出源であれば良く、熱陰極型電子放出源、冷陰極型電子放出源を適宜適用する事が可能である。電子放出源3は、外囲器6を貫通するよう配した電流導入端子4を介して、電子放出量及び電子放出のオン・オフ状態を制御可能なように、外囲器6の外部に設置した駆動回路14に電気的に接続することが可能である。電子放出源3は、電子放出部2を有している。電子放出部2は自ら放出した電子を、後述するターゲット8に入射可能なように配置されれば良いが、図4A、4Bに示すように、ターゲット8と対向して配置されることが可能である。電子放出部2は、ターゲット8に対して、−10kV乃至―200kVの負電位に電位規定されることにより、電子放出部2から放出された電子線5を所定の運動エネルギーに加速させ、ターゲット8に照射させることが可能となる。また、ターゲット8上に形成される電子線照射位置又は非点収差を調整するために、不図示の補正回路に接続された補正電極を配置する形態とすることも可能である。
次に、放射線発生装置13について説明する。図2は、放射線発生管1を内部に収納した放射線発生装置13を示す断面図である。放射線発生装置13は、収納容器11と、収納容器11内に配置される放射線発生管1と、放射線発生管1を駆動する駆動回路14を備える。また、収納容器11は、その一部にターゲット8から放出された放射線を透過するガラス、ベリリウム等からなる放射線取出し窓10を設けても良い。放射線取出し窓10を設けた場合、放射線発生管1から放出された放射線はこの放射線取出し窓10を通して外部に放出される。また、放射線発生装置13は、放射線発生管1の放熱促進を目的として、収納容器11の内部空間17に、シリコーンオイル等の絶縁性の液体18を充填して備えることも可能である。
次に、ターゲット8について説明する。図1に示すように、ターゲット8は、ターゲット物質を備えたターゲット層82と、中間層81と、支持基板80との、少なくとも3層が、この順に積層された積層構造である。
ターゲット層82は、電子の照射を受けるターゲット8の一方の面の側に位置している。ターゲット層82が含有するターゲット物質は、重金属であり、タングステン、金等の原子番号39以上の金属を適用することが可能である。ターゲット層82の層厚は、目的とする放射線エネルギー、ターゲット層82の密度、入射電子の加速電圧を考慮して決められ、例えば1μm〜20μmとすることが可能である。
支持基板80は、薄膜であるターゲット層82を構造上支持する部材である。積層体としての強度を確保する点で、支持基板の層厚(板厚)は、100μm以上である事が好ましい。また、支持基板80の層厚は、500μm以上である形態とすることにより、ターゲット層82に生じる居所的な発熱を、効率的にターゲット8の外部に放出することが可能と成り、より一層好ましい。支持基板80を、ベリリウム、グラファイト、ダイアモンド等の軽元素を主成分とする部材とした形態では、支持基板80を放射線透過部材として機能させた透過型のターゲット8を構成することが可能となる。透過型のターゲット8においては、ターゲット8の電子線5が入射される側(以降、後方と称する)とは反対側(以降、前方と称す)から放出される前方放射線を、放射線発生管1又は放射線発生装置13の外部へ取り出すことが可能となる。支持基板80の層厚の上限は、透過型のターゲット8とした形態においては、支持基板の放射線透過率を考慮して決定する。例えば、ダイアモンドを支持基板80とした透過型のターゲット8においては、支持基板の層厚を2mm以下とすることが、放射線の透過率の観点から好ましい。ダイアモンドは、高融点、低密度、高熱伝導体であり、透過型のターゲット8の支持基板80として、特に好ましく適用可能な材料である。支持基板80に適用するダイアモンドは、多結晶、単結晶等のいかなる結晶構造でも良いが、熱伝導性の観点からは、単結晶ダイアモンドが好適である。
次に、中間層81について説明する。図1に示すように、中間層81は、ターゲット層82と支持基板80の間の密着性を向上する為に配置された密着層として設けられ、ターゲット層82と支持基板80とに、それぞれ接続される2つの接続面を備える。
中間層81の層厚が薄過ぎると、支持基板80と、ターゲット層82とのアンカリングフォースが不足し、密着性が確保できなくなる。従って、中間層81の層厚は、少なくとも10原子層程度以上、すなわち、1nm以上とすることが好ましい。逆に、中間層81の層厚が厚過ぎると、ターゲット8の放射線出力時に温度変化が生じた際に、支持基板80、ターゲット層82との線膨張差によりターゲット8を構成する各層間に応力が発生し、微視的な密着不良が生じる場合がある。従って、中間層81の層厚としては1μm以下とすることが好ましい形態である。また、中間層81は、ターゲット8の放射線出力時のターゲット層の発熱を効率的に支持基板80に伝達する熱伝達層としての作用を備えている。そのため、中間層81の層厚が厚すぎると熱伝達率が不足し、放射線出力時のターゲット8が過熱状態となり放射線出力強度の変動が生じる場合がある。従って、中間層81の層厚としては0.1μm以下とすることがより一層好ましい形態である。なお、放射線出力時とは、ターゲット層82に電子放出源3から放出された電子線5が入射し、ターゲット層82から所定強度の放射線が発生している状態を指す。
中間層81の材料は、ターゲット層82及び支持基板80とのそれぞれの接続面で十分な密着性を確保可能な材料であることが要請されるとともに、1000℃程度まで加熱されるターゲット層82と積層構造を維持するように、ターゲット8の動作時においても溶融しないような耐熱性を備えることが要請される。中間層81は、チタンを主成分とし、チタンの少なくとも一部が、400℃以下の低温相においてβ相を呈することを特徴とする。中間層81が、このような特徴を備えることにより、前述の耐熱性の要請を満足するとともに、ターゲット8が動作時と停止時の間の温度サイクル履歴を受けた場合においても、ターゲット8の密着性を確保して、良好な放熱性を維持することが可能となる。この結果、ターゲット8は、長期間に渡り高い出力安定性を維持する効果を発現する。
純チタンは、その融点1670℃以下において、882℃を変態温度とする2つの相状態をとる。一方の相は、882℃以下の低温側でα相と呼ばれる低温相を示し、その結晶形は六方細密充填構造である。他方の相は、882℃より高温側でβ相と呼ばれる高温相を示し、その結晶形は体心立方構造である。本発明における純チタンは、チタンとの間で合金を形成する他の金属元素を組成中に含まない、純度100%のチタンを意味する。1000℃程度になる動作時のターゲット層82の温度履歴によって、中間層に含有されるチタンは、α相からβ相への昇温過程の相変態と、β相からα相への降温過程の相変態とを繰り返す。
本発明者等は、複数回の動作履歴を経験した中間層をキャラクタリゼーションすることによって、複数回の動作履歴を経験したターゲットが、次第に放射線出力の低下を生じること、中間層は、複数の結晶粒を備える多結晶体であること、複数回の動作履歴を経験したターゲットの中間層は、結晶粒径が粗大化し、それはβ相からα相への降温時の相変態過程に起因していることの知見を得た。
この知見に基づいて、本発明者等は、中間層81を、低温相としてβ相を呈するようにすることにより、チタンを主成分とする中間層81の結晶粒径が粗大化することを抑制し、以って、ターゲットが複数回の動作履歴を経た場合においても、ターゲット8の密着性を確保することが可能となることを見出した。
中間層81が、低温相としてβ相を呈することは、必ずしも、チタンの全量がβ相である必要はなく、チタンの一部がβ相を呈することを含む。チタンの一部がβ相を呈する形態とは、α相とβ相とが共析する形態とを含む。本発明における低温相は、チタンの特定の相(α相、β相)を意味するのではなく、400℃以下の温度域の相を指すものとする。400℃は、ターゲット8の動作時と停止時とを分ける温度に関連付けられた基準温度である。
チタンを含有する中間層81が、低温相としてβ相を呈するためには、チタンを主成分として含有するとともに、β相安定化金属を微量成分として含有した中間層81の組成とすることを含む。さらに、中間層81は、チタンとβ相安定化金属との合金であることを含む。β相安定化金属とは、α相のみを含有する状態からβ相を含有する状態へのチタンの相変態温度を、純チタンに添加することにより純チタンよりも低温化する作用を有する金属を意味する。β相安定化金属について、バナジウムを例として図6用いて、具体的に説明する。図6は、チタン‐バナジウム系の平衡状態図である。液相線は、バナジウムの含有率が0atm%(純チタン)における1670℃のポイントから、バナジウム含有率が31atm%の1608℃のポイントを経て、バナジウム含有率が100atm%(純バナジウム)の1914℃のポイントに接続している。液相線以下の温度域で、ターゲットを動作させた場合には、ターゲット8は、中間層81が溶融することなく、層間の密着性を維持する。図6純チタン(バナジウム含有0atm%)においてα相‐β相間の相変態点882℃からバナジウムの含有量が増大する方向にかけて2本の分岐線が延出している。一方の低温側に位置する分岐線(第1の変態線と称する)は、第1の変態線上の任意の組成からバナジウムの含有量を減少させると、チタンはα相のみを呈し、反対に、バナジウムの含有量を増加すると、チタンはα相とβ相とがバナジウムの含有率に応じた比率で共析する相を呈する。もう一方の高温側に位置する分岐線(第2の変態線と称する)は、第2の変態線上の任意の組成からバナジウムの含有量を減少させると、チタンはα相とβ相とが、バナジウムの含有率に応じた比率で共析する相を呈し、反対に、バナジウムの含有量を増加させるとチタンは、β相のみを呈する。
以上のように、バナジウムは、純チタンに対して添加されることにより、純チタンのα相からβ相への相変態温度(相変態点)である882℃よりも低温化した相変態温度特性を得ることが可能となる。即ち、バナジウムは、チタンに対するβ相安定化金属である。
図6は、400℃以上の範囲を示すにとどまるが、400℃未満の低温側においては、400℃より高温側において第1の変態線が示す温度変化依存性に比較して、顕著な変化は認められず、中間層81の組成を決定する上においても400℃以上で呈示されている第1の変態線挙動で十分に活用できるので、平衡状態図の400℃未満の領域については省略されている。
β相安定化金属の中間層81中における含有率の上限は、50atm%以下とすることが好ましい。これは、中間層81が、チタンを主成分として含有することを意味し、β相安定化金属を微量成分として含有することを意味する。中間層81がチタンを主成分として含有し、β相安定化金属を微量成分として含有することは、中間層81が、ターゲット層82と支持基板80との間で静的に密着性を得るための条件である。静的な密着とは、温度履歴に関係せずに、主に各層に含有する材料同士の親和性により支配される、層間の密着を意味する。
さらに、中間層81中のβ相安定化金属の含有量の下限は、第1の変態線により決定することが可能である。具体的には、中間層81は、β相安定化金属を、400℃において、α相チタンとβ相チタンが共析する含有率下限の1.5倍以上含有していることが、動的な密着性を得る点で好ましい。動的な密着性とは、相変態を伴う温度履歴に伴い変動する層間の密着を意味する。
チタンに対するβ相安定化金属としては、前述のバナジウム(V)に限らず、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)も含まれる。すなわち、ターゲット8の中間層81が含有するβ相安定化金属は、V,Nb、Taから選ばれる少なくともいずれかの金属である。また、中間層81は、純チタンに対してβ相とα相の間の相変態点温度を低下させる作用を満足する範囲で、他の元素を含有する形態を含む。
400℃において、α相チタンとβ相チタンが共析する含有率下限は、バナジウム、ニオブ、タンタルにおいて、それぞれ、2.2atm%、1.8atm%、2.0atm%であり、概ね、一致している。従って、中間層81は、β相安定化金属を、3.3atm%以上50atm%以下とすることにより、β相安定化金属の種類に依存せずに、低温相として安定的にβ相を呈することが可能となる。
中間層81は、中間層81の層面内方向における結晶粒径の平均値が、0.1μm以下の多結晶体である形態とすると、長期間の動作温度履歴を経験した場合においても、チタンの結晶粒の粗大化がより一層制限される。
次に、ターゲット8の製造方法について図7A〜7Eで説明する。図7Aに示すように、基板(支持基板)80を用意した後に、図7Bに示すように、第1の層(中間層)81を基板80上に成膜する。第1の層の成膜方法としては、スパッタリング、蒸着、CVD等のドライ成膜か、スピンコート、インクジェット法等のウェット成膜後に焼成する方法等を適用することが可能である。なお、基板80を用意する工程にあたっては、少なくとも第1の層81を成膜する面に、成膜に先だって、有機物を除去する洗浄処理を行うことが好ましい。次に、図7Cに示すように、第1の層の上に、第2の層(ターゲット層)82を成膜する。第2の層の成膜方法も、スパッタ法、蒸着法、CVD法等が適宜適用可能である。
次に、本発明のターゲットの製造方法における、第1の層を形成する工程における各金属成分の基板80上への付与量について説明する。前述の中間層81中のβ相安定化金属の含有濃度を[Mβ]、中間層81中のチタン濃度を[MTi]とした場合に、中間層81中のβ相安定化金属の好適な含有濃度Cβ=[Mβ]/([Mβ]+[MTi])は一般式(1)として以下のように示される。
0.033≦ [Mβ]/([Mβ]+[MTi])≦0.5 一般式(1)
一般式(1)を含有比[Mβ]/[MTi]に変形することにより、一般式(2)が一義的に得られる。
0.035≦[Mβ]/[MTi]≦1 一般式(2)
従って、第1の層を形成する工程において、前記バナジウム、ニオブ、タンタルから選ばれる少なくともいずれかの金属の基板80上への付与量([Mβ]に相当)の、前記チタンの基板80上への付与量([MTi]に相当)に対する原子数比率を0.035以上1以下とすることを、本発明のターゲットの製造方法は含む。
本発明のターゲットの製造方法は、少なくとも第1の層81に対して、後述するβ相安定化処理を行うことを含む。β相安定化処理工程は、第1の層81を加熱する処理工程であって、この処理により第1の層が、低温相としてβ相を呈するチタンを含有した組成を安定的に保持する作用を発現する。β相安定化処理工程は、第1の層81を600℃以上1600℃以下の温度に所定時間加熱する工程である。この加熱処理は、より具体的には、第1の層81を900℃以上1600℃以下の温度に所定時間加熱した後に急冷させる溶体化処理と、第1の層81を600℃以上880℃以下の温度に所定時間加熱する時効硬化処理との、少なくともいずれかの処理を行うことを含む。溶体化処理と時効硬化処理との選択は、ターゲット8又は放射線発生管1の他の部材の耐熱性等を考慮して、適宜選択することが可能である。
また、β相安定化処理工程は、ターゲット8の製造工程において、前述の第1の層81を形成する工程、すなわち、第2の層を形成する工程の前の工程で行うことができる。支持基板80と中間層81の層界面の拡散を促進し、支持基板80と中間層81の密着性が選択的に向上するからである。
また、β相安定化処理工程は、ターゲット8の製造工程において、前述の第2の層82を形成する工程で行うことができる。第2の層の成膜過程におけるターゲット材の第1の層上でのマイグレーションを促進させ、中間層81とターゲット層82との密着性が向上するからである。
また、β相安定化処理工程は、ターゲット8の製造工程において、前述の第2の層82を形成する工程の後で行うことができる。積層したターゲット8の層間の線膨張差に起因して層間に生ずる残留応力を軽減して、積層ターゲットの反りや、剥離を抑制するからである。
溶体化処理の加熱時間は、基板、第1の層、第2の層のそれぞれの材料種や、層厚によって決定すれば良いが、例えば、10分から10時間の範囲で行うことが可能である。時効硬化処理の加熱時間についても、20分から20時間の範囲で行うことが可能である。
なお、支持基板80に対する、中間層81及びターゲット層82の積層の形態は、図1に示すように、支持基板80の片面全体を覆うような形態に限らず、図3B乃至図3Dの各図に示す被覆状態を含む。中間層81及びターゲット層82をどの範囲まで被覆するかは、図3Aのように、電子線束35のターゲット8上の照射範囲を少なくとも含むように、支持基板80上に中間層81の被覆範囲を設けることが、支持基板の帯電を抑制する点で好ましい。また、ターゲット層82は、中間層81の被覆範囲と同じか、該被覆範囲に内包される範囲で形成されることが、密着性の観点から好ましい。さらに、又は、遮蔽体7又は陽極部材21との電気的接続を考慮して、不図示の導電性の接続部材を介して、遮蔽体7とターゲット層が電気的に接続する部分を、中間層81の被覆範囲(形成範囲)に別途設けることも本発明は含む。
ターゲット8の遮蔽体7に対する固定方法は、不図示の銀ロウ材等の導電性の接続部材を用いる方法、あるいは、圧着方法等が利用可能である。
また、放射線発生装置13及び放射線発生管1は、図2のように電子放出源3及びターゲット8をそれぞれ単数配置するだけでなく、それぞれを複数配置する形態を含み、この形態により複数の放射線を互いに独立にもしくは連携して放出する構成も含む。
図8は、本発明の放射線撮影システムの構成図である。システム制御装置102は、放射線発生装置13と放射線検出装置101とを連携制御する。制御部105は、システム制御装置102による制御の下に、放射線管1に各種の制御信号を出力する。制御信号により、放射線発生装置13から放出される放射線の放出状態が制御される。放射線発生装置13から放出された放射線は、被検体104を透過して検出器108で検出される。検出器108は、検出した放射線を画像信号に変換して信号処理部107に出力する。信号処理部107は、システム制御装置102による制御の下に、画像信号に所定の信号処理を施し、処理された画像信号をシステム制御装置102に出力する。システム制御装置102は、処理された画像信号に基いて、表示装置103に画像を表示させるための表示信号を表示装置103に出力する。表示装置103は、表示信号に基づく画像を、被検体104の撮影画像としてスクリーンに表示する。
(第1の実施例)
まず、図7Aに示すように、住友電気工業株式会社製の高圧合成ダイアモンドを支持基板80として用意した。支持基板80は、直径5mm、厚さ1mmのディスク状(円柱状)の形状である。予め、UV−オゾンアッシャ処理により、支持基板80の表面にある有機物を除去した。
次に、図7Bに示すように、用意した支持基板80の直径1mmの円形の2面のうちの一方の面上に、スパッタ法により、チタンとニオブからなる中間層81を100nmの層厚となるように成膜した。スパッタ法による中間層81の成膜にあたっては、Arをキャリアガスとして、チタンとニオブのスパッタターゲットをそれぞれ用いて行った。成膜時の支持基板80は、成膜装置内部の不図示のステージ上に設置し、ステージに内蔵したヒータにより260℃となるように基板加熱した。なお、中間層81の成膜にあたって、ニオブの支持基板80上への単位時間当たりの付与量は、チタンの支持基板80上への単位時間当たりの付与量に対して、0.821(原子量比)となるように成膜レートを調整した。成膜レートの調整は、それぞれのスパッタターゲットに対する投入電力を調整して行った。
次に、図7Cに示すように、成膜装置の雰囲気をベントする事なしに、連続成膜により、中間層81の上に、Arをキャリアガスとして、スパッタにより、タングステンからなるターゲット層82を7μmの厚さに形成した。ターゲット層82の成膜時の基板80は、中間層81の成膜時と同様に、260℃となるように基板加熱した。
次に、支持基板80の上に中間層81とターゲット層82をこの順に積層した積層体を、1E−5Paの真空度にとなるように内部を排気した不図示のイメージ炉の内部に移動させた。次にイメージ炉で積層体を700℃の温度で1時間の加熱処理を行った。加熱処理工程を終了後に、イメージ炉を室温まで2時間かけて冷却した後に、イメージ炉をベントすることにより、積層体取出した。なお、ターゲット層82の成膜工程からβ相安定化処理工程にかけては、大気導入することなしに、イメージ炉へ積層体を移動させた。
以上のようにして、支持基板80上に、中間層81とターゲット層82をこの順に積層したターゲット8を作成した。
中間層81及びターゲット層82の各層の厚さは、積層成膜する前に、予め、各々の単層成膜した層厚と成膜時間とで得られた検量線データを用意し、成膜時間の制御により所定の層厚となるようにして積層成膜した。検量線データを取得する為の膜厚の測定は、株式会社 堀場製作所製の分光エリプソメータUVISEL ERを用いた。
得られたターゲット8をダイシング加工した不図示の中間試料を作成した。中間試料に対して機械研磨とFIB加工処理により、ターゲット層82、中間層81及び、中間層と支持基板80との界面を含むサイズに加工した断面検体S1を準備した。さらに、断面検体S1と同様にして、中間試料に対して、FIB加工処理とSIMS検出装置とを組み合わせることにより、支持基板80上に積層された中間層81が露出している膜面検体S2を準備した。
準備した断面検体S1を、透過型電子顕微鏡(TEM)と電子線分光分析(EDX)を組合せて、断面検体S1の、各層の組成と結合の分布状態をマッピングしたところ、支持基板80に対応する炭素が支配的な領域と、中間層81に対応するチタンが支配的な領域と、ターゲット層82に対応するタングステンが支配的な領域とが積層されていることが確認された。次に、透過型電子顕微鏡(TEM)と電子線分光分析(EDX)を組合せて、膜面検体S2の中間層81の組成分布状態をマッピングした。断面検体S1と膜面検体S2のいずれにおける中間層81も、チタンとニオブは、互いに同じ領域に分布していることが確認された。
次に、断面検体S1に対して、透過型電子顕微鏡(TEM)により、中間層81の層厚を測長した結果、100nmであった。
次に、断面検体S1及び膜面検体S2に対して、透過型電子顕微鏡の明視野像観察、暗視野像観察、及び電子線分光分析(EDX)を組合せて、結晶性と結晶粒径と組成分布を評価した。この結果、中間層81は、複数の結晶粒が観察されその平均粒径は、85nmであった。それぞれの結晶粒中には、チタンとニオブが含有されていることが確認された。中間層81に占めるチタンの含有量は、54.9atm%、ニオブの含有量は、45.1atm%であった。
さらに、断面検体S1及び膜面検体S2に対して、透過型電子顕微鏡の明視野像観察、暗視野像観察、電子線回折(ED)、及び電子線分光分析(EDX)を組合せて、結晶粒の結晶形を評価した。試料は評価中400℃に加熱した。得られた電子線回折結果から、中間層81が含有するチタンの結晶形は、体心立方構造が支配的であることが確認された。すなわち、本実施例の中間層81は、400℃においてβ相を呈することが確認された。また、試料を室温25℃とした場合においても、400℃とした加熱条件の結果と同様にして、中間層81が、β相を呈することが確認された。
次に、図7D及び図7Eに示すように、作成したターゲット8を、タングステンからなる筒状の遮蔽体7の筒内部に、不図示の銀ろうを用いて固定した。なお、図7Eは、図7Dに縦断面図として示すターゲット8と遮蔽体7からなるユニットを、仮想平面Q−Q’で開いた構造を示す横断面である。
次に、図4A及び図4Bに示すように、不図示のターゲット層82と電子放出部2とが対向するように、ターゲット8と遮蔽体7とからなるユニットと、電子放出部2を備えた電子放出源3とを、外囲器6に接続した。外囲器6は、銅からなる陰極19と、銅からなる陽極20と、セラミックからなる筒状の絶縁管21を不図示の銀ろうを介して接続した。電子放出源3は、外囲器6を形成する前に予め、電流導入端子4を介して陰極19に接続した。ターゲット8は、外囲器6を形成する前に予め、遮蔽体7を介して陽極20に接続した。電子放出源3は、含侵型の熱電子銃を用いた。次に、不図示の排気管と排気装置により、外囲器6の内部を1E−5Paの真空度となるように排気した後、排気管を封止することにより、放射線発生管1を作成した。なお、図4Bは、図4Aに縦断面図として示す放射線発生管1を、仮想平面P−P’で開いた構造を示す横断面である。
さらに、図2に示すように、作成した放射線発生管1を、真鍮製の収納容器11に、駆動回路14とともに収納した。次に、駆動回路14と放射線発生管1とを電気的に接続した。次に、収納容器11内に、比誘電率電率2.8(室温、1MHz)のシリコーン油を充填して満たした後に、真鍮製の蓋で収納容器11を密閉した。このようにして、放射線発生装置13を作成した。なお、本実施例における放射線発生装置13においては、遮蔽体7の支持基板80を臨む開口部に、放射線取出し窓10として、厚さ300μmのダイアモンド基板を配置した。
次に、図2に示すように、作成した放射線発生装置13の放射線出力強度を定量する測定系を組んだ。まず、駆動回路14と放射線発生管1との間の接続線に、それぞれ誘電プローブをカップリングした。各誘電プローブは、収納容器11の外部に設置した放電カウンタ25に接続した。次に、電子放出部2とターゲット8の中心を結ぶ延長上で、かつ、支持基板80の大気側面より大気側に100cm離れた箇所に、線量計26を配置した。線量計26は、電離箱方式の線量計であり、線量の時間積分値を測定する為に配置した。放電カウンタ25、駆動回路14及び、収納容器11は、接地端子16を介して接地電位に規定した。
放射線発生装置13の安定性評価中の駆動条件は、電子放出部2に対してターゲット8に印加する加速電圧を+90kV、ターゲット層82に照射される電子電流密度を4mA/mm、電子照射と被照射を間欠的にそれぞれ10秒づつ繰り返すパルス駆動とした。なお、放射線出力強度の安定性評価に際し、ターゲット層82から接地電極に流れる電流を検知して、不図示の負帰還回路により、ターゲット層に照射される電子電流密度を1%以内の変動値とするよう制御した。さらに、放射線発生装置13の駆動評価中に、放電せずに安定的に駆動していることを、駆動放電カウンタ25によって確認した。
放射線発生装置13の放射線出力強度の安定性評価は、電子放出源3を上記条件でパルス駆動し、100時間経過毎に、一旦、放射線発生装置の駆動を止めて放射線発生管1の全体が、室温と平衡温度となるまで2h時間停止させて、放射線線量計26で放射線出力強度を測定した。放射線出力強度は、放射線線量計26より検出した信号強度の1秒間の平均値とした。安定性評価は、各経過時間後の放射線出力強度を、初期の放射線出力強度で規格化した変動率で評価した。これらの評価結果を表1に示す。
Figure 0005925219
本実施例のターゲット8を備えた放射線発生装置13は、長時間の駆動履歴を経た場合においても、安定した放射線出力強度が得られることが確認された。
(第2の実施例)
本実施例においては、中間層81の形成工程において、ニオブの支持基板80上への単位時間当たりの付与量を、チタンの支持基板80上への単位時間当たりの付与量に対して、0.176(原子量比)となるように成膜レートを調整した事以外は、第1の実施例と同様にして、ターゲット8を作成した。
本実施例において得られたターゲット8に対して、実施例1と同様にして、中間試料、断面検体S1及び、膜面検体S2をそれぞれ準備した。
準備した断面検体S1を、第1の実施例と同様にして、TEMとEDXを組合せて、断面検体S1の、各層の組成と結合の分布状態をマッピングしたところ、支持基板80に対応する炭素が支配的な領域と、中間層81に対応するチタンが支配的な領域と、ターゲット層82に対応するタングステンが支配的な領域とが積層されていることが確認された。さらに、第1の実施例と同様にして、TEMとEDXを組合せて、膜面検体S2の中間層81の組成分布状態をマッピングした。断面検体S1と膜面検体S2のいずれにおける中間層81も、チタンとニオブが同じ領域に分布して事が確認された。
次に、第1の実施例と同様にして、断面検体S1に対して、TEMにより、中間層81の層厚を測長した結果、99nmであった。
次に、第1の実施例と同様にして、断面検体S1及び膜面検体S2に対して、TEMの明視野像観察、暗視野像観察、及びEDXを組合せて、結晶性と結晶粒径と組成分布を評価した。この結果、中間層81は、複数の結晶粒が観察されその平均粒径は、103nmであった。それぞれの結晶粒中には、チタンとニオブが含有されていることが確認された。中間層81に占めるチタンの含有量は、85.0atm%、ニオブの含有量は、15.0atm%であった。
さらに、第1の実施例と同様にして、断面検体S1及び膜面検体S2に対して、TEMの明視野像観察、暗視野像観察、ED、及びEDXを組合せて、結晶粒の結晶形を評価した。試料は評価中400℃に加熱した。得られた電子線回折結果から、中間層81が含有するチタンの結晶形は、体心立方構造を示す結晶粒と、六方細密構造を示す結晶粒とが共存していることが確認された。すなわち、本実施例の中間層81は、400℃において、β相とα相との共析相であり、β相を呈することが確認された。また、試料を室温25℃とした場合においても、400℃加熱条件の結果と同様にして、中間層81が、β相とα相との共析相であり、β相を呈することが確認された。
次に、第1の実施例と同様にして、図4A、4Bに示すように、得られたターゲット8を備えた放射線発生管1を作成し、さらに、図2に示すように、作成した放射線発生管1を備えた放射線発生装置13を作成した。
次に、第1の実施例と同様にして、図2に示す実験系を用いて、本実施例においても、放射線出力強度の安定性評価を行った。この結果を表2に示す。
Figure 0005925219
本実施例のターゲット8を備えた放射線発生装置13は、長時間の駆動履歴を経た場合においても、安定した放射線出力強度が得られることが確認された。
(第3の実施例)
本実施例においては、中間層81の形成工程において、ニオブのスパッタターゲットを使用した代わりに、バナジウムのスパッタターゲットを用いた事、さらに、バナジウムの支持基板80上への単位時間当たりの付与量を、チタンの支持基板80上への単位時間当たりの付与量に対して、0.25(原子量比)となるように成膜レートを調整した事以外は、第1の実施例と同様にして、ターゲット8を作成した。
本実施例において得られたターゲット8に対して、実施例1と同様にして、中間試料、断面検体S1及び、膜面検体S2をそれぞれ準備した。
準備した断面検体S1を、第1の実施例と同様にして、TEMとEDXを組合せて、断面検体S1の、各層の組成と結合の分布状態をマッピングしたところ、支持基板80に対応する炭素が支配的な領域と、中間層81に対応するチタンが支配的な領域と、ターゲット層82に対応するタングステンが支配的な領域とが積層されていることが確認された。さらに、第1の実施例と同様にして、TEMとEDXを組合せて、膜面検体S2の中間層81の組成分布状態をマッピングした。断面検体S1と膜面検体S2のいずれにおける中間層81も、チタンとバナジウムが、同じ領域に分布している事が確認された。
次に、第1の実施例と同様にして、断面検体S1に対して、TEMにより、中間層81の層厚を測長した結果、100nmであった。
次に、第1の実施例と同様にして、断面検体S1及び膜面検体S2に対して、TEMの明視野像観察、暗視野像観察、及びEDXを組合せて、結晶性と結晶粒径と組成分布を評価した。この結果、中間層81は、複数の結晶粒が観察されその平均粒径は、91nmであった。それぞれの結晶粒中には、チタンとバナジウムが含有されていることが確認された。中間層81に占めるチタンの含有量は、80.2atm%、バナジウムの含有量は、19.8atm%であった。
さらに、第1の実施例と同様にして、断面検体S1及び膜面検体S2に対して、TEMの明視野像観察、暗視野像観察、ED、及びEDXを組合せて、結晶粒の結晶形を評価した。試料は評価中400℃に加熱した。得られた電子線回折結果から、中間層81が含有するチタンの結晶形は、体心立方構造を示す結晶粒と、六方細密構造を示す結晶粒とが共存していることが確認された。すなわち、本実施例の中間層81は、400℃において、β相とα相との共析相であり、β相を呈することが確認された。また、試料を室温25℃とした場合においても、400℃加熱条件の結果と同様にして、中間層81が、β相とα相との共析相であり、β相を呈することが確認された。
次に、第1の実施例と同様にして、図4A、4Bに示すように、得られたターゲット8を備えた放射線発生管1を作成し、さらに、図2に示すように、作成した放射線発生管1を備えた放射線発生装置13を作成した。
次に、第1の実施例と同様にして、図2に示す実験系を用いて、本実施例においても、放射線出力強度の安定性評価を行った。この結果を表3に示す。
Figure 0005925219
本実施例のターゲット8を備えた放射線発生装置13は、長時間の駆動履歴を経た場合においても、安定した放射線出力強度が得られることが確認された。
(第4の実施例)
本実施例においては、第1の実施例で作成した放射線発生管1を用いて、図5に記載の測定系を用いて、放射線発生管1の放射線出力強度の安定性評価を行った事以外は、第1の実施例と同様にした。この結果を表4に示す。
Figure 0005925219
本実施例のターゲット8を備えた放射線発生管1は、長時間の駆動履歴を経た場合においても、安定した放射線出力強度が得られることが確認された。
(比較例)
本比較例においては、中間層81の形成工程において、ニオブの支持基板80上への単位時間当たりの付与量を、チタンの支持基板80上への単位時間当たりの付与量に対して、0.010(原子量比)となるように成膜レートを調整した事以外は、第1の実施例と同様にして、ターゲット48を作成した。
本比較例において得られたターゲット48に対して、第1の実施例と同様にして、中間試料、断面検体S1及び、膜面検体S2をそれぞれ準備した。
準備した断面検体S1を、第1の実施例と同様にして、TEMとEDXを組合せて、断面検体S1の、各層の組成と結合の分布状態をマッピングしたところ、支持基板80に対応する炭素が支配的な領域と、中間層81に対応するチタンが支配的な領域と、ターゲット層82に対応するタングステンが支配的な領域とが積層されていることが確認された。さらに、第1の実施例と同様にして、TEMとEDXを組合せて、膜面検体S2の中間層81の組成分布状態をマッピングした。断面検体S1と膜面検体S2のいずれにおける中間層81も、チタンとニオブが同じ領域に分布している事が確認された。
次に、第1の実施例と同様にして、断面検体S1に対して、TEMにより、中間層81の層厚を測長した結果、99nmであった。
次に、第1の実施例と同様にして、断面検体S1及び膜面検体S2に対して、TEMの明視野像観察、暗視野像観察、及びEDXを組合せて、結晶性と結晶粒径と組成分布を評価した。この結果、中間層81は、複数の結晶粒が観察されその平均粒径は、139nmであった。それぞれの結晶粒中には、チタンとニオブが含有されていることが確認された。中間層81に占めるチタンの含有量は、99.0atm%、ニオブの含有量は、1.0atm%であった。
さらに、第1の実施例と同様にして、断面検体S1及び膜面検体S2に対して、TEMの明視野像観察、暗視野像観察、ED、及びEDXを組合せて、結晶粒の結晶形を評価した。試料は評価中400℃に加熱した。得られた電子線回折結果から、中間層81が含有するチタンの結晶形は、六方細密構造のみであることが確認された。すなわち、本比較例の中間層81は、400℃において、α相を呈し、β相を呈しないことが確認された。また、試料を室温25℃とした場合においても、400℃加熱条件の結果と同様にして、中間層81が、α相を呈し、β相を呈しないことが確認された。次に、第1の実施例と同様にして、図4A、4Bに示すように、得られたターゲット8を備えた放射線発生管41を作成し、さらに、図2に示すように、作成した放射線発生管41を備えた放射線発生装置43を作成した。
次に、第1の実施例と同様にして、図2に示す実験系を用いて、本比較例においても、放射線出力強度の安定性評価を行った。この結果を表5に示す。
Figure 0005925219
本比較例のターゲット8を備えた放射線発生装置13は、長時間の駆動履歴を経た場合によって、実施例1乃至4に対して、放射線出力強度の安定性が劣ることが確認された。
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために以下の請求項を添付する。
8 ターゲット
80 支持基板(基板)
81 中間層(第1の層)
82 ターゲット層(第2の層)

Claims (20)

  1. 支持基板と、電子線の照射により放射線を発生するターゲット層と、前記支持基板と前記ターゲット層との間に位置する中間層とを備えた放射線ターゲットであって、
    前記中間層は、その層厚が1μm以下であるとともに、チタンを主成分として含有し、前記チタンの少なくとも一部は、400℃以下においてβ相を呈することを特徴とする放射線ターゲット。
  2. 前記中間層は、α相のみを含有する状態からβ相を含有する状態へのチタンの相変態温度を、純チタンに添加することにより純チタンよりも低温化するβ相安定化金属を原子百分率濃度において前記チタンより低い含有濃度で含有されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線ターゲット。
  3. 前記中間層は、前記チタンと前記β相安定化金属との合金であることを特徴とする請求項2に記載の放射線ターゲット。
  4. 前記β相安定化金属は、V、Nb、Taから選ばれる少なくともいずれかの金属であることを特徴とする請求項2又は3に記載の放射線ターゲット。
  5. 前記中間層は、前記β相安定化金属を、400℃におけるα相チタンとβ相チタンが共析する含有率の下限の1.5倍以上含有していることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の放射線ターゲット。
  6. 前記中間層は、前記β相安定化金属を、3.3atm%以上50atm%以下含有していることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の放射線ターゲット。
  7. 前記中間層は、前記中間層の層面内方向における結晶粒径の平均値が0.1μm以下の多結晶体であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の放射線ターゲット。
  8. 前記中間層は、その層厚が1nm以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の放射線ターゲット。
  9. 前記支持基板は、前記ターゲット層から発生した放射線の少なくとも一部を透過する放射線透過部材である事を特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の放射線ターゲット。
  10. 外囲器と、前記外囲器の内部に位置し電子線を放出する電子放出源と、前記電子線の照射により放射線を発生する放射線ターゲットとを備える放射線発生管であって、前記放射線ターゲットが請求項1乃至9のいずれか1項に記載された放射線ターゲットであることを特徴とする放射線発生管。
  11. 収納容器と、前記収納容器の内部に配置された放射線発生管と、前記放射線発生管を駆動する駆動回路とを備えた放射線発生装置であって、前記放射線発生管が請求項10に記載された放射線発生管であることを特徴とする放射線発生装置。
  12. 請求項11に記載の放射線発生装置と、前記放射線発生装置から放出され被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と、前記放射線発生装置と前記放射線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えることを特徴とする放射線撮影システム。
  13. 基板上に、V、Nb、Taから選ばれる少なくともいずれかの金属と、チタンとを含有する第1の層を形成する工程と、前記第1の層の上に、ターゲット金属を含有する第2の層を形成する工程と、
    前記第1の層を600℃以上1600℃以下に加熱するβ相安定化処理を行う工程を備えることを特徴とする放射線ターゲットの製造方法。
  14. 前記β相安定化処理は、前記第1の層を900℃以上1600℃以下に加熱する溶体化処理又は、前記第1の層を600℃以上880℃以下に加熱する時効硬化処理のうち少なくともいずれか一方の処理を行う処理であることを特徴とする請求項13に記載の放射線ターゲットの製造方法。
  15. 前記溶体化処理又は前記時効硬化処理を、前記第2の層を形成する工程の前に行うことを特徴とする請求項14に記載の放射線ターゲットの製造方法。
  16. 前記溶体化処理又は前記時効硬化処理を、前記第2の層を形成する工程において行うことを特徴とする請求項14に記載の放射線ターゲットの製造方法。
  17. 前記溶体化処理又は前記時効硬化処理を、前記第2の層を形成する工程の後に行うことを特徴とする請求項14に記載の放射線ターゲットの製造方法。
  18. 前記第1の層を形成する工程であって、前記V、Nb、Taから選ばれる少なくともいずれかの金属の前記基板上への付与量の、前記チタンの前記基板上への付与量に対する原子数比率を0.035以上1以下とすることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載の放射線ターゲットの製造方法。
  19. 外囲器と、前記外囲器の内部に位置し電子線を放出する電子放出源と、前記電子線の照射により放射線を発生する放射線ターゲットとを備える放射線発生管の製造方法であって、前記放射線ターゲットは、請求項13乃至17のいずれか1項に記載された放射線ターゲットの製造方法により製造されることを特徴とする放射線発生管の製造方法。
  20. 収納容器と、前記収納容器の内部に配置された放射線発生管と、前記放射線発生管を駆動する駆動回路とを備えた放射線発生装置の製造方法であって、前記放射線発生管は、請求項18に記載された製造方法により製造されることを特徴とする放射線発生装置の製造方法。
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