JP2014032903A - 放射線放出ターゲット、放射線発生ユニット及び放射線撮影システム - Google Patents

放射線放出ターゲット、放射線発生ユニット及び放射線撮影システム Download PDF

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Abstract

【課題】単結晶のダイヤモンドの支持基板8Aの上に、電子線の照射により放射線を発生させるターゲット層8Bを形成した透過型の放射線放出ターゲット8について、放射線の発生量を長期間に亘って安定させる。
【解決手段】前記支持基板8Aを、窒素含有量が2ppmから800ppmで、しかもヌープ硬度が60GPaから150GPaの単結晶のダイヤモンドで構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子を入射させることにより放射線を発生させる放射線放出ターゲット、それを用いた放射線発生ユニット及び放射線撮影システムに関する。
放射線源として用いられる放射線発生ユニットでは、真空状態の中で、電子源から電子を放出させ、タングステン等の原子番号が大きい材料で構成されたターゲット層に電子を衝突させることにより放射線を発生させている。
これらの放射線発生ユニットには、反射型の放射線放出ターゲットを用いたものと透過型の放射線放出ターゲットを用いたものがある。
反射型の放射線放出ターゲットは、例えば、電子線の照射により放射線を発生させるタングステン等のターゲット層を熱伝導性のよい銅等の支持基板で保持した構造をしている。この反射型の放射線放出ターゲットは、電子線の照射方向に対して斜めに配置され、電子線の照射方向に対してほぼ直角方向に放射される放射線が放射線撮影に利用される。このため、撮影に利用する放射線の線質がターゲット層及び支持基板の厚さや材質の影響を実質的に受けにくく、耐熱性を向上させるためにある程度支持基板の厚さを厚くすることが可能である。
一方、透過型の放射線放出ターゲットは、例えば、放射線が透過しやすいベリリウム等の支持基板上に、電子線の照射により放射線を発生させるタングステン等の薄膜をターゲット層として配置した構造をしている。この透過型の放射線放出ターゲットは、電子線の照射方向と直交方向に配置され、電子線の照射方向と同一方向に放射される放射線が放射線撮影に利用される。このため、撮影に利用する放射線の線質がターゲット層と支持基板の厚さや材質の影響を受けやすく、耐熱性を上げるためにターゲット層や支持基板の厚さを変えることが極めて難しい。このため良好な耐熱性が得にくいという課題があった。
この課題を解決する手段として、ダイヤモンドの支持基板を用いた放射線放出ターゲットが特許文献1で提案されている。これによると、ダイヤモンドの支持基板の片面にターゲット層を設けた放射線放出ターゲットとしている。この放射線放出ターゲットは、ターゲット層側を内側に向けて放射線発生管の外壁の一部として組み込まれ、ダイヤモンドの支持基板は真空維持を図りつつ放射線を放出させる封止窓としての機能も有する。ダイヤモンドは、支持基板として用いられるベリリウムや他の材料に比べて熱伝導性が極めて優れているため、ターゲット層で発生した熱を支持基板に速やかに逃がすことができる。また、この特許文献1には、ターゲット層と支持基板の密着性を上げるために中間層を設けることも記載されている。このようにして、従来技術に比べ、耐熱性を改善した透過型の放射線放出ターゲットの提案がされている。
特表2003−505845号公報
透過型の放射線放出ターゲットにダイヤモンドの支持基板を用いることによって、電子線照射によってターゲット層で発生した熱は、ダイヤモンドの支持基板に速やかに逃げていく。このため、繰り返し使用しても、比較的初期の段階では、安定した放射線量が得られ、大きな問題なかった。
しかしながら、使用時間が長くなるにつれて放射線量が低下してくることから、実用にあたっては、安定した放射線量が得られる期間を更に向上させる必要があった。
本発明は、ダイヤモンドの支持基板を用いた透過型の放射線放出ターゲットについて、放射線の発生量を長期間に亘って安定させることができるようにすることを目的とする。また、本発明は、放射線の発生量が長期間に亘って安定した放射線発生ユニット及び放射線撮影システムを提供することも目的とする。
本発明の第1は、上記の課題を解決するために、単結晶のダイヤモンドの支持基板の上に、電子線の照射により放射線を発生させるターゲット層が形成された放射線ターゲットにおいて、
前記支持基板が、窒素含有量が2ppmから800ppmで、しかもヌープ硬度が60GPaから150GPaであることを特徴とする放射線ターゲットを提供するものである。
また、本発明の第2は、収納容器内に、支持基板の上にターゲット層が設けられた放射線放出ターゲットと、電子放出源とを備えた放射線発生管が設けられており、前記ターゲット層に電子線を照射することで前記放射線発生管から出射される放射線を前記収納容器に設けられた放出窓を介して放出する放射線発生ユニットにおいて、
前記放射線放出ターゲットが、上記本発明の第1に係る放射線放出ターゲットであることを特徴とする放射線発生ユニットを提供するものである。
更に本発明の第3は、上記本発明の第2に係る放射線発生ユニットと、
前記放射線発生ユニットから放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と、
前記放射線発生装置と前記放射線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えることを特徴とする放射線撮影システムを提供するものでもある。
本発明の放射線ターゲットでは、繰り返し使用に伴って起こる熱応力によりダイヤモンドの支持基板へ微小クラックが入る可能性が極めて少なくなる。このため、繰り返し使用してもターゲット層の密着性が低下せず、放射線の発生量を長期間にわたって安定させることができる。
また、本発明の放射線放出ターゲットは、ターゲット層をPVD法により成膜することにより、ダイヤモンドの支持基板とターゲット層の密着性をアップさせることができ、放射線の発生量をより長期間に亘って安定させることができる。
上記本発明の放射線放出ターゲットを用いた放射線発生ユニット及び放射線撮影システムは、放射線の発生量が長期間に亘って安定しているので、これらの実用性を高めることができる。
本発明に係る放射線発生ユニットの一実施形態を示す断面構成図である。 本発明に係る放射線放出ターゲットを示す図で、(a)は第1の例を示す断面図、(b)は第2の例を示す断面図である。 本発明に係る放射線発生ユニットに用いる放射線発生管の他の例を示す断面構成図である。 本発明の放射線発生ユニットを用いた放射線撮影システムの一実施形態を示す説明図である。
以下図面を参照して、本発明の放射線発生ユニットについて好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部材の材質、寸法、形状、相対配置等は、特に記載がない限り、この発明の範囲を限定する趣旨のものではない。なお、以下に参照する図面において、同じ符号は同様の構成要素を示す。
<放射線発生ユニットの一実施形態>
図1に示すように、本例の放射線発生ユニット13は、放射線を放出するための放出窓10を有する収納容器11の中に、放射線発生管1、駆動回路14が配置され、収納容器11内の余剰空間17は不図示の絶縁油で満たされている。また、収納容器11には、接地端子16が設けられている。
収納容器11は、放射線発生管1や駆動回路14及び不視図の絶縁油が入っているため、比較的強度のある材質、例えば鉄、ステンレス、真鍮等の金属が望ましい。また、この収納容器11の全周囲又は一部に鉛のような放射線を遮蔽できる部材を配置することができる。
収納容器11に設けられた放出窓10は、放射線発生管1から出射された放射線を放射線発生ユニット13の外部に取り出すために設けられる。材質としては、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート等の重元素を含まないプラスチックを用いることができる。
放射線発生管1は、放射線を透過させる透過窓9が設けられた真空容器6と、電子放出源3と、遮蔽部材7に保持された放射線放射ターゲット8とを備えている。電子放出源3は電流導入端子4と電子放出部2とを備えている。電子放出源3の電子放出部2と、遮蔽部材7に保持された放射線放射ターゲット8とは、互いに対向して真空容器6内に設けられている。
電子放出源3としては、真空容器6の外部より放出電子量を制御可能な電子放出機構を有するものであれば良く、熱陰極型電子放出源、冷陰極型電子放出源を適宜適用することが可能である。電子放出源3は、真空容器6を貫通するよう配した電流導入端子4を介して、電子放出量及び電子放出のオン・オフ状態を制御可能なように、真空容器6の外部に設置した駆動回路14に電気的に接続されている。
電子放出源3の電子放出部2から放出された電子は、不図示の引き出しグリッド及び加速電極により、10keV〜200keV程度のエネルギーを有する電子線5となり、放射線放射ターゲット8に入射可能となっている。前述の引き出しグリッド及び加速電極は、電子放出源3として用いる熱陰極の電子銃管に内蔵することも可能である。また、電子線5の照射スポット位置及び電子線5の非点収差の調整のための補正電極を電子放出源3に付加し、これを外部に配置した不示図の補正回路と接続することも可能である。放射線放射ターゲット8は、遮蔽部材7を構成する後方遮蔽部材7Aと前方遮蔽部材7Bの間に挟まれた状態で電子放出部2に対峙している。
図2に示すように、放射線放出ターゲット8は、窒素を2ppmから800ppmの範囲で含有する単結晶のダイヤモンドの支持基板8Aと、この支持基板8Aに成膜されたターゲット層8Bとを備えている。また、この支持基板8Aを構成する単結晶のダイヤモンドは、ヌープ強度が60GPaから150GPaの範囲となっている。放射線放出ターゲット8は、ターゲット層8Bを電子放出源3の電子放出部2(図1参照)に対向させて設けられているものである。この放射線放出ターゲット8の詳細については後述する。
遮蔽部材7は、後方遮蔽部材7Aと前方遮蔽部材7Bとで構成されている。前方遮蔽部材7Bは、放射線放射ターゲット8の電子線照射領域(放射線発生領域)から全方向に放射される放射線のうち、前方へ向かって放射される放射線のうちから、必要とされる放射線(図中の破線の矢印)を取り出すための開口部15Bを備えている。前方遮蔽部材7Bは、それ以外に前方に放射される放射線を遮蔽する機能も有する。また、後方遮蔽部材7Aは、電子線5を放射線放射ターゲット8の電子線照射領域に導くための電子線導入孔15Aが設けられている。後方遮蔽部材7Aは、電子線照射領域から全方向へ放射される放射線のうち、後方へ向かって放射される放射線の一部を遮蔽する機能も有する。
この遮蔽部材7の構成材料としては、電気伝導性と熱伝導性を有する材料が用いられる。また、遮蔽部材7は、30keVから150keVのエネルギーを有する放射線を遮蔽できるものであればより好ましい。遮蔽部材7の厚みを0.5から数mmの範囲とし、かかる遮蔽作用を発現する点で、遮蔽部材7の構成材料は、例えばタングステン、タンタルの他、モリブデン、ジルコニウム、ニオブ、これらの合金等を用いることができる。
遮蔽部材7と放射線放射ターゲット8の接合は、ろう付けにより行うことができる。ろう付けのろう材は、遮蔽部材7の材料や耐熱温度等により適宜選択することができる。例えば、放射線放射ターゲット8が高温になるような場合には、高融点金属用ろう材として、Cr−V系、Ti−Ta−Mo系、Ti−V−Cr−Al系、Ti−Cr系、Ti−Zr−Be系、Zr−Nb−Be系等を選択することができる。他に、Au−Cuを主成分とするろう材、ニッケルろう材、黄銅ろう材、銀ろう材、パラジウムろう材等を用いることができる。
真空容器6は、例えばガラスやセラミックス等で構成することができる。真空容器6の内部空間12は、真空排気(減圧)されている。
透過窓9は、放射線放出ターゲット8で発生した放射線を放出窓10を経て外部へ取り出す機能を有する。このため、放射線発生管1内の真空度を維持でき、放出放射線の透過をできるだけ減衰させない材料が望ましい。材料としては、例えばベリリウム、カーボン、ダイヤモンド、ガラス等で、重元素を含まないものが望ましい。
真空容器6の内部空間12は、電子の平均自由行程として、電子放出源3の電子放出部2と、放射線を放出する放射線放出ターゲット8との間の距離を、少なくとも電子が飛翔可能なだけの真空度であれば良く、10-4Pa以下の真空度が適用可能である。使用する電子放出源3や動作する温度等を考慮して適宜選択することが可能であり、冷陰極電子放出源等の場合は、10-6Pa以下の真空度とすることがより好ましい。真空度の維持のために、不図示のゲッタを、内部空間12に配置したり、内部空間12に連通している不図示の補助スペースに設置したりすることも可能である。
図2に基づいて放射線放出ターゲット8の構造を説明する。
図2(a)は、窒素を2ppmから800ppm含有する単結晶のダイヤモンドの支持基板8Aの上にターゲット層8Bを成膜した構成を示している。
ダイヤモンドは、極めて硬度の大きい物質であるが、衝撃には必ずしも強くないという性質も持っている。この性質は、窒素の含有量によってある程度コントロールできる。上記範囲の窒素を含有したダイヤモンドのヌープ硬度は、概ね60GPaから150GPaで、2ppm未満又は800ppmを超える窒素を含有したダイヤモンドに比べて小さい反面、衝撃には強いと考えられる。例えば1ppm以下の窒素含有量では、ヌープ硬度は概ね200GPaから250GPaで、この硬度はダイヤモンド結合に起因する。一方、窒素含有量1000ppm以上では、ヌープ硬度は概ね180GPaから250GPaで、格子欠陥が多く転移が動きにくいと考えられている。
2ppmから800ppmの窒素を含有した単結晶ダイヤモンドは、1ppm以下、あるいは1000ppm以上の窒素を含有した単結晶ダイヤモンドに比べて、放射線放出ターゲットの支持基板8Aとして用いた場合に、熱衝撃による微小クラックが入りにくいものと思われる。
また、特にターゲット層8Bの成膜をPVD法、例えばスパッタ法で行った場合には、得られるターゲット層8Bとダイヤモンドの支持基板6Aの密着性が優れる。この理由は明確ではないが、スパッタ時に支持基板8Aの表面が僅かに変形し、密着強度がアップするためと考えられる。
ターゲット層8Bは、通常、原子番号26以上の材料を用いることができる。より好適には、熱伝導率が大きく融点が高いものほどよい。具体的には、タングステン、モリブデン、クロム、銅、コバルト、鉄、ロジウム、レニウム等の金属材料、あるいはこれらの合金材料の膜を好適に用いることができる。ターゲット層8Bの厚さは、ターゲット層8Bへの電子線の浸入深さ、即ち放射線の発生領域が加速電圧によって異なるため、最適な値は加速電圧によって変動するが、一般的には1μmから15μmである。
図2(b)には、単結晶のダイヤモンドの支持基板8Aの上にチタンやクロム等の密着層8Cを形成した後、ターゲット層8Bを形成した構成を示している。密着層8Cは支持基板8Aとターゲット層8B間の密着性を向上させるためのもので、この密着層8Cの介在により、両者間の密着性がアップし、放射線の発生量の経時的安定性も向上する。
<放射線発生管の他の例>
本例における放射線放出ターゲット8は、真空容器6の透過窓9(図1参照)を兼ねている。放射線放射ターゲット8が保持された遮蔽部材7と真空容器6の間を、フランジ18によって接続し、真空を維持できるようにしている。このように構成すると、真空容器6の透過窓9(図1参照)を必要としないため、取り出される放射線の減衰が少なくなるので好ましい。他の構成は図1で説明した放射線発生管1と同様である。
<放射線撮影システムの一実施形態>
図4に基づいて、本発明に係る放射線撮影システムの一例を説明する。
本例において、既に説明した放射線発生ユニット13は、その放出窓10部分に設けられた可動絞りユニット100と共に放射線発生装置200を構成している。可動絞りユニット100は、放射線発生ユニット13から照射される放射線の照射野の広さを調整する機能を有する。また、可動絞りユニット100として、放射線の照射野を可視光により模擬表示できる機能が付加されたものを用いることもできる。
システム制御装置202は、放射線発生装置200と放射線検出装置201とを連携制御する。駆動回路7は、システム制御装置202による制御の下に、放射線発生管1に各種の制御信号を出力する。この制御信号により、放射線発生装置200から放出される放射線の放出状態が制御される。放射線発生装置200から放出された放射線は、被検体204を透過して検出器206で検出される。検出器206は、検出した放射線を画像信号に変換して信号処理部205に出力する。信号処理部205は、システム制御装置202による制御の下に、画像信号に所定の信号処理を施し、処理された画像信号をシステム制御装置202に出力する。システム制御装置202は、処理された画像信号に基づいて、表示装置203に画像を表示させるための表示信号を表示装置203に出力する。表示装置203は、表示信号に基づく画像を、被検体204の撮影画像としてスクリーンに表示する。放射線の代表例はX線であり、本発明の放射線発生ユニット13と放射線撮影システムは、X線発生ユニットとX線撮影システムとして利用することができる。X線撮影システムは、工業製品の非破壊検査や人体や動物の病理診断に用いることができる。
以下に述べる実施例及び比較例における支持基板は、窒素含有量の異なる単結晶のダイヤモンドを適宜選択し、このダイヤモンドを厚さ1mmに研磨した後、レーザーで直径3mmのディスク状に切断することで得た。一方、支持基板の切断時の切断端材の窒素量とヌープ硬度を測定し、当該支持基板の測定値とした。窒素含有量の測定は、窒素・酸素分析装置を用い、窒素含有量を求めた。ヌープ硬度はヌープ圧子を用いた微小硬さ試験機を用いて測定した。
放射線発生管の作製は実施例及び比較例共に、次のようにして行った。即ち、図1に示すように、放射線放出ターゲット8を、タングステンで作製された遮蔽部材7にセットし一体化した。次に、放射線放出ターゲット8を、電子放出部2を有する含侵型の熱電子銃である電子放出源3と対向させて配置した後、真空容器6内にゲッター(不図示)を配置し、真空封止し、放射線発生管1とした。
放射線の発生と測定は次のようにして行った。即ち、実施例の放射線発生管と比較例の放射線発生管共に、放射線量は半導体方式の線量計で測定した。実施例1〜6、比較例1〜3及び比較例5の放放射線発生管の駆動は、加速電圧が100kVで、電流が2mA、照射時間が10msec、休止時間が90msecの条件で、連続して行った。実施例7の放射線発生管と、比較例4の放射線発生管の駆動は、加速電圧が30kVで、電流が2mA、照射時間が10msec、休止時間が90msecの条件で、連続して行った。
以下、放射線放出ターゲットの作製条件を各実施例及び比較例について説明する。
実施例1
窒素含有量が2ppm、ヌープ硬度が150GPaの単結晶のダイヤモンドの支持基板に、予めUV−オゾンアッシャにより、支持基板の表面にある有機物を除去した後、ターゲット層として5μmの厚さのタングステン層をスパッタ法により形成した。
実施例2
窒素含有量が50ppm、ヌープ硬度が100GPaの単結晶のダイヤモンドの支持基板に、予めUV−オゾンアッシャにより、支持基板の表面にある有機物を除去した後、ターゲット層として5μmの厚さのタングステン層をスパッタ法により形成した。
実施例3
窒素含有量が50ppm、ヌープ硬度が100GPaの単結晶のダイヤモンドの支持基板に、予めUV−オゾンアッシャにより、支持基板の表面にある有機物を除去した後、密着層として厚さ50nmのクロム層を密着層としてスパッタ法により形成した。その後、クロム層上にターゲット層として5μmの厚さのタングステン層をスパッタ法により形成した。
実施例4
窒素含有量が50ppm、ヌープ硬度が100GPaの単結晶のダイヤモンドの支持基板に、予めUV−オゾンアッシャにより、支持基板の表面にある有機物を除去した後、ターゲット層として5μmの厚さのタングステン層をCVD法により形成した。
実施例5
窒素含有量が200ppm、ヌープ硬度が60GPaの単結晶のダイヤモンドの支持基板に、予めUV−オゾンアッシャにより、支持基板の表面にある有機物を除去した後、ターゲット層として5μmの厚さのタングステン層をスパッタ法により形成した。
実施例6
窒素含有量が800ppm、ヌープ硬度が140GPaの単結晶のダイヤモンドの支持基板に、予めUV−オゾンアッシャにより、支持基板の表面にある有機物を除去した後、ターゲット層として5μmの厚さのタングステン層をスパッタ法により形成した。
実施例7
窒素含有量が50ppm、ヌープ硬度が110GPaの単結晶のダイヤモンドの支持基板に、予めUV−オゾンアッシャにより、支持基板の表面にある有機物を除去した後、ターゲット層として3μmの厚さのモリブデン層をスパッタ法により形成した。
比較例1
窒素含有量が0.5ppm、ヌープ硬度が210GPaの単結晶のダイヤモンドの支持基板に、予めUV−オゾンアッシャにより、支持基板の表面にある有機物を除去した後、ターゲット層として5μmの厚さのタングステン層をスパッタ法により形成した。
比較例2
窒素含有量が0.5ppm、ヌープ硬度が210GPaの単結晶のダイヤモンドの支持基板に、予めUV−オゾンアッシャにより、支持基板の表面にある有機物を除去した後、ターゲット層として5μmの厚さのタングステン層をCVD法により形成した。
比較例3
窒素含有量が1000ppm、ヌープ硬度が180GPaの単結晶のダイヤモンドの支持基板に、予めUV−オゾンアッシャにより、支持基板の表面にある有機物を除去した後、ターゲット層として5μmの厚さのタングステン層をスパッタ法により形成した。
比較例4
窒素含有量が0.5ppm、ヌープ硬度が200GPaの単結晶のダイヤモンドの支持基板に、予めUV−オゾンアッシャにより、支持基板の表面にある有機物を除去した後、ターゲット層として3μmの厚さのモリブデン層をスパッタ法により形成した。
比較例5
窒素含有量が100ppm、ヌープ強度が40GPaのCVD法で作製した多結晶のダイヤモンドの支持基板を用いた。この支持基板に、予めUV−オゾンアッシャにより、支持基板の表面にある有機物を除去した後、ターゲット層として5μmの厚さのタングステン層をスパッタ法により形成した。
<評価結果>
表1に、実施例1〜7の放射線発生管と、比較例1〜5の放射線発生管に用いた放射線放出ターゲットの仕様をまとめて示す。表2に、実施例1〜7の放射線発生管と、比較例1〜5の放射線発生管のそれぞれの放射線量の変化を示す。
表2中の放射線線量は、連続駆動1時間後の実測された放射線量を100として、その後の放射線線量の変化を示している。実施例1〜6の放射線発生管の放射線線量は、駆動時間の経過とともに減少していくが、500時間後で、初期の86〜91であった。特に、密着層にクロムを用いた実施例3の放射線発生管では少なかった。
一方、比較例1〜3及び5の放射線発生管は、放射線量の低下が上記実施例に比べて大きく、500時間後で初期の62〜72であった。特に、CVDで成膜した比較例3や、多結晶ダイヤモンドを用いた比較例5の低下がより大きかった。
モリブデンをターゲット層として用いた実施例7と比較例4の放射線発生管の放射線線量の変化は、500時間後ではタングステンをターゲット層に用いた場合とほぼ同様で、有効であることが分かった。
Figure 2014032903
Figure 2014032903
1:放射線発生管、2:電子放出部、3:電子放出源、4:電子導入端子、5:電子ビーム、6:真空容器、7:遮蔽部材、7A:後方遮蔽部材、7B:前方遮蔽部材、8:放射線放出ターゲット、8A:支持基板、8B:ターゲット層、8C:密着層、9:透過窓、11:収納容器、12:内部空間、13:放射線発生ユニット、14:駆動回路、15A:電子線導入孔、15B:開口部、16:接地端子、17:内部空間、18:フランジ、100:可動絞りユニット、200:放射線発生装置、201:放射線検出装置、202:システム制御装置、203:表示装置、204:被検体、205:信号処理部、206:検出器

Claims (7)

  1. 単結晶のダイヤモンドの支持基板の上に、電子線の照射により放射線を発生させるターゲット層が形成された放射線放出ターゲットにおいて、
    前記支持基板が、窒素含有量が2ppmから800ppmで、しかもヌープ硬度が60GPaから150GPaであることを特徴とする放射線放出ターゲット。
  2. 前記ターゲット層が、スパッタ法により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線放出ターゲット。
  3. 前記ターゲット層が、タングステン、モリブデン、ロジウム、パラジウム又はこれらの合金であることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線放出ターゲット。
  4. ターゲット層の厚さが、1μmから15μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の放射線放出ターゲット。
  5. 前記支持基板とターゲット層との間に密着層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の放射線放出ターゲット。
  6. 収納容器の中に、支持基板の上にターゲット層が設けられた放射線放出ターゲットと、電子放出源とを備えた放射線発生管が設けられており、前記ターゲット層に電子線を照射することで前記放射線発生管から出射される放射線を前記収納容器に設けられた放出窓を介して放出する放射線発生ユニットにおいて、
    前記放射線放出ターゲットが、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の放射線放出ターゲットであることを特徴とする放射線発生ユニット。
  7. 請求項6に記載の放射線発生ユニットと、
    前記放射線発生ユニットから放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と、
    前記放射線発生装置と前記放射線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えることを特徴とする放射線撮影システム。
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