JP6381269B2 - ターゲットおよび前記ターゲットを備えるx線発生管、x線発生装置、x線撮影システム - Google Patents

ターゲットおよび前記ターゲットを備えるx線発生管、x線発生装置、x線撮影システム Download PDF

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Description

本発明は、医療機器における診断応用及び産業機器分野における非破壊X線撮影等に適用されるX線発生管に関する。本発明は特に、該X線発生管に適用される透過型ターゲットに関する。
X線を発生するX線発生装置において、その耐久性を高め、省メンテナンス化を向上させることが求められている。X線発生装置の耐久性を決定する主たる要因の一つとして、X線の発生源となるターゲットの耐熱性が挙げられる。
電子線をターゲットに照射してX線を発生させるX線発生装置において、ターゲットにおける「X線発生効率」は1%程度であるため、ターゲットに投入されたエネルギーのほとんどが熱に変換される。ターゲットで発生した熱の「放熱」が不十分な場合は、熱負荷によるターゲットの損傷が生じ、ターゲットの耐熱性が制限される。
ターゲットの「X線発生効率」を向上させる方法として、重金属を含有する薄膜形態のターゲット層と、X線を透過するとともにターゲット層を支持する基材とから構成された透過型ターゲットとすることは公知である。特許文献1には、従来の回転陽極型の反射型ターゲットに対して、「X線発生効率」を1.7〜2.0倍増大させた透過型ターゲットが開示されている。
ターゲットから外部への「放熱」を促進する方法として、積層型ターゲットのターゲット層を支持する基材に、ダイアモンドを適用することが公知である。特許文献2には、ターゲット層を支持する基板として単結晶ダイアモンドまたは多結晶ダイアモンドを使用することにより、放熱性を高め、微小焦点化を実現することが開示されている。ダイアモンドは、高い耐熱性と、高い熱伝導性を備えているとともに、高いX線透過性を備えているため、透過型ターゲットの支持基材としては好適な材料である。多結晶ダイアモンドは、単結晶ダイアモンドと同等の熱特性を有す、一方で、安価に入手可能である利点を備えている。
特表2009−545840号公報 米国特許6850598号明細書
多結晶ダイアモンドは、透過型X線ターゲットに適用する支持基板としての熱伝導性、耐熱性、X線透過性において、単結晶ダイアモンドと同等の物理特性を有する。さらに、多結晶ダイアモンドは、mmオーダのサイズの支持基板を安価かつ安定的に供給できる、単結晶ダイアモンドに対するメリットを有している。
しかしながら、本発明者等の検討の結果、特許文献2のように多結晶ダイアモンドを支持基板とした透過型ターゲットを繰り返し動作させた場合において、X線の出力低下または放電が発生する問題が確認された。
本発明は、多結晶ダイアモンドを含有する支持基板を備える透過型ターゲットにおいて、繰り返し動作させた場合においても、X線の出力低下と放電とが低減された透過型ターゲットを提供することを目的とする。さらに、本発明はX線出力の低下が低減され放電が抑制された信頼性の高いX線発生管、X線発生装置、ならびに、X線撮影システムを提供することを目的とする。
本発明は、電子の照射によりX線を発生するターゲット層と、前記ターゲット層を支持する支持基板と、を有するターゲットであって、前記支持基板は多結晶ダイアモンドを含有し、面方位の面積率が互いに異なる複数の構成面を有した多面体であって、前記ターゲット層は、101面の面積率が100面及び111面のそれぞれの面積率よりも小さい面において前記支持基板に支持されていることを特徴とする。
また、本発明は、電子の照射によりX線を発生するターゲット層と、前記ターゲット層を支持する支持基板と、を有するターゲットであって、前記支持基板は多結晶ダイアモンドを含有し、法線が互いに異なる複数の構成面を有した多面体であって、前記ターゲット層は、101面を呈する単結晶ドメインの規格化面積率が100面及び111面を呈する単結晶ドメインの規格化面積率のそれぞれよりも小さい構成面において前記支持基板に支持されていることを特徴とするターゲット。
但し、面方位101、100、111に対応する単結晶ドメインの面積率は、S 101、S100、S111で表され、前記面積率は、面方位の中心軸から偏角が10度以内の面方位を呈する単結晶ドメインの面積の合計値を、前記各構成面の面積で規格化したものである。また、面方位101、100、111に対応する規格化面積率NS101、NS100、NS111は、以下の一般式(1)〜(3)で表される。
NS101=S101/(S101+S100+S111) (一般式1)
NS100=S100/(S101+S100+S111) (一般式2)
NS111=S111/(S101+S100+S111) (一般式3)
本発明によれば、繰り返し動作させた場合においても、多結晶ダイアモンドを含有する支持基板とターゲット層との密着性の低下が抑制され、放電の発生あるいは陽極電流の低下が生じ難い透過型ターゲットを提供することが可能となる。
また、本発明の透過型ターゲットをX線発生管に適用することにより、繰り返し動作させた場合においても、放電の発生と陽極電流の低下とが低減された信頼性の高いX線発生管、X線発生装置、ならびに、X線撮影システムを提供することが可能となる。
本発明の透過型ターゲットの実施形態(a)とその動作状態(b)を示す構成図である。 本発明の透過型ターゲットを備えたX線発生管の実施形態を示す構成図である。 本発明のX線発生管を備えたX線発生装置の実施形態を示す構成図である。 本発明のX線発生装置を備えたX線撮影システムの実施形態を示す構成図である。 多結晶ダイアモンド片500の外形(a)と、構成面524〜526における電子線後方散乱回折法による観察像(b)〜(d)を示す図である。 X線発生装置の出力安定性を評価する評価系70を示す構成図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。これらの実施形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対配置などは、この発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
まず、本発明の透過型ターゲットを適用可能なX線発生管およびX線発生装置について説明する。図2、図3は、それぞれ、本発明の透過型ターゲット9を備えたX線発生管102、および、X線発生装置101の各実施形態を示す構成図である。
<X線発生管>
図2には、電子放出源3と透過型ターゲット9とを備えた透過型のX線発生管102の実施形態が示されている。以降、本願明細書においては、透過型ターゲット9をターゲット9と称す。
本実施形態では、電子放出源3が備える電子放出部2から放出された電子線束5をターゲット層22に照射することによりX線を発生させる。このため、ターゲット層22は支持基板21が電子放出源に対向する側に配置され、電子放出部2は電子放出源3のターゲット22に対向する側に配置されている。
また、ターゲット層22で発生したX線は、図2に示す通り、必要に応じてターゲット9の前方に開口を有するコリメータにより放出角が制限され、X線束11に成形される。本実施形態においては、ターゲット9の周縁においてターゲット9を保持する開口を有した管状の陽極部材42が、コリメータとして機能している。
なお、電子線束5に含まれる電子は、X線発生管102の内部空間13において陰極51と陽極52とにより形成された加速電界により、ターゲット層22がX線を発生させる為に必要な入射エネルギーまで加速される。
本実施形態において、陽極52は、ターゲット9と陽極部材42とを少なくとも備え、X線発生管102の陽極電位を規定する電極として機能している。
陽極部材42は、導電性材料からなりターゲット層22と電気的に接続される。陽極部材42は、タングステン、タンタル等の重金属を含有し、図2に示す様に、ターゲット9の前方側において開口を残して延長された部分を有する形態とすることでコリメータとして機能する。なお、ターゲット9についての詳細な実施形態については後述する。
X線発生管102の内部空間13は、電子線束5の平均自由行程を確保することを目的として、真空となっている。X線発生管102の内部の真空度は、1E−8Pa以上1E−4Pa以下であることが好ましく、電子放出源3の寿命の観点からは、1E−8Pa以上1E−6Pa以下であることがより一層好ましい。本実施形態においては、電子放出部2およびターゲット層22は、それぞれ、X線発生管102の内部空間13または内面に配置されている。
X線発生管102の内部空間13は、不図示の排気管および真空ポンプを用いて排気した後、かかる排気管を封止することにより真空とすることが可能である。また、X線発生管102の内部空間13には、真空度の維持を目的として、不図示のゲッターを配置しても良い。
X線発生管102は、陰極電位に規定される電子放出源3と、陽極電位に規定されるターゲット層22との間の電気的絶縁を図る目的において、胴部に絶縁管110を備えている。絶縁管110は、ガラス材料やセラミックス材料等の絶縁性材料で構成される。絶縁管110は、管軸方向の両端において、陰極51と陽極52とに挟持されていることにより、電子放出部2とターゲット層22との間隔を規定している。
外囲器111は、内部空間13の真空度を維持するための気密性と耐大気圧性有する堅牢性とを備える部材から構成されることが好ましい。本実施形態において外囲器111は、絶縁管110と、電子放出源3を備えた陰極51と、ターゲット9を備えた陽極52とから構成されている。
従って、本実施形態の陰極51及び陽極52は、絶縁管110の対向する両端にそれぞれ接続されることにより、外囲器111の部分を構成している。同様にして、支持基板21は、ターゲット層22で発生したX線をX線発生管102の外に取り出す透過窓の役割を担うとともに、外囲器111の部分を構成している。
電子放出源3は、タングステン等の耐熱性の金属を含有したフィラメント型カソード、含浸型カソードのような熱陰極や、カーボンナノチューブ等の冷陰極を用いることができる。電子放出源3は、電子線束5のビーム径および電子電流密度、オン・オフタイミング等の制御を目的として、不図示のグリッド電極、静電レンズ電極を備えた形態とすることも可能である。
<X線発生装置>
図3には、X線発生管102を備えたX線発生装置101の実施形態が示されている。本実施形態のX線発生装置101は、X線透過窓121を有する収納容器120の内部に、X線源であるX線発生管102、および、X線発生管102に管電圧を印加する管電圧回路103を有している。
管電圧回路103が出力する管電圧Vaは、ターゲット層22とともに、X線撮影に必要な線種に応じて適宜設定される。
X線発生管102及び管電圧回路103を収納する収納容器120は、容器としての十分な強度を有し、かつ放熱性に優れたものが望ましく、その構成材料として、例えば真鍮、鉄、ステンレス等の金属材料が用いられる。
本実施形態においては、収納容器120内の内部のX線発生管102と管電圧回路103以外の余空間43には、絶縁性液体109が充填されている。絶縁性液体109は、電気絶縁性を有する液体で、収納容器120の内部の電気的絶縁性を維持する役割と、X線発生管102の冷却媒体の役割とを有する。絶縁性液体109としては、鉱油、シリコーン油、パーフロオロ系オイル等の電気絶縁油を用いるのが好ましい。
また、収納容器120の内面にガラス繊維やポリエチレン等を含有する不図示の絶縁性の樹脂を設けることにより、X線発生管102、管電圧回路103、配線等と収納容器120との電気的絶縁性をより一層高めることが可能である。
<X線撮影システム>
次に、図4を用いて、本発明のターゲット9を備えるX線撮影システム60の構成例について説明する。
システム制御ユニット202は、X線発生装置101とX線検出器206とを統合制御する。本実施形態の管電圧回路103は、システム制御ユニット202による制御の下に、X線発生管102に各種の制御信号を出力する。管電圧回路103は、収納容器120の内部にX線発生管102とともに収納されているが、収納容器120の外部に配置しても良い。管電圧回路103が出力する制御信号により、X線発生装置101から放出されるX線束11の放出状態が制御される。
X線発生装置101から放出されたX線束11は、可動絞りを備えた不図示のコリメータユニットによりその照射範囲を調整されてX線発生装置101の外部に放出され、被検体204を透過して検出器206で検出される。検出器206は、検出したX線を画像信号に変換して信号処理部205に出力する。
信号処理部205は、システム制御ユニット202による制御の下に、画像信号に所定の信号処理を施し、処理された画像信号をシステム制御ユニット202に出力する。
システム制御ユニット202は、処理された画像信号に基づいて、表示装置203に画像を表示させるための表示信号を表示装置203に出力する。
表示装置203は、表示信号に基づく画像を、被検体204の撮影画像としてスクリーンに表示する。
X線撮影システム60は、工業製品の非破壊検査や人体や動物の病理診断に用いることができる。
<ターゲット>
次に、本発明の特徴であるターゲット9の基本的な実施形態を、図1(a)、(b)を用いて説明する。
図1(a)に図示したターゲット9は、下記ターゲット金属を含有するターゲット層22と、ターゲット層22を支持する支持基板21とを少なくとも備える。図1(b)は、図1(a)に図示したターゲット9の動作状態を示している。ターゲット層22が電子線束5の照射を受けることによりX線を放出する。
本発明のターゲット9を有するX線放出管においては、ターゲット層22から放出されたX線のうち、支持基板21の基板厚方向に透過した成分の一部を、開口を有したコリメータ59によりX線束11に成形されて支持基板21の前方に取出す。なお、図1(b)においては理解の為に、ターゲット層22に照射される電子線束5の焦点から放射状に発生するX線のうち、放射線束11と焦点とを結ぶ範囲の放出成分のみを破線で囲んで示している。
支持基板21は、法線が互いに異なる複数の構成面24、25、26を有した多面体である。また、支持基板21は、多結晶ダイアモンドからなり、化学的気相堆積法(CVD法)、微結晶ダイアモンドを焼き固めた固相焼結法、または、コバルト等のバインダー金属と微結晶ダイアモンドとを溶解析出作用により焼結する液相焼結法、等により形成される。X線の線質および熱伝導性の観点からは、炭素およびsp3結合骨格の純度が高い多結晶ダイアモンドが得られる化学的気相堆積法を用いることが好ましい。
化学的気相堆積法による多結晶ダイアモンドは、種結晶基板上に多結晶ダイアモンドを結晶成長させることにより多結晶ダイアモンド層を堆積させる成膜工程を行うことにより形成される。化学的気相堆積法による多結晶ダイアモンドを形成した積層体から、種結晶基板を機械的または化学的に除去する工程を行うことにより、自立型の多結晶ダイアモンドを形成することができる。
支持基板21の外形は、図1(a)に示すように、ターゲット層22を支持する構成面24と、構成面24に対向しX線を取り出す構成面25とを有した平板状とされる。支持基板21の外形は、例えば、直方体形状、ディスク状、円錐台形状が選択される。
ディスク状の支持基板21としては、直径2mm以上10mm以下とすることにより、必要な焦点径を有する電子線焦点を形成可能なターゲット層22を設けることが可能となる。支持基板21は、厚さ0.3mm以上3mm以下とすることにより、放射線の透過性を確保することが可能となる。支持基板21を直方体形状のダイアモンド基材とする場合は、直方体が有する面の短辺と長辺のそれぞれの長さを、前述の直径の範囲内に設定すれば良い。
ターゲット層22は、高い原子番号、高融点、高比重の金属元素を、ターゲット金属として含有する。ターゲット金属は、支持基板21との親和性の観点からは、炭化物の標準生成自由エネルギーが負を呈するタンタル、モリブデン、タングステンの群から少なくとも1種選択された金属とすることが好ましい。ターゲット金属がターゲット層22に含有される形態は、単一組成または合金組成の純金属、炭化物、窒化物、酸窒化物等の金属化合物が、融点、比重、熱伝導性等の観点から適宜選択される。
なお、ターゲット層22の層厚は、1μm以上12μm以下の範囲から選択される。ターゲット層22の層厚の下限と上限は、それぞれ、X線出力強度の確保、界面応力の低減の観点から定められ、3μm以上9μm以下の範囲とすることが、より好ましい。
ターゲット9は、図2に図示されるように、陽極部材42、不図示のろう材とともに、X線発生管102の陽極52を構成している。
ろう材は、陽極部材42にターゲット9を保持する機能とともに、ターゲット層22と陽極部材42との電気的接続を担う機能を有している。ろう材は、金、銀、銅、錫等を含有する合金であって、ろう材の合金組成を適宜選択することにより、被接合部材に応じた接着特性が得られる。
次に、本願発明の課題であるターゲットの熱損傷について以下に説明する。
本願発明者等は、繰り返しの曝射動作によりX線の出力強度が低下したX線発生管のターゲットを分析することにより、以下のような知見を得た。
第1の知見として、X線出力が低下したターゲットは、ターゲット層の支持基板に対する剥離が認められ、ターゲット層の密着性が低下していることが判った。
第2の知見として、密着性の低下したターゲット層と支持基板である多結晶ダイアモンドとの界面には、ダイアモンドがグラファイトに変性した領域が確認された。
第3の知見として、101面の面方位成分が他の面方位成分に対して相対的に多い構成面において、グラファイト化が顕著であることであることが判った。
ターゲット層の剥離領域の直下の多結晶ダイアモンドの変性メカニズムは不詳であるが、X線発生動作とともに以下のような素過程が進行したものと、本願発明者等の検討により推定されるに至った。
素過程1:熱変性
sp3結合を骨格とするダイアモンドは、電子線が照射された領域の発熱により、sp3結合の一部がsp2結合に熱的に変化しグラファイトに変性する素過程。
素過程2:局所的な支持基板の膨張
高比重の単結晶ドメイン(ダイアモンド 比重3520kg/m)から、低比重のグラファイト(比重:2200kg/m)への変性により、支持基板の一部がターゲット層側に膨張し、接合界面に応力を形成する。
次に、素過程1を推定するに至った第3の知見について説明する。本願発明者等が、1500℃〜2200℃の温度範囲で、100面、101面、111面の面方位をそれぞれ構成面として備える単結晶ダイアモンド片を用いてグラファイト化の変性速度を測定した。その結果、グラファイト化の活性化エネルギーは、101面で640kJ/mol、111面で955kJ/molであった。100面はグラファイト化の速度を特定できず、グラファイト化の活性化エネルギーは、定量できなかったが、少なくとも、1100kJ/mol以上であると推定された。以上の様にして、sp3結合からsp2結合への変性には、ダイアモンドの面方位成分の依存性があることが確認されたのである。
従って、101面を呈する単結晶ドメインの面積が他の面方位の単結晶ドメインの面積よりも相対的に多い構成面は、グラファイト化が促進され、ターゲット層を支持する面として相応しく無いこと判った。また、逆に、101面を呈する単結晶ドメインの面積が他の面方位の単結晶ドメインの面積よりも相対的に少ない構成面は、グラファイト化が抑制され、ターゲット層を支持する面として相応しいこと判った。
次に、本願発明の特徴である多結晶ダイアモンドを含有する透過基板の面方位成分の偏りについて、図5の各図を用いて説明する。
図5(a)は、面方位の面積率において構成面間の相違が認められた多結晶ダイアモンド片500を示している。多結晶ダイアモンド片500は、直径2mm、厚さ2mmの外形をなすディスク状であって、互いに対向する底面524と525、及び、側面503の構成面を有している。なお、多結晶ダイアモンド片500は、平均粒径が数μmの単結晶粒を固相焼結法により焼結させたものをダイシング、研磨等により成形して作成したものである。多結晶ダイアモンド片500の各面の表面粗度Raは、0.5μm以下であった。
図5(b)〜(d)は、多結晶ダイアモンド片500の各構成面の後方散乱電子回折法による結晶ドメインの観察結果を示している。図5(b)〜(d)の各図は、101面を黒、101面から面方位が45.2度の偏角を成している100面を白としてマッピングされている。また、111面は、101面から35.3度をなしており、白に近い灰色でマッピングされている。図5(b)〜(d)の各多結晶像の右側には、凡例が扇型に示されている。
電子線後方散乱回折法(Electron Backscattering Diffraction:EBSD法)は、結晶性材料を含有する検体に電子線を照射し検体から後方散乱した電子線がEBSDパターンを呈することを利用している。また、電子線後方散乱回折法は、かかるEBSDパターンに結晶形や結晶方位に関する情報が含まれていることを利用している。なお、EBSDパターンは、菊池線回折図形とも呼ばれる。
さらに、電子線後方散乱回折法では、走査型電子顕微鏡(SEM)と組み合わせて、電子線照射を検体に対して走査しEBSDパターンを測定、解析することにより、微小領域の結晶形や結晶方位に関する情報が得られるものである。各観察像において濃度が均一な領域は結晶方位が揃っている単結晶ドメインであり、各単結晶ドメイン間の境界は結晶粒界に相当する。
本願発明では、多結晶ダイアモンドの構成面に含まれる単結晶ドメインの面積は、EBSD法によって観察された多結晶像に含まれる単結晶ドメインの領域を抽出し、抽出された領域の面積を計算することにより求められる。面積率を同定する目的において、検体の評価領域は、100以上10000以下の単結晶ドメインが評価領域に含まれるように、100μm□〜数mm□の大きさが選択される。
図5(b)は、多結晶ダイアモンド片500の構成面524のEBSD法による多結晶像を示している。構成面524の101面を呈する単結晶ドメイン61の面積率は、9.2%であった。また、同様にして、構成面524の100面、111面を呈する単結晶ドメインの面積率のそれぞれは、12.8%、25.9%であった。従って、構成面524において、101面を呈する単結晶ドメインの面積率は、100面、111面のそれぞれより小さいことが判った。
なお、一般に、多結晶像には、高次の面方位が含まれているが、本願明細書において、指標となる面方位を101、100、111の3つと定めた。指標となる面方位の中心軸101、100、111からの偏角が10度以内の単結晶ドメインは、グラファイト化の反応性において、指標となる面方位と等価であるとみなしてマージした。従って、各構成面における面方位101、100、111に対応するする面積率S101、S100、S111は、面方位の中心軸からの偏角が10度以内の単結晶ドメインの面積の合計値を各構成面の面積で規格化したものである。図5(b)〜(d)の各凡例には、マージされた101面方位成分と他の面方位成分との境界を実線の円弧で示している。
なお、面積率S101、S100、S111の同定は、各構成面をEBSDの評価領域で代表させて決定することが可能である。即ち、面積率S101、S100、S111の同定は、各構成面を観察した評価領域に占める面方位の中心軸からの偏角が10度以内の単結晶ドメインの面積の合計値を、評価領域の面積で規格化することで求められる。
なお、本願明細書において、各構成面の指標となる面方位の成分は、以下の一般式1〜3のように、着目している面積率Sを面積率S101、S100、S111の合計で規格化した規格化面積率NSで評価される。
NS101=S101/(S101+S100+S111) (一般式1)
NS100=S100/(S101+S100+S111) (一般式2)
NS111=S111/(S101+S100+S111) (一般式3)
規格化面積率の合計NS101+NS100+NS111は、100%であるため、主要な面方位成分は、規格化面積率NSが、33.3%より多く含有され、微量な面方位成分は、規格化面積率NSが、少なくとも、33.3%以下を呈することとなる。
従って、図5(b)に示す構成面524の101面の規格化面積率NS101は、19.2%であった。
また、図5(c)は、図5(b)と同様にして、多結晶ダイアモンド片500の構成面525のEBSD法による多結晶像を示している。構成面525の面積率S101、S100、S111のそれぞれは、18.9%、9.4%、20.5%であった。従って、構成面525における101面を呈する単結晶ドメインの面積率は、100面より大きく、111面より小さいことが判った。なお、構成面525の101面の規格化面積率NS101は、38.7%であった。
また、図5(d)は、図5(b)と同様にして、多結晶ダイアモンド片500の構成面526のEBSD法による多結晶像を示している。構成面526の面積率S101、S100、S111のそれぞれは、12.5%、22.5%、24.5%であった。従って、構成面526における101面を呈する単結晶ドメインの面積率は、100面、111面のそれぞれより小さいことが判った。なお、構成面526の101面の規格化面積率NS101は、21.1%であった。
多結晶ダイアモンド片500の各構成面524〜526において、面方位の面積率が、互いに相違する場合があることが確認された。このような各構成面間における面方位の面積率の相違は、多結晶ダイアモンド片500の形成過程において、温度ムラ、圧力ムラ、沈降等の不可避の不均一性により面方位の成分の偏りが発生したものと推定される。
多結晶ダイアモンドは、前述の通り、化学的気相堆積法、固相焼結法、液相焼結法、等の形成手法があるが、いずれにしても、面方位の面積率の偏りを完全に無くすることは、製造上の制約により難しいものと考えられる。
本願発明者等の鋭意なる検討の結果得られた第1〜第3の知見により、本発明の特徴を備えたターゲットを特定するに至ったものである。
即ち、本発明のターゲットは、101面を呈する単結晶ドメインの面積率が100面及び111面を呈する単結晶ドメインの面積率よりも小さい構成面において多結晶ダイアモンドを含有する支持基板に支持されていることを特徴としている。
さらに、ターゲット層は、図5(a)に示されたダイアモンド片500の構成面24、26のような規格化面積率NS101が33.3%以下である構成面において支持される。また、ターゲット層は、ダイアモンド片500の構成面24のような規格化面積率NS101が20%以下である構成面において支持されることが好ましい。
なお、多結晶ダイアモンドの面方位の面積率を同定する手法は、前述の電子線後方散乱回折法に限定されず、X線回折法(XRD)または、走査型透過電子顕微鏡(TEM)と電子線回折(ED)とを組み合わせる方法が適用できる。
XRDによる面方位の面積率の同定は、回折ピーク角度2θpと強度とから面方位の存在比を求めることで行われる。また、TEMとEDとを組合せた方法による面方位の面積率の同定は、集束イオンビーム(FIB)により加工したスライス検体を用意し、各結晶ドメインの結晶方位と面積を同定することで行われる。
(実施例1)
次に、本願発明のターゲットを備えるX線発生管102および、X線発生装置101を、以下に示す手順で作成し、X線発生装置101を動作させ、出力安定性を評価した。
本実施例で作成したターゲット9の構成を図1(a)に示す。
本実施例のターゲット9を以下のようにして作成した。
まず、直径5mmで厚さ1mmのディスク状の形状化学的気相堆積法で作成した自立型の多結晶ダイアモンド21を準備した。多結晶ダイアモンド21は、構成面として、底面24、底面25、側面26を備えている。多結晶ダイアモンド21を、UVオゾンアッシャ装置にて、各構成面の残留有機物を洗浄処理し支持基板21とした。
本実施例で用いた支持基板21の構成面を、ターゲット層22の堆積に先だって、電子線後方散乱回折法で観察し、支持基板21の構成面毎の101面の規格化面積率を求めた。
得られた支持基板21の各構成面の各面方位成分の面積率S101、S100、S111と、101面の規格化面積率NS101を表1に示す。
Figure 0006381269
得られた結果、底面24と側面26は、いずれも、101面を呈する単結晶ドメインの面積率が100面及び111面を呈する単結晶ドメインの面積率のそれぞれよりも小さい構成面であることが判った。また、底面25は、101面を呈する単結晶ドメインの面積率が111面を呈する単結晶ドメインの面積率よりは小さかったが、100面を呈する単結晶ドメインの面積率よりは大きい構成面であることが判った。
次に、支持基板21の底面24に対して、キャリアガスとしてアルゴンガスを用い、スパッタターゲットとしてタングステンの焼結体を用いて、タングステンを含有する金属含有層を5μmの層厚となるようにスパッタ成膜し積層体を作成した。
得られた積層体を、真空イメージ炉にて焼成処理し、炭化タングステンを含有するターゲット層22を備えたターゲット9を作成した。ターゲット層22の層厚は7μmであった。
次に、ターゲット層22の周縁と支持基板21の側面26に錫―銀合金を含有する不図示のろう材を配置し、管状の陽極部材42とターゲット9とをろう材を介して接合し、図2に示す陽極52を作成した。
次に、陽極52を用いて、図2に示すX線発生管102を作成した。X線発生管102の静耐圧を試験したところ、連続10分間、管電圧150kVを無放電で維持することができた。静耐圧試験は、放射線発生管102の電子放出源3を動作させずに、陽極52と陰極51との間に管電圧を印加し放電耐圧を評価するものである。即ち、静耐圧試験は、電子放出部2から電子線束5は放出させずに行われる。
次に、X線発生管102の陰極51と陽極52とに対して管電圧回路103を電気的に接続し、さらに、収納容器120の内部43に、X線発生管102と管電圧回路103とを収納して、図3に示すX線発生装置101を作成した。
次に、X線発生装置101の駆動安定性を評価するために、図6示す評価系70を準備した。評価系70は、X線発生装置101のX線放出窓121の1m前方の位置に線量計26が配置されている。線量計26は、測定制御装置203を介して管電圧回路103に接続されることにより、X線発生装置101の放射出力強度を測定可能となっている。
駆動安定性の評価における駆動条件は、X線発生管102の管電圧を110kVとし、ターゲット層22に照射される電子線の電流密度を22mA/mm、電子照射期間を1秒、非照射期間を35秒とを交互に繰り返すパルス駆動とした。検出したX線出力強度は、電子照射時間内の中央1秒間の平均値を採用した。即ち、本実施例で行った駆動安定性の評価における駆動条件は、1時間当たり100回の曝射動作を行う駆動条件である。
X線出力強度の安定性評価は、X線出力開始から100時間経過後のX線出力強度を、初期のX線出力強度で規格化した保持率で評価した。
なお、X線出力強度の安定性評価に際し、ターゲット層22から接地電極16に流れる管電流を計測して、不図示の負帰還回路により、ターゲット層22に照射される電子電流を1%以内の変動値とするように定電流制御した。さらに、X線発生装置101の安定性駆動評価中に、放電せずに安定的に駆動していることを、放電カウンタ76によって確認した。
本実施例のX線発生装置101のX線出力の保持率は、0.99でり、10000回の曝射動作において放電は確認されなかった。本実施例のターゲット9を備えたX線発生装置101は、長時間の駆動履歴を経た場合においても、顕著なX線出力変動が認められず、安定したX線出力強度が得られることが確認された。また、X線出力強度の安定性を評価した後のX線発生装置101を分解して、陽極52を取出したところターゲット層22の剥離は認められなかった。
(実施例2)
本実施例においては、実施例1に記載のX線発生装置101を用いて、図4に記載のX線撮影システム60を作成した。
本実施例のX線撮影システム60においては、X線出力の変動が抑制されたX線発生装置101を備えることにより、SN比の高いX線撮影画像を取得することができた。
9 ターゲット
21 支持基板
22 ターゲット層
24 ターゲット層を支持する構成面
61 101面を呈する単結晶ドメイン

Claims (19)

  1. 電子の照射によりX線を発生するターゲット層と、前記ターゲット層を支持する支持基板と、を有するターゲットであって、
    前記支持基板は多結晶ダイアモンドを含有し、法線が互いに異なる複数の構成面を有した多面体であって、
    前記ターゲット層は、101面を呈する単結晶ドメインの面積率が100面及び111面を呈する単結晶ドメインの面積率のそれぞれよりも小さい構成面において前記支持基板に支持されていることを特徴とするターゲット。
  2. 前記支持基板は、化学的気相堆積法により種結晶基板上に多結晶ダイアモンドを結晶成長させたのち、前記種結晶基板を除去することにより形成した自立型の多結晶ダイアモンドであって、前記ターゲット層を支持する面は、前記支持基板の前記種結晶基板が除去された側の面であることを特徴とする請求項1に記載のターゲット。
  3. 前記ターゲット層は、タングステン、タンタル、モリブデンの少なくともいずれから選択されたターゲット金属を含有していることを特徴とする請求項1または2に記載のターゲット。
  4. 前記ターゲット層は、前記ターゲット金属の炭化物を含有していることを特徴とする請求項3に記載のターゲット。
  5. 前記ターゲット層で発生したX線は、前記ターゲット層を支持する構成面に対向する前記支持基板の構成面から取り出される透過型のターゲットであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のターゲット。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のターゲットと、
    前記ターゲット層と電気的に接続される陽極部材と、
    を備えることを特徴とする陽極。
  7. 前記陽極部材は、開口を有し、前記開口において前記支持基板の周縁と接続されていることを特徴とする請求項6に記載の陽極。
  8. 請求項6または7に記載の陽極と、
    前記ターゲット層に電子線束を照射する電子放出源を有する陰極と、
    管軸方向の両端において、前記陽極と前記陰極のそれぞれに接続された絶縁管と、
    を備えることを特徴とするX線発生管。
  9. 請求項8に記載のX線発生管と、
    前記陽極と前記陰極との間に管電圧を印加する管電圧回路と、
    を備えることを特徴とするX線発生装置。
  10. 請求項9に記載のX線発生装置と、
    前記X線発生装置から放出され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、を備えることを特徴とするX線撮影システム。
  11. 電子の照射によりX線を発生するターゲット層と、前記ターゲット層を支持する支持基板と、を有するターゲットであって、
    前記支持基板は多結晶ダイアモンドを含有し、法線が互いに異なる複数の構成面を有した多面体であって、
    前記ターゲット層は、101面を呈する単結晶ドメインの規格化面積率が100面及び111面を呈する単結晶ドメインの規格化面積率のそれぞれよりも小さい構成面において前記支持基板に支持されていることを特徴とするターゲット。
    但し、面方位101、100、111に対応する単結晶ドメインの面積率は、S 101、S100、S111で表され、前記面積率は、面方位の中心軸から偏角が10度以内の面方位を呈する単結晶ドメインの面積の合計値を、前記各構成面の面積で規格化したものである。また、面方位101、100、111に対応する規格化面積率NS101、NS100、NS111は、以下の一般式(1)〜(3)で表される。
    NS101=S101/(S101+S100+S111) (一般式1)NS100=S100/(S101+S100+S111) (一般式2)NS111=S111/(S101+S100+S111) (一般式3)
  12. 前記ターゲット層は、101面を呈する単結晶ドメインに対応する前記規格化面積率NS101が、33.3%以下であることを特徴とする請求項11に記載のターゲット。
  13. 前記ターゲット層は、101面を呈する単結晶ドメインに対応する前記規格化面積率NS101が、20%以下であることを特徴とする請求項12に記載のターゲット。
  14. 前記ターゲット層で発生したX線は、前記ターゲット層を支持する構成面に対向する前記支持基板の構成面から取り出される透過型のターゲットであることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載のターゲット。
  15. 請求項11乃至14のいずれか1項に記載のターゲットと、
    前記ターゲット層と電気的に接続される陽極部材と、
    を備えることを特徴とする陽極。
  16. 前記陽極部材は、開口を有し、前記開口において前記支持基板の周縁と接続されていることを特徴とする請求項15に記載の陽極。
  17. 請求項15または16に記載の陽極と、
    前記ターゲット層に電子線束を照射する電子放出源を有する陰極と、
    管軸方向の両端において、前記陽極と前記陰極のそれぞれに接続された絶縁管と、
    を備えることを特徴とするX線発生管。
  18. 請求項17に記載のX線発生管と、
    前記陽極と前記陰極との間に管電圧を印加する管電圧回路と、
    を備えることを特徴とするX線発生装置。
  19. 請求項18に記載のX線発生装置と、
    前記X線発生装置から放出され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、を備えることを特徴とするX線撮影システム。
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