JP2008270622A - 光電変換パネルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換特性が良好でかつ画像の面内ムラを生じない光電変換パネルを、大掛かりな装置を使用することなく効率良く製造する。
【解決手段】真空蒸着法によって基板上に光電変換層を形成する光電変換パネルの製造方法において、光電変換層を基板上に形成する際に、基板の光電変換層形成面とは反対側の面に、熱伝導率が1W/m・K以上であって、かつ硬度が5以上90以下の熱伝導性シートを介して温調プレートを接触させ、基板を均一に加熱するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は光電変換パネルの製造方法に関し、特に、基板上に真空蒸着法によって形成された光電変換層を有する光電変換パネルの製造方法に関する。
従来より、医療用の診断画像の撮影や工業用の非破壊検査などに、被写体を透過した放射線(X線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等)を電気的な信号として取り出すことにより放射線画像を撮影する、放射線画像検出器が利用されている。
この放射線画像検出器としては、放射線を電気的な画像信号として取り出す放射線画像検出器(いわゆる「Flat Panel Detector」:以下、FPDともいう)や、放射線像を可視像として取り出すX線イメージ管などがある。
また、FPDには、例えば放射線の入射によってアモルファスセレンなどの光導電膜(光電変換層)が発した電荷を収集して電気信号として読み出す、いわば放射線を直接的に電気信号に変換する直接方式と、放射線の入射によって発光(蛍光)する蛍光体で形成された蛍光体層(シンチレータ層)を有し、この蛍光体層によって放射線を可視光に変換し、この可視光を光電変換素子で電気信号として読み出す、いわば放射線を可視光として電気信号に変換する間接方式との、2つの方式がある。
上述のような放射線検出器を製造する際には、光検出器上に、光導電膜もしくは蛍光体膜を所定の厚みに蒸着(真空蒸着)するのが一般的である。これは、光導電体もしくは蛍光体の粉末をバインダ等を含む溶媒に分散してなる塗料を調製して、この塗料をガラスまたは樹脂製のシート状の支持体に塗布し、乾燥する、塗布方法により作製される光導電層(光導電膜)もしくは蛍光体層(蛍光体膜)に比較して、蒸着によって作製される光導電層もしくは蛍光体層は、真空中で形成されるので不純物が少なく、また、バインダなどの光導電体もしくは蛍光体以外の成分が殆ど含まれないので、効率が非常に良好であるという、優れた特性を有しているためである。
ところで、上述のような真空蒸着方式による成膜装置(以下、真空蒸着装置ともいう)では、特性の良好な膜を形成するために、基板の加熱を行う場合がある。真空蒸着装置において基板の加熱には、シースヒーターあるいはハロゲンランプヒーターなどの加熱源が用いられるが、これらは加熱効率が悪く所定の温度に到達するまでに時間がかかる。また、基板面の温度にバラツキが生じ、これは光導電膜の光電変換特性の面内バラツキとなり画像ムラ等の不具合発生の要因となる。
基板温度が均一になるように加熱する方法として、複数の加熱源を用意して温度測定、制御を各々の加熱源に独立に行う方法が知られている(特許文献1)。この特許文献1に開示されている方法自体は、輝尽発光特性を真空蒸着させて放射線像変換パネルを作製する方法に関するものであるが、基板温度が均一になるように加熱する方法としては、光導電膜を真空蒸着させて光電変換変換パネルを作製する方法にも利用可能である。
特開平10−62599号公報
特許文献1に記載されている方法により製造された放射線像変換パネルは基板温度の面内バラツキが解消されるため、放射線像変換パネル面内の輝尽発光特性を均一に導くことは可能であるものの、複数の加熱源を用意して温度測定、制御を各々の加熱源に対して独立に行うものであるため、装置が大掛かりになる上、その制御も煩雑である。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、真空蒸着によって基板に光電変換層を形成するに際し、基板を均一に加熱して、光電変換特性が良好でかつ画像の面内ムラを生じない光電変換パネルを、大掛かりな装置を使用することなく効率良く製造可能な光電変換パネルの製造方法を提供することを目的とするものである。
特に、本発明は、真空蒸着によって基板にアモルファスセレンからなる光電変換層を形成する際等に好適に用い得る光電変換パネルの製造方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明に係る光電変換パネルの製造方法は、真空蒸着法によって基板上に光電変換層を形成する光電変換パネルの製造方法において、前記光電変換層を前記基板上に形成する際に、前記基板の前記光電変換層形成面とは反対側の面を熱伝導性シートを介して温調プレート(温度調整プレート)に接触させ、前記基板を加熱することを特徴とするものである。なお、本明細書において前記基板は光電変換パネル基板そのものだけでなく、該光電変換パネル基板を真空蒸着装置内等でハンドリングするために熱伝導シートを介して基板ホルダに接触させた組体をも意味するものとする。
ここで、前記光電変換パネル基板を熱伝導シートを介して基板ホルダに接触させた組体からなる前記基板は、この接触状態を保ったまま前記真空チャンバ内から取り出し可能であることが望ましい。
前記熱伝導性シートとは、加熱(発熱)体と被加熱(発熱)体の間に位置させて両者の熱接触を向上させるためのシートを意味し、その熱伝導率は1W/m・K以上、より好ましくは3W/m・K以上であることが望ましい。ここでいう熱伝導率は「ASTME1530」に基づいて測定した数値である。また、硬度は、JIS K6253(加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムの硬さ試験方法)に基づく見掛け硬さであり、5以上90以下、より好ましくは5以上80以下であることが望ましい。
前記熱伝導性シートの前記基板側の面は非粘着性層であることが好ましい。また、前記光電変換層がアモルファスセレンからなるものであって、前記温調プレートによる調整温度を30℃〜50℃の間に調整することが好ましい。ここで、前記温調プレートとしては、温度調整媒体を循環させるものを用いることも好ましい。
本発明に係る光電変換パネルの製造方法によれば、真空蒸着法によって基板上に光電変換層を形成する光電変換パネルの製造方法において、前記光電変換層を前記基板上に形成する際に、前記基板の前記光電変換層形成面とは反対側の面を熱伝導性シートを介して温調プレートに接触させ、前記基板を加熱するので、基板を均一に加熱することができ、光電変換特性が良好でかつ画像の面内ムラを生じない光電変換パネルを、大掛かりな装置を使用することなく効率良く製造することができる。
ここで、前記光電変換パネル基板を熱伝導シートを介して基板ホルダに接触させた組体からなる前記基板を、この接触状態を保ったまま前記真空チャンバ内から取り出し可能に構成した場合には、多層の蒸着膜の蒸着を、複数の異なる蒸着装置(真空チャンバ)を用いて行う際のハンドリングの操作性を向上させるのに極めて有効となる。
特に、熱伝導性シートの基板側の面を非粘着性層とすることにより、基板から熱伝導性シートを剥がすことが容易となり、熱伝導性シートを再利用することが可能となり、より経済的に光電変換パネルを製造することが可能となる。
また、前記温調プレートとして、温度調整媒体を循環させるものを用いる方法は、温調プレート内における温度分布の均一性を向上させるのに有効である。
本発明に係る光電変換パネルの製造方法は、真空蒸着法によって基板上に光電変換層を形成する光電変換パネルの製造方法において、光電変換層を基板上に形成する際に、基板の光電変換層形成面とは反対側の面に熱伝導性シートを介して温調プレートを接触させ、基板の温度分布をできるだけ均一化して加熱することを特徴とする。
以下、図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明においては、アモルファスセレン等の光導電膜と薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor )等を用い、放射線の入射により発生した電荷を収集し、TFTのスイッチングを行った個所から電流として感知することで放射線画像を得る、電気読取方式の放射線画像検出器を製造する場合を例として説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、アモルファスセレン化合物等から形成される記録用光導電層および読取用光導電層と、両光導電層の間に形成されるAsSe等から形成される電荷蓄積層とを有し、放射線の入射によって潜像電荷を蓄積し、読取光の照射によって潜像電荷に対応する電流として感知することで放射線画像を得る、光読取方式の放射線画像検出器を製造する場合(その記録用光導電層および読取用光導電層の形成)にも好適に用い得るものである。
図1(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る光電変換パネルの製造方法により製造されるTFT方式の放射線画像検出器(FPD)100の構成を示す図で、(a)は概略構成図、(b)はその1画素単位の構成示す断面図、(c)は同平面図である。
図1(a)に示す放射線画像検出器(FPD)100は、例えば、Seからなり、電磁波導電性を示す光導電層104を備え、この上に単一のバイアス電極101が、下に複数の電荷収集電極107aが形成されている。各電荷収集電極107aは、それぞれ電荷蓄積容量107cおよびスイッチ素子107bに接続されている。また、光導電層104とバイアス電極101との間には、正孔注入阻止層102が設けられている。
また、光導電層104と電荷収集電極107aとの間には電子注入阻止層106が設けられており、また、正孔注入阻止層102と光導電層104との間と、電子注入阻止層106と光導電層104との間とには、それぞれ結晶化防止層103,105が設けられている。なお、電荷収集電極107aとスイッチ素子107bと電荷蓄積容量107cとから電荷検出層107が形成され、ガラス基板108と電荷検出層107とから、後述するアクティブマトリックス基板150が構成されている。
図1(b)は放射線画像検出器100の1画素単位の構造を示す断面図であり、図1(c)はその平面図である。図1(b),図1(c)に示す1画素のサイズは、0.1mm×0.1mm〜0.3mm×0.3mm程度であり、放射線画像検出器全体としてはこの画素がマトリクス状に500×500〜3000×3000画素程度配列されている。
図1(b)に示すように、アクティブマトリックス基板150は、ガラス基板108、ゲート電極111、電荷蓄積容量電極(以下、Cs電極と称する)118、ゲート絶縁膜113、ドレイン電極112、チャネル層115、コンタクト電極116、ソース電極110、絶縁保護膜117、層間絶縁膜120、および電荷収集電極107aを有している。また、ゲート電極111やゲート絶縁膜113、ソース電極110、ドレイン電極112、チャネル層115、コンタクト電極116等により薄膜トランジスタ(TFT)からなるスイッチ素子107bが構成されており、Cs電極118やゲート絶縁膜113、ドレイン電極112等により電荷蓄積容量107cが構成されている。
ガラス基板108は支持基板であり、ガラス基板108としては、例えば、無アルカリガラス基板(例えば、コーニング社製#1737等)を用いることができる。ゲート電極111及びソース電極110は、図1(c)に示すように、格子状に配列された電極配線であり、その交点には薄膜トランジスタ(TFT)からなるスイッチ素子107bが形成されている。
スイッチ素子107bのソース・ドレインは、各々ソース電極110とドレイン電極112とに接続されている。ソース電極110は、信号線としての直線部分と、スイッチ素子107bを構成するための延長部分とを備えており、ドレイン電極112は、スイッチ素子107bと電荷蓄積容量107cとをつなぐように設けられている。
ゲート絶縁膜113はSiNXやSiOX等からなっている。ゲート絶縁膜113は、ゲート電極111及びCs電極118を覆うように設けられており、ゲート電極111上に位置する部位がスイッチ素子107bにおけるゲート絶縁膜として作用し、Cs電極118上に位置する部位は電荷蓄積容量107cにおける誘電体層として作用する。つまり、電荷蓄積容量107cは、ゲート電極111と同一層に形成されたCs電極118とドレイン電極112との重畳領域によって形成されている。なお、ゲート絶縁膜113としては、SiNXやSiOXに限らず、ゲート電極111及びCs電極118を陽極酸化した陽極酸化膜を併用することもできる。
また、チャネル層(i層)115はスイッチ素子107bのチャネル部であり、ソース電極110とドレイン電極112とを結ぶ電流の通路である。コンタクト電極(n+層)116はソース電極110とドレイン電極112とのコンタクトを図る。
絶縁保護膜117は、ソース電極110及びドレイン電極112上、つまり、ガラス基板108上に、ほぼ全面(ほぼ全領域)にわたって形成されている。これにより、ドレイン電極112とソース電極110とを保護すると共に、電気的な絶縁分離を図っている。また、絶縁保護膜117は、その所定位置、つまり、ドレイン電極112においてCs電極118と対向している部分上に位置する部位に、コンタクトホール121を有している。
電荷収集電極107aは、非晶質透明導電酸化膜からなっている。電荷収集電極107aは、コンタクトホール121を埋めるようにして形成されており、ソース電極110上及びドレイン電極112上に積層されている。電荷収集電極107aと光導電層104とは電気的に導通しており、光導電層104で発生した電荷を電荷収集電極107aで収集できるようになっている。
層間絶縁膜120は、感光性を有するアクリル樹脂からなり、スイッチ素子107bの電気的な絶縁分離を図っている。層間絶縁膜120には、コンタクトホール121が貫通しており、電荷収集電極107aはドレイン電極112に接続されている。コンタクトホール121は、図1(b)に示すように逆テーパ形状で形成されている。
バイアス電極101とCs電極118との間には、図示しない高圧電源が接続されている。この高圧電源により、バイアス電極101とCs電極118との間に電圧が印加される。これにより、電荷蓄積容量107cを介してバイアス電極101と電荷収集電極107aとの間に電界を発生させることができる。このとき、光導電層104と電荷蓄積容量107cとは、電気的に直列に接続された構造になっているので、バイアス電極101にバイアス電圧を印加しておくと、光導電層104内で電荷(電子−正孔対)が発生する。光導電層104で発生した電子は+電極側に、正孔は−電極側に移動し、その結果、電荷蓄積容量107cに電荷が蓄積される。
放射線画像検出器全体としては、電荷収集電極107aは1次元または2次元に複数配列されると共に、電荷収集電極107aに個別に接続された電荷蓄積容量107cと、電荷蓄積容量107cに個別に接続されたスイッチ素子107bとを複数備えている。これにより、1次元または2次元の電磁波情報を一旦電荷蓄積容量107cに蓄積し、スイッチ素子107bを順次走査していくことで、1次元または2次元の電荷情報を簡単に読み出すことができる。
以下に、放射線画像検出器100の製造工程の一例について説明する。まず、ガラス基板108上に、TaやAl等の金属膜をスパッタ蒸着により厚さ約300nmに成膜した後、所望の形状にパターニングすることにより、ゲート電極111及びCs電極118を形成する。そして、このゲート電極111及びCs電極118を覆うようにして、ガラス基板108の略全面にSiNXや、SiOX等からなるゲート絶縁膜113をCVD(Chemical Vapor Deposition)法により厚さ約350nmに成膜する。なお、ゲート絶縁膜113としては、SiNXやSiOXに限らず、ゲート電極111及びCs電極118を陽極酸化した陽極酸化膜を併用することもできる。また、ゲート絶縁膜113を介して、ゲート電極111の上方にチャネル層115が配されるように、CVD法により、アモルファスシリコン(以下、a-Siと称する)を、厚さ約100nmに成膜した後、所望の形状にパターニングすることにより、チャネル層115を形成する。チャネル層115の上層にコンタクト電極116が配されるように、CVD法によりa−Siを厚さ約40nmに成膜した後、所望の形状にパターニングすることにより、コンタクト電極116を形成する。
さらに、コンタクト電極116上に、TaやAl等の金属膜をスパッタ蒸着により厚さ約300nmに成膜した後、所望の形状にパターニングすることにより、ソース電極110及びドレイン電極112を形成する。このようにしてスイッチ素子107b及び電荷蓄積容量107c等を形成したガラス基板108の略全面を覆うようにSiNXをCVD法で厚さ約300nmに成膜することにより、絶縁保護膜117を形成する。その後、コンタクトホール121となるドレイン電極112上の所定の部分に形成されたSiNX膜を除去しておく。上記絶縁保護膜117上の略全面を覆うように、感光性を有するアクリル樹脂等を厚さ約3μmに成膜し、層間絶縁膜120を形成する。そして、フォトリソグラフィ技術によるパターニングを行い、絶縁保護膜117におけるコンタクトホール121となる部分と位置合わせをしてコンタクトホール121を形成する。
層間絶縁膜120上に、ITO(Indium-Tin-Oxide)等の非晶質透明導電酸化膜をスパッタ蒸着法にて厚さ約200nmに成膜し、所望の形状にパターニングして電荷収集電極107aを形成する。この時、絶縁保護膜117及び層間絶縁膜120に設けたコンタクトホール121を介して、電荷収集電極107aとドレイン電極112とを電気的に導通させる(短絡させる)。なお、本実施の形態では上述したように、アクティブマトリックス基板150として電荷収集電極107aがスイッチ素子107bの上方にオーバーラップする、いわゆる屋根型構造(マッシュルーム電極構造)を採用しているが、非屋根型構造を採用してもかまわない。また、スイッチ素子107bとしてa−Siを用いたTFTを用いたが、これに限らず、p−Si(ポリシリコン)を用いてもよい。
上記のように形成されたアクティブマトリックス基板150の画素配列領域をすべて覆うように、電子注入阻止層106(10〜10000nm程度、より好ましくは50〜1000nm程度)を形成し、結晶化防止層105(50〜1000nm程度)を形成後、a-Se(アモルファスセレン)を主成分とする材料からなり電磁波導電性を有する光導電層104を、真空蒸着法により膜厚が約0.1mm〜2.0mmになるように成膜する。引き続き、結晶化防止層103(50〜1000nm程度)を形成し、正孔注入阻止層102(10〜10000nm程度)を形成後、最後に、光導電層104の略全面にAu、Alなどからなるバイアス電極101を真空蒸着法により約15〜400nmの厚さで形成する。
結晶化防止層103、105としてはa-SeにAsを1〜20%ドープしたものや、S、Te、P、Sb、Ge、Biを1〜10%添加したもの等を用いることが可能である。正孔注入阻止層102としては、CdS,CeO2,等の膜、または有機高分子層が好ましい。有機高分子層としては、たはポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリシクロオレフィン等の絶縁性高分子に、C60(フラーレン)、C70等のカーボンクラスターを混合した膜を好ましく用いることが出来る。また、Seを主体とし,Se中で正極性の深い局在準位を形成する物質を添加した非晶質層を用いることもできる。添加する物質としては,アルカリ金属元素のLi,Na,K,アルカリ土類金属元素のMg,Ca,Ba,ないしは金属元素のTl,ないしはそれらの弗化物が有効である。電子注入阻止層106としては、As,Sb,Geの少なくとも一者とS,Se,Teの少なくとも一者からなる物質,具体的には,As2S3,Sb2S3,GeTeなどの物質からなる層が有効である。またこれらの物質から成る電荷注入阻止層に,負極性の局在捕獲準位を形成する物質,例えばMn,Cu,Mo,Inの各酸化物,ないしはCl,Br,I,O,P,Ga,Inの各元素のいずれかを添加すると,電荷注入阻止層としてより効果的である。また、PVK等のホール輸送性高分子、またはポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリシクロオレフィン等の絶縁性高分子に、NPD,TPDを混合した膜などの有機高分子層を用いることもできる。
なお、Sb2S3膜は膜厚が約2μmを越えると上記のように電子注入阻止層として機能するが、膜厚が約1μm以下になると隣接するa-Se層との界面に生じる電気的障壁のために正孔注入阻止層として機能する。また、有機高分子層を電荷注入阻止層として用いる場合はそれ自体が結晶化防止層としての機能があるのでそれとは別に結晶化防止層を設けなくても良い。
光導電層104としては、暗抵抗が高く、X線照射に対して良好な電磁波導電性を示し、真空蒸着法により低温で大面積成膜が可能な非晶質(アモルファス)材料が好まれ、アモルファスSe(a-Se)膜が用いられているがアモルファスSeにLi, Na, K, Cs, Rb等のアルカリ金属を0.001ppmから1ppmまでの間で微量にドープしたもの、LiF, NaF, KF, CsF, RbF等のフッ化物を10ppmから10000ppmまでの間で微量にドープしたもの、P、As、Sb、Geを50ppmから0.5%までの間添加したもの、Asを10ppmから0.5%までドープしたもの、 Cl、Br、Iを1ppmから100ppmの間で微量にドープしたもの、を用いることができる。特に、Asを10ppmから200ppm程度含有させたアモルファスセレン、Asを0.2%〜1%程度含有させさらにClを5ppm〜100ppm含有させたアモルファスセレン、0.001ppm〜1ppm程度のアルカリ金属を含有させたアモルファスセレンが好ましく用いられる。
以上で説明した放射線画像検出器100を構成する複数の層のうち、アモルファスセレンを用いる光導電層104を、本発明の特徴である、基板の加熱方法を改良した真空蒸着法を用いて形成することができる。
後述するが、本発明に係る光電変換パネルの製造方法によれば、基板を均一に加熱することが可能になり、光電変換特性が良好でかつ画像の面内ムラを生じない光電変換パネルを、大掛かりな装置を使用することなく効率良く製造することができる。
図2は本発明の製造方法に用いられる真空蒸着装置(以下、単に蒸着装置ともいう)の例を示す構成概要図、図4は一実施例に係る基板11から基板ホルダ19までを含む部分(以下、ホルダブロックという)の拡大断面図である。本発明の製造方法に用いられる蒸着装置1には、蒸着装置1内を不図示の排気手段により真空にするメイン排気バルブ2、不図示の後段排気手段により所定真空度に維持するリークバルブ3が設けられている。
本発明の製造方法では、基板11は、放射線画像検出器(FPD)等の光電変換パネルの製造工程において、次に、光電変換層(光導電層)が形成される基材である。
例えば、前記図1に示す放射線画像検出器100の製造であれば、結晶化防止層105までが形成され、次いで、光導電層104を形成するものが基板11となる。また、光読取式の放射線画像検出器であれば、その製造工程において、次に記録用光導電層を形成するもの(記録用光導電層の下層が形成されたもの)や、次に読取用光導電層を形成するもの(読取用光導電層の下層が形成されたもの)が、基板11となる。
あるいは、基板11としては、無アルカリガラス、石英ガラスなどのガラスシート、表面にSiO2などの絶縁膜を形成したアルミニウム、ステンレス等の金属シート、アラミドなどからなる樹脂シートも利用可能である。
また、蒸着装置1内部には、例えばセレン等からなるペレット状の光導電体材料6を収容する、周囲に発熱体を配置した蒸着容器5、並びに光導電体材料(蒸着材料)6の上方に配置されるシャッタ10が設けられている。さらに、シャッタ10の上方には、被蒸着体の基板11を含むホルダブロックをその周縁部で保持するホルダ昇降フック12が、シャッタ10が開かれた際に、蒸着容器5からの蒸気流によって基板11の下面に光導電体を堆積させるような位置に設けられている。蒸着容器5は、後述するように、周囲に配置された発熱体を加熱することにより発熱して、光導電体材料6を蒸発させ、基板11に堆積させる。
ホルダ昇降フック12は、その下面が基板ホルダ19の周縁部を保持する枠になっており、蒸着装置1の天板に対して昇降可能である。
ホルダブロックを加熱するための温調プレート14は、支持部1Aにより蒸着装置1の天板に支持されている。
図4に示すように、ホルダブロックは、基板ホルダ19の下面と基板11の光導電体層形成面とは反対側の面との間に熱伝導性シート15が挿入されて接触されて、形成されている。なお、熱伝導性シート15は、図5に示すように基板11に接する側の面に非粘着性層16を有していることが好ましい。
また、ここでは、一例として、ホルダ昇降フック12が、基板11から基板ホルダ19までを含む部分を保持しており、このホルダ昇降フック12が保持している部分を、ホルダブロックとしてハンドリングできる構成としているが、これは、多層の蒸着膜の蒸着を、複数の異なる蒸着装置1(真空チャンバ)を用いて行う際のハンドリングの操作性を向上させるのに有効な構成例を示しているものである。
なお、上記構成例では、加熱手段が真空チャンバ内に固定されている構成としているが、これとは別に、加熱手段を真空チャンバ内に固定せず、ホルダブロックと一体化しておいて、さらに、ホルダブロック上の加熱手段と、上述の真空チャンバ側に設けられた加熱用電源との間に、これらを簡単に接続可能に構成した、接続用アタッチメントを設けるように構成することも可能である。
本発明の製造方法において、温調プレートには特に限定はなく、熱伝導性シート15を介して基板11の全面にわたって接触可能なものであれば、公知の各種のものが利用可能である。
一例として、温調プレートとしては、温度調整手段によって温度調整された温水や冷水等の温度調整媒体の循環経路に組み込まれた中空の筐体、あるいは、前記循環経路に組み込まれた温度調整媒体の流路を内蔵する中空もしくは中実の筐体が例示される。
熱伝導性シートは、熱伝導率が1W/m・K以上、より好ましくは3W/m・K以上、見掛け硬さは5以上90以下、より好ましくは5以上80以下であることが望ましい。なお、熱伝導性シートに非粘着性層が設けられている場合であって、非粘着層の厚みが充分薄い場合(熱伝導性シート厚みの1/10以下、好ましくは10μm以下)には、熱伝導率・硬度がこの範囲でなくても実質的には問題なく、本発明に利用できる。
熱伝導性シートとしては、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレンプロピレン系樹脂等の樹脂に熱伝導性粒子、熱伝導性フィラー等を分散させたシート等が好ましくあげられる。非粘着性層としては、電子線照射等による表面処理層、プラスチックフィルム、非粘着性樹脂のコーティング層を用いたり、熱伝導性シートの基板側の表面にパウダー加工を施したりすることが好ましい。
前述のように、放射線画像検出器等の光電変換パネルの製造において、真空蒸着によってアモルファスセレンを用いた光導電層などの光電変換層の形成が行なわれている。
ここで、このような光電変換パネルの製造においては、光電変換層の形成中に基板が受ける熱履歴によって、光電変換層の膜特性が大きく異なる。特に、アモルファスセレンを用いる光電変換層を形成する場合には、基板の温度が或る温度以上となると、膜の結晶化が発生して、画像欠陥が生じてしまう。そのため、特性の良好な光電変換パネルを製造するためには、光電変換層の形成時に、基板の温度を所定の温度範囲とし、かつ基板面内の温度分布を可能な限り均一に制御することが重要である。
これに対し、本発明の製造方法によれば、基板11の温度調整を行なう温調プレート14と、基板11(基板の裏面(非光電変換層形成面))との間に、熱伝導性シート15を有し、熱伝導性シート15を介して、基板11と温調プレートとを接触して、基板11の温度を制御する。そのため、本発明によれば、基板11の温度を、全面的に高い均一性で所定温度に調整することができ、光電変換層の膜特性の均一性が高い光電変換パネルを製造することができる。
本発明において形成する光導電層は、本発明の効果が好適に発現できる等の点で、アモルファスセレンが好ましい。図2に示すような、蒸着により光導電体層を形成する場合には、蒸発源として、上記光導電体材料の蒸発源を用意する。なお、図2では、蒸発源(蒸着容器)を1個だけ設ける例を示しているが、蒸発源は、複数個設けてもよいことはいうまでもない。
蒸着装置1で基板11に光電変換層を形成する際には、蒸着容器に成膜材料を充填し、また、基板の光導電体層形成面とは反対側の面に、熱伝導性シートを介して温調プレートを接触させた基板を蒸着装置内に設置し、装置内を排気して1×10−5〜1×10−1Pa程度の真空度とする。
次いで、基板11を熱伝導性シート15を介して温調プレート14により加熱する。これによって、基板11を均一に加熱することができる。ここで、加熱温度はアモルファスセレンの場合、30℃〜50℃の温度とすることが好ましい。
また、本発明において、基板11の温度分布にも特に限定はない。なお、基板11の温度分布は、小さい方が好ましいのはもちろんであり、好ましくは、±3.0℃以下、特に、±2.0℃以下が好ましい。
ここで、本発明において、基板11の温度分布とは、一例として、基板の表面もしくは裏面の任意の9点(好ましくは、基板面を縦横に4等分した交点である9点)において、基板温度を測定し、測定した温度の(最大−最小)/2に±を付けた値である。
なお、蒸着装置の構成によっては、実際に、光電変換層の形成中に、基板の温度や温度分布を知見することが困難である場合がある。このような場合には、真空蒸着装置のホルダ昇降フックに、熱伝導性シートを介して温調プレートに接触させて基板11(あるいは、基板11の基材となるガラス板など)を装着し、基板の表面に熱電対等の温度測定手段を装着して、真空度や温調プレートによる温調を再現して、安定した時点で、基板の温度を測定すればよい。
次に、蒸着容器5の加熱用電源を通電して発熱させ、蒸着容器5中の光導電体材料(セレン)6を加熱/蒸発させ、基板11の表面にアモルファスセレンを堆積させる。
なお、必要に応じて、基板11を回転や直線状に往復動搬送してもよい。
本発明に係る製造方法において、このようにして得られた蒸着膜の膜厚には特に限定はないが、アモルファスセレンであれば、約100μm〜約2000μm程度である。なお、シンチレータを併せて用いる場合は約0.1〜100μmとすることもある。
以下、本発明に係る製造方法の具体的実施例を説明する。
〔実施例1〕
(温度分布の測定)
上述のように、熱伝導性シートを介しての温調プレートから基板への温度伝達作用(特に、その均一性)を評価するために、図3に示すような、温度分布測定用の基板ユニットを用意した。
図3中、符号11,14,15および19は、それぞれ先に説明したと同じ、基板,温調プレート,熱伝導性シートおよび基板ホルダを示している。
図3に示す温調プレート14は、図示されていない温湯供給源に接続される温湯供給管14aを通じて、所定に温度に温度調節された温湯を連続的に供給することにより、温度を所定の範囲に維持するように構成されているものである。ここで、温調プレート14内における温湯供給管14aの配置状況等は、温調プレート14のサイズ、所望の温度調節範囲等に応じて決定することができる。
また、図3中に符号12で示すのは、先に図2にも示した、真空チャンバ内で、この温度分布測定専用の基板ユニットにおいて、基板11、熱伝導性シート15並びに基板ホルダ19を、下からこの順に、温調プレート14に圧着させる(図2中の上向き矢印参照)ためのホルダ昇降フックを示している。
このように構成された温度分布測定専用の基板ユニットを用いることにより、各種の熱伝導性シート15を用いた場合における基板温度分布均一性の評価を容易に行うことが可能になる。
また、後述するように、基板温度分布に有意な差がある場合には、この結果として、結晶化していない光導電膜が得られるという効果が確認できた。
基板ホルダ19にセットした250mm×310mmのガラス基板11の下面に、上述のシート状熱伝導ゲル(ジェルテック社製 λGEL COH-4000LVC)を貼り付け、温調プレート14に基板ブロックごと固定した。また、図2に模式的に示すように、基板表面の任意の点9ヶ所にK熱電対を固定した。
メイン排気バルブ2を開いて、蒸着装置1(真空チャンバ)内を排気して、8×10−4Paの真空度とした。このとき、真空排気装置として、ロータリーポンプ、メカニカルブースターポンプ、ディフュージョンポンプの組み合わせを用いた。
蒸着装置1(真空チャンバ)外に設置した図示されていないチラーから、温調プレート14内部に設けた温湯供給管14a内に50℃の温水を供給した。
約60分後、チラーを停止し、蒸着装置1(チャンバ内)を大気圧に戻し、基板ホルダ19からガラス基板11を取り外した。そして、K熱電対で測定した温度の
(最大値−最小値)/2
に±をつけた値を、基板温度分布としたところ、±1.3℃であった。
(光導電膜の成膜)
一方、光導電膜の成膜実験においては、上述の温度分布測定に用いた基板ユニットから温度測定手段としてのK型熱電対を取り外した構成に相当する構成を有する基板ユニットを用いた。
すなわち、温度分布測定の場合と同様に、後述する実施例1〜3、並びに比較例1,2に示した熱伝導シートに関する各条件の下で、前述の図2に示した蒸着装置1を用いて光導電膜の成膜を行った。
所定時間の蒸着の終了後、基板11を蒸着装置1から取り出して、その表面を顕微鏡で観察して、結晶化の有無を調べた。
すなわち、温度分布測定の際と同様に、基板ホルダ19にセットした250mm×310mmのガラス基板11の下面に、上述のシート状熱伝導ゲル(ジェルテック社製 λGEL COH-4000LVC)を貼り付け、温調プレート14に上記基板ブロックごと固定した。
光導電体材料6としてのNaを10 ppm(重量)ドープしたSe原料600gを充填した蒸着容器5を蒸着装置1(真空チャンバ)内にセットした。
上記蒸着容器5内に、K型熱電対を挿入・固定した。
メイン排気バルブ2を開いて、蒸着装置1(真空チャンバ)内を排気して、8×10−4Paの真空度とした。このとき、真空排気装置として、ロータリーポンプ、メカニカルブースターポンプ、ディフュージョンポンプの組み合わせを用いた。
蒸着装置1(真空チャンバ)外に設置した図示されていないチラーから、温調プレート14内部に設けた温湯供給管14a内に50℃の温水を供給した。
蒸着容器5の周辺に配置した発熱体を通電加熱して、輻射熱により光導電体材料6の溶液温度が270℃になるように、加熱条件をフィードバック制御した。
2時間後、蒸着容器5上方に設けられているシャッタ10を、矢印A方向に移動させて開く。シャッタ10を開いてから8時間後に、蒸着容器5の加熱を停止した。
チラーを停止し、蒸着装置1(真空チャンバ)内を大気圧に戻した。
蒸着の完了したサンプルを取り出し、その表面を顕微鏡(NIKON:ECLIPSE L200)で観察した。200−300倍の画像中に黒点(最小1μm程度)が存在する場合に、これを結晶化としてカウントした。蒸着エリア全面の観察において、結晶化点の数が0個の場合を「○」、同1〜3個の場合を「△」、同4個以上の場合を「×」と評価することとしたところ、上記実施例1では、判定はで「○」あった。
〔実施例2,同3〕
熱伝導性シート15として、実施例2では熱伝導性シリコーンエラストマー(3M社製 放熱シート#5509)を用い、実施例3ではシート状熱伝導ゲル(ジェルテック社製 λGEL COH-4000LVC、片面非粘着処理:パウダー加工)を用いて、他の条件は実施例1と同じにして実験を行った。
比較例
〔比較例1,同2〕
また、比較例1では熱伝導性シート15を用いず、比較例2では1mm厚の純アルミニウム板を用いて、他の条件は実施例1と同じにして実験を行った。
これらの実験の結果を、前述のように定めた方法で測定・評価した、基板温度分布と結晶化の評価値一覧表として、表1に示す。
Figure 2008270622
表1に示すように、基板に熱伝導性シートを介して温調プレートを接触させて基板を加熱した実施例(実施例1〜3)では、熱伝導性シートを介さない比較例1、アルミニウム板を介して温調プレートを接触させて基板を加熱した比較例2に比べて、基板温度分布に有意な差があり、この結果として、結晶化していない光導電膜が得られた。なお、比較例2では熱伝導率は1W/m・K以上であったが、見掛け硬さが大きく、基板と温調プレートの接触性が不充分であるために、基板温度分布にムラが生じ、結晶化が発生するという問題は解決されていなかった。
また、光導電膜形成後、基板を基板ホルダから取り外した際に、実施例1,2では温調プレートから熱伝導性シートが剥離する場合があった。このため、熱伝導性シートを再利用する場合には、その基板側の面にパウダー加工を施して非粘着層とする(実施例3)こと等により、より経済的に光電変換パネルを製造することが可能となる。
上述のように、本発明に係る光電像変換パネルの製造方法によれば、基板を均一に加熱することが可能になり、結晶化の発生しない、光電変換特性が良好な光電変換パネルを、大掛かりな装置を使用することなく効率良く製造することができる。
なお、上記実施形態は、本発明の一例を示したものであり、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更や改良を行ってもよいことはいうまでもない。
(a),(b)は、本発明の一実施形態に係る真空蒸着装置により製造されるTFT方式の放射線画像検出器(FPD)の概略構成を示す断面図、(c)はその平面図である。 本発明の製造方法に用いられる真空蒸着装置(蒸着装置)の例を示す構成概要図である。 温度分布測定用の基板ユニットを示す拡大断面図である。 基板と温調プレート部分の拡大断面図である。 基板と温調プレート部分の別の態様を示す拡大断面図である。
符号の説明
1 蒸着装置
2 メインバルブ
3 リークバルブ
5 蒸着容器(加熱容器)
6 光導電体材料
10 シャッタ
11 基板
12 ホルダ昇降フック
14 温調プレート
15 熱伝導性シート
16 非粘着性層
18 熱電対
19 基板ホルダ

Claims (6)

  1. 真空チャンバを用いる真空蒸着法によって基板上に光電変換層を形成する光電変換パネルの製造方法において、
    前記光電変換層を前記基板上に形成する際に、前記基板の前記光電変換層形成面とは反対側の面を熱伝導性シートを介して温調プレートに接触させ、前記基板を加熱することを特徴とする光電変換パネルの製造方法。
  2. 前記基板が前記光電変換パネル基板を熱伝導シートを介して基板ホルダに接触させた組体からなり、該基板を、この接触状態を保ったまま前記真空チャンバ内から取り出し可能とした請求項1に記載の光電変換パネルの製造方法。
  3. 前記熱伝導性シートが、熱伝導率が1W/m・K以上であって、かつ硬度が5以上90以下のものである請求項1または2に記載の光電変換パネルの製造方法。
  4. 前記熱伝導性シートの前記基板側の面が非粘着性層である請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換パネルの製造方法。
  5. 前記光電変換層がアモルファスセレンからなるものであって、前記温調プレートによる調整温度を30℃〜50℃の間に調整する請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換パネルの製造方法。
  6. 前記温調プレートとして、温度調整媒体を循環させるものを用いる請求項1〜5のいずれかに記載の光電変換パネルの製造方法。
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