JP4028657B2 - 自動二輪車のタンクカバー取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動二輪車のタンクカバー取付構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車のタンクカバー取付構造として、例えば、特開平6−72372号公報「自動二輪車のフェーエルタンクカバー取付構造」が知られている。
上記技術は、同公報の図3及び図4によれば、フューエルタンク28(番号は公報に記載の番号を流用した)にカバーフロントブラケット33、カバーロアブラケット34及びカバーアッパブラケット35を取付け、ラジエタ29にカバーブラケット41を取付け、フューエルタンクカバー30に係止貫通穴37a,37bを形成し、これらの係止貫通孔37a,37bをカバーロアブラケット34の係止突部36a及びカバーアッパブラケット36の係止突部36bにそれぞれ貫通し、カバーフロントブラケット33にスクリュー40aでフューエルタンクカバー30を止め、ラジエタ29のカバーブラケット41にスクリュー40bでフューエルタンクカバー30を止めたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記技術では、フューエルタンクカバー30を止めるために、予めフューエルタンク28にカバーフロントブラケット33、カバーロアブラケット34及びカバーアッパブラケット35を取付け、ラジエタ29にカバーブラケット41を取付けなければならず、フューエルタンクカバー30を取付けるための部材が多く、フューエルタンクカバー30の取付けが煩雑になる。
また、カバーフロントブラケット33、カバーロアブラケット34及びカバーアッパブラケット35をフューエルタンク28に取付け、カバーブラケット41をラジエタ29に取付けたので、それぞれのブラケット33,34,35,41ごとに取付け誤差が発生し、フューエルタンクカバー30の取付け精度を向上させることができない。
【0004】
そこで、本発明の目的は、タンクカバーを簡易に取付けすることができ、タンクカバーの取付け精度を向上することのできる自動二輪車のタンクカバー取付構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の自動二輪車のタンクカバー取付構造は、ヘッドパイプの後方に燃料タンク及びシートをこの順で連続して配置し、燃料タンクの左右の側部をタンクカバーで覆った自動二輪車において、タンクカバーを取付ける支持部を、シート及び燃料タンクに設けてなり、シートは、ヘッドパイプから後方に延ばされた車体フレーム側に取付けられるものであり、タンクカバーは、燃料タンクの支持部から取外すとともにシートを車体フレームから取外したときに、シートに連れて取外し可能に構成されたことを特徴とする。
【0006】
タンクカバーを取付ける支持部をシートに設けることで、例えば、シートの底板に直接タンクカバーを取付けるようにして、取付けステーなどの部品を削減し、タンクカバーの取付けを簡素化する。例えば、燃料タンクを樹脂などで形成し、この樹脂製のタンクにタンクカバーを取付ける支持部を一体的に形成することで、取付けステーなどの部品を削減し、タンクカバーの取付けを簡素化する。
このように、一体的にタンクカバーの支持部をシート及び燃料タンクに設けることで、タンクカバーの取付け精度の向上を図る。
また、タンクカバーがシートに連れて取外し可能に構成されたので、燃料タンク廻りの点検を容易にすることができる。
請求項2は、燃料タンクが、樹脂にて形成され、支持部が一体的に形成されたことを特徴とする。
燃料タンクが樹脂にて形成され支持部が一体的に形成されたので、例えば、別部材の支持部を取付ける必要はない。従って、燃料タンクを安価に製作することができる。
請求項3は、シートが、底板にクッションを取付け、このクッションを表皮で覆ったものであり、支持部が、底板に直接取付けられたことを特徴とする。
タンクカバーの支持部をシートの底板に直接取付けたので、例えば、取付けステーなどを削減することができる。
請求項4は、タンクカバーをねじで支持部に取付けたことを特徴とする。
請求項5は、底板にシートカウルを取付けたことを特徴とする。
請求項6は、シートを車体フレームから取外し、タンクカバーをシートから取外すことを特徴とする。
請求項7は、シートカウルが、シートを車体フレームから取外したときに、シートに連れて取外し可能に構成されたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0008】
図1は本発明に係る自動二輪車のタンクカバー取付構造を用いた自動二輪車の側面図である。
自動二輪車10は、レジャー・バイクの一例であって、車体フレーム11と、この車体フレーム11の前部に設けたヘッドパイプ12と、このヘッドパイプ12に回転可能に取付けたフロントフォーク13,13(奥側の13不図示)と、これらのフロントフォーク13,13の上部に取付けたハンドル14と、フロントフォーク13,13の下部に回転可能に取付けた前輪15と、この前輪15を覆うフロントフェンダ16と、ヘッドパイプ12の後方で車体フレーム11に取付けた燃料タンク41と、この燃料タンク41の後方に設けたシート42と、これらの燃料タンク41及びシート42に支持したタンクカバーとしての左・右タンクカバー43,44(奥側の44は不図示)と、燃料タンク41及びシート42の下方に配置したエンジン19及び変速機21からなるパワーユニット22と、このパワーユニット22の後方で車体フレーム11にスイング可能に取付けたスイングアーム23と、このスイングアーム23に回転可能に取付けると共にパワーユニット22で駆動する後輪24とからなる。
【0009】
ここで、26はシートレール、27はシートカウル、28はリヤサスペンション、29は排気管、31は消音器、32は駆動チェーン、40は自動二輪車のタンクカバー取付構造(以下、「タンクカバー取付構造40」と略記する)を示す。
【0010】
図2は本発明に係る自動二輪車のタンクカバー取付構造の分解斜視図である。タンクカバー取付構造40は、ヘッドパイプ12の後方に燃料タンク41及びシート42をこの順で連続して配置し、燃料タンク41の側部を左・右タンクカバー43,44で覆ったものであって、左・右タンクカバー43,44の後述する支持部をシート42及び燃料タンク41に設けたものである。
【0011】
燃料タンク41は、タンク本体46にタンクキャップ47を被せ、タンク本体46に左・右タンクカバー43,44を取付ける支持部としての取付けボス48L,48R(右の48Rは不図示)及び支持部としてのフランジ部49L,49Rを一体的に形成したものである。なお、燃料タンク41は、取付けボス48L,48R及びフランジ部49L,49Rを一体的に形成するために、樹脂で成形するのが好適である。
【0012】
シート42は、底板51にクッション52を取付け、このクッション52を表皮53で覆ったものであり、底板51は、左タンクカバー43を取付けるための支持部としての前支持部54a及び後支持部54bを形成し、右タンクカバー44を取付けるための支持部としての前支持部55a及び後支持部55bを形成したものである。
また、56aはシートレール26(図1参照)に差し込むために底板51に形成した差し込み部、56bはシートレール26に取付けるためのステー部、57はシートレール26にシート42を取付けるシート取付けねじであり、すなわち、シート42は、シートレール26に差し込み部56aを差し込み、ステー部56bをシート取付けねじ57でシートレール26に着脱自在に取付けたものである。
【0013】
左タンクカバー43は、つばさ形状の部品であり、タンクカバー本体59に第1凸片部61及び第2凸片部62を形成し、タンクカバー本体59に第1凹部63及び第2凹部64を形成したものである。
右タンクカバー44は、左タンクカバー43と対称であり、65はタンクカバー本体、66,67は第1・第2凸片部、68,69は第1・第2凹部である。
【0014】
なお、71,71は左・右タンクカバー43,44を燃料タンク41に取付けるための取付ねじ、72,72は左・右タンクカバー43,44を燃料タンク41に取付けるためのファスナ、73・・・(・・・は複数個を示す。以下同じ)は左・右タンクカバー43,44をシート42に取付ける取付けねじである。
【0015】
図3は図1の3矢視図であり、左・右タンクカバー43,44の取付構造を示す平面図であり、左タンクカバー43の第1凸片部61を取付けねじ73でシート42の前支持部54aに取付け、第2凸片部62を取付けねじ73でシート42の後支持部54bに取付け、第1凹部63を取付けねじ71で燃料タンク41の取付けボス48Lに取付け、第2凹部64をファスナ72で燃料タンク41のフランジ部49L(図2参照)に取付けたことを示す。
【0016】
また、右タンクカバー44の第1凸片部66を取付けねじ73でシート41の前支持部55aに取付け、第2凸片部67を取付けねじ73でシート41の後支持部55bに取付け、第1凹部68を取付けねじ71で燃料タンク41の取付けボス48Rに取付け、第2凹部69をファスナ72で燃料タンク41のフランジ部49R(図2参照)に取付けたことを示す。
【0017】
シートカウル27は、左タンクカバー43,44と同様にシート42の底板51に取付けたものである。すなわち、シート42を図面上方に持上げることで左・右タンクカバー43,44及びシートカウル27はシート42に連れて持上がるものである。
【0018】
以上に述べたタンクカバー取付構造40の作用を次に説明する。
図4(a),(b)は本発明に係る自動二輪車のタンクカバー取付構造の第1作用説明図であり、(a)は実施例を示し、(b)は比較例を示す。
(a)において、実施例のタンクカバーの取付構造40は、左・右タンクカバー43,44のそれぞれの第1・第2凸部片61,66,62,67(第2凸部片62,67は不図示)をシート42の底板51に直接取付けたので、取付けステーなどを削減することができる。また、実施例のように、燃料タンク41を樹脂で形成することで、取付けボス48L,48Rやフランジ部49L,49Rなどの支持部を燃料タンク41に一体的に形成することができ、別部材を取付ける必要はないので燃料タンク41を安価に製作することができる。
【0019】
(b)において、比較例のタンクカバーの取付構造100は、燃料タンク101に左・右タンクカバー102,103の上部を止めるステー104a,104b,105a,105b(奥の104b,105bは不図示)を設け、燃料タンク101に左・右タンクカバー102,103の下部を止めるステー106a,106b,107a,107b(奥の106b,107bは不図示)を設け、これらのステー104a,104b,105a,105b及びステー106a,106b,107a,107bに取付けねじ108・・・で左・右タンクカバー102,103を止め、シート109を被せたものである。
【0020】
タンクカバーの取付構造100は、例えば、左タンクカバー102を取付けるために4つのステー104a,104b,105a,105bを燃料タンク101に設けなければならず、燃料タンク101にステー104a,104b,105a,105bを取付ける作業が煩雑になり、原価の低減を図ることができない。
【0021】
図5(a)〜(c)は本発明に係る自動二輪車のタンクカバー取付構造の第2作用説明図であり、左・右タンクカバー43,44(奥側の右タンクカバー44は不図示)の取外し要領を示す。
(a)において、シートレール26からシート取付けねじ57,57(奥側の57は不図示)を外し、燃料タンク41から取付けねじ71,71(奥側の71は不図示)を外し、燃料タンク41からファスナ72(奥側の72は不図示)を外す。そして、差し込み部56aがシートレール26から外れるまでシート42を矢印▲1▼の如く後方にずらす。
【0022】
(b)において、シート42を矢印▲2▼の如くに持上げる。左・右タンクカバー43,44もシート42に連れて持上がる。例えば、燃料タンク41廻りを点検するために左・右タンクカバー43,44を取外すには、(a)に示すように、燃料タンク41から取付けねじ71を外し、燃料タンク41からファスナ72を外し、シート42ごと持上げればよく、燃料タンク41廻りの点検を容易にすることができる。
(c)において、シート42から取付けねじ73・・・を外して矢印▲3▼の如く左・右タンクカバー43,44をシート42から取外す。
【0023】
尚、実施例では図3に示すように、燃料タンク側に2個の支持部を設け、シート側に2個の支持部を設けたが、これに限るものではなく、支持部の数は任意であってもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、タンクカバーを取付ける支持部をシートに設けることで、例えば、シートの底板に直接タンクカバーを取付けることができる。従って、取付けステーなどの部品を削減することができ、タンクカバーの取付けを簡素化することができる。例えば、燃料タンクを樹脂などで形成し、この樹脂製のタンクにタンクカバーを取付ける支持部を一体的に形成することで、取付けステーなどの部品を削減することができ、タンクカバーの取付けを簡素化することができる。
このように、一体的にタンクカバーの支持部をシート及び燃料タンクに設けることで、タンクカバーの取付け精度の向上を図ることができる。
また、タンクカバーがシートに連れて取外し可能に構成されたので、燃料タンク廻りの点検を容易にすることができる。
請求項2は、燃料タンクが樹脂にて形成され支持部が一体的に形成されたので、例えば、別部材の支持部を取付ける必要はない。従って、燃料タンクを安価に製作することができる。
請求項3は、タンクカバーの支持部をシートの底板に直接取付けたので、例えば、取付けステーなどを削減することができる。
請求項4は、タンクカバーをねじで支持部に取付けた。
請求項5は、底板にシートカウルを取付けた。
請求項6は、シートを車体フレームから取外し、タンクカバーをシートから取外すようにした。
請求項7は、シートカウルが、シートを車体フレームから取外したときに、シートに連れて取外し可能に構成された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動二輪車のタンクカバー取付構造を用いた自動二輪車の側面図
【図2】本発明に係る自動二輪車のタンクカバー取付構造の分解斜視図
【図3】図1の3矢視図
【図4】本発明に係る自動二輪車のタンクカバー取付構造の第1作用説明図
【図5】本発明に係る自動二輪車のタンクカバー取付構造の第2作用説明図
【符号の説明】
10…自動二輪車、12…ヘッドパイプ、40…タンクカバー取付構造、41…燃料タンク、42…シート、43,44…タンクカバー(左・右タンクカバー)、48L,48R…支持部(取付ボス)、49L,49R…支持部(フランジ部)、54a,54b…支持部(前・後支持部)、55a,55b…支持部(前・後支持部)。

Claims (7)

  1. ヘッドパイプの後方に燃料タンク及びシートをこの順で連続して配置し、燃料タンクの左右の側部をタンクカバーで覆った自動二輪車において、
    前記タンクカバーを取付ける支持部を、前記シート及び燃料タンクに設けてなり、
    前記シートは、前記ヘッドパイプから後方に延ばされた車体フレーム側に取付けられるものであり、タンクカバーは、前記燃料タンクの支持部から取外すとともに前記シートを前記車体フレームから取外したときに、前記シートに連れて取外し可能に構成されたことを特徴とする自動二輪車のタンクカバー取付構造。
  2. 前記燃料タンクは、樹脂にて形成され、前記支持部が一体的に形成されたことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のタンクカバー取付構造。
  3. 前記シートは、底板にクッションを取付け、このクッションを表皮で覆ったものであり、前記支持部は、前記底板に直接取付けられたことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のタンクカバー取付構造。
  4. 前記タンクカバーをねじで前記支持部に取付けたことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のタンクカバー取付構造。
  5. 前記底板にシートカウルを取付けたことを特徴とする請求項3記載の自動二輪車のタンクカバー取付構造。
  6. 前記シートを前記車体フレームから取外し、前記タンクカバーを前記シートから取外すことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のタンクカバー取付構造。
  7. 前記シートカウルは、前記シートを前記車体フレームから取外したときに、前記シートに連れて取外し可能に構成されたことを特徴とする請求項5記載の自動二輪車のタンクカバー取付構造。
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