JP3976181B2 - 固体酸化物燃料電池単セル及びこれを用いた固体酸化物燃料電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体酸化物燃料電池単セル及びこれを用いた固体酸化物燃料電池に関し、更に詳しくは、都市における分散形電源、コジェネレーションシステム等に好適に用いられる固体酸化物燃料電池単セル及びこれを用いた固体酸化物燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体酸化物燃料電池(以下、「SOFC」という。)は、電解質として酸素イオン導電性を示す固体電解質を用いた燃料電池である。このSOFCは、電解質が固体であるため、電解質の散逸の問題がなく、長寿命が期待できる。また、作動温度が約1000℃と高いため、廃熱の利用価値も高い。更に、出力密度が高いため、コンパクト化、高効率化も期待できる。
【0003】
このSOFCの電池構造としては、一般に、平板型、円筒型及び一体型に大別され、この内、平板型SOFCは、内部抵抗が比較的小さいために発電効率が高く、かつ、薄い電池を積層するために単位容積当たりの出力密度が高いという利点を有している。
【0004】
この平板型SOFCは、更に自立膜式と支持膜式とに大別され、前者の自立膜式のSOFCは、平板状の固体電解質の両面に、水素、都市ガス等の燃料ガスが接する燃料極及び空気、酸素等の酸化剤ガスが接する空気極が接合されてなる単セルをセパレータを介して複数積層した構造を備えている。
【0005】
一方、後者の支持膜式のSOFCは、厚さの極めて薄い固体電解質薄膜が厚さの厚い燃料極により支持されるとともに、この固体電解質薄膜の他方の面に厚さの薄い空気極が接合されてなる単セルをセパレータを介して複数積層した構造を備えている。
【0006】
このような構成を備えたSOFCの燃料極及び空気極に、それぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されると、空気極側の酸素分圧と燃料極側の酸素分圧との間に差があることから、酸素は、空気極においてイオンとなり、固体電解質内を通って燃料極に運ばれ、燃料極に達した酸素イオンは、燃料ガスと反応して電子を放出する。そのため、燃料極及び空気極に負荷を接続すれば、電池反応の自由エネルギーの変化を、直接、電気エネルギーとして取り出して発電することが可能となる。
【0007】
ところで、上記SOFCに用いられる固体電解質には、従来、イットリア安定化ジルコニア(以下、「YSZ」という。)が用いられてきたが、YSZは内部抵抗が高くて酸素イオン導電率が低いため、最近では、SOFCの出力密度の向上や作動温度の低温化等を図る観点から、YSZよりも酸素イオン導電率が高いスカンジア安定化ジルコニア(以下、「ScSZ」という。)が注目されてきており、種々の研究がなされている。
【0008】
例えば、特開平6−107462号公報には、YSZよりも酸素イオン導電率を高く保持しつつ、相転移を抑制する目的で、主ドーパントとしてScを含有するScSZのScの一部を3価が安定なAlに置換したスカンジア・アルミナ安定化ジルコニア(以下、「ScAlSZ」という。)を固体電解質として用いたSOFC単セル、SOFCに関する技術が開示されている。
【0009】
また、一般に、燃料極には、Niと8モル%のYを含むYSZとのサーメット(以下「Ni−8YSZ」という。)等が用いられ、空気極には、遷移金属ペロブスカイト型酸化物である(La,Sr)MnO等が用いられ、セパレータには、LaCrO等が用いられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、SOFC単セル、SOFCを構成する固体電解質、燃料極、空気極及びセパレータ(SOFCの場合)の材料として、上述した材料を用いて電池を構成したとしても、これにより直ちに実用上使用可能な発電性能及び耐久性を備えたSOFC単セル、SOFCを得ることができるとは一概に言い得ることはできない。
【0011】
何故ならば、SOFC単セル、SOFCは、製造時、成型加工時、運転時ともに異種構成材料が接合、あるいは接触されて使用されるため、固体電解質の酸素イオン導電率や強度、靱性等の機械的特性、又は、燃料極及び空気極の電極活性等といった個々の構成材料が示す材料特性以外にも、固体電解質と両電極との接合状態や各電極とセパレータとの接触状態等といった異種構成材料間における相互作用等も電池性能に大きな影響を及ぼすからである。そのため、これらをも考慮して総合的な開発を行わなければ、電池として優れた発電性能及び耐久性を発現可能なSOFC単セル、SOFCは得られないものと言える。
【0012】
したがって、SOFC単セル、SOFCの早期実用化を図ろうとした場合、特に重要となるのは、SOFCの基本単位構造であるSOFC単セル自体の電池性能の向上を図ることと、SOFC単セルをスタックとした際の電池性能を低下させないことである。何故ならば、SOFC単セルの構成次第によっては、発現されるSOFC単セルの発電性能及び耐久性は全く異質なものとなるのであって、ひいてはSOFC単セルを複数用いてスタック化した際のSOFCの発電性能及び耐久性に大きく影響を及ぼすことになるからである。
【0013】
そこで本発明が解決しようとする課題は、発電性能及び耐久性に優れ、実用上使用可能なSOFC単セル及びこれを用いたSOFCを提供することにある。
【0014】
また、本発明が解決しようとする他の課題は、平板型、特には、自立膜式の電池構造のものに用いて好適なSOFC単セル及びこれを用いたSOFCを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の固体酸化物燃料電池単セルは、酸素イオン導電性を示す第1固体電解質と、この第1固体電解質の一方の面に接合され、触媒と第2固体電解質とのサーメットよりなる燃料極と、この第1固体電解質の他方の面に接合され、遷移金属ペロブスカイト型酸化物と第3固体電解質との複合物よりなる空気極とを備えた固体酸化物燃料電池単セルであって、前記第1固体電解質は、3.5〜6モル%のScを含むスカンジア安定化ジルコニアを母相とし、これにAlが0.5〜5重量%分散され、かつ、結晶相が主として正方晶の相よりなる分散強化型固体電解質であって、1000℃における酸素イオン導電率が0.07S/cm以上、かつ、室温における曲げ強度が700MPa以上であり、前記第2固体電解質は、1000℃における酸素イオン導電率が0.20S/cm以上であり、前記燃料極の外表面には、金属微粒子を含む燃料極側コンタクト材料より形成された燃料極側コンタクト層が被覆されるとともに、前記空気極の外表面には、発電温度域において空気極材料より電子導電率が高い材料を含む空気極側コンタクト材料より形成された空気極側コンタクト層が被覆され、前記空気極の空孔には、水溶性貴金属化合物を水に溶解させた溶液が含浸されている、または、前記水溶性貴金属化合物が付着されていることを要旨とする。
【0016】
また、請求項2に記載の固体酸化物燃料電池単セルは、請求項1に記載のものであって、前記Alは、主として前記スカンジア安定化ジルコニアの粒界に存在することを要旨とする。
【0017】
また、請求項3に記載の固体酸化物燃料電池単セルは、請求項1または2に記載のものであって、前記第1固体電解質の表面は、表面処理により粗面化されていることを要旨とする。
【0018】
また、請求項4に記載の固体酸化物燃料電池単セルは、請求項3に記載のものであって、前記表面処理は、サンドブラスト処理であることを要旨とする。
【0019】
また、請求項5に記載の固体酸化物燃料電池単セルは、請求項1から4の何れかに記載のものであって、前記燃料極は、Niと9〜12モル%のScを含むスカンジア安定化ジルコニアとのサーメットよりなり、前記燃料極側コンタクト材料は、Ni微粒子とバインダーとを少なくとも含むスラリーであり、前記空気極は、La1−xSrMnO(0.1≦x≦0.5)、Pr1−xSrMnO(0.1≦x≦0.5)及びLa1−xSrCo1−yFe(0.1≦x≦0.5、0.1≦y≦0.5)から選択される遷移金属ペロブスカイト型酸化物と8〜10モル%のYを含むイットリア安定化ジルコニアとの複合物よりなり、前記空気極側コンタクト材料は、La1−xSrCoO(0.1≦x≦0.5)粉末とバインダーとを少なくとも含むスラリーであることを要旨とする。
【0020】
また、請求項6に記載の固体酸化物燃料電池単セルは、請求項5に記載のものであって、前記燃料極の一部を構成するスカンジア安定化ジルコニアは、更に2モル%以下のCeO及び/又はYを含み、かつ、結晶相が主として立方晶の相よりなることを要旨とする。
【0021】
また、請求項7に記載の固体酸化物燃料電池単セルは、請求項1から6の何れかに記載のものであって、前記水溶性貴金属化合物は、水溶性パラジウム化合物であることを要旨とする。
【0022】
また、請求項8に記載の固体酸化物燃料電池単セルは、請求項1から7の何れかに記載のものであって、前記第1固体電解質は平板状に形成されており、かつ、その板厚が50〜300μmの範囲内にあることを要旨とする。
【0023】
また、請求項9に記載の固体酸化物燃料電池単セルは、請求項1から8の何れかに記載のものであって、前記水溶性貴金属化合物は、初回電池作動時の昇温により貴金属になることを要旨とする。
【0024】
また、請求項10に記載の固体酸化物燃料電池は、請求項1から9の何れかに記載の固体酸化物燃料電池単セルをセパレータを介して複数積層してなることを要旨とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明に係るSOFC単セルは、酸素イオン導電性を示す第1固体電解質と、この第1固体電解質の一方の面に接合され、触媒と第2固体電解質とのサーメットよりなる燃料極と、この第1固体電解質の他方の面に接合され、遷移金属ペロブスカイト型酸化物と第3固体電解質との複合物よりなる空気極とを備えた固体酸化物燃料電池単セルであって、第1固体電解質は、所定の酸素イオン導電率及び機械的特性を備えるとともに、第2固体電解質は、高酸素イオン導電性を示し、燃料極の外表面には燃料極側コンタクト層が被覆されるとともに、空気極の外表面には空気極側コンタクト層が被覆され、空気極の空孔には、水溶性貴金属化合物を水に溶解させた溶液が含浸されている。
【0026】
初めに、SOFC単セルを構成する第1固体電解質について説明する。第1固体電解質には、少なくとも1000℃における酸素イオン導電率が0.07S/cm以上、かつ、室温における曲げ強度が700MPa以上であるものが用いられる。SOFC単セルの発電性能及び耐久性を確実なものとする観点から、第1固体電解質は、1000℃における酸素イオン導電率が0.08S/cm以上、かつ、室温における曲げ強度が800MPa以上であるものが好ましく、更に好ましくは、1000℃における酸素イオン導電率が0.09S/cm以上、かつ、室温における曲げ強度が1000MPa以上である。尚、上記における室温における曲げ強度は、JIS R1601に準拠して測定される値である。
【0027】
このような条件を満たす第1固体電解質としては、ZrOに所定量のScを固溶させたScSZを母相とし、これにAlが所定量分散され、かつ、結晶相が主として正方晶の相よりなる分散強化型固体電解質が好適な一例として挙げられる。
【0028】
この場合、ScSZ中のSc含有量は、3〜6モル%が好ましい。Sc含有量がこの範囲内にあれば、結晶相が実質的に正方晶の相となり、強度や靱性等の機械的特性に優れるからである。Sc含有量が3モル%未満であると、結晶相中に単斜晶の相が混在してくるため好ましくない。単斜晶のジルコニアは、酸素イオン導電率が低いため、イオン電導の障害となり、第1固体電解質の内部抵抗が増大するからである。また、Sc含有量が6モル%を越えると、結晶相中に立方晶の相が混在してくるため好ましくない。立方晶のジルコニアは、酸素イオン導電率は高い値を示すが、強度や靱性等の機械的特性に優れないため、SOFC単セルの構造体としての信頼性を低下させるからである。ScSZ中のSc含有量は、更に好ましくは3.5〜5モル%である。
【0029】
一方、ScSZ母相中に分散されるAlの含有量は、上記所定量のScを含むScSZに対して0.5〜5重量%が好ましい。Al含有量がこの範囲内にあれば、酸素イオン導電率と機械的特性とのバランスに特に優れたものとなるからである。Al含有量が0.5重量%未満であると、強度や靱性等の機械的特性が不十分になる傾向があるため好ましくない。また、Al含有量が5重量%を越えると、酸素イオン導電率の低下割合が大きくなるため好ましくない。特に、母相となる正方晶のScSZは、強度や靱性等の機械的特性に優れるものの、立方晶のScSZに比べて酸素イオン導電率が低いため、この正方晶のScSZ中にAlが多量に含有されると固体電解質としての実用性がなくなるため好ましくない。
【0030】
上記において、ScSZ母相中に分散されるAlは、主としてScSZ粒子の結合面である粒界に存在することが好ましい。母相がジルコニア系の場合、純粋なジルコニア単結晶が最も酸素イオン導電率が高いため、Alが粒界に存在しておれば、ScSZ粒子自体の酸素イオン導電率が大きく損なわれることがなく、かつ、強度や靱性等の機械的特性をより向上させることができるからである。
【0031】
この場合、AlがScSZ中に固溶される、すなわち、ScSZ中にZrやScと大きくイオン半径が異なるAl(イオン半径 Zr4+=0.80、Sc3+=0.81、Al3+=0.50、すべて0.1nm単位)が固溶されると、酸素イオン導電率の低下が大きくなる上、強度向上も図れないため、実用に耐えず好ましくない。また、AlがScSZ粒子の粒内に存在する、すなわち、ScSZ粒子によりAlが取り込まれると、酸素イオン導電率の低下が大きくなるため、実用に耐えず好ましくない。
【0032】
また上記において、第1固体電解質は、焼成されて焼結体とされた後に、その表面に表面処理が施されて粗面化されていることが好ましい。第1固体電解質とその両面に接合される電極との接触面積が増加し、これにより第1固体電解質と両電極との密着性が向上するとともに、第1固体電解質と電極と気相との三相界面の面積が増大して発電性能が向上するからである。
【0033】
用いる表面処理手段としては、サンドブラスト処理、アルミナ等を研磨剤とした研磨加工等が好適な一例として挙げられる。この際、結晶相として正方晶のジルコニアを主として含む第1固体電解質に表面処理を行う場合には、サンドブラスト処理によるのが好ましい。
【0034】
この第1固体電解質の表面にブラスト粒子が衝突すると、応力誘起変態が生じて結晶相が正方晶から単斜晶へと相転移し、これによって生じた体積膨張により第1固体電解質表面に圧縮残留応力が発生するため、焼結体の見掛け強度が向上し、電池作製時等のハンドリング等が容易となって歩留まりが向上する等の利点があるからである。また、サンドブラスト処理時に第1固体電解質表面の不純物が除去されることによって発電性能が安定するといった効果もある。なお、サンドブラスト処理により酸素イオン導電率の低い単斜晶のジルコニアが生成することになるが、後の電極焼成工程において再び正方晶へ相転移するため電池性能に悪影響を及ぼすことはほとんどない。
【0035】
【0036】
次に、燃料極について説明する。燃料極には、触媒と高酸素イオン導電性を示す第2固体電解質とのサーメットが用いられる。ここで触媒と第2固体電解質との混合比率は、触媒:第2固体電解質=30:70重量%〜70:30重量%の範囲が好ましい。この範囲を外れると、電子導電率や触媒活性が低下し、電極性能が低下したり、熱膨張係数が大きくなり、電池に反りを発生させたりするため好ましくない。更に好ましくは、触媒:第2固体電解質=40:60重量%〜 60:40重量%である。
【0037】
サーメットの一部を構成する触媒としては、具体的には、Ni、Co、Ru等が好適な一例として挙げられる。好ましくは、Niを用いる。Niは他の金属に比べて安価であり、水素等の燃料ガスとの反応が十分に大きいからである。
【0038】
また、サーメットの他の一部を構成する第2固体電解質としては、1000℃における酸素イオン導電率が0.20S/cm以上であるのものが用いられる。第2固体電解質として酸素イオン導電率が高いものを用いると、より多くの酸素イオンが燃料極の三相界面に供給されるので、電池反応が促進され、燃料極の電極活性が向上するからである。燃料極の電極活性をより向上させるため、第2固体電解質は、1000℃における酸素イオン導電率が0.25S/cm以上のものが特に好ましい。
【0039】
このような条件を満たす第2固体電解質としては、所定量のScを含むScSZが好適な一例として挙げられる。この場合、ScSZ中のSc含有量は、9〜12モル%が好ましい。Sc含有量が9モル%未満であると、燃料極の酸素イオン導電率が低下するので好ましくない。また、Sc含有量が12モル%を越えると、同様に燃料極の酸素イオン導電率が低下するので好ましくない。Sc含有量は、更に好ましくは、10〜11モル%である。
【0040】
また、上記第2固体電解質としては、所定量のScのみを含有するScSZであっても良いが、CeO及び/又はYが更に微量添加されたものであっても良い。上記ScSZに対して更にCeOを添加する場合、その含有量は、2モル%以下が好ましい。CeO含有量が2モル%を越えると、燃料極の酸素イオン導電率が低下するので好ましくない。CeO含有量は、更に好ましくは、0.5〜1モル%である。
【0041】
また、ScSZに対して更にYを添加する場合、その含有量は、2モル%以下が好ましい。Y含有量が2モル%を越えると、燃料極の酸素イオン導電率が低下するので好ましくない。Y含有量は、更に好ましくは、0.5〜1モル%である。
【0042】
また、ScSZに対して更にCeO及びYを添加する場合、その含有量は、合計で2モル%以下が好ましい。なお、これら第2固体電解質の結晶相は、主として立方晶の相であることが好ましい。
【0043】
次に、燃料極側コンタクト層について説明する。燃料極側コンタクト層は、燃料極とセパレータとの間に生じる隙間を埋めて両者間の密着度を向上させ、これにより接触抵抗を減じ、集電効率を向上させるためのものである。このような目的を達成する観点から、燃料極側コンタクト層には、金属微粒子を含む燃料極側コンタクト材料が用いられる。
【0044】
ここで燃料極側コンタクト材料としては、具体的には、金属微粒子とバインダーとを少なくとも含むスラリーが好適な一例として挙げられる。燃料極側コンタクト層が、このような材料からなれば、燃料極側コンタクト層に当接されるセパレータの材料が金属・合金系、セラミックス系の何れであっても問題無く使用することができるといった利点がある。金属微粒子としては、具体的には、Ni微粒子、Pt微粒子、Ru微粒子が好適な一例として挙げられる。好ましくは、Ni微粒子である。Niは比較的安価であるため、SOFC単セル、SOFCの製造コストを抑制しつつ、上記燃料極側コンタクト層の目的を十分に達成できるからである。
【0045】
この際、金属微粒子の粒径は、特に限定されるものではなく、燃料極側コンタクト層に当接されるセパレータの種類やその表面状態等に応じて定められる。なお、燃料極とセパレータとの間に生じる隙間に対して金属微粒子の粒径が小さ過ぎると、燃料極とセパレータとの間に生じる隙間を埋めることができないため、両者間の密着度が向上せず、集電効率の向上が図れないため好ましくない。また、金属微粒子の粒径が大き過ぎると、反りによる隙間が生じ、同様に両者間の密着度が向上せず、集電効率の向上が図れないため好ましくない。
【0046】
また、スラリー調製時の溶媒としては、有機溶媒又は水溶媒が用いられるが、好ましくは有機溶媒を用いる。スラリーをスクリーン印刷法等で塗布する際の塗工性に優れるからである。
【0047】
溶媒として有機溶媒を用いる場合、バインダーとしては、ポリエチレングリコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレン、ポリメチルメタアクリレート等が挙げられる。また、スラリー粘度の調製等の必要に応じて、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等の可塑剤や、脂肪酸、ベンゼンスルホン酸等の分散剤を混合しても良い。
【0048】
一方、溶媒として水溶媒を用いる場合、バインダーとしては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース等が挙げられる。また、同様に必要に応じて、フタル酸ジブチル、グリセリン、トルエンスルホン酸エチル等の可塑剤や、リン酸ガラス、スルホン酸アリル等の分散剤を混合しても良い。
【0049】
次に、空気極について説明する。空気極には、遷移金属ペロブスカイト型酸化物と第3固体電解質との複合物が用いられる。遷移金属ペロブスカイト型酸化物単体の場合に比べると、空気極に必要な特性である電子導電性及び酸素イオン導電性のうち、酸素イオン導電性が向上するため、空気極で生じた酸素イオンの空気極から第1固体電解質への移行が容易となり、空気極の電極活性が向上するからである。
【0050】
ここで遷移金属ペロブスカイト型酸化物と第3固体電解質との混合比率は、遷移金属ペロブスカイト型酸化物:第3固体電解質=90:10重量%〜70:30重量%の範囲が好ましい。この範囲を外れると、触媒活性の低下や熱膨張係数のズレが大きくなるため好ましくない。更に好ましくは、遷移金属ペロブスカイト型酸化物:第3固体電解質=90:10重量%〜80:20重量%である。
【0051】
空気極の一部を構成する遷移金属ペロブスカイト型酸化物としては、具体的には、La1−xSrMnO(0.1≦x≦0.5)、Pr1−xSrMnO(0.1≦x≦0.5)、La1−xSrCo1−yFe(0.1≦x≦0.5、0.1≦y≦0.5)等が好適な一例として挙げられる。
【0052】
なお、これら組成式において、酸素の原子比は3と表示したが、これは当業者には明らかなように、例えば、原子比x(y)が0でない場合には酸素空孔を生じるので、実際には酸素の原子比は3より小さい値をとることが多い。しかしながら、酸素空孔の数は、添加される元素の種類や製造条件によっても変化するため、便宜上、酸素の原子比を3として表示したものである。
【0053】
また、空気極の他の一部を構成する第3固体電解質としては、具体的には、YSZ、ScSZ等が好適な一例として挙げられる。第3固体電解質としてYSZを用いる場合には、YSZ中のY含有量は、8〜10モル%が好ましい。Y含有量は、更に好ましくは、8〜9モル%である。また、第3固体電解質としてScSZを用いる場合には、ScSZ中のSc含有量は、9〜12モル%が好ましい。Sc含有量は、更に好ましくは、10〜11モル%である。
【0054】
次に、空気極側コンタクト層について説明する。空気極側コンタクト層は、第1固体電解質の面方向の抵抗を低減させ、電池の大型化に伴う電池性能の低下を防止するとともに、空気極と、この空気極に当接されるセパレータとの間に生じる隙間を埋めて両者間の密着度を向上させ、これにより接触抵抗を減じ、集電効率を向上させるためのものである。また、空気極の空孔に含浸された水溶性貴金属化合物を水に溶解させた溶液(後述する)が外部に漏れないよう封じ込める役割も担っている。このような目的を達成する観点から、空気極側コンタクト層には、発電温度域において空気極材料より電子導電率が高い材料を含む空気極側コンタクト材料が用いられる。なお、発電温度域とは、600〜1000℃の温度領域をいう。
【0055】
ここで空気極側コンタクト材料としては、具体的には、La1−xSrCoO(0.1≦x≦0.5)粉末とバインダーとを少なくとも含むスラリーが好適な一例として挙げられる。このスラリー調製時の溶媒としては、有機溶媒又は水溶媒が用いられるが、好ましくは有機溶媒を用いる。スラリーをスクリーン印刷法等で塗布する際の塗工性に優れるからである。
【0056】
溶媒として有機溶媒を用いる場合には、バインダーとしては、ポリエチレングリコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレン、ポリメチルメタアクリレート等が挙げられる。また、スラリー粘度の調製等の必要に応じて、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等の可塑剤や、脂肪酸、ベンゼンスルホン酸等の分散剤を混合しても良い。
【0057】
一方、溶媒として水溶媒を用いる場合、バインダーとしては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース等が挙げられる。また、同様に必要に応じて、フタル酸ジブチル、グリセリン、トルエンスルホン酸エチル等の可塑剤や、リン酸ガラス、スルホン酸アリル等の分散剤を混合しても良い。
【0058】
次に、空気極の空孔に含浸される水溶性貴金属化合物を水に溶解させた溶液(以下、「助触媒溶液」という。)について説明する。この助触媒溶液は、空気極に供給される酸素分子のイオン化を促進させる目的で空気極の空孔に予め含浸されるものである。空気極の空孔に含浸される助触媒溶液の含浸量としては、貴金属重量に換算して0.05mg/cm以上とするのが好ましい。更に好ましくは、0.1mg/cm以上である。
【0059】
空気極の空孔に予め助触媒溶液が含浸されていると、SOFC単セル、SOFCが運転に供されて昇温された際に、助触媒溶液中の有機成分が揮発し、多孔質体である空気極の空孔表面に貴金属が担持される。そのため、この空孔表面に担持された貴金属が助触媒として機能し、空気極の電極活性が一層高められることとなる。
【0060】
上記助触媒溶液に溶解させる貴金属化合物としては、水溶性のものを好適に用いる。非水溶性のものであっても使用可能であるが、水溶性のものであれば、溶液の溶媒として水を使用できるため、SOFC単セル、SOFCの製造時におけるハンドリングや廃液等の後処理が容易となる等の利点が多いからである。
【0061】
水溶性貴金属化合物としては、具体的には、水溶性パラジウム化合物、水溶性白金化合物、水溶性ロジウム化合物、水溶性ルテニウム化合物等が好適な一例として挙げられる。好ましくは、水溶性パラジウム化合物を用いる。電極材料との組み合わせによってパラジウムが最も触媒活性に優れるからである。
【0062】
より具体的には、水溶性パラジウム化合物として、[Pd(NH)]Cl・xHO(テトラアンミンパラジウム(II)塩化物水和物)、[Pd(NH)]Cl(テトラアンミンパラジウム(II)塩化物)、Na[PdCl](テトラクロロパラジウム(II)酸ナトリウム)、Pd(NO)(硝酸パラジウム(II))、[Pd(NH)](NO)(テトラアンミンパラジウム(II)硝酸塩)等が挙げられる。
【0063】
また、水溶性白金化合物として、[Pt(NH)]Cl・xHO(テトラアンミン白金(II)塩化物水和物)、[Pt(NH)]Cl(テトラアンミン白金(II)塩化物)、K[PtCl](テトラクロロ白金(II)酸カリウム)、H[PtCl]・xHO(ヘキサクロロ白金(IV)酸水和物)、[Pt(NH)](NO)(テトラアンミン白金(II)硝酸塩)等が挙げられる。
【0064】
また、水溶性ロジウム化合物として、RhCl・xHO(塩化ロジウム(III)水和物)、Rh(CHCOO)(酢酸ロジウム(III))、(NH)[RhCl]・xHO(ヘキサクロロロジウム(III)酸アンモニウム水和物)、Rh(NO)(硝酸ロジウム(III))等が挙げられる。
【0065】
また、水溶性ルテニウム化合物として、RuCl・xHO(塩化ルテニウム水和物)、[Ru(NH)]Cl(ヘキサアンミンルテニウム(III)塩化物)等が挙げられる。
【0066】
次に、SOFCにおけるセパレータについて説明する。セパレータは、燃料極及び空気極に、それぞれ、燃料ガス及び酸化剤ガスを供給するためのものである。そのため、セパレータには、反応ガスを供給するためのガス流路が設けられている。また、セパレータは、発電により得られた電気を取り出すための集電体でもある。そのため、セパレータには、作動温度において安定であること、電子伝導性が高いこと、気密性を有すること等の条件を満たす材料が用いられる。このような条件を満たすセパレータしては、LaCrO等のランタン−クロム系酸化物や、金属・合金系材料等が好適な一例として挙げられる。
【0067】
次に、電池構造について説明する。電池構造としては、本発明に係るSOFC単セル、SOFCは、平板型、円筒型及び一体型の何れの構造であっても適用可能であるが、この内、本発明に係るSOFC単セル、SOFCにおいては、平板型、特には自立膜式の電池構造が最も好適である。本発明に係るSOFC単セル、SOFCにおいては、強度や靱性等の機械的特性に優れた第1固体電解質を用いているため、第1固体電解質に負荷のかかる積層電池構造であっても十分な信頼性を確保することができるからである。
【0068】
次に、上記構成を備えた本実施の形態に係るSOFC単セル、SOFCの作用について説明する。
【0069】
本発明に係るSOFC単セルは、第1固体電解質として、酸素イオン導電率と機械的特性に優れたものを用いている。そのため、従来のYSZやScSZ等を第1固体電解質として用いたSOFC単セルに比べると、酸素イオン導電率に優れることにより十分な発電力が得られるとともに、機械的特性に優れることにより構造体としての耐久性に優れる。また、機械的特性に優れることから、第1固体電解質の薄肉化を図ることもできるため、これによる酸素イオン導電率の向上を図ることも可能となる。
【0070】
また、本発明に係るSOFC単セルは、燃料極が、触媒と高酸素イオン導電性を示す第2固体電解質とのサーメットよりなり、空気極が、遷移金属ペロブスカイト型酸化物と第3固体電解質との複合物よりなる。そのため、空気極でイオン化された酸素イオンは、空気極から第1固体電解質へより多く移行するとともに、より多くの酸素イオンが、第1固体電解質から燃料極の三相界面へ供給される。これにより本発明に係るSOFC単セルは、発電効率が高く、出力安定性にも優れる。
【0071】
この際、第1固体電解質の表面が表面処理により粗面化されておれば、第1固体電解質とその両面に接合される電極との接触面積が増加し、これにより第1固体電解質と電極との密着性が向上するとともに、第1固体電解質と電極と気相との三相界面の面積が増大するため、発電性能を一層向上させることが可能となる。
【0072】
また、本発明に係るSOFC単セルは、空気極の空孔に、水溶性貴金属化合物を水に溶解させた溶液(助触媒溶液)が含浸されているので、このSOFC単セルが初回作動時に昇温されると、助触媒溶液中の貴金属イオンは、貴金属として空気極の空孔表面に担持される。そのため、この貴金属が助触媒として機能し、空気極に供給される酸素分子のイオン化が促進される。したがって、この助触媒溶液の作用と上記空気極及び燃料極の作用とが相まって、SOFC単セルの発電性能を更に向上させることが可能となる。
【0073】
なお、本発明に係るSOFC単セルの初回作動後には、空気極の空孔中の助触媒溶液は、溶液自体として存在しておらず、空気極の空孔表面に貴金属が担持された形で存在することになるが、この状態となったSOFC単セルも本発明の技術的範囲に含まれる。また、本願においては、助触媒溶液が空気極に含浸された後に乾燥状態となった場合であっても、上記と同様の作用効果が得られるため、空気極の空孔表面に水溶性貴金属化合物が付着した状態にあるSOFC単セルも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0074】
また、本発明に係るSOFC単セルは、燃料極の外表面に、金属微粒子を含む燃料極側コンタクト材料よりなる燃料極側コンタクト層が被覆されているので、このSOFC単セルがセパレータを介してスタック化されてSOFCとされた場合には、燃料極とセパレータとの間に生じる隙間が、この燃料極側コンタクト層により埋められる。そのため、燃料極とセパレータとの密着度が高まるとともに、接触抵抗が小さくなって集電効率が向上する。したがって、SOFC単セルの発電により生じた電気を大きく損失することなく集電可能となるため、SOFCの発電性能が大きく向上する。
【0075】
この際、燃料極側コンタクト材料が、金属微粒子とバインダーとを少なくとも含むスラリーである場合には、燃料極側コンタクト層が未焼成の柔らかい状態のものであるため、燃料極側コンタクト層とセパレータとの間で良好な密着状態が得られる。そしてこの良好な密着状態を保ったままSOFCが初回作動時に昇温されると、セパレータ表面の微細な凹凸を吸収する。そのため、燃料極とセパレータとの密着度がより高まるとともに、接触抵抗がより小さくなって集電効率が一層向上する。したがって、SOFC単セルの発電により生じた電気を大きく損失することなく集電可能となるため、SOFCの発電性能が一層向上する。
【0076】
なお、本発明に係るSOFCの初回作動後には、燃料極側コンタクト層中に含まれていた金属微粒子以外の成分であるバインダー等が、昇温により分解して消失するため、燃料極側コンタクト層は主として金属微粒子より構成されることになるが、この状態となったSOFCも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0077】
また、本発明に係るSOFC単セルは、空気極の表面に、発電温度域において空気極材料より電子導電率が高い材料を含む空気極側コンタクト材料よりなる空気極側コンタクト層が被覆されているので、第1固体電解質の面方向の抵抗を低減することができる。そのため、電池の大型化に伴う電池性能の低下を防止することができ、SOFC単セルの実用性が高められる。また、空気極の電子導電率は電池性能に影響しなくなるため、空気極の設計(材料組成や厚さ、気孔率等)の自由度が広くなり、このことによってもSOFC単セルの実用性が高められる。
【0078】
加えて、このSOFC単セルがセパレータを介してスタック化されてSOFCとされた場合には、空気極とセパレータとの間に生じる隙間が、この空気極側コンタクト層により埋められる。そのため、空気極とセパレータとの密着度が高まるとともに、接触抵抗が小さくなって集電効率が向上する。したがって、SOFC単セルの発電により生じた電気を大きく損失することなく集電可能となるため、SOFCの発電性能が向上する。
【0079】
この際、空気極側コンタクト材料が、La1−xSrCoO(0.1≦x≦0.5)粉末とバインダーとを少なくとも含むスラリーである場合には、空気極側コンタクト層が未焼成の柔らかい状態のものであるため、空気極側コンタクト層とセパレータとの間で良好な密着状態が得られる。そしてこの良好な密着状態を保ったままSOFCが初回作動時に昇温されると、セパレータ表面の微細な凹凸を吸収する。また、空気極側コンタクト層は、発電温度領域において空気極より高い電子導電率を示すようになる。そのため、空気極とセパレータとの密着度がより高まるとともに、接触抵抗がより小さくなって集電効率が一層向上する。したがって、SOFC単セルの発電により生じた電気を大きく損失することなく集電可能となるため、SOFCの発電性能が一層向上する。
【0080】
なお、本発明に係るSOFCの初回作動後には、空気極側コンタクト層中に含まれていたLa1−xSrCoO以外の成分であるバインダー等が、昇温により分解して消失するため、空気極側コンタクト層は主としてLa1−xSrCoOより構成されることになるが、この状態となったSOFCも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0081】
上述したように、本発明に係るSOFC単セルは、実用上の発電性能及び耐久性等に優れるとともに、更には、このSOFC単セルがスタック化された際の各電極とセパレータとの接触による相互作用についても十分に考慮されたものであるので、このSOFC単セルをセパレータを介して複数積層してなるSOFCもまた、実用上の発電性能及び耐久性等に優れたものとなる。
【0082】
次に、本発明に係るSOFC単セル、SOFCの製造方法について説明する。先ず、第1固体電解質の原料である第1固体電解質材料を調製する。第1固体電解質として、上述した分散強化型固体電解質を用いる場合には、例えば、所定の組成となるように所定量のScを含むScSZ粉末とAl粉末とを配合し、ボールミル等で湿式混合した後、乾燥することにより、分散強化型固体電解質材料を得ることができる。
【0083】
この際、Al粉末としては、α−Al、γ−Al等を用いることができるが、焼成後にAlを均一に粒界に分散させる観点から、γ−Alを用いるのが好ましい。γ−Alは粒子が細かいので、混合過程において粉砕され易く、焼結時に母相の粒成長を阻害することなく均一に粒界に分散されるからである。また、γ−Alを用いれば、α−Alを用いた場合に比較して、より少ない量で所望の強度向上を図ることができ、酸素イオン導電率の低下もより低く押さえることができる。
【0084】
次に、得られた第1固体電解質材料を、所定の形状に成形した後、所定温度で焼成し、焼結体たる第1固体電解質を作製する。第1固体電解質材料の成形方法としては、SOFC単セル、SOFCの電池構造に応じて最適な方法を用いれば良い。例えば、平板状に成形するには、テープ成形法、プレス成形法等を用いると良い。また、円筒状あるいはハニカム状に成形するには、押出成形法、射出成形法等を用いると良い。この場合、その厚みとしては、50〜300μmの範囲内にあるのが好ましい。厚みが50μmより薄い場合には、構造体としての信頼性が低下する傾向があり、300μmより厚い場合には、内部抵抗が大きくなって、酸素イオン導電率が低下する傾向があるからである。更に好ましくは、100〜200μmの範囲内である。
【0085】
また、成形体の焼成条件は、その組成、焼成後の結晶相等に応じて最適な温度を選択する。例えば、上述した分散強化型固体電解質材料よりなる成形体を焼成する場合には、1300〜1400℃の範囲内で焼成するのが好ましい。焼成温度が1300℃未満であると、焼結体の酸素イオン導電性が低下する傾向が見られるからであり、1400℃を超えると、結晶相中に単斜晶の相が生成し、かつ、結晶粒子が粗粒になるため、所望の機械的特性が得られない傾向があるからである。更に好ましくは、1350〜1400℃の範囲内である。
【0086】
次に、必要に応じて第1固体電解質表面に表面処理を行う。サンドブラスト処理、研磨加工等の表面処理手段を用いて第1固体電解質に表面処理を行う場合には、ブラスト粒子の噴射圧力、研磨剤等により第1固体電解質に亀裂が生じないよう条件を最適化し、更に、第1固体電解質のエッジ部分にマスキング等を施して、亀裂が生じるのを防止することが好ましい。
【0087】
次に、第1固体電解質の一方の面に、所定の比率で混合された触媒材料と第2固体電解質材料とを含むスラリーを塗布した後、所定温度で焼成し、燃料極を接合する。この場合、燃料極の厚みは、10〜50μmの範囲内が好ましい。更に好ましくは、20〜30μmの範囲内である。
【0088】
同様に、第1固体電解質の他方の面に、所定の比率で混合された遷移金属ペロブスカイト型酸化物材料と第3固体電解質材料とを含むスラリーを塗布した後、所定温度で焼成し、空気極を接合する。この場合、空気極の厚みは、10〜50μmの範囲内が好ましい。更に好ましくは、20〜30μmの範囲内である。
【0089】
なお、燃料極及び空気極の塗布方法としては、具体的には、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、ハケ塗り法、スプレー法、ディッピング法等が好適な一例として挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0090】
次に、燃料極表面に、金属微粒子を含む燃料極側コンタクト材料を塗布して燃料極側コンタクト層を成膜する。この場合、燃料極側コンタクト層の厚みは、10〜50μmの範囲内が好ましい。更に好ましくは、20〜30μmの範囲内である。また、成膜方法としては、具体的には、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、ハケ塗り法、スプレー法等が好適な一例として挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0091】
ここで燃料極側コンタクト材料として、金属微粒子とバインダーとを少なくとも含むスラリーを用いる場合には、予めスラリー中のバインダーと同じバインダーを、ハケ塗り法、スプレー法等により燃料極へ塗布し、その後に燃料極側コンタクト層を成膜するのが好ましい。このような前処理を行わずに燃料極に燃料極側コンタクト層を成膜すると、燃料極が多孔質体であるため、スラリーが空孔に吸収され、燃料極上に均一な燃料極側コンタクト層を成膜することができないからである。
【0092】
次に、空気極の空孔に、水溶性貴金属化合物を水に溶解させた溶液(助触媒溶液)を含浸させる。助触媒溶液の含浸方法としては、具体的には、ハケ塗り法、スプレー法等が好適な一例として挙げられるが、特に限定されるものではない。また、空気極の空孔に助触媒溶液を含浸させた後、乾燥機等により水分を蒸発させても良い。この場合の乾燥温度としては、80〜95℃程度とすれば良い。
【0093】
次に、空気極表面に、発電温度域において空気極材料より電子導電率が高い材料を含む空気極側コンタクト材料を塗布して空気極側コンタクト層を成膜する。この場合、空気極側コンタクト層の厚みは、10〜50μmの範囲内が好ましい。更に好ましくは、20〜30μmの範囲内である。また、成膜方法としては、具体的には、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、ハケ塗り法、スプレー法等が好適な一例として挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0094】
ここで空気極側コンタクト材料として、La1−xSrCoO(0.1≦x≦0.5)粉末とバインダーとを少なくとも含むスラリーを用いる場合には、予めスラリー中のバインダーと同じバインダーを、ハケ塗り法、スプレー法等により空気極へ塗布し、その後に空気極側コンタクト層を成膜するのが好ましい。このような前処理を行わずに空気極に空気極側コンタクト層を成膜すると、空気極が多孔質体であるため、スラリーが空孔に吸収され、空気極上に均一な空気極側コンタクト層を成膜することができないからである。
【0095】
以上により本発明に係るSOFC単セルを得ることができ、更に燃料ガス導入手段及び酸化剤ガス導入手段等を取り付ければ、発電が可能となる。そしてまた、このように得られたSOFC単セルをセパレータを介してスタック化すればSOFCを得ることができ、これに燃料ガス導入手段及び酸化剤ガス導入手段等を取り付ければ、発電が可能となる。
【0096】
【実施例】
(第1固体電解質の酸素イオン導電率、機械的特性及びその結晶相)
初めに、4モル%のScを含むScSZ(以下、「4ScSZ」という。)に対してAlが0.5重量%含有されるように、4ScSZ材料とAl粉末とをそれぞれ秤量し、これにエチルアルコールを加えてボールミル(ZrO玉石を使用)により湿式混合した。次いで、この混合液を撹拌しながら加熱乾燥し、第1固体電解質材料としての分散強化型固体電解質材料を得た。尚、4ScSZ材料は、第一稀元素化学工業製、Al粉末は、大明化学工業製のものを使用した。
【0097】
次いで、この分散強化型固体電解質材料を成形圧1000kgf/cmにて一軸金型成形し、その後、この成形体を1400℃の焼成温度により2時間焼成して分散強化型固体電解質焼結体(以下「4ScSZ0.5A焼結体」という。)を作製した。また、Alが添加されていない以外は同様の手順により作製した4ScSZ焼結体を比較として用いた。
【0098】
次に、得られた4ScSZ0.5A焼結体及び4ScSZ焼結体について、1000℃における酸素イオン導電率及び室温における3点曲げ強度を測定した。また、4ScSZ0.5A焼結体及び4ScSZ焼結体のXRDパターンを測定し、結晶相を測定した。
【0099】
なお、酸素イオン導電率の測定は、各焼結体の棒状試験片(20mm×3mm×4mm)に、電極として白金ペーストを1000℃で焼き付けたものを用い、1000℃の温度にて行った。この際、酸素イオン導電率の測定は、交流インピーダンス法(周波数100〜10MHz、静止大気中)により行い、測定された抵抗値と試験片の寸法から次式により酸素イオン導電率を求めた。
【0100】
【数1】
酸素イオン導電率σ(S/cm)=(1/抵抗値R(Ω))×試験片長さL(cm)/試験片断面積S(cm
【0101】
また、3点曲げ強度の測定は、JIS R1601「ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法」に準じ、3mm(B)×4mm(W)×40mm(L)の長方形の角柱形状の試験片を用いて室温での3点曲げ試験により行った。
【0102】
各焼結体の1000℃における酸素イオン導電率、室温における3点曲げ強度及びその結晶相を表1に示す。
【表1】
Figure 0003976181
【0103】
表1によれば、4ScSZ焼結体の場合、1000℃における酸素イオン導電率は、0.10S/cm、3点曲げ強度は、650MPaであった。これに対し、4ScSZ0.5A焼結体の場合、1000℃における酸素イオン導電率は、0.09S/cm、3点曲げ強度は、1000MPaであった。この結果から、4ScSZ0.5A焼結体は、酸素イオン導電率及び機械的強度に特に優れることが分かる。また、各焼結体の結晶相は、共に正方晶であった。
【0104】
(第2固体電解質の酸素イオン導電率及びその結晶相)
次に、燃料極の一部を構成する第2固体電解質として、11モル%のScを含むScSZ(以下、「11ScSZ」という。)、10モル%のSc及び1モル%のCeOを含むScSZ(以下、「10Sc1CeSZ」という。)、10モル%のSc及び1モル%のYを含むScSZ(以下、「10Sc1YSZ」という。)材料より、それぞれ11ScSZ焼結体、10Sc1CeSZ焼結体及び10Sc1YSZ焼結体を作製し、1000℃における酸素イオン導電率及びその結晶相を測定した。また、8YSZ焼結体を比較として用いた。
【0105】
なお、11ScSZ材料、10ScSZ材料は、第一稀元素化学工業製のものを使用し、10Sc1CeSZ材料及び10Sc1YSZ材料は、10ScSZ材料に所定量のCeO及びYを配合して仮焼した後、粉砕することにより調製した。一方、8YSZ材料は、東ソー製のものを用いた。
【0106】
各焼結体の1000℃における酸素イオン導電率及びその結晶相を表2に示す。
【0107】
【表2】
Figure 0003976181
【0108】
表2によれば、8YSZ焼結体の場合、1000℃における酸素イオン導電率は、0.16S/cmであった。これに対し、11ScSZ焼結体の場合、1000℃における酸素イオン導電率は、0.31S/cmであり、8YSZ焼結体より高い酸素イオン導電率を示した。同様に、10Sc1CeSZ焼結体の場合、1000℃における酸素イオン導電率は、0.343S/cmであり、10Sc1YSZ焼結体の場合、1000℃における酸素イオン導電率は、0.304S/cmであった。また、各焼結体の結晶相は、全て立方晶であった。
【0109】
(SOFC単セルの作製)
次に、以下の手順に従い、SOFC単セルを作製した。先ず、上記分散強化型固体電解質材料にバインダーを加えてスラリーとし、ドクターブレード法を用いて厚さ約150μmのグリーンシートを作製した。次いで、このグリーンシートを、上記図1及び図2による結果に基づき、焼成温度を1350℃とし、2時間焼成し、固体電解質板を作製した。
【0110】
次に、この固体電解質板の表面に、その表面粗さがRa値0.075以上、S値16以下となるようにサンドブラスト処理を行った。
【0111】
次に、NiO(ナカライテスク製)と上記10Sc1CeSZとをNiとZrO に換算した重量比で4:6となるように秤量し、ボールミルで24時間混合した後、乾燥させた。次いで、この燃料極材料にバインダー(ポリエチレングリコール)を加えてスラリーとし、スクリーン印刷法を用いて固体電解質板の一方の面に塗布(厚さ約40μm)した。次いで、これを1350℃にて2時間焼成し、燃料極とした。なお、NiOは発電時に水素が供給されることにより還元されてNiとなり、触媒として機能する。
【0112】
次に、La0.8Sr0.2MnO(セイミケミカル製)(以下「LSM」という。)と上記8YSZとを重量比で8:2となるように秤量し、ボールミルで24時間混合した後、乾燥させた。次いで、この空気極材料にバインダー(ポリエチレングリコール)を加えてスラリーとし、スクリーン印刷法を用いて固体電解質板の他方の面に塗布(厚さ約50μm)した。次いで、これを1150℃にて2時間焼成し、空気極とした。
【0113】
次に、Ni微粒子(井原技研貿易製)にバインダー(ポリエチレングリコール)を加えてスラリーを調製した。次いで、このスラリー中のバインダーと同じバインダー(ポリエチレングリコール)をハケ塗り法を用いて予め燃料極に含浸させた後、スクリーン印刷法を用いて燃料極の表面上に上記スラリーを塗布し、厚さ約15μmの燃料極側コンタクト層を成膜した。
【0114】
次に、[Pd(NH)]Cl・xHO(テトラアンミンパラジウム(II)塩化物水和物)をイオン交換水に溶解させた溶液(以下、「Pd助触媒溶液」という。)を調製した。次いで、このPd助触媒溶液をハケ塗り法を用いて空気極の空孔に含浸させた後、95℃に保った乾燥機中に静置して水分を除去した。この際、Pd助触媒溶液の含浸量としてはPd重量に換算して0.1mg/cmとした。なお、[Pd(NH)]Cl・xHOの有機成分については、発電時の昇温により揮発する。
【0115】
次に、La0.8Sr0.2CoO粉末(セイミケミカル製)にバインダー(ポリエチレングリコール)を加えてスラリーを調製した。次いで、このスラリー中のバインダーと同じバインダー(ポリエチレングリコール)をハケ塗り法を用いて予め空気極に含浸させた後、スクリーン印刷法を用いて空気極の表面上に上記スラリーを塗布し、厚さ約25μmの空気極側コンタクト層を成膜した。
【0116】
以上により、図1に示すように、燃料極側コンタクト層1、燃料極2、固体電解質板3、空気極4及び空気極側コンタクト層5の5層構造からなるSOFC単セル6を作製した。
【0117】
次に、比較として、上記SOFC単セルの作製において、燃料極材料として10Sc1CeSZの代わりに8YSZを用いた以外は同様の手順によりSOFC単セルを作製した。また、空気極の空孔にPd助触媒溶液を含浸させない以外は同様の手順によりSOFC単セルを作製した。また、固体電解質板にサンドブラスト処理を行わなかった以外は同様の手順によりSOFC単セルを作製した。また、燃料極側コンタクト層を成膜しなかった以外は同様の手順によりSOFC単セルを作製した。
【0118】
(発電試験)
次に、上記にて得られた各SOFC単セルを用いて、発電試験を行った。すなわち、図2に示すように、SOFC単セルの燃料極側コンタクト層及び空気極側コンタクト層の両側をPtメッシュにより挟持し、更にこのPtメッシュの両側にガスマニホルド(アルミナ製)を設け、燃料ガス(H)及び酸化剤ガス(Air)を供給した。なお、発電温度は950℃とし、燃料ガスは、オイルバスで加湿したバブラを通して3%の湿度に加湿した。
【0119】
図3に、燃料極として、Ni−10Sc1CeSZサーメットを用いた場合とNi−8YSZサーメットを用いた場合における電流密度と出力電圧及び出力密度との関係を示す。図3より、燃料極にNi−10Sc1CeSZサーメットを用いた場合の方が、Ni−8YSZサーメットを用いた場合に比べ、発電性能に優れることが分かる。これは、Ni−10Sc1CeSZサーメットよりなる燃料極が優れた電極活性を有しているからである。また、数十時間レベルの発電試験後の初期劣化特性も、Ni−10Sc1CeSZサーメットを用いた場合の方が劣化が少なかった。
【0120】
また、図4に、空気極中にPd助触媒溶液が含浸されている場合とされていない場合における電流密度と出力電圧及び出力密度との関係を示す。図4より、空気極の空孔にPd助触媒溶液が含浸されていない場合に比べ、空気極の空孔にPd助触媒溶液が含浸されている場合の方が、発電性能に優れることが分かる。これは、Pdが助触媒として機能し、空気極の電極活性が一層高まったためである。
【0121】
また、図5に、固体電解質板の表面に、サンドブラスト処理を行った場合と行わなかった場合における電流密度と出力電圧及び出力密度との関係を示す。図5より、サンドブラスト処理を行わなかった場合に比べ、サンドブラスト処理を行った場合の方が、発電性能に優れることが分かる。これは、サンドブラスト処理により、両電極との接触面積が増加し、これにより固体電解質板との密着力が向上されるとともに、固体電解質板と両電極と気相との三相界面が増大したためである。また、サンドブラスト処理により、固体電解質板の表面の不純物が除去されたことに起因して発電性能が安定する効果も確認された。なお、この本実施例の結果からも分かるように、正方晶の結晶相を有する固体電解質板にサンドブラスト処理を行った場合でも、電池性能に悪影響を及ぼすことがないことが分かる。
【0122】
また、図6に、燃料極の表面に、燃料極側コンタクト層を成膜した場合としなかった場合における電流密度と出力電圧及び出力密度との関係を示す。図6より、燃料極側コンタクト層を成膜しなかった場合に比べ、燃料極側コンタクト層を成膜した場合の方が、発電性能に優れることが分かる。これは、燃料極側コンタクト層により、燃料極とPtメッシュとの間に生じる隙間が埋められ、これにより接触抵抗が小さくなって集電効率が向上したためである。このことより、全く同一の単セル構造を採用した場合であっても、集電時における集電抵抗等の影響を考慮しなければ、全体として発電性能が低下してしまうことが分かる。
【0123】
(耐久試験)
次に、燃料ガスに3%加湿の窒素希釈した20%水素(酸素分圧がS/C=2.0のメタン改質ガスに相当)、酸化剤ガスに模擬空気を用い、電流密度0.25A/cmの定負荷条件で耐久試験を行った。具体的には、発電試験温度(950℃)で燃料極側に空気を導入する強制酸化試験(以下、「Redox試験」という。)及びサーマルサイクル試験を行い、それらに対するSOFC単セルの劣化について検討を行った。サーマルサイクルについては、燃料極、空気極ともに供給ガスを遮断し、自然冷却の状態で室温まで降温した。再昇温は昇温速度250℃/hで行った。
【0124】
図7に、耐久試験結果を示す。作動開始初期に通電効果により電圧が上昇し、約15時間後に安定した。この時の値を初期値として、約600時間後の劣化率を求めたところ約4.5%であった。しかしながら、サーマルサイクルの前後で約2.5%の劣化が生じているため、発電状態における正味の劣化率は約2%となる。サーマルサイクルの劣化率が大きいが、窒素ガスでパージした状態のサーマルサイクル試験ではほとんど劣化が見られなかったことから、本試験のように電極へのガスを遮断した状態では、サーマルサイクルとRedoxサイクルの相乗効果によって劣化が生じたものと考えられる。
【0125】
また、Redox試験については、試験前後でOCV値(開回路電圧)の変化や発電性能の低下は認められず、燃料極の強制酸化、還元サイクルに対して、十分な耐性を持つことが確認された。
【0126】
本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能であることは勿論である。例えば、上記実施例では、電池構造として自立膜式平板型の電池構造について説明したが、それ以外にも、支持膜式平板型や、円筒型及び一体型の何れの構造であっても適用可能である。
【0127】
【発明の効果】
本発明に係るSOFC単セルによれば、第1固体電解質として、酸素イオン導電率と機械的特性に優れたものを用いているため、酸素イオン導電率に優れることにより十分な発電力が得られるとともに、機械的特性に優れることにより構造体としての耐久性に優れるという効果がある。また、燃料極が、触媒と高酸素イオン導電性を示す第2固体電解質とのサーメットよりなり、空気極が、遷移金属ペロブスカイト型酸化物と第3固体電解質との複合物よりなるため、空気極でイオン化された酸素イオンは、空気極から第1固体電解質へより多く移行するとともに、より多くの酸素イオンが、第1固体電解質から燃料極の三相界面へ供給され、これにより高い発電効率が得られ、出力安定性にも優れるという効果がある。
【0128】
この際、第1固体電解質の表面が表面処理により粗面化されておれば、第1固体電解質とその両面に接合される電極との接触面積が増加し、これにより第1固体電解質と電極との密着性が向上するとともに、第1固体電解質と電極と気相との三相界面の面積が増大するため、発電性能を一層向上させることができるという効果がある。
【0129】
また、空気極の空孔に、水溶性貴金属化合物を水に溶解させた溶液(助触媒溶液)が含浸されているので、初回電池作動時の昇温により生じる貴金属が助触媒として機能し、空気極に供給される酸素分子のイオン化が促進され、この助触媒溶液の作用と上記空気極及び燃料極の作用とが相まって、SOFC単セルの発電性能が更に向上されるという効果がある。
【0130】
また、燃料極の外表面に、金属微粒子を含む燃料極側コンタクト材料よりなる燃料極側コンタクト層が被覆されているので、このSOFC単セルがセパレータを介してスタック化されてSOFCとされた場合には、燃料極とセパレータとの密着度が高まるとともに、接触抵抗が小さくなって集電効率が向上し、SOFCの発電性能が大きく向上するという効果がある。
【0131】
また、空気極の外表面に、発電温度域において空気極材料より電子導電率が高い材料を含む空気極側コンタクト材料よりなる空気極側コンタクト層が被覆されているので、第1固体電解質の面方向の抵抗を低減することができるとともに、電池の大型化に伴う電池性能の低下を防止することができ、SOFC単セルの実用性を高められるという効果がある。また、空気極の電子導電率は電池性能に影響しなくなるため、空気極の設計の自由度が広くなり、このことによってもSOFC単セルの実用性を高められるという効果がある。
【0132】
加えて、このSOFC単セルがセパレータを介してスタック化されてSOFCとされた場合には、空気極とセパレータとの密着度が高まるとともに、接触抵抗が小さくなって集電効率が向上し、SOFCの発電性能が向上するという効果がある。
【0133】
以上、本発明に係るSOFC単セルは、実用上の発電性能及び耐久性等に優れており、更には、このSOFC単セルがスタック化された際の各電極とセパレータとの接触による相互作用も十分に考慮されたものであるので、このSOFC単セルをセパレータを介して複数積層してなるSOFCもまた、実用上の発電性能及び耐久性等に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るSOFC単セルの電池構造を模式的に示した図である。
【図2】 発電試験装置を模式的に示した図である。
【図3】 燃料極として、Ni−10Sc1CeSZサーメットを用いた場合とNi−8YSZサーメットを用いた場合における電流密度と出力電圧及び出力密度との関係を示した図である。
【図4】 空気極の空孔にPd助触媒溶液が含浸されている場合とされていない場合における電流密度と出力電圧及び出力密度との関係を示した図である。
【図5】 固体電解質板の表面に、サンドブラスト処理を行った場合と行わなかった場合における電流密度と出力電圧及び出力密度との関係を示した図である。
【図6】 燃料極の外表面に、燃料極側コンタクト層を成膜した場合としなかった場合における電流密度と出力電圧及び出力密度との関係を示した図である。
【図7】 本発明の一実施例に係るSOFC単セルの耐久試験結果を示した図である。
【符号の説明】
1 燃料極側コンタクト層
2 燃料極
3 固体電解質板
4 空気極
5 空気極側コンタクト層
6 SOFC単セル

Claims (10)

  1. 酸素イオン導電性を示す第1固体電解質と、この第1固体電解質の一方の面に接合され、触媒と第2固体電解質とのサーメットよりなる燃料極と、この第1固体電解質の他方の面に接合され、遷移金属ペロブスカイト型酸化物と第3固体電解質との複合物よりなる空気極とを備えた固体酸化物燃料電池単セルであって、
    前記第1固体電解質は、3.5〜6モル%のScを含むスカンジア安定化ジルコニアを母相とし、これにAlが0.5〜5重量%分散され、かつ、結晶相が主として正方晶の相よりなる分散強化型固体電解質であって、1000℃における酸素イオン導電率が0.07S/cm以上、かつ、室温における曲げ強度が700MPa以上であり、
    前記第2固体電解質は、1000℃における酸素イオン導電率が0.20S/cm以上であり、
    前記燃料極の外表面には、金属微粒子を含む燃料極側コンタクト材料より形成された燃料極側コンタクト層が被覆されるとともに、
    前記空気極の外表面には、発電温度域において空気極材料より電子導電率が高い材料を含む空気極側コンタクト材料より形成された空気極側コンタクト層が被覆され、
    前記空気極の空孔には、水溶性貴金属化合物を水に溶解させた溶液が含浸されている、または、前記水溶性貴金属化合物が付着されていることを特徴とする固体酸化物燃料電池単セル。
  2. 前記Alは、主として前記スカンジア安定化ジルコニアの粒界に存在することを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物燃料電池単セル。
  3. 前記第1固体電解質の表面は、表面処理により粗面化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の固体酸化物燃料電池単セル。
  4. 前記表面処理は、サンドブラスト処理であることを特徴とする請求項3に記載の固体酸化物燃料電池単セル。
  5. 前記燃料極は、Niと9〜12モル%のScを含むスカンジア安定化ジルコニアとのサーメットよりなり、
    前記燃料極側コンタクト材料は、Ni微粒子とバインダーとを少なくとも含むスラリーであり、
    前記空気極は、La1−xSrMnO(0.1≦x≦0.5)、Pr1−xSrMnO(0.1≦x≦0.5)及びLa1−xSrCo1−yFe(0.1≦x≦0.5、0.1≦y≦0.5)から選択される遷移金属ペロブスカイト型酸化物と8〜10モル%のYを含むイットリア安定化ジルコニアとの複合物よりなり、
    前記空気極側コンタクト材料は、La1−xSrCoO(0.1≦x≦0.5)粉末とバインダーとを少なくとも含むスラリーであることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の固体酸化物燃料電池単セル。
  6. 前記燃料極の一部を構成するスカンジア安定化ジルコニアは、更に2モル%以下のCeO及び/又はYを含み、かつ、結晶相が主として立方晶の相よりなることを特徴とする請求項5に記載の固体酸化物燃料電池単セル。
  7. 前記水溶性貴金属化合物は、水溶性パラジウム化合物であることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の固体酸化物燃料電池単セル。
  8. 前記第1固体電解質は平板状に形成されており、かつ、その板厚が50〜300μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の固体酸化物燃料電池単セル。
  9. 前記水溶性貴金属化合物は、初回電池作動時の昇温により貴金属になることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の固体酸化物燃料電池単セル。
  10. 請求項1から9の何れかに記載の固体酸化物燃料電池単セルをセパレータを介して複数積層してなる固体酸化物燃料電池。
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