JP5144236B2 - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、ペロブスカイト型の金属酸化物及び希土類を添加したセリウム酸化物を含んで構成された空気極を用いる固体酸化物形燃料電池に関するものである。
優れた電解質材料であるジルコニア系酸素イオン伝導体を用いた固体酸化物形燃料電池に関心が高まりつつある。特に、エネルギーの有効利用という観点から、固体燃料電池はカルノー効率の制約を受けないために本質的に高いエネルギー変換効率を有し、さらに、良好な環境保全が期待されるなどの優れた特徴を持っている。
固体酸化物形燃料電池は、当初、動作温度が900〜1000℃と高く、全ての部材がセラミックで構成されていた。このため、セルスタックの製造コストの低減が容易ではなかった。ここで、動作温度を800℃以下まで低下させることができれば、インターコネクタに耐熱合金材料を用いることが可能となり、製造コストの低減が可能となる。しかしながら、動作温度の低下に伴い、空気極における電気化学的な抵抗、すなわち過電圧が、急激に増大して出力電圧の低下を招いてしまう。
このような動作温度の低下による空気極の問題を解消するために、La1-XSrXFe1-YNiY3(LSFC:X=0.1〜0.3,Y=0.1〜0.6,X+Y<0.7)、La1-XSrXCoO3(X=0.1〜0.5)、LaNi1-XFeX3(LNF:X=0.3〜0.8)などの、高い電極活性(電気化学反応の性能)を有するペロブスカイト型の金属酸化物(ペロブスカイト酸化物)を用いる技術がある。これらの材料は、AサイトにLa及びSrを含み、BサイトにNi,Co,及びFeを含むペロブスカイト酸化物である。また、AサイトにLa及びCaを含むものもある。これらの材料は、低温動作用の空気極に適している。
しかしながら、空気極はジルコニアを含む電解質と接した状態で焼成することで製造されるため、電解質と接触している部分にLa2Zr27などの絶縁体が生成され、この生成物が、空気極における特性を低下させる原因の一つとなっている。この問題を防ぐために、空気極と電解質との間に、Ce0.9Gd0.12及びCe0.9Sm0.22などの、希土類を添加したセリウム酸化物(セリア化合物)からなるセリア層を設け、空気極側のペロブスカイト酸化物と電解質側のジルコニアとの接触を断つ方法が検討されている(非特許文献1)。このように設けたセリア層は、酸素イオン伝導性が高く、ペロブスカイト酸化物との間で絶縁体を生成するような反応が起こりにくくなる。
また、上述した材料より構成された空気極による固体酸化物形燃料電池の低温特性を更に向上させるために、ペロブスカイト酸化物の粒子とセリア化合物との混合体を、電解質付近に設ける方法が知られている(非特許文献2参照)。ペロブスカイト酸化物の粉末(粉体)とセリア化合物の微粉末とが混合された状態に空気極を形成することで、電解質と空気極との接合部分に生じる電極活性な面積が増大し、電極の界面抵抗を低減させることができる。セリア化合物は、上述したCo系及びFe系空気極材料との反応劣化が起こりにくいため、空気極に混合ずる材料として適している。この混合体よりなる空気極では、ペロブスカイト酸化物の粒子がセリア化合物の粒子で覆われる配置となり、電解質を構成しているジルコニア系材料の部分とペロブスカイト酸化物材料との直接の接触を抑制し、La2Zr27などの有害なジルコニアとの反応生成物の生成が抑制されるようになる。
A.Mai, et al.,"Ferrite-based perovskites as cathode materials for anode-suported solid oxide fuel cells Part II influence of the CGO interlayer", Solid State Ionics 177, pp.2103-2107, 2006. Y.Matsuzaki, et al.,"Electrochemical properties of reduced-temperature SOFCs with mixed ionic-electronic conductors in electrodes and/or interlayers",Solid State Ionics 152-153, pp.463-468, 2002. 田川 博章、固体酸化物燃料電池と地球環境、株式会社 アグネ承風社、第1版第1刷、1998年.
上述したように、セリア化合物とペロブスカイト酸化物とより空気極を構成することで、空気極における電気化学的な抵抗の増大による出力電圧の低下という、動作温度の低下による空気極の問題が解消されるようになったが、空気極におけるさらなる出力電圧の向上が要求されるようになってきている。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、セリア化合物とペロブスカイト酸化物とより空気極が構成されている固体酸化物形燃料電池において、さらなる出力電圧の向上が得られるようにすることを目的とする。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池は、燃料極,電解質,及び空気極を備える固体酸化物形燃料電池において、空気極は、希土類が添加されたセリウム酸化物からなる第1材料と、La 1-x-y Pr x y CoO 3 (0.2≦x≦0.8、0≦y≦0.5、A:Sr、Caのいずれか)またはSm 0.3 Pr 0.2 0.5 CoO 3 (A:Sr、Caのいずれか)であるプラセオジムが添加されたペロブスカイト型の金属酸化物からなる第2材料とを含んでいるようにしたものである。
上記固体酸化物形燃料電池において、空気極は、第1材料からなる第1粉体と第2材料からなる第2粉体とが混合された混合粉体の焼結体から構成されてい
上記固体酸化物形燃料電池において、電解質と空気極との間に配置され、希土類が添加されたセリウム酸化物より構成された中間層を備える。
上記固体酸化物形燃料電池において、空気極の電解質と反対側に配置されてペロブスカイト型の金属酸化物より構成された集電層を備える。
以上説明したように、本発明によれば、空気極は、希土類が添加されたセリウム酸化物からなる第1材料と、プラセオジムが添加されたペロブスカイト型の金属酸化物からなる第2材料とを含んでいるようにしたので、セリア化合物とペロブスカイト酸化物とより空気極が構成されている固体酸化物形燃料電池において、さらなる出力電圧の向上が得られるようになるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
始めに、本発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における固体酸化物形燃料電池の構成例を模式的に示す断面図である。この固体酸化物燃料電池は、ジルコニア系の材料から構成された電解質101と、電解質101の一方の面に形成された燃料極102とを備える。また、本実施の形態の固体酸化物形燃料電池は、電解質101の他方に形成され、希土類が添加されたセリウム酸化物(セリア化合物:第1材料)と、プラセオジム(Pr)が添加されたペロブスカイト型の金属酸化物(ペロブスカイト酸化物:第2材料)とを含んで構成された空気極103を備える。
例えば、空気極103は、セリア化合物からなる所定の粒径の粉末(第1粉体)と、Prが添加されたペロブスカイト酸化物からなる所定の粒径の粉末(第2粉体)とが混合された混合粉体の焼結体から構成されていればよい。空気極103においては、Prが添加されたペロブスカイト酸化物の粒子に接触しているセリア化合物の粒子と、Prが添加されたペロブスカイト酸化物の粒子に接触せず、Prが添加されたペロブスカイト酸化物の粒子から離れて存在しているセリア化合物の粒子とが存在している。
なお、電解質101は、例えば、酸化スカンジウム(Sc23)及び酸化アルミニウム(Al23)安定化ZrO2(SASZ),イットリア安定化ジルコニア(YSZ),スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ),サマリア安定化ジルコニア(SSZ)などのジルコニア材料の粉体の焼結体から構成されていればよい。また、燃料極102は、例えば、ニッケル−イットリア安定化ジルコニアサーメット(Ni−YSZ),ニッケル−スカンジア安定化ジルコニア(Ni−ScSZ)などの、電解質101を構成する酸化物材料に金属ニッケルが混合された電子伝導性を有する金属−酸化物混合体(サーメット)の粉体の焼結体から構成されていればよい。
また、これらの各層は、よく知られているように、粉体もしくは混合粉体のスラリを作製し、ドクターブレード法による成形やスクリーン印刷法による塗布で、スラリの膜(層)を形成し、これを1000〜1200℃で焼成することで作製することができる。
このように構成した本実施の形態の固体酸化物形燃料電池によれば、空気極103において、電子(ホール)伝導性が向上してイオン伝導性と電子(ホール)伝導性が向上した混合伝導体の領域が形成されるようになり、特性が向上して出力電圧の向上が得られるようになる。なお、都市ガスなどの炭化水素ガスを改質して得られた水素を含む燃料ガスが燃料極102に供給され、酸化剤ガスとしての酸素を含む空気が空気極103に供給されることで、発電動作が行われる。
ここで、Prを添加することについて説明する。空気極103を構成しているペロブスカイト酸化物にPrを添加する(固溶させる)と、Prは、ペロブスカイト酸化物の中で、いわゆるAサイトに入り、Aサイトの一部がPr原子に置換されることになる。このように、ペロブスカイト酸化物に添加された一部のPrは、同時に空気極103に存在してペロブスカイト酸化物に接触しているセリア化合物に拡散して固溶する。このようにして一部のPrが拡散することで固溶したセリア化合物においては、ホール伝導性が大きく向上する。なお、固溶とは、固体の状態で溶解する状態を示し、基の物質の結晶構造を保持したまま、添加される元素が基の物質の結晶内に入り込むことを示している。
一方、Prが添加されているペロブスカイト酸化物に接触していないセリア化合物においては、上述したようにPrが拡散して固溶することが無い。従って、空気極103において、ペロブスカイト酸化物から離れている部分のセリア化合物においては、電解質としての材料として理想的な組成が維持され、Prが添加されたことによるイオン伝導度の低下は発生しない。
このように、空気極103においては、ペロブスカイト酸化物が存在している領域において、これに隣接するセリア化合物のホール伝導性が大きく向上される。
ところで、空気極における電気化学反応は、電解質を構成しているイオン伝導体であるセリア化合物と、電子伝導体(ホール伝導体)であるペロブスカイト酸化物と、空気極に供給されている空気(酸化剤ガス)との3つの相が接している領域(三相界面)でおきている。空気極に供給された空気中の酸素ガス(O2)が、電子伝導性を有し得いるペロブスカイト酸化物に触れて電子を受け取ることで酸素イオン(O2-)となり、この酸素イオン(酸化物イオン)が、電解質を構成しているイオン伝導体であるセリア化合物を伝導していくことになる。従って、基本的には、空気極と電解質との界面において、空気極における電気化学反応が起きていることになる。
これに対し、本実施の形態によれば、空気極を構成しているセリア化合物においても、ペロブスカイト酸化物に接触している部分においては、ホール伝導性を備える混合伝導体となる。このため、空気極におけるPrが拡散しているセリア化合物でも、これに触れた酸素ガスは、電子を受け取って酸素イオンとなり、かつ、このセリア化合物を伝導して電解質にまで到達することになる。このように、本実施の形態の固体酸化物形燃料電池によれば、空気極における電気化学反応の反応場(三相界面)が、空気極と電解質との界面から、空気極の側にも広がることになる。例えば、Prによりホール伝導性を備えるようになったセリア化合物においてイオン化された酸素(酸素イオン)が、電解質に到達可能な範囲まで、空気極103の側に三相界面が拡大することになる。
これらの結果、本実施の形態においては、空気極103におけるイオン伝導性及び電子伝導性(ホール伝導性)を低下させることなく、空気極103のペロブスカイト酸化物の近傍のセリア化合物にも三相界面が形成されるようになるので、特性が向上してさらなる出力電圧の向上が得られるようになるものと考えられる。なお、上述では、空気極103の全域において、ペロブスカイト酸化物にPrが添加されているようにしたが、これに限るものではない。空気極103の電解質101の側の所定の領域(層)において、ペロブスカイト酸化物にPrが添加されている状態とし、この領域より電解質101側からより離れた領域では、ペロブスカイト酸化物にPrが添加されていなくても、上述同様の効果が得られる。
ところで、固体酸化物形燃料電池の空気極に用いられるペロブスカイト酸化物としては、AサイトがLaである場合が一般的であり、この場合が最もよい電子伝導性(ホール伝導性)が実現され、また、化学的な安定性が実現できる場合が多い。従って、空気極103を構成しているペロブスカイト酸化物のAサイトが全てPr原子で置換された組成とした場合が、良いわけではない。空気極103において、本来の空気極(セリア化合物)としての特性をあまり低下させることがない範囲で、ペロブスカイト酸化物に接触しているセリア化合物のホール伝導性が発現する程度に、Prが添加されているとよい。ペロブスカイト酸化物に対し、Prが3at%添加されていれば、接触しているセリア化合物にPrが拡散してホール伝導性を向上させることができるが、上述した観点より、Prの添加量は、最大でも80at%とした方がよい。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について図2を用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態2における固体酸化物形燃料電池の構成例を模式的に示す断面図である。この固体酸化物燃料電池は、電解質101と、電解質101の一方の面に形成された燃料極102と、電解質101の他方に形成された空気極103とを備え、これらの構成については、前述した実施の形態1と同様である。
上述した構成に加え、本実施の形態の固体酸化物形燃料電池は、空気極103の電解質101と反対側に配置されてペロブスカイト型の金属酸化物より構成された集電層201を備えるようにしたものである。この場合、空気極103の一方に電解質101が配置され、空気極103の他方に集電層201が配置されることになり、電解質101と集電層201とに空気極103が挟まれることになる。
よく知られているように、固体酸化物形燃料電池は、電解質101,燃料極102,及び空気極103から構成された複数の単セルが、インタコネクタを介して積層されて実用的な電圧を取り出すように構成されている。このように積層(スタック)構造とするときに、燃料極102及び空気極103と各々のインタコネクタとの間の良好な電気的接続を得るために、例えば白金メッシュなどから構成された集電体を用いるとよい。
また、本実施の形態では、空気極103の側においては、電子伝導体(ホール伝導体)であるペロブスカイト酸化物から構成された集電層201を設けるようにしたので、空気極103に接続されるインタコネクタとの間のより良好な電気的接続が得られるようになる。なお、空気極103に集電層201を含めた全体で、空気極として機能するものと考えることもできる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態3における固体酸化物形燃料電池の構成例を模式的に示す断面図である。この固体酸化物燃料電池は、電解質101と、電解質101の一方の面に形成された燃料極102と、電解質101の他方に形成された空気極103と、空気極103の電解質101と反対側に配置されてペロブスカイト型の金属酸化物より構成された集電層201とを備える。これらは、前述した実施の形態2の固体酸化物形燃料電池と同様である。
本実施の形態では、上述した構成に加え、電解質101と空気極103との間に配置され、希土類が添加されたセリウム酸化物より構成された中間層301を備えるようにしたものである。例えば、中間層301は、GDC(Ce0.9Gd0.1O)の粉末の焼結体から構成されていればよい。このように中間層301を設けることで、電解質101を構成しているジルコニアと空気極103を構成しているペロブスカイト酸化物とをより効率よく分離させることができ、固体酸化物形燃料電池(空気極/電解質)における界面抵抗をより抑制できるようになる。
次に、実際に作製した固体酸化物形燃料電池の単セルにおける特性測定結果について、以下に説明する。
[測定方法]
始めに、測定について説明する。後述するように各々作製した試料セルにおいて、電極性能の指標である界面抵抗を交流インピーダンス法で測定する。測定時は、開放電圧の条件で行い、空気極と燃料極との間に微小な交流信号を印加し、空気極と参照極(燃料極)との間の微小電位変化を測定し、この測定結果よりインピーダンスを求める。なお、測定において、燃料極には室温(23℃程度)とした加湿水素ガスを燃料ガスとして供給し、空気極には酸素を供給した。また、開放起電力としては、800℃で1.13V以上の値が得られる。
[セルの作製]
次に、比較試料となる固体酸化物形燃料電池セル(比較試料セル:#1-1-0)を例にとり、単セルの作製について説明する。まず、よく知られたドクターブレード法でシート状に成形して焼成したSc23,Al23添加ジルコニア(0.89ZrO2−0.10Sc23−0.01Al23:SASZ)からなる電解質基板を用意する。電解質基板は、厚さ0.2mmに形成する。次に、8mol%Y23が添加された平均粒径が約0.3μmのジルコニアの粉末(40wt%)に平均粒径が0.8μmのNiO粉末(60wt%)を混合した混合粉末のスラリを作製し、このスラリを上述した電解質基板の一方の面に、よく知られたスクリーン印刷法(非特許文献3参照)により塗布して燃料極塗布膜を形成する。加えて、この燃料極塗布膜の上に白金のメッシュよりなる集電体を配置し、これらを、1400℃・4時間の熱処理条件で、空気中で焼成し、上記混合粉末の焼結体からなる厚さ60μmの燃料極が形成された状態とする。
次に、平均粒径が0.1μmのLaNi0.6Fe0.43(LFN)粉末(50wt%)と、平均粒径が0.1μmのCe0.9Gd0.12(GDC)粉末(50wt%)とを混合した混合粉末のスラリを作製し、このスラリを、上述した電解質基板の他方の面にスクリーン印刷法により塗布して空気極塗布膜を形成する。LFNがペロブスカイト酸化物であり、GDCがセリア化合物である。次に、空気極塗布膜が形成された電解質基板を、1000℃・2時間の熱処理条件で焼成し、上記混合粉末の焼結体からなる厚さ4μmの空気極が形成された状態とする。
次に、平均粒径が1.0μmのLaNi0.6Fe0.43(LFN)粉末のスラリを作製し、このスラリを上述した空気極の上にスクリーン印刷法により塗布して集電層塗布膜が形成された状態とする。この後、集電層塗布膜が形成された電解質基板を、1150℃・2時間の熱処理条件で焼成し、空気極の上に、LFNの粉体の焼結体からなる厚さ40μmの集電層が形成された状態とする。このようにして形成した単セルは、図4の斜視図に示すように、1辺30mmの正方形の板状に形成された電解質基板401の上に、直径10mmの円盤に形成された空気極402が配置された状態としている。なお、図4において、電解質基板401の下に配置される燃料極は、図示せずに省略している。また、この単セルは、電解質基板401の周辺部に白金からなる参照極403を備え、これに接続した状態で前述した測定を行う。
[実施例1]
次に、実施例1として、試料となる固体酸化物形燃料電池セル(試料セル:#1-1-1〜#1-1-6)の作成について説明する。この試料セルは、上述した比較試料セルの空気極に用いたLFNにPrを添加し、LFNを構成している一部のLaをPrに置換したペロブスカイト酸化物粉末を用い、この他は比較試料セルと同様に作製する。これらの試料セルにおいて前述した測定を行うと、以下の表1に示すように、比較試料セル(#1-1-0)に比較して、いずれの試料セルにおいても、界面抵抗が低く良好な結果が得られている。
また、LFNの代わりに、LSFCを用いると、次のようになる。まず、上述した比較試料セルの空気極に用いたLFNの代わりに、La0.8Sr0.2Fe0.8Co0.23(LSFC)を用い、また、これとGDCとの混合比(重量%)を、LSFC:GDC=3:2として前述同様に空気極を作製する。加えて、LSFCにおいては、Prを添加し、LSFCを構成している一部のLaをPrに置換したペロブスカイト酸化物粉末を用い、試料セル(#1-2-1〜#1-2-6)とする。これらに対する比較試料セル(#1-2-0)としては、Prを添加していないLSFCを用いる。これらの試料セルにおいて前述した測定を行うと、以下の表1に示すように、比較試料セル(#1-2-0)に比較して、いずれの試料(#1-2-1〜#1-2-6)セルにおいても、界面抵抗が低く良好な結果が得られている。
Figure 0005144236
[実施例2]
次に、実施例2として、試料となる固体酸化物形燃料電池セル(試料セル:#2-1-1〜#2-1-6)の作成について説明する。この試料セルは、上述したGDCの代わりに、Ce0.8Sm0.22を用いて空気極を作製し、これとペロブスカイト酸化物との混合比(重量%)を1:1として空気極を作製している。加えて、空気極と電解質との間に、GDCから構成した中間層を設けている。中間層の作製では、平均粒径が0.1μmのGDC粉末のスラリを、電解質基板にスクリーン印刷法で塗布して中間層塗布層を形成し、これを1200℃・2時間の熱処理条件で焼成し、GDC粉末の焼結体からなるの中間層が形成された状態とし、この後、前述同様に空気極が形成された状態とする。これらに対する比較試料セル(#2-1-0)としては、Prを添加していないLNFを用いる。これらの試料セル(#2-1-1〜#2-1-6)において前述した測定を行うと、以下の表2に示すように、比較試料セル(#2-1-0)に比較して、いずれの試料セルにおいても、界面抵抗が低く良好な結果が得られている。
また、上述した試料セル(#2-1-1〜#2-1-6)のLNFの代わりに、LSFCを用いた試料セル(#2-2-1〜#2-2-6)も作製する。これらに対する比較試料セル(#2-2-0)としては、Prを添加していないLSFCを用いる。これらの試料セル(#2-2-1〜#2-2-6)において前述した測定を行うと、以下の表2に示すように、比較試料セル(#2-2-0)に比較して、いずれの試料セルにおいても、界面抵抗が低く良好な結果が得られている。
Figure 0005144236
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。ここは、比較試料セル(#3-0-1〜#3-0-5)として、比較試料セル(#2-1-0)のLNFの組成を、LaNi0.7Fe0.33,LaNi0.6Fe0.43,LaNi0.5Fe0.53,LaNi0.4Fe0.63,及びLaNi0.2Fe0.83と変更して作製する。また、これら比較試料セル(#3-0-1〜#3-0-5)におけるLaを部分的にPr原子に置換した試料セル(#3-1-1〜#3-1-5)を作製する。これらにおいて前述した測定を行うと、以下の表3に示すように、比較試料セルに比較して、いずれの試料セルにおいても、界面抵抗が低く良好な結果が得られている。
Figure 0005144236
[実施例4]
次に、実施例4について説明する。ここは、上述した実施例3におけるLNFに変えてLSFCを用いた比較試料セル(#4-0-1〜#4-0-6)及び試料セル(#4-1-1〜#4-1-6)を作製する。また、この実施例4では、空気極にはSDCの代わりにGDCを混合して比較試料セル(#4-0-1〜#4-0-6)及び試料セル(#4-1-1〜#4-1-6)を作製する。これらにおいて前述した測定を行うと、以下の表4に示すように、比較試料セルに比較して、いずれの試料セルにおいても、界面抵抗が低く良好な結果が得られている。
Figure 0005144236
[実施例5]
次に、実施例5について説明する。ここは、上述した実施例4におけるLSFCに変えて、LaSrCoO3(LSC)を用いた比較試料セル(#5-0-1〜#5-0-3)及びSm0.5Sr0.5CoO3(SSC)を用いた比較試料セル(#5-0-4)を作製し、これらに対してLSCのLaの一部をPr原子で置換した試料セル(#5-1-1〜#5-1-4)及びSSCのSmの一部をPr原子で置換した試料セル(#5-1-4)を作製する。加えて、LSCのLaの一部をPr原子で置換し、Srの組成を変化させた(Sr組成0を含む)試料セル(#5-2-1〜#5-2-4)を作製する。これらにおいて前述した測定を行うと、以下の表5に示すように、比較試料セルに比較して、それぞれ対応するいずれの試料セルにおいても、界面抵抗が低く特性の向上が得られている。
Figure 0005144236
[実施例6]
次に、実施例6について説明する。ここは、上述した実施例5におけるLSFC及びSSCにおけるSrを、同じアルカリ土類金属であるCaに変更したペロブスカイト酸化物を用いた比較試料セル(#6-0-1〜#6-0-3)及び試料セル(#6-1-1〜#6-1-3,#6-2-1〜#6-2-3)を作製する。これらにおいて前述した測定を行うと、以下の表6に示すように、比較試料セルに比較して、それぞれ対応するいずれの試料セルにおいても、界面抵抗が低く特性の向上が得られている。
Figure 0005144236
以上に示したことより、空気極を構成するPrが添加されたペロブスカイト酸化物は、(Sm1-xPrx1-zSrzCoO3(0.04≦x≦0.5,0≦z≦0.6),La1-xPrxNi1-yFey3(0.04≦x≦1.0,0.3≦y≦0.8),及び(La1-xPrx1-zSrzFe1-yCoy3(0.04≦x≦1.0,0.1≦y≦0.4,0,1≦z≦0.5)のいずれかであればよいことがわかる。
なお、上述した、粒径は、よく知られているレーザー回折散乱法による光強度分布パターンの測定から得られた平均粒子径である。例えば、堀場製作所株式会社製レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910を用いることで、粒径の測定が可能である。
以上に説明したように、ペロブスカイト酸化物及びセリア化合物から構成されている空気極において、LNF,LSFC,LSCなどのペロブスカイト酸化物のAサイトの一部をPr原子で置換するようにした本発明によれば、空気極を構成している一部のセリア化合物にホール伝導性を持たせることができ、いわゆる三相界面の増大が図れるようになり、固体酸化物形燃料電池の高性能化に好適である。
本発明の実施の形態1における固体酸化物形燃料電池の構成例を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2における固体酸化物形燃料電池の構成例を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態3における固体酸化物形燃料電池の構成例を模式的に示す断面図である。 試料セルの構成を示す斜視図である。
符号の説明
101…電解質、102…燃料極、103…空気極。

Claims (1)

  1. 燃料極,電解質,及び空気極を備える固体酸化物形燃料電池において、
    前記空気極は、
    希土類が添加されたセリウム酸化物からなる第1材料と、
    La 1-x-y Pr x y CoO 3 (0.2≦x≦0.8、0≦y≦0.5、A:Sr、Caのいずれか)またはSm 0.3 Pr 0.2 0.5 CoO 3 (A:Sr、Caのいずれか)であるプラセオジムが添加されたペロブスカイト型の金属酸化物からなる第2材料とを含み、
    前記電解質と前記空気極との間に配置され、希土類が添加されたセリウム酸化物より構成された中間層と、
    前記空気極の前記電解質と反対側に配置されて前記ペロブスカイト型の金属酸化物より構成された集電層と
    備え、
    前記空気極は、
    前記第1材料からなる第1粉体と前記第2材料からなる第2粉体とが混合された混合粉体の焼結体から構成されていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
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