JP4374631B2 - 酸化物イオン混合伝導体とその用途 - Google Patents

酸化物イオン混合伝導体とその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペロブスカイト型構造をとる希土類ガレート系の新規な酸化物イオン混合伝導体に関する。本発明に係る酸化物イオン混合伝導体は、非常に高い電子−イオン混合導電性を示し、燃料電池の電極 (空気極) や空気分離膜等のガス分離膜として有用である。
【0002】
【従来の技術】
電子性荷電粒子 [電子または正孔 (ホール)]とイオン性荷電粒子 (陽または陰イオン) の両方が電流を運ぶ担体となる物質は混合伝導体と呼ばれる。このような材料の電子性電気伝導率をσe 、イオン性電気伝導率をσi とすると、σi / (σe +σi ) の値がイオン輸率、σe / (σe +σi ) の値が電子輸率であり、それぞれ電気伝導に占めるイオン性電気伝導と電子性電気伝導の割合である。典型的な混合伝導体は、イオン輸率と電子輸率がほぼ等しくなる (即ち、いずれも0.5 前後である) 。
【0003】
混合伝導体は、電気伝導に寄与するイオンの種類により、アルカリイオン混合伝導体、プロトン混合伝導体、および酸化物イオン混合伝導体に大別される。電池の正極活物質の多くは混合伝導体、特にアルカリイオン混合伝導体またはプロトン混合伝導体である。例えば、リチウムイオン二次電池のカソード材料は、多くがアルカリイオン混合伝導体である。また、プロトン混合伝導体には、プロトンの拡散反応により着色するものがあり、表示素子として利用されている。
【0004】
これに対して、酸化物イオン (O2-) によりイオン性電気伝導が発揮される酸化物イオン混合伝導体には、これまで優れた材料がほとんどなかった。例えば、Y2O3、Gd2O3 またはCaO を固溶させたCeO2は、酸化性雰囲気中では酸化物イオン伝導体 (即ち、酸化物イオン伝導性が支配的) であるが、還元性雰囲気中では、Ce4+→Ce3+の変化によりn型の電子性電気伝導が現れ、イオン輸率が下がって、混合伝導体となることが知られている。この性質を利用して、固体酸化物型燃料電池(SOFC)の燃料極 (アノード) に使用することが検討された。しかし、雰囲気によって結晶格子体積が大きく変化するという問題がある。
【0005】
また、還元性雰囲気で混合伝導性を示す材料は上記のように知られているが、酸化性雰囲気でも優れた混合伝導性を示す材料はこれまでほとんど知られていなかった。このような材料があれば、固体酸化物型燃料電池の空気極 (カソード) に有用である。
【0006】
固体酸化物型燃料電池の空気極は、高温の10 -15〜10-10 気圧程度以上の酸素分圧の雰囲気下で化学的に安定で、しかも高い電子性電気伝導を示す材料から構成する必要がある。金属は使用できないので、電子性電気伝導を持つペロブスカイト型酸化物が使用されてきた。従来の空気極の材料は、AサイトにSr、Ca、Mgなどのアルカリ土類金属をドープしたLaMnO3またはLaCoO3が主である。これらの材料は主として電子性電気伝導を示す材料であり、イオン性電気伝導は非常に小さいため、電極反応が後述するように、空気極、電解質、空気の3相界面近傍に限られ、空気極での分極が大きくなって、電池の出力が低下する原因となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、還元性雰囲気から酸化性雰囲気までの広い酸素分圧および600 ℃以下から1000℃以上という広い温度範囲にわたって、良好な電子−酸化物イオン混合伝導性を示し、電気伝導率が高く、その温度変化が小さい、従来にない優れた性能を持つ酸化物イオン混合伝導体を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ペロブスカイト型の酸化物イオン伝導体の研究を進める過程で、ある種の希土類ガレート系ペロブスカイト材料が、広い温度範囲にわたって他の類似材料より非常に高い電気伝導率を示し、しかもその伝導率におけるイオン性伝導率と電子性伝導率が広い温度範囲でほぼ拮抗していることを見つけ、これが優れた酸化物イオン混合伝導体であることを知った。本発明はこの知見に基づくものである。
【0009】
ここに、本発明は、下記一般式(a)で示される組成を持つペロブスカイト型酸化物イオン混合伝導体である:
1-x Cax Ga1-y y 3 ・・・(a)
式中、
Aは、3価イオンの配位イオン半径が1.05〜1.15Åの1種もしくは2種以上のランタノイド金属であり、
BはCo、Fe、Ni、Cu1種もしくは2種以上であり、
xは0.05〜0.3、
yは0.05〜0.3である。
【0010】
本発明において「酸化物イオン混合伝導体」とは、電気伝導性に電子性電気伝導とイオン性電気伝導の両者が関与する材料を意味する。酸化物イオン混合伝導体としては、電気伝導性のイオン輸率 (イオン性電気伝導の割合) が 0.1〜0.7 の範囲内、特に 0.2〜0.6 の範囲内である材料が好ましい。
【0011】
本発明によればまた、上記の酸化物イオン混合伝導体を空気極に含む固体酸化物型燃料電池、およびこの酸化物イオン混合伝導体からなるガス分離膜も提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の酸化物イオン伝導体はペロブスカイト型結晶構造を持ち、ABO3 で示されるペロブスカイト型結晶のAサイトを、上記一般式におけるA原子とCaが占め、そのBサイトをGaとB原子が占める。
【0013】
本来は3価金属が占めるA、B両サイトのうち、Aサイトの一部を2価金属のCaが占め、Bサイトの一部を2価と3価をとりうる遷移金属が占めることにより酸素空孔を生じ、この酸素空孔により酸化物イオン伝導性が生ずる。従って、酸素原子数はこの酸素空孔の分だけ減少することになる。
【0014】
即ち、一般式(a) では酸素原子数が3であるように表示されているが、実際には3以下である。上式における酸素空孔の数は最大で0.3 であるので、正確な酸素原子数は 2.7〜3の範囲となる。但し、酸素空孔の数はドープ原子の種類のみならず、温度、酸素分圧、B原子の種類・量によっても変動するため、正確に表示することは困難である。そのため、本明細書のペロブスカイト型材料を示す化学式では、酸素原子比の数値を便宜上3として表示する。
【0015】
一般式(a) において、Aは3価イオンの8配位イオン半径が1.05〜1.15Åのランタノイド系希土類金属であり、Bは遷移金属である。即ち、本発明の酸化物イオン混合伝導体は、ランタノイド・ガレート (AGaO3)を基本構造とし、そのAサイトにCa原子を、Bサイトに特定の遷移金属 (B原子) をドープした、4元系 (A+Ca+Ga+B) のペロブスカイト型複合酸化物である。以下では、この複合酸化物を4元系複合酸化物ということがある。
【0016】
上記一般式(a) におけるA原子 (即ち、3価イオンの8配位でのイオン半径が1.05〜1.15Åのランタノイド金属) の例としては、Nd (1.11Å) 、Pr (1.13Å)、Sm (1.08Å) 、Ce (1.14Å) 、Eu (1.07Å) 、Gd (1.05Å) が挙げられる (カッコ内の数字は3価イオンの8配位イオン半径)。Laは、La3+の8配位イオン半径が1.16Åと大きいので、本発明では使用できない。好ましいA原子は、Nd、Pr、Smの1種もしくは2種以上であり、特にNdが好ましい。
【0017】
本発明のペロブスカイト型複合酸化物では、Aサイトを占めるA原子のイオン半径が比較的小さいため、Aサイトのドープ原子として、このA原子のイオン半径に比較的近いイオン半径を持つCaを存在させる。Caよりイオン半径の小さい同族原子であるMgは、希土類ガレート系ペロブスカイトではAサイトではなくBサイトを優先的に占める。Caよりイオン半径が大きい同族原子であるSrは、A原子がLaのようにイオン半径の大きい原子でないと、得られたペロブスカイトの結晶構造が不安定になる。
【0018】
本発明のペロブスカイト型複合酸化物のBサイトを占める原子はGaであり、そのドープ原子として、Co、Fe、Ni、Cuから選ばれた遷移金属を存在させる。BサイトのGaのドープ原子としては、前述したようにMgもイオン半径が近く、可能であるが、得られたペロブスカイト型4元系複合酸化物の電子性電気伝導度は非常に低いものとなる。即ち、Aサイトが上記イオン半径のランタノイド金属+Caドーパント、BサイトがGa+遷移金属ドーパントの組合わせの場合だけに、特異的に本発明の優れた電子−イオン混合伝導性を示すペロブスカイト材料が得られるのである。
【0019】
図1に、A0.9 0.1 Ga0.90.1 3 の同一組成を有し、AがLaまたはNdであり、AがLaの場合にはMがSr、AがNdの場合はMがCaであり、BがMgまたはCoである、4種類の4元系ペロブスカイト型複合酸化物の電気伝導率の温度変化を示す。
【0020】
この図からわかるように、 La0.9Sr0.1Ga0.90.1O3 (AがLa、MがSr) の場合には、B原子がMgとCoのどちらであっても (▲と△) 、電気伝導率は両者がほとんど同じ値をとり、温度変化の挙動も低温側で少し差があるが、似ている。つまり、B原子を代えても伝導率は同レベルにある。
【0021】
これに対して、 Nd0.9Ca0.1Ga0.90.1O3 (AがNd、MがCa) の場合には、B原子がMgである場合 (●) には、上記のLa系材料より電気伝導率が低いのに対し、本発明に係るB原子がCoである材料の場合 (○)には、上記のLa系材料より非常に高い電気伝導率を示す。即ち、この場合には、B原子がMgの場合とCoの場合で、伝導性のレベルに著しい差異を生じ、B原子がCoの場合 (即ち、本発明の場合) だけに、特異的に高い伝導率を示すようになり、温度によっては、他の材料で得られない1Scm-1を超える高い電気伝導率が得られる。
【0022】
それだけでなく、電気伝導率の温度変化の挙動も全く異なる。即ち、B原子がMg (●) では、低温になるほど (横軸の数値が大きいほど低温) 伝導率が下がるという、イオン性電気伝導を示す材料に共通する挙動を示し、その低下率もかなり大きい (オーダーで2桁) 。一方、B原子がCoである本発明に係る4元系複合酸化物 (○) では、温度が低下すると伝導率が一旦は増大し、さらに温度が低下すると伝導率が下がるが、その伝導率の低下はごく僅かであり、同じオーダーの範囲に十分にとどまる。この○で示すNd0.9Ca0.1Ga0.9 Co0.1O3 のプロットの電気伝導率の温度変化だけが、他とは異なる特異的な挙動を示すことは、この図より明らかである。
【0023】
イオン性電気伝導材料では、多くの場合、伝導率は温度依存性が大きく、温度が低下すると伝導率も低下するのが普通である。従って、これとは異なる電気伝導率の温度変化を示す本発明のペロブスカイト型材料の伝導性には、酸化物イオンによるイオン性電気伝導だけでなく、電子性電気伝導もかなり寄与していることが考えられる。
【0024】
この点を確かめるために、 Nd0.9Ca0.1Ga0.90.1O3 (BはMgまたはCo)およびNd0.9Ca0.1Ga0.850.15O3(BはCo)の4元系複合酸化物のイオン輸率 (電気伝導性に占めるイオン性電気伝導の割合) を、酸素濃淡電池の起電力を測定する後述する実施例に記載の方法により、起電力の測定値/理論値の比として求めた結果を図2に示す。
【0025】
図2に示すように、イオン輸率はいずれも温度が低下するにつれてやや減少するが、B原子がMgである材料では、イオン輸率は常に0.8 以上であって、イオン性電気伝導が支配的 (即ち、酸化物イオン伝導体) であり、電気伝導性が温度とともに低下するというイオン伝導体を示唆する図1の結果と合致していた。
【0026】
一方、B原子がCoである本発明に係る材料では、イオン輸率はずっと0.5 前後 (約0.25〜0.6 の範囲) にあり、温度が変化してもイオン性電気伝導と電子性電気伝導とが常にほぼ拮抗するという、理想的な電子−イオン混合伝導性を示している。この材料は、その電気伝導性にはイオン性電気伝導と電子性電気伝導の両者が寄与しており、酸化物イオン混合伝導体であることは、この図より明らかである。
【0027】
上記の本発明に係る4元系複合酸化物材料 (Nd0.9Ca0.1Ga0.9Co0.1O3) の950 ℃での電気伝導率の酸素分圧による変化を調べた結果を図3に示す。この材料の伝導率は酸素分圧が低くなるほど低下する。しかし、酸素分圧が1気圧 (logPo2=0) の酸化性雰囲気から10-20 気圧以下の還元性雰囲気まで変化する間の伝導率の変化は1/40とごくわずかである。この図は、この酸化物材料の電子性電気伝導が正孔により得られるが、それだけではなく、酸化物イオンによるイオン性電気伝導も大きいことを示唆している。
【0028】
なお、酸素分圧の低下による電気伝導率の低下は、正孔による電子性電気伝導が酸素分圧の低下につれて低下するためである。従って、酸素分圧が低いほど、イオン性電気伝導が増大し、逆に酸素分圧が高くなると電子性電気伝導が多くなってくる。
【0029】
上記のように、本発明のペロブスカイト型4元系複合酸化物材料の電気伝導性には、正孔による電子性電気伝導と酸化物イオンによるイオン性電気伝導の両者がほぼ同程度に寄与し、両者の電気伝導性がいずれもかなり大きいために、図1に示すように非常に高い電気伝導率を与える。図2に示すように、この混合伝導性は広い温度範囲で示される。従って、この材料は従来にない非常に優れた酸化物イオン混合伝導体である。
【0030】
各サイトにおけるドープ原子、即ち、AサイトにおけるCa原子の原子比 (x)、またはBサイトにおけるB原子 (遷移金属) の原子比 (y) が、xは0.05〜0.3、yは0.05〜0.3の範囲外になると、本発明の4元系複合酸化物の電気伝導率が低下あるいはイオン輸率が低下する。
【0031】
図4(a) は、Nd1-x Cax Ga0.9 Co0.1 O3におけるCaの原子比 (x) を変化させた場合の電気伝導率の変化を示し、Caの原子比が0.05〜0.3(A原子の原子比が 0.7〜0.95) の範囲を外れると、伝導率が低下することがわかる。また、図4(b) に示す通り、イオン輸率の値はCaの原子比が0.05〜0.3 の範囲で 0.3〜0.5 の値を示す。
【0032】
図5(a) は、Nd0.9 Ca0.1 Ga1-y Coy O3におけるCo (B原子) の原子比 (y) を変化させた場合の電気伝導率の変化を示す。また、図5(b) は同様にyを変化させた場合のイオン輸率の変化を示す。Coの原子比が0.05以上で伝導率はyの値と共に増大する。しかし、低温においてイオン輸率はyの値の増大とともに顕著に低下し、Coの原子比が0.3 を越えると600 ℃以下の温度でイオン輸率が0.1 を下回るようになる。
【0033】
上記一般式において特に高い酸化物イオン混合伝導性が得られる好ましい組成は、次の通りである:
A=Nd、Pr、Sm、またはこれらの混合物、特にNd、
B=Co、
x=0.05〜0.2 、
y=0.08〜0.2 。
【0034】
本発明の酸化物イオン混合伝導体は、成分元素の各酸化物の粉末を所定の配合割合でよく混合した混合物を適宜手段で成形し、焼結させることにより製造できる。原料粉末としては、酸化物以外に、焼成中に熱分解して酸化物になる前駆物質 (例、炭酸塩、カルボン酸塩等) も使用できる。焼結のための焼成温度は1100℃以上、好ましくは1200℃以上であり、焼成時間は数時間ないし数十時間である。焼成時間を短縮するため、原料混合物を焼結温度より低温で予備焼成してもよい。この予備焼成は、例えば、 500〜1200℃で1〜10時間程度加熱することにより実施できる。予備焼成した混合物を、必要であれば粉砕した後、成形し、最終的に焼結させる。成形は、一軸圧縮成形、静水圧プレス、押出し成形、テープキャスト成形などの適宜の粉体成形手段を採用できる。予備焼成も含めて焼成雰囲気は、空気等の酸化性雰囲気か不活性ガス雰囲気が好ましい。
【0035】
本発明の酸化物イオン混合伝導体は、固体酸化物型 (固体電解質型) 燃料電池(SOFC)の電極、特に空気極 (カソード) の材料として有用である。その場合の燃料電池の他の要素、即ち、電解質や空気極 (アノード) の材料は特に制限されない。例えば、電解質としては、従来より主に使用されてきた安定化ジルコニア、特にイットリア安定化ジルコニア(YSZ) を使用することができる。燃料極はNi金属のほかに、Ni-YSZ、Ni-CeO2 等のサーメットも使用できる。
【0036】
本発明の酸化物イオン混合伝導体を空気極とするSOFCにおいて、特に好ましい電解質と燃料極の材料は次の通りである。
【0037】
好ましい電解質材料は、下記一般式(b) で示されるペロブスカイト型複合酸化物からなる酸化物イオン伝導体である。
【0038】
Ln1-x'x'Ga1-y'-z'B1y'B2z'3 ・・・ (b)
式中、
Ln=La、Ce、Pr、Nd、Smの1種もしくは2種以上;
A=Sr、Ca、Baの1種もしくは2種以上;
B1=Mg、Al、Inの1種もしくは2種以上;
B2=Co、Fe、Ni、Cuの1種もしくは2種以上;
x'=0.05〜0.3 ;
y'= 0.025〜0.29;
z'=0.01〜0.15;
y'+z'≦0.3 。
【0039】
この複合酸化物も、本発明に係る一般式(a) で示される4元系複合酸化物と同様に、ランタノイド・ガレートを基本組成とするペロブスカイト型結晶構造のものであるが、この一般式(b) で示される複合酸化物では、BサイトにB1とB2の2種類のドープ元素を含有する。
【0040】
B2元素の種類により伝導性の温度特性が変化するので、SOFCの作動温度に応じてB2元素を選択すればよい。例えば、コジェネレーションとして排ガスによるタービン発電を同時に行う場合には、1000℃前後の高い作動温度が好ましいので、このような高温で高いイオン性電気伝導を示す、B2原子がCoまたFe、特にCoである5元系複合酸化物を電解質に使用することが好ましい。一方、作動温度が800 ℃程度であれば、上記以外にB2原子がNiであるものも使用でき、さらに作動温度が600 ℃以下であればB2原子がCuであるものも使用できる。
【0041】
SOFCは電解質の抵抗損による電圧降下が大きく、薄膜ほど高出力が得られる。そのため、電解質のYSZ は30〜50μm程度の薄膜で使用されている。しかし、それでもなおYSZ の酸化物イオン伝導度が小さいため、実用上十分な性能を得るために約1000℃に加熱する必要がある。膜厚30μm厚の薄膜YSZ で作動温度1000℃における実用的な出力密度は、0.35 W/cm2程度と報告されている。これより電池の出力を高くするか、作動温度を低くするために、数μmないし10μm程度という薄さのYSZ 薄膜を使用した実験例が報告されているが、このような薄膜では電解質に求められるガス不透過性が不確実となり、信頼性の面で望ましくない。
【0042】
一般式(b) で示される上記の5元系複合酸化物は、広い温度範囲でYSZ より著しく高い酸化物イオン伝導性を示すため、例えば厚さ0.5 mm (=500 μm)という焼結法で製造可能な厚膜の電解質を用いてSOFCを構成した場合でも、上記のYSZ 薄膜より高い出力を得ることができる。この場合の最大出力密度は、B2原子の種類や原子比によっても異なるが、30μm厚のYSZ 薄膜を用いたSOFCと比べて、作動温度1000℃でもこれを凌ぎ、作動温度800 ℃では数倍 (例、3倍またはそれ以上) も大きくなる。また、電解質を厚くすると、燃料電池の機械的強度や寿命が大幅に向上する。或いは、上記の5元系複合酸化物からなる電解質を厚さ約200 μmの膜で用いれば、600 ℃ないし700 ℃という低温において、30μm厚のYSZ 膜が1000℃で発揮するのと同等の出力密度を得ることができる。
【0043】
また、一般式(b) で示される酸化物イオン伝導体は、高い酸化物イオン伝導性を示す温度範囲が広いため、SOFCの作動温度を広げることができる。例えば、コジェネレーションとして排ガスによるタービン発電を同時に行う場合には、1000℃前後の高い作動温度が好ましい。しかし、例えば 600〜700 ℃程度の低い作動温度でも、水蒸気或いはその他の排ガスによる発電を同時に行うことができるため、SOFCの発電効率はそれほど低下しない。このように作動温度が低くなると、SOFCの構造材料にステンレス鋼等の鉄鋼材料を使用でき、作動温度が1000℃前後の場合のNi−Cr合金やセラミックといった材料に比べて材料費が著しく低減するという利点もある。従来のYSZ では、このような低温で作動させるSOFCを構築することはできなかったが、本発明によればこのような低温作動型から高温作動型まで、使用環境に合わせて多様なSOFCを構築することが可能となる。
【0044】
さらに、電解質を上記の一般式(b) で示される5元系複合酸化物から構成すると、電解質と空気極の両方が同じランタノイド・ガレート系のペロブスカイト型複合酸化物に属する同種の物質から構成されることになる。これに対して、従来のSOFCでは電解質と空気極が異種の材料から構成される [例えば、電解質がYSZ で、空気極はLa(Sr)CoO3] 。この場合には、原子レベルで微視的に見ると、電解質と空気極との界面に両層の材料が反応して生ずるごく薄い界面層が生成し、その界面抵抗による電圧損のために出力が低下する。電解質と空気極を同種の材料から構成することにより、界面層が生成したとしても界面抵抗が小さくなる。
【0045】
界面抵抗の問題に加えて、電解質と空気極が異種の材料である場合には、両者の熱膨張率が異なるため、昇温時や降温時に加わる熱応力が大きくなる。この問題も、電解質と空気極を同種の材料から構成することにより著しく低減する。
【0046】
上記の界面抵抗や熱応力は、電解質と空気極との間に、これらの2材料の中間の組成を持つ1または2以上の中間層を設けて、電解質から空気極に組成が徐々に変化するようにすると、さらに抑制することができる。
【0047】
好ましい燃料極の材料は、(1) Niと、(2) 一般式:Ce1-mm2 (式中、CはSm、Gd、YおよびCaの1種もしくは2種以上を意味し、m=0.05〜0.4)で示される化合物とからなるものである。両者の割合は、 (1):(2) の体積比で95:5〜20:80の範囲内が好ましい。より好ましくはm値が 0.1〜0.3 であり、 (1):(2) の体積比が90:10〜40:60である。
【0048】
SOFCの構造は特に制限されず、円筒型でも平板型でもよく、また平板型の場合はスタック型と一体焼結型(モノリス型)のいずれでもよい。いずれの場合も、電解質層を空気極と燃料極とで挟んだ3層の積層体(電解質層は片面が空気極層に、他面が燃料極層に接する)が基本セル構造になる。電解質層はガス不透過性であり、空気極と燃料極の各層は、ガスが通過できるように多孔質である。円筒型の場合には、円筒の内部と外部に分けて燃料ガス(例、水素)と空気(または酸素)が別々に供給され、多数の円筒型セルがその外面の一部に設けたインターコネクタを介して接続される。平板型の場合には、燃料ガスと空気を別々に供給できる流路を設けた概ね平板型のインターコネクタを利用してガスが供給される。このインターコネクタを上記の3層の積層構造からなる平板型セルと交互に積み重ねて多層化される。
【0049】
SOFCの電極反応で律速となる反応の1つは、次式で示される空気極での酸素のイオン化である。
1/2O2 + 2e- →O2-
この反応は、空気極と電解質と空気との界面で起こるため、この界面の面積が大きいほど反応量が多くなる。そのため、例えば、上記の3層構造物を平板ではなく、波型にすることがこれまでも行われてきた。
【0050】
本発明の好適態様においては、図6に示すように、電解質層の両面に凹凸を形成し、この表面凹凸部に空気極または燃料極の材料を粒子状で付着させたセル構造を利用する。この場合、電解質層の本体部分はガス不透過性とする必要があるが、両面の表面に形成した凹凸部は多孔質であってもよい。この凹凸部の材料は、電解質と同じ材料 (即ち、狭義の酸化物イオン伝導体)でもよいが、好ましくは電子−イオン混合伝導性を示す材料とする。例えば、空気極側の凹凸部を本発明に係る酸化物イオン混合伝導体材料から構成することができる。その場合、この凹凸部に付着させた個々の粒子は、従来の空気極材料のような、電子性電気伝導が支配的な材料から構成することが好ましい。
【0051】
このような構造は、電解質層の表面にまずイオン−電子混合伝導体粒子を焼付け、次にさらにその表面により微細な電子伝導体粒子を付着させ、焼付けることによって形成することができる。或いは、単にイオン−電子混合伝導体粒子と電子伝導体粒子の混合物を電解質層の表面に付着させ、焼付けることによっても、一定の割合で同様の構造を実現することができる。
【0052】
従来の空気極の材料は、La(Sr)CoO3、La(Sr)MnO3といった電子性電気伝導が支配的な (イオン輸率の低い) 電子伝導体であるため、空気中の酸素を酸化物イオンにイオン化しても、空気極材料の中を通過して電解質へ酸化物イオンを送り込むとができない。そのため、この空気極材料を使用する場合には、図6の空気極側の表面凹凸部は電解質材料から構成し、空気極材料はこの表面凹凸部に粒子状で付着させることになる。その場合の酸素のイオン化は、図7(a) に示すように、電解質層と空気極粒子と空気の3相の界面、即ち、電解質層と空気極粒子の接合面の外縁(円周)に沿った一次元的な領域でしか起こらない。その結果、空気極の分極が大きくなり、SOFCの出力の低下が起こる。また、酸化物イオンを取り込むために電解質層が空気と接している必要があるため、空気極が電解質層を完全に覆うことができず、付着量にも制限がある。従って、空気極の電子性電気伝導に依存する外部端子への電気的接続も不完全になり易い。或いは、十分な電気的接続を得るために、3相界面を粗に覆って空気極粒子同士をつなぐ導電材料の空隙に富む架橋構造が必要となるが、その場合にはその空隙構造がガスの通過に対して抵抗となる。
【0053】
これに対し、本発明の空気極の材料はイオン−電子混合伝導性を示すため、この材料それ自体が空気中の酸素を酸化物イオンにイオン化することができる。そのため、上述したように、図6の空気極側の表面凹凸部を、本発明の酸化物イオン混合伝導体から構成し、この凹凸部に付着させる個々の粒子を従来の電子伝導体の空気極材料から構成することができる。その場合の酸素のイオン化は、図7(b) に示すように、混合伝導性材料の表面凹凸部と空気の2相の界面、即ち、この材料の外表面全体という二次元の領域で起こるため、イオン化効率が飛躍的に増大し、空気極の分極が防止できるため、SOFCの出力が向上する。イオン化により生成した酸化物イオンは、この混合伝導性空気極材料の酸化物イオン伝導性により空気極材料を伝わって電解質に流れる。また、この表面凹凸部を構成する酸化物イオン混合伝導体は電子性電気伝導も可能であり、外部端子に電気を流すことができるが、それを助けるために電子伝導体の粒子を空気極側の凹凸部の表面に付着させる。
【0054】
燃料極は、上記のように、Niとセリア系材料 (Ce1-mm2)から構成することが好ましい。この場合も、酸化物イオン混合伝導体であるセリア系材料が燃料極側の表面凹凸部を構成し、その表面の個々の粒子を電子伝導体であるNiから構成する。この構成により、上述した空気極の場合と同様に、二次元的な領域でH2への酸化物イオンの受渡しが行われ、やはりH2O 生成反応の効率が著しく向上する。
【0055】
本発明の酸化物イオン混合伝導体は、ガス分離膜としても使用できる。例えば、酸化物イオン混合伝導体からなる分離膜の両側に酸素ガス濃度が異なる2種類のガスを接触させると、濃度勾配のために高濃度側から低濃度側に向かって酸化物イオンが膜の内部を移動すると同時に、反対方向に電子が流れる。その結果、酸素が1方向に流れるので、酸素分離膜として機能する。このガス分離膜の場合、電気伝導性が酸化物イオン伝導性だけでは、酸化物イオンの流れを電気的に補償する電子が流れないので機能しない。そのため、酸化物イオン伝導性に加えて、ある程度の電子性電気伝導も有する混合伝導性を示す材料が必要となる。
【0056】
本発明の酸化物イオン混合伝導体は、酸化物イオン伝導性と電子性電気伝導のどちらも高いので、ガス分離膜として使用した場合に、単位面積当たりの酸素の流量が増大し、従って酸素分離効率が向上する。また、600 ℃以下の低温でも酸化物イオン混合伝導性を示すので、運転コストが低減できる。
【0057】
このガス分離膜は、酸素ばかりでなく、例えば、水やNOX の分解にも使用できる。水の場合、分離膜の表面で酸素イオンと水素に分解すると、膜の両側で酸素イオン濃度に差ができ、これが駆動力となって酸化物イオンの流れができ、水素は流れずに残るので、水から水素を製造することができる。NOX の場合も、分解してNOX が無害化され、窒素と酸素に分離される。
【0058】
【実施例】
(実施例1)
Nd2O3 、CaCO3 、Ga2O3 、およびCoO の各粉末 (いずれも純度は99%以上) を、Nd0.9Ca0.1Ga0.9Co0.1O3を生ずる割合で配合し、十分に混合した後、1000℃で6時間予備焼成した。この予備焼成した混合物を粉砕し、静水圧プレスにより厚み0.5 mm、直径15 mm のディスク状に圧縮成形し、成形体を1400℃で6時間焼成して焼結させた。得られた焼結体の結晶構造をX線回折により調べたところ、ペロブスカイト型結晶構造を示し、別の相は認められなかった。
【0059】
得られたNd0.9Ca0.1Ga0.9Co0.1O3焼結体の電気伝導性を、ディスク形の焼結体から切断した直方体試料に、電極となる白金ペーストを塗布した後、白金線を接続して 950〜1200℃で10〜60分間焼き付け、任意の酸素分圧と温度に調整可能な装置内で、直流四端子または交流二端子法で抵抗値を測定することにより求めた。酸素分圧の調整は、O2−N2、CO−CO2 、H2−H2O 混合ガスを用いて行い、酸素分圧はYSZ 酸素センサーにより測定した。
【0060】
測定結果は図1および図3に示した通りである。図1に示す他のペロブスカイト型4元系複合酸化物の焼結体も上と同様にして調製した。図1は酸素分圧を一定 (10-5 atm) で、温度を変化させた場合の電気伝導率を示し、図3は温度が一定 (950 ℃) で、酸素分圧を変化させた場合の電気伝導率を示す。
【0061】
上記のNd0.9Ca0.1Ga0.9Co0.1O3焼結体のイオン輸率を、仕切りにより試料の両端の雰囲気の一方は酸素、他方は水素にして、酸素濃淡電池であるH2−O2電池を作製し、この電池の起電力を測定すると共に、同条件の理論起電力をネルンスト式から求め、起電力の測定値/理論値の比として求めた。測定結果は図2に示した通りである。
【0062】
既に説明したように、本実施例で得られた上記組成の焼結体が優れた酸化物イオン混合伝導体であることは図1〜図3より明らかである。
【0063】
(実施例2)
実施例1と同様にして、Nd0.9Ca0.1Ga0.85Co0.15O3の焼結体からなる酸化物イオン混合伝導体を作製した。この複合酸化物の電気伝導度の温度変化 (アレニウスプロット、酸素分圧10-5 atm) を、実施例1の材料のプロットと一緒に図8に示す。高温側では実施例1の材料より電気伝導性が高く、低温側では実施例1とほぼ同じ電気伝導性を示すことがわかる。なお、この実施例2の材料のイオン輸率の温度変化は図2に示されている。
【0064】
(実施例3)
実施例1と同様にして、A0.9 Ca0.1 Ga0.9 0.13 なる組成で、AとBの金属原子を変更した焼結体からなる酸化物イオン混合伝導体を作製し、その電気伝導率を測定した。酸素分圧10-5 atm、800 ℃での伝導率 (σ/Scm-1) は次の通りであった。
【0065】
Figure 0004374631
(実施例4)
実施例1と同様の方法で、Nd1-X CaX Ga0.9Co0.1O3 (式中、x=0.05、0.1 、0.15、0.2 、0.25または0.3)の焼結体から成る酸化物イオン混合伝導体を作製した。これらの複合酸化物の900 ℃における電気伝導率 (酸素分圧10-5atm)とイオン輸率を図4(a) および(b) に示す。
【0066】
(実施例5)
実施例1と同様の方法で、Nd0.9 Ca0.1Ga1-yCoy O3 (式中、y=0.05、0.1 、0.15、0.2 、0.25または0.3)の焼結体から成る酸化物イオン混合伝導体を作製した。これらの複合酸化物の900 ℃、酸素分圧10-5atm における電気伝導度を図5(a) に示す。また、イオン輸率の温度変化の様子を図5(b) に示す。
【0067】
【発明の効果】
正孔による電子性電気伝導と酸化物イオンによるイオン性電気伝導の両方を示す本発明に係る酸化物イオン混合伝導体は、600 ℃以下から1000℃以上に及ぶ広い温度範囲で大きく変動せずに常に高い電気伝導率を示し、この温度範囲でイオン輸率が常に0.5 付近にあるという、酸化物イオン混合伝導体にとって理想的な伝導特性を示す。
【0068】
この酸化物イオン混合伝導体は、従来にない優れた電子−酸化物イオン混合伝導性を示し、特に酸化性雰囲気では正孔による電子性電気伝導が高まるので、固体酸化物型燃料電池の空気極に有用であり、それによりこの燃料電池の出力特性が改善される。また、この材料は、空気分離膜等のガス分離膜としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のペロブスカイト型4元系複合酸化物からなる酸化物イオン混合伝導体と類似材料の酸素分圧10-5atm で測定した電気伝導率の温度による変化を示すグラフである。
【図2】本発明のペロブスカイト型4元系複合酸化物からなる酸化物イオン混合伝導体と類似材料のイオン輸率の温度による変化を示すグラフである。
【図3】本発明の酸化物イオン混合伝導体の950 ℃で測定した電気伝導率の酸素分圧による変化を示すグラフである。
【図4】本発明の4元系複合酸化物からなる酸化物イオン混合伝導体のAサイトドーパントであるCaの原子比 (x値) と電気伝導率 (900 ℃, Po2 =10-5atm)との関係を示すグラフ(a) およびイオン輸率(900℃) との関係を示すグラフ(b) である。
【図5】本発明の4元系複合酸化物からなる酸化物イオン混合伝導体のBサイトドーパントであるCoの原子比 (y値) と電気伝導率 (900 ℃, Po2 =10-5atm)との関係を示すグラフ(a) およびさまざまな温度におけるイオン輸率との関係を示すグラフ(b) である。
【図6】表面凹凸を設けた固体酸化物型燃料電池のセル構造の模式的断面図である。
【図7】上記セル構造の電解質層と空気極の界面を示す説明図である。
【図8】本発明の別の4元系複合酸化物からなる酸化物イオン混合伝導体の電気伝導性の温度変化を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 一般式:A1-x Cax Ga1-y y z で示される組成を持つペロブスカイト型酸化物イオン混合伝導体。式中、AはNd、Pr、Sm、Ce、EuおよびGdから選ばれた1種もしくは2種以上のランタノイド金属であり、BはCo、Fe、Ni、Cuの1種もしくは2種以上であり、xは0.05〜0.3、yは0.05〜0.3、zは2.7〜3である。
  2. AがNd、BがCoであり、xが0.05〜0.2 、yが0.08〜0.2 である、請求項1記載の酸化物イオン混合伝導体。
  3. 空気極に請求項1または2記載の酸化物イオン混合伝導体を含む、固体酸化物型燃料電池。
  4. 請求項1または2記載の酸化物イオン混合伝導体からなるガス分離膜。
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