JP2005216760A - 燃料電池セル及びその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 LSGM系組成物からなる固体電解質を用い、初期において高い出力密度を得ることができるとともに、長期に亘って高い出力密度を維持できる固体電解質型燃料電池セル及びその製法を提供する。
【解決手段】 (La,Sr)(Ga,Mg)O系組成物からなる固体電解質1の片側に酸素極層2、他側に燃料極層3を設けてなる固体電解質型燃料電池セルにおいて、固体電解質1と、酸素極層2及び/又は燃料極層3との間に、La及びCeを含む酸化物からなる反応防止層4を形成するとともに、固体電解質1と、反応防止層4と、酸素極層2及び/又は燃料極層3とを同時焼成してなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固体電解質層の一方の面に燃料極層、他方の面に燃料極層を形成してなる燃料電池セル及びその製法に関するものである。
平板型燃料電池は、一般に、図2に示されているような概略構造を有している。即ち、この平板型燃料電池では、平板型燃料電池セル10が複数設けられており、複数の平板型燃料電池セル10間には、セパレータ5が配置されている。また、各燃料電池セル10の周辺は、ガスケット20でシールされている。
複数の平板型燃料電池セル10の一方側には、給気側マニホールド13が設けられ、他方側には排気側マニホールド14が設けられ、各セパレータ5には、一方の面にガス流路18aとなる凹部が形成され、他方の面には、ガス流路18bとなる凹部が形成されている。ガス流路18aとガス流路18bとは、互いに直交する方向に延びており、ガス流路18a及びガス流路18bには、互いに異なるガス(燃料ガス或いは酸素含有ガス)が流れるようになっている。
給気側マニホールド12には、給気側ガス配管13が接続され、この配管13から給気側マニホールド12内に形成されている給気側ガス室19に酸素含有ガス(例えば空気)が導入され、複数の平板型燃料電池セル10間のセパレータ5の給気側に形成されたガス導入口17を介してガス流路18aに酸素含有ガスが導かれるようになっている。
また、排気側マニホールド14には排気ガスを集めるための排気側ガス室16が形成され、さらに排気されたガスを燃料電池外に排出するための排気側ガス配管15が接続されている。即ち、ガス流路18a内に導入された酸素含有ガスは、ガス排出口11及び排気側ガス室16を介して排気側ガス配管15から排気されるようになっている。
さらに、図示されていないが、上記のガス流路18aと直交する方向に延びているガス流路18bの両端には、ガス流路18aと同様、給気側ガス配管が接続された給気側マニホールドと、排気側ガス配管が接続された排気側マニホールドが設けられており、燃料ガス(水素ガス)がガス流路18bに導入され且つ排気されるようになっている。即ち、燃料ガスが、酸素含有ガスと直交する方向に流れるように構成されている。
上記のような平板型燃料電池において、図3(a)の断面図及び図3(b)の断面斜視図に示されているように、平板型燃料電池セル10は、固体電解質層1の一方の面に酸素極層2が積層され、他方の面には、燃料極層3が積層されており、平板型燃料電池10はセパレータ5と交互に積層されている。
図2及び図3から明らかな通り、酸素含有ガスが流れるガス流路18aと接する側には酸素極層2が配置され、燃料ガスが流れるガス流路18bと接する側には、燃料極層3が配置された構造となっている。即ち、ガス流路18aに酸素含有ガスを流し、且つガス流路18bに燃料ガス(水素)を流し、所定の作動温度まで加熱することにより、酸素極層2及び燃料極層3で、下記式(1)、(2)で表される電極反応を生じることによって発電する。
酸素極層2: 1/2O+2e → O2−(固体電解質) …(1)
燃料極層3: O2−(固体電解質)+H → HO+2e …(2)
上記のような燃料電池セルを製造する方法として、近年ではセルの製造工程を簡略化し且つ製造コストを低減するために、各構成材料のうち少なくとも2つを同時焼成する、いわゆる共焼結法が提案されている。この共焼結法は、例えば、平板状の固体電解質用成形体に酸素極層用成形体及び燃料極層用成形体を貼り付けて同時焼成を行い、その後電極層表面にセパレータを接合する方法である。
ところで、固体電解質形燃料電池に用いる固体電解質としては、ジルコニア(ZrO)にイットリア(Y)を加えた部分安定化ジルコニア(YSZ)が知られている。部分安定化ジルコニアは耐熱性に優れている上、酸素雰囲気から水素雰囲気までの全ての雰囲気下で酸化物イオン伝導が支配的であって、酸素分圧が低下しても、イオン輸率(酸化物イオンが電荷を運ぶ割合)が1から低下しないという特長がある。しかし、部分安定化ジルコニア(YSZ)は高いイオン伝導性を得るためには、900〜1050℃と作動温度を高くする必要がある。換言すると、固体電解質としての部分安定化ジルコニアには、温度が低くなると酸素イオン伝導性が急激に低下するという欠点がある。
近年、安定化ジルコニアよりも高い酸素イオン伝導性が得られる物質として、ランタンガリウムペロブスカイト型複合酸化物(La,Sr)(Ga,Mg)O(以下LSGMと略す)が注目されており、多くの研究が行われている。
このLSGM焼結体は、低温でも酸素イオン伝導性の低下が少ない物質で、LaやGaの一部が、それより低原子価のSrやMg等に、置換固溶により置き代わったものであり、これにより、焼結体の酸素イオン伝導性が大きくなるという性質を有する。この材料は安定性に優れ、現在では最も優れた酸化物イオン伝導体と考えられている(特許文献1参照)。
しかしながら、LSGMは反応性が高いため、これを固体電解質として用いた場合、焼結の際に、電極構成成分と、固体電解質層の構成成分(特にLa)とが固相内相互拡散し、その結果、電極層と固体電解質層との界面に絶縁抵抗の高い絶縁層が生成されてしまい、分極値およびセル構成成分の実抵抗値が高くなり、燃料電池セルの初期における発電性能が低いという問題があった。
即ち、LSGMからなる固体電解質層用成形体と、例えばNi、ZrOを含有する燃料極層とを焼結すると、燃料極の構成成分であるNi、Zrと、固体電解質の構成成分であるLaとが固相内相互拡散し、燃料極層と固体電解質層との界面に、絶縁抵抗の高いLaNiO、LaNiO、LaZr等からなる絶縁層が生成され、分極値が高くなってしまう。また、固体電解質層では構成成分であるLaが減少したことにより、SrLaGa等の絶縁体が固体電解質層中に形成され、セルの実抵抗値が高くなってしまうのである。
そのため、燃料極層と固体電解質層との間に反応防止層を設けて固相内相互拡散を防止することが知られている(非特許文献1参照)。
特開平10−114520号公報 J. Electrochem. Soc. 148. A788. 2001
ところで、従来の固体電解質型燃料電池セルでは、例えば、平板状の固体電解質層1が始めに単独で、1450℃〜1600℃、3〜10時間の条件で焼成される。その後、反応防止層4、燃料極層3が1200℃〜1350℃で焼き付けられ、最後に、酸素極層2が900〜1200℃で焼き付けられる。このように、従来の固体電解質型燃料電池セルは、同時焼成をしないことでNi、Laの拡散を遮断又は抑制する構造となっている。例えば非特許文献1に開示されている方法では、固体電解質層と燃料極層とを同時に焼成できない。
従って本発明の目的は、固体電解質としてランタンガリウムペロブスカイト型複合酸化物を用い、初期において高い発電性能を得ることができるとともに、長期に亘って高い発電性能を維持でき、且つ共焼結法(同時焼成法)により安価に製造することが可能なる固体電解質形燃料電池セル及びその製法を提供することにある。
本発明によれば、(La,Sr)(Ga,Mg)O系ペロブスカイト型複合酸化物からなる固体電解質層の一方の面に酸素極層、他方の面に燃料極層を設けてなる燃料電池セルにおいて、
前記固体電解質層と、前記酸素極層及び/又は前記燃料極層との間に、La及びCeを含む酸化物からなる反応防止層が設けられ、前記固体電解質層と、前記反応防止層と、前記燃料極層及び/又は前記酸素極層とは同時焼成により形成されていることを特徴とする燃料電池セルが提供される。
本発明によれば、また、(La,Sr)(Ga,Mg)O系ペロブスカイト型複合酸化物の粉末を含有する固体電解質層用成形体、燃料極層用成形体及び酸素極層用成形体を焼成に付することにより、固体電解質層の一方の面に酸素極層、他方の面に燃料極層を設けてなる燃料電池セルを製造する方法において、
前記固体電解質層用成形体と燃料極層用成形体または該固体電解質層用成形体と酸素極層用成形体とを含み、該固体電解質層用成形体と燃料極層用成形体との間または該固体電解質層用成形体と酸素極層用成形体の間に、La及びCeを含む酸化物の粉末を含有する反応防止層成形体を有する積層成形体を作製する工程、及び
前記積層成形体を焼成する工程、
を具備することを特徴とする燃料電池セルの製法が提供される。
本発明の燃料電池セルでは、固体電解質層と、反応防止層と、酸素極層及び/又は燃料極層とを同時焼成により形成することができる。即ち、同時焼成時(共焼結時)に、電極層から固体電解質層に拡散しようとする元素(Ni、Zr等)や、固体電解質層から電極層に拡散しようとする電解質材料(La、Sr、Ga、Mg等)を、La及びCeを含む酸化物からなる反応防止層により遮断又は抑制できるため、同時焼成に際しての元素拡散による不都合を有効に回避できる。
例えば、燃料極層がNiやZrを含有する場合、この燃料極層と、(La,Sr)(Ga,Mg)O複合酸化物からなる固体電解質層とを同時焼成するとき、燃料極層から固体電解質層に拡散しようとするNiやZr、固体電解質層から燃料極層に拡散しようとするLa、Sr、Ga、Mgを遮断又は抑制できる。特に、Zr、Laは拡散し易いが、本発明では、これらの元素の拡散を有効に遮断又は抑制することができる。これにより、電極層と固体電解質層間における絶縁層の形成を防止でき、分極値およびセル構成成分の実抵抗値を低くすることができ、燃料電池セルにおける初期の出力密度を高くできるとともに、高い出力密度を長期間に亘って維持できる。この場合、反応防止層を形成しているLa及びCeを含む酸化物は、イオン伝導性と電子伝導性を有する混合導電体であるため、固体電解質層と電極層との間に存在していても、分極値や実抵抗値を大きく高めることがない。
本発明の燃料電池セルにおいては、燃料極層が、Ni及び/又はNiOを主成分とし、Y,Lu,Yb,Tm,Er,Ho,Dy,Gd,Sm及びPrからなる群より選択された少なくとも1種の希土類元素とCeとを含む酸化物を含有することが好ましい。このような燃料電池セルでは、低温で拡散し易いZrを燃料極層中に含有していないため、LaZrからなる絶縁層の形成を確実に防止でき、分極値およびセル構成成分の実抵抗値をさらに低くできる。
また、反応防止層が、Laが固溶したCe酸化物又はCeが固溶したLa酸化物から形成されていることが好ましく、このような酸化物は、下記式:
(CeO1−x(LaO1.5
式中、xは、0.1≦x≦0.6の数である、
で表される組成を有していることが特に好ましい。即ち、反応防止層中に安定したLaが存在しているため、Laが反応防止層に拡散できず、固体電解質層から電極層(燃料極層または酸素極層)に拡散しようとする拡散種のLaの遮断または抑制効果が極めて高い。
さらに、固体電解質層の厚み(A)が50μm以下であり、反応防止層の厚み(C)が1〜25μmであることが好ましい。このような燃料電池セルでは、固体電解質の実抵抗値を低く、反応防止層の分極抵抗値を低くすることができるため、高い出力密度を得ることができる。
さらには、固体電解質層の厚み(A)と燃料極層の厚み(B)との比A/Bが0.05<A/B<1であることが好適である。このような燃料電池セルでは、セル構成部材の中で最も実抵抗値が低い燃料極層を支持体にできるため、高い出力密度を得ることができる。
本発明の燃料電池セルの製法によれば、La及びCeを含む酸化物からなる反応防止層を用いているため、積層成形体を焼成しても、反応防止層により、電極層用成形体(酸素極層用成形体或いは燃料極層用成形体)から固体電解質層に拡散しようとする元素や、固体電解質層用成形体から電極層用成形体に拡散しようとするLa等を遮断又は抑制できる。さらには、このような元素拡散が有効に抑制されるため、電極層用成形体と固体電解質用成形体とを同時焼成でき、製造工程の短縮及び製造コストの低減を図ることができる。
本発明の製法においては、固体電解質層原料である(La,Sr)(Ga,Mg)O系ペロブスカイト型複合酸化物の粉末が、液相法で作製された粉末であって、0.5〜1.5μmの平均粒径(D50)を有していることが好ましい。このような固体電解質層原料粉末は、低温で焼結させることが可能であるため、拡散し易いNi、Laの拡散を抑えることができる。
また、反応防止層原料であるLa及びCeを含む酸化物として、Laが固溶したCe酸化物またはCeが固溶したLa酸化物であり、0.2〜0.9μmの平均粒径(D50)を有している粉末を用いることが望ましい。これにより、積層成形体を強固に接着できるため、焼成後に剥離がなく、また、低温で焼成しても、緻密な積層焼結体ができる。
さらに、前記固体電解質層用成形体の粉体濃度が51〜70%であることが好適である。固体電解質成形体の粉体濃度が高いことで、ネック成長が起こりやすく、その結果、低温で焼成しても緻密な焼結体を得ることができる。
本発明を、以下、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
本発明の固体電解質型燃料電池セルを示す図1において((a)は側断面図であり、(b)は断面斜視図である)、この燃料電池セルは、固体電解質層1の一方の表面に酸素極層2が設けられ、他方の表面には、反応防止層4を介して燃料極層3が設けられている。尚、反応防止層4は、固体電解質層1と燃料極層3との間と、固体電解質層1と酸素極層2との間との両方に設けることもできる。
(固体電解質層1)
固体電解質層1は、(La,Sr)(Ga,Mg)O系ペロブスカイト型複合酸化物の焼結体により形成されている。この焼結体は、ABO型酸化物であり、AサイトのLaの一部及びBサイトのGaの一部が、それより低原子価のSrやMg等に、置換固溶により置き代わったものであり、既に述べたように、低温でも酸素イオン伝導性の低下が少ないという性質を有している。従って、このような複合酸化物の焼結体により固体電解質層1を形成することにより、作動温度を低くすることができ、例えば作動温度を600乃至850℃程度とすることができる。
本発明においては、特にLaをSrで10〜20原子%、GaをMgで10〜20原子%置換したランタンガレートLaGaOが好適に使用される。また、伝導度を高めるために、BサイトのGaの1〜20原子%が、さらにCo、Fe、Ni、Cu等で置換されていてもよい。また、強度を高めるために、固体電解質層1には、上記の複合酸化物に加えて、Al、MgO、Si、SiC等の微粉末が2.1質量%以下の量で含有されていてもよい。
また、この固体電解質層1を形成する上記複合酸化物の焼結体は、ガスのリークを防止するという点から、相対密度(アルキメデス法による)が93%以上、特に97%以上の緻密質であることが望ましい。
さらに、固体電解質1の厚み(A)は、50μm以下であることが望ましい。これにより、セル構成成分の実抵抗値を低くできるからである。特に、厚み(A)が1〜30μmであると、実抵抗値を大幅に低くすることができ、高出力を得ることができる。
(酸素極層2)
酸素含有ガスと接する酸素極層2は、前述した式(1)の電極反応を生じさせるものであり、通常、ABO型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成される。かかるペロブスカイト型酸化物としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにLaを有するLaMnO系酸化物、LaFeO系酸化物、LaCoO系酸化物の少なくとも1種が好適であり、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaFeO系酸化物が特に好適であり、例えばLaの10〜40原子%をSrで、Feの5〜60原子%をCoで置換したLaFeOが好適に用いられる。
また、酸素極層2は、ガス透過性を有していなければならず、従って、上記の導電性セラミックス(ペロブスカイト型酸化物)は、開気孔率が20%以上、特に30乃至50%の範囲にあることが望ましい。また、酸素極層2の厚みは、集電性という点から30〜100μmであることが望ましい。
(燃料極層3)
燃料ガスと接する燃料極層3は、前述した式(2)の電極反応を生じせしめるものであり、それ自体公知の多孔質の導電性セラミックスから形成されるが、本発明においては、Ni及び/又はNiOを主成分とし、Y,Lu,Yb,Tm,Er,Ho,Dy,Gd,Sm,Prからなる群より選択された少なくとも1種の希土類元素とCeとを含む酸化物を含有していることが望ましい。即ち、このような燃料極層3は、より低温で固体電解質層1に拡散し易いZrを含有していないため、Zrの拡散によるLaZrからなる絶縁層の形成を防止でき、分極値およびセル構成成分の実抵抗値を低くできる。
また、上記の希土類元素の中では、Sm及びYが好適であり、燃料極層3中には、Ni及び/又はNiOを60〜30体積%、Sm及び/又はYの希土類元素とCeとを含む酸化物を40〜70体積%含有していることが、所望の導電率を確保し、燃料極層3の熱膨張係数を固体電解質層1の熱膨張係数に近づけ、クラックの発生や剥離を防止する上で特に好適である。例えば、Ni及び/又はNiOが燃料極層3中に60体積%より多く存在すると、熱膨張係数が大きくなり(13.7×10−6以上)、固体電解質層1との熱膨張差によって、後述する焼成時や作動時に、クラックや剥離を生じ易くなってしまう。また、燃料極層のNi及び/又はNiOが30体積%より少ないと、燃料極層の導電率が低下してしまう。
さらに、燃料極層3の厚み(B)は、固体電解質1の厚み(A)と燃料極層3の厚み(B)との比(A/B)が0.05<A/B<1の範囲となるように設定されていることが望ましい。これにより、セル構成部材の中で最も実抵抗値が低い燃料極層3を支持体にできるため、高い出力密度を得ることができる構造となる。特に、固体電解質1と燃料極層3の熱膨張差による剥離やクラックを防止するためには、上記厚み比(A/B)が0.1<A/B<0.5であることが望ましい。
さらに、燃料ガス透過性を確保するため、この燃料極層3の開気孔率は、20%以上、特に30乃至50%の範囲にあるのがよい。
(反応防止層4)
反応防止層4は、固体電解質層1と燃料極層3との間、固体電解質層1と酸素極層2との間、或いは固体電解質層1と燃料極層3及び酸素極層2の両方との間に設けられるものであり(図1では、固体電解質層1と燃料極層3との間に設けられている)、La及びCeを含む酸化物、例えばLaが固溶したCe酸化物又はCeが固溶したLa酸化物から形成されている。勿論、Laが固溶したCe酸化物とCeが固溶したLa酸化物との混合物から形成されていてもよい。即ち、この反応防止層4には、安定な形でLaが存在しているため、このような反応防止層4を設けることにより、固体電解質層1から燃料極層3或いは酸素極層2へのLaの拡散を遮断もしくは抑制することができ、固体電解質層1と燃料極層3或いは酸素極層2とを同時焼成により形成することができるのである。
上記のLaが固溶したCe酸化物或いはCeが固溶したLa酸化物は、例えば下記式:
(CeO1−x(LaO1.5
式中、xは、0.1≦x≦0.6、特に0.2≦x≦0.5の数である、
で表される組成を有していることが好ましい。即ち、このような組成を有するLa−Ce酸化物は、Niに対する拡散抑止機能が高く、特に上記式中のxが0.2≦x≦0.5の範囲にあるLa−Ce酸化物は、反応防止層4の熱膨脹係数を他のセル構成部材である酸素極層2や固体電解質層1の値に近づけることができるため、熱膨張差に起因するクラックの発生や剥離を抑制することができる。
また、反応防止層4の厚み(C)は、1〜25μmであることが望ましい。これにより、燃料極層3から固体電解質1に拡散しようとするNi、固体電解質1から燃料極層3に拡散しようとするLa等を遮断または抑制することができる。特に反応防止層4の厚み(C)は、拡散種であるNi及びLaを遮断または抑制することができ、セル構成成分の実抵抗値を低く抑えることができるという点から、5〜20μmであることが望ましい。
尚、このような反応防止層4は、上記のような元素拡散遮断機能を十分に示すと同時に電極反応を阻害しないために、相対密度が93%以上の緻密な焼結体で形成されていることが好ましい。また、反応防止層4は、イオン導電性と電子伝導性を有する混合導電体であるため、燃料電池セルに殆ど影響を与えることがない。
(燃料電池セルの製造)
本発明において、上述した燃料電池セルは、固体電解質層1と燃料極層3或いは酸素極層2とを、両者の間の反応防止層4と共に同時焼成することにより製造される。
即ち、図1に示す構造の燃料電池セルは、例えば固体電解質層用成形体と反応防止層用成形体と燃料極層成形体とからなる積層成形体を焼成し、固体電解質層1と反応防止層4と燃料極層3とを備えた積層焼結体を作製し、この積層焼結体の固体電解質層1上に酸素極層2を形成することにより製造される。
固体電解質層用成形体は、固体電解質原料粉末、例えば(La1−xSr)(Ga1−yMg)O(x、yが所定値)のランタンガレート粉末に、必要によりAl等の補強用のフィラー微粉末を加え、これに、トルエン等の溶媒、バインダー、市販の分散剤を加えてスラリー化したものをドクターブレード等の方法により所定の厚みの例えば、1〜50μmの厚さに成形してシート状の成形体とすることにより作製できる。
この場合、固体電解質原料粉末は、液相法で作製された原料粉末であって、その体積基準の平均粒径(D50)が0.5〜1.5μm、特に0.6〜1.2μmの範囲にあることが、より低温で焼結させ、拡散し易いNi、Laの拡散を抑えるという点で好適である。例えば、固体電解質原料粉末が、ペチニ法等の液相法で作製されたものであると、不純物量が少なく、合成率が非常に高い。その結果、1200〜1450℃の低温で焼成しても、固体電解質層を相対密度98%以上の緻密体にすることができる。
また、固体電解質用成形体の粉体濃度は51〜70%、特に55〜70%であることが好ましい。このような粉体濃度の成形体では、焼結過程で、ネック成長が起こり易く、その結果、低温で焼結することが可能となり、相対密度98%以上の緻密体にすることができる。
また、燃料極層用成形体は、例えば所定の調合組成に従い、NiO、(CeO1−x(SmO1.5等の素原料を秤量し、混合した混合粉末に、バインダーを混合し一軸加圧成形法により平板状に成形し、さらに脱バインダー処理し、900〜1000℃で仮焼を行うことにより作成することができる。この場合、仮焼しないでも所定の強度を有するならば、仮焼を行わずともよい。
尚、固体電解質層用成形体と燃料極層用成形体との焼成収縮率の差が3%以下となるように調整されていることが好ましい。これにより、焼成時の積層体の反りや、剥離、割れが減少し、歩留まりが向上するからである。収縮率の差を小さくするには、例えばシート状の固体電解質成形体の密度を高くすることで、所望の焼成温度での固体電解質成形体の収縮挙動を燃料極層用成形体の収縮挙動に近似させるように調整する。
反応防止層用成形体は、例えば前述したLa−Ce酸化物の粉末(或いは焼成により所定の組成のLa−Ce酸化物が形成されるようなLa粉末とCeO粉末との混合粉末)を原料粉末とし、この粉末を、トルエン等の溶媒を添加し、反応防止層用のペーストを作製し、このペーストを、上記で作製された平板状の燃料極層用成形体(例えば仮焼体)の表面に、所定厚みで塗布することにより作製することができる。
この場合、原料粉末は、ボールミル等により、体積基準の平均粒径(D50)が0.2〜0.9μm、特に0.3〜0.8μmとなるように粒度調整されていることが好ましい。このように粒度調整された原料粉末を用いて反応防止層用成形体を作製することにより、この反応防止層用成形体を介して燃料極層用成形体と固体電解質層用成形体とが強固に接着された積層成形体を得ることができ、その結果、焼成後に剥離がなく、且つ緻密な積層焼結体ができる。
以上のようにして作製された固体電解質層用成形体、反応防止層用成形体及び燃料極層用成形体を、反応層防止用成形体が位置するように重ねて積層成形体が作製される。例えば、燃料極層用成形体(燃料極層仮焼体)上に形成された反応防止層用成形体の上に、固体電解質層用成形体を貼り付けて積層成形体を作製することができる。
上記で得られた積層成形体を、脱バインダーし、続いて焼成を行うことにより、固体電解質層1と反応防止層4と燃料極層3とを備えた積層焼結体を得ることができる。
脱バインダーは、例えば、大気中で200〜300℃の温度で2〜10時間、特に2〜5時間かけて行われる。
脱バインダーに引き続いての(3層同時焼成)は、1200℃〜1450℃、特に1200℃〜1400℃の温度で、1〜4時間、特に1〜3時間で行うことが望ましい。即ち、Ni、La等の元素の拡散は、焼成温度、保持時間にも影響するため、焼成温度をできるだけ低下させ、焼成時間をできるだけ短くすることにより、さらに拡散量を減少できる。
次に酸素極層用成形体を作製し、この酸素極層用成形体を上記の積層焼結体に形成されている固体電解質層1上に焼き付けることにより酸素極層2を形成することにより、図1に示す構造の燃料電池セルを得ることができる。
このような酸素極層用成形体は、例えば、LaSrCoFeO粉体等の酸素極用酸化物粉末に、トルエン、バインダーを加えてスラリー化し、固体電解質層用成形体と同様にして、所定厚みのシート状に成形することにより作製される。この酸素極層用成形体を、積層焼結体の固体電解質層1上(燃料極層3が形成されている側とは反対の面)に積層し、焼き付けることにより、酸素極層2が形成される。この場合、酸素極層用ペーストを作製し、このペーストを積層焼結体の固体電解質層1表面に塗布することにより、酸素極層用成形体を固体電解質層1上に直接作製することもできる。また、焼付けは、900〜1200℃程度でよい。
尚、上記例では、燃料極層用成形体と固体電解質層用成形体との間に反応防止層用成形体を有する積層成形体を作製したが、目的とする燃料電池セルの構造に応じて、酸素極層用成形体と固体電解質層用成形体との間に反応防止層用成形体を設けた積層成形体を作製し、或いは固体電解質層用成形体の両面に反応防止層用成形体を設け、各反応防止層用成形体上に燃料極層用成形体、酸素極層用成形体が設けられた積層成形体を作製することもでき、全ての成形体について一括で焼成を行うことにより、目的とする構造の燃料電池セルを製造することもできる。
上述した方法によれば、元素拡散が有効に防止され、性能低下のない燃料電池セルを、同時焼成を利用して製造することができる。また、反応防止層4は、固体電解質層1と熱膨張係数がセル構成部材に近い材料で形成されるため、製造中におけるセルの破損や発電中における昇温冷却によって生じる破損を防止できる。
このようにして得られた燃料電池セルは、例えば図1に示されているように、その燃料極層3の面に、ガス流路18aを有するセパレータ5を接着し、また酸素極層2の面には、ガス流路18bを有するセパレータ5を、ガス流路18aとガス流路18bとが直交するように接着し、図2に示すように組み立てて燃料電池としての使用に供される。
セパレータ5は、ガスリークを防止し且つ集電性能を持たせるために、例えば相対密度が95%以上の緻密な導電性セラミックで形成するのがよい。セパレータ5は、燃料ガス(水素)及び酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、一般にランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)から形成される。またセパレータ5の接着強度を高めるために、主成分が反応防止層材料である接着層を酸素極層2や燃料極層3の表面に形成しておくこともできる。
尚、上記の説明では、平板型構造の燃料電池セルを例にとって説明したが、従来公知の電極層支持型円筒型燃料電池セルや、内部にガス通過孔が形成された電極層支持型中空平板型燃料電池セルに、本発明を適用し得ることは当然である。
(実験例)
平板状の固体電解質型燃料電池セルを共焼結法(同時焼成法)により作製するため、まず平板状の燃料極層仮焼体を以下の手順で作製した。
市販の純度99.9%以上で平均粒径が0.5μmのNiOを出発原料として、NiO粉末に対し、平均粒径が0.6μmのSm及び/又はYを15モル%の割合で含有するCeO粉末(以下SDC/YDCと呼ぶ)を準備した。還元後における体積比率を表1、2に示す量になるように調合し、粉砕混合処理を行い、この混合粉末100質量部に対して3質量部のバインダーを添加した。これを用いて、表1、2に示す厚みの比になるように燃料極層厚みBを調整して、一軸加圧成形後、300℃の条件で脱脂、1000℃で仮焼し、燃料極層仮焼体を作製した。
また、イソプロピルアルコール(IPA)を溶剤、直径3mmのZrOボールをメディアとして、市販の純度99.9%以上のLaが、表1、2に示す量だけ固溶したCeO粉末を、24時間振動ミルを用いて湿式粉砕し、レーザ回折散乱法により測定した平均粒径(D50)が0.1〜0.8μmの反応防止層用粉末を調製した。この粉末に、トルエン、有機バインダー、分散剤を添加して反応防止層用ペーストを調製した。
さらに、IPAを溶剤、直径3mmのZrOボールをメディアとして、市販の純度99.9%以上のLSGM粉末((La0.9Sr0.1)(Ga0.8Mg0.2)O)を、24時間振動ミルを用いて湿式粉砕し、レーザ回折散乱法により測定した平均粒径(D50)が0.5〜1μmの固体電解質用粉末を調製した。この粉末に、トルエン、有機バインダー、分散剤を添加してスラリーを調製し、ドクターブレード法により、焼成後に表1、2に示す厚さとなるようにシート状の固体電解質層用成形体を作製した。
また、市販の純度99.9%以上のLa、SrCO、CoO、Feを出発原料として、これをLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8の組成になるように秤量混合した後、1000℃で3時間仮焼粉砕し、酸素極層用粉末を調製した。この粉末にトルエン、有機バインダー、分散剤を加えて酸素極層用ペーストを調製した。
また、市販のLaが40モル%固溶したCeO粉末と、上記に示したSDC又はYDC粉末とを、重量比で50%ずつの割合で混合し、有機バインダーを添加して燃料極層接着層用のペーストを調製した。
さらに、同様にして市販のLaが40モル%固溶したCeO粉末と、上記に示したLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8粉末とを、重量比で50%ずつの割合で混合し、有機バインダーを添加して酸素極層接着層用のペーストを調製した。
まず、前記燃料極層仮焼体上に、スクリーン印刷法により、焼成後に表1に示す厚さとなるように反応防止層用ペーストを塗布し、乾燥させて反応防止層成形体を形成した。この反応防止層成形体上にシート状の固体電解質層用成形体を積層し、大気中において表1、2に示す温度で2時間焼成し、共焼結体を作製した。
比較試料として、燃料極層仮焼体に、反応防止層成形体を積層することなく固体電解質層用成形体を直接積層し、上記と同様にして共焼結体を作製した(試料No.1、17)。尚、試料No.17では、燃料極層仮焼体を、Yを8モル%含有するZrO(YSZ)粉末を35質量%、NiO粉末を65質量%混合して作製した。
上記で作製された共焼結体を用いて、燃料極層内部へのLa拡散量(固体電解質材料中で最も拡散速度が早い元素)、固体電解質層内部へのNi及びZr拡散量を評価した。
評価は、まず、長さ10mm程度に切り出した任意の10個の試料の断面の燃料極層内部において、X線マイクロアナライザ(EPMA)を用い全構成成分の定量を行った。次に、La成分の燃料極層全成分に対する含有濃度(質量%)を平均値として算出した。同様にして、Ni及びZr成分の電解質全成分に対する含有濃度(質量%)を平均値として算出した。その結果を、表1の拡散種含有濃度の欄に燃料極層中のLa量、電解質中のNi及びZr量として記載した。また、試料断面をSEM観察し、燃料極層、反応防止層、固体電解質層の厚みを求めた。
次に、得られた共焼結体の固体電解質焼結体表面に、有効電極面積が0.785cmとなるように、スクリーン印刷法により酸素極層用ペーストを塗布し、乾燥した後、1150℃で2時間の条件で焼き付けた。
最後に、あらかじめ焼結されたセパレータに、片面に燃料極層接着層用ペーストを、他方の面に酸素極層接着層用ペーストを、それぞれ塗布し、900〜1200℃で上記で作製したセルを接着して図1に示すような燃料電池を作製した。この燃料電池について、850℃でセルの酸素極層側に空気を、燃料極層側に水素を流し、出力値が安定した際の初期値と、1000時間保持後の値でそれぞれの性能を任意の10個のセルについて求め、その平均値を記載した。上記La、Ni及びZr量の結果と併せて、これらの測定結果を表1、2に示す。
Figure 2005216760
Figure 2005216760
この表1、2より、本発明の固体電解質型燃料電池セルの試料では、クラック及び界面剥離に伴う歩留り低下が殆ど無く、また燃料極層中のLa量、固体電解質層中のNi及びZr量がいずれも0.01質量%以下となっているため、初期から0.7W/cmを上回り、特に固体電解質層の厚みが50μm以下である場合には、0.82W/cm以上の出力密度が得られ、1000時間経過後も出力密度がほぼ安定していることが判る。また、反応防止層の厚みが薄くなれば、出力密度も向上することが判る。
一方、比較試料のNo.1、17では、反応防止層が形成されていないため、NiとLaが反応してLaNiO、SrLaGa等からなる絶縁層を形成しており、低い出力しか得られなかったことが判る。また、試料No.17では燃料極中のLa量、固体電解質中のZr量が多く、初期における出力密度が低いことが判る。
本発明の固体電解質型燃料電池セルを示す図であり、図1(a)は側断面図であり、図1(b)は断面斜視図である。 従来の固体電解質型燃料電池を示す断面図である。 従来の固体電解質型燃料電池セルを示す図であり、図3(a)は側断面図であり、図3(b)は断面斜視図である。
符号の説明
1・・・固体電解質
2・・・酸素極層
3・・・燃料極層
4・・・反応防止層
5・・・セパレータ

Claims (10)

  1. (La,Sr)(Ga,Mg)O系ペロブスカイト型複合酸化物からなる固体電解質層の一方の面に酸素極層、他方の面に燃料極層を設けてなる燃料電池セルにおいて、
    前記固体電解質層と、前記酸素極層及び/又は前記燃料極層との間に、La及びCeを含む酸化物からなる反応防止層が設けられ、前記固体電解質層と、前記反応防止層と、前記燃料極層及び/又は前記酸素極層とは同時焼成により形成されていることを特徴とする燃料電池セル。
  2. 燃料極層が、Ni及び/又はNiOを主成分とし、Y,Lu,Yb,Tm,Er,Ho,Dy,Gd,Sm及びPrからなる群より選択された少なくとも1種の希土類元素とCeとを含む酸化物を含有する請求項1に記載の燃料電池セル。
  3. 反応防止層が、Laが固溶したCe酸化物又はCeが固溶したLa酸化物から形成されている請求項1または2に記載の燃料電池セル。
  4. 反応防止層が、下記式:
    (CeO1−x(LaO1.5
    式中、xは、0.1≦x≦0.6の数である、
    で表される組成を有する酸化物から形成されている請求項3に記載の燃料電池セル。
  5. 固体電解質層の厚み(A)が50μm以下であり、反応防止層の厚み(C)が1〜25μmである請求項1乃至4のいずれかに記載の燃料電池セル。
  6. 固体電解質層の厚み(A)と燃料極層の厚み(B)との比A/Bが0.05<A/B<1である請求項5に記載の燃料電池セル。
  7. (La,Sr)(Ga,Mg)O系ペロブスカイト型複合酸化物の粉末を含有する固体電解質層用成形体、燃料極層用成形体及び酸素極層用成形体を焼成に付することにより、固体電解質層の一方の面に酸素極層、他方の面に燃料極層を設けてなる燃料電池セルを製造する方法において、
    前記固体電解質層用成形体と燃料極層用成形体または該固体電解質層用成形体と酸素極層用成形体とを含み、該固体電解質層用成形体と燃料極層用成形体との間または該固体電解質層用成形体と酸素極層用成形体との間に、La及びCeを含む酸化物の粉末を含有する反応防止層成形体を有する積層成形体を作製する工程、及び
    前記積層成形体を焼成する工程、
    を具備することを特徴とする燃料電池セルの製法。
  8. (La,Sr)(Ga,Mg)O系ペロブスカイト型複合酸化物の粉末が、液相法で作製された粉末であって、0.5〜1.5μmの平均粒径(D50)を有している請求項7に記載の燃料電池セルの製法。
  9. La及びCeを含む酸化物が、Laが固溶したCe酸化物またはCeが固溶したLa酸化物であり、該酸化物の粉末は0.2〜0.9μmの平均粒径(D50)を有している請求項7または8に記載の燃料電池セルの製法。
  10. 前記固体電解質層用成形体の粉体濃度が51〜70%である請求項7乃至9のいずれかに記載の燃料電池セルの製法。
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