JP2002015756A - 固体酸化物型燃料電池 - Google Patents

固体酸化物型燃料電池

Info

Publication number
JP2002015756A
JP2002015756A JP2000193750A JP2000193750A JP2002015756A JP 2002015756 A JP2002015756 A JP 2002015756A JP 2000193750 A JP2000193750 A JP 2000193750A JP 2000193750 A JP2000193750 A JP 2000193750A JP 2002015756 A JP2002015756 A JP 2002015756A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolyte layer
layer
fuel cell
solid
solid electrolyte
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000193750A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002015756A5 (ja
JP4517466B2 (ja
Inventor
Jun Akikusa
順 秋草
Yoshitaka Tamao
良孝 玉生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2000193750A priority Critical patent/JP4517466B2/ja
Priority to AU54079/01A priority patent/AU5407901A/en
Priority to US09/891,501 priority patent/US7033690B1/en
Priority to EP01114836A priority patent/EP1168478A3/en
Publication of JP2002015756A publication Critical patent/JP2002015756A/ja
Publication of JP2002015756A5 publication Critical patent/JP2002015756A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4517466B2 publication Critical patent/JP4517466B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/10Fuel cells with solid electrolytes
    • H01M8/12Fuel cells with solid electrolytes operating at high temperature, e.g. with stabilised ZrO2 electrolyte
    • H01M8/124Fuel cells with solid electrolytes operating at high temperature, e.g. with stabilised ZrO2 electrolyte characterised by the process of manufacturing or by the material of the electrolyte
    • H01M8/1246Fuel cells with solid electrolytes operating at high temperature, e.g. with stabilised ZrO2 electrolyte characterised by the process of manufacturing or by the material of the electrolyte the electrolyte consisting of oxides
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M2300/00Electrolytes
    • H01M2300/0017Non-aqueous electrolytes
    • H01M2300/0065Solid electrolytes
    • H01M2300/0068Solid electrolytes inorganic
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M2300/00Electrolytes
    • H01M2300/0088Composites
    • H01M2300/0094Composites in the form of layered products, e.g. coatings
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Sustainable Energy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体電解質層の隔壁としての機能を損なうこ
となくそのイオン伝導度を高めて発電効率が改善された
固体酸化物型燃料電池11を構築する。 【解決手段】固体酸化物燃料電池11は、空気極層14
と燃料極層13の間に固体電解質層16が配された積層
構造を有する。固体電解質層16はランタンガレート系
酸化物からなりかつ第2電解質層に比較してイオン輸率
が高い第1電解質層とランタンガレート系酸化物からな
りかつ導電率が第1電解質層に比較して高い第2電解質
層16bとを隣接して形成され、空気極層14は第1電
解質層16aに積層され、燃料極層13が第2電解質層
16bに積層される。それぞれの電解質層がLa1-a a
Ga1-(b+c) b Coc O3 で示される材料からなり、第1
電解質層のコバルト添加量が第2電解質層のコバルト添
加量より小さく、第1電解質層の厚さが固体電解質層の
厚さの1%〜20%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気極層と燃料極
層の間に固体電解質層を配した固体酸化物型燃料電池
(SOFC、固体電解質型燃料電池と呼ぶこともある)に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸化物イオン伝導体からなる固体電解質
層を空気極層と燃料極層との間に挟んだ積層構造を持つ
固体酸化物型燃料電池は、第三世代の発電用燃料電池と
して開発が進んでいる。固体酸化物型燃料電池には、図
9(a)に示すような円筒型と図9(b)に示すような
平板型の2種類がある。図9(a)に示す円筒型の単セ
ルは、例えば、絶縁性多孔質セラミック円筒基体1の周
囲に、空気極層2、固体電解質層3、燃料極層4を順に
密着させて同心状に形成したものからなる。空気極の端
子となる導電性のインタコネクタ5が、空気極2と接触
し、燃料極4とは非接触となる状態で、固体電解質層3
を貫通して形成されている。各層の形成は、溶射法、電
気化学的蒸着法、スリップキャスティング法などにより
実施できる。
【0003】図9(b)に示す平板型の単セルは、固体
電解質層3の片側に空気極層2、反対側に燃料極層4を
設けた積層体からなる。単セル同士を、両面にガス流路
を設けた緻密なインタコネクタ5を介して接続する。平
板型の単セルは、まず固体電解質層をドクターブレード
法、押出法などで形成したグリーンシートの焼結により
形成し、その片面に空気極材料、反対面に燃料極材料を
スラリーから塗布し、順次又は同時に焼結させることに
より形成できる。或いは、固体電解質層と各電極層のグ
リーンシートをまず作製して重ね合わせ、一括焼成によ
り焼結させることもできる。このような湿式法が安価で
あるが、円筒型と同様に、溶射法や電気化学的蒸着法も
採用できる。
【0004】このような固体酸化物型燃料電池では、空
気極側に酸素 (空気) が、燃料極側には燃料ガス
(H2 、CO等) が供給される。空気極と燃料極は、ガ
スが固体電解質との界面に到達することができるよう
に、いずれも多孔質とする。空気極側に供給された酸素
は、空気極層内の気孔を通って固体電解質層との界面近
傍に到達し、この部分で、空気極から電子を受け取っ
て、酸化物イオン (O2-) にイオン化される。この酸化
物イオンは、燃料極の方向に向かって固体電解質層内を
拡散移動する。燃料極との界面近傍に到達した酸化物イ
オンは、この部分で、燃料ガスと反応して反応生成物
(H2O、CO2 等) を生じ、燃料極に電子を放出する。
【0005】固体電解質層は、酸化物イオンの移動媒体
であると同時に、燃料ガスと空気を直接接触させないた
めの隔壁としても機能するので、ガス不透過性の緻密な
構造とする。この固体電解質層は、酸化物イオン伝導性
が高く、空気極側の酸化性雰囲気から燃料極側の還元性
雰囲気までの条件下で化学的に安定で、熱衝撃に強い材
料から構成する必要がある。かかる要件を満たす材料と
して、イットリアを添加した安定化ジルコニア(YS
Z)が、固体電解質材料として一般的に使用されてい
る。しかし、この安定化ジルコニアは、温度が低くなる
とイオン伝導性が不足する不具合があった。例えば、Y
23安定化ジルコニアのイオン伝導度は、1000℃で
は10-1S/cmであるが、500℃では10-4S/c
mに低下するので、このような安定化ジルコニアを固体
電解質層として使用した燃料電池の使用温度は通常10
00℃前後の高温で運転されており、最低でも800℃
以上という高温に制限される不具合がある。
【0006】この点を解消するために、ペロブスカイト
型構造を取る酸化物イオン伝導体が提案されている(特
開平11−335164)。この酸化物イオン伝導体
は、一般式:Ln1-x x Ga1-y-z B1y B2z 3
で示され、この式において、Lnはランタノイド系希土
類金属であり、Aはアルカリ土類金属であり、B1は非
遷移金属であり、B2は遷移金属である。即ち、この酸
化物イオン伝導体は、ランタンガレート(LnGa
3)を基本構造とし、これにアルカリ土類金属
(A)、非遷移金属(B1)、及び遷移金属(B2)の
3種類、又はアルカリ土類金属(A)及び遷移金属(B
2)の2種類の原子をドープした、5元系(Ln+A+
Ga+B1+B2)又は4元系(Ln+A+Ga+B
2)の複合酸化物である。
【0007】このランタンガレート系酸化物の内、5/
4元系複合酸化物からなる酸化物イオン伝導体のBサイ
トのドープ原子のうち遷移金属であるB2原子の割合と
イオン伝導と電気伝導を含めた全電気伝導性及びイオン
輸率との関係を図2に示す。ここでは酸化物イオン伝導
体として、La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2-cCoc3
ランタンガレート系酸化物を示している。このランタン
ガレート系酸化物は、安定化ジルコニアより高い酸化物
イオン伝導性を示し、耐熱性が高く、高温はもちろん、
温度が低下しても酸化物イオン伝導性が高く、更に酸素
雰囲気から水素雰囲気までのあらゆる酸素分圧で(即
ち、酸素分圧が低くても)イオン輸率の低下が小さく、
酸化物イオン伝導が支配的であるか、又は混合イオン伝
導性を示すことが確認されている。このため、このラン
タンガレート系酸化物を固体電解質層として使用するこ
とにより、通常1000℃の固体酸化物型燃料電池の作
動温度を低下させることが期待されている。
【0008】ここで、燃料電池をその効率の面から着目
すると、酸化物イオンが燃料ガスと反応することにより
燃料極に放出された電子が、固体電解質を伝導して空気
極層側に戻ることを防止して燃料極に確実に残存させる
必要がある。このためには、固体電解質のイオン輸率は
1.0であることが理想的である。即ち、固体電解質に
おける全伝導度が全て酸素イオンの伝導によるものであ
り、空気極層と燃料極層の間に電子の伝導が全くない状
態であることが好ましい。特開平11−335164号
公報に示されたランタンガレート系酸化物においてイオ
ン輸率を1.0に近づけるには、図2の内容から遷移金
属(B2z)、即ちCoの添加量(c値)を減少させる
ことが必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平11−
335164号公報に示されたランタンガレート系酸化
物において、イオン輸率を1.0に近づけるために遷移
金属のCoの添加量(c値)を減少させると、図2に示
すように、イオン伝導と電子伝導を含めた全伝導度自体
が減少し、燃料電池の性能自体が低下する不具合があ
る。この点を解消するために、固体電解質層の厚さを極
力薄くしてその全伝導度を高めることが考えられるが、
厚さ自体を薄くすると、燃料ガスと空気を直接接触させ
ないための隔壁としての機能を損なうおそれがあるた
め、その薄型化には限界があった。本発明の目的は、固
体電解質層の隔壁としての機能を損なうことなくそのイ
オン伝導度を高めて効率を向上し得る固体酸化物型燃料
電池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、空気極層14と燃料極層13の間に
固体電解質層16が配された積層構造を有する固体酸化
物燃料電池11の改良である。その特徴ある構成は、固
体電解質層16はランタンガレート系酸化物からなりか
つ第1イオン輸率及び第1導電率を有する第1電解質層
16aとランタンガレート系酸化物からなりかつ第1イ
オン輸率より低い第2イオン輸率及び第1導電率より高
い第2導電率を有する第2電解質層16bとが隣接して
形成され、空気極層14が第1電解質層16aに積層さ
れ、燃料極層13が第2電解質層16bに積層されたと
ころにある。なお、図示しないが、空気極層14を第2
電解質層16bに積層し、燃料極層13を第1電解質層
16aに積層してもよい。
【0011】請求項1に係る発明では、固体電解質層1
6をランタンガレート系酸化物により形成するので、従
来のYSZからなる固体電解質層と比較して高い全電気
伝導度を有する固体電解質層16を得るとともに、固体
酸化物型燃料電池の作動温度を従来より低下させる。ま
た、空気極層14と固体電解質層16との界面近傍でイ
オン化された酸化物イオンは、第1電解質層16a側
(又は第2電解質層16b側)から第2電解質層16b
(又は第1電解質層16a)に移動して燃料極層13に
到達して電子を放出する。放出された電子の一部は燃料
極層13からこの第2電解質層16b(又は第1電解質
層16a)に戻り空気極層14側に移動する。一方、第
1電解質層16a(又は第2電解質層16b)はイオン
輸率を比較的高くしていることから電子伝導度は極めて
低い。このため電子が燃料極層13から固体電解質層1
6を通過して空気極層14に移動することは極めて困難
となる。この結果、固体電解質層16全体におけるイオ
ン伝導度は著しく向上して固体酸化物燃料電池の効率は
向上する。
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、第1及び第2電解質層16a,16bがL
1-a a Ga1-(b+c) b Coc 3 で示される材料
からそれぞれ構成され、かつ第1電解質層16aのコバ
ルト添加量が零であるか又は第2電解質層16bのコバ
ルト添加量の80%以下である固体酸化物型燃料電池で
ある。但し、式中AはSr、Ca、Baの1種もしくは
2種以上の元素であり、BはMg、Al、Inの1種も
しくは2種以上の元素であり、aは0.05〜0.3で
あり、bは0〜0.3であり、cは0〜0.2であり、
(b+c)は0.025〜0.3である。図2に示すよ
うに、ランタンガレート系酸化物のイオン輸率 (電気伝
導に占めるイオン性伝導の割合) は特にc値により変動
し、c値が低ければイオン輸率は向上する。一方、上式
でc値が大きければ、導電性が高いが、イオン輸率は低
くなる。この請求項2に係る発明では、第1電解質層1
6aのコバルト添加量を第2電解質層16bのコバルト
添加量より小さくすることにより、第2電解質層16b
に比較してイオン輸率が高い第1電解質層16aを比較
的容易かつ確実に得る。
【0013】請求項3に係る発明は、請求項2に係る発
明であって、第1及び第2電解質層16a,16bを隣
接させて構成された固体電解質層16の厚さが1μm以
上500μm以下であって、第1電解質層16aの厚さ
がその固体電解質層16の厚さの1%〜20%である固
体酸化物型燃料電池である。請求項2における第1電解
質層16aはコバルトの添加量を小さくしてイオン輸率
を比較的高くしている関係上、全伝導度は第2電解質層
16bに比較して低くなる。この請求項3に係る発明で
は、第1電解質層16aの厚さを固体電解質層16の厚
さの1%〜20%と比較的薄く形成して、固体電解質層
16の全体の厚さに対する第1電解質層16aの割合を
著しく低下させているため、第1電解質層16aにおけ
る全伝導度は高められる。このため、この第1電解質層
16aと第2電解質層16bを隣接させた固体電解質層
16における全伝導度は比較的高く維持される。一方、
固体電解質層16の燃料ガスと空気を直接接触させない
という本来の機能は隣接させた第1電解質層と16aと
第2電解質層16bとの双方により確保されるので、第
1電解質層16aのみを薄くしてもその機能が損なわれ
ることはない。
【0014】ここで、第1電解質層16aの厚さの固体
電解質層16の厚さに対する好ましい割合は3%〜10
%であって、第1及び第2電解質層16a,16bを隣
接させて構成された固体電解質層16の好ましい厚さは
5μm以上100μm以下である。第1電解質層16a
の厚さの固体電解質層16の厚さに対する比が1%未満
であると第1電解質層にピンホールが生じるおそれがあ
り、20%を越えると固体電解質層16全体における全
伝導度が低下する。また、固体電解質層16全体の厚さ
が1μm未満であると固体電解質層16の隔壁としての
機能が損なわれ、500μmを越えると固体電解質層1
6全体における全伝導度が低下して燃料電池の効率が低
下する。
【0015】請求項4に係る発明は、請求項2又は3に
係る発明であって、第1電解質層16aと第2電解質層
16bが隣接する領域においてコバルトの含有量が第2
電解質層16bから第1電解質層16aにかけて漸減す
る固体酸化物型燃料電池である。この請求項4に係る発
明では、第1及び第2電解質層16a,16bを同時に
作製することが可能になり、独立に形成された第1電解
質層16aと第2電解質層16bを積層する場合に比較
して固体電解質層16を比較的容易かつ安価に得ること
ができる。第1及び第2電解質層16a,16bを同時
に作製する具体例として、単一組成の電解質のグリーン
シートを焼成する際にグリーンシート上面にアルミナセ
ッターを置いて焼成することにより作製することが挙げ
られる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図1に示すように、固体酸化物型燃
料電池11は水素ガス等の燃料に接する燃料極層13
と、空気に接する多孔質の空気極層14と、これらの燃
料極層13と空気極層14との間に介装される固体電解
質層16を備える。この燃料電池11は燃料極層13と
空気極層14とにより固体電解質層16を挟持する積層
構造を有し、燃料極層13に接するように水素を流通さ
せ、空気極層14に接するように空気を流通させ、この
状態で燃料極層13−空気極層14間に負荷を電気的に
接続すると、水素が燃料となりかつ空気が酸化剤となっ
て、即ち燃料極層13が負極となりかつ空気極層14が
正極となって、図示しない負荷に電流が流れるように構
成される。
【0017】固体電解質層16は第1電解質層16aと
第2電解質層16bとを隣接させることにより形成さ
れ、第1電解質層16a及び第2電解質層16bはそれ
ぞれランタンガレート系酸化物から作られる。固体電解
質層16は、独立に形成された第1電解質層16aと第
2電解質層16bを積層するか、或いは、製造時に表層
からコバルトを部分的に除去することによって固体電解
質層16を形成する。表層からコバルトを部分的に除去
する場合には、第1及び第2電解質層16a,16bを
同時に作製することもでき、独立に形成された第1電解
質層16aと第2電解質層16bを積層する場合に比較
して固体電解質層16を比較的容易かつ安価に得ること
ができる。
【0018】具体的に、第1電解質層16a及び第2電
解質層16bは、下記の一般式で示されるランタンガレ
ート系酸化物でそれぞれ作られる。La1-a a Ga
1-(b+c) b Coc 3 ・・・(1)上記一般式(1)
において、AはSr、Ca、Baの1種もしくは2種以
上の元素であり、BはMg、Al、Inの1種もしくは
2種以上の元素である。即ち、本発明の固体電解質層1
6はランタノイド・ガレート(LnGaO3-d)を基本
構造とし、これにアルカリ土類金属(A),非遷移金属
(B)及び遷移金属であるCoの3種類の元素をドープ
した5元系(Ln+A+Ga+B+Co)の複合酸化物
である。
【0019】また一般式(1)で表される固体電解質層
16はペロブスカイト型結晶構造を有し、ABO3-d
示されるペロブスカイト型結晶構造のAサイトを上記一
般式(1)のLn元素及びA元素が占め、BサイトをG
a元素,B元素及びCo元素が占める。本来は3価金属
が占めるAサイト及びBサイトの一部を2価金属(例え
ば、Aサイトを占める上記A元素,Bサイトを占める上
記B元素)及び遷移金属(Bサイトを占める上記Co元
素)が占めることにより酸素空孔を生じ、この酸素空孔
により酸化物イオン伝導性が現れる。従って、酸素原子
数はこの酸素空孔の分だけ減少することになる。
【0020】一般式(1)のaはA元素の原子比であ
り、0.05〜0.3、好ましくは0.10〜0.25
の範囲に設定される。bはB元素の原子比であり、0〜
0.3、好ましくは0.05〜0.2の範囲に設定され
る。cはCo元素の原子比であり、0〜0.2、好まし
くは0.03〜0.1の範囲に設定される。(b+c)
は0.025〜0.30、好ましくは0.10〜0.2
5の範囲に設定される。aを0.05〜0.3の範囲に
限定したのは上記範囲を外れると電気伝導性が低下する
ためである。cを0〜0.2の範囲に限定したのは、c
が増大するほど電気伝導性は高くなるが、イオン輸率
(酸化物イオン伝導性の割合)が低下するため、上記範
囲が最適な範囲となる。(b+c)を0.025〜0.
3の範囲に限定したのは、(b+c)が大きくなるにつ
れて電気伝導性が高くなるが、イオン輸率が低下するた
め、上記範囲が最適な範囲となる。
【0021】一般式(1)において、A元素は好ましく
はSrであり、B元素は好ましくはMgである。また、
上の各式で、酸素の原子比は3と表示されているが、当
業者には明らかなように、例えば、aが0ではない場合
には酸素空孔を生じるので、実際には酸素の原子比は3
より小さい値をとることが多い。しかし、酸素空孔の数
は、A、Bの添加元素の種類や製造条件によっても変化
するので、便宜上、酸素の原子比を3として表示する。
一般式(1)で示される材料は、高温の酸化性雰囲気か
ら還元性雰囲気まで化学的に安定であり、導電率の著し
い変動がない。従って、固体酸化物型燃料電池11の固
体電解質層16として使用するのに適した材料である。
更に、YSZに比べてどの温度でも導電性が高いため、
例えば、600〜800℃というYSZでは導電性が低
いため使用できなかった比較的低い温度範囲でも、燃料
電池11の固体電解質層16として十分な酸化物イオン
伝導性を示す。もちろん、1000℃を超えるような高
温でも安定であり、そのような温度で使用することもで
きる。
【0022】図2に示すように、一般式(1)で示され
る材料は、Coの原子比であるc値が増大するほど電気
伝導性は高くなる。これは、Co元素が遷移金属であ
り、原子価の変動によりn型又はp型の電子性電気伝導
を発現し易いため、この原子が多くなるほど電子性電気
伝導が増大して、電気伝導性が高くなるためである。従
ってそれに伴って、酸化物イオン伝導性の割合(イオン
輸率)は低下することになる。具体的に、c値が0.1
5以下の5元系複合酸化物であれば、イオン輸率が0.
7以上となり、特にc値が0.10以下であるとイオン
輸率は0.9以上と高い酸化物イオン伝導体として機能
する。但し、この場合はBサイトに非遷移金属であるB
元素がある程度含まれていないと、電子性電気伝導の寄
与の割合を0.3以下に維持できない。
【0023】逆に、c値が0.15を超えると、イオン
輸率が0.7以下に下がって、電子−イオン混合伝導体
として機能するようになる。注目すべきことに、Mg
(B元素)が完全にCoで置換された4元系の複合酸化
物でも、イオン輸率は約0.3にとどまり、なお電子−
イオン混合伝導体(即ち、酸化物イオン混合伝導体)と
して十分に機能し、伝導性は最も高くなる。第1電解質
層16a及び第2電解質層16bは、上記の一般式
(1)で示されるランタンガレート系酸化物でそれぞれ
作られるが、第1電解質層16aのコバルト添加量は第
2電解質層16bのコバルト添加量より小さいように調
整され、第1電解質層16aはイオン輸率が第2電解質
層に比較して高く作られ、第2電解質層16bは導電率
が第1電解質層16aに比較して高く作られる。このよ
うな第1電解質層16a及び第2電解質層16bは積層
されて固体電解質層16が形成される。
【0024】第1電解質層16aと第2電解質層16b
の積層は、両膜ともグリーンシートの状態で、例えば熱
圧着により積層してから一括焼成してもよく、また、焼
成した第1又は第2電解質層16a,16bの上に第2
又は第1電解質層16b,16aをスラリーコーティン
グ法、又はスクリーン印刷法等の方法により積層して焼
成してもよい。焼成工程が少ないという点では、一括焼
成が有利である。第1及び第2電解質層16a,16b
の成形方法としては、ドクターブレイド法以外に、圧縮
成形、静水圧プレス、鋳込成形なども利用できる。ま
た、例えば、一方の膜は、他方の膜のグリーンシートの
上に、スラリーコーティング或いはドクターブレイドコ
ーティング等の方法で直接成形することもできる。ま
た、焼結体の上にスラリーコーティング或いはスクリー
ン印刷或いは溶射などの方法を利用して、直接形成する
こともできる。
【0025】また第1及び第2電解質層16a,16b
は、上記の方法以外に、単一組成の電解質のグリーンシ
ートを焼成する際にグリーンシート上面にアルミナセッ
ターを置いて焼成することにより作製することができ
る。即ち、この焼成によりグリーンシート中にコバルト
がアルミナセッターに移動し、固体電解質層16におい
てアルミナセッターを被せた上面側にコバルト量の少な
い第1電解質層16aが形成され、固体電解質層16の
残部が第2電解質層16bになる。また焼成温度や焼成
時間を変化させることにより、第1電解質層16aのコ
バルト量や膜厚を変化させることもできる。
【0026】焼成後で、第1電解質層16aの厚さが第
2電解質層16bの厚さの1%〜20%であって、固体
電解質層16全体の厚みは1μm以上500μm以下に
設定される。第1電解質層16aと第2電解質層16b
とを積層した状態で熱処理を施して両者を一体化させ
る。熱処理条件は、特に制限されないが、好ましい熱処
理温度は1100〜1500℃の範囲である。この温度
での熱処理は一般に1〜100時間の範囲で行われる。
熱処理雰囲気は空気で十分であるが、不活性ガス雰囲気
でもよい。このように作られた固体電解質層16の第1
電解質層16aに空気極層14を積層し、第2電解質層
16bに燃料極層13を積層して固体酸化物型燃料電池
11が形成される。また図示しないが、固体電解質層の
第2電解質層に空気極層を積層し、第1電解質層に燃料
極層を積層して固体酸化物型燃料電池を形成してもよ
い。上記積層の仕方に拘らず、形成された燃料電池はそ
れぞれ同等の発電性能が得られる。
【0027】このように構成された固体酸化物型燃料電
池の動作を説明する。空気極層14側に供給された酸素
は、空気極層14内の気孔を通って固体電解質層16と
の界面近傍に到達し、この部分で、空気極から電子を受
け取って、酸化物イオン (O2-) にイオン化される。こ
の酸化物イオンは、第1電解質層16a側から燃料極の
方向に向かって固体電解質層16内を拡散移動する。こ
こで第1電解質層16aはコバルトの添加量を小さくし
てイオン輸率を比較的高くしている関係上、全伝導度が
第2電解質層16bに比較して低いけれども、第1電解
質層16aの厚さは第2電解質層16bの厚さの1%〜
20%であり、非常に薄いため、固体電解質層16全体
の全伝導度に対する第1電解質層16aの割合は著しく
低いため、固体電解質層16全体から見た全導電度の低
下は抑制され、その全伝導度は比較的高い値に維持され
て酸化物イオンは、第1電解質層16aから第2電解質
層16bに移動する。
【0028】第1電解質層16a側から第2電解質層1
6bに移動した酸化物イオンはこの第2電解質層16b
を更に通過する。ここで、第2電解質層16bはコバル
トの添加量が第1電解質層16aより多く、全伝導度が
第1電解質層16aに比較して高い。このため、第2電
解質層16bの厚さが第1電解質層16aの厚さより厚
くても、第1電解質層16a側から第2電解質層16b
に移動した酸化物イオンは著しい抵抗を受けることなく
燃料極との界面近傍に到達する。第2電解質層16bと
燃料極層13との界面近傍に到達した酸化物イオンは、
この部分で燃料ガスと反応して反応生成物 (H2O、C
2 等) を生じ、燃料極に電子を放出する。この電子は
燃料極層13と空気極層14間に接続された負荷に電流
として流れて燃料電池本来の機能を発揮する。一方、第
2電解質層16bは全伝導度が高いため、放出された電
子の一部は燃料極層13からこの第2電解質層16bに
戻り空気極層14側に移動しようとする。しかし、第2
電解質層16bを空気極層14側に電子が移動しても、
第2電解質層16bと空気極層14の間には薄い第1電
解質層16aが存在する。この第1電解質層16aはコ
バルトの添加量を小さくしてイオン輸率を比較的高くし
ているため、電子伝導度は極めて低い。このため電子は
燃料極層13から固体電解質層16を通過して空気極層
14に移動することはできず、第2電解質層16b中を
更に移動して最終的に燃料極層13からこれに接続され
た負荷に電流として流れる。
【0029】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>図1に示すように、直径が75mm、厚さ
が60μmの燃料極層13と、直径が75mm、厚さが
100μmの固体電解質層16と、直径が75mm、厚
さが40μmの空気極層14とを積層してφ75mmの
燃料電池11を形成した。空気極層14はSm0.5Sr
0.5CoO3-dという組成を有する酸化物イオン混合伝導
体を使用し、燃料極層13はNiとCe0.8Sm0.22
という組成を有する化合物との混合体を使用した。一
方、固体電解質層16は第1電解質層16aと第2電解
質層16bとを積層して形成し、第1電解質層はLa
0.75Sr0.15Ga0.775Mg0.125Co0.13-dという組
成を有する化合物を使用し、第2電解質層はLa0.8
0.2Ga0.8Mg0.15Co0.053-dという組成を有す
る酸化物イオン伝導体を使用した。
【0030】固体電解質層の具体的形成手順は粉末原料
を上述した割合でそれぞれ配合し、よく混合した原料混
合物を別々に900〜1200℃で予備焼成し、得られ
た仮焼体をボールミルにより粉砕し、その後バインダ及
び溶剤等を加えてスラリーを作製した。このように別々
に作られたスラリーを用い、ドクターブレード法により
第1及び第2電解質層となるグリーンシートを積層され
た状態で同時に成形した。このように形成されたグリー
ンシートをその後乾燥空気中で十分乾燥させた後、13
00℃〜1500℃で焼結して固体電解質層を形成し
た。得られた固体電解質層16の厚さは100μmであ
った。また、第1電解層の厚さは5μmであり第2電解
質層の厚さに対する第1電解質層の厚さの比は5%であ
った。その後この固体電解質層の第2電解質層16bに
燃料極層を1000℃〜1200℃で焼き付け、この第
1電解質層16aに空気極層を800℃〜1100℃で
焼き付けて燃料電池を得た。このようにして得られた燃
料電池を実施例1とした。
【0031】<実施例2>単一組成であるLa0.9Sr
0.1Ga0.8Mg0.12Co0.083-dのグリーンシートの
片面にアルミナセッターを被せて焼成した。これにより
このシートのアルミナセッターを被せた側にコバルト量
の少ない第1電解質層16aが形成され、このシートの
残部が第2電解質層16bになった。この第1及び第2
電解質層16a,16bからなる全厚100μmの固体
電解質層16を用いて実施例1と同様に燃料電池を得
た。このようにして得られた燃料電池を実施例2とし
た。この方法によって作製した固体電解質層16の断面
をEPMA(Electron Probe MicroAnalysis)分析によ
って各元素を定量分析した。その結果を表1に示す。表
1ではアルミナセッターを被せた固体電解質層16の表
面からの深さdにおける各元素の分析量を示している。
表1から明らかなように、深さ15μmまでは第1電解
質層が形成され、残部は第2電解質層により形成されて
いた。
【0032】
【表1】
【0033】<実施例3>固体電解質層の第1電解質層
16aに燃料極層を1000℃〜1200℃で焼き付
け、この第2電解質層16bに空気極層を800℃〜1
100℃で焼き付けた以外、実施例1と同様にして燃料
電池を得た。このようにして得られた燃料電池を実施例
3とした。
【0034】<比較例1>第1電解質層が形成されなか
ったことを除いて、実施例1と同様に燃料電池を形成し
た。この時の第2電解質層からなる固体電解質層16の
厚さは実施例1と同様に100μmとした。この燃料電
池を比較例1とした。 <比較例2>第2電解質層が形成されなかったことを除
いて、実施例1と同様に燃料電池を形成した。この時の
第1電解質層からなる固体電解質層16の厚さは実施例
1と同様に100μmとした。この燃料電池を比較例2
とした。 <比較例3>固体電解質層がYSZから構成されたこと
を除いて、実施例1と同様に燃料電池を形成した。この
時のYSZからなる固体電解質層16の厚さは実施例1
と同様に100μmとした。この燃料電池を比較例3と
した。 <比較試験>実施例1〜3及び比較例1〜3の650℃
の各燃料電池の雰囲気中における発電性能を、燃料ガス
として水素、酸化剤ガスとして空気をそれぞれ用い、ま
た固体電解質層の厚さをそれぞれ100μmの一定にし
て、測定した。実施例1〜3の結果を図3〜図5に、比
較例1〜3の結果を図6〜図8にそれぞれ示す。
【0035】<評価>固体電解質層がYSZから構成さ
れた比較例3(図8)における発電性能は、固体電解質
層がランタンガレート系酸化物から構成された実施例1
(図3)、実施例2(図4)、実施例3(図5)、比較
例1(図6)及び比較例2(図7)に比較して著しく低
下していることが判る。これはランタンガレート系酸化
物の低温におけるイオン輸率がYSZにおけるイオン輸
率に比較して高いことに起因するものと考えられる。一
方、固体電解質層をランタンガレート系酸化物から構成
した比較例1及び2であっても、その発電性能は実施例
1〜実施例3に及んでいないことが判る。これは、比較
例2では固体電解質層自体の全伝導度自体が低下してい
ることに起因するものと考えられる。一方、比較例1で
は全伝導度に対するイオン輸率が低下していることに起
因するものと考えられる。以上の内容から本発明では全
伝導度及びその伝導度におけるイオン輸率は従来のラン
タンガレート系酸化物の単体からなる固体電解質層を有
する酸化物燃料電池に比較してその効率が高められるこ
とが判る。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、固
体電解質層がランタンガレート系酸化物からなりかつイ
オン輸率が第2電解質層に比較して高い第1電解質層と
ランタンガレート系酸化物からなりかつ導電率が第1電
解質層に比較してイオン輸率が高い第2電解質層とを隣
接して形成したので、従来のYSZからなる固体電解質
層と比較して高い全電気伝導度が得られ、固体酸化物型
燃料電池の作動温度をYSZを使用した従来の燃料電池
に比較して低下させることができる。また、燃料極層か
ら第2電解質層を通過して空気極層側に移動しようとす
る電子を、第1電解質層が阻害するので、固体電解質層
全体におけるイオン伝導度を著しく向上させることがで
きる。
【0037】また、第1及び第2電解質層をLa1-a
a Ga1-(b+c) b Coc 3 で示される材料からそれ
ぞれ構成し、第1電解質層のコバルト添加量を第2電解
質層のコバルト添加量より小さくすれば、第2電解質層
に比較してイオン輸率が高い第1電解質層を比較的容易
かつ確実に得ることができる。更に、第1電解質層の厚
さを固体電解質層の厚さの1%〜20%にすれば、固体
電解質層の全体の厚さに対する第1電解質層の割合が低
下し、第1電解質層における全伝導度は高められ、この
第1電解質層と第2電解質層を隣接させた固体電解質層
における全伝導度を比較的高く維持することができる。
この結果、本発明では、固体電解質層の隔壁としての機
能を損なうことなくそのイオン伝導度を高めて固体酸化
物型燃料電池の効率を十分に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体酸化物型燃料電池を示す要部断面
構成図。
【図2】5/4元系複合酸化物からなる酸化物イオン伝
導体の遷移金属と電気伝導性及びイオン輸率との関係を
示すグラフ。
【図3】本発明の実施例1における燃料電池の発電性能
を示す図。
【図4】本発明の実施例2における燃料電池の発電性能
を示す図。
【図5】本発明の実施例3における燃料電池の発電性能
を示す図。
【図6】本発明の比較例1における燃料電池の発電性能
を示す図。
【図7】本発明の比較例2における燃料電池の発電性能
を示す図。
【図8】本発明の比較例3における燃料電池の発電性能
を示す図。
【図9】(a)は円筒型の固体酸化物型燃料電池の単燃
料電池を示す斜視図であり、(b)は平板型の固体酸化
物型燃料電池の単燃料電池を分解した斜視図である。
【符号の説明】
11 固体酸化物燃料電池 13 燃料極層 14 空気極層 16 固体電解質層 16a 第1電解質層 16b 第2電解質層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気極層(14)と燃料極層(13)の間に固体
    電解質層(16)が配された積層構造を有する固体酸化物燃
    料電池(11)において、 前記固体電解質層(16)はランタンガレート系酸化物から
    なりかつ第1イオン輸率及び第1導電率を有する第1電
    解質層(16a)とランタンガレート系酸化物からなりかつ
    前記第1イオン輸率より低い第2イオン輸率及び前記第
    1導電率より高い第2導電率を有する第2電解質層(16
    b)とが隣接して形成され、 前記空気極層(14)が前記第1電解質層(16a)又は前記第
    2電解質層(16b)に積層され、 前記燃料極層(13)が前記第2電解質層(16b)又は前記第
    1電解質層(16a)に積層されたことを特徴とする固体酸
    化物型燃料電池。
  2. 【請求項2】 第1及び第2電解質層(16a,16b)がLa
    1-a a Ga1-(b+c) b Coc 3 で示される材料か
    らそれぞれ構成され、かつ第1電解質層(16a)のコバル
    ト添加量が零であるか又は第2電解質層(16b)のコバル
    ト添加量の80%以下である請求項1記載の固体酸化物
    型燃料電池。但し、式中 AはSr、Ca、Baの1種もしくは2種以上、 BはMg、Al、Inの1種もしくは2種以上、 aは0.05〜0.3、 bは0〜0.3、 cは0〜0.2、 (b+c)は0.025〜0.3である。
  3. 【請求項3】 第1及び第2電解質層(16a,16b)を隣接
    させて構成された固体電解質層(16)の厚さが1μm以上
    500μm以下であって、前記第1電解質層(16a)の厚
    さが前記固体電解質層(16)の厚さの1%〜20%である
    請求項2記載の固体酸化物型燃料電池。
  4. 【請求項4】 第1電解質層(16a)と第2電解質層(16b)
    が隣接する領域においてコバルトの含有量が前記第2電
    解質層(16b)から前記第1電解質層(16a)にかけて漸減す
    る請求項2又は3記載の固体酸化物型燃料電池。
JP2000193750A 2000-06-28 2000-06-28 固体酸化物型燃料電池 Expired - Lifetime JP4517466B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000193750A JP4517466B2 (ja) 2000-06-28 2000-06-28 固体酸化物型燃料電池
AU54079/01A AU5407901A (en) 2000-06-28 2001-06-27 Solid oxide fuel cell
US09/891,501 US7033690B1 (en) 2000-06-28 2001-06-27 Solid oxide fuel cell
EP01114836A EP1168478A3 (en) 2000-06-28 2001-06-28 Solid oxide electrolyte fuel cell

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000193750A JP4517466B2 (ja) 2000-06-28 2000-06-28 固体酸化物型燃料電池

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002015756A true JP2002015756A (ja) 2002-01-18
JP2002015756A5 JP2002015756A5 (ja) 2006-06-15
JP4517466B2 JP4517466B2 (ja) 2010-08-04

Family

ID=18692690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000193750A Expired - Lifetime JP4517466B2 (ja) 2000-06-28 2000-06-28 固体酸化物型燃料電池

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7033690B1 (ja)
EP (1) EP1168478A3 (ja)
JP (1) JP4517466B2 (ja)
AU (1) AU5407901A (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005085522A (ja) * 2003-09-05 2005-03-31 Mitsubishi Materials Corp 支持膜式固体酸化物形燃料電池
JP2005228740A (ja) * 2004-01-16 2005-08-25 Mitsubishi Materials Corp 固体酸化物形燃料電池の製造方法
JP2007073272A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Noritake Co Ltd 非電子伝導性組成傾斜型固体電解質膜
JP2008108659A (ja) * 2006-10-27 2008-05-08 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 電気化学リアクター
US7462412B2 (en) 2005-03-04 2008-12-09 Toto Ltd. Solid oxide fuel cell
US7569292B2 (en) 2005-03-04 2009-08-04 Toto Ltd. Solid oxide fuel cell
DE112006004086T5 (de) 2006-10-26 2009-09-10 Toto Ltd., Kita-Kyushu Festoxid-Brennstoffzelle
US7851103B2 (en) 2006-10-26 2010-12-14 Toto Ltd. Solid oxide fuel cell with lanthanum-gallate oxide and having high output performance
WO2012061965A1 (zh) * 2010-11-08 2012-05-18 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种电解质隔膜、电化学装置和固体氧化物燃料电池
WO2012137682A1 (ja) 2011-04-01 2012-10-11 Toto株式会社 セリウム系複合酸化物の製造方法、固体酸化物型燃料電池セル、及び燃料電池システム
CN103493268A (zh) * 2011-04-12 2014-01-01 Toto株式会社 固体电解质型燃料电池
EP2713429A1 (en) 2012-09-28 2014-04-02 Toto Ltd. Solid oxide fuel cell comprising a porous forsterite support and a LSGM electrolyte
US8765325B2 (en) 2012-09-14 2014-07-01 Toto Ltd. Solid oxide fuel cell and method for producing the same
US8778559B2 (en) 2012-09-14 2014-07-15 Toto Ltd. Solid oxide fuel cell and method for producing the same
US9461327B2 (en) 2013-03-28 2016-10-04 Toto Ltd. Solid oxide fuel cell and method for producing the same
US9478811B2 (en) 2013-03-28 2016-10-25 Toto Ltd. Solid oxide fuel cell and method for producing the same

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4211254B2 (ja) 2001-12-04 2009-01-21 関西電力株式会社 固体酸化物形燃料電池
JP2003257437A (ja) * 2002-03-04 2003-09-12 Mitsubishi Materials Corp 固体酸化物形燃料電池の電極および固体酸化物形燃料電池
EP1531511B1 (en) 2003-11-12 2012-10-24 Honda Motor Co., Ltd. Electrolyte-electrode assembly and method for producing the same
US20090011314A1 (en) * 2007-07-05 2009-01-08 Cheng-Chieh Chao Electrode/electrolyte interfaces in solid oxide fuel cells
US8148031B2 (en) * 2008-11-13 2012-04-03 College Of William And Mary Solid oxide proton conductor system and method of operating same for enhanced proton transport
US9093692B2 (en) * 2013-08-14 2015-07-28 Board Of Regents, The University Of Texas System Oxide-ion conductors and related composites and devices
TWI642229B (zh) * 2015-12-02 2018-11-21 國立臺北科技大學 Ceramic battery structure

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000113898A (ja) * 1998-10-05 2000-04-21 Ngk Spark Plug Co Ltd LaGaO3系粉末の製造方法及びLaGaO3系焼結体の製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4178610B2 (ja) 1997-08-29 2008-11-12 祐作 滝田 酸化物イオン伝導体とその用途
JP4119511B2 (ja) 1998-02-06 2008-07-16 東京瓦斯株式会社 酸化物イオン導電性材料
JP3777903B2 (ja) * 1998-10-14 2006-05-24 三菱マテリアル株式会社 電極−電解質間に傾斜組成を持つ固体酸化物型燃料電池

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000113898A (ja) * 1998-10-05 2000-04-21 Ngk Spark Plug Co Ltd LaGaO3系粉末の製造方法及びLaGaO3系焼結体の製造方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005085522A (ja) * 2003-09-05 2005-03-31 Mitsubishi Materials Corp 支持膜式固体酸化物形燃料電池
JP2005228740A (ja) * 2004-01-16 2005-08-25 Mitsubishi Materials Corp 固体酸化物形燃料電池の製造方法
US7462412B2 (en) 2005-03-04 2008-12-09 Toto Ltd. Solid oxide fuel cell
US7569292B2 (en) 2005-03-04 2009-08-04 Toto Ltd. Solid oxide fuel cell
JP2007073272A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Noritake Co Ltd 非電子伝導性組成傾斜型固体電解質膜
DE112006004086T5 (de) 2006-10-26 2009-09-10 Toto Ltd., Kita-Kyushu Festoxid-Brennstoffzelle
US7851103B2 (en) 2006-10-26 2010-12-14 Toto Ltd. Solid oxide fuel cell with lanthanum-gallate oxide and having high output performance
JP2008108659A (ja) * 2006-10-27 2008-05-08 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 電気化学リアクター
WO2012061965A1 (zh) * 2010-11-08 2012-05-18 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种电解质隔膜、电化学装置和固体氧化物燃料电池
WO2012137682A1 (ja) 2011-04-01 2012-10-11 Toto株式会社 セリウム系複合酸化物の製造方法、固体酸化物型燃料電池セル、及び燃料電池システム
CN103493268A (zh) * 2011-04-12 2014-01-01 Toto株式会社 固体电解质型燃料电池
US8765325B2 (en) 2012-09-14 2014-07-01 Toto Ltd. Solid oxide fuel cell and method for producing the same
US8778559B2 (en) 2012-09-14 2014-07-15 Toto Ltd. Solid oxide fuel cell and method for producing the same
EP2713429A1 (en) 2012-09-28 2014-04-02 Toto Ltd. Solid oxide fuel cell comprising a porous forsterite support and a LSGM electrolyte
US9190689B2 (en) 2012-09-28 2015-11-17 Toto Ltd. Solid oxide fuel cell
US9461327B2 (en) 2013-03-28 2016-10-04 Toto Ltd. Solid oxide fuel cell and method for producing the same
US9478811B2 (en) 2013-03-28 2016-10-25 Toto Ltd. Solid oxide fuel cell and method for producing the same

Also Published As

Publication number Publication date
EP1168478A3 (en) 2004-12-15
EP1168478A2 (en) 2002-01-02
US7033690B1 (en) 2006-04-25
AU5407901A (en) 2002-01-03
JP4517466B2 (ja) 2010-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4517466B2 (ja) 固体酸化物型燃料電池
JP3777903B2 (ja) 電極−電解質間に傾斜組成を持つ固体酸化物型燃料電池
KR101175599B1 (ko) 인터커넥터용 재료, 셀간 분리 구조체 및 고체 전해질형 연료 전지
JP5247051B2 (ja) 燃料電池セルおよび燃料電池セルスタック、ならびに燃料電池
JP5079991B2 (ja) 燃料電池セル及び燃料電池
WO2019240297A1 (ja) セル、セルスタック装置、モジュール及びモジュール収納装置
US10003088B2 (en) Solid oxide fuel cell stack
JP4332639B2 (ja) 燃料電池セル及びその製法
JP2007200664A (ja) 固体電解質型燃料電池の製造方法
JP5288686B2 (ja) 燃料電池用導電性焼結体及び燃料電池セル、燃料電池
JP2022009365A (ja) セル、セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収納装置
JP2012074306A (ja) 固体酸化物形燃料電池用発電セル
JP5272572B2 (ja) インターコネクタ用材料、セル間分離構造体および固体電解質形燃料電池
JP4828104B2 (ja) 燃料電池セル
JP2000251533A (ja) 酸化物イオン混合伝導体とその用途
US9755249B2 (en) Solid oxide fuel cell stack
JP6654765B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池セルスタック
JP2006059611A (ja) セリア系固体電解質型燃料電池及びその製造方法
US20160093910A1 (en) Solid oxide fuel cell stack
JP2006059610A (ja) 固体電解質型燃料電池及びその製造方法
JP4913257B1 (ja) 固体酸化物形燃料電池
WO2015037618A1 (ja) 燃料電池単セルおよびその製造方法
JP4579527B2 (ja) 燃料電池セル、燃料電池及び燃料電池セルの製法
JP6712119B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池セルスタック
JP6712118B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池セルスタック

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060331

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100427

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100510

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4517466

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

EXPY Cancellation because of completion of term