JPH09180731A - 固体電解質型燃料電池セル - Google Patents

固体電解質型燃料電池セル

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JPH09180731A
JPH09180731A JP7342257A JP34225795A JPH09180731A JP H09180731 A JPH09180731 A JP H09180731A JP 7342257 A JP7342257 A JP 7342257A JP 34225795 A JP34225795 A JP 34225795A JP H09180731 A JPH09180731 A JP H09180731A
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JP
Japan
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solid electrolyte
region
air electrode
grain size
fuel cell
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JP7342257A
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Masahide Akiyama
雅英 秋山
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Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】固体電解質/空気極界面における分極抵抗が大
きくなり、その結果燃料電池セルの出力が低いという問
題があった。 【解決手段】固体電解質層の片面に空気極層、他面に燃
料極層が形成された固体電解質型燃料電池セルであっ
て、前記空気極層は、前記固体電解質層側の表面から深
さ300μm以内の領域におけるセラミック粒子の平均
結晶粒径が、深さ300μmより深い領域におけるセラ
ミック粒子の平均結晶粒径よりも小さいことを特徴とす
るもので、固体電解質層側の表面から深さ300μm以
内の領域におけるセラミック粒子の平均結晶粒径をR
s、深さ300μmより深い領域におけるセラミック粒
子の平均結晶粒径をRpとしたとき、Rs/Rp=0.
05〜0.8の関係を満足することが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質層の片
面に空気極層、他面に燃料極層が形成され、空気極層側
および燃料極層側に燃料ガスを流通させ発電する固体電
解質型燃料電池セルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミックス材料は、その多機能
性からあらゆる用途に用いられているが、その1つとし
て電気伝導性のセラミックスは、良伝導材料である金属
材料に代わるものとして、金属単体では使用できない分
野において使用されている。その中でも最も期待されて
いるのは、固体電解質型燃料電池セルとしての用途であ
る。従来より、固体電解質型燃料電池セルは、その作動
温度が約1000℃と高温であるため、発電効率が高
く、第3世代の燃料電池として期待されている。
【0003】一般に、燃料電池セルとしては円筒型と平
板型の2種類の燃料電池セルが知られている。平板型燃
料電池セルは発電の単位体積当り出力密度が高いという
特長を有するが、実用化に際してはガスシ−ル不完全性
やセル内の温度分布の不均一性などの問題がある。それ
に対して、円筒型燃料電池セルでは、出力密度は低いも
のの、セルの機械的強度が高く、またセル内の温度の均
一性が保てるという特長があるため、実用化が大いに期
待されている。
【0004】円筒型燃料電池の単セルは、図2に示した
ように開気孔率40%程度のCaO安定化ZrO2 を支
持管1とし、その上にスラリ−ディップ法により多孔性
の空気極層2としてLaMnO3 系材料を塗布し、その
表面に気相合成法(EVD)や、あるいは溶射法により
固体電解質層3であるY2 3 安定化ZrO2 膜を被覆
し、さらにこの表面に多孔性のNi−ジルコニアの燃料
極層4を設けて構成されている。
【0005】燃料電池のモジュ−ルにおいては、各単セ
ルは、LaCrO3 系のインタ−コネクタ5を介して接
続される。集電はこのインタ−コネクタにNiフェルト
あるいはNi板を接触させて行われる。また、発電は支
持管内部6に空気(酸素)を、外部7に燃料(水素)を
流し、1000〜1050℃の温度で行われる。近年、
このセル作製の工程においてプロセスを単純化するた
め、空気極材料であるLaMnO3 系材料を直接多孔性
の支持管として使用する試みがなされている。空気極と
しての機能を合せ持つ支持管材料としては、Laを10
〜20原子%のCaあるいはSrで置換したLaMnO
3 固溶体材料が用いられている。
【0006】また、平板型燃料電池の単セルは、円筒型
と同じ材料系を用いて、図3に示したように固体電解質
層8の上面に多孔性の空気極層9を、下面に多孔性の燃
料極層10を設けて構成されている。単セル間の接続に
は、セパレ−タ11と呼ばれるMgOやCaOを添加し
た緻密質のLaCrO3 固溶体材料が用いられる。発電
はセルの空気極側に空気(酸素)、燃料極側に燃料(水
素)を供給して1000〜1050℃の温度で行われ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
空気極層2,9は酸素含有ガスの透過性を大きくするた
め、粒子径を大きくし、一般的には開気孔率を20〜4
5%,細孔径を1〜5μmとしている。この様な構造に
おいては、ガスの透過性は優れるもの固体電解質層3,
8との接触面積が小さくなるため固体電解質/空気極界
面における分極抵抗が大きくなり、その結果燃料電池セ
ルの出力が低いという問題があった。
【0008】従って、本発明はガスの透過性を失うこと
なく空気極層界面における分極抵抗を低減し、電極性能
の安定した高性能の固体電解質型燃料電池セルを提供す
ることを目的とするものである。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは上記の問
題に対して検討を重ねた結果、空気極層の固体電解質層
側の表面から深さ300μm以内の領域におけるセラミ
ック粒子の平均結晶粒径を、深さ300μmより深い領
域におけるセラミック粒子の平均結晶粒径よりも相対的
に小さくすることにより、空気極層中のガスの透過性を
失うことなく固体電解質/空気極界面における分極抵抗
を低減できることを見い出し、本発明に至った。
【0010】即ち、本発明の固体電解質型燃料電池セル
は、固体電解質層の片面に空気極層、他面に燃料極層が
形成された固体電解質型燃料電池セルであって、前記空
気極層は、前記固体電解質層側の表面から深さ300μ
m以内の領域におけるセラミック粒子の平均結晶粒径
が、深さ300μmより深い領域におけるセラミック粒
子の平均結晶粒径よりも小さいことを特徴とする。ここ
で、固体電解質層側の表面から深さ300μm以内の領
域におけるセラミック粒子の平均結晶粒径をRs、深さ
300μmより深い領域におけるセラミック粒子の平均
結晶粒径をRpとしたとき、Rs/Rp=0.05〜
0.8の関係を満足することが望ましい。
【0011】
【作用】従来の空気極層は、円筒型および平板型燃料電
池セルとも酸素含有ガスの透過性を大きくするため、粒
子径を大きくし、一般的には開気孔率を20〜45%,
細孔径を1〜5μmとしている。この様な構造において
は、ガスの透過性は優れるもの、粒子径が大きいため固
体電解質/空気極/ガスとの3相界面が少ないため分極
抵抗が大きくなり、その結果燃料電池セルの出力が低
い。
【0012】本発明では、空気極層の固体電解質層側の
表面から深さ300μm以内の領域におけるセラミック
粒子の平均結晶粒径を、固体電解質層側の表面から深さ
300μm以内の領域におけるセラミック粒子の平均結
晶粒径を、深さ300μmより深い領域におけるセラミ
ック粒子の平均結晶粒径よりも相対的に小さくすること
により、空気極層中のガスの透過性を失うことなく、固
体電解質/空気極界面における分極抵抗を低減できる。
このような構造の空気極層の形成方法は、特殊な装置を
必要とせず、従来のスラリ−ディップ法やドクタ−ブレ
ード法を応用することにより容易に行うことができるた
め極めて経済的である。
【0013】また、固体電解質層側の表面から深さ30
0μm以内の領域におけるセラミック粒子の平均結晶粒
径をRs、深さ300μmより深い領域におけるセラミ
ック粒子の平均結晶粒径をRpとすると、Rs/Rp=
0.05〜0.8の関係を満足する場合には、空気極層
中のガスの透過性をさらに向上するとともに、固体電解
質/空気極界面における分極抵抗をさらに低減できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の固体電解質型燃料電池セ
ルは、空気極層が、固体電解質層との当接面から深さ3
00μmの領域(以下、小粒径領域という。)と、この
領域以外の燃料ガスが容易に流通する領域(以下、大粒
径領域という。)とからなるとともに、固体電解質層側
の表面から深さ300μm以内の領域におけるセラミッ
ク粒子の平均結晶粒径が、深さ300μmより深い領域
におけるセラミック粒子の平均結晶粒径よりも小さいこ
とを特徴とする。
【0015】空気極層において平均結晶粒径が大粒径領
域より小さい領域(小粒径領域)を固体電解質/空気極
界面より深さ300μm以内と限定したのは、この平均
結晶粒径が小さい領域が固体電解質層との当接面より深
さ300μmを越えると、ガスの透過性が小さくなりセ
ルの出力密度が低下するためである。特に好ましい範囲
は5〜50μmである。
【0016】また、小粒径領域の平均結晶粒径をRs、
その他の領域である大粒径領域の平均結晶粒径をRpと
すると、Rs/Rp=0.05〜0.8を満足する範囲
が好ましい。このRs/Rpが0.05より小さくなる
と、空気極層と固体電解質層との反応性が大きくなり、
またRs/Rpが0.8を越えると分極抵抗が大きくな
り、いずれの場合もセルの出力密度が低下する。特に好
ましい範囲はRs/Rp=0.3〜0.6である。本発
明の空気極材料は、その主結晶相の一般式が、(Am
1-m z (Mn1- n n )Ox (xは3±δ)で表され
るものが望ましい。ここで、AはYおよび希土類元素の
群から選ばれた少なくとも1種の元素、BはCa、Ba
およびSrのアルカリ土類元素の群から選ばれた少なく
とも1種の元素、CはNi、Co、Fe、Cr、Ceお
よびZrの群から選ばれた少なくとも1種の元素であ
り、式中のm、nおよびzが、0.10≦m≦0.9
0、0≦n≦0.50、0.80≦z≦1.10を満足
することが好ましい。
【0017】空気極層の材料としてm、n、zを上記の
範囲に限定した理由は、YおよびYb、Sc、Er、N
d、Gd、Dy、Sm、Pr、Ceの希土類元素に対す
るアルカリ土類元素であるCa、Sr、Baの置換比率
mが0.10より小さいと電気伝導度が小さくなる傾向
があり、電極材料としての機能が低下する。また、mが
0.90より大きいと焼結が促進され、1000℃での
長時間発電において電極が緻密化し電極性能が低下する
ためである。
【0018】また、本発明の空気極材料は、前記一般式
で示されるようにABO3 型ペロブスカイト型結晶構造
を呈するもので、この結晶のAサイトとBサイトの原子
比率zが0.80までの不定比系においても同様な結果
が得られるが、これはその格子欠陥構造が定比系に類似
しているためである。しかし、このzが0.8より小さ
くなるとMn2 3 等の第2成分の析出が起こり焼結が
促進され、電極性能が低下するためである。また、Mn
に対するNi、Co、Fe、Cr、Ce、Zrの置換比
率nが0.50を越えると焼結性が悪くなり、1650
℃以上の温度でないと焼結が困難なため、経済的に不利
となる。上記組成式においてm、nおよびzの好ましい
範囲は、0.40≦m≦0.60、0≦n≦0.20、
0.95≦z≦1.00である。
【0019】また、本発明の空気極は上述のペロブスカ
イト型結晶を主結晶とし、第2結晶相としてYおよびL
aを除くYb、Sc、Er、Nd、Gd、Dy、Sm、
Pr、Ceの希土類元素からなる酸化物およびZr、T
i、Ni、Crを含有する酸化物が0.01〜10重量
%、特に好ましくは1〜5重量%の割合で分散含有して
もよい。これらの酸化物を含有することにより発電中に
おける空気極の焼結による収縮を抑制することができ
る。
【0020】第2結晶相は2粒子界面に数10〜500
nmの大きさで、また3重点のネックと呼ばれる部分に
おいては、、0.1〜5μmの大きさで存在すると特に
効果的である。第2結晶相は主結晶成分を若干固溶する
ことがあるが、結晶構造が変化しなければ特に問題はな
い。また、焼成条件により第2結晶相の一部がYMnO
3 ,YbMnO3 のような複合酸化物で析出する場合も
あるが、主結晶相および第2結晶相の組成および比率が
上記の範囲を満足すれば特に問題はない。
【0021】さらに、本発明の空気極は不純物としてA
l、Siの含有量の総和が金属換算で1000ppm以
下、特に600ppm以下であることが望ましい。これ
はAlとSiの含有量の総和が1000ppmを越える
と、電気伝導度が低下し空気極としてに機能を果たさな
くなる。
【0022】次に本発明の空気極層の作製方法について
説明する。本発明の空気極層は図1に示したように、固
体電解質層30との当接面から深さ300μm以下の小
さな結晶粒径を有する小粒径領域31と、この小粒径領
域31よりも相対的に大きな結晶粒子径を有し、燃料ガ
スが流通する大粒径領域33とから構成されている。
【0023】小粒径領域31は同一粒子径からなる結晶
で構成しても、あるいは固体電解質層30に向かって序
々に結晶粒子径を小さくするように構成しても良い。い
ずれの方法においても、小粒径領域31の平均結晶粒径
を、その他の部分の大粒径領域33よりも小さくする必
要がある。
【0024】小粒径領域31のセラミック粒子の平均結
晶粒径をRs、大粒径領域33のセラミック粒子の平均
結晶粒径をRpとすると、Rs/Rp=0.05〜0.
8の関係を満足することが望ましい。特に、ガスの透過
性と分極の観点からRs/Rp=0.3〜0.6の関係
を満足することが望ましい。
【0025】本発明の空気極材料は、前記一般式で表さ
れる金属成分の酸化物、炭酸化物、水酸化物等を出発原
料とし、これをボールミル、振動ミル等の周知の方法に
より混合粉砕し、大気中またはAr中等の不活性雰囲気
中で1000〜1500℃で1〜5時間仮焼して得られ
る。上記製造方法においては、原料粉末としてAlおよ
びSi量が少ない原料を選択する他、AlおよびSiの
混入が極力少なくなるようにミル混合、粉砕の際のメデ
ィアについてはジルコニアやマグネシア製の容器やボー
ルを用いることが望ましい。
【0026】第2結晶相を形成するYおよびLaを除く
Yb、Sc、Er、Nd、Gd、Dy、Sm、Pr、C
eの希土類元素からなる酸化物およびZr、Ti、N
i、Crを含有する酸化物については、予め酸化物、炭
酸化物、水酸化物等の形で出発原料中に添加してもよい
し、あるいはペロブスカイト結晶からなる酸化物を合成
した後、所定の析出量となるように添加してもよい。
【0027】本発明の円筒型の固体電解質型燃料電池セ
ルは、先ず、異なる粒径を有する粉末を水などを溶媒と
して分散させた2種類のスラリ−を作製し、多孔質で非
電子伝導性の支持管を大きい粒径を有するスラリー中に
ディップした後、小さい粒径を有するスラリー中に支持
管をディップし、焼き付けることにより、支持管の表面
に大粒径領域,小粒径領域を順次形成し、支持管の表面
に空気極を形成する。
【0028】スラリー中にディップする代わりに、支持
管の表面に溶射法により順次大粒径領域,小粒径領域を
形成しても良い。
【0029】また、他の方法として、ドクタ−ブレ−ド
法で異なる粒径を有する2種類のグリ−ンシ−トを作製
して、前記支持管の表面に、大きい粒径を有するグリー
ンシートを積層した後、小さい粒径を有するグリーンシ
ートを積層し、焼成することにより、支持管の表面に大
粒径領域33、小粒径領域31を順次形成し、空気極3
0を形成しても良い。この場合には、小粒径領域31を
形成するグリーンシートの表面に固体電解質層を形成す
るグリーンシートを積層した後、同時焼成しても良い。
経済的な面からこの方法が優れている。
【0030】さらに、他の方法として、大粒径領域を形
成するバルク体あるいは成形体を押出成形やプレス成形
により形成した後、このバルク体あるいは成形体を、こ
れらの粒径よりも小さい粒径を有するスラリー中にディ
ップすることにより、あるいは、バルク体あるいは成形
体の表面にこれらの粒径よりも小さい粒径を有するグリ
ーンシートを積層し、焼成することにより得られる。こ
の場合にも、上記したように、固体電解質層を形成する
グリーンシートを積層した後、同時焼成しても良い。
【0031】本発明においては、大粒径領域33は、ガ
スの透過性の観点から.開気孔率としては20〜45
%,平均細孔径としては、1〜5μm、特に1.5〜3
μmの範囲が優れる。
【0032】本発明の固体電解質型燃料電池セルの製造
方法について詳述する。本発明の固体電解質型燃料電池
セルは、図2に示されるような円筒型燃料電池セルで
は、例えば10〜20モル%CaOあるいは8〜20モ
ル%Y2 3 ,Yb2 3 含有のZrO2 からなる多孔
質で非電子伝導性の支持管の表面に、本発明の空気極を
形成する。あるいは支持管を形成することなく、支持管
としての機能を有する空気極を形成する。この方法は経
済的である。空気極の形成は、多孔質の支持管表面に上
述のスラリ−ディップ、溶射法等、上記した方法で形成
される。
【0033】その後、8〜20モル%Y2 3 ,Yb2
3 含有のZrO2 あるい8〜20モル%CaOまたは
2 3 ,Yb2 3 、Nd2 3 、Gd2 3 含有の
固体電解質層を気相合成法やあるいは溶射法により形成
し、さらにその表面に燃料極層として60〜90重量%
Ni含むZrO2 、CeO2 サ−メットを形成すること
により作製する。
【0034】また、上記したように、空気極層をグリー
ンシートにより作製したり、あるいは押出成形,プレス
成形法により作製し、この表面に固体電解質層を形成す
るグリーンシートを積層し、同時焼成しても得られる。
【0035】一方、平板型セルは円筒型セルと同じ材料
を用いて、押し出し成形法、ドクタ−ブレ−ド法、プレ
ス成形法により作製した固体電解質表面の一方の面に空
気極を、他方の面に燃料極をスクリ−ン印刷等で作製し
た後焼き付けを行なうことにより得られる。
【0036】
【実施例】
実施例1 純度99.9%以上の平均結晶粒径が0.1〜10μm
のLa0.9 Ca0.1 MnO3 、La0.6 0.1 Ca0.3
MnO3 、Nd0.9 Sr0.1 MnO3 、Y0.9Sr0.1
MnO3 、Y0.9 Ca0.1 MnO3 の各粉末と、10モ
ル%Y2 3 を含有するZrO2 (YSZ)粉末と、8
0重量%Niを含むZrO2 (10モル%Y2 3
有)粉末をそれぞれ準備し、これらに水を添加してそれ
ぞれのスラリーを作製した。
【0037】まず、YSZ粉末を用いたスラリーを成形
し、1500℃で3時間焼成して直径30mm、厚み
0.3mmの固体電解質層を作製した。この固体電解質
層の片面に平均結晶粒径が0.1〜10μmのLa0.9
Ca0.1 MnO3 、La0.6 0.1 Ca0.3 MnO3
Nd0.9 Sr0.1 MnO3 、Y0.9 Sr0.1 MnO3
0.9 Ca0.1 MnO3 粉末を用いたスラリーを、小粒
径領域が熱処理後表1に示す平均結晶粒径および厚みに
なるように塗布し、また他の面に80重量%Niを含む
ZrO2 (10モル%Y2 3 含有)粉末を用いたスラ
リーを熱処理後50μmの厚みなるように塗布して、大
気中1100℃で1時間熱処理して焼き付け、小粒径領
域と燃料極をそれぞれ形成した。
【0038】さらに空気極の小粒径領域の表面には、平
均結晶粒径が10μmのLa0.9 Ca0.1 MnO3 、L
0.6 0.1 Ca0.3 MnO3 、Nd0.9 Sr0.1 Mn
3、Y0.9 Sr0.1 MnO3 粉末を用いたスラリー
を、表1に示す厚みになるように塗布して、同様に11
00℃で1時間焼き付けて結晶粒子径の大きな大粒径領
域を形成し、平板型の固体電解質型燃料電池セルを作製
した。
【0039】この後、空気極側に酸素を、燃料極側に水
素を流して1000℃で発電を行いその出力密度を求め
た。また、平均結晶粒径および厚みは走査型電子顕微鏡
を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】この表1より、結晶粒子径の小さな領域
(小粒径領域の厚み)が300μmを越える試料No.
9および23では出力密度が低い。また、粒子径の比率
Rs/Rpが1である試料No.1と16も同様に出力
密度が低かった。一方、本発明品は全て高い出力密度を
示すことが判る。
【0042】実施例2 上述の平均粒径が10μmのLa0.9 Ca0.1 Mn
3 、La0.6 0.1 Ca0.3 MnO3 、Nd0.9 Sr
0.1 MnO3 粉末を水を溶媒としてスラリ−を作製し、
押し出し成形法で焼結後の厚みが内径13mm、外径1
6mm(肉厚約3mm)、長さ200mmとなるように
大粒径領域となる円筒状成形体を作製した。
【0043】また、La0.9 Ca0.1 MnO3 、La
0.6 0.1 Ca0.3 MnO3 、Nd0. 9 Sr0.1 MnO
3 粉末を水を溶媒としてスラリ−を作製し、ドクタ−ブ
レ−ド法により焼結後の厚みが表2に示すような厚みと
なる小粒径領域用のグリーンシートを作製し、これを前
記円筒状成形体に巻付け、積層した。
【0044】同様に、YSZ粉末と、80重量%Niを
含むZrO2 (10モル%Y2 3含有)粉末を用いた
スラリーにより、ドクターブレード法で厚さ100μm
のグリーシートをそれぞれ作製し、前記小粒径領域用の
グリーンシート上に巻付けて積層し、円筒状積層体を作
製し、これを大気中1500℃で2時間焼成して円筒型
燃料電池セルを作製した。この後、空気極側に酸素を、
燃料極側に水素を流して1000℃で発電を行いその出
力密度を求めた。その結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】この表2より、結晶粒子径の小さな領域が
300μmを越える試料No.31は出力密度が低い。
また、粒子径の比率Rs/Rpが1である試料No.3
3も出力密度が低かった。それに対して、本発明の試料
は全て優れた出力密度を示した。
【0047】
【発明の効果】本発明の固体電解質型燃料電池セルで
は、空気極層が固体電解質層との当接面から300μm
以下の小粒径領域の平均結晶粒径を、その他の部分(大
粒径領域)よりも相対的に小さくすることにより空気極
層中のガスの透過性を失うことなく、固体電解質/空気
極界面における分極抵抗を低減でき、出力密度を向上す
ることができる。
【0048】また、このような空気極の形成方法は、特
殊な装置を必要とせず、従来のスラリ−ディップ法やド
クタ−ブレド法を応用することにより容易に行うことが
できるため極めて経済的である。
【0049】そして、小粒径領域のセラミック粒子の平
均結晶粒径をRs、大粒径領域のセラミック粒子の平均
結晶粒径をRpとすると、Rs/Rp=0.05〜0.
8の関係を満足する場合には、空気極層中のガスの透過
性をさらに向上するとともに、固体電解質/空気極界面
における分極抵抗をさらに低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気極層近傍を示す概念図である。
【図2】従来の円筒型の固体電解質型燃料電池セルを示
す斜視図である。
【図3】従来の平板型の固体電解質型燃料電池セルを示
す斜視図である。
【符号の説明】
1・・・支持管 2,9・・・空気極層 3,8・・・固体電解質層 4,10・・・燃料極層 5・・・インタ−コネクタ 11・・・セパレ−タ 31・・・小粒径領域 33・・・大粒径領域

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質層の片面に空気極層、他面に燃
    料極層が形成された固体電解質型燃料電池セルであっ
    て、前記空気極層は、前記固体電解質層側の表面から深
    さ300μm以内の領域におけるセラミック粒子の平均
    結晶粒径が、深さ300μmより深い領域におけるセラ
    ミック粒子の平均結晶粒径よりも小さいことを特徴とす
    る固体電解質型燃料電池セル。
  2. 【請求項2】固体電解質層側の表面から深さ300μm
    以内の領域におけるセラミック粒子の平均結晶粒径をR
    s、深さ300μmより深い領域におけるセラミック粒
    子の平均結晶粒径をRpとしたとき、Rs/Rp=0.
    05〜0.8の関係を満足する請求項1記載の固体電解
    質型燃料電池セル。
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