JP5065046B2 - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックなどの酸化物よりなる電解質層から構成された固体酸化物形燃料電池に関するものである。
燃料極に水素などの燃料ガスを供給し、空気極に空気などの酸化剤ガスを供給することで発電を行う燃料電池において、近年、酸素イオン伝導体を固体酸化物電解質層に用いた固体酸化物形燃料電池に関心が高まりつつある。特に、エネルギーの有効利用という観点から、固体酸化物形燃料電池は、カルノー効率(熱エネルギー利用効率の限界)の制約を受けないため、本質的に高いエネルギー変換効率を有している。さらに、固体酸化物形燃料電池は、良好な環境保全が期待されるなど、優れた特徴を有している(文献1:田川 博章 著、「固体酸化物燃料電池と地球環境」、株式会社アグネ承風社、pp.18−30、1998年)。
当初、固体酸化物形燃料電池は、動作温度が900〜1000℃と高く、すべての部材をセラミックから構成していたため、セルスタックの製造コストの低減が容易ではなかった。動作温度を800℃以下好ましくは700℃程度にまで低減することができれば、インターコネクタ(セパレータ)に耐熱合金材料を用いることが可能となり、製造コストの低減が図れるようになる。例えば、La(Ni−Fe)O3などの、ニッケルと鉄とをBサイトに有するペロブスカイト系の金属酸化物は、高い電極活性を有し、これを空気極に用いることで、動作温度の低下が実現できる。しかしながら、動作温度の低下に伴い、例えば、空気極における化学反応の速度が低下し、電気化学的な抵抗である過電圧が急激に増大し、出力電圧の低下を招くという問題が発生する。
ところで、上述したような材料を用いた固体酸化物形燃料電池は、各電極や電解質層を、各材料の微粒子(粉体)の焼結体(セラミック)から構成されている(文献2:田川 博章 著、「固体酸化物燃料電池と地球環境」、株式会社アグネ承風社、pp.247−278、1998年)。このため、電極反応の進行する電極/電解質/気体の三相の接する界面(三相界面)の長さを拡大することで、より高い電極特性が得られるようになる。従って、前述した動作温度の低下に伴う出力電圧の低下は、三相界面長を増大することにより解消することが可能である。
例えば、空気極には、La(Sr)MnO3やLa(Sr)Fe(Ni)O3などの、電子伝導性が高く、高温の酸化雰囲気でも安定な、ペロブスカイト系酸化物の粉体を焼成した多孔質体が用いられている。このように構成された空気極であれば、空気極を構成している粉体の粒子径を小さくすることで、三相界面長の増大が可能となり、空気極における低温特性を向上させることが可能となる。
一方、空気極においては、電流を流すと共に、空気などの酸化剤ガスを供給する機能を担うため、ガスを供給するという観点からは、粒径を大きくして多孔質体の孔径がある程度大きくなるようにした方がよい。
ここで、電解質層の側の粒径の小さい層と、酸化剤ガス供給側の粒径の大きい層とで空気極を構成することで、三相界面長の増大が図られると共に酸化剤ガスが十分に供給される状態とすることができる。
しかしながら、空気極を異なる粒径の2つの層で構成すると、2つの層の界面が剥離しやすくなるという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、空気極を構成する層間で剥がれが抑制された状態で、三相界面長の増大が図れるようにすることを目的とする。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池は、金属酸化物の粉体の焼結体からなる電解質層と、この電解質層の一方の面の上に形成された燃料極と、電解質層の他方の面の上に形成されたペロブスカイト型酸化物の粉体の焼結体からなる空気極とを少なくとも備え、空気極は、電解質層の上に形成された第1層とこの第1層の上に接して形成された第2層とから構成され、第1層は、小粒径の粉体を含む焼結体から構成され、第2層は、小粒径より大きい大粒径の粉体の焼結体から構成され、第1層の少なくとも第2層に接する一部の領域は、小粒径の粉体と大粒径の粉体との混合粉体の焼結体から構成されているようにしたものである。従って、第1層と第2層との界面における粒径の大きな変化が抑制される。なお、燃料極には、燃料ガスが供給され、空気極には、酸化剤ガスが供給される。
上記固体酸化物形燃料電池において、第1層の全域が、混合粉体から構成されていてもよい。また、第1層の少なくとも電解質層に近い領域は、ペロブスカイト型酸化物の粉体に加えて酸化セリウムの粉体が添加された混合粉体の焼結体から構成されていてもよい。この場合、酸化セリウムの粉体の粒径は、大粒径より小さくされたものであるとよい。また、酸化セリウムの粉体は、酸化イットリウム,酸化サマリウム,及び酸化ガドリニウムから選択された1つがドープされたものであればよい。また、空気極と電解質層との間に配置されて、酸化セリウムの粉体の焼結体から構成されたセリア層を備えるようにしても良い。この場合においても、酸化セリウムの粉体は、酸化イットリウム,酸化サマリウム,及び酸化ガドリニウムから選択された1つがドープされたものであればよい。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池は、金属酸化物の粉体の焼結体からなる電解質層と、この電解質層の一方の面の上に形成された燃料極と、電解質層の他方の面の上に形成されたペロブスカイト型酸化物の粉体の焼結体からなる空気極とを少なくとも備え、空気極は、電解質層側に配置された活性層とこの活性層の上に形成された集電層とから構成され、集電層は、第1粒径(大粒径)の第1粉体の焼結体から構成され、活性層は、第1粉体と、第1粒径より小さい第2粒径(小粒径)の第2粉体との混合粉体の焼結体から構成されたものである。従って、活性層と集電層との界面における粒径の大きな変化が抑制される。
また、本発明に係る他の固体酸化物形燃料電池は、金属酸化物の粉体の焼結体からなる電解質層と、この電解質層の一方の面の上に形成された燃料極と、電解質層の他方の面の上に形成されたペロブスカイト型酸化物の粉体の焼結体からなる空気極とを少なくとも備え、空気極は、電解質層側に配置された活性層,この活性層の上に形成された中間層,及びこの中間層の上に形成された集電層とから構成され、集電層は、第1粒径(大粒径)の第1粉体の焼結体から構成され、活性層は、第1粒径より小さい第2粒径(小粒径)の第2粉体の焼結体から構成され中間層は、第1粉体と、第2粉体との混合粉体の焼結体から構成されたものである。従って、活性層と中間層との界面及び中間層と集電層との界面の各々における粒径の大きな変化が抑制される。
以上説明したように、本発明によれば、第1層は、小粒径の粉体を含む焼結体から構成され、第2層は、小粒径より大きい大粒径の粉体の焼結体から構成され、第1層の少なくとも第2層に接する一部の領域は、小粒径の粉体と大粒径の粉体との混合粉体の焼結体から構成されているようにしたので、第1層と第2層との界面における粒径の大きな変化が抑制され、空気極を構成する層間で剥がれが抑制された状態で、三相界面長の増大が図れるようになるという優れた効果が得られる。
また、本発明によれば、活性層を、第1粒径の第1粉体と、第1粒径より小さい第2粒径の第2粉体との混合粉体の焼結体から構成したので、活性層と集電層との界面における粒径の大きな変化が抑制され、空気極を構成する層間で剥がれが抑制された状態で、三相界面長の増大が図れるようになるという優れた効果が得られる。また、本発明によれば、中間層を、第1粉体と、第2粉体との混合粉体の焼結体から構成したので、活性層と中間層との界面及び中間層と集電層との界面の各々における粒径の大きな変化が抑制され、空気極を構成する層間で剥がれが抑制された状態で、三相界面長の増大が図れるようになるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施例1における固体酸化物形燃料電池の構成例を部分的に示す断面図である。 図2A〜図2Dは、本発明の実施例1における固体酸化物形燃料電池の作製方法例を示す工程図である。 図3は、作製した試料の構成を示す斜視図である。 図4Aは、固体酸化物形燃料電池の構成例を示す断面図である。 図4Bは、固体酸化物形燃料電池の一部の構成例を示す斜視図である。 図5は、本発明の実施例2における固体酸化物形燃料電池の構成例を部分的に示す断面図である。 図6A〜図6Eは、本発明の実施例2における固体酸化物形燃料電池の作製方法例を示す工程図である。 図7は、本発明の実施例3における固体酸化物形燃料電池の構成例を部分的に示す断面図である。 図8は、作製した試料の構成を示す斜視図である。 図9は、固体酸化物形燃料電池の構成例を示す断面図である。 図10は、本発明の実施例5における固体酸化物形燃料電池の構成例を部分的に示す断面図である。
以下、本発明の実施例について図を参照して説明する。
[実施例1]
はじめに、本発明の第1実施例について説明する。図1は本実施例1における固体酸化物形燃料電池の構成例を部分的に示す断面図である。本実施例1の固体酸化物形燃料電池は、金属酸化物の粉体の焼結体からなる電解質層101と、電解質層101の一方の面(図1では下面)に設けられた燃料極102と、電解質層101の他方の面に設けられた空気極103とを備えている。また、空気極103は、電解質層101の上に形成された活性層131と、活性層131の上に形成された集電層132とから構成されている。
まず、電解質層101は、例えば、Sc23とAl23とが添加されたジルコニア(ZrO2)の粉体よりなる焼結体(SASZ:0.89ZrO2-0.10Sc2O3-0.01Al2O3)である。また、電解質層101は、SSZ((1−x)(ZrO2)−x(Sc23);0.029<x<0.11),YSZ((1−x)(ZrO2)−x(Y23);0.029<x<0.11),LSGM(La0.8Sr0.2Ga0.85Mg0.15O),LSGMC(La0.8Sr0.2Ga0.65Mg0.15Co0.2O),GDC(Ce1-xGdx2;0.08<x<0.22),SDC(Ce1-xSmx2;0.08<x<0.22),及びYDC(Ce1-xx2;0.08<x<0.22)などの酸化物の粉体よりなる焼結体から構成しても良い。燃料極102は、例えば、Y23が添加されたZrO2の粉体と酸化ニッケルの粉体とが混合した混合粉体よりなる焼結体である。
また、活性層131は、例えば、平均粒径0.5μm(小粒径)のLaNi0.6Fe0.43(LNF)などのペロブスカイト型酸化物の粉体(第2粉体)と、平均粒径1.3μm(大粒径)のLNFなどのペロブスカイト型酸化物の粉体(第1粉体)とが混合した混合粉体よりなる焼結体である。集電層132は、平均粒径1.3μm(大粒径)のLNFなどのペロブスカイト型酸化物の粉体(第1粉体)よりなる焼結体である。これらの焼結体は、多孔質体であり、複数の微細な孔を備え、水素などの燃料ガス及び酸素(空気)などの酸化剤ガスの供給と共に、イオン(酸素イオン)及び電子の伝導が行われる。従って、空気極103は、ペロブスカイト型酸化物の粉体の焼結体から構成されていることになる。
上述したように、実施例1における固体酸化物形燃料電池は、比較的大きい粒径(大粒径、第1粒径)の粒子(第1粉体)より構成された焼結体からなる集電層132と、集電層132を構成している粒子(第1粉体)及びこれより粒径の小さい粒子(小粒径,第2粉体)が混合された焼結体からなる活性層131とから、空気極103が構成されているようにしたものである。
言い換えると、空気極103は、まず、電解質層101の上に形成された第1層(活性層131)とこの第1層の上に接して形成された第2層(集電層132)とから構成され、第1層は、小粒径(第2粒径)の粉体を含む焼結体から構成され、第2層は、小粒径より大きい大粒径(第1粒径)の粉体の焼結体から構成され、第1層の少なくとも第2層に接する一部の領域は、小粒径の粉体と大粒径の粉体との混合粉体の焼結体から構成されているようにした。本実施例1では、第1層の全域が、混合粉体から構成されている。
このように構成した結果、まず、電解質層101と接している活性層131においては、粒径の小さな電子伝導性の粉体(第2粉体)より構成されているため、三相界面長の増大が図れた状態となっている。また、集電層132においては、粒径の大きなLNF粉体より構成されているため、多孔質体の孔径が大きく形成され、ガスの供給や電子の伝導に好ましい状態となっている。
加えて、実施例1における固体酸化物形燃料電池によれば、集電層132と同様の粒径の大きなLNF粉体(第1粉体)も、活性層131に混合されているため、活性層131と集電層132との界面における粒径の大きな変化が抑制され、活性層131と集電層132との明確な境界が無くなる。この結果、活性層131と集電層132との界面への応力の集中が抑制されるようになり、空気極103を構成する活性層131と集電層132との層間で剥がれが抑制されるようになる。
次に、実施例1における固体酸化物形燃料電池の作製方法例について説明する。まず、図2Aに示すように、Sc23とAl23とが添加されたジルコニア(金属酸化物)の粉体を所定の媒体に分散させてスラリーを作製し、このスラリーをよく知られたドクターブレード法により成形し、これを焼成して板厚0.2mmの電解質層101が形成された状態とする。上記粉体としては、mol比で、ZrO2が89,Sc23が10,Al23が1の割合で、Sc23とAl23とがジルコニアに添加されたものを用いればよい。
次に、平均粒径0.6μmジルコニア粉体に平均粒径0.2μmの酸化ニッケル粉体を60w%加えて混合したスラリーを、例えばスクリーン印刷法により塗布し、これを乾燥することで、電解質ペーストの板の一方の面に、燃料極塗布膜が形成された状態とする。上記ジルコニア粉体としては、mol比で、ZrO2が92,Y23が8の割合で、Y23が添加されたZrO2を用いればよい。次いで、形成された燃料極塗布膜の上に、白金のメッシュよりなる金属集電体を載置し、これらを、空気中で1400℃・8時間の条件で焼成し、電解質層101の一方の面(図2では下面)に燃料極102が金属集電体(図2では省略)とともに形成された状態とする。
次に、平均粒径0.5μmのLNF粉体と平均粒径1.3μmのLNF粉体とを混合した混合粉体を、例えばポリエチレングリコールよりなる媒体に分散させてスラリーを作製する。次いで、作製したスラリーをスクリーン印刷法により電解質層101の他方の面(図2では上面)に塗布して乾燥し、図2Bに示すように、活性層塗布膜121が形成された状態とする。
次に、平均粒径1.3μmのLNF粉体を上記媒体に分散させてスラリーを作製し、このスラリーをスクリーン印刷法により活性層塗布膜121の上に塗布して乾燥し、図2(c)に示すように、活性層塗布膜121の上に集電層塗布膜122が形成された状態とする。この後、形成された活性層塗布膜121及び集電層塗布膜122を、例えば1000℃・2時間の条件で焼成することで、図2(d)に示すように、電解質層101の上に、活性層131及び集電層132から構成された空気極103が形成された状態とすることができる。
なお、上述では、空気極103がLNFから構成されているようにしたが、これに限るものではなく、他のペロブスカイト型酸化物から構成されていてもよい。例えば、空気極103は、LCO(LaCoO3),LSCO(La0.8Sr0.2CoO3),LSFCO(La0.8Sr0.2Fe0.8Co0.23),LSF(La0.8Sr0.2FeO3)から構成されていても良い。また、上述では、活性層131が、平均粒径0.5μmのLNF粉体と、平均粒径1.3μmのLNF粉体とが混合した混合粉体よりなる焼結体より構成したが、これに限るものではない。集電層132を構成した粉体の粒径(大粒径,第1粒径)と同径の粉体と、これより小さな粒径(小粒径,第2粒径)の粉体(第2粉体)との混合粉体の焼結体から、活性層が構成されていればよい。
また、例えば、平均粒径0.5μmのLNF粉体と平均粒径1.3μmのLNF粉体に加え、平均粒径0.2μmのCe0.8Sm0.22(SDC:セリアに酸化サマリウムがドープされた固溶体)の粉体が添加された混合粉体よりなる焼結体より、活性層131が構成されていてもよい。また、SDCの代わりに、平均粒径0.2μmのCe0.80.22(YDC:セリアに酸化イットリウムがドープされた固溶体)やCe0.8Gd0.22(GDC:セリアに酸化ガドリニウムがドープされた固溶体)を用いるようにしてもよい。これらのセリア(酸化セリウム)の粉体の粒径は、集電層132を構成する大きい粒径の粉体の粒径より小さい状態とされていればよい。なお、活性層を構成する大きな粒径の粉体は、例えば、20〜80wt%の範囲で混合されていればよい。
ここで、各粉体の作製及び粒径について説明する。例えば、平均粒径1.3μmと大きい方(大粒径)の粉体は、よく知られた固相反応法で作製し、加えて、これをボールミルなどで粉砕して用いる。この方法によれば、平均粒径0.8〜1.3μmの粉体が作製可能である。また、より微細な方(小粒径)の粉体は、よく知られた共沈法により作製すればよい。これは、所望の金属イオンを所定量溶解した液体の混合液、又は、金属イオンを含む有機金属酸塩の混合溶液を用意し、温度及びpHを調整することで沈殿又はゲル状に固化させ、これを濾過乾燥させて粉体を得るものである。この方法によれば、乾燥後の熱処理温度により変化するが、平均粒径0.01〜1μmの粉体が得られる。また、平均粒径5μmの粉体を得ることも可能である。なお、上述した粒径(平均粒径)は、よく知られているレーザー回折散乱法による光強度分布パターンの測定から得られた平均粒子径であり、このことは、以降に示す粒径についても同様である。
次に、活性層を構成する粉体の構成割合及び活性層を構成する材料を変化させて試料セルを作製し、作成した各試料セルにおける密着力の調査をした結果と、空気極側の界面抵抗を測定した結果とについて説明する。まず、密着力の調査では、図3に示すように、電解質層101の上に1cm角程度の矩形の空気極103が形成された試料を作製し、密着力試験を行う。密着力試験は、作成した各試料の空気極103に粘着テープを貼り付け、貼り付けた粘着テープを剥離し、剥離した後における空気極103の残留率(残留重量率)を測定し、測定した残留率を密着力とした。
また、前述した各試料セルを用いて図4Aの断面図に示すような固体酸化物形燃料電池とし、空気極側の界面抵抗を測定した。図4Aに示す固体酸化物形燃料電池について説明すると、板厚0.2mmの電解質層101の一方の面に燃料極102及び金属集電体105が積層され、他方の面に空気極103及び金属集電体106が積層されている。また、図4Bの斜視図にも示すように、空気極となる活性層131及び集電層132が形成されている電解質層101の他方の面の周辺部には、白金からなる参照電極107が設けられている。
また、電解質層101の一方の面には、燃料極102が配設されている領域を囲うように円筒形状の燃料ガス排気配管201の端部が固定され、燃料ガス排気配管201の内側に燃料ガス供給配管202が配置されている。燃料ガス供給配管202により導入される燃料ガス(例えば水素ガス)は、燃料ガス供給配管202の吐出端より燃料極102の領域に供給される。また、燃料極102において排出されるガスは、燃料ガス排気配管201内の燃料ガス供給配管202の外側の領域より外部に取り出される。
一方、電解質層101の他方の面には、空気極103が配設されている領域を囲うように円筒形状の酸化剤ガス排気配管203の端部が固定され、酸化剤ガス排気配管203の内側に酸化剤ガス供給配管204が配置されている。酸化剤ガス供給配管204により導入される酸化剤ガス(例えば酸素ガス)は、酸化剤ガス供給配管204の吐出端より空気極103の領域に供給される。また、空気極103において排出されるガスは、酸化剤ガス排出配管203内の酸化剤ガス供給配管204の外側の領域より外部に取り出される。これらのように、燃料極102に燃料ガスが供給され、空気極103に酸化剤ガスが供給されることで、固体酸化物形燃料電池における発電が行われる。なお、各排気配管は、ガスシール207により、電解質層101の表面に接着固定されている。
次に、作製した試料セル,各試料の密着力及び各試料セルの空気極界面抵抗測定結果について、以下の表1を用いて説明する。なお、表1において、「大粒子」は、平均粒子径が1.3μmのLNF粉体の活性層形成時に混合した割合(wt%)を示している。また、試料番号1−1−0は、活性層を平均粒径0.5μmのLNF粉体のみで形成した試料である。また、試料番号1−2−0は、平均粒径0.5μmのLNF粉体に平均粒径0.2μmのSDC(セリア)粉体を50wt%混合した粉体よりなる焼結体から活性層を構成した試料である。どちらも、より大きい粒径(1.3μm)の粉体(粒子)を用いずに活性層を形成した比較対象の試料である。
一方、試料番号1−2−1〜1−2−4は、平均粒径0.2μmのセリア粉体と平均粒径0.5μmのLNF粉体とを50wt%:50wt%の割合で混合した混合粉体に、以下の表1に示されている重量比で大粒子のLNF粉体を混合して活性層を作製した試料である。また、試料番号1−3−1〜1−6−1は、平均粒径0.2μmのセリア粉体と平均粒径0.5μmのLNF粉体とを、60wt%:40wt%〜20wt%:80wt%の割合で混合した混合粉体に、以下の表1に示されている重量比で大粒子のLNF粉体を混合して活性層を作製した試料である。
表1において、「セリア混合量」は、小粒径のLNF粉体とセリア粉体との混合比を示し、大粒子が混合されない試料では、活性層の作製に用いた全粉体に対するセリア粉体の混合量となる。また、表1において「大粒子」に示す比率は、活性層の作製に用いた全粉体に対する大粒子のLNF粉体の比率である。また、表1中において、「活性層」及び「集電層」において、添えてある数字は、粒径を示している。
なお、表1に示す各条件で作成した各試料セルを用いて図4A同様の燃料電池を組み立て、800℃において発電試験を行うと、白金端子205と白金端子206との間で1.14Vの値が得られる。燃料ガスとしては、室温加湿水素(加湿3%)を用い、酸化剤ガスとしては酸素を用いる。また、白金端子205及び白金端子206を用い、燃料極102及び空気極103の間に交流電流を流した状態で、空気極103と参照電極107との間の電圧応答をインピーダンスメータにより測定することで、空気極側の界面抵抗成分を分離して求める。
上述した密着力の調査の結果、以下の表1に示すように、比較例の試料番号1−1−0に対し、試料番号1−1−1,1−1−2,1−1−3,及び1−1−4は、「密着力」が大幅に大きくなっている。また、比較例の試料番号1−2−0に対し、試料番号1−2−1,1−2−2,1−2−3,及び1−2−4も、「密着力」が大幅に大きくなっている。これらのことから明らかなように、平均粒径0.5μmのLNF粉体に加え、これより大きい平均粒径1.3μmのLNF粉体を混合した混合粉体よりなる焼結体から活性層を構成することで、集電層との密着力を向上させることができる。この中で、平均粒径1.3μmのLNF粉体の混合量が60wt%の条件が、最も密着力が大きい状態となっている。なお、比較例に対し、いずれの試料も、空気極側の界面抵抗に差はない。また、表1から分かるように、活性層にSDCが添加されることで、空気極側の界面抵抗を低下させることができる。
Figure 0005065046
*セリア混合量は、小粒径のLNF粉体とセリア粉体との混合比(重量%)を示し、大粒子が混合されない試料においては、活性層の作製に用いた全粉体に対するセリア粉体の混合量となる。
[実施例2]
次に、本発明の第2の実施例における固体酸化物形燃料電池について説明する。図5は、本実施例2における他の固体酸化物形燃料電池の構成例を部分的に示す断面図である。本実施例2における固体酸化物形燃料電池は、金属酸化物の粉体の焼結体からなる電解質層101と、電解質層101の一方の面(図5では下面)に設けられた燃料極102と、電解質層101の他方の面に設けられた空気極503とを備えている。また、空気極503は、電解質層101の上に形成された活性層531と、活性層531の上に形成された中間層533と、中間層533の上に形成された集電層532とから構成されている。中間層533は、活性層531と集電層532との間に配置されている。
まず、電解質層101は、例えば、Sc23とAl23とが添加されたジルコニア(ZrO2)の粉体よりなる焼結体(SASZ:0.89ZrO2-0.10Sc2O3-0.01Al2O3)である。燃料極102は、例えば、Y23が添加されたZrO2の粉体と酸化ニッケルの粉体とが混合した混合粉体よりなる焼結体である。また、活性層531は、例えば、平均粒径0.5μmのLaNi0.6Fe0.43(LNF)粉体よりなる焼結体であり、集電層532は、平均粒径1.3μmのLNF粉体よりなる焼結体である。また、中間層533は、例えば、平均粒径0.5μmのLNF粉体と、平均粒径1.3μmのLNF粉体とが混合した混合粉体よりなる焼結体である。これらの焼結体は、多孔質体であり、複数の微細な孔を備え、水素などの燃料ガス及び酸素(空気)などの酸化剤ガスの供給と共に、イオン(酸素イオン)及び電子の伝導が行われる。
上述したように、実施例2における固体酸化物形燃料電池は、比較的大きい粒径のLNF粒子(第1粉体)より構成された焼結体からなる集電層532と、集電層532を構成しているLNF粒子(第1粉体)及びこれより粒径の小さいLNF粒子(第2粉体)が混合した焼結体からなる中間層533と、集電層532を構成しているLNF粒子より粒径の小さいLNF粒子(第2粉体)より構成された焼結体からなる活性層531とから、空気極503が構成されているようにしたものである。
言い換えると、空気極503は、まず、電解質層101の上に形成された第1層とこの第1層の上に接して形成された第2層(集電層532)とから構成され、第1層は、小粒径(第2粒径)の粉体を含む焼結体から構成され、第2層は、小粒径より大きい大粒径(第1粒径)の粉体の焼結体から構成され、第1層の少なくとも第2層に接する一部の領域(中間層533)は、小粒径の粉体と大粒径の粉体との混合粉体の焼結体から構成されているようにした。本実施例2では、第1層が、混合粉体の焼結体からなる中間層533と小粒径(第2粒径)の粉体の焼結体からなる活性層531とから構成されている。
これらの結果、まず、電解質層101と接している活性層531においては、粒径の小さな電子伝導性の粉体(第2粉体)より構成されているため、三相界面長の増大が図れた状態となっている。また、集電層532においては、粒径の大きなLNF粉体(第1粉体)より構成されているため、多孔質体の孔径が大きく形成され、ガスの供給や電子の伝導に好ましい状態となっている。
加えて、実施例2における固体酸化物形燃料電池によれば、中間層533を設けるようにしたため、活性層531と中間層533との界面及び中間層と集電層532との界面における粒径の大きな変化が抑制され、これらの間の明確な境界が無くなる。この結果、活性層531と中間層533及び中間層533と集電層532との各々の界面への応力の集中が抑制されるようになり、空気極503を構成する各層の層間で剥がれが抑制されるようになる。
次に、実施例2における固体酸化物形燃料電池の作製方法例について説明する。まず、図6Aに示すように、Sc23とAl23とが添加されたジルコニア(金属酸化物)の粉体を所定の媒体に分散させてスラリーを作製し、このスラリーをよく知られたドクターブレード法により成形し、これを焼成して板厚0.2mmの電解質層101が形成された状態とする。上記粉体としては、mol比で、ZrO2が89,Sc23が10,Al23が1の割合で、Sc23とAl23とがジルコニアに添加されたものを用いればよい。
次に、平均粒径0.6μmジルコニア粉体に平均粒径0.2μmの酸化ニッケル粉体を60w%加えて混合したスラリーを、例えばスクリーン印刷法により塗布し、これを乾燥することで、電解質ペーストの板の一方の面に、燃料極塗布膜が形成された状態とする。上記ジルコニア粉体としては、mol比で、ZrO2が92,Y23が8の割合で、Y23が添加されたZrO2を用いればよい。次いで、形成された燃料極塗布膜の上に、白金のメッシュよりなる金属集電体を載置し、これらを、空気中で1400℃・8時間の条件で焼成し、電解質層101の一方の面(図6では下面)に燃料極102が金属集電体(図6では省略)とともに形成された状態とする。
次に、平均粒径0.5μmのLNF粉体を、例えばポリエチレングリコールよりなる媒体に分散させてスラリーを作製する。次いで、作製したスラリーをスクリーン印刷法により電解質層101の他方の面(図6では上面)に塗布して乾燥し、図6Bに示すように、活性層塗布膜521が形成された状態とする。次いで、平均粒径0.5μmのLNF粉体と平均粒径1.3μmのLNF粉体との混合粉体を、上記同様の媒体に分散させてスラリーを作製する。次いで、作製した混合粉体のスラリーをスクリーン印刷法により活性層塗布膜521の上に塗布して乾燥し、図6(c)に示すように、中間層塗布膜522が形成された状態とする。
次に、平均粒径1.3μmのLNF粉体を上記媒体に分散させてスラリーを作製し、このスラリーをスクリーン印刷法により中間層塗布膜522の上に塗布して乾燥し、図6(d)に示すように、中間層塗布膜522の上に集電層塗布膜523が形成された状態とする。この後、形成された活性層塗布膜521,中間層塗布膜522及び集電層塗布膜523を、例えば1000℃・2時間の条件で焼成することで、図6(e)に示すように、電解質層101の上に、活性層531,中間層533及び集電層532から構成された空気極503が形成された状態とすることができる。
なお、上述では、空気極503がLNFから構成されているようにしたが、これに限るものではなく、他のペロブスカイト型酸化物から構成されていてもよい。また、上述では、中間層533が、平均粒径0.5μmの粉体と、平均粒径1.3μmの粉体とが混合した混合粉体よりなる焼結体より構成したが、これに限るものではない。集電層532を構成した粉体の粒径(大粒径,第1粒径)と同径の粉体と、これより小さな活性層531を構成した粉体の粒径(小粒径,第2粒径)と同径の粉体との混合粉体の焼結体から、中間層が構成されていればよい。
また、活性層531が、平均粒径0.5μmのLaNi0.6Fe0.43(LNF)粉体よりなる焼結体より構成したが、これに限るものではない。例えば、平均粒径0.5μmのLNF粉体に加え、平均粒径0.2μmのCe0.80.22(YDC)の粉体が添加された混合粉体よりなる焼結体より、活性層531が構成されていてもよい。また、YDCの代わりに、平均粒径0.2μmのCe0.8Sm0.22(SDC)を用いるようにしてもよい。これらのセリア(酸化セリウム)の粉体の粒径は、集電層532を構成する大きい粒径の粉体の粒径より小さい状態とされていればよい。なお、中間層533を構成する大きな粒径の粉体は、例えば、30〜70wt%の範囲で混合されていればよい。
次に、活性層を構成する粉体の構成割合及び活性層を構成する材料を変化させて試料セルを作製し、作成した各試料セルにおける密着力の調査をした結果と、空気極側の界面抵抗を測定した結果とについて説明する。まず、密着力の調査では、電解質層101の上に1cm角程度の矩形の空気極503が形成された試料を作製し、密着力試験を行う。この試料は、図3に示した試料の空気極103を図5に示す実施例2における空気極503に変更したものである。密着力試験は、作成した各試料の空気極503に粘着テープを貼り付け、貼り付けた粘着テープを剥離し、剥離した後における空気極503の残留率(残留重量率)を測定し、測定した残留率を密着力とした。また、前述した各試料セルを用いて図4Aの断面図に示すような固体酸化物形燃料電池とし、空気極側の界面抵抗を測定した。なお、図4Aに示す空気極103の代わりに、図5に示す実施例2の空気極503を用いる。
次に、作製した試料セル,各試料の密着力及び各試料セルの空気極界面抵抗測定結果について、以下の表2を用いて説明する。なお、表2において、「中間層」の欄は、平均粒子径が1.3μmのLNF粉体の中間層形成時に混合した割合(wt%)を示している。また、試料番号1−1−0は、中間層を用いない試料である。また、試料番号2−2−0は、平均粒径0.5μmのLNF粉体に平均粒径0.2μmのYDCを50wt%混合した粉体よりなる焼結体から活性層を構成し、中間層を用いない試料である。どちらも、中間層を用いていない比較対象の試料である。また、試料番号2−2−1〜2−2−3は、小粒子である0.5μm径のLNFと0.2μm径のYDCとの混合比を50wt%:50wt%に保った状態で、中間層に大粒子が混合された場合である。表2中において、「活性層」及び「集電層」において、添えてある数字は、粒径を示している。
なお、表2に示す各条件で作成した各試料セルを用いて図4A同様の燃料電池を組み立て、800℃において発電試験を行うと、白金端子205と白金端子206との間で1.14Vの値が得られる。本実施例2の固体酸化物形燃料電池においても、燃料極102に燃料ガスが供給され、空気極503に酸化剤ガスが供給されると、発電が行われる。燃料ガスとしては、室温加湿水素(加湿3%)を用い、酸化剤ガスとしては酸素を用いる。また、白金端子205及び白金端子206を用い、燃料極102及び空気極503(図3には示さず)の間に交流電流を流した状態で、空気極503と参照電極107との間の電圧応答をインピーダンスメータにより測定することで、空気極側の界面抵抗成分を分離して求める。
上述した密着力の調査の結果、以下の表2に示すように、比較例の試料番号1−1−0に対し、試料番号2−1−1,2−1−2,及び2−1−3は、「密着力」が大幅に大きくなっている。また、比較例の試料番号2−2−0に対し、試料番号2−2−1,2−2−2,及び2−2−3も、「密着力」が大幅に大きくなっている。これらのことから明らかなように、平均粒径0.5μmのLNF粉体に加え、これより大きい平均粒径1.3μmのLNF粉体を混合した混合粉体よりなる中間層を用いることで、各層間の密着力を向上させることができる。また、比較例に対し、いずれの試料も、空気極側の界面抵抗に差はない。なお、表2から分かるように、活性層にYDCが添加されることで、空気極側の界面抵抗を低下させることができる。
Figure 0005065046
[実施例3]
次に、本発明の第3実施例について説明する。図7は本実施例3における固体酸化物形燃料電池の構成例を部分的に示す断面図である。本実施例3の固体酸化物形燃料電池は、金属酸化物の粉体の焼結体からなる電解質層101と、電解質層101の一方の面(図7では下面)に設けられた燃料極102と、電解質層101の他方の面に設けられた空気極103とを備える。また、空気極103は、電解質層101の上に形成された活性層131と、活性層131の上に形成された集電層132とから構成されている。これらのことは、実施例1の固体酸化物形燃料電池と同様である。
本実施例3における固体酸化物形燃料電池は、電解質層101の上に、新たに、酸化セリウムの粉体の焼結体から構成されたセリア層701を備え、セリア層701の上に空気極103(活性層131)が形成されているようにしたものである。セリア層701は、SDC(酸化セリウムに酸化サマリウムがドープされた固溶体),YDC(酸化セリウムに酸化イットリウムがドープされた固溶体),及びGDC(酸化セリウムに酸化ガドリニウムがドープされた固溶体)のいずれかから構成されていればよい。セリア層701を備えることで、電解質層101と空気極103との間の抵抗増大を抑制できるようになる。
次に、実施例3における固体酸化物形燃料電池の作製方法例について説明する。まず、実施例1の固体酸化物形燃料電池の作製と同様に、電解質層101が形成された状態とし、また、電解質層101の一方の面に燃料極102及び金属集電体などが形成された状態とする。次に、例えばポリエチレングリコールよりなる媒体に平均粒径0.1μmのCe0.9Gd0.12粉体からなるスラリーを分散させてスラリーを作製し、このスラリーを、例えばスクリーン印刷法により、電解質層101の他方の面に塗布して乾燥し、セリア層塗布膜が形成された状態とする。
引き続いて、セリア層塗布膜の上に、実施例1の固体酸化物形燃料電池と同様に、活性層塗布膜及び集電層塗布膜が形成された状態とする。ここで、本実施例3では、活性層塗布膜は、平均粒径0.4μmと平均粒径1.0μmが混合したLNF粉体から構成し、集電層塗布膜は、平均粒径1.0μmのLNF粉体から構成した。これらを、例えば1000℃・2時間の条件で焼成することで、図7に示すように、電解質層101の上に、セリア層701が形成され、この上に、活性層131及び集電層132から構成された空気極103が形成された状態とすることができる。
次に、活性層131を構成する粉体の構成割合及び活性層131を構成する材料を変化させて試料セルを作製し、作成した各試料セルにおける密着力の調査をした結果と、空気極側の界面抵抗を測定した結果とについて説明する。まず、密着力の調査では、図8に示すように、電解質層101の上に1cm角程度の矩形のセリア層701及び空気極103が形成された試料を作製し、密着力試験を行う。密着力試験は、作成した各試料の空気極103に粘着テープを貼り付け、貼り付けた粘着テープを剥離し、剥離した後における空気極103の残留率(残留重量率)を測定し、測定した残留率を密着力とした。
また、前述した各試料セルを用いて図9の断面図に示すような固体酸化物形燃料電池とし、空気極側の界面抵抗を測定した。図9に示す固体酸化物形燃料電池について説明すると、板厚0.2mmの電解質層101の一方の面に燃料極102及び金属集電体105が積層され、他方の面にセリア層701,空気極103,及び金属集電体106が積層されている。また、電解質層101の他方の面の周辺部には、白金からなる参照電極107が設けられている。
また、電解質層101の一方の面には、燃料極102が配設されている領域を囲うように円筒形状の燃料ガス排気配管201の端部が固定され、燃料ガス排気配管201の内側に燃料ガス供給配管202が配置されている。燃料ガス供給配管202により導入される燃料ガス(例えば水素ガス)は、燃料ガス供給配管202の吐出端より燃料極102の領域に供給される。また、燃料極102において排出されるガスは、燃料ガス排気配管201内の燃料ガス供給配管202の外側の領域より外部に取り出される。
一方、電解質層101の他方の面には、セリア層701や空気極103などが配設されている領域を囲うように円筒形状の酸化剤ガス排気配管203の端部が固定され、酸化剤ガス排気配管203の内側に酸化剤ガス供給配管204が配置されている。酸化剤ガス供給配管204により導入される酸化剤ガス(例えば酸素ガス)は、酸化剤ガス供給配管204の吐出端より空気極103の領域に供給される。また、空気極103において排出されるガスは、酸化剤ガス排出配管203内の酸化剤ガス供給配管204の外側の領域より外部に取り出される。これらのように、燃料極102に燃料ガスが供給され、空気極103に酸化剤ガスが供給されることで、固体酸化物形燃料電池における発電が行われる。なお、各排気配管は、ガスシール207により、電解質層101の表面に接着固定されている。
次に、作製した試料セル,各試料の密着力及び各試料セルの空気極界面抵抗測定結果について、以下の表3を用いて説明する。なお、表3において、「大粒子」は、活性層形成時に、平均粒子径が1μmのLNF粉体を混合した割合(wt%)を示している。また、試料番号3−1−0は、活性層を平均粒径0.4μmのLNF粉体のみで形成した試料である。また、試料番号3−2−0は、平均粒径0.4μmのLNF粉体に平均粒径0.1μmのGDC(セリア)粉体を50wt%混合した粉体よりなる焼結体から活性層を構成した試料である。どちらも、より大きい粒径(1.0μm)の粉体(粒子)を用いずに活性層を形成した比較対象の試料である。
一方、試料番号3−2−1〜3−2−4は、平均粒径0.2μmのセリア粉体と平均粒径0.4μmのLNF粉体とを50wt%:50wt%の割合で混合した混合粉体に、以下の表3に示されている重量比で大粒子のLNF粉体を混合して活性層を作製した試料である。また、試料番号3−3−1〜3−6−1は、平均粒径0.2μmのセリア粉体と平均粒径0.4μmのLNF粉体とを、60wt%:40wt%〜20wt%:80wt%の割合で混合した混合粉体に、以下の表1に示されている重量比で大粒子のLNF粉体を混合して活性層を作製した試料である。
表3において、「セリア混合量」は、小粒径のLNF粉体とセリア粉体との混合比を示し、大粒子が混合されない試料では、活性層の作製に用いた全粉体に対するセリア粉体の混合量となる。また、表3において「大粒子」に示す比率は、活性層の作製に用いた全粉体に対する大粒子のLNF粉体の比率である。また、表3中において、「活性層」及び「集電層」において、添えてある数字は、粒径を示している。
なお、表3に示す各条件で作成した各試料セルを用いて図9同様の燃料電池を組み立て、800℃において発電試験を行うと、白金端子205と白金端子206との間で1.14Vの値が得られる。燃料ガスとしては、室温加湿水素(加湿3%)を用い、酸化剤ガスとしては酸素を用いる。また、白金端子205及び白金端子206を用い、燃料極102及び空気極103の間に交流電流を流した状態で、空気極103と参照電極107との間の電圧応答をインピーダンスメータにより測定することで、空気極側の界面抵抗成分を分離して求める。なお、表3中の「界面抵抗」は、セリア層701が挿入された状態の電解質層101と空気極103との間の抵抗である。
上述した密着力の調査の結果、以下の表3に示すように、比較例の試料番号3−1−0に対し、試料番号3−1−1,3−1−2,3−1−3,及び3−1−4は、「密着力」が大幅に大きくなっている。また、比較例の試料番号3−2−0に対し、試料番号3−2−1,3−2−2,3−2−3,及び3−2−4も、「密着力」が大幅に大きくなっている。これらのことから明らかなように、セリア層701を加えた上で、平均粒径0.4μmのLNF粉体に加え、これより大きい平均粒径1.0μmのLNF粉体を混合した混合粉体よりなる焼結体から活性層を構成することで、実施例1の固体酸化物形燃料電池と同様に、集電層との密着力を向上させることができる。
また、本実施例3の固体酸化物形燃料電池によれば、セリア層701を備えるので、電解質層101と空気極103との間の抵抗が、表1の場合に比較して低減されている。なお、セリア層701を設ける場合、試料番号3−2−2〜3−2−4のように、ある程度の量の大粒子が用いられている活性層103に対して、セリア層701と同じGDCを添加することで、密着力のより高い向上が図れる。なお、比較例に対し、いずれの試料も、空気極側の界面抵抗に差はない。また、表3から分かるように、活性層にGDCが添加されることによっても、空気極側の抵抗が低下している。
Figure 0005065046
*セリア混合量は、小粒径のLNF粉体とセリア粉体との混合比(重量%)を示し、大粒子が混合されない試料においては、活性層の作製に用いた全粉体に対するセリア粉体の混合量となる。
[実施例4]
次に、前述した各材料により活性層を構成する粉体の構成割合及び活性層を構成する材料を変化させて試料セルを作製し、作成した各試料セルにおける密着力の調査をした結果と、空気極側の界面抵抗を測定した結果とについて説明する。まず、密着力の調査でも、上記実施例3と同様に、電解質層101の上に1cm角程度の矩形のセリア層701及び空気極103が形成された試料を作製し、密着力試験を行う。
次に、作製した試料セル,各試料の密着力及び各試料セルの空気極界面抵抗測定結果について、以下の表4を用いて説明する。表中の各材料に添えてある数字は、粒径を示している。また、試料番号4−1−0は、活性層を平均粒径0.6μmのLCO粉体のみで形成し、試料番号4−2−0は、活性層を平均粒径0.6μmのLSCO粉体のみで形成し、試料番号4−3−0は、活性層を平均粒径0.6μmのLSFCO粉体のみで形成し、
試料番号4−4−0は、活性層を平均粒径0.4μmのLSF粉体のみで形成したものである。これらは、大粒径の粉体(粒子)を用いずに活性層を形成した比較対象の試料である。
また、試料番号4−1−2は活性層を平均粒径0.6μmのLCO粉体に平均粒径0.1μmのGDC(セリア)粉体を50wt%混合した粉体よりなる焼結体から活性層を構成し、試料番号4−2−2は活性層を平均粒径0.6μmのLSCO粉体に平均粒径0.1μmのセリア粉体を50wt%混合した粉体よりなる焼結体から活性層を構成し、試料番号4−3−2は活性層を平均粒径0.6μmのLSFCO粉体に平均粒径0.1μmのセリア粉体を50wt%混合した粉体よりなる焼結体から活性層を構成し、試料番号4−4−2は活性層を平均粒径0.4μmのLSF粉体に平均粒径0.1μmのセリア粉体を50wt%混合した粉体よりなる焼結体から活性層を構成したものである。これらも、粉体(粒子)を用いずに活性層を形成した比較対象の試料である。
一方、試料番号4−1−3〜4−4−3は、平均粒径0.1μmのセリア(GDC)粉体と小粒子の粉体とを50wt%:50wt%の割合で混合した混合粉体に、以下の表4に示されている重量比で大粒子の粉体を混合して活性層を作製した試料である。表4中において、「活性層」及び「集電層」において、添えてある数字は、粒径を示している。
まず、表4に示す各条件で作成した各試料セルを用いて図9同様の燃料電池を組み立て、800℃において発電試験を行うと、白金端子205と白金端子206との間で1.14Vの値が得られる。本実施例4の固体酸化物形燃料電池においても、燃料極102に燃料ガスが供給され、空気極103に酸化剤ガスが供給されると、発電が行われる。
燃料ガスとしては、室温加湿水素(加湿3%)を用い、酸化剤ガスとしては酸素を用いる。また、白金端子205及び白金端子206を用い、燃料極102及び空気極103の間に交流電流を流した状態で、空気極103と参照電極107との間の電圧応答をインピーダンスメータにより測定することで、空気極側の界面抵抗成分を分離して求める。なお、表4中の「界面抵抗」は、セリア層701が挿入された状態の電解質層101と空気極103との間の抵抗である。
上述した密着力の調査の結果、以下の表4に示すように、比較例の試料番号4−1−0〜4−4−0に対し、試料番号4−1−1〜4−4−3は、「密着力」が大幅に大きくなっている。これらのことから明らかなように、いずれの材料を用いた場合も、より小さい粒径の粉体に加え、より大きい粒径の粉体を混合して活性層103を形成することで、密着力の向上が図れる。また、比較例に対し、いずれの試料も、空気極側の界面抵抗に差はない。
また、本実施例4の固体酸化物形燃料電池においても、セリア層701を備えるので、電解質層101と空気極103との間の抵抗が、表1の場合に比較して低減されている。なお、セリア層701を設ける場合、セリア層701と同じGDCを添加することで、密着力の向上が図れ、また、空気極側の抵抗の低減が図れる。
Figure 0005065046
*大粒子は、セリア粉体と小粒子の粉体とを50wt%:50wt%の割合で混合した混合粉体に対して加えた大粒子の割合(重量%)を示している。
[実施例5]
次に、本発明の第5実施例について説明する。図10は本実施例5における固体酸化物形燃料電池の構成例を部分的に示す断面図である。本実施例5における固体酸化物形燃料電池は、金属酸化物の粉体の焼結体からなる電解質層101と、電解質層101の一方の面(図10では下面)に設けられた燃料極102と、電解質層101の他方の面に設けられた空気極503とを備えている。また、空気極503は、電解質層101の上に形成された活性層531と、活性層531の上に形成された中間層533と、中間層533の上に形成された集電層532とから構成されている。中間層533は、活性層531と集電層532との間に配置されている。
これらのことは、実施例2の固体酸化物形燃料電池とほぼ同様である。本実施例5における固体酸化物形燃料電池は、電解質層101の上に、新たに、酸化セリウムの粉体の焼結体から構成されたセリア層1001を備え、セリア層1001の上に空気極503(活性層531)が形成されているようにしたものである。セリア層1001は、SDC,YDC,及びGDCのいずれかから構成されていればよい。このように、セリア層1001を備えることで、前述した実施例3の場合と同様に、電解質層101と空気極503との間の抵抗増大を抑制できるようになる。
なお、上述ではより大きい粒径(第1粒径)として、1.3μm及び1.0μmの場合を示したが、これに限るものではない。より大きい粒径として、0.7μm〜5.0μmの範囲,より好ましくは、0.8μm〜1.5μmの範囲であればよい。また、上述では、より小さい粒径(第2粒径)として、0.4μm及び0.6μmの場合を示したが、これに限るものではない。より小さい粒径として、0.01μm〜0.6μmの範囲、より好ましくは、0.05μm〜0.5μmの範囲であればよい。
本発明は、固体酸化物形燃料電池に、好適に用いられる。

Claims (10)

  1. 金属酸化物の粉体の焼結体からなる電解質層と、
    前記電解質層の一方の面の上に形成された燃料極と、
    前記電解質層の他方の面の上に形成されたペロブスカイト型酸化物の粉体の焼結体からなる空気極と
    を少なくとも備え、
    前記空気極は、前記電解質層の上に形成された第1層と前記第1層の上に接して形成された第2層とから構成され、
    前記第1層は、小粒径の粉体を含む焼結体から構成され、
    前記第2層は、前記小粒径より大きい大粒径の粉体の焼結体から構成され、
    前記第1層の少なくとも前記第2層に接する一部の領域は、前記小粒径の粉体と前記大粒径の粉体との混合粉体の焼結体から構成されている
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  2. 請求項1記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記第1層の全域が、前記混合粉体から構成されている
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  3. 請求項1記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記第1層の少なくとも前記電解質層に近い領域は、前記ペロブスカイト型酸化物の粉体に加えて酸化セリウムの粉体が添加された混合粉体の焼結体から構成されている
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  4. 請求項3記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記酸化セリウムの粉体の粒径は、前記大粒径より小さくされたものである
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  5. 請求項3記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記酸化セリウムの粉体は、酸化イットリウム,酸化サマリウム,及び酸化ガドリニウムから選択された1つがドープされたものである
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  6. 請求項3記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記空気極と前記電解質層との間に配置されて、酸化セリウムの粉体の焼結体から構成されたセリア層を備える
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  7. 請求項6記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記酸化セリウムの粉体は、酸化イットリウム,酸化サマリウム,及び酸化ガドリニウムから選択された1つがドープされたものである
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  8. 金属酸化物の粉体の焼結体からなる電解質層と、
    前記電解質層の一方の面の上に形成された燃料極と、
    前記電解質層の他方の面の上に形成されたペロブスカイト型酸化物の粉体の焼結体からなる空気極と
    を少なくとも備え、
    前記空気極は、前記電解質層側に配置された活性層と前記活性層の上に形成された集電層とから構成され、
    前記集電層は、第1粒径の第1粉体の焼結体から構成され、
    前記活性層は、前記第1粉体と、前記第1粒径より小さい第2粒径の第2粉体との混合粉体の焼結体から構成されたものである
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  9. 金属酸化物の粉体の焼結体からなる電解質層と、
    前記電解質層の一方の面の上に形成された燃料極と、
    前記電解質層の他方の面の上に形成されたペロブスカイト型酸化物の粉体の焼結体からなる空気極と
    を少なくとも備え、
    前記空気極は、前記電解質層側に配置された活性層,前記活性層の上に形成された中間層,及び前記中間層の上に形成された集電層とから構成され、
    前記集電層は、第1粒径の第1粉体の焼結体から構成され、
    前記活性層は、前記第1粒径より小さい第2粒径の第2粉体の焼結体から構成され
    前記中間層は、前記第1粉体と、前記第2粉体との混合粉体の焼結体から構成されたものである
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  10. 請求項1記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記燃料極には、燃料ガスが供給され、
    前記空気極には、酸化剤ガスが供給される
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
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