JP5498675B2 - 固体酸化物型電気化学セル - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物燃料電池(SOFC)および固体電解質高温水蒸気電解セル(SOEC)等の固体酸化物型電気化学セル用、そのセル用水素極に関する。
固体酸化物型電気化学セルは、固体酸化物燃料電池(SOFC)および高温水蒸気電解セル(SOEC)等であるが、固体酸化物型電気化学セルはその高い作動温度(700〜1000℃)から、SOFCとして発電効率が高くCOの発生も少ない次世代のクリーンな発電システムとして期待されており、またSOECとして一段階で高純度の水素を製造することのできる高効率水素製造法として期待されている。
この固体酸化物型電気化学セルの特性を向上させるには、水素極の高性能化、すなわち触媒サイズを小さくし電極反応に寄与する三相界面を増やすことが必要不可欠である。小さなサイズの触媒を形成する方法として、電極の骨格を形成するイオン導電性表面にNiの微粒子を高分散担持させる方法(非特許文献1参照)や、複合酸化物固溶体からの還元析出触媒を用いる方法(非特許文献1)などが開示されている。
SDC混合導電体を用いる方法では、SDCのネットワークで構成した多孔質体中に金属塩水溶液等の含浸法によりNi粒子を形成させる。これによりNi粒子のサイズを1桁以上小さくすること、およびより少ないNi添加量にて高い触媒活性を得て、さらに電極内の完全な電子ネットワークを形成することに成功している。さらに、SDCは電子導電性も併せ持つため、原理的には微細なNi粒子とSDCの境界面すべてが三相界面ということになる。Ni−SDC間の結合性は比較的良いとされるが、Ni粒子は溶液含浸、焼成、還元によって作製されるため、時間とともに粒子のサイズが変化し、また焼成過程で粒子同士の焼結が起こって不均一な組織になる。
また、複合酸化物固溶体を用いる方法では、還元析出によって基体上に数十nmの金属微粒子を形成することができる。さらに形成した微粒子は基体内部から析出しているため、アンカー効果により凝集が起こりにくいと期待されている。しかし、還元析出後の基体は絶縁体であるため、電極内の電気的な抵抗増加を導き、セルの損失が増大する。
J.Electrochem.Soc.,141,[2],342−346,1994.
複合酸化物固溶体からの還元析出触媒を用いた固体酸化物型電気化学セルの水素極では、nmサイズの金属微粒子触媒を形成することができるため、少量の金属触媒量で高い電極反応活性を得ることができるが、還元析出後に絶縁体が形成するため、水素極内の電気的な抵抗が増加しロスが大きくなる。特に水素極表面部では集電材と接触し、電極反応に必要な電子の授受を行うため、水素極表面部にはより高い電子導電性が求められる。そこで、水素極表面の集電材を接触させる部分に、酸素イオン導電体を含むNi,Co,Fe,Cu等からなる網目状の配線印刷を形成することで、複合酸化物固溶体から析出した金属を伝う電子の導電パスを補助し、水素極−集電材間の電気的な接触抵抗をある程度まで低減することができる。しかし、この配線印刷では水素極表面部の全ての析出粒子と接触させるのは困難であり、非接触部が電気的な接触抵抗となっていた。また、非接触部の析出粒子は電極反応に活性な三相界面にならない部分が多く、析出した触媒を有効に利用することができていなかった。
本発明の請求項1にかかる固体酸化物型電気化学セルは、イオン導電性を有し二つの面を持った固体電解質層を挟み、一方の面に水素極、他方の面に酸素極を有する固体酸化物型電気化学セルにおいて、前記水素極が、触媒前駆体であるNi−Al系酸化物あるいはNi−Mg系酸化物よりなる複合酸化物固溶体粒子、及びイオン導電性もしくは電子−イオン混合導電性を有するイオン導電性粒子からなる水素極層と、この水素極層より電子導電性の高い材料を前記水素極層表面の40〜100%を覆うよう積層して形成された導電層と、この導電層に電気的に接触して形成される集電体とを具備することを特徴とする。
本発明の請求項2にかかる固体酸化物型電気化学セルは、請求項1において、導電層がPt,Au,Ag,Ni,Fe,Co,及びCuより選ばれる少なくとも一種の金属材料または該金属材料と前記水素極を構成するイオン導電性もしくは電子−イオン混合導電性を有する焼結体との混合物からなり、その気孔率が30以上、80%以下であることを特徴とする。
本発明の請求項3にかかる固体酸化物型電気化学セルは、請求項1において、前記導電層がスクリーン印刷法もしくはスプレーコーティング法もしくは蒸着法により形成され、水素極層表面の40以上、100 %以下を占有することを特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって、固体酸化物型電気化学セルの実現に必要な、高活性を達成することができる。
以下、本発明による固体酸化物型電気化学セルについて説明するが、本発明は以下の実施の形態や実施例に限定されるものではない。また、以下の説明で参照する模式図は、各構成の位置関係を示す図であり、粒子の大きさや各層の厚さの比等は実際のものと必ずしも一致するものではない。
本発明の実施形態は、水素極とこれを用いた固体酸化物型電気化学セルに関する。
まず固体酸化物型電気化学セルのSOFCモードを例にとって、図1の断面模式図を参照しつつ本実施形態を説明する。電気化学セルは、固体電解質層としての固体酸化物電解質板11を挟んで、その一方の面に水素極の形成材料12を、もう一方の面に酸素極の形成材料(固体酸化物電解質板11を挟んで水素極材料12と対向する側に位置する)を積層して成る。
酸素極は混合導電性を示す酸化物であり一般式Ln1−xBO(Ln=希土類元素;A=Sr、Ca、Ba;B=Cr、Mn、Fe、Co、Niのうち少なくとも1種)で表される複合酸化物からなる。これらの複合酸化物は酸素を効率よく解離すると同時に電子導電性を有している。また、前記複合酸化物で若干不足するイオン導電性を、イオン導電性酸化物を併せて添加することにより補うことも可能である。このイオン導電性酸化物としては、SmをドープしたCeO、もしくはGdをドープしたCeO、YをドープしたCeOのいずれか一つを用いる。これらは還元性雰囲気では混合導電性を示すが、酸素含有雰囲気中では高いイオン導電性を示すものであり、かつ前記混合導電性を示す酸化物と反応をしないものである。
酸素極にて解離された酸化物イオン(O2−)は固体酸化物電解質板11を通って水素極12へと移動し、水素と反応して水を生成する。このときに生成する電子を外部回路として取り出し発電に供する。
酸素極側での酸素の解離および水素極側での水素と酸素イオンとの反応は、いずれも電極内の電子−イオン−反応ガスが共に介する三相界面において起こる。そのため、これら三相界面をいかに多く形成するかが重要な課題となる。
これまでにNi−Al系,Ni−Mg系の複合酸化物固溶体14からの還元析出法による触媒製造法を提案し、この触媒と、イオン導電性15もしくは電子−イオン混合導電性を有する粒子16との混合電極の性能を実証してきた。この方法ではNi−Al系,Ni−Mg系の複合酸化物固溶体14からの還元析出によってNi粒子担持アルミニウム複合酸化物/Ni粒子担持マグネシウム複合酸化物17としてAl系およびMg系酸化物基体上に金属微粒子を形成することができ、少量の金属触媒量で大きな触媒表面積を得ることができている。また、還元時に固溶体からの析出物として金属粒子を作製するため基材に固定化されており、高温還元性雰囲気下で金属粒子の焼結が起こりにくくなる。しかし、析出金属微粒子体積に比べ絶縁体基体の体積が大きいため、電極化時には電極層内のオーム抵抗が大きくなる。特に電極表面と集電体18との間でその影響は著しく、水素極12−集電体18間で接触抵抗が増大し、ロスが大きくなる。このため、水素極表面に電極より高い電子伝導性を有する材料で網目状の集電配線19を施し、これと集電体18とを接触させることで集電を取る必要がある。(図2(b−1)、(b−2))しかし、この方法では全てのNi粒子担持アルミニウム複合酸化物/Ni粒子担持マグネシウム複合酸化物17が網目上の集電配線と接触しているわけではないため、集電効率が悪く水素極12−集電体18間での接触抵抗をゼロにはできない。また、水素極表面部の触媒はイオン導電性15もしくは電子−イオン混合導電性を有する粒子16との接触面が少ないため、有効に利用できない。
そこで、水素極表面に電極より高い電子伝導性を有する材料で導電層20を積層することで、電極−集電材間の接触抵抗を抑え、また電極表面部の触媒を有効に利用することができる。
このような導電層20を有し、複合酸化物固溶体を触媒前駆体に用いた水素極12を用いたセルの製造方法を、複合酸化物固溶体14にNi−Al系酸化物を、イオン導電性粒子としてのイオン導電性粒子15または混合導電性粒子16にSDCを、そしてNi−YSZの導電層20を積層したセルを例にとって、その製造方法を以下に説明する。
本実施形態における水素極製造工程の一例を図3に、セル作製工程の一例を図4に示す。
まず、NiO粉末とAl粉末を混合焼成してNiAlで表されるニッケルアルミニウム複合酸化物固溶体を作製し、これを粉砕して複合酸化物固溶体粒子14にして用いる。粉砕後の粒子径は0.1〜数μmほどが好ましい。次に、このようにして作製した複合酸化物固溶体粒子14と電子―イオン混合導電性粒子16とを混合し、目的の組成に調製した硝酸塩等の金属塩水溶液を加えてペースト化する(S−1)。イオン導電性粒子としてのイオン混合導電性粒子16の例としては、SmをドープしたCeOもしくはGdをドープしたCeO、もしくはYをドープしたCeOを用いるが、これに限定されず、400℃以上1000℃以下において高い酸素イオン導電性と電子導電性を有しているものであれば良い。
次に、このペースト化した混合粉末を固体酸化物電解質板11の表面にスクリーン印刷し(S−2,S−41)、両者の接着強度が高まる温度まで昇温して焼成する(S−3,S−42)。一般には1200℃以上1400℃以下の範囲で焼成することが好ましい。混合導電性粒子16と複合酸化物固溶体粒子14を形成する方法はこれに限定されるものではない。混合粉末をスラリー化して塗布、ディッピング、あるいはスプレーコーティング法により作製しても、シート化し積層形成しても構わない。実際には焼結によりそれぞれの粒子14,16が結合・一体化し、ネットワークを形成している。また、電極中のガス拡散性を考慮すると、電極層は多孔質であることが好ましく、あらかじめ焼成時に焼失して気孔を形成する気孔形成材を混合しておいても構わない。気孔形成材の例としては有機系のもので、例えばアクリル系の球状粒子などがある。
その後、酸素極の材料として一般式Ln1−xBO(Ln=希土類元素;A=Sr、Ca、Ba;B=Cr、Mn、Fe、Co、Niのうち少なくとも1種)で表される複合酸化物を水またはアルコール系溶媒を用いてペースト化し、水素極を焼き付けた面と反対側の固体酸化物電解質板11の表面にスクリーン印刷し(S−43)、両者の接着強度が高まる温度まで昇温して焼成する(S−44)。一般には1000℃以上1300℃以下の範囲で焼成することが好ましい。また酸素極ペーストにはLn1−xBO(Ln=希土類元素;A=Sr、Ca、Ba;B=Cr、Mn、Fe、Co、Niのうち少なくとも1種)で表される複合酸化物だけでなく、イオン導電性を示す粒子15または混合導電性粒子16を混合してもよい。
さらに、本実施形態の特徴である集電効率を上げるための処理を行う。最終的な材料構成において触媒であり電子伝導性を有する金属粒子が微細で孤立分散しているため集電体18との接触を十分に取るのに工夫が必要である。通常、金属メッシュなどを集電体18として電極に押し付けて接触を取る様にしてもよいが、本実施形態においては、電極上に電極より高い電子導電性を有する材料の導電層20を積層し、これと集電材18とを接触させることで集電を取る(図1)。
この導電層20は水素極表面の40〜100%を覆うことが望ましく、またその気孔率は30〜80%であることが望ましい。また、導電層20の厚さは、燃料および電極反応により生成するガスの拡散を妨げない程度が望ましい。導電層に使用される電子導電性粒子13としては、Pt,Au,Ag,Ni,Fe,Co,Cuより選ばれる少なくとも一種またはこれら金属の二種類以上を含む合金などであり、この金属材料とYSZ,ScSZなどのイオン導電性粒子15もしくはSDC,GDC,YDCなどの電子−イオン混合導電性粒子16とを混合してペースト化して用いる。混合比は全体に対して前記金属の比率を40〜90vol%とするのが好ましい。これにより、電極との密着性、接合性が向上するとともにそれ自身の触媒的作用も期待できる。この導電層ペーストを水素極12表面にスクリーン印刷(S−45)、両者の接着強度が高まる温度まで昇温して焼成する(S−46)。一般には800℃以上1000℃以下の範囲で焼成することが好ましい。
導電層20を焼成後、燃料極を800℃以上1000℃以下の還元性雰囲気下にて還元処理する(S−4,S−47)。通常NiOの還元処理では必要以上に温度を上げないよう900℃程度で行うが、NiAlを主成分とする本実施形態ではNiの析出を十分に起こさせるため、900℃以上で還元することがより好ましい。還元時間は特に限定されないが10分程度もあればよい。
還元によりNiAlの部分は、Ni成分が表面へ析出して基材はアルミニウム酸化物(おもにAl)となる。すなわち、Ni粒子担持Alが形成される。このようにして形成される金属微粒子の大きさは一般には数十nmである。活性な触媒機能を果たすには、金属微粒子の大きさは5nm以上500nm以下程度であることが好ましい。5nm以下のサイズのものは現実的に作製が困難であるし、500nm以上となると隣接粒子同士が結合してしまって従来のNiOを還元して用いるのと同じ問題を抱えてしまう恐れがある。触媒としてより好ましいサイズは20nm以上100nm以下程度である。このサイズは従来の電極触媒サイズの1〜2桁小さい値のため触媒活性の向上が期待される。このため、添加するNiAlの量としては電極を構成する材料全体の5重量%以上80重量%以下の範囲内が良い。より好ましくは10重量%以上50重量%以下である。
本実施形態によれば、触媒量を少なくすることができるため、混合導電体部分を大きくとることが可能になり、固体電解質との熱膨張的な差や整合ミスマッチによる差を小さく抑えることができる。
また、この析出金属粒子は、基材であるAlの表面部に一層だけ存在し、基材との整合性が良く、強い結合を有している。したがって、高温還元性雰囲気にさらされても容易に移動することが無いという特徴も有している。
さらに、金属粒子が微細で孤立して存在するため、急激な酸化に対しても体積膨張が局所的に抑えられ、破壊に至りにくいという利点もある。
以上説明したように、本実施形態により作製される導電層20によれば、微細なNi粒子を基材固定化することが可能な複合酸化物固溶体14を用いた水素極12の接触抵抗が小さくでき、セルの損失を少なくすることができる。また析出触媒を有効に利用することができセル出力の向上も可能である。
以上の手段によって、本発明によれば、電極調製プロセスにおいてもスクリーン印刷、スプレーコーティングなど安価な製法が適用でき、低コストでセルを作製することが可能である。
本実施の形態について実施例によってさらに詳細に説明する。電極に用いるイオン導電性粒子としては焼結体としてSmをドープしたCeOを、また複合酸化物固溶体粒子としてNiAlO4の粒子を例に挙げて説明する。また、用いた粉末の粒径等はこれらに限定されるものではない。
<複合酸化物固溶体粒子の調製>
平均粒径約1μmのNiO粉末と平均粒径約0.4μmのAl粉末をモル比で1:1になるように混合し、混合粉末をプレス成形してアルゴン中、1300℃で5時間焼結することでNiAl複合酸化物固溶体を作製した。遊星型ボールミルを用いてこの複合酸化物固溶体を、比表面積が20〜23m/gになるまで粉砕し、NiAl水素極触媒前駆体である複合酸化物固溶体粒子とした。
<ペースト化溶媒の調製>
イオン導電性を有する焼結体であるSDC(Sm0.2Ce0.8)と同組成になるように、CeおよびSmの硝酸塩をCe:Sm=1:4で混合し、SDCとして0.8 Mになるように硝酸塩水溶液を調製した。
<水素極ペーストの調製>
<複合酸化物固溶体粒子の調製>で調製したNiAl水素極触媒前駆体と、イオン導電性を有する焼結体として平均粒径0.3μmのSDC(Sm0.2Ce0.8)粒子とを、粉砕粒子の重量比で20:80重量比になるようにそれぞれ混合粉を秤量した。この混合粉に<ペースト化溶媒の調整>で調整したCe,Sm硝酸塩水溶液を混合粉末に対して約30重量%加えて高速回転混合機により混合することで、水素極ペーストとした。
<固体酸化物電気化学セルの作製−1>(実施例1)
固体酸化物電解質にはφ18mm、厚さ500μmに加工したYSZ(8mol%Yで安定化させたZrO)を用いた。<水素極ペーストの調製>で調製したペーストをスクリーン印刷機で、YSZ電解質の中央にφ6mmの大きさで印刷した。印刷後、大気炉に入れ、それぞれを1300℃にて2時間焼成を行った。次に、YSZ電解質の反対面にPt電極を同様に印刷して酸素極とし、また電解質側面にPt参照極を塗って、960℃で30分間焼成した。その後、YSZ粉末を混合したNiペースト(Ni:YSZが重量比で82:18になるように混合)を、水素極表面上にぴったりと重なるように、水素極ペーストと同様に印刷し、水素極表面上に導電層を積層した。その後、アルゴン雰囲気中、960℃で30分間の熱処理を施し、導電層を電極表面に固定化した。
<固体酸化物電気化学セルの作製−2>(比較例1)
固体酸化物電解質にはφ18mm、厚さ500μmに加工したYSZ(8mol%Yで安定化させたZrO)を用いた。<水素極ペーストの調製>で調製したペーストをスクリーン印刷機で、YSZ電解質の中央にφ6mmの大きさで印刷した。印刷後、大気炉に入れ、それぞれを1300℃にて2時間焼成を行った。次に、YSZ電解質の反対面にPt電極を同様に印刷して酸素極とし、また電解質側面にPt参照極を塗って、960℃で30分間焼成した。その後、YSZ粉末を混合したNiペースト(Ni:YSZが重量比で82:18になるように混合)を、線幅30μm程度、配線間隔500μmほどの配線状になるように作製したスクリーンメッシュを通して、作製した電極表層部に網目状配線印刷を施した。その後、アルゴン雰囲気中、960℃で30分間の熱処理を施し、網目状配線を電極表面に固定化した。
<セル特性評価試験>
実施例1で作製した平板型固体酸化物電気化学セルと比較例1で作製した同セルを出力特性評価装置にセットし、水素極側、をパイレックス(登録商標)ガラス材によりシールした。電解質側面にφ0.5mmのPt線を付け参照極とした。N雰囲気中で昇温したのち、水素極に水素を導入して還元処理を行った。水素還元時間は1000℃で30分間とした。
次に、水素極に50mL/minのH+4%HOを、酸素極に50mL/minのドライ空気を導入し、セル出力特性を評価した。また、カレントインターラプト法によるIR分離も行った。
以下、<セル特性評価試験>について説明する。
実施例1および比較例1のセルの電気化学特性評価結果を比較する。はじめに、両セルの最大出力密度を比較すると、実施例1の出力密度は、比較例1の出力密度にくらべ、約16%の出力向上が見られた。次に、水素極内のオーム抵抗を同様に比較する。電極内オーム抵抗は、端子間のセル抵抗から使用しているYSZ電解質の理論電解質抵抗を引くことで求められ、両セルに用いている厚さ0.5mmのYSZの理論電解質抵抗0.49〜0.50cmである。また、酸素極にはPtを使用しているため、酸素極側の接触抵抗、電極内抵抗は十分低いとみなし、端子間のセル抵抗から理論電解質抵抗を引くことで、水素極抵抗とした。両セルの水素極内オーム抵抗の算出結果を比較すると、実施例1では、ほぼゼロに抑えることができているのに対し、比較例1では0.03Ωcmの水素極抵抗が存在している。以上、セル出力密度、水素極内オーム抵抗の比較結果から、実施例1のセルの方が比較例1よりも特性が高く、集電層を用いたことによる特性向上効果が表れている。
比較例1、実施例1の電気化学特性評価結果
これらの導電層効果は、導電層を形成する金属粒子がNiだけでなくPt,Au,Ag,Fe,Co,Cuおよびこれら金属の二種類以上を含む合金であっても同程度の効果が期待される。
本発明の第1の実施形態に係る固体酸化物型燃料電池(SOFC)水素極の断面構造模式図 還元析出型SOFC水素極の断面及び平面模式図 第1の実施形態に係る燃料極の製造工程を示す図 第1の実施形態に係るセルの製造工程を示す図
符号の説明
11・・・固体電解質板
12・・・水素極
13・・・電子導電性粒子
14・・・複合酸化物固溶体粒子
15・・・イオン導電性粒子
16・・・混合導電性粒子
17・・・Ni粒子担持アルミニウム複合酸化物/Ni粒子担持マグネシウム複合酸化物
18・・・集電体
19・・・網目状の集電配線
20・・・導電層

Claims (3)

  1. イオン導電性を有し二つの面を持った固体電解質層を挟み、一方の面に水素極、他方の面に酸素極を有する固体酸化物型電気化学セルにおいて、前記水素極が、触媒前駆体であるNi−Al系酸化物あるいはNi−Mg系酸化物よりなる複合酸化物固溶体粒子、及びイオン導電性もしくは電子−イオン混合導電性を有するイオン導電性粒子からなる水素極層と、この水素極層より電子導電性の高い材料を前記水素極層表面の40〜100%を覆うよう積層して形成された導電層と、この導電層に電気的に接触して形成される集電体とを具備することを特徴とする固体酸化物型電気化学セル。
  2. 前記導電層は、Pt,Au,Ag,Ni,Fe,Co,及びCuより選ばれる少なくとも一種の金属材料またはこれら金属の二種類以上を含む合金、および該金属材料と前記電極を構成するイオン導電性材料もしくは電子−イオン混合導電性材料との混合物からなり、その気孔率が30%以上、80%以下であることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型電気化学セル。
  3. 前記導電層が、スクリーン印刷法もしくはスプレーコーティング法もしくは蒸着法により水素極層表面の40〜100%を占有することを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型電気化学セル。
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