JP5329869B2 - 固体酸化物型電気化学セル、およびその製造方法 - Google Patents

固体酸化物型電気化学セル、およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体酸化物燃料電池(SOFC)および固体電解質高温水蒸気電解セル(SOEC)等の固体酸化物電気化学セル用、そのセル用水素極材料およびその製造方法に関する。
固体酸化物型電気化学セルとしては、固体酸化物燃料電池(SOFC)や高温水蒸気電解セル(SOEC)等が検討されているが、固体酸化物型電気化学セルはその高い作動温度(700〜1000℃)から、SOFCとして発電効率が高くCOの発生も少ない次世代のクリーンな発電システムとして期待されており、またSOECとして一段階で高純度の水素を製造することのできる高効率水素製造法として期待されている。
固体酸化物型電気化学セルの水素極材料としては、一般的にはイオン導電性を有するセラミックス粒子と電子導電性を有する金属粒子を混合する方法が、また、より高性能化を目的として電子と酸素イオンの混合導電性を有するSDC(SmをドープしたCeO)粒子を用い、その表面にNiの微粒子を高分散担持させる方法などが知られている(非特許文献1参照)。
SDC混合導電体を用いる方法では、SDCのネットワークで構成した多孔質体中に金属塩水溶液等の含浸法によりNi粒子を形成させる。これによりNi粒子のサイズを1桁以上小さくすること、およびより少ないNi添加量にて高い触媒活性を得て、さらに電極内の完全な電子ネットワークを形成することに成功している。また、SDCは電子導電性も併せ持つため、原理的には微細なNi粒子とSDCの境界面すべてが三相界面ということになる。Ni−SDC間の結合性は比較的良いとされるが、Ni粒子は溶液含浸、焼成、還元によって作製されるため、時間とともに粒子のサイズが変化し、また焼成過程で粒子同士の焼結が起こって不均一な組織になる。
J.Electrochem.Soc.,141,[2],342-346,1994.
燃料極における過電圧を小さくし触媒の活性を上げるには、触媒である金属粒子を微細にして活性点を増やすことが必要であるが、高温還元性雰囲気下では容易に金属粒子の移動、成長、凝集が起こる。また、熱膨張係数の違いもありNi粒子を必要以上に導入することは困難である。さらに、急激な酸化が起こった場合に、酸化物の生成により体積が膨張し、セルの破壊を引き起こす恐れもある。
Ni粒子のサイズを小さくし触媒活性を向上させ、触媒のシンタリングを抑え、かつ電極内の熱膨張係数を合わせる方法として、これまでにNi−Al系複合酸化物固溶体からの還元析出法による触媒製造法を提案してきた。また、金属微粒子を析出させた後の電気的な抵抗の増大を抑えるため、導電性を有する酸化物にて被覆することが有効であることも明らかにしてきた。
より水素極性能を高めるためには、より多くのNi粒子を、高度に分散させて析出させることが必要であった。
本発明は、過電圧が低く、出力密度の高い、高活性な水素極を提供することを目的としている。
水素極性能を向上させるために鋭意検討を重ねた結果、ある種の添加物を加えたMg系複合酸化物物を触媒前駆体として用いても優れた電極触媒性能を示すことが明らかになった。
そこで、第1の本発明は、イオン導電性を有する固体酸化物電解質層を挟み、一方の面に水素極と、この一方の面に対向する他方の面に酸素極とを有する固体酸化物型電気化学セルにおいて、
前記水素極は、表面に金属微粒子を有しかつ表面に混合導電性の膜で覆われたMg酸化物焼結体粒子と、イオン導電性を有する酸化物焼結体粒子とを含むことを特徴とする固体酸化物型電気化学セルである。
前記第1の本発明において、金属微粒子が、Ni,Co,Fe,Cuのうちの少なくとも一種から選ばれる金属であることが好ましい。
また、前記第1の本発明において、イオン導電性を有する焼結体が、YもしくはScで安定化させたZrO系材料、SmをドープしたCeO(以下、SDCという)、GdをドープしたCeO(以下、GDCという)、YをドープしたCeO(以下、YDCという)より選ばれる少なくとも一種であり、かつ前記混合導電性の膜が前記SDC、前記GDC、前記YDCより選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
さらに、前記第1の本発明において、前記水素極の集電材を接触させる面に、前記酸素イオン導電性焼結体を含むNi,Co,Fe,Cu成分からなる網目状の配線印刷を施し、前記配線印刷部と集電体とを接触させて形成させることができる。
第2の本発明は、イオン導電性を有する固体酸化物電解質層を挟み、一方の面に形成された酸素極と、この一方の面に対向する他方の面に形成され、表面に金属微粒子を有しかつ表面に混合導電性の膜で覆われたMg酸化物焼結体粒子とイオン導電性を有する酸化物焼結体粒子とを含む水素極とを有する固体酸化物型電気化学セルの製造方法において、
酸化物固溶体、金属塩、および前記イオン導電性を有する焼結体の混合物を前記固体酸化物電解質層に積層する工程と、
その後、この状態で焼結させることにより前記酸化物固溶体の表面および前記イオン導電性を有する酸化物焼結体粒子の表面に前記金属塩の酸化物からなる前記混合導電性膜を形成する工程と、
さらに800〜1000℃で還元することで前記酸化物固溶体を前記金属微粒子が表面に露出した前記Mg酸化物焼結体に改変する工程とを具備することを特徴とする固体酸化物型電気化学セルの製造方法である。
第3の本発明は、イオン導電性を有する固体酸化物電解質層を挟み、一方の面に形成された酸素極と、この一方の面に対向する他方の面に形成され、表面に金属微粒子を有しかつ表面に混合導電性の膜で覆われたMg酸化物焼結体粒子とイオン導電性を有する酸化物焼結体粒子とを含む水素極とを有する固体酸化物型電気化学セルの製造方法において、
酸化物固溶体と金属塩の混合物を焼結することにより前記酸化物固溶体の表面に混合導電性被膜を形成する工程と、
その後前記酸化物固溶体と前記イオン導電性を有する酸化物焼結体との混合物を前記固体酸化物電解質層に積層する工程と、
その後、この状態で焼結させ、さらに800〜1000℃で還元することで前記酸化物固溶体を前記金属微粒子が表面に露出した前記Mg酸化物焼結体粒子に改変する工程とを具備することを特徴とする固体酸化物型電気化学セルの製造方法である。
本発明によれば、容易な方法で触媒を調製することができ、安定で出力性能に優れる固体酸化物型電気化学セルの実現に必要な、高活性な水素極を提供することができる。また、電極調製プロセスにおいてもスクリーン印刷、スプレーコーティングなど安価な製法が適用でき、低コストで作製可能である。
本発明の実施形態である固体酸化物型電気化学セルのSOFCモードを例にとって、図1および2の断面模式図を参照しつつ本実施形態を説明する。
本実施形態の電気化学セルは、固体酸化物電解質板11を挟んで、その一方の面に水素極材料12を、もう一方の面に酸素極材料13を積層して成る。
これまでに、本発明者らは、かかる電気化学セルの水素極材料として、Ni−Al系の複合酸化物固溶体からの還元析出法による触媒製造法を開発し、この触媒と、イオン導電性もしくは電子−イオン混合導電性を有する粒子との混合電極の性能を実証してきた。この方法ではAl系酸化物基体上に金属微粒子を形成することができ、少量の金属触媒量で大きな触媒表面積を得ることができている。また、還元時に固溶体からの析出物として金属粒子を作製するため基材に固定化されており、高温還元性雰囲気下で金属粒子の焼結が起こりにくくなる。本発明では、Ni−Al系に加え、Ni−Mg系の複合酸化物固溶体を用いても同様な効果が得られることを特徴としている。しかし、この場合、単純にNiOとMgOを焼結し固溶化させただけでは、十分なNi粒子の析出は起こらない。NiO、MgOに加え、第3の成分として、微量のAlもしくはCrもしくはScあるいはそれらを組み合わせた成分を添加して固溶体を作製することが重要である。これら添加物を加えることによって、Ni−Al系に比べ、さらに多く、高度に分散したNi粒子を複合酸化物表面上に形成することができる。これら微量酸化物の添加は、価数効果により、固溶体の粒界部へのNi粒子の析出を促進する役割があり、その添加量は0.02〜1mol%程度とするのが好ましい。0.02%より少ない場合はその効果に乏しく、1mol%以上の場合にはこれら添加物が粒界多く残留し、電極層の電気的な抵抗の増加に影響を与える可能性があるためである。
これらAl成分、Cr成分、Sc成分の添加方法はこの酸化物によるものに限定されない。これら成分を含む水酸化物や炭酸化物、金属塩化合物の形であっても構わない。
また、前記複合酸化物固溶体の表面に電子−イオン混合導電性被膜18を施しても構わない。このような混合導電性の被覆を施すことで電気的な抵抗の増加を抑え、また、一つ一つのNi粒子と基材である複合酸化物固溶体との界面を三相界面とすることで飛躍的に反応場を増やすことができる。このことによって、上記課題を解決することができることに着目して本発明を完成するに至ったものである。
本実施の形態の固体酸化物型電気化学セルにおいては、酸素極13表面に存在する触媒が酸素を解離し、生成した酸素イオン(O2−)は固体酸化物電解質11を通って水素極12へと移動し、水素と反応して水を生成する。このときに生成する電子を外部回路として取り出し発電に供するものである。
以下、固体酸化物電解質板11、水素極12、および酸素極13について、その材料、構造、および製造方法等を順次説明するが、本発明は以下の実施の形態や実施例に限定されるものではない。また、以下の説明で参照する模式図は、各構成の位置関係を示す図であり、粒子の大きさや各層の厚さの比等は実際のものと必ずしも一致するものではない。
(固体酸化物電解質板)
本実施形態の固体酸化物電解質板としては、イオン導電性を有し、耐熱性を有する材料を用いることができる。具体的には、YもしくはScで安定化させたZrO系材料、SmをドープしたCeO(SDC)、GdドープしたCeO(GDC)、YドープしたCeO(YDC)などを用いることができる。
(水素極)
本実施の形態における水素極(燃料極)12は、イオン導電性酸化物焼結体粒子15を含む酸化物焼結体粒子と、表面部にNi、Co、FeおよびCuより選ばれる少なくとも1種の粒子を担持してなるMg系酸化物焼結体粒子17の表面全体もしくは一部を混合導電体酸化物よりなる混合導電性被膜18で覆われたMg酸化物焼結体粒子との混合相(電極層)により形成されている。また、この水素極12は、電極層の表層部に形成された、電極層より電子導電性の高い材料を含む配線19と、配線19に電気接続する集電体14を備えてもよい。
また、前記イオン導電性を有する酸化物焼結体粒子には、イオン導電性のみでなく電子導電も有する混合導電性酸化物焼結体粒子を含んでもよい。
図3は、水素極12の三相界面の模式図である。この図は、Mg系酸化物から析出させた触媒(Ni)、混合導電体(SDC)、及び供給ガスHが存在する界面において生じる反応を模式的に示している。
(混合導電性材料)
本実施の形態で用いることのできる混合導電性材料としては、SmをドープしたCeO(SDC)、GdドープしたCeO(GDC)、YドープしたCeO(YDC)などを用いることができる。
この混合導電性材料よりなる混合導電性被膜18には少量の貴金属粒子を含んでもかまわない。
(イオン導電性材料)
本実施の形態のイオン導電性材料としては、イオン導電性を有する焼結体が、YもしくはScで安定化させたZrO系材料、SDC、GDC、YDCなどを用いることができる。
(水素極の製造方法)
このようなNi−Mg系酸化物および混合導電体SDCを用い、混合導電性被膜18にはSDCを用いた水素極12を例にとって、その製造方法を以下に説明する。
本実施形態における製造工程の一例を図4に、電極構造模式図を図1および5に示す。
まず、NiO粉末とMgO粉末、それに対して微量のScを混合、焼成して(Ni)0.33(Mg)0.67Oで表されるニッケル−マグネシウム複合酸化物固溶体を作製し、これを粉砕して粒子20にして用いる。粉砕後の粒子径は0.1〜数μmほどが好 ましい。次に、このようにして作製した複合酸化物固溶体粒子20と電子―イオン混合導電性材料粒子16とを混合し、混合導電性材料被膜21の目的の組成に調製した硝酸塩等の金属塩水溶液を加えてペースト化する。混合導電性被膜18および混合導電性材料粒子16の例としては、SmをドープしたCeOもしくはGdをドープしたCeO、もしくはYをドープしたCeOを用いるが、これに限定されず、400℃以上1000℃以下において高い酸素イオン導電性と電子導電性を有しているものであれば良い。
次に、このペースト化した混合粉末を固体酸化物電解質板11の表面にスクリーン印刷し、両者の接着強度が高まる温度まで昇温して焼成する。一般には1200℃以上1400℃以下の範囲で焼成することが好ましい。混合導電性粒子16と複合酸化物固溶体粒子20および混合導電性被膜を形成する方法はこれに限定されるものではない。混合粉末をスラリー化して塗布、ディッピング、あるいはスプレーコーティング法により作製しても、シート化し積層形成しても構わない。また、混合導電性被膜は目的の組成に調製した硝酸塩等の金属塩水溶液を用いて予め複合酸化物固溶対粒子20表面に塗布、ディッピング、あるいはスプレーコーティング法により形成させ、熱分解し、作製しても構わない。(図5)
図1および5には分かりやすいように粒子16,20,混合導電性被膜18を誇張して表現しているが、実際には焼結によりそれぞれの粒子が結合・一体化し、ネットワークを形成している。また、電極中のガス拡散性を考慮すると、電極層は多孔質であることが好ましく、あらかじめ焼成時に焼失して気孔を形成する気孔形成材を混合しておいても構わない。気孔形成材の例としては有機系のもので、例えばアクリル系の球状粒子などがある。
さらに、本実施形態の特徴である集電効率を上げるための処理を行う。最終的な材料構成において触媒であり電子伝導性を有する金属粒子が微細で孤立分散しているため集電体14との接触を十分に取るのに工夫が必要である。通常、金属メッシュなど集電材なるものを電極に押し付けて接触を取るが、本実施形態においては、電極上に電極より高い電子伝導性を有する材料で網目状の配線19を施し、これと集電材14とを接触させることで集電を取る(図6(b−1)、(b−2))。
この配線19は、線幅30μm程度、配線間隔500μmほどでよく、燃料の拡散にはほとんど影響を与えないものである。線幅、配線間隔はこれには限定されないが、配線部の占有面積としては電極面全体の40%以下にすることが好ましい。配線印刷に用いる材料としては、Pt、Au、Ni、Co、Feなどで、同時に電極に用いる混合導電性を有するSDCあるいはGDC材を混合しペースト化して用いる。混合比は全体に対して前記金属の比率を40〜90vol%とするのが好ましい。こうすることで電極との密着性、接合性を良くするとともにそれ自身の触媒的作用も期待できるからである。
配線印刷部を焼成後、燃料極を800℃以上1000℃以下の還元性雰囲気下にて還元処理する。通常NiOの還元処理では必要以上に温度を上げないよう900℃程度で行うが、(Ni)0.33(Mg)0.67Oを主成分とする本実施形態ではNiの析出を十分に起こさせるため、900℃以上で還元することがより好ましい。還元時間は特に限定されないが純水素雰囲気中であれば10分程度もあればよい。
還元により(Ni)0.33(Mg)0.67Oの部分は、固溶していたNi成分が表面へと析出する。すなわち、混合導電性被膜を有したままのNi粒子担持Mg系複合酸化物17が形成される。このようにして形成される金属微粒子の大きさは一般には数十nmである。活性な触媒機能を果たすには、金属微粒子の大きさは5nm以上500nm以下程度であることが好ましい。5nm以下のサイズのものは現実的に作製が困難であるし、500nm以上となると隣接粒子同士が結合してしまって従来のNiOを還元して用いるのと同じ問題を抱えてしまう恐れがある。触媒としてより好ましいサイズは20nm以上100nm以下程度である。このサイズは従来の電極触媒サイズの1〜2桁小さい値のため触媒活性の向上が期待される。このため、添加する(Ni)0.33(Mg)0.67O粒子の量としては電極を構成する材料全体の5重量%以上80重量%以下の範囲内が良い。より好ましくは10重量%以上50重量%以下である。
本実施形態によれば、触媒量を少なくすることができるため、混合導電体部分を大きくとることが可能になり、固体電解質との熱膨張的な差や整合ミスマッチによる差を小さく抑えることができる。
また、この析出金属粒子は、基材であるMg系複合酸化物の表面部に一層だけ存在し、基材との整合性が良く、強い結合を有している。したがって、高温還元性雰囲気にさらされても容易に移動することが無いという特徴も有している。
さらに、金属粒子が微細で孤立して存在するため、急激な酸化に対しても体積膨張が局所的に抑えられ、破壊に至りにくいという利点もある。
以上説明したように、本実施形態により作製される水素極によれば、微細なNi粒子を基材固定化することが可能で、しかも少ないNi添加量により高い活性と長時間安定性を提供可能である。この水素極を用いれば、酸素極に適当な電極触媒と組み合わせることにより、平板型セルに限らず円筒型や電極支持型など、安価で高出力なセルの実現が可能になる。
一方、水素極として触媒作用効果のある貴金属系の微粒子を微量添加しても構わない。このような貴金属粒子には、Pt、Au、Ag、Rh、Ir、Ru、Pdなどがある。
また、(Ni)0.33(Mg)0.67Oを還元して作製するNi粒子担持Mg系複合酸化物は、メタンなど炭化水素系燃料の改質触媒としても用いられる。すなわち、多様な燃料にも対応が可能になる。
(酸素極)
酸素極13は混合導電性を示す酸化物であり一般式Ln1−xBO3−x(Ln=希土類元素;A=Sr、Ca、Ba;B=Cr、Mn、Fe、Co、Niのうち少なくとも1種)で表される複合酸化物からなる。これらの複合酸化物は酸素を効率よく解離すると同時に電子導電性を有している。また、前記複合酸化物で若干不足するイオン導電性を、イオン導電性酸化物を併せて添加することにより補うことも可能である。このイオン導電性酸化物としては、SmをドープしたCeO、もしくはGdをドープしたCeO、YをドープしたCeOのいずれか一つを用いる。これらは還元性雰囲気では混合導電性を示すが、酸素含有雰囲気中では高いイオン導電性を示すものであり、かつ前記混合導電性を示す酸化物と反応をしないものである。
酸素極13にて解離された酸素イオン(O2−)は固体酸化物電解質11を通って水素極12へと移動し、水素と反応して水を生成する。このときに生成する電子を外部回路として取り出し発電に供する。
酸素極側での酸素の解離および水素極側での水素と酸素イオンとの反応は、いずれも電極内の電子−イオン−反応ガスが共に介する三相界面において起こる。そのため、これら三相界面を増加させることによって、その特性を海瀬することができる。
上記、本実施の形態においては、酸素極として、混合導電性酸化物の例を示したが、酸素極材料としては、Ptのような、触媒活性を有する薄膜を用いることもできる。
本実施の形態について実施例によってさらに詳細に説明する。本発明で考えられる電極構成材料の組み合わせを、金属粒子がNiの場合を例にとって表1に示す。
電極に用いるイオン導電性を有する焼結体および混合導電性の膜としてSmをドープしたCeOを、酸化物固溶体として(Ni)0.33(Mg)0.67Oを例に挙げて説明する。また、用いた粉末の粒径等はこれらに限定されるものではない。
<酸化物固溶体の調製>
平均粒径約1μmのNiO粉末と平均粒径約0.4μmのMgO粉末をモル比で1:2になるように秤量し乳鉢にて混合した。これに、0.2mol%のScを微量の添加物として加えた混合粉末をプレス成形してアルゴン中、1300℃で5時間焼結を行った。得られた酸化物固溶体の構成相をX線回折法により測定した。次に前記酸化物固溶体を粉砕し、40μmメッシュのふるいを通して出発粉末とした。
<混合導電性被膜用金属塩水溶液の調製および酸化物固溶体表面への混合導電性被膜の形成>
混合導電性膜には目的の組成のSDCと同量になるようCeおよびSmの硝酸塩水溶液を混合し、SDCとして0.4Mになるように水溶液を調製し、混合導電性被膜用金属塩水溶液とした。
粉砕した酸化物固溶体粒子を調整したCe,Sm硝酸塩水溶液中に浸し、余計な水溶液を吸引濾過で取り除いた後、室温で一晩乾燥させ、1000℃で30分間熱処理を行った。これにより、混合導電性被膜付き酸化物固溶体を調製した。この被膜付き酸化物固溶体を1000℃で10分間の水素還元処理を行い、前記酸化物固溶体から金属を析出させ、表面に金属微粒子を有する酸化物焼結体とした。
(実施例1)
<混合導電性の膜で覆われた酸化物固溶体を用いた固体酸化物電気化学セルの作製>
固体酸化物電解質にはφ15〜18mm、厚さ500μmに加工したYSZ(8mol%Yで安定化させたZrO)を用い、酸素極には多孔質Pt電極を、電解質側面に参照極として多孔質Pt電極を用いた。
上記「酸化物固溶体の調製」で作製した酸化物固溶体と、イオン導電性を有する焼結体として平均粒径0.3μmのSDC[(SmO1.50.2(CeO0.8]粒子とを、粉砕粒子の重量比で20:80重量比になるようにそれぞれ混合粉を秤量した。これに混合導電性被膜用金属塩水溶液を混合粉末に対して約30重量%加えて高速回転混合機によりペースト化した。このペーストをスクリーン印刷機で、固体酸化物電解質の中央にφ6mmの大きさで印刷した。印刷後、大気炉に入れ、それぞれを1300℃にて2時間焼成を行った。次に、反対面にPt電極を同様に印刷して酸素極とし、また電解質側面にPt参照極を塗って、960℃で30分間焼成した。その後、YSZ粉末を混合したNiペースト(Ni:YSZが重量比で82:18になるように混合)を、線幅30μm程度、配線間隔500μmほどの配線状になるように作製したスクリーンメッシュを通して、作製した電極表層部に網目状配線印刷を施した。その後、アルゴン雰囲気中、1000℃で30分間の熱処理を施し、網目状配線を電極表面に固定化した。
(比較例1)
実施例1と同様に、上記「酸化物固溶体の調製」で作製した酸化物固溶体と、イオン導電性を有する焼結体として平均粒径0.3μmのSDC[(SmO1.50.2(CeO0.8]粒子とを、粉砕粒子の重量比で20:80重量比になるようにそれぞれ混合粉を秤量した。これに純水を混合粉末に対して約40重量%加えて高速回転混合機によりペースト化した。このペーストをスクリーン印刷機で、固体酸化物電解質の中央にφ6mmの大きさで印刷した。印刷後、大気炉に入れ、それぞれを1300℃にて2時間焼成を行った。次に、反対面にPt電極を同様に印刷して酸素極とし、また電解質側面にPt参照極を塗って、960℃で30分間焼成した。その後、YSZ粉末を混合したNiペースト(Niに対して重量比で82:18になるように混合)を、線幅30μm程度、配線間隔500μmほどの配線状になるように作製したスクリーンメッシュを通して、作製した電極表層部に網目状配線印刷を施した。その後、アルゴン雰囲気中、1000℃で30分間の熱処理を施し、網目状配線を電極表面に固定化した。
(比較例2)
実施例1と同様であるが、上記「酸化物固溶体の調製」で微量添加物としての何も加えないで作製したNi−Mg系複合酸化物固溶体と、イオン導電性を有する焼結体として平均粒径0.3μmのSDC[(SmO1.50.2(CeO0.8]粒子とを、重量比で20:80重量比になるようにそれぞれ混合粉を秤量した。これに混合導電性被膜用金属塩水溶液を混合粉末に対して約30重量%加えて高速回転混合機によりペースト化した。以降、実施例1と同様、ペーストをスクリーン印刷し、大気炉で1300℃にて2時間焼成を行った。次に、反対面にPt電極を同様に印刷して酸素極とし、また電解質側面にPt参照極を塗って、960℃で30分間焼成した。その後、YSZ粉末を混合したNiペースト(Ni:YSZが重量比で82:18になるように混合)を、線幅30μm程度、配線間隔500μmほどの配線状になるように作製したスクリーンメッシュを通して、作製した電極表層部に網目状配線印刷を施した。その後、アルゴン雰囲気中、1000℃で30分間の熱処理を施し、網目状配線を電極表面に固定化した。
(比較例3)
平均粒径1μmのNiO粉末と、イオン導電性を有する焼結体として平均粒径0.3μmのSDC[(SmO1.50.2(CeO0.8]粒子とを、重量比で50:50重量比になるようにそれぞれ混合粉を秤量した。これに純水を混合粉末に対して約30重量%加えて高速回転混合機によりペースト化した。このペーストをスクリーン印刷機で、固体酸化物電解質の中央にφ6mmの大きさで印刷した。印刷後、大気炉に入れ、それぞれを1300℃にて2時間焼成を行った。次に、反対面にPt電極を同様に印刷して酸素極とし、また電解質側面にPt参照極を塗って、960℃で30分間焼成した。
(実施例2)
実施例1と同様に、上記「酸化物固溶体の調製」で作製した酸化物固溶体と、イオン導電性を有する焼結体として平均粒径0.3μmのYSZ[(Y0.8(ZrO0.92]粒子とを、粉砕粒子の重量比で20:80重量比になるようにそれぞれ混合粉を秤量した。これに混合導電性被膜用金属塩水溶液を混合粉末に対して約30重量%加えて高速回転混合機によりペースト化した。このペーストをスクリーン印刷機で、固体酸化物電解質の中央にφ6mmの大きさで印刷した。印刷後、大気炉に入れ、それぞれを1300℃にて2時間焼成を行った。次に、反対面にPt電極を同様に印刷して酸素極とし、また電解質側面にPt参照極を塗って、960℃で30分間焼成した。その後、YSZ粉末を混合したNiペースト(Ni:YSZが重量比で82:18になるように混合)を、線幅30μm程度、配線間隔500μmほどの配線状になるように作製したスクリーンメッシュを通して、作製した電極表層部に網目状配線印刷を施した。その後、アルゴン雰囲気中、1000℃で30分間の熱処理を施し、網目状配線を電極表面に固定化した。
(比較例4)
実施例1と同様に、上記「酸化物固溶体の調製」で作製した酸化物固溶体と、イオン導電性を有する焼結体として平均粒径0.3μmのYSZ[(Y0.8(ZrO0.92]粒子とを、粉砕粒子の重量比で20:80重量比になるようにそれぞれ混合粉を秤量した。これに純水を混合粉末に対して約40重量%加えて高速回転混合機によりペースト化した。このペーストをスクリーン印刷機で、固体酸化物電解質板の中央にφ6mmの大きさで印刷した。印刷後、大気炉に入れ、それぞれを1300℃にて2時間焼成を行った。次に、反対面にPt電極を同様に印刷して酸素極とし、また電解質側面にPt参照極を塗って、960℃で30分間焼成した。その後、YSZ粉末を混合したNiペースト(Ni:YSZが重量比で82:18になるように混合)を、線幅30μm程度、配線間隔500μmほどの配線状になるように作製したスクリーンメッシュを通して、作製した電極表層部に網目状配線印刷を施した。その後、アルゴン雰囲気中、1000℃で30分間の熱処理を施し、網目状配線を電極表面に固定化した。
(比較例5)
平均粒径1μmのNiO粉末と、イオン導電性を有する焼結体として平均粒径0.3μmのYSZ[(Y0.8(ZrO0.92]粒子とを、重量比で50:50重量比になるようにそれぞれ混合粉を秤量した。これに純水を混合粉末に対して約30重量%加えて高速回転混合機によりペースト化した。このペーストをスクリーン印刷機で、固体酸化物電解質の中央にφ6mmの大きさで印刷した。印刷後、大気炉に入れ、それぞれを1300℃にて2時間焼成を行った。次に、反対面にPt電極を同様に印刷して酸素極とし、また電解質側面にPt参照極を塗って、960℃で30分間焼成した。
<セル特性評価試験>
実施例1で作製した平板型固体酸化物電気化学セルを出力特性評価装置にセットし、水素極側、酸素極側それぞれをパイレックス(登録商標)ガラス材によりシールした。電解質側面にφ0.5mmのPt線を付け参照極とした。Ar雰囲気中で昇温したのち、水素極に水素を導入して還元処理を行った。水素還元時間は1000℃で10分間とした。
次に、水素極に50mL/minのH+HOを、酸素極に30mL/minのドライ空気を導入し、セル出力特性を評価した。また、カレントインターラプト法によるIR分離も行った。
実施例2および比較例1、2、4においても実施例1と同様に、セル特性評価試験を行った。
<セル特性評価試験2>
比較例3で作製した平板型固体酸化物電気化学セルを出力特性評価装置にセットし、水素極側、をパイレックス(登録商標)ガラス材によりシールした。電解質側面にφ0.5mmのPt線を付け参照極とした。N雰囲気中で昇温したのち、水素極に水素を導入して還元処理を行った。水素還元時間は900℃で30分間とした。
次に、水素極に50mL/minのH+HOを、酸素極に50mL/minのドライ空気を導入し、セル出力特性を評価した。また、カレントインターラプト法によるIR分離も行った。
比較例5においても比較例3と同様に、セル特性評価試験を行った。
以下、上記「酸化物固溶体の調製」で調整した酸化物固溶体およびセル特性評価試験1,2について説明する。
「酸化物固溶体の調製」で調整し、実施例1〜2および比較例1,2,4で用いた酸化物固溶体のX線回折測定を行ったところ、(Ni)0.33(Mg)0.67Oのピークのみで単相で構成されていることがわかった。一方、酸化物固溶体を還元した後の金属微粒子を表面に有する酸化物焼結体ではNiのピークが観測されたことから、Niの析出が確かに起こっていることが確認された。
実施例1および比較例1のセルの電気化学特性評価結果を比較する。はじめに、両セルの最大出力密度を比較すると、実施例1の出力密度は、比較例1の出力密度にくらべ、約15%の出力向上が見られた。次に、水素極内のオーム抵抗を同様に比較する。水素極側の電極内オーム抵抗は、端子間のセル抵抗から使用しているYSZ電解質の理論電解質抵抗を引くことで、水素極の電極抵抗とした。ここで、酸素極はPtを使用しているため、酸素極側の接触抵抗、電極内抵抗は十分低いとみなした。両セルの水素極内オーム抵抗の算出結果を比較すると、実施例1では、比較例1にくらべ約17%オーム抵抗を低く抑えることができている。以上、セル出力密度、水素極内オーム抵抗の比較結果から、実施例1のセルの方が比較例1よりも特性が高く、SDCコートの効果が示されており、MgO系の複合酸化物を用いる場合においても導電性の被覆を行うことが有効であることが示された。
一方、酸化物固溶体の水素中還元における重量変化を熱重量分析装置(TG)により測定したところ、800℃あたりから重量減少、すなわちNiの析出が始まり、1000℃でおよそ10%の重量減少があった。これは、NiAl複合酸化物固溶体を触媒前駆体として用いて還元した時の重量減少(約7%)より4割ほど高く、より多くのNi粒子の析出が起こっていることが予想される。これに対し、Scを添加しない比較例2の材料においては、還元時の重量減少は0.5%程度と非常に少なく、出力性能、オーム抵抗ともに悪い値であった。いずれにしても、還元によるNi粒子の析出温度を1000℃としているため、それよりも低い温度で使用する分においては、より安定的に使えるということを意味している。
また、実施例1の還元処理後の電極組織の組織を観察した結果、SDCの被膜組織と同時に平均サイズ30nm程度のNi粒子の析出が観察された。析出Ni粒子はうっすらとSDC被膜により覆われており、互いに重なり無く、高度に分散した状態で存在していることが確認された。
実施例2および比較例4、5はイオン伝導性粒子にYSZを用いる場合である。イオン伝導性粒子にSDCを用いた場合に比べ、YSZ系では出力密度がやや劣る。これはそれ自身触媒作用のあるSDCに代わり、イオン導電性のみのYSZを使用するためであるが、電解質との熱膨張係数のマッチングなどはSDC系に比べ優れると期待される。この系においても、従来のNi系サーメットを用いる場合(比較例5)に比べ、高い出力密度を示すことがわかった。また、SDC被覆のある実施例2では、SDC被覆のない比較例4の材料に比べ、約42%の出力向上が見られた。さらにセルのオーム抵抗を比較すると、実施例2では、比較例4にくらべ約30%オーム抵抗を低く抑えることができている。以上、セル出力密度、オーム抵抗の比較結果から、YSZ系においても実施例2のセルの方が性能は高く、SDCコートの効果が現れている。
以上述べてきたように、Ni粒子の粒径を小さくした分、活性が向上し、高い出力特性が得られた。さらに、それらに導電性の被覆を施すことにより、特性は向上した。また、より高い効果を期待するには、MgO中にScなど微量の添加物を加えることも特に重要である。
これらの混合導電性膜の効果は、金属粒子がNiだけでなくCo,Fe,Cuおよびこれら金属の二種類以上を含む合金であっても同程度の効果が期待される。

Figure 0005329869
11・・・固体酸化物電解質板
12・・・水素極
13・・・酸素極
14・・・集電体
15・・・イオン導電体酸化物焼結体粒子
16・・・混合導電性酸化物焼結体粒子
17・・・金属粒子担持Mg酸化物焼結体粒子
18・・・混合導電性被膜
19・・・配線
20・・・複合酸化物固溶体粒子
本発明の第1の実施形態に係る固体酸化物型燃料電池(SOFC)水素極の断面構造模式図 本発明の第1の実施形態に係るSOFCの断面構造模式図 第1の実施形態に係る燃料極の三相界面を説明する断面模式図 第1の実施形態に係る燃料極の製造工程を示す図 燃料電池の他の製造工程を示す図 第1の実施形態に係る燃料極の製造過程における断面及び平面模式図
符号の説明
11・・・固体酸化物電解質板
12・・・水素極
13・・・酸素極
14・・・集電体
15・・・イオン導電体酸化物焼結体粒子
16・・・混合導電性酸化物焼結体粒子
17・・・金属粒子担持Mg酸化物焼結体粒子
18・・・混合導電体被膜
19・・・網目状配線印刷
20・・・複合酸化物固溶体粒子

Claims (5)

  1. イオン導電性を有する固体酸化物電解質層を挟み、一方の面に水素極と、この一方の面に対向する他方の面に酸素極とを有する固体酸化物型電気化学セルにおいて、
    前記水素極は、表面にNi,Co,Fe,Cuのうちの少なくとも一種から選ばれる金属微粒子を有しかつ表面が金属微粒子と、Al 、Cr 、およびSc のいずれか1種以上の混合導電性被膜で覆われたMg酸化物焼結体粒子と、イオン導電性を有する酸化物焼結体粒子とを含むことを特徴とする固体酸化物型電気化学セル。
  2. 前記イオン導電性を有する焼結体が、YもしくはScで安定化させたZrO系材料、SmをドープしたCeO、GdをドープしたCeO、YをドープしたCeOより選ばれる少なくとも一種であり、かつ前記混合導電性の膜がSmをドープしたCeO、GdをドープしたCeO、YをドープしたCeOより選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型電気化学セル。
  3. 前記水素極の集電材を接触させる面に、前記酸素イオン導電性焼結体を含むNi,Co,Fe,Cu成分からなる網目状の配線印刷を施し、前記配線印刷部と集電体とを接触させてなることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型電気化学セル。
  4. イオン導電性を有する固体酸化物電解質層を挟み、一方の面に形成された酸素極と、この一方の面に対向する他方の面に形成され、表面にNi,Co,Fe,Cuのうちの少なくとも一種から選ばれる金属微粒子を有しかつ表面が金属微粒子と、Al 、Cr 、およびSc のいずれか1種以上の混合導電性被膜で覆われたMg酸化物焼結体粒子とイオン導電性を有する酸化物焼結体粒子とを含む水素極とを有する固体酸化物型電気化学セルの製造方法において、
    酸化物固溶体、金属塩、および前記イオン導電性を有する焼結体の混合物を前記固体酸化物電解質層に積層する工程と、
    その後、この状態で焼結させることにより前記酸化物固溶体の表面および前記イオン導電性を有する酸化物焼結体粒子の表面に前記金属塩の酸化物からなる被膜を形成する工程と、
    さらに800〜1000℃で還元することで前記酸化物固溶体を前記金属微粒子が表面に露出した前記Mg酸化物焼結体に改変する工程とを具備することを特徴とする固体酸化物型電気化学セルの製造方法。
  5. イオン導電性を有する固体酸化物電解質層を挟み、一方の面に形成された酸素極と、この一方の面に対向する他方の面に形成され、表面にNi,Co,Fe,Cuのうちの少なくとも一種から選ばれる金属微粒子を有しかつ表面が金属微粒子と、Al 、Cr 、およびSc のいずれか1種以上の混合導電性被膜で覆われたMg酸化物焼結体粒子とイオン導電性を有する酸化物焼結体粒子とを含む水素極とを有する固体酸化物型電気化学セルの製造方法において、
    酸化物固溶体と金属塩の混合物を焼結することにより前記酸化物固溶体の表面に混合導電性被膜を形成する工程と、
    その後前記酸化物固溶体と前記イオン導電性を有する酸化物焼結体との混合物を前記固体酸化物電解質層に積層する工程と、
    その後、この状態で焼結させ、さらに800〜1000℃で還元することで前記酸化物固溶体を前記金属微粒子が表面に露出した前記Mg酸化物焼結体粒子に改変する工程とを具備することを特徴とする固体酸化物型電気化学セルの製造方法。
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