JP4442747B2 - 空気極用コンタクト材料およびこれを用いた固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

空気極用コンタクト材料およびこれを用いた固体酸化物形燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP4442747B2
JP4442747B2 JP2003280736A JP2003280736A JP4442747B2 JP 4442747 B2 JP4442747 B2 JP 4442747B2 JP 2003280736 A JP2003280736 A JP 2003280736A JP 2003280736 A JP2003280736 A JP 2003280736A JP 4442747 B2 JP4442747 B2 JP 4442747B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
air electrode
contact material
silver
oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003280736A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005050636A (ja
Inventor
浩二 久田
安伸 水谷
健司 鵜飼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toho Gas Co Ltd
Original Assignee
Toho Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toho Gas Co Ltd filed Critical Toho Gas Co Ltd
Priority to JP2003280736A priority Critical patent/JP4442747B2/ja
Publication of JP2005050636A publication Critical patent/JP2005050636A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4442747B2 publication Critical patent/JP4442747B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池の空気極用コンタクト材料およびこの空気極用コンタクト材料を用いた固体酸化物形燃料電池に関するものである。
固体酸化物形燃料電池(以下、「SOFC」という。)は、電解質として酸素イオン導電性を示す固体電解質を用いた燃料電池である。このSOFCは、電解質が固体であるため、電解質の散逸の問題がなく、長寿命が期待できる。また、作動温度が約600〜1000℃と高いため、廃熱の利用価値も高い。更に、出力密度が高いため、コンパクト化、高効率化も期待できる。
SOFCの電池構造としては、一般に、平板型、円筒型及び一体型に大別される。この内、平板型SOFCは、平板状の固体電解質の一方の面に水素、都市ガスなどの燃料ガスが接する燃料極を接合し、他方の面に空気、酸素などの酸化剤ガスが接する空気極を接合した単セルをセパレータを介して多数段積層した積層構造を有している。この平板型SOFCは、内部抵抗が比較的小さいことから、発電効率が高く、かつ、薄い単セルを積層するために単位容積当たりの出力密度が高いという利点を有している。
このような平板型SOFCの燃料極および空気極に、それぞれ燃料ガスおよび酸化剤ガスが供給されると、空気極側の酸素分圧と燃料極側の酸素分圧との間に差があることから、酸素は、空気極においてイオンとなり、固体電解質内を通って燃料極に運ばれ、燃料極に達した酸素イオンは、燃料ガスと反応して電子を放出する。そのため、燃料極および空気極に負荷を接続すれば、電池反応の自由エネルギーの変化を、直接、電気エネルギーとして取り出して発電することが可能となる。
ところで、上記単セルを、セパレータを介して多数段積層する場合、2つの電極(空気極、燃料極)とセパレータとの接触抵抗を減少させることが、平板型SOFCの設計上重要である。というのも、例え単セル本来の発電性能が優れていても、電極(空気極、燃料極)とセパレータとの接触抵抗が大きいと、集電効率が低下し、平板型SOFC全体としての発電性能が損なわれるからである。
そのため、従来、例えば、空気極とセパレータとの間に、空気極コンタクト層を介在させることにより、空気極とセパレータとの間に生じる隙間を埋めて両者の密着度を向上させ、接触抵抗を減じて集電効率の向上を図る技術が知られている。
このような空気極コンタクト層の材料としては、例えば、ランタンストロンチウムコバルタイト粉末などのペロブスカイト型酸化物(ABOの結晶構造を有する)粉末をバインダーで溶き、ペースト状にしたもの(以下「ABO系コンタクト材料」という。)が知られている。また例えば、銀粉末をバインダーで溶き、ペースト状にしたもの(以下「銀系コンタクト材料」という。)が知られている(特許文献1参照)。
さらに例えば、銀粉末と、酸化錫、酸化インジウム、酸化ランタンなどの酸化物をバインダーで溶き、ペースト状にしたもの(以下「銀−酸化物系コンタクト材料」という。)が知られており、この銀−酸化物系コンタクト材料によれば、機械的強度に優れた空気極コンタクト層を得ることができるとされている(特許文献2参照)。
特開昭60−115164号公報 特開2002−216807号公報
しかしながら、従来のABO系コンタクト材料を用いて空気極コンタクト層を形成した場合、ペロブスカイト型酸化物それ自体の電気抵抗が比較的高いため、単セルにより発電された電気を効率的に集電できず、平板型SOFCの発電性能が、単セル本来の発電性能よりも大幅に低下するという問題があった。
また、従来の銀系コンタクト材料を用いて空気極コンタクト層を形成した場合、平板型SOFCの空気極に対して酸素を供給した場合には発電性能が向上するものの、空気を供給した場合には、ABO系コンタクト材料を用いて空気極コンタクト層を形成した場合より若干発電性能が向上するに留まる程度であった。この原因は、空気極の表面に加熱によって銀の緻密な皮膜が生成することにより、高酸素環境下では、その皮膜があっても酸素が空気極まで十分透過できたものの、低酸素環境下では、その皮膜によって酸素が空気極まで十分に透過できなかったためと考えられる。
また、単セルとセパレータとが銀によって固着し、両者の熱膨張差に起因して単セルが割れるという問題も発生した。この原因は、発電時の温度で柔らかくなった銀が、セパレータの溝に食い込むとともに多孔質である空気極の孔にある程度入り込み、この状態で冷却されると、熱膨張率の異なるセパレータと空気極とが物理的に固定された状態で収縮することから、両者の熱膨張差に起因して単セルが割れたものと考えられる。
また、従来の銀−酸化物系ペーストを用いて形成した空気極コンタクト層では、空気極コンタクト層の導電率が低く、発電性能も十分なものではなかった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、固体酸化物形燃料電池の空気極コンタクト層に用いた場合に、単セル本来の発電性能を大きく損うことなく、空気環境下での発電性能に優れ、単セルの破壊も抑制可能な空気極用コンタクト材料を提供することにある。また、このコンタクト材料を用いた固体酸化物形燃料電池を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る空気極用コンタクト材料は、平板型の固体酸化物形燃料電池の空気極とセパレータとの間に介在させて用いられるものであって、銀粉体または銀合金粉体と、ペロブスカイト型酸化物粉体とを少なくとも含み、前記ペロブスカイト型酸化物は、ランタン−コバルト系酸化物であることを要旨とする。
ここで、前記ランタン−コバルト系酸化物は、ランタンの一部がアルカリ土類金属AE(AE=Sr,Ca)により置換されていることが好ましい。また、前記空気極用コンタクト材料は、未焼成物であると良い。
この際、前記銀粉体または銀合金粉体と前記ペロブスカイト型酸化物粉体との混合比(銀粉体または銀合金粉体:ペロブスカイト型酸化物粉体)は、90:10重量%〜30:70重量%の範囲内にあることが好ましい。
また、前記空気極用コンタクト材料は、さらに、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)および金(Au)から選択される1種または2種以上の貴金属の粉体または前記貴金属の合金の粉体を含んでいることが好ましい。この際、前記銀粉体または銀合金粉体および前記貴金属の粉体または貴金属の合金の粉体の混合粉体と、前記ペロブスカイト型酸化物粉体との混合比(混合粉体:ペロブスカイト型酸化物粉体)は、90:10重量%〜30:70重量%の範囲内にあることが好ましい。また、前記貴金属の粉体または貴金属の合金の粉体は、前記銀粉体または銀合金粉体に対して、1〜15重量%の範囲で混合されていることが好ましい。
また、前記空気極用コンタクト材料は、さらに、溶媒および/または樹脂を含んでいても良い。
一方、本発明に係る平板型の固体酸化物形燃料電池は、酸素イオン導電性を示す固体電解質の一方の面に燃料極を接合し、他方の面に空気極を接合した単セルをセパレータを介して多数段積層してなる固体酸化物形燃料電池において、前記空気極と前記セパレータとの間に、上記空気極用コンタクト材料より形成された空気極コンタクト層が介在されてなることを要旨とする。
本発明に係る空気極用コンタクト材料を、平板型の固体酸化物形燃料電池の空気極コンタクト層の材料に用いた場合には、その空気極コンタクト層が、(1)ペロブスカイト型酸化物粉体単体に比較して電気抵抗が低いこと、(2)銀粉体(銀合金粉体)のみならず、ペロブスカイト型酸化物粉体を含んでいるので酸素イオンの活性化に寄与すること、(3)多孔質であることなどに起因して、空気極に空気が供給される場合であっても、単セル本来の発電性能を損うことなく平板型の固体酸化物形燃料電池全体としての発電性能を大きく向上させることができる。
また、銀粉体(銀合金粉体)中のペロブスカイト型酸化物粉体が、セパレータと、面ではなく点で接触し、いわゆる、ころの役割を果たすので、冷却時に滑りが生じる。そのため、熱膨張差に起因して単セルが割れるのを効果的に抑制することができる。
また、上記空気極用コンタクト材料中のペロブスカイト型酸化物が、ランタン−コバルト系酸化物であるので、電子導電性と酸素イオン導電性とに優れ、発電性能の向上に有利である。
ここで、上記空気極用コンタクト材料中に、さらに、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)および金(Au)から選択される1種または2種以上の貴金属の粉体または前記貴金属の合金の粉体を含んでいる場合には、ベースとなる銀粉体(銀合金粉体)の耐熱性が向上するので、空気極コンタクト層の消耗を抑制することができる。
また、上記空気極用コンタクト材料中に、さらに、溶媒を含む場合には、空気極用コンタクト材料に含まれる各種粉体を均一に分散・混合してペースト状態にすることができる。
また、上記空気極用コンタクト材料中に、さらに、樹脂を含む場合には、空気極用コンタクト材料のペースト状態を安定に保持することができ、空気極および/またはセパレータへの塗布時に均一な膜を形成し易くなる利点がある。
また、上記空気極用コンタクト材料より形成した空気極コンタクト層を有する本発明に係る平板型の固体酸化物形燃料電池は、酸素環境下のみならず、空気環境下でも発電性能に優れる。また、内部の単セルの破壊も生じ難いので、高い信頼性を有する。
以下に、本発明に係る空気極用コンタクト材料(以下「本コンタクト材料」ということがある。)およびこの本コンタクト材料を用いた固体酸化物形燃料電池(以下「本SOFC」ということがある。)について詳細に説明する。
先ず、本コンタクト材料の構成について説明する。本コンタクト材料は、固体酸化物形燃料電池の空気極コンタクト層を形成するのに用いられるものであり、銀粉体または銀合金粉体と、ペロブスカイト型酸化物粉体とを少なくとも含んでいる。
本コンタクト材料において、銀粉体とは、純銀の粉末をいう。また、銀合金粉体とは、銀を主成分とし、銀と1種または2種以上の他の元素とが混合された金属の粉末をいう。銀合金粉体における他の元素としては、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、金(Au)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、カドミウム(Cd)、錫(Sn)などが挙げられる。この内、銀合金の耐熱性、高温状態の安定性などに優れることから、他の元素としては、パラジウム(Pd)を好適に用いることができる。なお、銀粉体および銀合金粉体ともに、取り除くことが不可避な不純物を含んでいても良い。
本コンタクト材料において、ペロブスカイト型酸化物粉体とは、一般式ABOのペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物の粉末をいい、A金属、B金属は、他の金属と置換可能である。中でも、A金属がLa、B金属が遷移金属Mの酸化物LaMOは(M=Co,Mn,Fe)、高い導電率を有する観点から、好適に用いることができる。この内、Laの一部をアルカリ土類金属AE(AE=Sr,Ca)に置換した、(La,AE)MO(AE=Sr,Ca;M=Co,Mn,Fe)は、導電性や熱膨張率などの性質を種々調整可能な点から、より好適に用いることができる。最も好適には、触媒活性と導電性および安定性のバランスなどに優れる観点から、La1−xSrCoO(x=0.1〜0.5)を用いることができる。
本コンタクト材料において、銀粉体または銀合金粉体と、ペロブスカイト型酸化物粉体との混合比は、銀粉体または銀合金粉体:ペロブスカイト型酸化物粉体=90:10重量%〜30:70重量%の範囲が好ましい。より好適には、銀粉体または銀合金粉体:ペロブスカイト型酸化物粉体=70:30重量%〜50:50重量%の範囲である。
上記混合比の範囲が好適な理由は、銀粉体または銀合金粉体の含有率が低くなり、かつ、ペロブスカイト型酸化物粉体の含有率が高くなると、得られる空気極コンタクト層の電気抵抗が増大し、集電効率が低下する傾向などが見られ、一方、銀粉体または銀合金粉体の含有率が高くなり、かつ、ペロブスカイト型酸化物粉体の含有率が低くなると、空気極コンタクト層の多孔質性が失われ、空気雰囲気下での性能が低下するとともに固着により単セルが破壊し易くなる傾向などが見られるからである。
本コンタクト材料は、上述した銀粉体または銀合金粉体と、ペロブスカイト型酸化物粉体とを必須構成要素として含んでいるが、任意構成要素として、さらに、次のものを含んでいても良い。
すなわち、本コンタクト材料中には、本コンタクト材料より形成される空気極コンタクト層の耐熱性を向上させ、空気極コンタクト層の消耗を抑制できるなどの観点から、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)および金(Au)から選択される1種または2種以上の貴金属の粉体または前記貴金属の合金の粉体が含まれていても良い。この内、固体酸化物形燃料電池の作動温度付近における銀(Ag)の安定性を向上させるなどの観点から、パラジウム(Pd)粉体を好適に用いることができる。
上記貴金属の粉体または貴金属の合金の粉体は、銀粉体または銀合金粉体に対して、1〜15重量%の範囲で混合するのが好ましい。より好適には、1〜5重量%の範囲である。
この場合、銀粉体または銀合金粉体および貴金属の粉体または貴金属の合金の粉体の混合粉体と、ペロブスカイト型酸化物粉体との混合比は、混合粉体:ペロブスカイト型酸化物粉体=90:10重量%〜30:70重量%の範囲が好ましい。より好適には、混合粉体:ペロブスカイト型酸化物粉体=70:30重量%〜50:50重量%の範囲である。
また、本コンタクト材料には、本コンタクト材料に含まれる各種粉体を分散・混合してペースト状にするため、溶媒が含まれていても良い。なお、この溶媒は、本コンタクト材料塗布後の乾燥により揮発するか、あるいは、SOFCの初回昇温時に分解して消滅する。
溶媒としては、有機溶媒または無機溶媒の何れも用いることができ、上記各種粉体を均一に分散・混合できるものであれば、特に限定されるものではない。好ましくは、本コンタクト材料を塗布する際の塗工性などに優れることから、有機溶媒を好適に用いる。
溶媒として有機溶媒を用いる場合、具体的には、n−パラフィン、テレピン油、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ポリエチレングリコールなどが挙げられ、これらは1種または2種以上混合して用いても良い。
一方、溶媒として無機溶媒を用いる場合、具体的には、水などが挙げられる。
なお、溶媒の配合量は、各種粉体の分散・混合状態や、得られるペーストの粘度などを考慮して適宜調節することができるものである。
また、本コンタクト材料中には、本コンタクト材料のペースト状態を安定に保持する観点から、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、テルペン樹脂などの樹脂が1種または2種以上含まれていても良い。なお、この樹脂は、SOFCの初回昇温時に分解して消滅するものである。
また、他にも、必要に応じて、本コンタクト材料中には、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジルなどの可塑剤、脂肪酸塩類、ベンゼンスルホン酸塩類、多価アルコール類、脂肪酸グリセロールエステル類などの分散剤など、各種添加剤が1種または2種以上含まれていても良く、特に限定されるものではない。
次に、本コンタクト材料の製造方法について説明する。本コンタクト材料の製造方法としては、各粉体を均一に分散・混合できる方法であれば、特に限定されるものではない。例えば、上述した銀粉体または銀合金粉体、貴金属粉体を所定量秤量し、必要に応じて溶媒、樹脂、各種添加剤とともに強せん型混練機などの混練装置に入れ、1〜2時間程度混練した後、所定量のペロブスカイト型酸化物粉体を加えて1〜2時間程度混練する方法などが挙げられる。
次に、本コンタクト材料を用いた本SOFCについて説明する。
本SOFCは、酸素イオン導電性を示す固体電解質の一方の面に燃料極を接合し、他方の面に空気極を接合した単セルをセパレータを介して多数段積層してなる固体酸化物形燃料電池であって、空気極とセパレータとの間に、本コンタクト材料より形成された空気極コンタクト層が介在されてなる。
本SOFCの電池構造は、平板型である。この際、平板型としては、固体電解質が自立した自立膜式、電極に支持機能を兼ねさせた支持膜式の2つに大別されるが、本SOFCは、何れの形式であっても良く、特に限定されるものではない。
上記固体電解質は、酸素イオン導電性を示すものであれば良く、特に限定されるものではない。固体電解質としては、具体的には、安定化剤として3〜6mol%のスカンジア(Sc)を添加したスカンジア安定化ジルコニア(以下、「ScSZ」という。)、9〜12mol%のスカンジア(Sc)を添加したScSZ、8〜10mol%のイットリア(Y)を添加したイットリア安定化ジルコニア(以下、「YSZ」という。)、その他の酸化物で安定化させたジルコニア、セリア(CeO)系固体電解質などが挙げられる。なお、これらは2重量%以下のアルミナ(Al)との複合体であっても良い。
上記燃料極には、高温の還元雰囲気下で化学的に安定であり、かつ、高い電子導電性を有する材料が用いられる。このような材料としては、具体的には、Ni/YSZサーメット、Ni/ScSZサーメットなど、触媒と酸素イオン導電性を示す固体電解質とのサーメットが好適な一例として挙げられるが、本発明においてはいずれの材料を用いても良く、特に限定されるものではない。
上記空気極には、高温の酸化雰囲気下で化学的に安定であり、かつ、高い電子導電性を有する材料が用いられる。このような材料としては、具体的には、白金などの貴金属、LaSrMnO、LaCaMnO、LaMgMnO、LaSrCoO、LaCaCoOなどの複合酸化物が好適な一例として挙げられるが、本発明においてはいずれの材料を用いても良く、特に限定されるものではない。また、空気極は、上述した材料のみを含むものであっても良く、あるいは、上述した材料とYSZなどの酸素イオン導電性を示す固体電解質との複合体であっても良い。
上記セパレータには、電子導電体であって、イオン導電性が無視できるほど小さく、かつ、高温において熱力学的に安定な材料が用いられる。このような材料としては、具体的には、LaCrOなどのランタン−クロム系酸化物や、ステンレス、Ni−Cr合金などが好適な一例として挙げられるが、本発明においてはいずれの材料を用いても良く、特に限定されるものではない。
次に、本SOFCの製造方法について説明する。まず、酸素イオン導電性を示す固体電解質材料を、所定の形状に成形し、所定温度で焼結させる。この際、固体電解質材料の成形方法は、例えば、プレス成形法、テープ成形法などを用いると良い。また、固体電解質の焼結条件は、その組成に応じて最適な温度を選択する。
次に、固体電解質の一方の面に、燃料極材料を含むスラリーを塗布して焼結させ、燃料極とする。同様に、固体電解質の他方の面に空気極材料を含むスラリーを塗布して焼結させ、空気極とする。さらに、得られた単セルの空気極および/または空気極側のセパレータに、本コンタクト材料を塗布する。この際、本コンタクト材料の塗布量は、セルの厚さやセパレータ集電部分の高さのばらつきにより生じる非接触部分をなくす観点から、厚さ25μm程度塗布するのが好ましいが、特に限定されるものではない。
なお、上記において、本コンタクト材料の塗布方法としては、具体的には、スプレー法、ハケ塗り法、スクリーン印刷法などが好適な一例として挙げられる。また、燃料極材料および空気極材料の塗布方法としては、具体的には、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、ハケ塗り法、スプレー法、ディッピング法などが好適な一例として挙げられるる。もっとも、本発明においては、両塗布方法ともにいずれの方法を用いても良く、特に限定されるものではない。
そして、燃料極│固体電解質│空気極│本コンタクト材料│セパレータを繰り返しの単位として、これを多数段積層すれば本SOFCが得られる。なお、この本SOFCが初回起動されると、昇温時の加熱により、空気極および/またはセパレータに塗布された本コンタクト材料より多孔質の空気極コンタクト層が形成され、空気極とセパレータとの間に空気極コンタクト層が介在された状態になる。
以下に実施例を挙げて本コンタクト材料および本SOFCについてより具体的に説明する。
(本コンタクト材料および比較コンタクト材料の作製)
(実施例1)
初めに、以下の手順により本コンタクト材料を作製した。すなわち、Ag粉末:Pd粉末=98:2重量%の混合比となるように、各粉末を所定量秤量した。次いで、Ag粉末とPd粉末との混合粉末:La0.6Sr0.4CoO(以下「LS0.4C」という。)粉末=20:80重量%の混合比となるように、各粉末を所定量秤量した。
次いで、所定量の上記混合粉末にジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、n−パラフィン、テレピン油、セルロース系樹脂を加えて2時間混練した後、さらに、LS0.4C粉末と2−プロパノールとを加えて2時間混練し、ペースト状態の実施例1に係るコンタクト材料を得た。
(実施例2)
実施例1において、Ag粉末とPd粉末との混合粉末:LS0.4C粉末=40:60重量%の混合比とした以外は、同様にして、実施例2に係るコンタクト材料を得た。
(実施例3)
実施例1において、Ag粉末とPd粉末との混合粉末:LS0.4C粉末=50:50重量%の混合比とした以外は、同様にして、実施例3に係るコンタクト材料を得た。
(実施例4)
実施例1において、LS0.4C粉末に代えて、Sm0.6Sr0.4CoO(以下、「SmS0.4C」という。)粉末を用い、かつ、Ag粉末とPd粉末との混合粉末:SmS0.4C粉末=50:50重量%の混合比とした以外は、同様にして、実施例4に係るコンタクト材料を得た。
(実施例5)
実施例1において、Ag粉末とPd粉末との混合粉末:LS0.4C粉末=70:30重量%の混合比とした以外は、同様にして、実施例5に係るコンタクト材料を得た。
(比較例1)
LS0.4C粉末をポリエチレングリコールで溶き、ペースト状にし、比較例1に係るABO系コンタクト材料を得た。
(比較例2)
実施例1において、LS0.4C粉末に代えて、ペロブスカイト型酸化物粉末以外の酸化物粉末であるSnO粉末を用い、かつ、Ag粉末とPd粉末との混合粉末:SnO粉末=62.8:37.2重量%の混合比(SnO粉末:47vol.%に相当)とした以外は、同様にして、比較例2に係る銀−酸化物系コンタクト材料を得た。
(比較例3)
La0.8Sr0.2CoO(以下「LS0.2C」という。)粉末をポリエチレングリコールで溶き、ペースト状にし、比較例3に係るABO系コンタクト材料を得た。
(比較例4)
実施例1において、LS0.4C粉末と2−プロパノールを用いなかった以外は、同様にして、比較例4に係る銀系コンタクト材料を得た。
(比較例5)
実施例1において、Ag粉末:Pd粉末=95:5重量%の混合比とし、かつ、LS0.4C粉末と2−プロパノールを用いなかった以外は、同様にして、比較例5に係る銀系コンタクト材料を得た。
なお、上記において、Ag粉末は、昭栄化学工業(株)製(商品名「Ag−128」、50%径:2.2μm)、Pd粉末は、昭栄化学工業(株)製(商品名「Pd−215」、50%径:0.7μm)、LS0.4C粉末は、セイミケミカル(株)製(50%径:1.1μm)、SmS0.4C粉末は、セイミケミカル(株)製(50%径:1.6μm)、SnO粉末は、キシダ化学(株)製(50%径:1.3μm)、LS0.2C粉末は、セイミケミカル(株)製(50%径:2.4μm)である。
ここで、50%径とは、JIS R1629に準拠して測定される、体積基準の積算分率における50%径の値をいう。JIS R1629は、ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法についての規格であり、具体的には、液相に分散させたファインセラミックス原料粒子にレーザ光を照射することによって検出される散乱強度分布を利用した粒子径分布の測定方法について規定したものである。この際、各粉体の50%径を測定するにあたり、試料の採取方法および試料調整方法については、それぞれJIS M8100、JIS R1622に準拠して行った。
レーザ回折・散乱法による粒子径分布測定装置としては、例えば、(株)堀場製作所製「レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置」などを用いることができるが、上記測定方法に準拠して測定されるのであれば、特に限定されるものではない。
なお、用いる各粉体の粒度分布としては、体積基準による存在比率の分布が、シャープなもの(個々の粒子径が揃っているもの)ほど好ましく、ブロードなもの(個々の粒子径が揃っていないもの)はあまり好ましくない。また、分布のピークが複数あるものなどは好ましくない。
(本コンタクト材料とABO系コンタクト材料の導電率測定)
上記のようにして得られた実施例1〜5に係るコンタクト材料および比較例1に係るABO系コンタクト材料について導電率の測定を行った。
すなわち、アルミナ製の棒(約4.6×3.6×25mm)の両端に白金ペーストを塗布し、乾燥させた後、白金リード線を巻き付けた。次いで、このアルミナ製の棒の一面に実施例1〜5に係るコンタクト材料および比較例1に係るABO系コンタクト材料をそれぞれ薄く塗布した後、乾燥させ、この試験片を交流インピーダンス測定装置に接続し、2端子法による電気抵抗(Ω)を測定した。この際、測定温度と熱履歴は、650℃→700℃→750℃→800℃→850℃→900℃→800℃→700℃の8点測定、または、最後の700℃を測定しない7点測定とした。
次いで、以下の式により、導電率を測定した。
導電率(S/cm)=(1/電気抵抗測定値(Ω))×(材料塗布面の長さ(cm)/材料塗布面の断面積(cm))
図1に各温度における導電率を示す。図1によれば、実施例1〜5に係るコンタクト材料の導電率は、何れも、従来の比較例1に係るABO系コンタクト材料の導電率に比較して、全温度範囲に亘って導電率が高くなっているのが分かる。
また、実施例1〜5に係るコンタクト材料の導電率は、Ag粉末とPd粉末との混合粉末の混合量が多くなるに連れて導電率が向上しているのが分かる。特に、Ag粉末とPd粉末との混合粉末を70重量%とした実施例5については、導電率が800S/cmと向上しているのが分かる。
また、ペロブスカイト型酸化物の種類を変えた実施例3と実施例4に係るコンタクト材料は、ほぼ同等の導電率であることが分かる。
以上より、本コンタクト材料は、従来のABO系コンタクト材料に比較して、導電率に非常に優れており(電気抵抗が低い)、SOFCの発電性能の向上にきわめて有利であることが分かる。
(本コンタクト材料と銀−酸化物系コンタクト材料の導電率測定)
上記のようにして得られた実施例3、4に係るコンタクト材料および比較例2に係る銀−酸化物系コンタクト材料について、上記と同様にして導電率の測定を行った。この際、測定温度と熱履歴は、650℃→700℃→750℃→800℃→850℃→900℃→800℃の7点測定とした。
図2に各温度における導電率を示す。図2によれば、実施例3、4に係るコンタクト材料の導電率は、何れも、従来の比較例2に係る銀−酸化物系コンタクト材料の導電率に比較して、全温度範囲に亘って導電率がきわめて高くなっているのが分かる。
もっとも、銀−酸化物系コンタクト材料は、今回用いた測定方法では正しい評価ができない可能性も否定できない。しかしながら、空気極用コンタクト材料は、空気極に薄膜状に塗布して使用されるのが前提であるため、上記測定方法で導電率がきわめて低いことは、SOFCの発電性能を向上させる上で好ましくないものと考えられる。
(SOFCの作製および発電試験−その1−)
次に、上記実施例および比較例に係るコンタクト材料を用いたSOFCを作製した。すなわち、固体電解質材料として、4mol%Sc−96mol%ZrO組成を有するScSZ(第一稀元素化学工業(株)製、以下「4ScSZ」という)を用い、これにバインダーを加えてスラリーとし、ドクターブレード法を用いてグリーンシートを作製した。次いで、このグリーンシートを、1350℃で2時間焼成し、固体電解質板を作製した。
次いで、燃料極材料として、NiO(ナカライテスク製)と、10mol%Sc−1mol%CeO−89mol%ZrO組成を有するScSZ(第一稀元素化学工業(株)製、以下「10Sc1CeSZ」という)とからなるサーメットを用い、これにバインダー(ポリエチレングリコール)を加えてスラリーとし、スクリーン印刷法を用いて固体電解質板の一方の面に塗布(厚さ約25μm)した。次いで、これを1350℃にて2時間焼成し、燃料極とした。
次いで、空気極材料として、La0.6Sr0.4(Co,Fe)O(セイミケミカル(株)製)を用い、これにバインダー(ポリエチレングリコール)を加えてスラリーとし、スクリーン印刷法を用いて固体電解質板の他方の面に塗布(厚さ約25μm)した。次いで、これを1150℃にて2時間焼成し、空気極とした。
次いで、得られた単セル(120mmφ×100μm、電極面積約100cm)の空気極および空気極側のセパレータ(ステンレス製)に、上記実施例または比較例に係るコンタクト材料を、以下の表1に示したとおりに塗布するとともに、単セルをセパレータにより挟持することにより、実施例および比較例に係るSOFCを作製した。
次いで、発電温度800℃における出力密度を測定した。この際、燃料ガスには水素(流量:1L/min)、酸化剤ガスには空気(流量:1L/minまたは2L/min)を用いた。表1にその測定結果を示す。
Figure 0004442747
次に、表1を用いて、各SOFCにおける出力密度(W/cm)の差異について検討する。特に、実用的な発電では、空気使用時の0.7V付近の出力密度(W/cm)の値が重要であるため、この値を用いて検討することとする。
表1によれば、従来のABO系コンタクト材料(比較例3)より形成された空気極コンタクト層を有するSOFC(No.1)、ABO系コンタクト材料(比較例3)と銀系コンタクト材料(比較例5)より形成された空気極コンタクト層を有するSOFC(No.2)、銀系コンタクト材料(比較例4)より形成された空気極コンタクト層を有するSOFC(No.3)、銀系コンタクト材料(比較例4)とABO系コンタクト材料(比較例3)より形成された空気極コンタクト層を有するSOFC(No.4)は、0.126〜0.224(W/cm)程度の出力密度であった。
これに対し、本実施例に係るコンタクト材料(実施例3)より形成された空気極コンタクト層を有するSOFC(No.5)では、出力密度が0.308(W/cm)と高く、従来のSOFC(No.1〜4)に比較して、約1.4〜2.4倍の出力密度を示した。このことから本発明に係るSOFC(No.5)は、空気環境下であっても、非常に優れた発電性能を有することが分かる。
また、従来のSOFC(No.3)では、単セルとセパレータとが銀によって固着し、両者の熱膨張差に起因して単セルに割れが生じた。これに対し、本実施例に係るSOFC(No.5)では、全く割れが生じなかった。
また、従来のSOFC(No.2)とSOFC(No.4)では、空気極とセパレータにABO系コンタクト材料、銀系コンタクト材料を別個に塗布して張り合わせた構成となっているが、かかる構成により空気極コンタクト層を形成しても、発電性能は向上しないことが分かる。すなわち、本実施例に係るコンタクト材料のように、Ag粉末とペロブスカイト型酸化物粉末とは、初めから均一に分散、混合されていないと、発電性能の向上に寄与しないということが分かる。
(SOFCの作製および発電試験−その2−)
次に、上記実施例および比較例に係るコンタクト材料を用いたSOFCを作製した。すなわち、上記(SOFCの作製および発電試験−その1−)において、固体電解質材料として、4ScSZに対して0.5重量%のアルミナ(Al )を複合したものを用いた以外は、同様にして、単セルを作製し、得られた単セルの空気極表面上に、上記実施例または比較例に係るコンタクト材料を、以下の表2に示したとおりに塗布するとともに、単セルをセパレータ(ステンレス製)により挟持することにより、実施例および比較例に係るSOFCを作製した。
次いで、発電温度800℃における発電量(W)を測定した。この際、燃料ガスには水素(流量:1L/min)、酸化剤ガスには酸素または空気(流量:1L/minまたは2L/min)を用いた。表2にその測定結果を示す。
Figure 0004442747
次に、表2を用いて、酸素または空気使用時の0.7V付近の発電量(W)の値について検討する。
表2によれば、従来の銀−酸化物系コンタクト材料(比較例2)より形成された空気極コンタクト層を有するSOFC(No.6)は、酸素1L/min下で26.2(W)、空気1L/min下で18.3(W)、空気2L/min下で19.0(W)の発電量であった。
これに対し、本実施例に係るコンタクト材料(実施例3)より形成された空気極コンタクト層を有するSOFC(No.7)では、酸素1L/min下で37.8(W)、空気1L/min下で28.2(W)、空気2L/min下で29.8(W)といずれの条件下でも発電量が大きく、従来のSOFC(No.6)に比較して、約1.4〜1.6倍の発電量を示した。また、本実施例に係るコンタクト材料(実施例5)より形成された空気極コンタクト層を有するSOFC(No.8)でも、酸素1L/min下で36.6(W)、空気1L/min下で28.7(W)、空気2L/min下で30.2(W)といずれの条件下でも発電量が大きく、従来のSOFC(No.6)に比較して、約1.4〜1.6倍の発電量を示した。
また、図3に、従来のSOFC(No.6)と本実施例に係るSOFC(No.7)のIV曲線と出力密度の関係を示す。図3によれば、本実施例に係るSOFCは、比較例に係るSOFCに比較して、酸素環境下ではもちろんのこと、空気環境下においても、発電性能が高くなった。また、図示はしないが、時間経過による出力低下減少も全く発生しなかった。
以上より、本コンタクト材料より形成した空気極コンタクト層を有する本SOFCは、空気環境下でもきわめて優れた発電性能を有し、また、単セルの破壊も生じないことから、高い信頼性を有すると言える。
本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記実施例では、空気極用コンタクト材料として、銀粉末を用いた場合を例示したが、それ以外にも、銀合金粉末を用いることができるものである。また、貴金属粉末として、Pd粉末を用いたが、それ以外の貴金属粉末や貴金属の合金の粉末を用いることができるものである。また、空気極用コンタクト材料を溶媒によりペースト状態としたが、それ以外にも、溶媒を用いず、各種粉体が均一に分散・混合された空気極用コンタクト材料を粉体状態のまま空気極表面上にスプレー法などによって塗布しても良く、特に限定されるものではない。
実施例1〜5および比較例1に係るコンタクト材料における各温度と導電率との関係を示した図である。 実施例3、4および比較例2に係るコンタクト材料における各温度と導電率との関係を示した図である。 従来のSOFC(No.6)と本実施例に係るSOFC(No.7)のIV曲線と出力密度の関係を示した図である。

Claims (9)

  1. 平板型の固体酸化物形燃料電池の空気極とセパレータとの間に介在させて用いられるものであって、
    銀粉体または銀合金粉体と、ペロブスカイト型酸化物粉体とを少なくとも含み、
    前記ペロブスカイト型酸化物は、ランタン−コバルト系酸化物であることを特徴とする空気極用コンタクト材料。
  2. 前記ランタン−コバルト系酸化物は、ランタンの一部がアルカリ土類金属AE(AE=Sr,Ca)により置換されていることを特徴とする請求項1に記載の空気極用コンタクト材料。
  3. 未焼成物であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気極用コンタクト材料。
  4. 前記銀粉体または銀合金粉体と前記ペロブスカイト型酸化物粉体との混合比(銀粉体または銀合金粉体:ペロブスカイト型酸化物粉体)は、90:10重量%〜30:70重量%の範囲内にあることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の空気極用コンタクト材料。
  5. さらに、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)および金(Au)から選択される1種または2種以上の貴金属の粉体または前記貴金属の合金の粉体を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の空気極用コンタクト材料。
  6. 前記銀粉体または銀合金粉体および前記貴金属の粉体または貴金属の合金の粉体の混合粉体と、前記ペロブスカイト型酸化物粉体との混合比(混合粉体:ペロブスカイト型酸化物粉体)は、90:10重量%〜30:70重量%の範囲内にあることを特徴とする請求項5に記載の空気極用コンタクト材料。
  7. 前記貴金属の粉体または貴金属の合金の粉体は、前記銀粉体または銀合金粉体に対して、1〜15重量%の範囲で混合されていることを特徴とする請求項5または6に記載の空気極用コンタクト材料。
  8. さらに、溶媒および/または樹脂を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の空気極用コンタクト材料。
  9. 酸素イオン導電性を示す固体電解質の一方の面に燃料極を接合し、他方の面に空気極を接合した単セルをセパレータを介して多数段積層してなる平板型の固体酸化物形燃料電池において、前記空気極と前記セパレータとの間に、請求項1から8のいずれか1項に記載の空気極用コンタクト材料より形成された空気極コンタクト層が介在されてなることを特徴とする平板型の固体酸化物形燃料電池。
JP2003280736A 2003-07-28 2003-07-28 空気極用コンタクト材料およびこれを用いた固体酸化物形燃料電池 Expired - Fee Related JP4442747B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003280736A JP4442747B2 (ja) 2003-07-28 2003-07-28 空気極用コンタクト材料およびこれを用いた固体酸化物形燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003280736A JP4442747B2 (ja) 2003-07-28 2003-07-28 空気極用コンタクト材料およびこれを用いた固体酸化物形燃料電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005050636A JP2005050636A (ja) 2005-02-24
JP4442747B2 true JP4442747B2 (ja) 2010-03-31

Family

ID=34266466

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003280736A Expired - Fee Related JP4442747B2 (ja) 2003-07-28 2003-07-28 空気極用コンタクト材料およびこれを用いた固体酸化物形燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4442747B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5242909B2 (ja) * 2005-11-14 2013-07-24 日本電信電話株式会社 固体酸化物形燃料電池
JP2012253035A (ja) * 2005-11-14 2012-12-20 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 固体酸化物形燃料電池
US9190669B2 (en) 2006-10-02 2015-11-17 Versa Power Systems, Ltd. Cell materials variation in SOFC stacks to address thermal gradients in all planes
US8313875B2 (en) 2006-10-02 2012-11-20 Versa Power Systems, Ltd. High performance cathode with controlled operating temperature range
JP5418975B2 (ja) 2008-10-16 2014-02-19 Toto株式会社 固体酸化物形燃料電池セル、及びそれを備える燃料電池モジュール
JP5345428B2 (ja) * 2008-11-07 2013-11-20 日本電信電話株式会社 固体酸化物形燃料電池
JP5075183B2 (ja) 2009-02-04 2012-11-14 日本碍子株式会社 電気化学装置
JP5483539B2 (ja) 2009-02-04 2014-05-07 日本碍子株式会社 接合方法
JP5615771B2 (ja) * 2011-07-07 2014-10-29 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 固体酸化物形燃料電池システム及び導電性接合材
JP5834914B2 (ja) 2011-12-29 2015-12-24 Toto株式会社 固体酸化物形燃料電池セル
JP5885579B2 (ja) * 2012-05-15 2016-03-15 日本特殊陶業株式会社 固体酸化物形燃料電池およびその製造方法
JP7208764B2 (ja) * 2018-10-31 2023-01-19 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 固体酸化物形燃料電池とこれに用いる集電部形成用材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005050636A (ja) 2005-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3976181B2 (ja) 固体酸化物燃料電池単セル及びこれを用いた固体酸化物燃料電池
JP2009211830A (ja) 固体酸化物型電気化学セル、およびその製造方法
JPWO2014050148A1 (ja) 固体酸化物形燃料電池ハーフセル及び固体酸化物形燃料電池
JP2009064641A (ja) 固体酸化物電気化学セルの燃料極、その製造方法、及び固体酸化物電気化学セル
JP2015501515A (ja) 固体酸化物電気化学セル用の高性能燃料電極
JP4442747B2 (ja) 空気極用コンタクト材料およびこれを用いた固体酸化物形燃料電池
JP2011119178A (ja) 固体酸化物形燃料電池
JP2015088284A (ja) 固体酸化物形燃料電池
JP5144236B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池
JP6338342B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池ハーフセル、及び固体酸化物形燃料電池
JP5329869B2 (ja) 固体酸化物型電気化学セル、およびその製造方法
JP2017076520A (ja) 固体酸化物形燃料電池用の電極材料とこれを用いた固体酸化物形燃料電池
JP4989774B2 (ja) 電極材料及びそれを含む固体酸化物型燃料電池セル
JP5072188B2 (ja) 集電材フィルムおよびこれを用いた平板型固体酸化物形燃料電池
JP2005174662A (ja) 単室型燃料電池
JP6540552B2 (ja) 燃料電池単セル
KR102111859B1 (ko) 고체산화물 연료 전지 및 이를 포함하는 전지 모듈
JP5313518B2 (ja) 固体電解質形燃料電池
JP2014107063A (ja) 単室型固体酸化物形燃料電池およびその空気極
JP6836156B2 (ja) 燃料電池
JP2005259518A (ja) 電気化学セル用アセンブリおよび電気化学セル
JP6433168B2 (ja) 固体電解質形燃料電池および該燃料電池の反応抑止層形成用材料
JP6088949B2 (ja) 燃料電池単セルおよびその製造方法
JP2005174663A (ja) 単室型燃料電池
JP5137416B2 (ja) 燃料極用集電材料、固体酸化物形燃料電池単セルおよび固体酸化物形燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090414

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091027

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100106

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4442747

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160122

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees