JP3969165B2 - 電圧変換装置、電圧変換方法、電圧変換の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents

電圧変換装置、電圧変換方法、電圧変換の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP3969165B2
JP3969165B2 JP2002113426A JP2002113426A JP3969165B2 JP 3969165 B2 JP3969165 B2 JP 3969165B2 JP 2002113426 A JP2002113426 A JP 2002113426A JP 2002113426 A JP2002113426 A JP 2002113426A JP 3969165 B2 JP3969165 B2 JP 3969165B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
control
output voltage
control gain
gain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002113426A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003309997A (ja
Inventor
雅和 土生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2002113426A priority Critical patent/JP3969165B2/ja
Publication of JP2003309997A publication Critical patent/JP2003309997A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3969165B2 publication Critical patent/JP3969165B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、直流電源からの直流電圧を指令電圧に変換する電圧変換装置、直流電圧を指令電圧に変換する電圧変換方法、および直流電圧を指令電圧に変換する電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境に配慮した自動車としてハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が大きな注目を集めている。そして、ハイブリッド自動車は、一部、実用化されている。
【0003】
このハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流に変換し、その変換した交流によりモータを回転することによって動力源を得るものである。また、電気自動車は、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。
【0004】
このようなハイブリッド自動車または電気自動車においては、直流電源からの直流電圧を昇圧コンバータによって昇圧し、その昇圧した直流電圧がモータを駆動するインバータに供給される。
【0005】
すなわち、ハイブリッド自動車または電気自動車は、図33に示すモータ駆動装置を搭載している。図33を参照して、モータ駆動装置300は、直流電源Bと、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、双方向コンバータ310と、電圧センサー320と、インバータ330とを備える。
【0006】
直流電源Bは、直流電圧を出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置(図示せず)によってオンされると、直流電源Bからの直流電圧をコンデンサC1に供給する。コンデンサC1は、直流電源BからシステムリレーSR1,SR2を介して供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を双方向コンバータ310へ供給する。
【0007】
双方向コンバータ310は、リアクトル311と、NPNトランジスタ312,313と、ダイオード314,315とを含む。リアクトル311の一方端は直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタ312とNPNトランジスタ313との中間点、すなわち、NPNトランジスタ312のエミッタとNPNトランジスタ313のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタ312,313は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタ312のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタ313のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタ312,313のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオード314,315が配置されている。
【0008】
双方向コンバータ310は、制御装置(図示せず)によってNPNトランジスタ312,313がオン/オフされ、コンデンサC1から供給された直流電圧を昇圧して出力電圧をコンデンサC2に供給する。また、双方向コンバータ310は、モータ駆動装置300が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1によって発電され、インバータ330によって変換された直流電圧を降圧してコンデンサC1へ供給する。
【0009】
コンデンサC2は、双方向コンバータ310から供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ330へ供給する。電圧センサー320は、コンデンサC2の両側の電圧、すなわち、双方向コンバータ310の出力電圧Vcを検出する。
【0010】
インバータ330は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置(図示せず)からの制御に基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ330は、モータ駆動装置300が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置からの制御に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して双方向コンバータ310へ供給する。
【0011】
モータ駆動装置300においては、直流電源Bから出力された直流電圧を昇圧して出力電圧Vcをインバータ330へ供給するとき、電圧センサー320が検出した出力電圧Vcが電圧指令Vdc_comになるようにフィードバック制御される。そして、このフィードバック制御はPI制御であり、出力電圧Vcが電圧指令Vdc_comになるようにPI制御ゲインが決定される。
【0012】
このように、従来のモータ駆動装置においては、PI制御ゲインを決定し、その決定したPI制御ゲインを用いたフィードバック制御によって、昇圧された出力電圧Vcが電圧指令Vdc_comになるように制御される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ある条件下でPI制御ゲインを決定し、その決定したPI制御ゲインに固定した場合、直流電源の内部抵抗が温度変化や経年劣化により変化したとき、双方向コンバータの出力電圧Vcが電圧指令Vdc_comになるように制御できないという問題が生じる。たとえば、直流電源の内部抵抗が小さくなった場合、双方向コンバータの出力電圧がハンチング(振動)し、直流電源の内部抵抗が大きくなった場合、双方向コンバータの出力電圧がオーバーシュートまたはアンダーシュートする。
【0014】
このような問題は、双方向コンバータを構成するリアクトルが劣化した場合にも生じる。
【0015】
また、インバータ330における交流モータM1の制御モードには、PWM制御モード、過変調制御モード、および矩形制御モードがある。そして、これらの制御モードは、インバータ330に含まれるNPNトランジスタをオン/オフする周波数(「キャリア周波数」と言う。以下、同じ。)が相互に異なる。
【0016】
したがって、ある制御モードに適した制御ゲインを決定し、その決定した制御ゲインに固定すると、交流モータM1の制御モードがある制御モード以外の制御モードに変更した場合、出力電圧のハンチング(振動)、オーバーシュートおよびアンダーシュートが生じるという問題がある。
【0017】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、昇圧された出力電圧またはモータの制御モードが変動しても、出力電圧が指令電圧になるように直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換装置を提供することである。
【0018】
また、この発明の別の目的は、昇圧された出力電圧またはモータの制御モードが変動しても、出力電圧が電圧指令になるように直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換方法を提供することである。
【0019】
さらに、この発明の別の目的は、昇圧された出力電圧またはモータの制御モードが変動しても、出力電圧が電圧指令になるように直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明によれば、電圧変換装置は、出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換装置であって、直流電圧の電圧レベルを変えて出力電圧を出力する電圧変換器と、電圧変換器から出力された出力電圧を検出する検出手段と、指令電圧と検出された出力電圧との誤差、および指令電圧の変化率を検出し、検出した誤差および変化率に応じて出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを調整し、その調整した制御ゲインを用いたフィードバック制御により出力電圧が指令電圧になるように電圧変換器を制御する制御手段とを備える。
【0021】
電圧変換器からの出力電圧の変動に応じてフィードバック制御における制御ゲインが調整される。そして、調整された制御ゲインを用いて出力電圧が指令電圧になるようにフィードバック制御される。
【0022】
したがって、この発明によれば、電圧変換器の出力電圧が変動しても出力電圧を指令電圧に一致させることができる。
【0023】
好ましくは、検出手段は、電圧変換器への入力電圧を検出し、その検出した入力電圧と電圧変換器における変換比率とに基づいて出力電圧を検出する。
【0024】
電圧変換器への入力電圧を検出して電圧変換器の出力電圧が求められる。そして、出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御される。
【0025】
したがって、この発明によれば、電圧変換器への入力電圧が変動しても、出力電圧を指令電圧に一致させることができる。
【0026】
好ましくは、検出手段は、直流電源の温度に基づいて直流電源から出力される直流電圧を検出し、その検出した直流電源と電圧変換器における変換比率とに基づいて出力電圧を検出する。
【0027】
直流電源から出力される直流電圧を検出して電圧変換器の出力電圧が求められる。そして、出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御される。
【0028】
したがって、この発明によれば、直流電源から出力される直流電圧が変動しても出力電圧を指令電圧に一致させることができる。
【0029】
また、この発明によれば、電圧変換装置は、出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換装置であって、直流電圧の電圧レベルを変えて出力電圧を出力する電圧変換器と、直流電源の内部抵抗の変動を検出する検出手段と、検出された内部抵抗の変動に応じて出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを調整し、その調整した制御ゲインを用いたフィードバック制御により出力電圧が指令電圧になるように電圧変換器を制御する制御手段とを備える。
【0030】
直流電源の内部抵抗の変動が検出され、その検出された内部抵抗の変動に応じてフィードバック制御における制御ゲインが調整される。そして、調整された制御ゲインを用いて出力電圧が指令電圧になるようにフィードバック制御される。
【0031】
したがって、この発明によれば、直流電源の内部抵抗が変動しても出力電圧を指令電圧に一致させることができる。
【0032】
好ましくは、制御手段は、指令電圧の変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、指令電圧と出力電圧との誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいとき制御ゲインを下げる第1のゲイン調整を行ない、変化率が第1の基準値よりも大きく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいとき制御ゲインを上げる第2のゲイン調整を行ない、変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも小さいとき、または変化率が第1の基準値よりも大きく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも小さいとき制御ゲインを保持する第3のゲイン調整を行なう。
【0033】
指令電圧の変化率と、指令電圧と電圧変換器の出力電圧との誤差とによりフィードバック制御が、ハンチング状態、オーバーシュート状態、およびアンダーシュート情報のいずれの状態であるかが検出され、その検出された各状態に応じて制御ゲインが調整される。
【0034】
したがって、この発明によれば、電圧変換器の出力電圧が変動しても、出力電圧を指令電圧に一致させるための制御ゲインを的確に設定できる。
【0035】
より好ましくは、制御手段は、変化率判定部と、誤差検出部と、制御ゲイン調整部と、制御部とを含む。変化率判定部は、指令電圧の変化率を検出し、検出した変化率が第1の基準値よりも小さいか否かを判定する。誤差検出部は、指令電圧と出力電圧との誤差を検出する。制御ゲイン調整部は、変化率判定部からの判定結果と誤差検出部からの誤差とに基づいて第1から第3のゲイン調整のいずれかを行なう。制御部は、制御ゲイン調整部により調整された制御ゲインを用いて出力電圧が指令電圧になるように電圧変換器を制御する。
【0036】
指令電圧の変化率と、指令電圧と電圧変換器の出力電圧との誤差とが独立に検出される。そして、出力電圧を指令電圧に一致させるように、検出された変化率および誤差に応じて制御ゲインが調整され、その調整された制御ゲインを用いて出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御される。
【0037】
したがって、この発明によれば、何らかの要因によって出力電圧が指令電圧からずれても、的確に、出力電圧を指令電圧に一致させることができる。
【0038】
さらに好ましくは、出力電圧は、交流モータを駆動するインバータに入力される。
【0039】
インバータは、電圧変換器からの出力電圧を交流電圧に変換してモータを駆動する。
【0040】
したがって、この発明によれば、モータのトルクを安定させることができる。さらに、この発明によれば、電圧変換装置は、交流モータを駆動するための出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換装置であって、直流電圧の電圧レベルを変えて出力電圧を出力する電圧変換器と、交流モータの制御モードを検出するモード検出手段と、検出された制御モードに応じて出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを調整し、その調整した制御ゲインを用いたフィードバック制御により出力電圧が指令電圧になるように電圧変換器を制御する制御手段とを備える。
【0041】
交流モータの制御モードが検出され、その検出された制御モードに応じてフィードバック制御における制御ゲインが調整される。そして、その調整された制御ゲインを用いて電圧変換器の出力電圧が指令電圧になるようにフィードバック制御される。
【0042】
したがって、この発明によれば、交流モータの制御モードが変動しても出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御を行なうことができる。
【0043】
さらに、この発明によれば、電圧変換装置は、交流モータを駆動するための出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換装置であって、直流電圧の電圧レベルを変えて出力電圧を出力する電圧変換器と、交流モータの制御モードを検出するモード検出手段と、電圧変換器から出力された出力電圧を検出する電圧検出手段と、指令電圧と検出された出力電圧との誤差、および指令電圧の変化率を検出する検出手段と、出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを検出された制御モードに好適な制御ゲインに調整し、その調整した好適な制御ゲインを検出された誤差および変化率に基づいて最適な制御ゲインにさらに調整し、その調整した最適な制御ゲインを用いたフィードバック制御により出力電圧が指令電圧になるように電圧変換器を制御する制御手段とを備える。
【0044】
交流モータの制御モードが検出され、電圧変換器からの出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインが、検出された制御モードに好適な制御ゲインに調整される。そして、出力電圧の変動が検出され、その検出された出力電圧の変動に応じて、好適な制御ゲインがさらに調整されてフィードバック制御における制御ゲインが最適な制御ゲインに設定される。そうすると、最適な制御ゲインを用いて出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御が行なわれる。
【0045】
したがって、この発明によれば、交流モータの制御モードの変動、または出力電圧の変動に対して、出力電圧を指令電圧に一致させることができる。
【0046】
好ましくは、好適な制御ゲインから最適な制御ゲインへの調整時、制御手段は、指令電圧の変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、指令電圧と出力電圧との誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいとき制御ゲインを下げる第1のゲイン調整を行ない、変化率が第1の基準値よりも大きく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいとき制御ゲインを上げる第2のゲイン調整を行ない、変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも小さいとき、または変化率が第1の基準値よりも大きく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも小さいとき制御ゲインを保持する第3のゲイン調整を行なう。
【0047】
モータの各制御モードに応じて制御ゲインが調整され、好適な制御ゲインから最適な制御ゲインへの調整時、指令電圧の変化率と、指令電圧と電圧変換器の出力電圧との誤差とによりフィードバック制御が、ハンチング状態、オーバーシュート状態、およびアンダーシュート情報のいずれの状態であるかが検出され、その検出された各状態に応じて制御ゲインが最適な制御ゲインに調整される。
【0048】
したがって、この発明によれば、交流モータの各制御モードにおいて、最適な制御ゲインを設定できる。
【0049】
より好ましくは、制御手段は、指令電圧の変化率を検出し、検出した変化率が第1の基準値よりも小さいか否かを判定する変化率判定部と、指令電圧と出力電圧との誤差を検出する誤差検出部と、変化率判定部からの判定結果と誤差検出部からの誤差とに基づいて第1から第3のゲイン調整のいずれかを行なう制御ゲイン調整部と、制御ゲイン調整部により調整された制御ゲインを用いて出力電圧が指令電圧になるように電圧変換器を制御する制御部とを含む。
【0050】
指令電圧の変化率と、指令電圧と電圧変換器の出力電圧との誤差とが独立に検出される。そして、出力電圧を指令電圧に一致させるように、検出された変化率および誤差に応じて制御ゲインが最適な制御ゲインに調整され、その調整された最適な制御ゲインを用いて出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御される。
【0051】
したがって、この発明によれば、交流モータの各制御モードにおいて、何らかの要因によって出力電圧が指令電圧からずれても、的確に、出力電圧を指令電圧に一致させることができる。
【0052】
さらに好ましくは、モード検出手段は、キャリア周波数が異なる制御モードを検出する。
【0053】
キャリア周波数の異なる制御モードが検出され、その検出された制御モードに応じて制御ゲインが調整される。
【0054】
したがって、交流モータの制御モードがキャリア周波数の異なる制御モード間で変化しても出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御できる。
【0055】
さらに好ましくは、制御手段は、検出された制御モードのキャリア周波数に応じて制御ゲインを調整する。
【0056】
フィードバック制御における制御ゲインが、検出された制御モードにおけるキャリア周波数に適した制御ゲインに調整される。
【0057】
したがって、この発明によれば、電圧変換器の出力電圧を指令電圧にすみやかに一致させることができる。
【0058】
さらに好ましくは、制御手段は、検出された制御モードのキャリア周波数が高くなるに従って制御ゲインをキャリア周波数が低いときの制御ゲインよりも大きい制御ゲインに調整する。
【0059】
ハンチング、オーバーシュート、およびアンダーシュートが生じないようにフィードバック制御における制御ゲインが調整される。
【0060】
したがって、この発明によれば、交流モータの制御モードがキャリア周波数の異なる制御モード間で切換わっても電圧変換器の出力電圧を指令電圧にすみやかに一致させることができる。
【0061】
さらに好ましくは、モード検出手段は、複数の交流モータに対応する複数の制御モードを検出し、制御手段は、検出された複数の制御モードに応じて制御ゲインを調整する。
【0062】
制御ゲインが、複数の交流モータの制御モードに適するように調整される。
したがって、この発明によれば、電圧変換器の出力電圧が複数の交流モータの駆動に用いられる場合にも、出力電圧を指令電圧にスムーズに一致させることができる。
【0063】
さらに好ましくは、制御手段は、検出された複数の制御モードの組合わせに応じて決定されるフィードバック制御における電力変動を検出し、その検出した電力変動に応じて制御ゲインを調整する。
【0064】
複数の交流モータの各々の制御モードが切換わることにより生じるフィードバック制御における電力変動が検出される。そして、その検出された電力変動によって制御ゲインが調整される。
【0065】
したがって、この発明によれば、複数の交流モータの全体の制御モードに適合するように制御ゲインを調整できる。
【0066】
さらに好ましくは、制御手段は、検出された電力変動が大きいほど制御ゲインの下げ幅を大きくして制御ゲインを調整する。
【0067】
複数の交流モータの制御モードが切換わることにより電力が変動し、その変動後の電力に適合するように制御ゲインが調整される。
【0068】
したがって、この発明によれば、複数の交流モータにおいて制御モードが切換わっても電圧変換器の出力電圧を指令電圧にスムーズに一致させることができる。
【0069】
さらに好ましくは、モード検出手段は、交流モータの回転数と交流モータのトルクとを受け、その受けた回転数およびトルクに基づいて制御モードを検出する。
【0070】
交流モータの回転数および交流モータのトルクは、交流モータの制御モードによって異なる。したがって、交流モータの制御モードが交流モータのトルクと交流モータの回転数とにより検出される。
【0071】
したがって、この発明によれば、複数の交流モータの制御モードを正確に検出できる。
【0072】
さらに好ましくは、モード検出手段は、交流モータの回転数と交流モータのトルクとの関係を示すマップを保持し、受けた回転数およびトルクが含まれるマップの領域を検出することにより制御モードを検出する。
【0073】
トルクと回転数との関係を示すマップを参照して各交流モータの制御モードが検出される。
【0074】
したがって、この発明によれば、複数の交流モータの制御モードを迅速に検出できる。
【0075】
さらに好ましくは、制御ゲインは、フィードバック制御におけるPI制御ゲインである。
【0076】
フィードバック制御における積分ゲインおよび比例ゲインが調整される。
したがって、この発明によれば、電圧変換器の出力電圧を指令電圧に正確に一致させることができる。
【0077】
さらに好ましくは、交流モータは、車両用モータである。
電圧変換器の出力電圧は、車両に搭載される交流モータの駆動用に用いられる。
【0078】
したがって、この発明によれば、車両の駆動輪を安定して駆動できる。
さらに、この発明によれば、電圧変換方法は、出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換方法であって、出力電圧を検出する第1のステップと、指令電圧と出力電圧との誤差、および指令電圧の変化率を検出する第2のステップと、変化率および誤差に基づいて出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを調整する第3のステップと、調整された制御ゲインを用いたフィードバック制御により出力電圧が指令電圧になるように直流電圧を出力電圧に変換する第4のステップとを含む。
【0079】
出力電圧が変動しても、出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御される。
【0080】
したがって、この発明によれば、安定して出力電圧を出力できる。
好ましくは、第1のステップは、直流電圧を出力電圧へ変換する電圧変換器へ入力される入力電圧を検出する第1のサブステップと、検出された入力電圧と電圧変換器における変換比率とに基づいて出力電圧を検出する第2のサブステップとを含む。
【0081】
電圧変換器への入力電圧が検出され、その検出された入力電圧と、既知の電圧変換率とを用いて電圧変換器の出力電圧が検出される。
【0082】
したがって、この発明によれば、電圧変換器への入力電圧の変動に対して、出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御を行なうことができる。
【0083】
好ましくは、第1のステップは、直流電源の温度を検出し、その検出した温度に基づいて直流電圧を出力電圧へ変換する電圧変換器へ入力される入力電圧を検出する第1のサブステップと、検出された入力電圧と、電圧変換器における変換比率とに基づいて出力電圧を検出する第2のサブステップとを含む。
【0084】
直流電源の温度により直流電源から出力される直流電圧が求められる。そして、求められた直流電圧、すなわち、電圧変換器の入力電圧と電圧変換率とにより電圧変換器の出力電圧が検出される。
【0085】
したがって、この発明によれば、直流電源の温度変化に起因して電圧変換器への入力電圧が変動しても、出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御を行なうことができる。
【0086】
より好ましくは、第3のステップにおいて、指令電圧の変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、指令電圧と出力電圧との誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいとき制御ゲインは下げられ、変化率が第1の基準値よりも大きく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいとき制御ゲインは上げられ、変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも小さいとき、または変化率が第1の基準値よりも大きく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも小さいとき制御ゲインは保持される。
【0087】
指令電圧の変化率と、指令電圧と電圧変換器の出力電圧との誤差とによりフィードバック制御が、ハンチング状態、オーバーシュート状態、およびアンダーシュート情報のいずれの状態であるかが検出され、その検出された各状態に応じて制御ゲインが調整される。
【0088】
したがって、この発明によれば、電圧変換器の出力電圧が変動しても、出力電圧を指令電圧に一致させるための制御ゲインを的確に設定できる。
【0089】
さらに、この発明によれば、電圧変換方法は、交流モータを駆動するための出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換方法であって、交流モータの制御モードを検出する第1のステップと、検出された制御モードに応じて出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを調整する第2のステップと、調整された制御ゲインを用いたフィードバック制御により出力電圧が指令電圧になるように直流電圧を出力電圧に変換する第3のステップとを含む。
【0090】
交流モータの制御モードが検出され、その検出された制御モードに応じてフィードバック制御における制御ゲインが調整される。そして、その調整された制御ゲインを用いて電圧変換器の出力電圧が指令電圧になるようにフィードバック制御される。
【0091】
したがって、この発明によれば、交流モータの制御モードが変動しても出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御を行なうことができる。
【0092】
さらに、この発明によれば、電圧変換方法は、交流モータを駆動するための出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換方法であって、交流モータの制御モードを検出する第1のステップと、出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを検出された制御モードに好適な制御ゲインに調整する第2のステップと、出力電圧を検出する第3のステップと、指令電圧と出力電圧との誤差、および指令電圧の変化率を検出する第4のステップと、検出された変化率および誤差に基づいて好適な制御ゲインを最適な制御ゲインに調整する第5のステップと、調整された最適な制御ゲインを用いたフィードバック制御により出力電圧が指令電圧になるように直流電圧を出力電圧に変換する第6のステップとを含む。
【0093】
交流モータの制御モードが検出され、電圧変換器から出力される出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインが、検出された制御モードに好適な制御ゲインに調整される。そして、出力電圧の変動が検出され、その検出された出力電圧の変動に応じて、好適な制御ゲインがさらに調整されてフィードバック制御における制御ゲインが最適な制御ゲインに設定される。そうすると、最適な制御ゲインを用いて出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御が行なわれる。
【0094】
したがって、この発明によれば、交流モータの制御モードの変動、または出力電圧の変動に対して、出力電圧を指令電圧に一致させることができる。
【0095】
好ましくは、第5のステップにおいて、指令電圧の変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、指令電圧と出力電圧との誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいとき好適な制御ゲインは下げられて最適な制御ゲインに調整され、変化率が第1の基準値よりも大きく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいとき好適な制御ゲインは上げられて最適な制御ゲインに調整され、変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも小さいとき、または変化率が第1の基準値よりも大きく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも小さいとき好適な制御ゲインは保持されて最適な制御ゲインに調整される。
【0096】
モータの各制御モードに応じて制御ゲインが調整され、好適な制御ゲインから最適な制御ゲインへの調整時、指令電圧の変化率と、指令電圧と電圧変換器の出力電圧との誤差とによりフィードバック制御が、ハンチング状態、オーバーシュート状態、およびアンダーシュート情報のいずれの状態であるかが検出され、その検出された各状態に応じて制御ゲインが最適な制御ゲインに調整される。
【0097】
したがって、この発明によれば、交流モータの各制御モードにおいて、最適な制御ゲインを設定できる。
【0098】
より好ましくは、第1のステップにおいて検出される制御モードは、キャリア周波数が異なる制御モードである。
【0099】
キャリア周波数の異なる制御モードが検出され、その検出された制御モードに応じて制御ゲインが調整される。
【0100】
したがって、交流モータの制御モードがキャリア周波数の異なる制御モード間で変化しても出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御できる。
【0101】
さらに好ましくは、第1のステップにおいて検出される制御モードは、複数の交流モータに対する複数の制御モードであり、第2のステップにおいて制御ゲインは、検出された複数の制御モードに応じて調整される。
【0102】
制御ゲインが、複数の交流モータの制御モードに適するように調整される。
したがって、この発明によれば、電圧変換器の出力電圧が複数の交流モータの駆動に用いられる場合にも、出力電圧を指令電圧にスムーズに一致させることができる。
【0103】
さらに好ましくは、第1のステップにおいて、制御モードは、交流モータの回転数およびトルクに基づいて検出される。
【0104】
交流モータの回転数および交流モータのトルクは、交流モータの制御モードによって異なる。したがって、交流モータの制御モードが交流モータのトルクと交流モータの回転数とにより検出される。
【0105】
したがって、この発明によれば、交流モータの制御モードを正確に検出できる。
【0106】
さらに好ましくは、制御ゲインは、フィードバック制御におけるPI制御ゲインである。
【0107】
フィードバック制御における積分ゲインおよび比例ゲインが調整される。
したがって、この発明によれば、電圧変換器の出力電圧を指令電圧に正確に一致させることができる。
【0108】
さらに、この発明によれば、出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体は、出力電圧を検出する第1のステップと、指令電圧と出力電圧との誤差、および指令電圧の変化率を検出する第2のステップと、変化率および誤差に基づいて出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを調整する第3のステップと、調整された制御ゲインを用いたフィードバック制御により出力電圧が指令電圧になるように直流電圧を出力電圧に変換させる第4のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0109】
記録媒体に記録されたプログラムがコンピュータによって実行されると、出力電圧の変動が検出され、その検出された出力電圧の変動に応じて出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインが調整される。そして、その調整された制御ゲインを用いて出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御が行なわれる。
【0110】
したがって、この発明によれば、安定した出力電圧が出力されるように制御できる。
【0111】
好ましくは、第1のステップは、直流電圧を出力電圧へ変換する電圧変換器へ入力される入力電圧を検出する第1のサブステップと、検出された入力電圧と電圧変換器における変換比率とに基づいて出力電圧を検出する第2のサブステップとを含む。
【0112】
コンピュータによりプログラムが実行されると、電圧変換器への入力電圧が検出され、その検出された入力電圧と、既知の電圧変換率とを用いて電圧変換器の出力電圧が検出される。
【0113】
したがって、この発明によれば、電圧変換器への入力電圧の変動に対して、出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御を行なうことができる。
【0114】
より好ましくは、第1のステップは、直流電源の温度を検出し、その検出した温度に基づいて直流電圧を出力電圧へ変換する電圧変換器へ入力される入力電圧を検出する第1のサブステップと、検出された入力電圧と、電圧変換器における変換比率とに基づいて出力電圧を検出する第2のサブステップとを含む。
【0115】
コンピュータによりプログラムが実行されると、直流電源の温度により直流電源から出力される直流電圧が求められる。そして、求められた直流電圧、すなわち、電圧変換器の入力電圧と電圧変換率とにより電圧変換器の出力電圧が検出される。
【0116】
したがって、この発明によれば、直流電源の温度変化に起因して電圧変換器への入力電圧が変動しても、出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御を行なうことができる。
【0117】
さらに好ましくは、第3のステップにおいて、指令電圧の変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、指令電圧と出力電圧との誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいときPI制御ゲインは下げられ、変化率が第1の基準値よりも大きく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいときPI制御ゲインは上げられ、変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも小さいとき、または変化率が第1の基準値よりも大きく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも小さいときPI制御ゲインは保持される。
【0118】
コンピュータによりプログラムが実行されると、指令電圧の変化率と、指令電圧と電圧変換器の出力電圧との誤差とによりフィードバック制御が、ハンチング状態、オーバーシュート状態、およびアンダーシュート情報のいずれの状態であるかが検出され、その検出された各状態に応じて制御ゲインが調整される。
【0119】
したがって、この発明によれば、電圧変換器の出力電圧が変動しても、出力電圧を指令電圧に一致させるための制御ゲインを的確に設定できる。
【0120】
さらに、この発明によれば、交流モータを駆動するための出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体は、交流モータの制御モードを検出する第1のステップと、検出された制御モードに応じて出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを調整する第2のステップと、調整された制御ゲインを用いたフィードバック制御により出力電圧が指令電圧になるように直流電圧を出力電圧に変換する第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0121】
コンピュータによりプログラムが実行されると、交流モータの制御モードが検出され、その検出された制御モードに応じてフィードバック制御における制御ゲインが調整される。そして、その調整された制御ゲインを用いて電圧変換器の出力電圧が指令電圧になるようにフィードバック制御される。
【0122】
したがって、この発明によれば、交流モータの制御モードが変動しても出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御を行なうことができる。
【0123】
さらに、この発明によれば、交流モータを駆動するための出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体は、交流モータの制御モードを検出する第1のステップと、出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを検出された制御モードに好適な制御ゲインに調整する第2のステップと、出力電圧を検出する第3のステップと、指令電圧と出力電圧との誤差、および指令電圧の変化率を検出する第4のステップと、検出された変化率および誤差に基づいて好適な制御ゲインを最適な制御ゲインに調整する第5のステップと、調整された最適な制御ゲインを用いたフィードバック制御により出力電圧が指令電圧になるように直流電圧を出力電圧に変換する第6のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0124】
コンピュータによりプログラムが実行されると、交流モータの制御モードが検出され、電圧変換器から出力される出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインが、検出された制御モードに好適な制御ゲインに調整される。そして、出力電圧の変動が検出され、その検出された出力電圧の変動に応じて、好適な制御ゲインがさらに調整されてフィードバック制御における制御ゲインが最適な制御ゲインに設定される。そうすると、最適な制御ゲインを用いて出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御が行なわれる。
【0125】
したがって、この発明によれば、交流モータの制御モードの変動、または出力電圧の変動に対して、出力電圧を指令電圧に一致させることができる。
【0126】
好ましくは、第5のステップにおいて、指令電圧の変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、指令電圧と出力電圧との誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいとき好適な制御ゲインは下げられて最適な制御ゲインに調整され、変化率が第1の基準値よりも大きく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいとき好適な制御ゲインは上げられて最適な制御ゲインに調整され、変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも小さいとき、または変化率が第1の基準値よりも大きく、かつ、誤差の絶対値が第2の基準値よりも小さいとき好適な制御ゲインは保持されて最適な制御ゲインに調整される。
【0127】
コンピュータによりプログラムが実行されると、モータの各制御モードに応じて制御ゲインが調整され、好適な制御ゲインから最適な制御ゲインへの調整時、指令電圧の変化率と、指令電圧と電圧変換器の出力電圧との誤差とによりフィードバック制御が、ハンチング状態、オーバーシュート状態、およびアンダーシュート情報のいずれの状態であるかが検出され、その検出された各状態に応じて制御ゲインが最適な制御ゲインに調整される。
【0128】
したがって、この発明によれば、交流モータの各制御モードにおいて、最適な制御ゲインを設定できる。
【0129】
より好ましくは、第1のステップにおいて検出される制御モードは、キャリア周波数の異なる制御モードである。
【0130】
コンピュータによりプログラムが実行されると、キャリア周波数の異なる制御モードが検出され、その検出された制御モードに応じて制御ゲインが調整される。
【0131】
したがって、交流モータの制御モードがキャリア周波数の異なる制御モード間で変化しても出力電圧が指令電圧に一致するようにフィードバック制御できる。
【0132】
さらに好ましくは、第1のステップにおいて検出される制御モードは、複数の交流モータに対する複数の制御モードであり、第2のステップにおいて制御ゲインは、検出された複数の制御モードに応じて調整される。
【0133】
コンピュータによりプログラムが実行されると、制御ゲインが、複数の交流モータの制御モードに適するように調整される。
【0134】
したがって、この発明によれば、電圧変換器の出力電圧が複数の交流モータの駆動に用いられる場合にも、出力電圧を指令電圧にスムーズに一致させることができる。
【0135】
さらに好ましくは、第1のステップにおいて、制御モードは、交流モータの回転数およびトルクに基づいて検出される。
【0136】
交流モータの回転数および交流モータのトルクは、交流モータの制御モードによって異なる。したがって、コンピュータによりプログラムが実行されると、交流モータの制御モードが交流モータのトルクと交流モータの回転数とにより検出される。
【0137】
したがって、この発明によれば、交流モータの制御モードを正確に検出できる。
【0138】
さらに好ましくは、制御ゲインは、フィードバック制御におけるPI制御ゲインである。
【0139】
コンピュータによりプログラムが実行されると、フィードバック制御における積分ゲインおよび比例ゲインが調整される。
【0140】
したがって、この発明によれば、電圧変換器の出力電圧を指令電圧に正確に一致させることができる。
【0141】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0142】
[実施の形態1]
図1を参照して、この発明の実施の形態1による電圧変換装置を備えたモータ駆動装置100は、直流電源Bと、電圧センサー10,11,13と、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、昇圧コンバータ12と、インバータ14と、電流センサー24と、制御装置30とを備える。交流モータM1は、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。あるいは、このモータはエンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。
【0143】
昇圧コンバータ12は、リアクトルL1と、NPNトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。リアクトルL1の一方端は直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2との中間点、すなわち、NPNトランジスタQ1のエミッタとNPNトランジスタQ2のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタQ1,Q2は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタQ1のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタQ2のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2が配置されている。
【0144】
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とから成る。U相アーム15、V相アーム16、およびW相アーム17は、電源ラインとアースとの間に並列に設けられる。
【0145】
U相アーム15は、直列接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、V相アーム16は、直列接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成り、W相アーム17は、直列接続されたNPNトランジスタQ7,Q8から成る。また、各NPNトランジスタQ3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
【0146】
各相アームの中間点は、交流モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、交流モータM1は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
【0147】
直流電源Bは、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池から成る。電圧センサー10は、直流電源Bから出力される電圧V1を検出し、その検出した電圧V1を制御装置30へ出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによりオンされる。コンデンサC1は、直流電源Bから供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を昇圧コンバータ12へ供給する。
【0148】
昇圧コンバータ12は、コンデンサC1から供給された直流電圧を昇圧してコンデンサC2へ供給する。より具体的には、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWUを受けると、信号PWUによってNPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じて直流電圧を昇圧してコンデンサC2に供給する。この場合、NPNトランジスタQ1は、信号PWUによってオフされている。また、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWDを受けると、コンデンサC2を介してインバータ14から供給された直流電圧を降圧して直流電源Bを充電する。
【0149】
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14へ供給する。電圧センサー13は、コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、昇圧コンバータ12の出力電圧V2(インバータ14への入力電圧に相当する。以下同じ。)を検出し、その検出した出力電圧V2を制御装置30へ出力する。
【0150】
インバータ14は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置30からの信号PWMIに基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ14は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMCに基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車または電気自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
【0151】
電流センサー24は、交流モータM1に流れるモータ電流MCRTを検出し、その検出したモータ電流MCRTを制御装置30へ出力する。
【0152】
制御装置30は、外部に設けられたECU(Electrical Control Unit)から入力されたトルク指令値TRおよびモータ回転数MRN、電圧センサー10からの電圧V1、電圧センサー13からの出力電圧V2、および電流センサー24からのモータ電流MCRTに基づいて、後述する方法により昇圧コンバータ12を駆動するための信号PWUとインバータ14を駆動するための信号PWMIとを生成し、その生成した信号PWUおよび信号PWMIをそれぞれ昇圧コンバータ12およびインバータ14へ出力する。
【0153】
信号PWUは、昇圧コンバータ12がコンデンサC1からの直流電圧を出力電圧V2に変換する場合に昇圧コンバータ12を駆動するための信号である。そして、制御装置30は、昇圧コンバータ12が直流電圧を出力電圧V2に変換する場合に、出力電圧V2をフィードバック制御し、出力電圧V2が指令された電圧指令Vdc_comになるように昇圧コンバータ12を駆動するための信号PWUを生成する。信号PWUの生成方法については後述する。
【0154】
また、制御装置30は、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号を外部のECUから受けると、交流モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMCを生成してインバータ14へ出力する。この場合、インバータ14のNPNトランジスタQ4,Q6,Q8は信号PWMCによってスイッチング制御される。すなわち、交流モータM1のU相で発電されるときNPNトランジスタQ6,Q8がオンされ、V相で発電されるときNPNトランジスタQ4,Q8がオンされ、W相で発電されるときNPNトランジスタQ4,Q6がオンされる。これにより、インバータ14は、交流モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12へ供給する。
【0155】
さらに、制御装置30は、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号を外部のECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するための信号PWDを生成し、その生成した信号PWDを昇圧コンバータ12へ出力する。これにより、交流モータM1が発電した交流電圧は、直流電圧に変換され、降圧されて直流電源Bに供給される。
【0156】
さらに、制御装置30は、システムリレーSR1,SR2をオンするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
【0157】
図2は、制御装置30の機能ブロック図である。図2を参照して、制御装置30は、モータトルク制御手段301と、電圧変換制御手段302とを含む。モータトルク制御手段301は、トルク指令値TR、直流電源Bの出力電圧V1、モータ電流MCRT、モータ回転数MRNおよび昇圧コンバータ12の出力電圧V2に基づいて、交流モータM1の駆動時、後述する方法により昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWUと、インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフするための信号PWMIとを生成し、その生成した信号PWUおよび信号PWMIをそれぞれ昇圧コンバータ12およびインバータ14へ出力する。
【0158】
電圧変換制御手段302は、回生制動時、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部のECUから受けると、交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMCを生成してインバータ14へ出力する。
【0159】
また、電圧変換制御手段302は、回生制動時、信号RGEを外部のECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するための信号PWDを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。このように、昇圧コンバータ12は、直流電圧を降圧するための信号PWDにより電圧を降下させることもできるので、双方向コンバータの機能を有するものである。
【0160】
図3は、モータトルク制御手段301の機能ブロック図である。図3を参照して、モータトルク制御手段301は、モータ制御用相電圧演算部40と、インバータ用PWM信号変換部42と、インバータ入力電圧指令演算部50と、フィードバック電圧指令演算部52と、デューティー比変換部54とを含む。
【0161】
モータ制御用相電圧演算部40は、昇圧コンバータ12の出力電圧V2、すなわち、インバータ14への入力電圧を電圧センサー13から受け、交流モータM1の各相に流れるモータ電流MCRTを電流センサー24から受け、トルク指令値TRを外部ECUから受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部40は、これらの入力される信号に基づいて、交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果をインバータ用PWM信号変換部42へ供給する。インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から受けた計算結果に基づいて、実際にインバータ14の各NPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフする信号PWMIを生成し、その生成した信号PWMIをインバータ14の各NPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0162】
これにより、各NPNトランジスタQ3〜Q8は、スイッチング制御され、交流モータM1が指令されたトルクを出すように交流モータM1の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TRに応じたモータトルクが出力される。
【0163】
一方、インバータ入力電圧指令演算部50は、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてインバータ入力電圧の最適値(目標値)、すなわち、電圧指令Vdc_comを演算し、その演算した電圧指令Vdc_comをフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。
【0164】
フィードバック電圧指令演算部52は、電圧センサー13からの昇圧コンバータ12の出力電圧V2と、インバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comとに基づいて、後述する方法によってフィードバック電圧指令Vdc_com_fbを演算し、その演算したフィードバック電圧指令Vdc_com_fbをデューティー比変換部54へ出力する。
【0165】
デューティー比変換部54は、電圧センサー10からのバッテリ電圧V1と、フィードバック電圧指令演算部52からのフィードバック電圧指令Vdc_com_fbとに基づいて、電圧センサー13からの出力電圧V2を、フィードバック電圧指令演算部52からのフィードバック電圧指令Vdc_com_fbに設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比に基づいて昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWUを生成する。そして、デューティー比変換部54は、生成した信号PWUを昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0166】
なお、昇圧コンバータ12の下側のNPNトランジスタQ2のオンデューティーを大きくすることによりリアクトルL1における電力蓄積が大きくなるため、より高電圧の出力を得ることができる。一方、上側のNPNトランジスタQ1のオンデューティーを大きくすることにより電源ラインの電圧が下がる。そこで、NPNトランジスタQ1,Q2のデューティー比を制御することで、電源ラインの電圧を直流電源Bの出力電圧以上の任意の電圧に制御可能である。
【0167】
図4を参照して、フィードバック電圧指令演算部52は、減算器521と、変化率判定部522と、電圧誤差判定部523と、PI制御ゲイン決定部524と、PI制御器525とを含む。減算器521は、インバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comと電圧センサー13からの出力電圧V2とを受け、電圧指令Vdc_comから出力電圧V2を減算する。そして、減算器521は、減算した結果を誤差ΔVdcとして変化率判定部522およびPI制御器525へ出力する。
【0168】
変化率判定部522は、インバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comと、減算器521からの誤差ΔVdcとを受け、電圧指令Vdc_comの変化率を検出する。そして、変化率判定部522は、検出した電圧指令Vdc_comの変化率が基準値STD1よりも小さいか否かを判定し、その判定結果と誤差ΔVdcとを電圧誤差判定部523へ出力する。この場合、変化率判定部522は、過去の電圧指令Vdc_comを記憶しており、新たに電圧指令Vdc_comを受けると、過去の電圧指令Vdc_comを参照して電圧指令Vdc_comの変化率を検出する。また、変化率判定部522は、電圧指令Vdc_comの変化率が基準値STD1よりも小さいとき判定結果DE1を電圧誤差判定部523へ出力し、電圧指令Vdc_comの変化率が基準値STD1よりも大きいとき判定結果DE2を電圧誤差判定部523へ出力する。
【0169】
電圧誤差判定部523は、変化率判定部532から受けた誤差ΔVdcの絶対値を演算し、その演算した絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも大きいか否かを判定する。そして、電圧誤差判定部523は、電圧指令Vdc_comの変化率が基準値STD1よりも小さいことを示す判定結果DE1を変化率判定部522から受け、かつ、絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも大きいとき、PI制御ゲインを下げるための信号GDWNを生成してPI制御ゲイン決定部524へ出力する。また、電圧誤差判定部523は、判定結果DE1を変化率判定部522から受け、かつ、絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも小さいとき、PI制御ゲインを保持するための信号GHLDを生成してPI制御ゲイン決定部524へ出力する。さらに、電圧誤差判定部523は、電圧指令Vdc_comの変化率が基準値STD1よりも大きいことを示す判定結果DE2を変化率判定部522から受け、かつ、絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも大きいとき、PI制御ゲインを上げるための信号GUPを生成してPI制御ゲイン決定部524へ出力する。さらに、電圧誤差判定部523は、判定結果DE2を変化率判定部522から受け、かつ、絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも小さいとき、PI制御ゲインを保持するための信号GHLDを生成してPI制御ゲイン決定部524へ出力する。
【0170】
PI制御ゲイン決定部524は、信号GDWNを電圧誤差判定部523から受けると、PI制御ゲインを所定値だけ下げ、その下げたPI制御ゲインをPI制御器525へ出力する。この場合、PI制御ゲイン決定部524は、比例ゲインと積分ゲインの両方を所定値だけ下げる。また、PI制御ゲイン決定部524は、信号GHLDを電圧誤差判定部523から受けると、PI制御ゲインを変更せずに、既にフィードバック制御に用いているPI制御ゲインをPI制御器525へ出力する。この場合、PI制御ゲイン決定部524は、比例ゲインと積分ゲインの両方とも変更しない。さらに、PI制御ゲイン決定部524は、信号GUPを電圧誤差判定部523から受けると、PI制御ゲインを所定値だけ上げ、その上げたPI制御ゲインをPI制御器525へ出力する。この場合、PI制御ゲイン決定部524は、比例ゲインと積分ゲインの両方を所定値だけ上げる。
【0171】
PI制御器525は、PI制御ゲイン決定部524から受けたPI制御ゲインおよび誤差ΔVdcに基づいてフィードバック電圧指令Vdc_com_fbを演算する。具体的には、PI制御器525は、PI制御ゲイン決定部524から受けた比例ゲインPG、積分ゲインIGおよび誤差ΔVdcを次式へ代入してフィードバック電圧指令Vdc_com_fbを演算する。
【0172】
【数1】
Figure 0003969165
【0173】
デューティー比変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部541と、コンバータ用PWM信号変換部542とを含む。コンバータ用デューティー比演算部541は、電圧センサー10からのバッテリ電圧V1と、PI制御器525からのフィードバック電圧指令Vdc_com_fbとに基づいて、電圧センサー13からの出力電圧V2を、フィードバック電圧指令Vdc_com_fbに設定するためのデューティー比を演算する。コンバータ用PWM信号変換部542は、コンバータ用デューティー比演算部541からのデューティー比に基づいて昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWUを生成する。そして、コンバータ用PWM信号変換部542は、生成した信号PWUを昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。そして、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2は、信号PWUに基づいてオン/オフされる。これによって、昇圧コンバータ12は、出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるように直流電圧を出力電圧V2に変換する。
【0174】
このようにして、制御装置30のモータトルク制御手段301は、外部のECUからトルク指令値TRを受けると、昇圧コンバータ12の出力電圧V2がトルク指令値TRに基づいて演算された電圧指令Vdc_comになるように直流電圧から出力電圧V2への昇圧コンバータ12における電圧変換をフィードバック制御し、トルク指令値TRのトルクを交流モータM1が発生するようにインバータ14を制御する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生する。
【0175】
直流電源Bの内部抵抗や昇圧コンバータ12のリアクトルL1が経年劣化しないとき、PI制御ゲインを一定値に保持すれば昇圧コンバータ12の出力電圧V2は電圧指令Vdc_comに設定される。しかし、直流電源Bの内部抵抗、または昇圧コンバータ12のリアクトルL1が変化すると、昇圧コンバータ12の出力電圧V2は電圧指令Vdc_comからずれる。
【0176】
モータトルク制御手段301のフィードバック電圧指令演算部52は、上述したように電圧指令Vdc_comと昇圧コンバータ12の出力電圧V2との誤差ΔVdcを演算するため、誤差ΔVdcを演算することは出力電圧V2の変動を検出することに相当する。すなわち、電圧指令Vdc_comからの出力電圧V2のずれは、出力電圧V2の変動に起因して生じるため、出力電圧V2の変動量は、電圧指令Vdc_comからの出力電圧V2のずれ量である誤差ΔVdcに等しくなる。
【0177】
そして、誤差ΔVdcに基づいてPI制御ゲインを調整し、その調整したPI制御ゲインに基づいてフィードバック電圧指令Vdc_com_fbを演算するため、フィードバック電圧指令Vdc_com_fbは、直流電源Bの内部抵抗の変化または昇圧コンバータ12のリアクトルL1の変化によって出力電圧V2が変動した場合に、変動した出力電圧V2を電圧指令Vdc_comに設定するための電圧指令である。したがって、演算された信号PWUは、出力電圧V2の変動を考慮したものであり、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2は、信号PWUに基づいてオン/オフされることにより、昇圧コンバータ12は、出力電圧V2が変動しても、出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるように直流電圧を出力電圧V2に変換する。
【0178】
このように、この発明においては、昇圧コンバータ12の出力電圧V2の変動を検出し、その検出した出力電圧V2の変動に基づいてPI制御ゲインを調整してフィードバック制御を行なうことを特徴とする。これにより、直流電源Bの内部抵抗、または昇圧コンバータ12のリアクトルL1が変化した場合でも、出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるように直流電圧を出力電圧V2に変換可能である。
【0179】
なお、昇圧コンバータ12の出力電圧V2の変動は、上述したように直流電源Bの内部抵抗の変動によって生じるので、昇圧コンバータ12の出力電圧V2の変動に基づいてPI制御ゲインを調整することは、直流電源Bの内部抵抗の変動に基づいてPI制御ゲインを調整することに相当する。
【0180】
図5を参照して、昇圧コンバータ12における直流電圧から出力電圧V2への電圧変換を制御する動作について説明する。動作がスタートすると、PI制御ゲインの初期値が入力される(ステップS1)。これにより、PI制御ゲインは初期化される。そして、フィードバック電圧指令演算部52の減算器521は、インバータ入力電圧指令演算部50から電圧指令Vdc_comを受け、電圧センサー13から昇圧コンバータ12の出力電圧V2を受ける。そして、減算器521は、電圧指令Vdc_comから出力電圧V2を減算して誤差ΔVdcを演算する(ステップS2)。
【0181】
その後、変化率判定部522は、インバータ入力電圧指令演算部50から電圧指令Vdc_comを受け、その受けた電圧指令Vdc_comの変化率を検出する。そして、変化率判定部522は、検出した電圧指令Vdc_comの変化率が基準値STD1よりも小さいか否かを判定し(ステップS3)、電圧指令Vdc_comの変化率が基準値STD1よりも小さいとき判定結果DE1および誤差ΔVdcを電圧誤差判定部523へ出力し、電圧指令Vdc_comの変化率が基準値STD1よりも大きいとき判定結果DE2および誤差ΔVdcを電圧誤差判定部523へ出力する。
【0182】
電圧指令Vdc_comの変化率が基準値STD1よりも小さいか否かを判定することは、出力電圧V2を電圧指令Vdc_comに設定する制御系が、操作量が小さい制御モードなのか、操作量が大きい制御モードなのかを判定することに相当する。電圧指令Vdc_comの変化率が基準値STD1よりも小さい場合、電圧指令Vdc_comと出力電圧V2との差は相対的に小さくなり、出力電圧V2を電圧指令Vdc_comに近づけるための操作量は小さくなる。
【0183】
一方、電圧指令Vdc_comの変化率が基準値STD1よりも大きい場合、電圧指令Vdc_comと出力電圧V2との差は相対的に大きくなり、出力電圧V2を電圧指令Vdc_comに近づけるための操作量が大きくなるからである。
【0184】
電圧誤差判定部523は、変換率判定部522から判定結果DE1および誤差ΔVdcを受けた場合、すなわち、ステップS3において、電圧指令Vdc_comの変化率が基準値STD1よりも小さいと判定された場合、誤差ΔVdcの絶対値|ΔVdc|を演算し、その演算した絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも大きいか否かを判定する(ステップS4)。
【0185】
誤差ΔVdcの絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも大きいことは、目標値である電圧指令Vdc_comを中心にして出力電圧V2が上下に変化していること、すなわち、出力電圧V2がハンチング(振動)していることに相当する。そして、これは、PI制御ゲインが大きいことに起因する。したがって、電圧誤差判定部523は、絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも大きい場合、制御系はPI制御ゲインが大きすぎて(高すぎて)発振していると判定する。また、誤差ΔVdcの絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも小さいことは、目標値である電圧指令Vdc_comと出力電圧V2とのずれ量は小さく、出力電圧V2がハンチング(振動)に到らないことに相当する。したがって、電圧誤差判定部523は、絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも小さい場合、発振していないと判定する。
【0186】
誤差ΔVdcの絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも大きいことは、直流電源Bの内部抵抗が小さくなったこと、または昇圧コンバータ12のリアクトルL1が大きくなったことに起因して生じる。したがって、ステップS4において、絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも大きいか否かを判定することは、直流電源Bの内部抵抗が小さくなったこと、または昇圧コンバータ12のリアクトルL1が大きくなったことに起因して出力電圧V2が所定値よりも大きく変動したか否かを判定することに相当する。
【0187】
電圧誤差判定部523は、絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも大きいと判定した場合、すなわち、PI制御ゲインが大きすぎて(高すぎて)発振していると判定した場合、PI制御ゲインを下げるための信号GDWNを生成してPI制御ゲイン決定部524へ出力する。また、電圧誤差判定部523は、絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも小さいと判定した場合、すなわち、制御系が発振していないと判定した場合、前回のPI制御ゲインを保持するための信号GHLDを生成してPI制御ゲイン決定部524へ出力する。
【0188】
PI制御ゲイン決定部524は、信号GDWNを電圧誤差判定部523から受けると、PI制御ゲインの比例ゲインと積分ゲインとを所定値だけ下げる(ステップS5)。このゲインを下げるときの所定値は、たとえば、5%であるが一般的には、直流電圧を出力電圧V2に変換する昇圧コンバータ12の負荷を考慮して決定される。
【0189】
また、PI制御ゲイン決定部524は、信号GHLDを電圧誤差判定部523から受けると、PI制御ゲインの比例ゲインおよび積分ゲインを前回の値に設定する(ステップS6)。そして、PI制御ゲイン決定部524は、決定したPI制御ゲインをPI制御器525へ出力する。
【0190】
一方、電圧誤差判定部523は、変換率判定部522から判定結果DE2および誤差ΔVdcを受けた場合、すなわち、ステップS3において、電圧指令Vdc_comの変化率が基準値STD1よりも大きいと判定された場合、誤差ΔVdcの絶対値|ΔVdc|を演算し、その演算した絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも大きいか否かを判定する(ステップS7)。
【0191】
この場合、誤差ΔVdcの絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも大きいことは、出力電圧V2が目標値である電圧指令Vdc_comから大きくずれていること、すなわち、出力電圧V2が電圧指令Vdc_comに対して追従遅れが生じていることに相当する。そして、これは、PI制御ゲインが小さいことに起因する。したがって、電圧誤差判定部523は、絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも大きい場合、制御系はPI制御ゲインが小さすぎて(低すぎて)追従遅れが生じていると判定する。また、誤差ΔVdcの絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも小さいことは、目標値である電圧指令Vdc_comと出力電圧V2とのずれ量は小さく、出力電圧V2が電圧指令Vdc_comに対して追従遅れに到らないことに相当する。したがって、電圧誤差判定部523は、絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも小さい場合、追従遅れが生じていないと判定する。
【0192】
この場合、誤差ΔVdcの絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも大きいことは、直流電源Bの内部抵抗が大きくなったこと、または昇圧コンバータ12のリアクトルL1が小さくなったことに起因して生じる。したがって、ステップS7において、絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも大きいか否かを判定することは、直流電源Bの内部抵抗が大きくなったこと、または昇圧コンバータ12のリアクトルL1が小さくなったことに起因して出力電圧V2が所定値よりも大きく変動したか否かを判定することに相当する。
【0193】
電圧誤差判定部523は、絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも大きいと判定した場合、すなわち、PI制御ゲインが小さすぎて(低すぎて)追従遅れが生じていると判定した場合、PI制御ゲインを上げるための信号GUPを生成してPI制御ゲイン決定部524へ出力する。また、電圧誤差判定部523は、絶対値|ΔVdc|が基準値STD2よりも小さいと判定した場合、すなわち、制御系に追従遅れが生じていないと判定した場合、前回のPI制御ゲインを保持するための信号GHLDを生成してPI制御ゲイン決定部524へ出力する。
【0194】
PI制御ゲイン決定部524は、信号GUPを電圧誤差判定部523から受けると、PI制御ゲインの比例ゲインと積分ゲインとを所定値だけ上げる(ステップS8)。
【0195】
また、PI制御ゲイン決定部524は、信号GHLDを電圧誤差判定部523から受けると、PI制御ゲインの比例ゲインおよび積分ゲインを前回の値に設定する(ステップS6)。そして、PI制御ゲイン決定部524は、決定したPI制御ゲインをPI制御器525へ出力する。
【0196】
その後、PI制御器525は、ステップS5,S6,S8において決定されたPI制御ゲインおよび誤差ΔVdcを上記の式(1)に代入してフィードバック電圧指令Vdc_com_fbを演算し、その演算したフィードバック電圧指令Vdc_com_fbをデューティー比変換部54のコンバータ用デューティー比演算部541へ出力する(ステップS9)。
【0197】
そうすると、コンバータ用デューティー比演算部541は、フィードバック電圧指令Vdc_com_fb、および電圧センサー10からのバッテリ電圧V1に基づいて、電圧センサー13からの出力電圧V2を、フィードバック電圧指令Vdc_com_fbに設定するためのデューティー比を演算する(ステップS10)。そして、コンバータ用PWM信号変換部542は、コンバータ用デューティー比演算部541からのデューティー比に基づいて昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWUを生成する。
【0198】
コンバータ用PWM信号変換部542は、生成した信号PWUを昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する(ステップS11)。そして、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2は、信号PWUに基づいてオン/オフされ、昇圧コンバータ12の出力電圧V2が電圧指令Vdc_comに近づくように制御される。
【0199】
その後、ステップS2〜S11が繰返し実行され、最終的に、昇圧コンバータ12は、出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるように直流電圧を出力電圧V2に変換する。
【0200】
このように、この発明においては、直流電源Bの内部抵抗の変化、または昇圧コンバータ12のリアクトルL1の変化に起因した出力電圧V2の変動を検出し(ステップS4,S7参照)、その検出した出力電圧V2の変動値に応じてPI制御ゲイン(比例ゲインおよび積分ゲイン)を調整する(ステップS5,S6,S8参照)ことを特徴とする。
【0201】
そして、出力電圧V2の変動値に応じて調整されたPI制御ゲインを用いてフィードバック制御を行なうことにより、直流電源Bの内部抵抗の変化または昇圧コンバータ12のリアクトルL1の変化が生じても、出力電圧V2を電圧指令Vdc_comに設定可能である。
【0202】
再び、図1を参照して、モータ駆動装置100における動作について説明する。制御装置30は、外部のECUからトルク指令値TRが入力されると、システムリレーSR1,SR2をオンするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力するとともに、交流モータM1がトルク指令値TRを発生するように昇圧コンバータ12およびインバータ14を制御するための信号PWUおよび信号PWMIを生成してそれぞれ昇圧コンバータ12およびインバータ14へ出力する。
【0203】
そして、直流電源Bは直流電圧を出力し、システムリレーSR1,SR2は直流電圧をコンデンサC1へ供給する。コンデンサC1は、供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を昇圧コンバータ12へ供給する。
【0204】
そうすると、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2は、制御装置30からの信号PWUに応じてオン/オフされ、直流電圧を出力電圧V2に変換してコンデンサC2に供給する。電圧センサー13は、コンデンサC2の両端の電圧である出力電圧V2を検出し、その検出した出力電圧V2を制御装置30へ出力する。
【0205】
制御装置30は、上述したように、電圧指令Vdc_comと出力電圧V2との誤差ΔVdcを演算し、その演算した誤差ΔVdcに応じてPI制御ゲインを調整する。そして、制御装置30は、調整したPI制御ゲインを用いたフィードバック制御を行ない、出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるように直流電圧から出力電圧V2への電圧変換を制御する信号PWUを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。これによって、昇圧コンバータ12は、出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるように直流電圧を出力電圧V2に変換する。
【0206】
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12から供給された直流電圧を平滑化してインバータ14へ供給する。インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8は、制御装置30からの信号PWMIに従ってオン/オフされ、インバータ14は、直流電圧を交流電圧に変換し、トルク指令値TRによって指定されたトルクを交流モータM1が発生するように交流モータM1のU相、V相、W相の各相に所定の交流電流を流す。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生する。
【0207】
モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードになった場合、制御装置30は、回生制動モードになったことを示す信号を外部のECUから受け、信号PWMCおよび信号PWDを生成してそれぞれインバータ14および昇圧コンバータ12へ出力する。
【0208】
交流モータM1は、交流電圧を発電し、その発電した交流電圧をインバータ14へ供給する。そして、インバータ14は、制御装置30からの信号PWMCに従って、交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。
【0209】
昇圧コンバータ12は、制御装置30からの信号PWDに従って直流電圧を降圧して直流電源Bに供給し、直流電源Bを充電する。
【0210】
このように、モータ駆動装置100においては、直流電源Bの内部抵抗または昇圧コンバータ12のリアクトルL1が変化した場合でも、昇圧コンバータ12の出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるように直流電源Bからの直流電圧が出力電圧V2に変換され、その変換された直流電圧はコンデンサC2を介してインバータ14へ供給され、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生するように交流モータM1が駆動される。また、回生制動モードにおいては、交流モータM1が発電した電力によって直流電源Bが充電されるようにモータ駆動装置100が駆動する。
【0211】
なお、図5に示すフローチャートのステップS4,S7において、出力電圧V2の変動を検出することは、出力電圧V2が変動する原因となる直流電源Bの内部抵抗の変化、または昇圧コンバータ12のリアクトルL1の変化を検出することに相当する。
【0212】
また、この発明においては、昇圧コンバータ12、制御装置30のフィードバック電圧指令演算部52およびデューティー比変換部54は、「電圧変換装置」を構成する。
【0213】
さらに、この発明においては、フィードバック電圧指令演算部52およびデューティー比変換部54は、電圧変換器として昇圧コンバータ12を制御する「制御手段」を構成する。
【0214】
さらに、この発明による電圧変換方法は、図5に示すフローチャートに従ってフィードバック制御を行ない、直流電圧を出力電圧V2に変換する電圧変換方法である。
【0215】
さらに、フィードバック電圧指令演算部52およびデューティー比変換部54におけるフィードバック制御は、実際にはCPU(Central Processing Unit)によって行なわれ、CPUは、図5に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROM(Read Only Memory)から読出し、その読出したプログラムを実行して図5に示すフローチャートに従って直流電圧から出力電圧V2への電圧変換を制御する。したがって、ROMは、図5に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0216】
実施の形態1によれば、電圧変換装置は、昇圧コンバータの出力電圧の変動値を検出し、その検出した変動値に応じてPI制御ゲインを調整して出力電圧が電圧指令になるように直流電圧から出力電圧への電圧変換を制御する制御手段を備えるので、直流電源の内部抵抗または昇圧コンバータのリアクトルが経年変化した場合でも、出力電圧を電圧指令に設定することができる。
【0217】
[実施の形態2]
図6を参照して、実施の形態2による電圧変換装置を備えるモータ駆動装置100Aは、モータ駆動装置100の制御装置30を制御装置30Aに代え、電圧センサー11を追加したものであり、その他はモータ駆動装置100と同じである。
【0218】
電圧センサー11は、昇圧コンバータ12への入力電圧V3を検出し、その検出した入力電圧V3を制御装置30Aへ出力する。
【0219】
図7を参照して、制御装置30Aは、制御装置30のモータトルク制御手段301をモータトルク制御手段301Aに代えたものであり、その他は、制御装置30と同じである。
【0220】
モータトルク制御手段301Aは、モータトルク制御手段301と同じ方法により信号PWMIを生成してインバータ14へ出力するとともに、後述するように、昇圧コンバータ12への入力電圧V3に基づいて信号PWUを生成し、その生成した信号PWUを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0221】
図8を参照して、モータトルク制御手段301Aは、モータトルク制御手段301のフィードバック電圧指令演算部52をフィードバック電圧指令演算部52Aに代えたものであり、その他はモータトルク制御手段301と同じである。
【0222】
フィードバック電圧指令演算部52Aは、インバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comと電圧センサー11からのコンバータ入力電圧V3とに基づいてフィードバック電圧指令Vdc_com_fbを演算する。
【0223】
図9を参照して、フィードバック電圧指令演算部52Aは、フィードバック電圧指令演算部52に出力電圧生成部526を追加したものであり、その他は、フィードバック電圧指令演算部52と同じである。なお、フィードバック電圧指令演算部52Aにおいては、コンバータ用デューティー比演算部541は、演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部542および出力電圧生成部526へ出力する。
【0224】
出力電圧生成部526は、電圧センサー11からのコンバータ入力電圧V3と、コンバータ用デューティー比演算部541からのデューティー比とに基づいて出力電圧V2を生成し、その生成した出力電圧V2を減算器521へ出力する。具体的には、出力電圧生成部526は、コンバータ入力電圧V3とオンデューティー比との積を演算することにより出力電圧V2を生成する。
【0225】
なお、出力電圧生成部526は、電圧センサー13から昇圧コンバータ12の出力電圧Vdcを受け、コンバータ入力電圧V3とオンデューティー比との積を演算することにより求めた出力電圧V2を、昇圧コンバータ12の出力電圧Vdcと比較し、演算により求めた出力電圧V2が出力電圧Vdcに一致することを確認する。ただし、この確認は一度行なえばよく、継続して行なう必要はない。
【0226】
出力電圧生成部526が出力電圧V2を生成した後は、実施の形態1において説明した動作に従って出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるようにフィードバック制御が行なわれる。
【0227】
この実施の形態2においては、昇圧コンバータ12への入力電圧V3を検出し、その検出した入力電圧V3に基づいて演算した出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるようにフィードバック制御が行なわれるため、直流電源Bの内部抵抗の変化に起因した出力電圧V2の電圧指令Vdc_comからのずれが補正されることになる。
【0228】
図10を参照して、実施の形態2における電圧変換の制御動作について説明する。図10に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートのステップS1とステップS2との間にステップS1aを挿入したものであり、その他は図5に示すフローチャートと同じである。
【0229】
ステップS1の後、出力電圧生成部526は、電圧センサー11からのコンバータ入力電圧V3とコンバータ用デューティー比演算部541からのデューティー比との積を演算することにより出力電圧V2を生成する(ステップS1a)。その後、実施の形態1において説明したように、ステップS2〜ステップS11が実行される。そして、ステップS11の後、ステップS1a〜ステップS11が繰返し実行される。
【0230】
このように、実施の形態2においては、昇圧コンバータ12への入力電圧V3を検出することにより、直流電源Bの内部抵抗の変化に起因した入力電圧V3の変動を検出する。そして、検出した入力電圧V3に基づいて出力電圧V2を求めるので、入力電圧V3の変動を検出することは出力電圧V2の変動を検出することに相当する。
【0231】
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態2によれば、電圧変換装置は、昇圧コンバータの入力電圧の変動値を検出し、その検出した入力電圧の変動値に基づいて昇圧コンバータの出力電圧の変動値を検出し、検出した変動値に応じてPI制御ゲインを調整して出力電圧が電圧指令になるように直流電圧から出力電圧への電圧変換を制御する制御手段を備えるので、直流電源の内部抵抗が経年変化した場合でも、出力電圧を電圧指令に設定することができる。
【0232】
[実施の形態3]
図11を参照して、実施の形態3によるモータ駆動装置100Bは、モータ駆動装置100の制御装置30を制御装置30Bに代え、温度センサー10Aおよび電流センサー25を追加したものであり、その他はモータ駆動装置100と同じである。
【0233】
温度センサー10Aは、直流電源Bの温度TBを検出し、その検出した温度TBを制御装置30Bへ出力する。電流センサー25は、直流電源Bの電源電流Ibを検出し、その検出した電源電流Ibを制御装置30Bへ出力する。
【0234】
図12を参照して、制御装置30Bは、制御装置30のモータトルク制御手段301をモータトルク制御手段301Bに代えたものであり、その他は、制御装置30と同じである。
【0235】
モータトルク制御手段301Bは、モータトルク制御手段301と同じ方法によって信号PWMIを生成するとともに、後述するように、直流電源Bの内部抵抗の変動に伴う直流電源Bの電源電圧の変動を検出し、その検出した電源電圧の変動に基づいて信号PWUを生成し、その生成した信号PWUを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0236】
図13を参照して、モータトルク制御手段301Bは、モータトルク制御手段301のフィードバック電圧指令演算部52をフィードバック電圧指令演算部52Bに代えたものであり、その他はモータトルク制御手段301と同じである。
【0237】
フィードバック電圧指令演算部52Bは、インバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comと温度センサー10Aからの温度TBと電流センサー25からの電源電流Ibとに基づいてフィードバック電圧指令Vdc_com_fbを演算し、その演算したフィードバック電圧指令Vdc_com_fbをデューティー比変換部54へ出力する。
【0238】
図14を参照して、フィードバック電圧指令演算部52Bは、フィードバック電圧指令演算部52に出力電圧生成部527を追加したものであり、その他はフィードバック電圧指令演算部52と同じである。なお、コンバータ用デューティー比演算部541は、演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部542および出力電圧生成部527へ出力する。
【0239】
出力電圧生成部527は、温度センサー10Aからのバッテリ温度TBと電流センサー25からの電源電流Ibとコンバータ用デューティー比演算部541からのデューティー比とに基づいて昇圧コンバータ12の出力電圧V2を演算し、その演算した出力電圧V2を減算器521へ出力する。
【0240】
出力電圧生成部527における出力電圧V2の生成について説明する。直流電源Bの起電力をVb0、直流電源Bの内部抵抗をRb、直流電源Bの電源電圧をVbとすると、電源電圧Vbは次式により表される。
【0241】
【数2】
Figure 0003969165
【0242】
内部抵抗Rbは、たとえば、直流電源Bの温度TBと図13に示す関係を有する。したがって、出力電圧生成部527は、図15に示す内部抵抗Rbと温度TBとの関係をマップとして保持しており、温度センサー10Aからの温度TBを受けて、保持したマップから直流電源Bの内部抵抗Rbを求める。そして、起電力Vb0は予め解かっているため、出力電圧生成部527は、起電力Vb0と、求めた内部抵抗Rbと、電流センサー25からの電源電流Ibとを式(2)に代入することにより電源電圧Vbを演算する。
【0243】
そして、出力電圧生成部527は、演算した電源電圧Vbを昇圧コンバータ12の入力電圧V3として、入力電圧V3とデューティー比との積を演算して昇圧コンバータ12の出力電圧V2を生成し、その生成した出力電圧V2を減算器521へ出力する。
【0244】
なお、出力電圧生成部527は、電圧センサー13から昇圧コンバータ12の出力電圧Vdcを受け、上述した方法により求めた出力電圧V2が出力電圧Vdcに一致するか否かを確認する。この確認は、一度行なえばよく、継続して行なう必要はない。
【0245】
出力電圧生成部527が出力電圧V2を生成した後は、実施の形態1において説明した動作に従って出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるようにフィードバック制御が行なわれる。
【0246】
この実施の形態3においては、直流電源Bの温度TBを検出し、その検出した温度TBに基づいて直流電源Bの内部抵抗Rb、および電源電圧Vbを求め、その求めた電源電圧Vbを昇圧コンバータ12への入力電圧V3として出力電圧V2を演算し、その演算した出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるようにフィードバック制御が行なわれるため、直流電源Bの内部抵抗の変化に起因した出力電圧V2の電圧指令Vdc_comからのずれが補正されることになる。
【0247】
図16を参照して、実施の形態3における電圧変換の制御動作について説明する。図16に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートのステップS1とステップS2との間にステップS1b,S1cを挿入したものであり、その他は図5に示すフローチャートと同じである。
【0248】
ステップS1の後、出力電圧生成部527は、温度センサー10Aからの温度TBに基づいて直流電源Bの内部抵抗Rbを検出する(ステップS1b)。そして、出力電圧生成部527は、電流センサー25からの電源電流Ibと、ステップS1bにおいて求めた内部抵抗Rbと、起電力Vb0とに基づいて電源電圧Vbを求め、その求めた電源電圧Vbを昇圧コンバータ12への入力電圧V3として、入力電圧V3とコンバータ用デューティー比演算部541からのデューティー比との積を演算することにより出力電圧V2を生成する(ステップS1c)。その後、実施の形態1において説明したように、ステップS2〜ステップS11が実行される。そして、ステップS11の後、ステップS1b〜ステップS11が繰返し実行される。
【0249】
このように、実施の形態3においては、直流電源Bの温度TBを検出することにより、直流電源Bの内部抵抗の変化に起因した直流電源Bの電源電圧Vbの変動、および入力電圧V3の変動を検出する。そして、検出した入力電圧V3に基づいて出力電圧V2を求めるので、電源電圧Vbの変動を検出することは出力電圧V2の変動を検出することに相当する。
【0250】
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態3によれば、電圧変換装置は、直流電源の温度を検出し、その検出した温度に基づいて、直流電源の内部抵抗の変動値、電源電圧の変動値、および昇圧コンバータの入力電圧の変動値を検出し、その検出した入力電圧の変動値に基づいて昇圧コンバータの出力電圧の変動値を検出し、検出した変動値に応じてPI制御ゲインを調整して出力電圧が電圧指令になるように直流電圧から出力電圧への電圧変換を制御する制御手段を備えるので、直流電源の温度が変化した場合でも、出力電圧を電圧指令に設定することができる。
【0251】
[実施の形態4]
図17を参照して、実施の形態4による電圧変換装置を備えるモータ駆動装置100Cは、モータ駆動装置100の制御装置30を制御装置30Cに代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100と同じである。
【0252】
図18を参照して、制御装置30Cは、制御装置30のモータトルク制御手段301をモータトルク制御手段301Cに代えたものであり、その他は、制御装置30と同じである。
【0253】
モータトルク制御手段301Cは、交流モータM1の制御モードを検出し、その検出した制御モードに基づいて信号PWUを生成する。そして、モータトルク制御手段301Cは、生成した信号PWUを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0254】
図19を参照して、モータトルク制御手段301Cは、モータトルク制御手段301のフィードバック電圧指令演算部52をフィードバック電圧指令演算部52Cに代えたものであり、その他は、モータトルク制御手段301と同じである。
【0255】
フィードバック電圧指令演算部52Cは、インバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comと、外部ECUからのトルク指令値TRおよび交流モータM1の回転数MRNとに基づいてフィードバック電圧指令Vdc_com_fbを演算し、その演算したフィードバック電圧指令Vdc_com_fbをデューティー比変換部54へ出力する。より具体的には、フィードバック電圧指令演算部52Cは、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて、交流モータM1の制御モードを検出し、その検出した制御モードに適合するPI制御ゲインを決定する。そして、フィードバック電圧指令演算部52Cは、決定したPI制御ゲインを用いたフィードバック制御において、昇圧コンバータ12の出力電圧V2をインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comに設定するためのフィードバック電圧指令Vdc_com_fbを演算してデューティー比変換部54へ出力する。
【0256】
図20を参照して、フィードバック電圧指令演算部52Cは、制御モード判定部520と、減算器521と、PI制御ゲイン決定部524と、PI制御器525とを含む。
【0257】
減算器521およびPI制御器525については、実施の形態1において説明したとおりである。
【0258】
制御モード判定部520は、外部ECUからのトルク指令値TRとモータ回転数MRNとに基づいて、交流モータM1の制御モードを判定し、その判定結果と減算器521からの誤差ΔVdcとをPI制御ゲイン決定部524へ出力する。
【0259】
より具体的には、制御モード判定部520は、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて、交流モータM1の制御モードがPWM制御モード、過変調制御モード、および矩形制御モードのいずれであるかを判定する。そして、制御モード判定部520は、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであると判定したとき、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであることを示す信号SCM1を生成し、その生成した信号SCM1と減算器521からの誤差ΔVdcとをPI制御ゲイン決定部524へ出力する。
【0260】
また、制御モード判定部520は、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであると判定したとき、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであることを示す信号SCM2を生成し、その生成した信号SCM2と減算器521からの誤差ΔVdcとをPI制御ゲイン決定部524へ出力する。
【0261】
さらに、制御モード判定部520は、交流モータM1の制御モードが矩形制御モードであると判定したとき、交流モータM1の制御モードが矩形制御モードであることを示す信号SCM3を生成し、その生成した信号SCM3と減算器521からの誤差ΔVdcとをPI制御ゲイン決定部524へ出力する。
【0262】
図21を参照して、制御モード判定部520における交流モータM1の制御モードの判定方法について説明する。図21は、交流モータM1のトルクTとモータ回転数MRNとの関係を示す図である。
【0263】
交流モータM1のトルクTは、所定の回転数までは一定であり、所定の回転数を超えると、モータ回転数MRNの増加に伴い徐々に低下する。領域RGN1は、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであることを示し、領域RGN2は、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであることを示し、領域RGN3は、交流モータM1の制御モードが矩形制御モードであることを示す。
【0264】
制御モード判定部520は、外部ECUからトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNを受けると、その受けたトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNが領域RGN1〜RGN3のいずれの領域に含まれるかを判定する。そして、制御モード判定部520は、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNが領域RGN1に含まれるとき交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであると判定して信号SCM1を生成し、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNが領域RGN2に含まれるとき交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであると判定して信号SCM2を生成し、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNが領域RGN3に含まれるとき交流モータM1の制御モードが矩形制御モードであると判定して信号SCM3を生成する。
【0265】
このように、制御モード判定部520は、トルク指令値TRとモータ回転数MRNとに基づいてPWM制御モード、過変調制御モード、および矩形制御モードのいずれかを検出する。この場合、PWM制御モードは、交流モータM1を駆動するインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフするキャリア周波数が最も高く、過変調制御モードはキャリア周波数が次に高く、矩形制御モードはキャリア周波数が最も低い。したがって、トルク指令値TRとモータ回転数MRNとに基づいてPWM制御モード、過変調制御モード、および矩形制御モードのいずれかを検出することは、トルク指令値TRとモータ回転数MRNとに基づいてキャリア周波数が異なる制御モードを検出することに相当する。
【0266】
なお、制御モード判定部520は、図21に示すモータのトルクとモータの回転数との関係をマップとして保持しており、外部ECUからトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNを受けると、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNが図21に示す領域RGN1〜RGN3のいずれに含まれるかを検索して、交流モータM1の制御モードがPWM制御モード、過変調制御モード、および矩形制御モードのいずれであるかを判定する。
【0267】
再び、図20を参照して、PI制御ゲイン決定部524は、制御モード判定部520から信号SCM1〜SCM3のいずれかと誤差ΔVdcとを受け、その受けた信号SCM1〜SCM3および誤差ΔVdcに基づいて、各制御モードに適したPI制御ゲインを決定し、その決定したPI制御ゲインをPI制御器525へ出力する。
【0268】
PI制御器525は、PI制御ゲイン決定部524からのPI制御ゲイン(比例ゲインPGおよび積分ゲインIG)と減算器521からの誤差ΔVdcとを式(1)に代入してフィードバック電圧指令Vdc_com_fbを演算し、その演算したフィードバック電圧指令Vdc_com_fbをデューティー比変換部54へ出力する。
【0269】
このように、実施の形態4においては、フィードバック電圧指令演算部52Cは、交流モータM1の制御モードを検出し、その検出した制御モードに適合したPI制御ゲインを決定し、その決定したPI制御ゲインを用いて出力電圧V2を電圧指令Vdc_comに設定するためのフィードバック電圧指令Vdc_com_fbを演算することを特徴とする。
【0270】
図22を参照して、昇圧コンバータ12における直流電圧から出力電圧V2への電圧変換を交流モータM1の制御モードに応じて制御する動作について説明する。動作がスタートすると、PI制御ゲイン決定部524は、PI制御ゲインを初期値に設定する(ステップS20)。具体的には、PI制御ゲイン決定部524は、PWM制御モード用のPI制御ゲインを初期値として設定する。そして、減算器521は、電圧センサー13からの出力電圧V2とインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comとを受け、電圧指令Vdc_comと出力電圧V2との差分を演算して誤差ΔVdcを制御モード判定部520へ出力する。
【0271】
制御モード判定部520は、外部ECUからモータ回転数MRNおよびトルク指令値TRを受け、その受けたモータ回転数MRNおよびトルク指令値TRに基づいて交流モータM1の制御モードがPWM制御モードか否かを上述した方法によって判定する(ステップS21)。
【0272】
制御モード判定部520は、ステップS21において、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであると判定したとき信号SCM1を生成し、その生成した信号SCM1と減算器521からの誤差ΔVdcとをPI制御ゲイン決定部524へ出力する。そして、PI制御ゲイン決定部524は、制御モード判定部520からの信号SCM1に基づいて、PWM制御モードに適したPI制御ゲイン(比例ゲインPGおよび積分ゲインIG)を決定し、その決定したPI制御ゲインと誤差ΔVdcとをPI制御器525へ出力する。より具体的には、PI制御ゲイン決定部524は、比例ゲインPGを1.0に設定し、積分ゲインIGを0.1に設定して昇圧コンバータ12からの出力電圧V2のフィードバック制御におけるPI制御ゲインをPWM制御モードに適したPI制御ゲインに設定する(ステップS22)。
【0273】
一方、制御モード判定部520は、ステップS21において、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードではないと判定したとき、モータ回転数MRNおよびトルク指令値TRに基づいて交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであるか否かを判定する(ステップS23)。
【0274】
そして、制御モード判定部520は、ステップS23において、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであると判定したとき、信号SCM2を生成し、その生成した信号SCM2と減算器521からの誤差ΔVdcとをPI制御ゲイン決定部524へ出力する。
【0275】
PI制御ゲイン決定部524は、制御モード判定部520からの信号SCM2に基づいて、過変調制御モードに適したPI制御ゲイン(比例ゲインPGおよび積分ゲインIG)を決定し、その決定したPI制御ゲインと誤差ΔVdcとをPI制御器525へ出力する。より具体的には、PI制御ゲイン決定部524は、比例ゲインPGを0.7に設定し、積分ゲインIGを0.07に設定して昇圧コンバータ12からの出力電圧V2のフィードバック制御におけるPI制御ゲインを過変調制御モードに適したPI制御ゲインに設定する(ステップS24)。
【0276】
一方、制御モード判定部520は、ステップS23において、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードではないと判定したとき、モータ回転数MRNおよびトルク指令値TRに基づいて交流モータM1の制御モードが矩形制御モードか否かを判定する(ステップS25)。
【0277】
そして、制御モード判定部520は、ステップS25において、交流モータM1の制御モードが矩形制御モードであると判定したとき、信号SCM3を生成し、その生成した信号SCM3と減算器521からの誤差ΔVdcとをPI制御ゲイン決定部524へ出力する。
【0278】
PI制御ゲイン決定部524は、制御モード判定部520からの信号SCM3に基づいて、矩形制御モードに適したPI制御ゲイン(比例ゲインPGおよび積分ゲインIG)を決定し、その決定したPI制御ゲインと誤差ΔVdcとをPI制御器525へ出力する。より具体的には、PI制御ゲイン決定部524は、比例ゲインPGを0.5に設定し、積分ゲインIGを0.05に設定して昇圧コンバータ12からの出力電圧V2のフィードバック制御におけるPI制御ゲインを矩形制御モードに適したPI制御ゲインに設定する(ステップS26)。
【0279】
一方、制御モード判定部520は、ステップS25において、交流モータM1の制御モードが矩形制御モードではないと判定したとき、信号HLDを生成してPI制御ゲイン525へ出力する。PI制御ゲイン決定部524は、制御モード判定部520からの信号HLDに基づいて、PI制御ゲイン(比例ゲインPGおよび積分ゲインIG)を保持する(ステップS27)。すなわち、PI制御ゲイン決定部524は、ステップS20において設定した初期値をPI制御ゲインと決定する。
【0280】
なお、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであるとき、PI制御ゲイン(比例ゲインPGおよび積分ゲインIG)を最も大きく設定し、交流モータM1の制御モードが矩形制御モードであるとき、PI制御ゲイン(比例ゲインPGおよび積分ゲインIG)を最も低く設定するのは、次の理由による。
【0281】
PWM制御モード、過変調制御モード、および矩形制御モードのうちでは、PWM制御モードが最も高いキャリア周波数を有し、過変調制御モードが次に高いキャリア周波数を有し、矩形制御モードが最も低いキャリア周波数を有するので、PWM制御モードにおいては、PI制御ゲインを高く設定しても、ハンチング(振動)またはオーバーシュートが生じないのに対し、矩形制御モードにおいては、PI制御ゲインを低く設定しないとハンチング(振動)またはオーバーシュートを生じるからである。
【0282】
また、交流モータM1の制御モードがPWM制御モード、過変調制御モード、および矩形制御モードのいずれでもない場合に、PI制御ゲインの初期値が昇圧コンバータ12の出力電圧V2のフィードバック制御におけるPI制御ゲインとして設定されるのは、交流モータM1の制御モードがPWM制御モード、過変調制御モード、および矩形制御モードのいずれでもない場合、インバータ14へ供給されていた直流電圧を、昇圧コンバータ12を介して直流電源Bへ戻す必要がある。そうすると、フィードバック制御におけるPI制御ゲインを、PI制御ゲインが最も大きいPWM制御モードに適した制御ゲインに設定した方がインバータ14側から直流電源B側への直流電圧の回収を容易に行なうことができるからである。
【0283】
ステップS22,S24,S26,S27のいずれかの後、図5に示すフローチャートのステップS9〜S11が実行される。その後、ステップS21へ戻り、ステップS21〜S27およびステップS9〜S11が繰返し実行される。
【0284】
このように、交流モータM1の制御モードを検出し、その検出した制御モードに応じてPI制御ゲインを決定して昇圧コンバータ12の出力電圧V2が電圧指令Vdc_comに一致するように出力電圧V2のフィードバック制御が行なわれる。
【0285】
なお、PWM制御モード、過変調制御モードおよび矩形制御モードは、キャリア周波数が異なる制御モードであるので、交流モータM1の制御モードに応じてPI制御ゲインを決定すること、すなわち、PWM制御モード、過変調制御モードおよび矩形制御モードに応じてPI制御ゲインを決定することは、キャリア周波数に応じてPI制御ゲインを決定することに相当する。
【0286】
上記においては、昇圧コンバータ12の出力電圧V2を検出し、その検出した出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるようにフィードバック制御を行なうとして説明したが、実施の形態4においては、実施の形態2において説明したように、昇圧コンバータ12への入力電圧V3を検出し、その検出した入力電圧V3と昇圧コンバータ12における電圧変換率とに基づいて演算された出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるようにフィードバック制御してもよい。その場合、図10に示すフローチャートのステップS1a,S2が図22に示すフローチャートのステップS20とステップS21との間に挿入されたフローチャートに従って直流電圧を出力電圧V2に変換する動作が行なわれる。
【0287】
また、実施の形態4においては、実施の形態3において説明したように、直流電源Bの温度TBを検出し、その検出した温度TBに基づいて直流電源Bの内部抵抗Rbおよび電源電圧Vbを求め、その求めた電源電圧Vbを昇圧コンバータ12への入力電圧V3として出力電圧V2を演算し、その演算した出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるようにフィードバック制御してもよい。その場合、図16に示すフローチャートのステップS1b,S1c,S2が図22に示すフローチャートのステップS20とステップS21との間に挿入されたフローチャートに従って直流電圧を出力電圧V2に変換する動作が行なわれる。
【0288】
さらに、実施の形態4による電圧変換装置を備えたモータ駆動装置は、図23に示すモータ駆動装置100Dであってもよい。図23を参照して、モータ駆動装置100Dは、電流センサー28およびインバータ31をモータ駆動装置100に追加し、モータ駆動装置100の制御装置30を制御装置30Dに代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100と同じである。
【0289】
なお、コンデンサC2は、昇圧コンバータ12からの直流電圧をノードN1,N2を介して受け、その受けた直流電圧を平滑化してインバータ14のみならずインバータ31にも供給する。また、電流センサー24は、モータ電流MCRT1を検出して制御装置30Dへ出力する。さらに、インバータ14は、制御装置30Dからの信号PWMI1に基づいてコンデンサC2からの直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動し、信号PWMC1に基づいて交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換する。
【0290】
インバータ31は、インバータ14と同じ構成から成る。そして、インバータ31は、制御装置30Dからの信号PWMI2に基づいて、コンデンサC2からの直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM2を駆動し、信号PWMC2に基づいて交流モータM2が発電した交流電圧を直流電圧に変換する。電流センサー28は、交流モータM2の各相に流れるモータ電流MCRT2を検出して制御装置30Dへ出力する。
【0291】
制御装置30Dは、直流電源Bからの出力電圧V1を電圧センサー10から受け、昇圧コンバータ12の入力側の電圧V3を電圧センサー11から受け、モータ電流MCRT1,MCRT2をそれぞれ電流センサー24,28から受け、昇圧コンバータ12の出力電圧V2(すなわち、インバータ14,31への入力電圧)を電圧センサー13から受け、トルク指令値TR1,TR2およびモータ回転数MRN1,MRN2を外部ECUから受ける。そして、制御装置30Dは、電圧V1、出力電圧V2、モータ電流MCRT1、トルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1に基づいて、上述した方法によりインバータ14が交流モータM1を駆動するときにインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14へ出力する。
【0292】
また、制御装置30Dは、電圧V1、出力電圧V2、モータ電流MCRT2、トルク指令値TR2およびモータ回転数MRN2に基づいて、上述した方法によりインバータ31が交流モータM2を駆動するときにインバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ31へ出力する。
【0293】
さらに、制御装置30Dは、インバータ14または31が交流モータM1またはM2を駆動するとき、電圧V1、出力電圧V2、モータ電流MCRT1(またはMCRT2)、トルク指令値TR1(またはTR2)およびモータ回転数MRN1(またはMRN2)に基づいて、上述した方法により昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するための信号PWUを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。
【0294】
さらに、制御装置30Dは、回生制動時に交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMC1、または交流モータM2が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMC2を生成し、その生成した信号PWMC1または信号PWMC2をそれぞれインバータ14またはインバータ31へ出力する。この場合、制御装置30Dは、インバータ14または31からの直流電圧を降圧して直流電源Bを充電するように昇圧コンバータ12を制御する信号PWDを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。
【0295】
さらに、制御装置30Dは、システムリレーSR1,SR2をオンするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
【0296】
図24を参照して、制御装置30Dは、モータトルク制御手段301Dおよび電圧変換制御手段302Dを含む。モータトルク制御手段301Dは、モータ電流MCRT1,2、トルク指令値TR1,2、モータ回転数MRN1,2、電圧V1および出力電圧V2に基づいて信号PWMI1,2を生成し、それぞれ、インバータ14,31へ出力する。また、モータトルク制御手段301Dは、電圧V1、出力電圧V2、モータ電流MCRT1(またはMCRT2)、トルク指令値TR1(またはTR2)およびモータ回転数MRN1(またはMRN2)に基づいて、信号PWUを生成し、その生成した信号PWUを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0297】
電圧変換制御手段302Dは、モータ駆動装置100Dが搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、信号PWMC1,2および信号PWDを生成し、その生成した信号PWMC1,2をそれぞれインバータ14,31へ出力し、信号PWDを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0298】
図25を参照して、モータトルク制御手段301Dは、モータトルク制御手段301のフィードバック電圧指令演算部52をフィードバック電圧指令演算部52Dに代えたものであり、その他は、モータトルク制御手段301と同じである。
【0299】
モータ制御用相電圧演算部40は、昇圧コンバータ12の出力電圧V2、モータ電流MCRT1、およびトルク指令値TR1に基づいて交流モータM1の各相に印加する電圧を計算し、出力電圧V2、モータ電流MCRT2、およびトルク指令値TR2に基づいて交流モータM2の各相に印加する電圧を計算する。そして、モータトルク制御手段301Dは、計算した交流モータM1またはM2用の電圧をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。
【0300】
インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から交流モータM1用の電圧を受けると、その受けた電圧に基づいて信号PWMI1を生成してインバータ14へ出力する。また、インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から交流モータM2用の電圧を受けると、その受けた電圧に基づいて信号PWMI2を生成してインバータ31へ出力する。
【0301】
インバータ入力電圧指令演算部50は、トルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1(またはトルク指令値TR2およびモータ回転数MRN2)に基づいて電圧指令Vdc_comを演算し、その演算した電圧指令Vdc_comをフィードバック電圧指令演算部52Dへ出力する。
【0302】
フィードバック電圧指令演算部52Dは、昇圧コンバータ12の出力電圧V2、電圧指令Vdc_com、モータ回転数MRN1およびトルク指令値TR1に基づいて交流モータM1の制御モードを検出し、出力電圧V2、電圧指令Vdc_com、モータ回転数MRN2およびトルク指令値TR2に基づいて交流モータM2の制御モードを検出する。そして、フィードバック電圧指令演算部52Dは、検出した交流モータM1,M2の制御モードに応じてPI制御ゲインを決定し、その決定したPI制御ゲインを用いてフィードバック制御におけるフィードバック電圧指令Vdc_com_fbを演算してデューティー比変換部54へ出力する。
【0303】
図26を参照して、フィードバック電圧指令演算部52Dは、フィードバック電圧指令演算部52Cの制御モード判定部520を制御モード判定部520Dに代えたものであり、その他は、フィードバック電圧指令演算部52Cと同じである。
【0304】
制御モード判定部520Dにおける制御モードの判定方法について説明する。制御モード判定部520Dは、モータ回転数MRN1およびトルク指令値TR1に基づいて交流モータM1の制御モードを上述した方法により検出し、モータ回転数MRN2およびトルク指令値TR2に基づいて交流モータM2の制御モードを上述した方法により検出する。そして、制御モード判定部520Dは、検出した交流モータM1,M2の制御モードに基づいて2つの交流モータM1,M2全体に対する制御モードを判定する。
【0305】
より具体的には、制御モード判定部520Dは、制御モード判定部520と同じように図21に示すモータのトルクとモータの回転数とのマップを保持しており、トルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1(またはトルク指令値TR2およびモータ回転数MRN2)を外部ECUから受けると、その受けたトルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1(またはトルク指令値TR2およびモータ回転数MRN2)がマップの領域RGN1〜RGN3のいずれに含まれるかを検索して、交流モータM1(または交流モータM2)の制御モードがPWM制御モード、過変調制御モードおよび矩形制御モードのいずれであるかを判定する。
【0306】
この場合、交流モータM1の制御モードとしてPWM制御モード、過変調制御モード、および矩形制御モードが存在し、交流モータM2の制御モードとしてPWM制御モード、過変調制御モード、および矩形制御モードが存在する。したがって、2つの交流モータM1,M2全体に対して表1に示すように9個の制御モードが存在し得る。
【0307】
【表1】
Figure 0003969165
【0308】
表1において、”ΔP”は、PI制御ゲインを変えた場合の昇圧コンバータ12における電力変動を表す。そして、PWM制御モードは、電力変動ΔPが小さく、過変調制御モードは、電力変動ΔPが中であり、矩形制御モードは、電力変動ΔPが大きいとしている。これは、上述したように、交流モータM1(またはM2)の制御モードがPWM制御モード、過変調制御モード、および矩形制御モードへ順次切換わるに伴い、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするキャリア周波数は低くなるので、PWM制御モードは、電力変動ΔPが最も小さく、過変調制御モードは、電力変動ΔPが中であり、矩形制御モードは、電力変動ΔPが最も大きくなるからである。
【0309】
そうすると、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードである場合、交流モータM2の制御モードとしてPWM制御モード、過変調制御モード、および矩形制御モードが存在し得るので、交流モータM2の制御モードがそれぞれPWM制御モード、過変調制御モード、および矩形制御モードであるとき、電力変動ΔPは、それぞれ、「小+小」、「小+中」および「小+大」になる。
【0310】
また、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードである場合、交流モータM2の制御モードとしてPWM制御モード、過変調制御モード、および矩形制御モードが存在し得るので、交流モータM2の制御モードがそれぞれPWM制御モード、過変調制御モード、および矩形制御モードであるとき、電力変動ΔPは、それぞれ、「中+小」、「中+中」および「中+大」になる。
【0311】
さらに、交流モータM1の制御モードが矩形制御モードである場合、交流モータM2の制御モードとしてPWM制御モード、過変調制御モード、および矩形制御モードが存在し得るので、交流モータM2の制御モードがそれぞれPWM制御モード、過変調制御モード、および矩形制御モードであるとき、電力変動ΔPは、それぞれ、「大+小」、「大+中」および「大+大」になる。
【0312】
そして、制御モード判定部520Dは、電力変動ΔPに基づいて2つの交流モータM1,M2全体の制御モードを示す信号を生成し、その生成した信号と誤差ΔVdcとをPI制御ゲイン決定部524へ出力する。
【0313】
より具体的には、制御モード判定部520Dは、交流モータM1および交流モータM2の制御モードがPWM制御モードであるとき、信号SCMD1を生成し、その生成した信号SCMD1と誤差ΔVdcとをPI制御ゲイン決定部524へ出力する。
【0314】
また、制御モード判定部520Dは、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであり、交流モータM2の制御モードが過変調制御モードであるとき、または交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであり、交流モータM2の制御モードがPWM制御モードであるとき、信号SCMD2を生成し、その生成した信号SCMD2と誤差ΔVdcとをPI制御ゲイン決定部524へ出力する。
【0315】
さらに、制御モード判定部520Dは、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであり、交流モータM2の制御モードが矩形制御モードであるとき、または交流モータM1および交流モータM2の制御モードが過変調制御モードであるとき、または交流モータM1の制御モードが矩形制御モードであり、交流モータM2の制御モードがPWM制御モードであるとき、信号SCMD3を生成し、その生成した信号SCMD3と誤差ΔVdcとをPI制御ゲイン決定部524へ出力する。
【0316】
さらに、制御モード判定部520Dは、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであり、交流モータM2の制御モードが矩形制御モードであるとき、または交流モータM1の制御モードが矩形制御モードであり、交流モータM2の制御モードが過変調制御モードであるとき、信号SCMD4を生成し、その生成した信号SCMD4と誤差ΔVdcとをPI制御ゲイン決定部524へ出力する。
【0317】
さらに、制御モード判定部520Dは、交流モータM1および交流モータM2の制御モードが矩形制御モードであるとき、信号SCMD5を生成し、その生成した信号SCMD5と誤差ΔVdcとをPI制御ゲイン決定部524へ出力する。
【0318】
PI制御ゲイン決定部524は、制御モード判定部520Dから受けた信号SCMD1〜SCMD5に応じてPI制御ゲイン(比例ゲインPGおよび積分ゲインIG)を変えて、出力電圧V2のフィードバック制御に用いるPI制御ゲインを決定する。
【0319】
より具体的には、PI制御ゲイン決定部524は、制御モード判定部520Dから信号SCMD1を受けると、PI制御ゲインの下げ幅を最も小さくし、制御モード判定部520Dから信号SCMD5を受けると、PI制御ゲインの下げ幅を最も大きくして出力電圧V2のフィードバック制御に用いるPI制御ゲインを決定する。したがって、表1中のPI制御ゲインの欄に記載された数字は、「1」→「5」に向かってPI制御ゲインの下げ幅が大きくなることを意味する。
【0320】
そして、PI制御ゲイン決定部524は、誤差ΔVdcと、決定したPI制御ゲインとをPI制御器525へ出力し、PI制御器525は、PI制御ゲイン(比例ゲインPGおよび積分ゲインIG)と、誤差ΔVdcとを式(1)に代入してフィードバック電圧指令Vdc_com_fbを演算してデューティー比変換部54へ出力する。
【0321】
図27を参照して、昇圧コンバータ12における直流電圧から出力電圧V2への電圧変換を交流モータM1,M2の制御モードに応じて制御する動作について説明する。
【0322】
動作がスタートすると、PI制御ゲイン決定部524は、PI制御ゲインを初期値に設定する(ステップS30)。この場合、PI制御ゲイン決定部524は、初期値としてPWM制御モード用のPI制御ゲインを設定する。そして、減算器521は、電圧センサー13からの出力電圧V2とインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comとを受け、電圧指令Vdc_comと出力電圧V2との差分を演算して誤差ΔVdcを制御モード判定部520Dへ出力する。
【0323】
制御モード判定部520Dは、外部ECUからモータ回転数MRN1,2およびトルク指令値TR1,2を受け、その受けたモータ回転数MRN1,2およびトルク指令値TR1,2に基づいて交流モータM1,M2の各々の制御モードを検出し(ステップS31)、その検出した交流モータM1,M2の制御モードに基づいて、2つの交流モータM1,M2全体の制御モードを示す信号(信号SCMD1〜SCMD5のいずれか)を生成してPI制御ゲイン決定部524へ出力する。
【0324】
PI制御ゲイン決定部524は、制御モード判定部520Dからの信号SCMD1〜SCMD5に対応したPI制御ゲインを上述した方法によって決定する(ステップS32)。
【0325】
なお、ステップS31において、制御モード判定部520Dは、より具体的には、図22に示すフローチャートのステップS21,S23,S25における動作と同じ動作によって交流モータM1,M2の制御モードを検出する。
【0326】
ステップS32の後、上述したステップS9〜S11が実行され、昇圧コンバータ12の出力電圧V2は、電圧指令Vdc_comに一致するように2つの交流モータM1,M2全体の制御モードに応じてフィードバック制御される。
【0327】
その後、ステップS31へ戻り、ステップS31〜S32およびステップS9〜S11が繰返し実行される。
【0328】
なお、制御モード判定部520Dは、交流モータM1,M2の出力能力が相互に異なるとき、出力能力の大きいモータの制御モードを2つの交流モータM1,M2全体の制御モードと判定してもよい。
【0329】
また、モータ駆動装置100Dにおいては、実施の形態2において説明したように、昇圧コンバータ12への入力電圧V3を検出し、その検出した入力電圧V3と昇圧コンバータ12における電圧変換率とに基づいて演算された出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるようにフィードバック制御してもよい。その場合、図10に示すフローチャートのステップS1a,S2が図27に示すフローチャートのステップS30とステップS31との間に挿入されたフローチャートに従って直流電圧を出力電圧V2に変換する動作が行なわれる。
【0330】
さらに、モータ駆動装置100Dにおいては、実施の形態3において説明したように、直流電源Bの温度TBを検出し、その検出した温度TBに基づいて直流電源Bの内部抵抗Rbおよび電源電圧Vbを求め、その求めた電源電圧Vbを昇圧コンバータ12への入力電圧V3として出力電圧V2を演算し、その演算した出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるようにフィードバック制御してもよい。その場合、図16に示すフローチャートのステップS1b,S1c,S2が図27に示すフローチャートのステップS30とステップS31との間に挿入されたフローチャートに従って直流電圧を出力電圧V2に変換する動作が行なわれる。
【0331】
さらに、モータ駆動装置100Dにおいては、駆動すべきモータは2個に限らず、3個以上であってもよい。
【0332】
実施の形態4によれば、電圧変換装置は、モータの制御モードを検出し、その検出した制御モードに適合するPI制御ゲインをフィードバック制御のPI制御ゲインと決定して出力電圧が電圧指令になるように直流電圧から出力電圧への電圧変換を制御する制御手段を備えるので、モータの制御モードが変化した場合でも出力電圧が電圧指令になるように直流電圧を出力電圧に安定して変換できる。
【0333】
[実施の形態5]
図28を参照して、実施の形態5による電圧変換装置を備えたモータ駆動装置100Eは、モータ駆動装置100の制御装置30を制御装置30Eに代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100と同じである。
【0334】
図29を参照して、制御装置30Eは、制御装置30のモータトルク制御手段301をモータトルク制御手段301Eに代えたものであり、その他は、制御装置30と同じである。
【0335】
モータトルク制御手段301Eは、モータ電流MCRT、トルク指令値TRおよび昇圧コンバータ12の出力電圧V2に基づいて信号PWMIを生成してインバータ14へ出力する。また、モータトルク制御手段301Eは、モータ回転数MRNおよびトルク指令値TRに基づいて交流モータM1の制御モードを検出し、その検出した交流モータM1の制御モードに応じて、出力電圧V2のフィードバック制御におけるPI制御ゲインを決定し、かつ、その決定したPI制御ゲインを出力電圧V2の変動に対して調整し、出力電圧V2が電圧指令Vdc_comに一致するように直流電圧を出力電圧V2に変換するための信号PWUを生成してコンバータ12へ出力する。
【0336】
図30を参照して、モータトルク制御手段301Eは、モータトルク制御手段301のフィードバック電圧指令演算部52をフィードバック電圧指令演算部52Eに代えたものであり、その他は、モータトルク制御手段301と同じである。
【0337】
フィードバック電圧指令演算部52Eは、モータ回転数MRNおよびトルク指令値TRに基づいて交流モータM1の制御モードを上述した方法(実施の形態4参照)によって検出し、その検出した制御モードに応じてPI制御ゲイン(比例ゲインPGおよび積分ゲインIG)を決定し、かつ、その決定したPI制御ゲインを出力電圧V2の変動に応じて調整して最終的なPI制御ゲインを決定し、その最終的なPI制御ゲインを用いてフィードバック電圧指令Vdc_com_fbを演算してデューティー比変換部54へ出力する。
【0338】
図31を参照して、フィードバック電圧指令演算部52Eは、制御モード判定部520と、減算器521と、変化率判断部522と、電圧誤差判定部523と、PI制御ゲイン決定部524Aと、PI制御器525とを含む。
【0339】
制御モード判定部520、減算器521、変化率判断部522、電圧誤差判定部523およびPI制御器525については、上述したとおりである。
【0340】
PI制御ゲイン決定部524Aは、制御モード判定部520からの交流モータM1の制御モードを示す信号(信号SCM1〜SCM3のいずれか)に基づいて交流モータM1の制御モードに応じたPI制御ゲインを決定し、かつ、その決定したPI制御ゲインを電圧誤差判定部523からの信号GUP,GHLD,GDWNに応じて調整し、最終的なPI制御ゲインを決定する。そして、PI制御ゲイン決定部524Aは、決定した最終的なPI制御ゲインをPI制御器525へ出力する。
【0341】
このように、PI制御ゲイン決定部524Aは、交流モータM1の制御モードに応じたPI制御ゲインを決定し、その決定したPI制御ゲインを出力電圧V2の変動に対してさらに調整して最終的なPI制御ゲインを決定することを特徴とする。
【0342】
なお、交流モータM1の制御モードに応じてPI制御ゲインを決定することを「交流モータの制御モードに好適な制御ゲインに調整する」と言い、制御モードに応じて決定されたPI制御ゲインを出力電圧V2の変動に対してさらに調整することを「好適な制御ゲインを出力電圧V2の変動に基づいて最適な制御ゲインに調整する」と言う。
【0343】
実施の形態5において、昇圧コンバータ12における直流電圧から出力電圧V2への電圧変換を制御する動作は、図32に示すフローチャートに従って行なわれる。
【0344】
図32に示すフローチャートは、図22に示すフローチャートのステップS20〜S27に、図5に示すフローチャートのステップS2〜S11を追加したフローチャートである。
【0345】
図32を参照して、ステップS21〜S27に従って行なわれる動作は、モータ回転数MRNおよびトルク指令値TRに基づいて交流モータM1の制御モードを検出する動作である。また、ステップS2〜S11に従って行なわれる動作は、出力電圧V2の変動に対してPI制御ゲインを調整して出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるように制御する動作である。
【0346】
したがって、ステップS20〜S27およびステップS2〜S11における詳細な動作は上述したとおりである。
【0347】
ステップS11の後、ステップS21へ戻り、ステップS21〜S27およびステップS2〜S11が実行される。
【0348】
上記においては、昇圧コンバータ12の出力電圧V2を検出し、その検出した出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるようにフィードバック制御を行なうとして説明したが、実施の形態5においては、実施の形態2において説明したように、昇圧コンバータ12への入力電圧V3を検出し、その検出した入力電圧V3と昇圧コンバータ12における電圧変換率とに基づいて演算された出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるようにフィードバック制御してもよい。その場合、図10に示すフローチャートのステップS1aが図32に示すフローチャートのステップS22,S24,S26,S27とステップS2との間に挿入されたフローチャートに従って直流電圧を出力電圧V2に変換する動作が行なわれる。
【0349】
また、実施の形態5においては、実施の形態3において説明したように、直流電源Bの温度TBを検出し、その検出した温度TBに基づいて直流電源Bの内部抵抗Rbおよび電源電圧Vbを求め、その求めた電源電圧Vbを昇圧コンバータ12への入力電圧V3として出力電圧V2を演算し、その演算した出力電圧V2が電圧指令Vdc_comになるようにフィードバック制御してもよい。その場合、図16に示すフローチャートのステップS1b,S1cが図32に示すフローチャートのステップS22,S24,S26,S27とステップS2との間に挿入されたフローチャートに従って直流電圧を出力電圧V2に変換する動作が行なわれる。
【0350】
さらに、実施の形態4において説明したように、2個以上のモータに対して、各モータの制御モードに応じてPI制御ゲインを決定し、その決定したPI制御ゲインを昇圧コンバータ12の出力電圧の変動に対してさらに調整するようにしてもよい。その場合、図32に示すフローチャートのステップS21〜S27に代えて図27に示すフローチャートのステップS31,S32が実行される。
【0351】
実施の形態5によれば、電圧変換装置は、モータの制御モードに応じたPI制御ゲインを決定し、その決定したPI制御ゲインを出力電圧の変動に応じてさらに調整し、出力電圧が電圧指令に一致するように直流電圧から出力電圧への変換をフィードバック制御する制御手段を備えるので、モータの制御モードの変動、または昇圧コンバータの出力電圧の変動に対して出力電圧を安定させることができる。
【0352】
なお、実施の形態1〜5においては、PI制御によるフィードバック制御について説明したが、この発明においてはPID制御によるフィードバック制御を行なってもよい。その場合、PID制御ゲイン(比例ゲインPG、積分ゲインIG、微分ゲインDG)が上述した方法によって調整され、出力電圧V2が電圧指令Vdc_comに一致するようにフィードバック制御される。
【0353】
また、この発明においては、上記において用いられた「誤差」は、「偏差」と表現されてもよいものである。
【0354】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1による電圧変換装置を備えたモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図2】 図1に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図3】 図2に示すモータトルク制御手段の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図4】 図3に示すフィードバック電圧指令演算部およびデューティー比変換部の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図5】 実施の形態1における電圧変換の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】 実施の形態2による電圧変換装置を備えたモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図7】 図6に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図8】 図7に示すモータトルク制御手段の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図9】 図8に示すフィードバック電圧指令演算部およびデューティー比変換部の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図10】 実施の形態2における電圧変換の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】 実施の形態3による電圧変換装置を備えたモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図12】 図11に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図13】 図12に示すモータトルク制御手段の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図14】 図13に示すフィードバック電圧指令演算部およびデューティー比変換部の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図15】 直流電源の内部抵抗と温度との関係図である。
【図16】 実施の形態3における電圧変換の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図17】 実施の形態4による電圧変換装置を備えたモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図18】 図17に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図19】 図18に示すモータトルク制御手段の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図20】 図19に示すフィードバック電圧指令演算部の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図21】 モータのトルクとモータ回転数との関係図である。
【図22】 実施の形態4における電圧変換の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図23】 実施の形態4による電圧変換装置を備えたモータ駆動装置の他の概略ブロック図である。
【図24】 図23に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図25】 図24に示すモータトルク制御手段の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図26】 図25に示すフィードバック電圧指令演算部の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図27】 実施の形態4における電圧変換の他の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図28】 実施の形態5による電圧変換装置を備えたモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図29】 図28に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図30】 図29に示すモータトルク制御手段の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図31】 図30に示すフィードバック電圧指令演算部の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図32】 実施の形態5における電圧変換の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図33】 従来のモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【符号の説明】
10,11,13,320 電圧センサー、10A 温度センサー、12 昇圧コンバータ、14,31,330 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、24,25,28 電流センサー、30,30A,30B,30C,30D,30E 制御装置、40 モータ制御用相電圧演算部、42 インバータ用PWM信号変換部、50 インバータ入力電圧指令演算部、52,52A,52B,52C,52D,52E フィードバック電圧指令演算部、54 デューティー比変換部、100,100A,100B,100C,100D,100E,300 モータ駆動装置、301,301A,301B,301C,301D,301E モータトルク制御手段、302,302D 電圧変換制御手段、310 双方向コンバータ、520,520D 制御モード判定部、521 減算器、522 変化率判定部、523 電圧誤差判定部、524,524A PI制御ゲイン決定部、525 PI制御器、526,527出力電圧生成部、541 コンバータ用デューティー比演算部、542 コンバータ用PWM信号変換部、B 直流電源、SR1,SR2 システムリレー、C1,C2 コンデンサ、L1,311 リアクトル、Q1〜Q8,312,313 NPNトランジスタ、D1〜D8,314,315 ダイオード、M1,M2 交流モータ。

Claims (43)

  1. 出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を前記出力電圧に変換する電圧変換装置であって、
    前記直流電圧の電圧レベルを変えて出力電圧を出力する電圧変換器と、
    前記電圧変換器から出力された出力電圧を検出する検出手段と、
    前記指令電圧と前記検出された出力電圧との誤差、および前記指令電圧の変化率を検出し、前記検出した誤差および変化率に応じて前記出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを調整し、その調整した制御ゲインを用いたフィードバック制御により前記出力電圧が前記指令電圧になるように前記電圧変換器を制御する制御手段とを備える電圧変換装置。
  2. 前記検出手段は、前記電圧変換器への入力電圧を検出し、その検出した入力電圧と前記電圧変換器における変換比率とに基づいて前記出力電圧を検出する、請求項1に記載の電圧変換装置。
  3. 前記検出手段は、前記直流電源の温度に基づいて前記直流電源から出力される直流電圧を検出し、その検出した直流電源と前記電圧変換器における変換比率とに基づいて前記出力電圧を検出する、請求項1に記載の電圧変換装置。
  4. 出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を前記出力電圧に変換する電圧変換装置であって、
    前記直流電圧の電圧レベルを変えて出力電圧を出力する電圧変換器と、
    前記直流電源の内部抵抗の変動を検出する検出手段と、
    前記検出された内部抵抗の変動に応じて前記出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを調整し、その調整した制御ゲインを用いたフィードバック制御により前記出力電圧が前記指令電圧になるように前記電圧変換器を制御する制御手段とを備える電圧変換装置。
  5. 前記制御手段は、
    前記変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、前記誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいとき前記制御ゲインを下げる第1のゲイン調整を行ない、
    前記変化率が前記第1の基準値よりも大きく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも大きいとき前記制御ゲインを上げる第2のゲイン調整を行ない、
    前記変化率が前記第1の基準値よりも小さく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも小さいとき、または前記変化率が前記第1の基準値よりも大きく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも小さいとき前記制御ゲインを保持する第3のゲイン調整を行なう、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電圧変換装置。
  6. 前記制御手段は、
    前記指令電圧の変化率を検出し、前記検出した変化率が前記第1の基準値よりも小さいか否かを判定する変化率判定部と、
    前記指令電圧と前記出力電圧との誤差を検出する誤差検出部と、
    前記変化率判定部からの判定結果と前記誤差検出部からの誤差とに基づいて前記第1から第3のゲイン調整のいずれかを行なう制御ゲイン調整部と、
    前記制御ゲイン調整部により調整された制御ゲインを用いて前記出力電圧が前記指令電圧になるように前記電圧変換器を制御する制御部とを含む、請求項5に記載の電圧変換装置。
  7. 前記出力電圧は、交流モータを駆動するインバータに入力される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電圧変換装置。
  8. 交流モータを駆動するための出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を前記出力電圧に変換する電圧変換装置であって、
    前記直流電圧の電圧レベルを変えて出力電圧を出力する電圧変換器と、
    前記交流モータの制御モードを検出するモード検出手段と、
    前記検出された制御モードに応じて前記出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを調整し、その調整した制御ゲインを用いたフィードバック制御により前記出力電圧が前記指令電圧になるように前記電圧変換器を制御する制御手段とを備える電圧変換装置。
  9. 交流モータを駆動するための出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を前記出力電圧に変換する電圧変換装置であって、
    前記直流電圧の電圧レベルを変えて出力電圧を出力する電圧変換器と、
    前記交流モータの制御モードを検出するモード検出手段と、
    前記電圧変換器から出力された出力電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記指令電圧と前記検出された出力電圧との誤差、および前記指令電圧の変化率を検出する検出手段と、
    前記出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを前記検出された制御モードに好適な制御ゲインに調整し、その調整した好適な制御ゲインを前記検出された誤差および変化率に基づいて最適な制御ゲインにさらに調整し、その調整した最適な制御ゲインを用いたフィードバック制御により前記出力電圧が前記指令電圧になるように前記電圧変換器を制御する制御手段とを備える電圧変換装置。
  10. 前記好適な制御ゲインから前記最適な制御ゲインへの調整時、
    前記制御手段は、
    前記変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、前記誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいとき前記制御ゲインを下げる第1のゲイン調整を行ない、
    前記変化率が前記第1の基準値よりも大きく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも大きいとき前記制御ゲインを上げる第2のゲイン調整を行ない、
    前記変化率が前記第1の基準値よりも小さく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも小さいとき、または前記変化率が前記第1の基準値よりも大きく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも小さいとき前記制御ゲインを保持する第3のゲイン調整を行なう、請求項9に記載の電圧変換装置。
  11. 前記制御手段は、
    前記指令電圧の変化率を検出し、前記検出した変化率が前記第1の基準値よりも小さいか否かを判定する変化率判定部と、
    前記指令電圧と前記出力電圧との誤差を検出する誤差検出部と、
    前記変化率判定部からの判定結果と前記誤差検出部からの誤差とに基づいて前記第1から第3のゲイン調整のいずれかを行なう制御ゲイン調整部と、
    前記制御ゲイン調整部により調整された制御ゲインを用いて前記出力電圧が前記指令電圧になるように前記電圧変換器を制御する制御部とを含む、請求項10に記載の電圧変換装置。
  12. 前記モード検出手段は、キャリア周波数が異なる制御モードを検出する、請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の電圧変換装置。
  13. 前記制御手段は、前記検出された制御モードのキャリア周波数に応じて前記制御ゲインを調整する、請求項12に記載の電圧変換装置。
  14. 前記制御手段は、前記検出された制御モードのキャリア周波数が高くなるに従って前記制御ゲインを前記キャリア周波数が低いときの制御ゲインよりも大きい制御ゲインに調整する、請求項13に記載の電圧変換装置。
  15. 前記モード検出手段は、複数の交流モータに対応する複数の制御モードを検出し、
    前記制御手段は、前記検出された複数の制御モードに応じて前記制御ゲインを調整する、請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の電圧変換装置。
  16. 前記制御手段は、前記検出された複数の制御モードの組合わせに応じて決定される前記フィードバック制御における電力変動を検出し、その検出した電力変動に応じて前記制御ゲインを調整する、請求項15に記載の電圧変換装置。
  17. 前記制御手段は、前記検出された電力変動が大きいほど前記制御ゲインの下げ幅を大きくして前記制御ゲインを調整する、請求項16に記載の電圧変換装置。
  18. 前記モード検出手段は、前記交流モータの回転数と前記交流モータのトルクとを受け、その受けた回転数およびトルクに基づいて前記制御モードを検出する、請求項8から請求項17のいずれか1項に記載の電圧変換装置。
  19. 前記モード検出手段は、前記回転数と前記トルクとの関係を示すマップを保持し、前記受けた回転数およびトルクが含まれる前記マップの領域を検出することにより前記制御モードを検出する、請求項18に記載の電圧変換装置。
  20. 前記制御ゲインは、フィードバック制御におけるPI制御ゲインである、請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の電圧変換装置。
  21. 前記交流モータは、車両用モータである、請求項7から請求項19のいずれか1項に記載の電圧変換装置。
  22. 出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を前記出力電圧に変換する電圧変換方法であって、
    前記出力電圧を検出する第1のステップと、
    前記指令電圧と前記出力電圧との誤差、および前記指令電圧の変化率を検出する第2のステップと、
    前記変化率および前記誤差に基づいて前記出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを調整する第3のステップと、
    前記調整された制御ゲインを用いたフィードバック制御により前記出力電圧が前記指令電圧になるように前記直流電圧を前記出力電圧に変換する第4のステップとを含む電圧変換方法。
  23. 前記第1のステップは、
    前記直流電圧を前記出力電圧へ変換する電圧変換器へ入力される入力電圧を検出する第1のサブステップと、
    前記検出された入力電圧と前記電圧変換器における変換比率とに基づいて前記出力電圧を検出する第2のサブステップとを含む、請求項22に記載の電圧変換方法。
  24. 前記第1のステップは、
    前記直流電源の温度を検出し、その検出した温度に基づいて前記直流電圧を前記出力電圧へ変換する電圧変換器へ入力される入力電圧を検出する第1のサブステップと、
    前記検出された入力電圧と、前記電圧変換器における変換比率とに基づいて前記出力電圧を検出する第2のサブステップとを含む、請求項22に記載の電圧変換方法。
  25. 前記第3のステップにおいて、
    前記変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、前記誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいとき前記制御ゲインは下げられ、
    前記変化率が前記第1の基準値よりも大きく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも大きいとき前記制御ゲインは上げられ、
    前記変化率が前記第1の基準値よりも小さく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも小さいとき、または前記変化率が前記第1の基準値よりも大きく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも小さいとき前記制御ゲインは保持される、請求項22から請求項24のいずれか1項に記載の電圧変換方法。
  26. 交流モータを駆動するための出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を前記出力電圧に変換する電圧変換方法であって、
    前記交流モータの制御モードを検出する第1のステップと、
    前記検出された制御モードに応じて前記出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを調整する第2のステップと、
    前記調整された制御ゲインを用いたフィードバック制御により前記出力電圧が前記指令電圧になるように前記直流電圧を前記出力電圧に変換する第3のステップとを含む電圧変換方法。
  27. 交流モータを駆動するための出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を前記出力電圧に変換する電圧変換方法であって、
    前記交流モータの制御モードを検出する第1のステップと、
    前記出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを前記検出された制御モードに好適な制御ゲインに調整する第2のステップと、
    前記出力電圧を検出する第3のステップと、
    前記指令電圧と前記出力電圧との誤差、および前記指令電圧の変化率を検出する第4のステップと、
    前記検出された変化率および誤差に基づいて前記好適な制御ゲインを最適な制御ゲインに調整する第5のステップと、
    前記調整された最適な制御ゲインを用いたフィードバック制御により前記出力電圧が前記指令電圧になるように前記直流電圧を前記出力電圧に変換する第6のステップとを含む電圧変換方法。
  28. 前記第5のステップにおいて、
    前記変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、前記誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいとき前記好適な制御ゲインは下げられて前記最適な制御ゲインに調整され、
    前記変化率が前記第1の基準値よりも大きく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも大きいとき前記好適な制御ゲインは上げられて前記最適な制御ゲインに調整され、
    前記変化率が前記第1の基準値よりも小さく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも小さいとき、または前記変化率が前記第1の基準値よりも大きく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも小さいとき前記好適な制御ゲインは保持されて前記最適な制御ゲインに調整される、請求項27に記載の電圧変換方法。
  29. 前記第1のステップにおいて検出される制御モードは、キャリア周波数が異なる制御モードである、請求項26から請求項28のいずれか1項に記載の電圧変換方法。
  30. 前記第1のステップにおいて検出される制御モードは、複数の交流モータに対する複数の制御モードであり、
    前記第2のステップにおいて前記制御ゲインは、前記検出された複数の制御モードに応じて調整される、請求項26または請求項27に記載の電圧変換方法。
  31. 前記第1のステップにおいて、前記制御モードは、前記交流モータの回転数およびトルクに基づいて検出される、請求項26から請求項30のいずれか1項に記載の電圧変換方法。
  32. 前記制御ゲインは、フィードバック制御におけるPI制御ゲインである、請求項22から請求項31のいずれか1項に記載の電圧変換方法。
  33. 出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を前記出力電圧に変換する電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
    前記出力電圧を検出する第1のステップと、
    前記指令電圧と前記出力電圧との誤差、および前記指令電圧の変化率を検出する第2のステップと、
    前記変化率および前記誤差に基づいて前記出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを調整する第3のステップと、
    前記調整された制御ゲインを用いたフィードバック制御により前記出力電圧が前記指令電圧になるように前記直流電圧を前記出力電圧に変換させる第4のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  34. 前記第1のステップは、
    前記直流電圧を前記出力電圧へ変換する電圧変換器へ入力される入力電圧を検出する第1のサブステップと、
    前記検出された入力電圧と前記電圧変換器における変換比率とに基づいて前記出力電圧を検出する第2のサブステップとを含む、請求項33に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  35. 前記第1のステップは、
    前記直流電源の温度を検出し、その検出した温度に基づいて前記直流電圧を前記出力電圧へ変換する電圧変換器へ入力される入力電圧を検出する第1のサブステップと、
    前記検出された入力電圧と、前記電圧変換器における変換比率とに基づいて前記出力電圧を検出する第2のサブステップとを含む、請求項33に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  36. 前記第3のステップにおいて、
    前記変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、前記誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいとき前記PI制御ゲインは下げられ、
    前記変化率が前記第1の基準値よりも大きく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも大きいとき前記PI制御ゲインは上げられ、
    前記変化率が前記第1の基準値よりも小さく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも小さいとき、または前記変化率が前記第1の基準値よりも大きく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも小さいとき前記PI制御ゲインは保持される、請求項33から請求項35のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  37. 交流モータを駆動するための出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を前記出力電圧に変換する電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
    前記交流モータの制御モードを検出する第1のステップと、
    前記検出された制御モードに応じて前記出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを調整する第2のステップと、
    前記調整された制御ゲインを用いたフィードバック制御により前記出力電圧が前記指令電圧になるように前記直流電圧を前記出力電圧に変換する第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  38. 交流モータを駆動するための出力電圧が指令電圧になるように直流電源からの直流電圧を前記出力電圧に変換する電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
    前記交流モータの制御モードを検出する第1のステップと、
    前記出力電圧のフィードバック制御における制御ゲインを前記検出された制御モードに好適な制御ゲインに調整する第2のステップと、
    前記出力電圧を検出する第3のステップと、
    前記指令電圧と前記出力電圧との誤差、および前記指令電圧の変化率を検出する第4のステップと、
    前記検出された変化率および誤差に基づいて前記好適な制御ゲインを最適な制御ゲインに調整する第5のステップと、
    前記調整された最適な制御ゲインを用いたフィードバック制御により前記出力電圧が前記指令電圧になるように前記直流電圧を前記出力電圧に変換する第6のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  39. 前記第5のステップにおいて、
    前記変化率が第1の基準値よりも小さく、かつ、前記誤差の絶対値が第2の基準値よりも大きいとき前記好適な制御ゲインは下げられて前記最適な制御ゲインに調整され、
    前記変化率が前記第1の基準値よりも大きく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも大きいとき前記好適な制御ゲインは上げられて前記最適な制御ゲインに調整され、
    前記変化率が前記第1の基準値よりも小さく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも小さいとき、または前記変化率が前記第1の基準値よりも大きく、かつ、前記誤差の絶対値が前記第2の基準値よりも小さいとき前記好適な制御ゲインは保持されて前記最適な制御ゲインに調整される、請求項38に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  40. 前記第1のステップにおいて検出される制御モードは、キャリア周波数の異なる制御モードである、請求項37から請求項39のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  41. 前記第1のステップにおいて検出される制御モードは、複数の交流モータに対する複数の制御モードであり、
    前記第2のステップにおいて前記制御ゲインは、前記検出された複数の制御モードに応じて調整される、請求項37または請求項38に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  42. 前記第1のステップにおいて、前記制御モードは、前記交流モータの回転数およびトルクに基づいて検出される、請求項37から請求項41のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  43. 前記制御ゲインは、フィードバック制御におけるPI制御ゲインである、請求項33から請求項42のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
JP2002113426A 2002-04-16 2002-04-16 電圧変換装置、電圧変換方法、電圧変換の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 Expired - Fee Related JP3969165B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002113426A JP3969165B2 (ja) 2002-04-16 2002-04-16 電圧変換装置、電圧変換方法、電圧変換の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002113426A JP3969165B2 (ja) 2002-04-16 2002-04-16 電圧変換装置、電圧変換方法、電圧変換の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003309997A JP2003309997A (ja) 2003-10-31
JP3969165B2 true JP3969165B2 (ja) 2007-09-05

Family

ID=29395617

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002113426A Expired - Fee Related JP3969165B2 (ja) 2002-04-16 2002-04-16 電圧変換装置、電圧変換方法、電圧変換の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3969165B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015171312A (ja) * 2014-03-11 2015-09-28 株式会社デンソー 電圧変換装置
US10131245B2 (en) 2016-08-16 2018-11-20 Ford Global Technologies, Llc Electrified vehicle DC power conversion with distributed control
US10214111B2 (en) 2016-08-16 2019-02-26 Ford Global Technologies, Llc Electrified vehicle power conversion for low voltage bus
US10793019B2 (en) 2018-08-16 2020-10-06 Ford Global Technologies, Llc Electrified vehicle DC power conversion with balancing of battery states
JP2021141713A (ja) * 2020-03-05 2021-09-16 日立Astemo株式会社 多相コンバータ制御装置

Families Citing this family (46)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4052195B2 (ja) 2003-07-31 2008-02-27 トヨタ自動車株式会社 電圧変換装置および電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体
JP4193704B2 (ja) * 2004-01-20 2008-12-10 トヨタ自動車株式会社 電源装置およびそれを搭載する自動車
CN100555838C (zh) 2004-02-19 2009-10-28 丰田自动车株式会社 电机驱动装置
JP4001120B2 (ja) 2004-02-19 2007-10-31 トヨタ自動車株式会社 電圧変換装置
JP4661183B2 (ja) * 2004-10-07 2011-03-30 トヨタ自動車株式会社 モータ駆動装置
JP4706324B2 (ja) 2005-05-10 2011-06-22 トヨタ自動車株式会社 モータ駆動システムの制御装置
JP4690151B2 (ja) * 2005-09-07 2011-06-01 三菱電機株式会社 電力変換装置
JP4453026B2 (ja) * 2005-09-20 2010-04-21 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 インバータ装置
JP4453027B2 (ja) * 2005-09-20 2010-04-21 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 インバータ装置
JP2007166874A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Toyota Motor Corp 電圧変換装置
JP4683302B2 (ja) * 2005-12-26 2011-05-18 株式会社デンソー 電気自動車の制御装置
JP4827017B2 (ja) * 2005-12-26 2011-11-30 株式会社デンソー 電気自動車の制御装置
EP1800934A3 (en) 2005-12-26 2018-01-10 Denso Corporation Control apparatus for electric vehicles
JP4697602B2 (ja) * 2006-02-07 2011-06-08 株式会社デンソー 電気自動車の制御装置
JP4697603B2 (ja) * 2006-01-11 2011-06-08 株式会社デンソー 電気自動車の制御装置
JP4683303B2 (ja) * 2006-02-15 2011-05-18 株式会社デンソー 電気自動車の制御装置
JP4665809B2 (ja) 2006-03-24 2011-04-06 トヨタ自動車株式会社 電動機駆動制御システム
JP4978082B2 (ja) 2006-03-31 2012-07-18 トヨタ自動車株式会社 電源システムおよびそれを備えた車両
JP4683382B2 (ja) * 2006-04-11 2011-05-18 株式会社デンソー 電気自動車の制御装置
JP4379430B2 (ja) 2006-04-24 2009-12-09 トヨタ自動車株式会社 電源システムおよび車両
JP4501893B2 (ja) 2006-04-24 2010-07-14 トヨタ自動車株式会社 電源システムおよび車両
JP4655026B2 (ja) * 2006-04-28 2011-03-23 株式会社デンソー 電気自動車の制御装置
JP4802849B2 (ja) * 2006-05-09 2011-10-26 トヨタ自動車株式会社 モータ駆動装置
JP4356708B2 (ja) 2006-06-23 2009-11-04 トヨタ自動車株式会社 電源システムおよびそれを備える車両
JP4179351B2 (ja) 2006-07-07 2008-11-12 トヨタ自動車株式会社 電源システムおよびそれを備えた車両、電源システムの制御方法、ならびに電源システムの制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体
JP5272067B2 (ja) * 2006-09-12 2013-08-28 株式会社豊田自動織機 スイッチング電源装置
JP5114914B2 (ja) * 2006-10-03 2013-01-09 日産自動車株式会社 インバータ制御装置
JP4569603B2 (ja) 2007-01-04 2010-10-27 トヨタ自動車株式会社 電源システムおよびそれを備える車両、ならびにその制御方法
JP4874874B2 (ja) 2007-06-06 2012-02-15 トヨタ自動車株式会社 車両の電源装置
JP5122199B2 (ja) * 2007-07-20 2013-01-16 住友重機械工業株式会社 昇降圧コンバータの制御装置
JP2009207307A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Hitachi Appliances Inc モータ駆動装置
JP5133834B2 (ja) * 2008-09-30 2013-01-30 トヨタ自動車株式会社 交流電動機の制御装置
JP5093615B2 (ja) * 2009-01-21 2012-12-12 株式会社デンソー 電気自動車の制御装置
JP5206489B2 (ja) * 2009-02-26 2013-06-12 トヨタ自動車株式会社 電圧変換装置
JP5246508B2 (ja) * 2009-05-28 2013-07-24 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 電動機駆動装置の制御装置
JP5644115B2 (ja) * 2010-01-20 2014-12-24 株式会社豊田中央研究所 電圧変換器
JP5664080B2 (ja) * 2010-09-28 2015-02-04 日産自動車株式会社 モータ制御装置及びモータ制御方法
CN102545317B (zh) * 2010-12-20 2015-08-05 株式会社电装 用于引起电池温度上升的系统
KR101192199B1 (ko) 2011-01-04 2012-10-17 엘지전자 주식회사 모터 제어 장치와, 이를 포함하는 전기 자동차, 및 이의 모터 제어 방법
JP5808210B2 (ja) * 2011-09-27 2015-11-10 三菱重工業株式会社 モータ制御装置およびモータ制御方法
JP5686110B2 (ja) * 2012-03-22 2015-03-18 トヨタ自動車株式会社 交流電機駆動システムの制御装置
CN106655953B (zh) * 2016-10-15 2019-07-23 青岛海尔空调器有限总公司 无电解电容电机驱动系统及其弱磁控制方法和控制装置
JP6962233B2 (ja) * 2018-02-22 2021-11-05 株式会社オートネットワーク技術研究所 車載用のdcdcコンバータ
JP6904283B2 (ja) * 2018-03-12 2021-07-14 株式会社オートネットワーク技術研究所 車載用のdcdcコンバータ
EP3793083B1 (en) * 2018-05-10 2023-02-15 Nissan Motor Co., Ltd. Control method for motor system, and control device for motor system
JP7251170B2 (ja) 2019-01-30 2023-04-04 トヨタ自動車株式会社 車両の電源システム

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3283134B2 (ja) * 1994-03-04 2002-05-20 株式会社東芝 Pwmコンバータ装置
JPH10146059A (ja) * 1996-11-08 1998-05-29 Brother Ind Ltd 電力変換装置
JPH1189270A (ja) * 1997-09-08 1999-03-30 Kansai Electric Power Co Inc:The モータの駆動装置及び電気自動車
JP3487769B2 (ja) * 1998-09-25 2004-01-19 三菱電機株式会社 電動機の駆動制御装置
JP2001258297A (ja) * 2000-03-13 2001-09-21 Yaskawa Electric Corp 交流電動機の制御装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015171312A (ja) * 2014-03-11 2015-09-28 株式会社デンソー 電圧変換装置
US10131245B2 (en) 2016-08-16 2018-11-20 Ford Global Technologies, Llc Electrified vehicle DC power conversion with distributed control
US10214111B2 (en) 2016-08-16 2019-02-26 Ford Global Technologies, Llc Electrified vehicle power conversion for low voltage bus
US10793019B2 (en) 2018-08-16 2020-10-06 Ford Global Technologies, Llc Electrified vehicle DC power conversion with balancing of battery states
JP2021141713A (ja) * 2020-03-05 2021-09-16 日立Astemo株式会社 多相コンバータ制御装置
US11489458B2 (en) 2020-03-05 2022-11-01 Hitachi Astemo, Ltd. Multi-phase converter control device

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003309997A (ja) 2003-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3969165B2 (ja) 電圧変換装置、電圧変換方法、電圧変換の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体
JP4623065B2 (ja) 電圧変換装置および電圧変換方法
JP4710588B2 (ja) 昇圧コンバータの制御装置
JP3700059B2 (ja) 電圧変換装置、電圧変換方法、電圧変換の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体
JP4052195B2 (ja) 電圧変換装置および電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体
JP4640200B2 (ja) 電圧変換装置および電圧変換器の制御方法
JP4280573B2 (ja) 負荷駆動装置
EP1649588B1 (en) Voltage conversion device and computer-readable recording medium having program recorded thereon for computer to control voltage conversion by voltage conversion device
EP1656728B1 (en) Voltage conversion device
JP2007166874A (ja) 電圧変換装置
WO2003056694A1 (en) Electrical load apparatus, electrical load control method, and computer-readable record medium with recorded program for enabling computer to control electrical load
JP4013739B2 (ja) 電圧変換装置、電圧変換方法および電圧変換をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2006353032A (ja) 電圧変換装置
JP4120310B2 (ja) 電気負荷駆動装置、電気負荷駆動方法、電気負荷の駆動をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体
JP2003244801A (ja) 電圧変換装置
JP2010098819A (ja) 電圧変換装置および電圧変換装置の制御方法
JP5206489B2 (ja) 電圧変換装置
JP2003324942A (ja) 電圧変換装置、電圧変換装置の駆動方法、電圧変換装置の駆動をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体
JP2011101554A (ja) コンバータの制御装置
JP2005354763A (ja) 電圧変換装置
JP2004166370A (ja) 電圧変換装置
JP4019953B2 (ja) 電圧変換装置、電圧変換方法、電力供給方法および電力供給の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体
JP2004194476A (ja) 電圧変換装置、異常検出方法、および異常検出をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体
JP2004180421A (ja) モータ駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070515

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070528

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100615

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees