JP3283134B2 - Pwmコンバータ装置 - Google Patents

Pwmコンバータ装置

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JP3283134B2 JP03446794A JP3446794A JP3283134B2 JP 3283134 B2 JP3283134 B2 JP 3283134B2 JP 03446794 A JP03446794 A JP 03446794A JP 3446794 A JP3446794 A JP 3446794A JP 3283134 B2 JP3283134 B2 JP 3283134B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交流電源出力を任意電
圧の直流電圧に変換してインバータ装置に与えるための
PWMコンバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図2には、従来のPWMコンバータ装置
の原理的構成例が示されている。この図2に示されたP
WMコンバータ装置1は、三相交流電源2の出力を昇圧
動作のための三相用のリアクトル3を通じて受けるコン
バータブリッジ回路4を備えており、そのコンバータブ
リッジ回路4による変換出力を平滑コンデンサ5を通じ
て直流母線6、7間に与えるようになっている。上記コ
ンバータブリッジ回路4は、自己消弧能力があるスイッ
チング素子例えばパワートランジスタ4aと整流用ダイ
オード4bとを6個ずつ組み合わせて成るもので、パワ
ートランジスタ4a及び整流用ダイオード4bを互いに
導通方向が逆となるように並列接続すると共に、それら
パワートランジスタ4a及び整流用ダイオード4bの各
対を三相ブリッジ接続して構成されている。
【0003】上記コンバータブリッジ回路4の動作制御
は、基本的には、交流電源2と同位相の電流位相信号
(位相基準信号)と、出力電圧と設定電圧との差分信号
(振幅信号)とを掛算することにより、力率が「1」の
正弦波状電流基準信号をつくり出すと共に、その電流基
準信号と入力電流検出波形とを比較増幅し、その比較増
幅出力と三角波信号との比較に基づいてパワートランジ
スタ4aドライブ用の正弦波PWM信号を決定するとい
う制御により行われる。
【0004】即ち、電圧設定器8からは、出力電圧の基
準を設定するための電圧基準信号S1が出力され、電圧
検出回路9からは、平滑コンデンサ5の端子電圧を示す
直流電圧信号S2が出力されるものであり、誤差アンプ
10は、これらの電圧基準信号S1及び直流電圧信号S
2を比較増幅して差分信号S3を出力する。
【0005】電流位相発生器11は、交流電源2の出力
電流と同位相の電流位相信号S4を出力する。掛算器1
2は、上記電流位相信号S4と前記差分信号S3とを乗
算することにより力率が「1」の正弦波状の電流基準信
号S5を出力する。CTなどより成る電流検出器13
は、コンバータブリッジ回路4の一相分の入力電流を検
出して入力電流検出波形を示す入力電流信号S6を出力
する。誤差アンプ14は、この入力電流信号S6及び前
記電流基準信号S5を比較増幅して誤差信号S7を出力
する。
【0006】比較器15は、上記誤差信号S7と三角波
発生器16からの三角波信号S8と比較することによ
り、正弦波PWM信号S9(誤差信号S7を三角波信号
S8により変調した信号に相当)を出力する。ベースド
ライブ回路17は、PWM信号S9を増幅した信号をコ
ンバータブリッジ回路4内のトランジスタ4aのベース
に与えることにより、各トランジスタ4aを正弦波パル
ス幅変調方式にて駆動する。尚、上記図2においては、
図面の簡略化を図るために、電流位相発生器11、掛算
器12、誤差アンプ14及び比較器15を一相分だけ図
示しているが、これらは実際には三相分設けられるもの
である。
【0007】以上のような構成では、コンバータブリッ
ジ回路4の入力電流は、電流基準信号S5に準じた正弦
波電流になると共に、その力率を「1」にすることがで
きるものであり、コンバータブリッジ回路4の出力電圧
は、交流電源2の出力電圧ピーク値よりも大きい値であ
れば電圧設定器8による設定値に応じた電圧となるよう
に任意に調整できるようになる。また、出力電圧が電圧
設定器8による設定値より大きくなった場合には、電流
基準信号S5の極性が反転するから、コンバータブリッ
ジ回路4内においてパワートランジスタ4aがそれまで
と逆位相でオンするようになって回生動作が行われるも
のであり、このときの回生電流も正弦波状となる。
【0008】以上のように構成されたPWMコンバータ
装置1は、図3に概略的に示すシステムのように、交流
電動機18駆動用のインバータ装置19の電源として接
続されるものであるが、前述したように入力電流及び回
生電流を正弦波状にできると共に入力力率1を「1」に
近付けることができるから、電源系統に高調波障害を及
ぼす虞が少なくなり、また、交流電動機18側からの回
生電流を交流電源2側へ戻すことができて、高効率のシ
ステムを実現できることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成する
場合、電圧設定器8による直流出力電圧の設定可能値
は、コンバータブリッジ回路4の入力電流が力率「1」
となる状態を確保する必要上、交流電源2の出力電圧の
ピーク値よりも高い値に設定する必要がある。このた
め、実際に使用される交流電源2の出力電圧仕様が不明
確な場合には、一般的な仕様電圧より高めの電圧に設定
することが行われている。
【0010】しかし、電圧設定器8により直流出力電圧
の設定可能値を高くした分だけインバータ装置19に与
えられる最高電圧値が上昇することになる。このため、
負荷である交流電動機18が不用意に大きな印加電圧に
よって過励磁状態に陥ったり、交流電動機18の電源端
子に大きなサージ電圧が加わる場合があり、このような
場合には交流電動機18の制御信頼性が低くなるという
問題点が生ずる。
【0011】また、交流電動機18が過負荷状態になる
と、インバータ装置19を通じて交流電動機18に流れ
る負荷電流が増加して、コンバータブリッジ回路4の入
力電流も増加することになるため、そのブリッジ回路4
がオーバーヒートして、装置の運転が停止されてしまう
虞も出てくる。
【0012】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、入力交流電圧の仕様が明確でない場
合においても、出力電圧のレベルを常に最適な状態に保
持して入力電流が力率「1」になるように制御できるな
どの効果を奏するPWMコンバータ装置を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、交流電源出力をリアクトルを通じて受ける
スイッチング素子を含んで構成されたコンバータブリッ
ジ回路を備え、前記スイッチング素子を正弦波パルス幅
変調方式でスイッチングして前記コンバータブリッジ回
路からの直流出力電圧を電圧設定手段による設定電圧に
応じた値となるように制御すると共に、その直流出力電
圧を交流電動機駆動用のインバータ装置に与えるPWM
コンバータ装置において、前記電圧設定手段を、前記交
流電源の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記設定
電圧の下限値を前記電圧検出手段による検出電圧のピー
ク値より高い値となるように調整する設定電圧調整手段
とを含んだ構成としたものである。
【0014】
【作用】本発明によるPWMコンバータ装置において、
コンバータブリッジ回路は、内部のスイッチング素子を
正弦波パルス幅変調方式によりスイッチングすることに
より直流電圧を発生して、交流電動機駆動用のインバー
タ装置に与えるものであり、その直流出力電圧は、電圧
設定手段による設定電圧に応じた値となるように制御さ
れる。上記電圧設定手段においては、電圧検出手段が、
交流電源の出力電圧を検出すると共に、設定電圧調整手
段が、前記設定電圧の下限値を上記のような検出電圧の
ピーク値より高い値となるように調整するようになる。
この結果、コンバータブリッジ回路の出力電圧を常に交
流電源の出力電圧のピーク値より高くできて、その入力
電流を力率「1」になるように制御できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図1を参照
しながら説明する。但し、本実施例の構成上の特徴は、
図2及び図3に示した従来構成における電圧設定器8の
具体的構成にあるから、以下においては、上記図2及び
図3と同一部分については、それらと同一符号を付すこ
とによって詳細な説明を省略する。図1において、電圧
設定器8を含んで構成された電圧設定制御部21(本発
明でいう電圧設定手段に相当)は、交流電源2の相間電
圧を測定する電圧検出手段としての電源電圧測定回路2
2と、インバータ装置19(図3参照)の加速、減速及
び定速の各運転状態を検出するための運転状態検出回路
23と、電流検出器13の出力に基づいてコンバータブ
リッジ回路4の入力電流を測定する入力電流測定回路2
4と、上記電圧設定器8、電源電圧測定回路22、運転
状態検出回路23及び入力電流測定回路24からの出力
に基づいて電圧基準信号S1(本発明でいう設定電圧に
相当)を決定する直流電圧指令決定回路25(本発明で
いう設定電圧調整手段)とにより構成されている。
【0016】上記直流電圧指令決定回路25の動作内容
は以下の通りである。即ち、直流電圧指令決定回路25
は、まず、電源電圧測定回路22による測定電圧のピー
ク値Vmax に対し若干の余裕電圧を加算することによ
り、出力電圧の設定下限値を決定し、電圧設定器8によ
る操作位置に応じて変化する電圧基準信号S1のレベル
が上記の設定下限値以下とならないように制御する。
尚、このように電圧基準信号S1の設定下限値を決定す
るのは、コンバータブリッジ回路4の出力電圧が交流電
源2の出力電圧のピーク値以下になると、そのコンバー
タブリッジ回路4の入力電流を力率「1」に制御できな
くなるからである。
【0017】次に、直流電圧指令決定回路25は、運転
状態検出回路23の検出出力に基づいてインバータ装置
19の運転状態を読取り、交流電動機18の加速または
定速運転中において、入力電流測定回路24による検出
電流が予め設定した上限電流値以上になった場合には、
交流電動機18が過負荷状態にあると判断した場合に
は、コンバータブリッジ回路4がオーバーヒートする虞
が出てくる。そこで、直流電圧指令決定回路25は、三
角波発生器16(図2参照)に対して、その三角波信号
S8の周波数を下げるように指示するための指令信号S
10を出力し、以てコンバータブリッジ回路4のスイッチ
ング周波数を下げる制御を行う。
【0018】要するに、上記した本実施例の構成によれ
ば、コンバータブリッジ回路4の出力電圧を決定する電
圧基準信号S1の設定下限値が、交流電源2の実際の出
力電圧が変化するのに追随して常に最適なレベル(交流
電源2の出力電圧のピーク値Vmax に対し若干の余裕電
圧を加算したレベル)となるように制御されることにな
る。この結果、コンバータブリッジ回路4の出力電圧を
常に交流電源2の出力電圧のピーク値より高くできて、
コンバータブリッジ回路4に流れる入力電流が力率
「1」となり得るようになる。また、交流電源2の出力
電圧仕様が不明確な場合でも、コンバータブリッジ回路
4の出力電圧(つまりインバータ装置19の入力電圧)
が従来構成のように異常に高くなる虞がなくなるから、
交流電動機18が不用意に大きな印加電圧によって過励
磁状態に陥ったり、或いは交流電動機18の電源端子に
大きなサージ電圧が印加される事態を未然に防止でき
て、その交流電動機18の制御信頼性を高め得るように
なる。
【0019】また、交流電動機18の過負荷状態時にお
いて、一定期間その過負荷状態が解消されなかった場合
には、コンバータブリッジ回路4のスイッチング周波数
を下げる制御が行われるから、当該コンバータブリッジ
回路4内のパワートランジスタ4aによるスイッチング
損失が低減するようになって、コンバータブリッジ回路
4のオーバーヒートが抑制されるようになるから、その
コンバータブリッジ回路4が不用意に機能停止されてし
まう虞がなくなる。
【0020】尚、本発明は上記した実施例に限定される
ものではなく、次のような変形または拡開が可能であ
る。コンバータブリッジ回路4のための動作制御手段を
アナログ回路により構成した例を示したが、マイクロコ
ンピュータ或いはディスクリート回路を組み合わせたデ
ジタル回路により構成しても良い。
【0021】電圧設定制御部21を構成する運転状態検
出回路23及び直流電圧指令決定回路25は、その機能
をマイクロコンピュータによるプログラムにより実現す
ることが可能であり、この場合、コンバータブリッジ回
路4及びインバータ装置19の動作制御を行うための構
成が、マイクロコンピュータにより構成されていたとき
には、そのマイクロコンピュータを利用すれば良い。コ
ンバータブリッジ回路4を構成するスイッチング素子と
しては、パワートランジスタに限らず、IGBT、GT
O、パワーFETのような自己消弧能力がある素子を広
く利用することができる。
【0022】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、
発明によれば、入力交流電圧の仕様が不明確な場合にお
いても、出力電圧のレベルを常に最適な状態に保持して
入力電流が力率「1」になるように制御できるものであ
り、交流電動機の制御信頼性を高め得るようになるとい
う有益な効果を奏するものである
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す要部の電気的構成図
【図2】従来例を説明するための図1相当図
【図3】同従来例の使用例を示す電気的構成図
【符号の説明】
図面中、1はPWMコンバータ装置、2は交流電源、3
はリアクトル、4はコンバータブリッジ回路、4aはパ
ワートランジスタ(スイッチング素子)、4bはダイオ
ード、8は電圧設定器、13は電流検出器、18は交流
電動機、19はインバータ装置、21は電圧設定制御部
(電圧設定手段)、22は電源電圧測定回路(電圧検出
手段)、23は運転状態検出回路、24は入力電流測定
回路、25は直流電圧指令決定回路(設定電圧調整手
段)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/219 H02P 7/63

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源出力をリアクトルを通じて受け
    るスイッチング素子を含んで構成されたコンバータブリ
    ッジ回路を備え、前記スイッチング素子を正弦波パルス
    幅変調方式でスイッチングして前記コンバータブリッジ
    回路からの直流出力電圧を電圧設定手段による設定電圧
    に応じた値となるように制御すると共に、その直流出力
    電圧を交流電動機駆動用のインバータ装置に与えるPW
    Mコンバータ装置において、 前記電圧設定手段は、前記交流電源の出力電圧を検出す
    る電圧検出手段と、前記設定電圧の下限値を前記電圧検
    出手段による検出電圧のピーク値より高い値となるよう
    に調整する設定電圧調整手段とを含んで構成されている
    ことを特徴とするPWMコンバータ装置。
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