JP4453027B2 - インバータ装置 - Google Patents
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Description
通常、リアクトル及び昇圧後平滑用コンデンサは、容積が大きい傾向が高いために設置面からの高さも高いことが多く、各相用スイッチングユニット、昇圧用スイッチングユニット、及び昇圧前平滑用コンデンサは、容積が小さい傾向が高いために設置面からの高さも低いことが多い。したがって、この構成によれば、支持プレートのそれぞれの面に配置される回路構成部品の高さを揃えることができる。よって、インバータケースのケース側収納空間及びインバータカバーのカバー側収納空間を小さく抑えることが容易になり、装置全体を小型化することが可能となる。
このように構成すれば、支持プレートに接するように配置される回路構成部品を冷却することができる。
以下に、本発明の第一の実施形態に係るインバータ装置について図面に基づいて説明する。本実施形態においては、本発明を、ハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)のトランスミッションケース70(図8参照)にインバータケース50が取り付けられ、トランスミッションケース70内に配置された駆動及び発電用の2個のモータ・ジェネレータMG1、MG2を動作させるためのインバータ装置に適用する場合を例として説明する。図1は、本実施形態に係るインバータ装置の全体を示すものであって、装置本体10をインバータケース50及びインバータカバー60から外した状態の斜視図である。この図に示すように、本実施形態に係るインバータ装置は、装置本体10と、この装置本体10を収納するためのインバータケース50及びインバータカバー60とを有して構成されている。装置本体10は、2個の3相交流モータ・ジェネレータMG1、MG2(図4参照)を駆動するための電気回路を構成する複数の回路構成部品Pを一つにまとめて配置したものである。図2はこの装置本体10の分解斜視図であり、図3は装置本体10の制御基板CN及びそのブラケット40を外した状態を示す斜視図である。また、図4は装置本体10の概略の回路構成を示すとともに、各スイッチングユニットS1〜S7の機械的な配置構成も示す模式図である。
本実施形態においては、装置本体10の各回路構成部品Pは、図4に示すように、直流電源BTの電圧を昇圧した後に交流に変換して2個のモータ・ジェネレータMG1、MG2の一方又は双方に供給し、又は2個のモータ・ジェネレータMG1、MG2の一方又は双方により発電した交流を直流に変換した後にその電圧を降圧して直流電源BTに供給するための電気回路を構成している。
次に、昇圧用スイッチングユニットS1及び各相用スイッチングユニットS2〜S7の構成及びその配置について説明する。図4に示すように、昇圧用スイッチングユニットS1は、一方端が直流電源BTの正極側に接続されたリアクトルLの他方端に接続され、リアクトルLに流れる電流のスイッチングを行うためのユニットである。また、各相用スイッチングユニットS2〜S7は、第一モータ・ジェネレータMG1のU相、V相、W相のそれぞれの相電流を生成するための第一U相用スイッチングユニットS2、第一V相用スイッチングユニットS3、及び第一W相用スイッチングユニットS4と、第二モータ・ジェネレータMG2のU相、V相、W相のそれぞれの相電流を生成するための第二U相用スイッチングユニットS5、第二V相用スイッチングユニットS6、及び第二W相用スイッチングユニットS7とから構成される。
次に、装置本体10のその他の回路構成部品Pの構成及びその配置について説明する。図2及び図3に示すように、昇圧前平滑用コンデンサC1は、各スイッチングユニットS1〜S7の平面形状の長辺と略同一長さの長辺を有するとともに各スイッチングユニットS1〜S7の平面形状の短辺よりも長い短辺を有する長方形を平面形状とし、各スイッチングユニットS1〜S7よりも僅かに高い高さを有する立方体形状に形成されている。この昇圧前平滑用コンデンサC1は、昇圧用スイッチングユニットS1の第一U相用スイッチングユニットS2とは反対側に隣接して、昇圧前平滑用コンデンサC1の長辺が各スイッチングユニットS1〜S7の長辺と平行になる向きで配置されている。すなわち、昇圧前平滑用コンデンサC1は、各スイッチングユニットS1〜S7の正極端子Tp1〜Tp7と負極端子Tn1〜Tn7とを結ぶ方向に対して直交する方向に、各スイッチングユニットS1〜S7と並べて配置されている。また、昇圧前平滑用コンデンサC1は、正極側入力端子C1a、負極側入力端子C1b、正極側出力端子C1c、及び負極側出力端子C1dを有している。そして、正極側入力端子C1aと正極側出力端子C1c、及び負極側入力端子C1bと負極側出力端子C1dは、それぞれ内部で電気的に接続されており、これらの間にコンデンサが接続されている。
図2に示すように、バスバー30は、正極主バスバー31(正極バスバー)、負極主バスバー32(負極バスバー)、正極入力バスバー33a、負極入力バスバー33b、第一垂直バスバー34a、第二垂直バスバー34b、第三垂直バスバー35a、第四垂直バスバー35b、連結バスバー36、及び6本の出力バスバー37を有して構成されている。
図6は、冷却プレート20の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図である。この図に示すように、冷却プレート20は、内部に冷却液の流路となる冷却流路21を有する平板状に形成されている。冷却流路21は、冷却プレート20の両面に配置される回路構成部品Pを効率的に冷却できるように、後述するバスバー挿通孔22を回避しつつ、冷却プレート20の回路構成部品Pが配置される領域の略全体に配されている。ここでは、冷却流路21は、略U字状に循環する流路を形成している。また、冷却流路21は、その流路の両端部に、後述するインバータケース50に設けられた接続用流路53(図7参照)の端部に接続され、この接続用流路53を介してインバータケース50の冷却液室52(図1参照)と連通する流路開口部21aを有している。後述するように、冷却プレート20は、第一面20Aがインバータケース50に対向して支持されるので、流路開口部21aは、第一面20Aに設けられている。そして、冷却プレート20の第一面20A又は第二面20Bに当接するように、上記各回路構成部品Pが配置されている。これにより、各回路構成部品Pは、冷却流路21内を流れる冷却液との間で熱交換して冷却される。なお、本実施形態に係る回路構成部品Pの中で、最も発熱量が大きいのは昇圧用スイッチングユニットS1及び各相用スイッチングユニットS2〜S7であり、次に発熱量が大きいのはリアクトルLである。昇圧前平滑用コンデンサC1及び昇圧後平滑用コンデンサC2はほとんど発熱しないが、熱に弱いので同様に冷却される。
制御基板CNは、昇圧用スイッチングユニットS1及び各相用スイッチングユニットS2〜S7の動作制御を行う。本実施形態においては、制御基板CNは、ブラケット40を介して、各スイッチングユニットS1〜S7及び昇圧前平滑用コンデンサC1における、冷却プレート20とは反対側(図1〜3における上側)に支持されている。この制御基板CNには、各スイッチングユニットS1〜S7の上面S1a〜S7a上に突出して設けられた複数の制御入力端子Tcの先端部が接続されている。これらの制御入力端子Tcを挿通するために、ブラケット40における各制御入力端子Tcに対応する位置には端子挿通孔41が形成されている。制御基板CNは、この制御入力端子Tcを介して各スイッチングユニットS1〜S7内のスイッチング素子Qa2〜Qa7及びQb2〜Qb7に制御信号(バイアス)を出力し、スイッチング素子Qa2〜Qa7及びQb2〜Qb7の動作制御を行う。
次に、装置本体10を収納するためのインバータケース50及びインバータカバー60について説明する。図7は、インバータケース50及びインバータカバー60による装置本体10の収納状態を示す図である。この図7及び図8は、図1〜3とは上下関係が逆に描かれている。
上記のとおり、インバータケース50の接続開口空間57内に6本の出力バスバー37の先端部近傍が配置されている。また、図8に示すように、この接続開口空間57内には、モータ・ジェネレータMG1、MG2の各相にそれぞれ電気的に接続された6本のモータ接続端子77が、ミッションケース70側から延設されて配置されている。そして、モータ接続端子77の先端部に、各出力バスバー37の先端部がボルト73により接続されている。一方、補助カバー62は、冷却プレート20の第一連通開口部24の一方側(第二面20B側)を覆うことにより、6本の出力バスバー37の先端部近傍が配置されたインバータケース50の接続開口空間57の一方側を覆うように設けられている。したがって、各出力バスバー37の先端部と6本のモータ接続端子77との接続部は、補助カバー62を冷却プレート20から分離した状態で、その接続を分離可能に露出するように設けられている。すなわち、図9に示すように、補助カバー62を取り外した状態では、接続開口空間57の内部にあるボルト73は、冷却プレート20の一方側(第二面20B側)から工具を挿入可能な状態で露出する。よって、冷却プレート20の第一連通開口部24の一方側(第二面20B側)から、工具を挿入してボルト73を外すことにより、容易に出力バスバー37とモータ接続端子77との接続を外すことができる。これにより、インバータ装置は、ミッションケース70に対して、インバータケース50の外周側のボルト72により締結されているのみとなる。
次に、本発明の第二の実施形態に係るインバータ装置について説明する。図10は、本発明の実施形態に係るインバータ装置の縦断面図である。本実施形態に係るインバータ装置においては、支持部材(支持プレート)として、冷却機能を有しない単なる板状体である中間プレート26を用いている点、及び中間プレート26のインバータケース50側の第一面26A(他方側面、図10における上面)に接して回路構成部品Pが配置されていない点で上記第一の実施形態と大きく異なる。また、インバータケース50の隔壁54の冷却液室52側には、冷却液の流路54aが設けられており、隔壁54が冷却される構造となっている。そして、この隔壁54のケース側収納空間51側の面に回路構成部品Pが接するように配置されている。この点においても上記第一の実施形態と異なる。
(1)上記第一の実施形態においては、各スイッチングユニットS1〜S7がそれぞれ物理的に独立して形成されている場合について説明した。しかし、本発明におけるスイッチングユニットは、各ユニットが物理的に独立したものに限定されない。したがって、例えば、全てのスイッチングユニットS1〜S7が樹脂成形等により一体的に形成し、或いは各モータ・ジェネレータMG1、MG2に対応する3個等の複数のスイッチングユニットを一組として樹脂成形等により一体的に形成することも、好適な実施形態の一つである。
20:冷却プレート(支持プレート)
20A:第一面(他方側面)
20B:第二面(一方側面)
21:冷却流路
21a:流路開口部
24:第一連通開口部(連通開口部)
26:中間プレート(支持プレート)
30:バスバー
31:正極主バスバー(正極バスバー)
31a:正極主バスバーの本体部
31c:正極主バスバーの枝部
32:負極主バスバー(負極バスバー)
32a:負極主バスバーの本体部
32c:負極主バスバーの枝部
37:出力バスバー(接続端子)
50:インバータケース
50A:一方側端面(プレート支持部)
51:ケース側収納空間
52:冷却液室
53:接続用流路
54:隔壁
58:フランジ部(取付部)
60:インバータカバー
61:カバー本体
61a:カバー側収納空間
62:補助カバー
70:トランスミッションケース(本体ケース)
77:モータ接続端子(接続端子)
MG1、MG2:モータ・ジェネレータ(電力供給対象)
P:回路構成部品
L:リアクトル
C1:昇圧前平滑用コンデンサ
C2:昇圧後平滑用コンデンサ
S1:昇圧用スイッチングユニット
S2〜S7:各相用スイッチングユニット
S1a〜S7a:上面(一側面)
Qa1〜Qa7、Qb1〜Qb7:スイッチング素子
Tp1〜Tp7:正極端子
Tn1〜Tn7:負極端子
Ti:入力端子
To2〜To7:出力端子
Claims (7)
- 一方側に開口部を有するケース側収納空間が形成されたインバータケースと、
前記ケース側収納空間の開口部の周囲の前記インバータケースの一方側端面に支持される支持プレートと、
他方側に開口部を有するカバー側収納空間が形成され、前記支持プレートの一方側面に載置されるインバータカバーと、を備え、
インバータ回路を構成するための複数の回路構成部品の一部を前記支持プレートの一方側面に取り付けて前記カバー側収納空間内に配置するともに、前記回路構成部品の他の一部を前記支持プレートの他方側面を含む前記ケース側収納空間内に配置し、
前記回路構成部品として、昇圧用のリアクトル、前記リアクトルによる昇圧後の電圧を平滑化する昇圧後平滑用コンデンサ、モータ・ジェネレータの各相の相電流を生成するための各相用スイッチングユニット、前記リアクトルに接続される昇圧用スイッチングユニット、及び前記リアクトルによる昇圧前の電圧を平滑化する昇圧前平滑用コンデンサを有し、
前記各相用スイッチングユニット又は前記昇圧用スイッチングユニットとしての複数のスイッチングユニットは、それぞれがほぼ同じ外形を有するとともに長方形を平面形状とする立方体形状に形成され、その平面形状の短辺方向に一列に並べて配置され、
前記昇圧前平滑用コンデンサは、前記各スイッチングユニットの平面形状の長辺と略同一長さの長辺を有するとともに前記各スイッチングユニットの平面形状の短辺よりも長い短辺を有する長方形を平面形状とする立方体形状に形成され、その長辺が前記各スイッチングユニットの長辺に平行になる向きであって、前記複数のスイッチングユニットの全体に対して隣接して配置され、
前記リアクトルは、前記昇圧前平滑用コンデンサの平面形状と略同一の平面形状を有するとともに、前記各スイッチングユニット及び前記昇圧前平滑用コンデンサよりも高い高さを有する立方体形状に形成され、前記昇圧前平滑用コンデンサに対して前記支持プレートを挿んだ反対側に配置され、
前記昇圧後平滑用コンデンサは、前記複数のスイッチングユニットの全体の平面形状と略同一の平面形状を有するとともに、前記リアクトルと略同一の高さを有する立方体形状に形成され、前記複数のスイッチングユニットの全体に対して前記支持プレートを挿んだ反対側であって、前記リアクトルに隣接する位置に配置されているインバータ装置。 - 前記支持プレートの外周形状が、前記インバータケースの前記一方側端面の外周形状と略同一形状に形成されている請求項1に記載のインバータ装置。
- 前記支持プレートが、内部に冷却液の流路を有する冷却プレートである請求項1又は2に記載のインバータ装置。
- 前記インバータケースは、前記ケース側収納空間を介して前記冷却プレートに平行に設けられた隔壁により前記ケース側収納空間と隔てられ、冷却液が流れる冷却液室を有し、
前記冷却プレートは、前記冷却液の流路の両端部近傍に、それぞれ接続用流路を介して前記冷却液室と連通する流路開口部を備える請求項3に記載のインバータ装置。 - 前記回路構成部品とその電力供給対象との接続端子は、前記インバータカバーの少なくとも一部を前記支持プレートから分離した状態で、その接続を分離可能に露出するように設けられ、
前記インバータケースは、前記電力供給対象が収納される本体ケースに一体的に固定され、前記支持プレートを支持した状態で、前記本体ケースから分離可能に形成されている請求項1から4の何れか一項に記載のインバータ装置。 - 前記インバータカバーは、前記接続端子の近傍を覆う補助カバーを、カバー本体に対して分離可能に備え、
前記インバータケースは、前記本体ケースに取り付けるための取付部をケース外周側に有している請求項5に記載のインバータ装置。 - 前記接続端子が前記ケース側収納空間内に配置され、前記支持プレートは、前記接続端子の近傍に前記カバー側収納空間と連通して開口する連通開口部を有し、前記補助カバーは、前記連通開口部の近傍を覆うように設けられている請求項6に記載のインバータ装置。
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