JP6044766B2 - インバータ装置 - Google Patents
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こうしたモータ駆動用として用いられるインバータ装置は、箱形のケース内に、スイッチング素子を有してなるインバータモジュール、直流を平滑化するコンデンサモジュールを収めて構成される。
ところが、従来のようなインバータ装置、すなわち胴部内に、インバータモジュール、コンデンサモジュールを重ねて配置するインバータ装置は、胴部の内部で、インバータモジュールとコンデンサモジュールとを接続する作業を行う構造となっている。この接続作業は、作業者が工具を用いて、胴部端の開口から、接続ケーブルを両機器間に接続する作業で行われるが、胴部内で、同作業を円滑に進めるには、インバータモジュール、コンデンサモジュールの側部と、胴部の内面との間に、作業者が十分に作業し得る作業スペースを確保することが求められる。
請求項3に記載の発明は、第1ケースを構成する面のうち第2ケースから最も離間した一面にインバータモジュールを据付け、このインバータモジュールに重なるようにコンデンサモジュールを据付けるものとした。
請求項2の発明によれば、第1ケースに据付けた電気機器モジュールの積層方向に沿った側面を第1ケースから更に露出させることができるので、第1ケースに据付けたインバータモジュールとコンデンサモジュールとの間を接続する作業がより容易になる。
図1は、例えば電気自動車においてモータ駆動用として用いられるインバータ装置の全体を示していて、図2は同インバータ装置を上下に分離したときを示し、図3は同インバータ装置の主要部を分解したときを示している。図1中のFはインバータ装置の前方向を示し、同じくRはインバータ装置の後方向を示している。
コンデンサモジュール5は、例えば角形のフレーム板6a上に、直流を平滑にするコンデンサ要素6bや基板6cを搭載して構成される平板形のユニットである。同ユニット上部の幅方向両側部には、複数の制御用端子部5aが設けられ、同ユニット下部の前部には、複数の通電用端子部5bが設けてある。
本実施形態のインバータ装置は、分割式、例えば上下に分割した箱形のケース1を用いて、ケース1内にIGPTモジュール3、コンデンサモジュール5、端子台モジュール7を積層して収めた構造が用いられている。具体的には、各電気機器モジュールは、上下に重なり合うようにケース1内に収めてある。このインバータ装置に、ケース1の分割の仕方や、各モジュール3〜7の取り付け方の工夫が施され、インバータ装置の電気機器モジュールの接続作業の容易化やインバータ装置のコンパクト化に結びつけている。
このうち下ケース1aは、角形の底壁19a、同底壁19aを取り囲むように配置された周側壁19bを有して形成され、上方が開口している。また底壁19aの各コーナー部には、脚部21が設けてある。この下ケース1a内にIGBTモジュール3、コンデンサモジュール5が重なるように据付けられている。具体的には、図2に示されるように下ケース1aを構成する面のうち上ケース1bから最も離間した一面である底面(最下部)に、IGBTモジュール3は、ヒートシンク9を下にして載せてあり、ボルト10で固定してある。このIGBTモジュール3に重なるようにコンデンサモジュール5が据え付けてある。具体的には、IGBTモジュール3の上側(直上)にコンデンサモジュール5が配置される。そして、コンデンサモジュール5のフレーム板6aの各部を、下ケース1aの底面の四隅から突き出た各ボス23にボルト24で固定させている。
インバータ装置の組み立てについて説明すると、図2および図4(a)に示されるように分離された下ケース1aには、底面にIGBTモジュール3、コンデンサモジュール5を重なるように据付けておく。また残る上ケース1bには、周壁部31aのボス37に、端子台モジュール7を据付けておく。ここでは、周壁部31aの上部の開口は、開放したままである。
このように上ケース1bと下ケース1aのそれぞれの厚さ寸法をケース1内に積層して収める全ての電気機器モジュールの厚さ寸法よりも薄くし、上ケース1bと下ケース1aの分割位置αを下ケース1aに据付けた電気機器モジュール(本実施形態では、IGBTモジュール3、コンデンサモジュール5)の積層方向に沿った側面に対向する位置に設定にすることによって、下ケース1aに据付けた電気機器モジュール(本実施形態では、コンデンサモジュール5、IGBTモジュール3)の積層方向に沿った側面の少なくとも一部分は、下ケース1aと上ケース1bとが分離した状態において下ケース1aから露出させることができるので、下ケース1aに据付けたIGBTモジュール3の制御用端子部3aとコンデンサモジュール5の制御用端子部5aとを接続する作業は、下ケース1aから露出した電気機器モジュールの積層方向に沿った側面付近の外部空間を、そのまま作業用スペースとして用いて行えばよい。このため、従来、ケースの大型化を招いていたケース内部の作業スペース、すなわちIGBTモジュール、コンデンサモジュールの積層方向に沿った側面とケースの内面との間で確保されていた作業スペースは不要となる。
そのうえ、ケース1内に端子台モジュール7を配置する場合、端子台モジュール7を上ケース1bに据付けたことで、下ケース1aには、下ケース1aの大型化をきたす要因となる、端子台モジュール7を据付けるためのボスなどが全く不要となるため、ケース1内に端子台モジュール7を配置することがあっても、インバータ装置の小型化を損なわずにすむ。
1a 下ケース(第1ケース)
1b 上ケース(第2ケース)
3 IGBTモジュール(インバータモジュール)
5 コンデンサモジュール
7 端子台モジュール
α ケースの分割位置
Claims (4)
- 分割された第1ケースと第2ケースとを組み合わせてなるケース内に、スイッチング素子を有して構成されるインバータモジュールと、平滑用のコンデンサモジュールとを含む複数の電気機器モジュールを積層して収めて構成されるインバータ装置であって、
前記ケース内に積層して収められる電気機器モジュールは、更に端子台モジュールを含み、
前記インバータモジュールおよび前記コンデンサモジュールは、重なるように前記第1ケースに据付けられ、
前記端子台モジュールは、前記第2ケースに据付けられ、
前記第1ケースと前記第2ケースのそれぞれの厚さは、前記ケース内に積層した全ての電気機器モジュールの厚さよりも薄く、前記第1ケースと前記第2ケースとの分割位置は、前記第1ケースに据付けた電気機器モジュールの積層方向に沿った側面に対向した位置に設定される
ことを特徴とするインバータ装置。 - 前記第1ケースと前記第2ケースとの分割位置は、前記第1ケースの厚さ寸法が、前記第2ケースよりも薄いことを特徴とする請求項1に記載のインバータ装置。
- 前記第1ケースには、前記第1ケースを構成する面のうち前記第2ケースから最も離間した面に前記インバータモジュールが据付けられ、当該インバータモジュールに重なるように前記コンデンサモジュールが据付けてあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインバータ装置。
- 前記第2ケースは、枠形の周側壁とこの周側壁の開口を塞ぐカバーとを有して構成され、
前記端子台モジュールは、前記第2ケースの前記周側壁に取り付けられ、
前記第2ケースの開口から、前記端子台モジュールと前記コンデンサモジュールとを接続する作業を可能にしてなる
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載のインバータ装置。
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