JP2004194476A - 電圧変換装置、異常検出方法、および異常検出をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】リアクトルのインダクタンスの異常を検出可能な電圧変換装置を提供する。
【解決手段】温度センサー11は、NPNトランジスタQ1,Q2の温度Tswを検出し、その検出した温度Tswを制御装置30へ出力する。制御装置30は、外部ECUから受けたトルク指令値TRに応じて、NPNトランジスタQ1,Q2の素子温度を推定し、推定素子温度Tsw_esを演算する。そして、制御装置30は、温度Tswと推定素子温度Tsw_esとの温度差ΔTswが基準値を超えたとき、リアクトルL1のインダクタンスが異常であると判定する。
【選択図】 図1
【解決手段】温度センサー11は、NPNトランジスタQ1,Q2の温度Tswを検出し、その検出した温度Tswを制御装置30へ出力する。制御装置30は、外部ECUから受けたトルク指令値TRに応じて、NPNトランジスタQ1,Q2の素子温度を推定し、推定素子温度Tsw_esを演算する。そして、制御装置30は、温度Tswと推定素子温度Tsw_esとの温度差ΔTswが基準値を超えたとき、リアクトルL1のインダクタンスが異常であると判定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、リアクトルのインダクタンスの異常を検出可能な電圧変換装置、インダクタンスの異常を検出する異常検出方法、およびインダクタンスの異常検出をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境に配慮した自動車としてハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が大きな注目を集めている。そして、ハイブリッド自動車は、一部、実用化されている。
【0003】
このハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。また、電気自動車は、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。
【0004】
このようなハイブリッド自動車または電気自動車は、たとえば、図7に示すようなモータ駆動装置300を搭載することが提案されている(特開平8−214592号公報)。図7を参照して、モータ駆動装置300は、直流電源Bと、システムリレーSRと、昇圧コンバータ310と、コンデンサ320と、インバータ330とを備える。
【0005】
昇圧コンバータ310は、リアクトル311と、NPNトランジスタ312,313と、ダイオード314,315とを含む。
【0006】
NPNトランジスタ312,313は、インバータ330の電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。NPNトランジスタ312は、コレクタが電源ラインに接続され、エミッタがNPNトランジスタ313のコレクタに接続される。NPNトランジスタ313のエミッタは、アースラインに接続される。
【0007】
ダイオード314,315は、NPNトランジスタのエミッタ側からコレクタ側へ電流が流れるようにそれぞれNPNトランジスタ312,313に並列に接続される。
【0008】
リアクトル311は、その一方端が直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端がNPNトランジスタ312とNPNトランジスタ313との中間点に接続される。
【0009】
直流電源Bは、直流電圧を出力する。システムリレーSRは、制御装置(図示せず)からの制御信号によってオンされると、直流電源Bから出力された直流電圧を昇圧コンバータ310へ供給する。昇圧コンバータ310は、制御装置(図示せず)からの制御信号によってNPNトランジスタ312,313がオン/オフされ、直流電源Bから供給された直流電圧を昇圧して出力電圧をコンデンサ320に供給する。また、昇圧コンバータ310は、モータ駆動装置300が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1によって発電され、インバータ330によって変換された直流電圧を降圧して直流電源Bへ供給する。
【0010】
コンデンサ320は、昇圧コンバータ310から供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ330へ供給する。
【0011】
インバータ330は、コンデンサ320から直流電圧が供給されると制御装置(図示せず)からの制御信号によって直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ330は、モータ駆動装置300が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置からの制御信号によって直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサ320を介して昇圧コンバータ310へ供給する。
【0012】
このように、モータ駆動装置300は、直流電源Bから出力された直流電圧を昇圧して交流モータM1を駆動するとともに、交流モータM1が発電した電力により直流電源Bを充電する。
【0013】
【特許文献1】
特開平8−214592号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のモータ駆動装置においては、昇圧コンバータに含まれているリアクトルのインダクタンスの異常を検知できないという問題がある。
【0015】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、リアクトルのインダクタンスの異常を検出可能な電圧変換装置を提供することである。
【0016】
また、この発明の別の目的は、リアクトルのインダクタンスの異常を検出する異常検出方法を提供することである。
【0017】
さらに、この発明の別の目的は、リアクトルのインダクタンスの異常検出をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明によれば、電圧変換装置は、リアクトルと、スイッチング素子と、インダクタンス異常検出手段とを備える。スイッチング素子は、リアクトルに蓄積された電力を開放するスイッチング制御を行なう。インダクタンス異常検出手段は、スイッチング素子の素子温度に基づいてリアクトルのインダクタンスの異常を検出する。
【0019】
好ましくは、インダクタンス異常検出手段は、温度センサーと、判定手段とを含む。温度センサーは、スイッチング素子の素子温度を検出する。判定手段は、温度センサーから受けたスイッチング素子の素子温度とスイッチング素子の推定素子温度との温度差を演算し、その演算した温度差が基準値を超えたとき、インダクタンスが異常であると判定する。
【0020】
好ましくは、推定素子温度は、負荷に応じて推定されたスイッチング素子の素子温度である。
【0021】
好ましくは、電圧変換装置は、制限手段をさらに備える。制限手段は、インダクタンス異常検出手段がインダクタンスの異常を検出したとき、リアクトルに供給される直流電流を制限する。
【0022】
好ましくは、インダクタンス異常検出手段は、さらに、スイッチング素子の素子温度が上限値以上であるか否かを判定する。そして、制限手段は、スイッチング素子の素子温度が上限値以上であるとき、リアクトルへの直流電流の供給を遮断する。
【0023】
好ましくは、リアクトルおよびスイッチング素子は、電気負荷への入力電圧を直流電源から出力される直流電圧に対して任意に変更する。
【0024】
好ましくは、リアクトルおよびスイッチング素子は、直流電源への入力電圧を電気負荷から供給される直流電圧に対して任意に変更する。
【0025】
好ましくは、リアクトルおよびスイッチング素子は、電気負荷への入力電圧を直流電源から出力される直流電圧に対して任意に変更し、および直流電源への入力電圧を電気負荷から供給される直流電圧に対して任意に変更する。
【0026】
好ましくは、電圧変換装置は、電源と、モータと、インバータとをさらに備える。電源は、リアクトルに直流電圧を供給する。モータは、車両の駆動輪を駆動する。インバータは、スイッチング素子がスイッチング制御を行なうことによってリアクトルから開放された電力を受けてモータを駆動する。
【0027】
好ましくは、モータは、エンジンの出力軸に対して補助的に駆動トルクを出力する。
【0028】
また、この発明によれば、異常検出方法は、リアクトルのインダクタンスの異常を検出する異常検出方法であって、リアクトルに蓄積された電力を開放するスイッチング制御を行なうスイッチング素子の素子温度を検出する第1のステップと、スイッチング素子の素子温度を推定し、スイッチング素子の推定素子温度を検出する第2のステップと、第1のステップで検出されたスイッチング素子の素子温度と第2のステップで検出された推定素子温度との温度差を演算する第3のステップと、前記第3のステップにおいて演算された温度差に基づいて、インダクタンスの異常を検出する第4のステップとを含む。
【0029】
好ましくは、第4のステップは、温度差が基準値よりも大きいか否かを判定する第1のサブステップと、第1のサブステップにおいて、温度差が基準値よりも大きいと判定されたとき、インダクタンスが異常であると判定する第2のサブステップとを含む。
【0030】
好ましくは、第3のステップにおいて、推定素子温度は、負荷に応じて推定される。
【0031】
さらに、この発明によれば、リアクトルのインダクタンスの異常検出をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体は、リアクトルに蓄積された電力を開放するスイッチング制御を行なうスイッチング素子の素子温度を検出する第1のステップと、スイッチング素子の素子温度を推定し、スイッチング素子の推定素子温度を検出する第2のステップと、第1のステップで検出された素子温度と第2のステップで検出された推定素子温度との温度差を演算する第3のステップと、演算された温度差に基づいて、インダクタンスの異常を検出する第4のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0032】
好ましくは、第4のステップは、温度差が基準値よりも大きいか否かを判定する第1のサブステップと、第1のサブステップにおいて、温度差が基準値よりも大きいと判定されたとき、インダクタンスが異常であると判定する第2のサブステップとを含む。
【0033】
好ましくは、第3のステップにおいて、推定素子温度は、負荷に応じて推定される。
【0034】
この発明においては、リアクトルに蓄積された電力を開放するスイッチング制御を行なうスイッチング素子の素子温度が検出され、その検出された素子温度に基づいてリアクトルのインダクタンスの異常が検出される。
【0035】
したがって、この発明によれば、簡単な構成によってインダクタンスの異常を検出できる。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0037】
図1を参照して、この発明の実施の形態による電圧変換装置を備えるモータ駆動装置100は、直流電源Bと、電圧センサー10,13と、温度センサー11と、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、昇圧コンバータ12と、インバータ14と、電流センサー24と、制御装置30とを備える。
【0038】
交流モータM1は、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。あるいは、交流モータM1は、ハイブリッド自動車の場合にはエンジンの出力軸に対して補助的に駆動トルクを発生するための駆動モータであってもよい。あるいは、このモータはエンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。
【0039】
昇圧コンバータ12は、リアクトルL1と、NPNトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。NPNトランジスタQ1,Q2は、インバータ14の電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。NPNトランジスタQ1は、コレクタが電源ラインに接続され、エミッタがNPNトランジスタQ2のコレクタに接続される。また、NPNトランジスタQ2のエミッタは、アースラインに接続される。
【0040】
各NPNトランジスタQ1,Q2のエミッタ−コレクタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流が流れるように、それぞれ、ダイオードD1,D2が接続されている。
【0041】
リアクトルL1は、一方端が直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端がNPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2との中間点、すなわち、NPNトランジスタQ1のエミッタとNPNトランジスタQ2のコレクタとの間に接続される。
【0042】
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とから成る。U相アーム15、V相アーム16、およびW相アーム17は、インバータ14の電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
【0043】
U相アーム15は、直列接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、V相アーム16は、直列接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成り、W相アーム17は、直列接続されたNPNトランジスタQ7,Q8から成る。また、各NPNトランジスタQ3〜Q8のエミッタ−コレクタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
【0044】
各相アームの中間点は、交流モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、交流モータM1は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
【0045】
直流電源Bは、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池から成る。そして、直流電源Bは、制御装置30からの信号DECに応じて、昇圧コンバータ12へ供給する直流電流を制限する。電圧センサー10は、直流電源Bから出力される直流電圧Vbを検出し、その検出した直流電圧Vbを制御装置30へ出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによりオン/オフされる。より具体的には、システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からのH(論理ハイ)レベルの信号SEによりオンされ、制御装置30からのL(論理ロー)レベルの信号SEによりオフされる。また、システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号STPによりオフされる。
【0046】
コンデンサC1は、直流電源Bから供給された直流電圧Vbを平滑化し、その平滑化した直流電圧を昇圧コンバータ12へ供給する。
【0047】
昇圧コンバータ12は、コンデンサC1から供給された直流電圧を昇圧してコンデンサC2へ供給する。より具体的には、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWMUを受けると、信号PWMUによってNPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じて直流電圧を昇圧してコンデンサC2に供給する。この場合、NPNトランジスタQ1は、信号PWMUによってオフされている。
【0048】
また、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWMDを受けると、コンデンサC2を介してインバータ14から供給された直流電圧を降圧して直流電源Bを充電する。
【0049】
温度センサー11は、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2の温度Tswを検出し、その検出した温度Tswを制御装置30へ出力する。
【0050】
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14へ供給する。
【0051】
電圧センサー13は、コンデンサC2の両端の電圧Vm、すなわち、昇圧コンバータ12の出力電圧(インバータ14の入力電圧に相当する。)を検出し、その検出した電圧Vmを制御装置30へ出力する。
【0052】
インバータ14は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置30からの信号PWMIに基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ14は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMCに基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車または電気自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
【0053】
電流センサー24は、交流モータM1に流れるモータ電流MCRTを検出し、その検出したモータ電流MCRTを制御装置30へ出力する。
【0054】
制御装置30は、外部に設けられたECU(Electrical Control Unit)から入力されたトルク指令値TRおよびモータ回転数MRN、電圧センサー10からの直流電圧Vb、電圧センサー13からの出力電圧Vm、および電流センサー24からのモータ電流MCRTに基づいて、後述する方法により昇圧コンバータ12を駆動するための信号PWMUとインバータ14を駆動するための信号PWMIとを生成し、その生成した信号PWMUおよび信号PWMIをそれぞれ昇圧コンバータ12およびインバータ14へ出力する。
【0055】
信号PWMUは、直流電源Bからの直流電圧Vbを出力電圧Vmに変換する場合に昇圧コンバータ12を駆動するための信号である。そして、制御装置30は、昇圧コンバータ12が直流電圧Vbを出力電圧Vmに変換する場合に、出力電圧Vmをフィードバック制御し、出力電圧Vmが指令された電圧指令Vdccomになるように昇圧コンバータ12を駆動するための信号PWMUを生成する。信号PWMUの生成方法については後述する。
【0056】
また、制御装置30は、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、交流モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMCを生成してインバータ14へ出力する。この場合、インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8は、信号PWMCによってスイッチング制御される。これにより、インバータ14は、交流モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12へ供給する。
【0057】
さらに、制御装置30は、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するための信号PWMDを生成し、その生成した信号PWMDを昇圧コンバータ12へ出力する。これにより、交流モータM1が発電した交流電圧は、直流電圧に変換され、降圧されて直流電源Bに供給される。
【0058】
さらに、制御装置30は、温度センサー11からの温度Tswを上限値Tupと比較し、温度Tswが上限値Tup以上であるとき、直流電源Bから昇圧コンバータ12への直流電圧Vbの供給を停止するための信号STPを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。温度Tswが上限値Tupよりも低い場合、制御装置30は、外部ECUから受けたトルク指令値TRに応じて、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2の温度を推定し、推定素子温度Tsw_esを演算する。そして、制御装置30は、推定素子温度Tsw_esと温度センサー11からの温度Tswとの温度差ΔTswを演算し、その演算した温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるか否かを判定する。そして、温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるとき、制御装置30は、直流電源Bから昇圧コンバータ12へ供給される直流電流を制限するための信号DECを生成して直流電源Bへ出力する。
【0059】
さらに、制御装置30は、システムリレーSR1,SR2をオン/オフするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
【0060】
図2は、制御装置30の機能ブロック図である。図2を参照して、制御装置30は、モータトルク制御手段301と、電圧変換制御手段302と、異常検出手段303とを含む。
【0061】
モータトルク制御手段301は、トルク指令値TR(車両におけるアクセルペダルの踏み込み度合い、ハイブリッド車両においてはエンジンの動作状態をも考慮しながらモータに与えるべきトルク指令を演算して得られている)、直流電源Bから出力された直流電圧Vb、モータ電流MCRT、モータ回転数MRNおよび出力電圧Vmに基づいて、交流モータM1の駆動時、後述する方法により昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMUと、インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフするための信号PWMIとを生成し、その生成した信号PWMUおよび信号PWMIをそれぞれ昇圧コンバータ12およびインバータ14へ出力する。
【0062】
電圧変換制御手段302は、回生制動時、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMCを生成してインバータ14へ出力する。
【0063】
また、電圧変換制御手段302は、回生制動時、信号RGEを外部ECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するための信号PWMDを生成し、その生成した信号PWMDを昇圧コンバータ12へ出力する。このように、昇圧コンバータ12は、直流電圧を降圧するための信号PWMDにより電圧を降圧させることもできるので、双方向コンバータの機能を有するものである。
【0064】
異常検出手段303は、温度センサー11から温度Tswを受ける。そして、異常検出手段303は、温度Tswが上限値Tup以上であるか否かを判定し、温度Tswが上限値Tup以上であるとき、信号STPを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。温度Tswが上限値Tupよりも低い場合、異常検出手段303は、外部ECUから受けたトルク指令値TRに応じて昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2の温度を推定し、推定素子温度Tsw_esを演算する。そして、異常検出手段303は、推定素子温度Tsw_esと温度Tswとの温度差ΔTswを演算し、温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるか否かを判定する。異常検出手段303は、温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるとき、信号DECを生成して直流電源Bへ出力する。
【0065】
図3は、モータトルク制御手段301の機能ブロック図である。図3を参照して、モータトルク制御手段301は、モータ制御用相電圧演算部40と、インバータ用PWM信号変換部42と、インバータ入力電圧指令演算部50と、コンバータ用デューティー比演算部52と、コンバータ用PWM信号変換部54とを含む。
【0066】
モータ制御用相電圧演算部40は、昇圧コンバータ12の出力電圧Vm、すなわち、インバータ14への入力電圧を電圧センサー13から受け、交流モータM1の各相に流れるモータ電流MCRTを電流センサー24から受け、トルク指令値TRを外部ECUから受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部40は、これらの入力される信号に基づいて、交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果をインバータ用PWM信号変換部42へ供給する。
【0067】
インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から受けた計算結果に基づいて、実際にインバータ14の各NPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフするための信号PWMIを生成し、その生成した信号PWMIをインバータ14の各NPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0068】
これにより、各NPNトランジスタQ3〜Q8は、スイッチング制御され、交流モータM1が指令されたトルクを出力するように交流モータM1の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TRに応じたモータトルクが出力される。
【0069】
一方、インバータ入力電圧指令演算部50は、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてインバータ入力電圧の最適値(目標値)を演算し、その演算した最適値をコンバータ用デューティー比演算部52へ出力する。
【0070】
コンバータ用デューティー比演算部52は、電圧センサー10から出力された直流電圧Vb(「バッテリ電圧Vb」とも言う。)に基づいて、電圧センサー13からの入力電圧Vmを、インバータ入力電圧指令演算部50から出力される最適値に設定するためのデューティー比を演算する。
【0071】
コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部52からのデューティー比に基づいて昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0072】
なお、昇圧コンバータ12の下側のNPNトランジスタQ2のオンデューティーを大きくすることによりリアクトルL1における電力蓄積が大きくなるため、より高電圧の出力を得ることができる。一方、上側のNPNトランジスタQ1のオンデューティーを大きくすることにより電源ラインの電圧が下がる。そこで、NPNトランジスタQ1,Q2のデューティー比を制御することで、電源ラインの電圧を直流電源Bの出力電圧以上の任意の電圧に制御可能である。
【0073】
図4は、図2に示す異常検出手段303の機能ブロック図である。図4を参照して、異常検出手段303は、温度推定部70と、演算部72と、判定部74とを含む。温度推定部70は、外部ECUからトルク指令値TRを受け、その受けたトルク指令値TRに応じて、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2の温度を推定する。そして、温度推定部70は、推定した推定素子温度Tsw_esを演算部72へ出力する。
【0074】
演算部72は、温度センサー11から温度Tswを受け、温度推定部70から推定素子温度Tsw_esを受ける。そして、演算部72は、推定素子温度Tsw_esと温度Tswとの温度差ΔTswを演算し、その演算した温度差ΔTswを判定部74へ出力する。
【0075】
判定部74は、温度センサー11から温度Tswを受け、演算部72から温度差ΔTswを受ける。そして、判定部74は、温度Tswが上限値Tup以上であるか否かを判定し、温度Tswが上限値Tup以上であるとき、信号STPを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。温度Tswが上限値Tupよりも低い場合、判定部74は、温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるか否かを判定し、温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるとき、リアクトルL1のインダクタンスが異常であると判定する。そして、判定部74は、リアクトルL1のインダクタンスが異常であると判定したとき、信号DECを生成して直流電源Bへ出力する。なお、判定部74は、温度差ΔTswが基準値TSTDよりも低い場合、リアクトルL1のインダクタンスを正常と判定し、信号を何も出力しない。
【0076】
リアクトルL1のインダクタンスが低下すると、リアクトルL1に流れるリプル電流Irpが大きくなる。リアクトルL1のインダクタンスをLと、NPNトランジスタQ1またはQ2のオン時間をTonとすると、リプル電流Irpは、Irp=Ton×Vb/Lによって表わされる。したがって、インダクタンスLが小さくなると、リプル電流Irpが大きくなる。
【0077】
リプル電流Irpが大きくなると、NPNトランジスタQ1,Q2の損失が大きくなる。そうすると、NPNトランジスタQ1,Q2は、発熱し、素子温度Tswが上昇する。つまり、リアクトルL1のインダクタンスが低下すると、NPNトランジスタQ1,Q2の素子温度Tswが上昇する。したがって、この発明においては、NPNトランジスタQ1,Q2の温度Tswを検出することにより、リアクトルL1のインダクタンスの低下(すなわち、インダクタンスの異常)を検出することにしたものである。
【0078】
昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2の温度は、ECUにより、通常、推定されている。そして、NPNトランジスタQ1,Q2の温度は、負荷の大きさ、すなわち、交流モータM1が出力するトルクによって異なる。
【0079】
つまり、交流モータM1が大きいトルクを出力する場合、昇圧コンバータ12は、より高い出力電圧Vmを出力するように制御され、NPNトランジスタQ2のオン時間が長くなる。その結果、NPNトランジスタQ2の温度は上昇する。一方、交流モータM1が小さいトルクを出力する場合、昇圧コンバータ12は、より低い出力電圧Vmを出力するように制御され、NPNトランジスタQ2のオン時間が短くなる。その結果、NPNトランジスタQ2の温度は低下する。
【0080】
したがって、NPNトランジスタQ1,Q2の温度は、交流モータM1が出力すべきトルクが大きい場合、より高いレベルで推定され、交流モータM1が出力すべきトルクが小さい場合、より低いレベルで推定される。つまり、NPNトランジスタQ1,Q2の推定温度は、交流モータM1の負荷、すなわち、交流モータM1が出力すべきトルクによって異なる。
【0081】
そこで、この発明においては、温度推定部70は、交流モータM1のトルク指令値TRを外部ECUから受け、その受けたトルク指令値TRに応じて、NPNトランジスタQ1,Q2の温度を推定することにしたものである。
【0082】
このように、NPNトランジスタQ1,Q2の温度は推定されるが、このNPNトランジスタQ1,Q2の温度推定においては、リプル電流Irpによる影響が考慮されないため、推定された素子温度がリプル電流Irpの影響、すなわち、インダクタンスの低下を含んだものであるか否かが明らかでない。
【0083】
一方、温度センサー11は、NPNトランジスタQ1,Q2の実際の温度Tswを検出している。しかし、温度センサー11により検出された温度Tswが高くても、それは、交流モータM1が出力すべきトルクが大きくなったために温度Tswが高くなったのか、リアクトルL1のインダクタンスが低下したために温度Tswが高くなったのかが明らかでない。
【0084】
そこで、この発明においては、NPNトランジスタQ1,Q2の推定素子温度Tsw_esと、実際の温度Tswとの温度差ΔTswを演算し、その演算した温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるとき、リアクトルL1のインダクタンスが低下したと判定することにしたものである。
【0085】
図5を参照して、NPNトランジスタQ1,Q2の実際の温度Tswは、曲線k1によって示すように時間とともに変化する。また、NPNトランジスタQ1,Q2の推定素子温度Tsw_esは、曲線k2によって示すように時間とともに変化する。そして、曲線k2は、交流モータM1が出力すべきトルクによって上下する(点線参照)。
【0086】
したがって、交流モータM1が出力すべきトルクの変動を除去して、リアクトルL1のインダクタンスの低下による影響のみを抽出するために、温度Tsw(たとえば、図5のA点)と、推定素子温度Tsw_es(たとえば、図5のB点)との温度差ΔTswを演算し、その演算した温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるとき、インダクタンスが低下したと判定することにしたものである。
【0087】
なお、判定部74は、温度センサー11から受けた温度Tswが上限値Tup以上であるとき、温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるか否かを判定せずに、信号STPを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。上限値Tupは、継続して使用するとNPNトランジスタQ1,Q2が損傷する虞のある温度である。したがって、温度Tswが上限値Tup以上である場合、信号STPをシステムリレーSR1,SR2へ出力することにより、直流電源Bから昇圧コンバータ12への直流電圧Vbの供給を強制的に停止でき、NPNトランジスタQ1,Q2が損傷するのを防止できる。
【0088】
そして、リアクトルL1のインダクタンスの異常が検出されるのは、NPNトランジスタQ1,Q2が損傷する虞のない場合である。
【0089】
図6を参照して、リアクトルL1のインダクタンスの異常を検出する動作について説明する。なお、図6のフローチャートによって示される動作は、一定時間ごとに繰返し実行される。
【0090】
一連の動作が開始すると、温度センサー11は、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2の温度Tswを検出し、その検出した温度Tswを制御装置30へ出力する(ステップS1)。そして、制御装置30の判定部74は、温度センサー11から受けた温度Tswが上限値Tup以上であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0091】
ステップS2において、温度Tswが上限値Tup以上であると判定されたとき、判定部74は、信号STPを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号STPに応じてオフされ、直流電源Bから昇圧コンバータ12への直流電圧Vbの供給が強制的に停止される(ステップS3)。そして、一連の動作が一旦終了する。
【0092】
ステップS2において、温度Tswが上限値Tupよりも低いと判定された場合、温度推定部70は、外部ECUから受けたトルク指令値TRに応じて、NPNトランジスタQ1,Q2の素子温度を推定する(ステップS4)。そして、温度推定部70は、推定した推定素子温度Tsw_esを演算部72へ出力する。演算部72は、温度センサー11から受けた温度Tswと、温度推定部70から受けた推定素子温度Tsw_esとの温度差ΔTswを演算し、その演算した温度差ΔTswを判定部74へ出力する(ステップS5)。
【0093】
そうすると、判定部74は、温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるか否かを判定する(ステップS6)。そして、判定部74は、温度差ΔTswが基準値TSTD以上であると判定したとき、リアクトルL1のインダクタンスが異常であると判定し(ステップS7)、信号DECを生成して直流電源Bへ出力する。直流電源Bは、制御装置30からの信号DECに応じて、昇圧コンバータ12への直流電流の供給を制限する(ステップS8)。そして、一連の動作が一旦終了する。これにより、直流電源Bの出力が制限され、直流電源Bから出力される直流電圧Vbを用いて交流モータM1を駆動する割合が低下する。
【0094】
一方、ステップS6において、温度差ΔTswが基準値TSTDよりも小さいと判定されたとき、判定部74は、リアクトルL1のインダクタンスは正常であると判定し(ステップS9)、一連の動作が一旦終了する。
【0095】
このように、この発明においては、NPNトランジスタQ1,Q2の温度に基づいて、リアクトル1のインダクタンスが低下したか否かを検出するので、簡単な構成でインダクタンスの異常を検出できる。
【0096】
なお、この発明による異常検出方法は、図6に示すフローチャートに従ってリアクトルのインダクタンスの異常を検出する異常検出方法である。
【0097】
また、異常検出手段303におけるインダクタンスの異常を検出する動作は、実際には、CPU(Central Processing Unit)によって実行され、CPUは、図6に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROM(Read Only Memory)から読出し、その読出したプログラムを実行して図6に示すフローチャートに従ってインダクタンスの異常検出を実行する。
【0098】
したがって、ROMは、図6に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0099】
再び、図1を参照して、モータ駆動装置100における全体動作について説明する。全体の動作が開始されると、制御装置30は、Hレベルの信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力し、システムリレーSR1,SR2がオンされる。直流電源Bは、直流電圧VbをシステムリレーSR1,SR2を介して昇圧コンバータ12へ出力する。
【0100】
電圧センサー10は、直流電源Bから出力される直流電圧Vbを検出し、その検出した直流電圧Vbを制御装置30へ出力する。また、電圧センサー13は、コンデンサC2の両端の電圧Vmを検出し、その検出した電圧Vmを制御装置30へ出力する。さらに、温度センサー11はNPNトランジスタQ1,Q2の温度Tswを検出して制御装置30へ出力する。さらに、電流センサー24は、交流モータM1に流れるモータ電流MCRTを検出して制御装置30へ出力する。そして、制御装置30は、外部ECUからトルク指令値TR、およびモータ回転数MRNを受ける。
【0101】
そうすると、制御装置30は、直流電圧Vb、電圧Vm、モータ電流MCRT、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて、上述した方法により信号PWMIを生成し、その生成した信号PWMIをインバータ14へ出力する。また、制御装置30は、直流電圧Vb、電圧Vm、モータ電流MCRT、トルク指令値TR、およびモータ回転数MRNに基づいて、上述した方法により昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するための信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0102】
そうすると、昇圧コンバータ12は、信号PWMUに応じて、直流電源Bからの直流電圧Vbを昇圧し、その昇圧した直流電圧をコンデンサC2に供給する。そして、インバータ14は、コンデンサC2によって平滑化された直流電圧を制御装置30からの信号PWMIによって交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これによって、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生する。
【0103】
また、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、制御装置30は、外部ECUから信号RGEを受け、その受けた信号RGEに応じて、信号PWMCを生成してそれぞれインバータ14へ出力し、信号PWMDを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。
【0104】
そうすると、インバータ14は、交流モータM1が発電した交流電圧を信号PWMCに応じて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。そして、昇圧コンバータ12は、コンデンサC2からの直流電圧を受け、その受けた直流電圧を信号PWMDによって降圧し、その降圧した直流電圧を直流電源Bに供給する。これにより、交流モータM1によって発電された電力が直流電源Bに充電される。
【0105】
そして、制御装置30は、モータ駆動装置100が交流モータM1を駆動しているとき、または回生制動時、一定時間ごとに図6に示すフローチャートに従ってリアクトルL1のインダクタンスの異常を検出する動作を実行する。
【0106】
すなわち、制御装置30は、温度センサー11からの温度Tswが上限値Tup以上であるとき、信号STPを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。これにより、直流電源Bから昇圧コンバータ12への直流電圧の供給が強制的に停止される。
【0107】
また、制御装置30は、温度Tswが上限値Tupよりも低い場合、NPNトランジスタQ1,Q2の温度を推定し、推定素子温度Tsw_esを演算する。そして、制御装置30は、温度Tswと推定素子温度Tsw_esとの温度差ΔTswを演算し、その演算した温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるとき、リアクトルL1のインダクタンスが異常であると判定し、信号DECを生成して直流電源Bへ出力する。直流電源Bは、信号DECに応じて、直流電流の出力を制限する。これにより、直流電源Bの出力制限が行なわれる。
【0108】
温度差ΔTswが基準値TSTDよりも小さい場合、判定部74は、リアクトルL1のインダクタンスが正常であると判定する。そして、モータ駆動装置100は、通常の動作を行なう。
【0109】
なお、この発明においては、直流電源B、温度センサー11、昇圧コンバータ12、インバータ14、交流モータM1および制御装置30は、「電圧変換装置」を構成する。
【0110】
また、インバータ14および交流モータM1は、「電気負荷」を構成する。
さらに、信号DECを生成して直流電源Bへ出力する判定部74は、「制限手段」を構成する。
【0111】
さらに、信号STPを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する判定部74は、「制限手段」を構成する。
【0112】
さらに、演算部72および判定部74は、「判定手段」を構成する。
さらに、温度センサー11および異常検出手段303は、「インダクタンス異常検出手段」を構成する。
【0113】
上記においては、交流モータが1個の場合について説明したが、この発明は、これに限らず、複数の交流モータを駆動するモータ駆動装置についても適用可能である。その場合、複数の交流モータに対応して設けられた複数のインバータは、コンデンサC2の両端に並列に接続される。そして、複数のインバータの各々は、コンデンサC2を介して昇圧コンバータ12から受けた出力電圧Vmを交流電圧に変換して対応する交流モータを駆動する。
【0114】
さらに、昇圧コンバータ12およびインバータ14を構成するスイッチング素子は、NPNトランジスタに限られるものではなく、MOSトランジスタであってもよい。
【0115】
この発明の実施の形態によれば、電圧変換装置は、昇圧コンバータを構成するNPNトランジスタの素子温度に基づいてリアクトルのインダクタンスの異常を検出する異常検出手段を備えるので、簡単な構成によってインダクタンスの異常を検出できる。
【0116】
この発明は、上述した実施の形態に記載した内容以外にも、種々のハイブリッド自動車または電気自動車に適用できることは言うまでもない。たとえば、コンデンサC2に対して複数のインバータおよびモータを並列に接続し、それぞれのモータ(またはモータジェネレータ)を独立に駆動するようにしてもよい。また、遊星ギア機構を用いたハイブリッド自動車としては、1つのモータジェネレータを遊星ギア機構のサンギアに接続し、エンジンを遊星ギア機構のキャリアに接続し、もう1つのモータジェネレータをリングギアに接続するものも公知であるが、この発明を、このようなハイブリッド自動車にも適用できる。
【0117】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態におけるモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図2】図1に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図3】図2に示すモータトルク制御手段の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図4】図2に示す異常検出手段の機能ブロック図である。
【図5】NPNトランジスタの温度変化を示す図である。
【図6】インダクタンスの異常を検出する動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】従来のモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【符号の説明】
10,13 電圧センサー、11 温度センサー、12,310 昇圧コンバータ、14,330 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17W相アーム、24 電流センサー、30 制御装置、40 モータ制御用相電圧演算部、42 インバータ用PWM信号変換部、50 インバータ入力電圧指令演算部、52 コンバータ用デューティー比演算部、54 コンバータ用PWM信号変換部、70 温度推定部、72 演算部、74 判定部、100,300 モータ駆動装置、301 モータトルク制御手段、302 電圧変換制御手段、303 異常検出手段、B 直流電源、SR1,SR2 システムリレー、C1,C2,320 コンデンサ、L1,311 リアクトル、Q1〜Q8,312,313 NPNトランジスタ、D1〜D8,314,315 ダイオード、M1 交流モータ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、リアクトルのインダクタンスの異常を検出可能な電圧変換装置、インダクタンスの異常を検出する異常検出方法、およびインダクタンスの異常検出をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境に配慮した自動車としてハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が大きな注目を集めている。そして、ハイブリッド自動車は、一部、実用化されている。
【0003】
このハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。また、電気自動車は、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。
【0004】
このようなハイブリッド自動車または電気自動車は、たとえば、図7に示すようなモータ駆動装置300を搭載することが提案されている(特開平8−214592号公報)。図7を参照して、モータ駆動装置300は、直流電源Bと、システムリレーSRと、昇圧コンバータ310と、コンデンサ320と、インバータ330とを備える。
【0005】
昇圧コンバータ310は、リアクトル311と、NPNトランジスタ312,313と、ダイオード314,315とを含む。
【0006】
NPNトランジスタ312,313は、インバータ330の電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。NPNトランジスタ312は、コレクタが電源ラインに接続され、エミッタがNPNトランジスタ313のコレクタに接続される。NPNトランジスタ313のエミッタは、アースラインに接続される。
【0007】
ダイオード314,315は、NPNトランジスタのエミッタ側からコレクタ側へ電流が流れるようにそれぞれNPNトランジスタ312,313に並列に接続される。
【0008】
リアクトル311は、その一方端が直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端がNPNトランジスタ312とNPNトランジスタ313との中間点に接続される。
【0009】
直流電源Bは、直流電圧を出力する。システムリレーSRは、制御装置(図示せず)からの制御信号によってオンされると、直流電源Bから出力された直流電圧を昇圧コンバータ310へ供給する。昇圧コンバータ310は、制御装置(図示せず)からの制御信号によってNPNトランジスタ312,313がオン/オフされ、直流電源Bから供給された直流電圧を昇圧して出力電圧をコンデンサ320に供給する。また、昇圧コンバータ310は、モータ駆動装置300が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1によって発電され、インバータ330によって変換された直流電圧を降圧して直流電源Bへ供給する。
【0010】
コンデンサ320は、昇圧コンバータ310から供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ330へ供給する。
【0011】
インバータ330は、コンデンサ320から直流電圧が供給されると制御装置(図示せず)からの制御信号によって直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ330は、モータ駆動装置300が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置からの制御信号によって直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサ320を介して昇圧コンバータ310へ供給する。
【0012】
このように、モータ駆動装置300は、直流電源Bから出力された直流電圧を昇圧して交流モータM1を駆動するとともに、交流モータM1が発電した電力により直流電源Bを充電する。
【0013】
【特許文献1】
特開平8−214592号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のモータ駆動装置においては、昇圧コンバータに含まれているリアクトルのインダクタンスの異常を検知できないという問題がある。
【0015】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、リアクトルのインダクタンスの異常を検出可能な電圧変換装置を提供することである。
【0016】
また、この発明の別の目的は、リアクトルのインダクタンスの異常を検出する異常検出方法を提供することである。
【0017】
さらに、この発明の別の目的は、リアクトルのインダクタンスの異常検出をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明によれば、電圧変換装置は、リアクトルと、スイッチング素子と、インダクタンス異常検出手段とを備える。スイッチング素子は、リアクトルに蓄積された電力を開放するスイッチング制御を行なう。インダクタンス異常検出手段は、スイッチング素子の素子温度に基づいてリアクトルのインダクタンスの異常を検出する。
【0019】
好ましくは、インダクタンス異常検出手段は、温度センサーと、判定手段とを含む。温度センサーは、スイッチング素子の素子温度を検出する。判定手段は、温度センサーから受けたスイッチング素子の素子温度とスイッチング素子の推定素子温度との温度差を演算し、その演算した温度差が基準値を超えたとき、インダクタンスが異常であると判定する。
【0020】
好ましくは、推定素子温度は、負荷に応じて推定されたスイッチング素子の素子温度である。
【0021】
好ましくは、電圧変換装置は、制限手段をさらに備える。制限手段は、インダクタンス異常検出手段がインダクタンスの異常を検出したとき、リアクトルに供給される直流電流を制限する。
【0022】
好ましくは、インダクタンス異常検出手段は、さらに、スイッチング素子の素子温度が上限値以上であるか否かを判定する。そして、制限手段は、スイッチング素子の素子温度が上限値以上であるとき、リアクトルへの直流電流の供給を遮断する。
【0023】
好ましくは、リアクトルおよびスイッチング素子は、電気負荷への入力電圧を直流電源から出力される直流電圧に対して任意に変更する。
【0024】
好ましくは、リアクトルおよびスイッチング素子は、直流電源への入力電圧を電気負荷から供給される直流電圧に対して任意に変更する。
【0025】
好ましくは、リアクトルおよびスイッチング素子は、電気負荷への入力電圧を直流電源から出力される直流電圧に対して任意に変更し、および直流電源への入力電圧を電気負荷から供給される直流電圧に対して任意に変更する。
【0026】
好ましくは、電圧変換装置は、電源と、モータと、インバータとをさらに備える。電源は、リアクトルに直流電圧を供給する。モータは、車両の駆動輪を駆動する。インバータは、スイッチング素子がスイッチング制御を行なうことによってリアクトルから開放された電力を受けてモータを駆動する。
【0027】
好ましくは、モータは、エンジンの出力軸に対して補助的に駆動トルクを出力する。
【0028】
また、この発明によれば、異常検出方法は、リアクトルのインダクタンスの異常を検出する異常検出方法であって、リアクトルに蓄積された電力を開放するスイッチング制御を行なうスイッチング素子の素子温度を検出する第1のステップと、スイッチング素子の素子温度を推定し、スイッチング素子の推定素子温度を検出する第2のステップと、第1のステップで検出されたスイッチング素子の素子温度と第2のステップで検出された推定素子温度との温度差を演算する第3のステップと、前記第3のステップにおいて演算された温度差に基づいて、インダクタンスの異常を検出する第4のステップとを含む。
【0029】
好ましくは、第4のステップは、温度差が基準値よりも大きいか否かを判定する第1のサブステップと、第1のサブステップにおいて、温度差が基準値よりも大きいと判定されたとき、インダクタンスが異常であると判定する第2のサブステップとを含む。
【0030】
好ましくは、第3のステップにおいて、推定素子温度は、負荷に応じて推定される。
【0031】
さらに、この発明によれば、リアクトルのインダクタンスの異常検出をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体は、リアクトルに蓄積された電力を開放するスイッチング制御を行なうスイッチング素子の素子温度を検出する第1のステップと、スイッチング素子の素子温度を推定し、スイッチング素子の推定素子温度を検出する第2のステップと、第1のステップで検出された素子温度と第2のステップで検出された推定素子温度との温度差を演算する第3のステップと、演算された温度差に基づいて、インダクタンスの異常を検出する第4のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0032】
好ましくは、第4のステップは、温度差が基準値よりも大きいか否かを判定する第1のサブステップと、第1のサブステップにおいて、温度差が基準値よりも大きいと判定されたとき、インダクタンスが異常であると判定する第2のサブステップとを含む。
【0033】
好ましくは、第3のステップにおいて、推定素子温度は、負荷に応じて推定される。
【0034】
この発明においては、リアクトルに蓄積された電力を開放するスイッチング制御を行なうスイッチング素子の素子温度が検出され、その検出された素子温度に基づいてリアクトルのインダクタンスの異常が検出される。
【0035】
したがって、この発明によれば、簡単な構成によってインダクタンスの異常を検出できる。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0037】
図1を参照して、この発明の実施の形態による電圧変換装置を備えるモータ駆動装置100は、直流電源Bと、電圧センサー10,13と、温度センサー11と、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、昇圧コンバータ12と、インバータ14と、電流センサー24と、制御装置30とを備える。
【0038】
交流モータM1は、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。あるいは、交流モータM1は、ハイブリッド自動車の場合にはエンジンの出力軸に対して補助的に駆動トルクを発生するための駆動モータであってもよい。あるいは、このモータはエンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。
【0039】
昇圧コンバータ12は、リアクトルL1と、NPNトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。NPNトランジスタQ1,Q2は、インバータ14の電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。NPNトランジスタQ1は、コレクタが電源ラインに接続され、エミッタがNPNトランジスタQ2のコレクタに接続される。また、NPNトランジスタQ2のエミッタは、アースラインに接続される。
【0040】
各NPNトランジスタQ1,Q2のエミッタ−コレクタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流が流れるように、それぞれ、ダイオードD1,D2が接続されている。
【0041】
リアクトルL1は、一方端が直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端がNPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2との中間点、すなわち、NPNトランジスタQ1のエミッタとNPNトランジスタQ2のコレクタとの間に接続される。
【0042】
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とから成る。U相アーム15、V相アーム16、およびW相アーム17は、インバータ14の電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
【0043】
U相アーム15は、直列接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、V相アーム16は、直列接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成り、W相アーム17は、直列接続されたNPNトランジスタQ7,Q8から成る。また、各NPNトランジスタQ3〜Q8のエミッタ−コレクタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
【0044】
各相アームの中間点は、交流モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、交流モータM1は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
【0045】
直流電源Bは、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池から成る。そして、直流電源Bは、制御装置30からの信号DECに応じて、昇圧コンバータ12へ供給する直流電流を制限する。電圧センサー10は、直流電源Bから出力される直流電圧Vbを検出し、その検出した直流電圧Vbを制御装置30へ出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによりオン/オフされる。より具体的には、システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からのH(論理ハイ)レベルの信号SEによりオンされ、制御装置30からのL(論理ロー)レベルの信号SEによりオフされる。また、システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号STPによりオフされる。
【0046】
コンデンサC1は、直流電源Bから供給された直流電圧Vbを平滑化し、その平滑化した直流電圧を昇圧コンバータ12へ供給する。
【0047】
昇圧コンバータ12は、コンデンサC1から供給された直流電圧を昇圧してコンデンサC2へ供給する。より具体的には、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWMUを受けると、信号PWMUによってNPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じて直流電圧を昇圧してコンデンサC2に供給する。この場合、NPNトランジスタQ1は、信号PWMUによってオフされている。
【0048】
また、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWMDを受けると、コンデンサC2を介してインバータ14から供給された直流電圧を降圧して直流電源Bを充電する。
【0049】
温度センサー11は、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2の温度Tswを検出し、その検出した温度Tswを制御装置30へ出力する。
【0050】
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14へ供給する。
【0051】
電圧センサー13は、コンデンサC2の両端の電圧Vm、すなわち、昇圧コンバータ12の出力電圧(インバータ14の入力電圧に相当する。)を検出し、その検出した電圧Vmを制御装置30へ出力する。
【0052】
インバータ14は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置30からの信号PWMIに基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ14は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMCに基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車または電気自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
【0053】
電流センサー24は、交流モータM1に流れるモータ電流MCRTを検出し、その検出したモータ電流MCRTを制御装置30へ出力する。
【0054】
制御装置30は、外部に設けられたECU(Electrical Control Unit)から入力されたトルク指令値TRおよびモータ回転数MRN、電圧センサー10からの直流電圧Vb、電圧センサー13からの出力電圧Vm、および電流センサー24からのモータ電流MCRTに基づいて、後述する方法により昇圧コンバータ12を駆動するための信号PWMUとインバータ14を駆動するための信号PWMIとを生成し、その生成した信号PWMUおよび信号PWMIをそれぞれ昇圧コンバータ12およびインバータ14へ出力する。
【0055】
信号PWMUは、直流電源Bからの直流電圧Vbを出力電圧Vmに変換する場合に昇圧コンバータ12を駆動するための信号である。そして、制御装置30は、昇圧コンバータ12が直流電圧Vbを出力電圧Vmに変換する場合に、出力電圧Vmをフィードバック制御し、出力電圧Vmが指令された電圧指令Vdccomになるように昇圧コンバータ12を駆動するための信号PWMUを生成する。信号PWMUの生成方法については後述する。
【0056】
また、制御装置30は、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、交流モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMCを生成してインバータ14へ出力する。この場合、インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8は、信号PWMCによってスイッチング制御される。これにより、インバータ14は、交流モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12へ供給する。
【0057】
さらに、制御装置30は、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するための信号PWMDを生成し、その生成した信号PWMDを昇圧コンバータ12へ出力する。これにより、交流モータM1が発電した交流電圧は、直流電圧に変換され、降圧されて直流電源Bに供給される。
【0058】
さらに、制御装置30は、温度センサー11からの温度Tswを上限値Tupと比較し、温度Tswが上限値Tup以上であるとき、直流電源Bから昇圧コンバータ12への直流電圧Vbの供給を停止するための信号STPを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。温度Tswが上限値Tupよりも低い場合、制御装置30は、外部ECUから受けたトルク指令値TRに応じて、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2の温度を推定し、推定素子温度Tsw_esを演算する。そして、制御装置30は、推定素子温度Tsw_esと温度センサー11からの温度Tswとの温度差ΔTswを演算し、その演算した温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるか否かを判定する。そして、温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるとき、制御装置30は、直流電源Bから昇圧コンバータ12へ供給される直流電流を制限するための信号DECを生成して直流電源Bへ出力する。
【0059】
さらに、制御装置30は、システムリレーSR1,SR2をオン/オフするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
【0060】
図2は、制御装置30の機能ブロック図である。図2を参照して、制御装置30は、モータトルク制御手段301と、電圧変換制御手段302と、異常検出手段303とを含む。
【0061】
モータトルク制御手段301は、トルク指令値TR(車両におけるアクセルペダルの踏み込み度合い、ハイブリッド車両においてはエンジンの動作状態をも考慮しながらモータに与えるべきトルク指令を演算して得られている)、直流電源Bから出力された直流電圧Vb、モータ電流MCRT、モータ回転数MRNおよび出力電圧Vmに基づいて、交流モータM1の駆動時、後述する方法により昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMUと、インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフするための信号PWMIとを生成し、その生成した信号PWMUおよび信号PWMIをそれぞれ昇圧コンバータ12およびインバータ14へ出力する。
【0062】
電圧変換制御手段302は、回生制動時、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMCを生成してインバータ14へ出力する。
【0063】
また、電圧変換制御手段302は、回生制動時、信号RGEを外部ECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するための信号PWMDを生成し、その生成した信号PWMDを昇圧コンバータ12へ出力する。このように、昇圧コンバータ12は、直流電圧を降圧するための信号PWMDにより電圧を降圧させることもできるので、双方向コンバータの機能を有するものである。
【0064】
異常検出手段303は、温度センサー11から温度Tswを受ける。そして、異常検出手段303は、温度Tswが上限値Tup以上であるか否かを判定し、温度Tswが上限値Tup以上であるとき、信号STPを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。温度Tswが上限値Tupよりも低い場合、異常検出手段303は、外部ECUから受けたトルク指令値TRに応じて昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2の温度を推定し、推定素子温度Tsw_esを演算する。そして、異常検出手段303は、推定素子温度Tsw_esと温度Tswとの温度差ΔTswを演算し、温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるか否かを判定する。異常検出手段303は、温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるとき、信号DECを生成して直流電源Bへ出力する。
【0065】
図3は、モータトルク制御手段301の機能ブロック図である。図3を参照して、モータトルク制御手段301は、モータ制御用相電圧演算部40と、インバータ用PWM信号変換部42と、インバータ入力電圧指令演算部50と、コンバータ用デューティー比演算部52と、コンバータ用PWM信号変換部54とを含む。
【0066】
モータ制御用相電圧演算部40は、昇圧コンバータ12の出力電圧Vm、すなわち、インバータ14への入力電圧を電圧センサー13から受け、交流モータM1の各相に流れるモータ電流MCRTを電流センサー24から受け、トルク指令値TRを外部ECUから受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部40は、これらの入力される信号に基づいて、交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果をインバータ用PWM信号変換部42へ供給する。
【0067】
インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から受けた計算結果に基づいて、実際にインバータ14の各NPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフするための信号PWMIを生成し、その生成した信号PWMIをインバータ14の各NPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0068】
これにより、各NPNトランジスタQ3〜Q8は、スイッチング制御され、交流モータM1が指令されたトルクを出力するように交流モータM1の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TRに応じたモータトルクが出力される。
【0069】
一方、インバータ入力電圧指令演算部50は、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてインバータ入力電圧の最適値(目標値)を演算し、その演算した最適値をコンバータ用デューティー比演算部52へ出力する。
【0070】
コンバータ用デューティー比演算部52は、電圧センサー10から出力された直流電圧Vb(「バッテリ電圧Vb」とも言う。)に基づいて、電圧センサー13からの入力電圧Vmを、インバータ入力電圧指令演算部50から出力される最適値に設定するためのデューティー比を演算する。
【0071】
コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部52からのデューティー比に基づいて昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0072】
なお、昇圧コンバータ12の下側のNPNトランジスタQ2のオンデューティーを大きくすることによりリアクトルL1における電力蓄積が大きくなるため、より高電圧の出力を得ることができる。一方、上側のNPNトランジスタQ1のオンデューティーを大きくすることにより電源ラインの電圧が下がる。そこで、NPNトランジスタQ1,Q2のデューティー比を制御することで、電源ラインの電圧を直流電源Bの出力電圧以上の任意の電圧に制御可能である。
【0073】
図4は、図2に示す異常検出手段303の機能ブロック図である。図4を参照して、異常検出手段303は、温度推定部70と、演算部72と、判定部74とを含む。温度推定部70は、外部ECUからトルク指令値TRを受け、その受けたトルク指令値TRに応じて、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2の温度を推定する。そして、温度推定部70は、推定した推定素子温度Tsw_esを演算部72へ出力する。
【0074】
演算部72は、温度センサー11から温度Tswを受け、温度推定部70から推定素子温度Tsw_esを受ける。そして、演算部72は、推定素子温度Tsw_esと温度Tswとの温度差ΔTswを演算し、その演算した温度差ΔTswを判定部74へ出力する。
【0075】
判定部74は、温度センサー11から温度Tswを受け、演算部72から温度差ΔTswを受ける。そして、判定部74は、温度Tswが上限値Tup以上であるか否かを判定し、温度Tswが上限値Tup以上であるとき、信号STPを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。温度Tswが上限値Tupよりも低い場合、判定部74は、温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるか否かを判定し、温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるとき、リアクトルL1のインダクタンスが異常であると判定する。そして、判定部74は、リアクトルL1のインダクタンスが異常であると判定したとき、信号DECを生成して直流電源Bへ出力する。なお、判定部74は、温度差ΔTswが基準値TSTDよりも低い場合、リアクトルL1のインダクタンスを正常と判定し、信号を何も出力しない。
【0076】
リアクトルL1のインダクタンスが低下すると、リアクトルL1に流れるリプル電流Irpが大きくなる。リアクトルL1のインダクタンスをLと、NPNトランジスタQ1またはQ2のオン時間をTonとすると、リプル電流Irpは、Irp=Ton×Vb/Lによって表わされる。したがって、インダクタンスLが小さくなると、リプル電流Irpが大きくなる。
【0077】
リプル電流Irpが大きくなると、NPNトランジスタQ1,Q2の損失が大きくなる。そうすると、NPNトランジスタQ1,Q2は、発熱し、素子温度Tswが上昇する。つまり、リアクトルL1のインダクタンスが低下すると、NPNトランジスタQ1,Q2の素子温度Tswが上昇する。したがって、この発明においては、NPNトランジスタQ1,Q2の温度Tswを検出することにより、リアクトルL1のインダクタンスの低下(すなわち、インダクタンスの異常)を検出することにしたものである。
【0078】
昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2の温度は、ECUにより、通常、推定されている。そして、NPNトランジスタQ1,Q2の温度は、負荷の大きさ、すなわち、交流モータM1が出力するトルクによって異なる。
【0079】
つまり、交流モータM1が大きいトルクを出力する場合、昇圧コンバータ12は、より高い出力電圧Vmを出力するように制御され、NPNトランジスタQ2のオン時間が長くなる。その結果、NPNトランジスタQ2の温度は上昇する。一方、交流モータM1が小さいトルクを出力する場合、昇圧コンバータ12は、より低い出力電圧Vmを出力するように制御され、NPNトランジスタQ2のオン時間が短くなる。その結果、NPNトランジスタQ2の温度は低下する。
【0080】
したがって、NPNトランジスタQ1,Q2の温度は、交流モータM1が出力すべきトルクが大きい場合、より高いレベルで推定され、交流モータM1が出力すべきトルクが小さい場合、より低いレベルで推定される。つまり、NPNトランジスタQ1,Q2の推定温度は、交流モータM1の負荷、すなわち、交流モータM1が出力すべきトルクによって異なる。
【0081】
そこで、この発明においては、温度推定部70は、交流モータM1のトルク指令値TRを外部ECUから受け、その受けたトルク指令値TRに応じて、NPNトランジスタQ1,Q2の温度を推定することにしたものである。
【0082】
このように、NPNトランジスタQ1,Q2の温度は推定されるが、このNPNトランジスタQ1,Q2の温度推定においては、リプル電流Irpによる影響が考慮されないため、推定された素子温度がリプル電流Irpの影響、すなわち、インダクタンスの低下を含んだものであるか否かが明らかでない。
【0083】
一方、温度センサー11は、NPNトランジスタQ1,Q2の実際の温度Tswを検出している。しかし、温度センサー11により検出された温度Tswが高くても、それは、交流モータM1が出力すべきトルクが大きくなったために温度Tswが高くなったのか、リアクトルL1のインダクタンスが低下したために温度Tswが高くなったのかが明らかでない。
【0084】
そこで、この発明においては、NPNトランジスタQ1,Q2の推定素子温度Tsw_esと、実際の温度Tswとの温度差ΔTswを演算し、その演算した温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるとき、リアクトルL1のインダクタンスが低下したと判定することにしたものである。
【0085】
図5を参照して、NPNトランジスタQ1,Q2の実際の温度Tswは、曲線k1によって示すように時間とともに変化する。また、NPNトランジスタQ1,Q2の推定素子温度Tsw_esは、曲線k2によって示すように時間とともに変化する。そして、曲線k2は、交流モータM1が出力すべきトルクによって上下する(点線参照)。
【0086】
したがって、交流モータM1が出力すべきトルクの変動を除去して、リアクトルL1のインダクタンスの低下による影響のみを抽出するために、温度Tsw(たとえば、図5のA点)と、推定素子温度Tsw_es(たとえば、図5のB点)との温度差ΔTswを演算し、その演算した温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるとき、インダクタンスが低下したと判定することにしたものである。
【0087】
なお、判定部74は、温度センサー11から受けた温度Tswが上限値Tup以上であるとき、温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるか否かを判定せずに、信号STPを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。上限値Tupは、継続して使用するとNPNトランジスタQ1,Q2が損傷する虞のある温度である。したがって、温度Tswが上限値Tup以上である場合、信号STPをシステムリレーSR1,SR2へ出力することにより、直流電源Bから昇圧コンバータ12への直流電圧Vbの供給を強制的に停止でき、NPNトランジスタQ1,Q2が損傷するのを防止できる。
【0088】
そして、リアクトルL1のインダクタンスの異常が検出されるのは、NPNトランジスタQ1,Q2が損傷する虞のない場合である。
【0089】
図6を参照して、リアクトルL1のインダクタンスの異常を検出する動作について説明する。なお、図6のフローチャートによって示される動作は、一定時間ごとに繰返し実行される。
【0090】
一連の動作が開始すると、温度センサー11は、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2の温度Tswを検出し、その検出した温度Tswを制御装置30へ出力する(ステップS1)。そして、制御装置30の判定部74は、温度センサー11から受けた温度Tswが上限値Tup以上であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0091】
ステップS2において、温度Tswが上限値Tup以上であると判定されたとき、判定部74は、信号STPを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号STPに応じてオフされ、直流電源Bから昇圧コンバータ12への直流電圧Vbの供給が強制的に停止される(ステップS3)。そして、一連の動作が一旦終了する。
【0092】
ステップS2において、温度Tswが上限値Tupよりも低いと判定された場合、温度推定部70は、外部ECUから受けたトルク指令値TRに応じて、NPNトランジスタQ1,Q2の素子温度を推定する(ステップS4)。そして、温度推定部70は、推定した推定素子温度Tsw_esを演算部72へ出力する。演算部72は、温度センサー11から受けた温度Tswと、温度推定部70から受けた推定素子温度Tsw_esとの温度差ΔTswを演算し、その演算した温度差ΔTswを判定部74へ出力する(ステップS5)。
【0093】
そうすると、判定部74は、温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるか否かを判定する(ステップS6)。そして、判定部74は、温度差ΔTswが基準値TSTD以上であると判定したとき、リアクトルL1のインダクタンスが異常であると判定し(ステップS7)、信号DECを生成して直流電源Bへ出力する。直流電源Bは、制御装置30からの信号DECに応じて、昇圧コンバータ12への直流電流の供給を制限する(ステップS8)。そして、一連の動作が一旦終了する。これにより、直流電源Bの出力が制限され、直流電源Bから出力される直流電圧Vbを用いて交流モータM1を駆動する割合が低下する。
【0094】
一方、ステップS6において、温度差ΔTswが基準値TSTDよりも小さいと判定されたとき、判定部74は、リアクトルL1のインダクタンスは正常であると判定し(ステップS9)、一連の動作が一旦終了する。
【0095】
このように、この発明においては、NPNトランジスタQ1,Q2の温度に基づいて、リアクトル1のインダクタンスが低下したか否かを検出するので、簡単な構成でインダクタンスの異常を検出できる。
【0096】
なお、この発明による異常検出方法は、図6に示すフローチャートに従ってリアクトルのインダクタンスの異常を検出する異常検出方法である。
【0097】
また、異常検出手段303におけるインダクタンスの異常を検出する動作は、実際には、CPU(Central Processing Unit)によって実行され、CPUは、図6に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROM(Read Only Memory)から読出し、その読出したプログラムを実行して図6に示すフローチャートに従ってインダクタンスの異常検出を実行する。
【0098】
したがって、ROMは、図6に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0099】
再び、図1を参照して、モータ駆動装置100における全体動作について説明する。全体の動作が開始されると、制御装置30は、Hレベルの信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力し、システムリレーSR1,SR2がオンされる。直流電源Bは、直流電圧VbをシステムリレーSR1,SR2を介して昇圧コンバータ12へ出力する。
【0100】
電圧センサー10は、直流電源Bから出力される直流電圧Vbを検出し、その検出した直流電圧Vbを制御装置30へ出力する。また、電圧センサー13は、コンデンサC2の両端の電圧Vmを検出し、その検出した電圧Vmを制御装置30へ出力する。さらに、温度センサー11はNPNトランジスタQ1,Q2の温度Tswを検出して制御装置30へ出力する。さらに、電流センサー24は、交流モータM1に流れるモータ電流MCRTを検出して制御装置30へ出力する。そして、制御装置30は、外部ECUからトルク指令値TR、およびモータ回転数MRNを受ける。
【0101】
そうすると、制御装置30は、直流電圧Vb、電圧Vm、モータ電流MCRT、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて、上述した方法により信号PWMIを生成し、その生成した信号PWMIをインバータ14へ出力する。また、制御装置30は、直流電圧Vb、電圧Vm、モータ電流MCRT、トルク指令値TR、およびモータ回転数MRNに基づいて、上述した方法により昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するための信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0102】
そうすると、昇圧コンバータ12は、信号PWMUに応じて、直流電源Bからの直流電圧Vbを昇圧し、その昇圧した直流電圧をコンデンサC2に供給する。そして、インバータ14は、コンデンサC2によって平滑化された直流電圧を制御装置30からの信号PWMIによって交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これによって、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生する。
【0103】
また、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、制御装置30は、外部ECUから信号RGEを受け、その受けた信号RGEに応じて、信号PWMCを生成してそれぞれインバータ14へ出力し、信号PWMDを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。
【0104】
そうすると、インバータ14は、交流モータM1が発電した交流電圧を信号PWMCに応じて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。そして、昇圧コンバータ12は、コンデンサC2からの直流電圧を受け、その受けた直流電圧を信号PWMDによって降圧し、その降圧した直流電圧を直流電源Bに供給する。これにより、交流モータM1によって発電された電力が直流電源Bに充電される。
【0105】
そして、制御装置30は、モータ駆動装置100が交流モータM1を駆動しているとき、または回生制動時、一定時間ごとに図6に示すフローチャートに従ってリアクトルL1のインダクタンスの異常を検出する動作を実行する。
【0106】
すなわち、制御装置30は、温度センサー11からの温度Tswが上限値Tup以上であるとき、信号STPを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。これにより、直流電源Bから昇圧コンバータ12への直流電圧の供給が強制的に停止される。
【0107】
また、制御装置30は、温度Tswが上限値Tupよりも低い場合、NPNトランジスタQ1,Q2の温度を推定し、推定素子温度Tsw_esを演算する。そして、制御装置30は、温度Tswと推定素子温度Tsw_esとの温度差ΔTswを演算し、その演算した温度差ΔTswが基準値TSTD以上であるとき、リアクトルL1のインダクタンスが異常であると判定し、信号DECを生成して直流電源Bへ出力する。直流電源Bは、信号DECに応じて、直流電流の出力を制限する。これにより、直流電源Bの出力制限が行なわれる。
【0108】
温度差ΔTswが基準値TSTDよりも小さい場合、判定部74は、リアクトルL1のインダクタンスが正常であると判定する。そして、モータ駆動装置100は、通常の動作を行なう。
【0109】
なお、この発明においては、直流電源B、温度センサー11、昇圧コンバータ12、インバータ14、交流モータM1および制御装置30は、「電圧変換装置」を構成する。
【0110】
また、インバータ14および交流モータM1は、「電気負荷」を構成する。
さらに、信号DECを生成して直流電源Bへ出力する判定部74は、「制限手段」を構成する。
【0111】
さらに、信号STPを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する判定部74は、「制限手段」を構成する。
【0112】
さらに、演算部72および判定部74は、「判定手段」を構成する。
さらに、温度センサー11および異常検出手段303は、「インダクタンス異常検出手段」を構成する。
【0113】
上記においては、交流モータが1個の場合について説明したが、この発明は、これに限らず、複数の交流モータを駆動するモータ駆動装置についても適用可能である。その場合、複数の交流モータに対応して設けられた複数のインバータは、コンデンサC2の両端に並列に接続される。そして、複数のインバータの各々は、コンデンサC2を介して昇圧コンバータ12から受けた出力電圧Vmを交流電圧に変換して対応する交流モータを駆動する。
【0114】
さらに、昇圧コンバータ12およびインバータ14を構成するスイッチング素子は、NPNトランジスタに限られるものではなく、MOSトランジスタであってもよい。
【0115】
この発明の実施の形態によれば、電圧変換装置は、昇圧コンバータを構成するNPNトランジスタの素子温度に基づいてリアクトルのインダクタンスの異常を検出する異常検出手段を備えるので、簡単な構成によってインダクタンスの異常を検出できる。
【0116】
この発明は、上述した実施の形態に記載した内容以外にも、種々のハイブリッド自動車または電気自動車に適用できることは言うまでもない。たとえば、コンデンサC2に対して複数のインバータおよびモータを並列に接続し、それぞれのモータ(またはモータジェネレータ)を独立に駆動するようにしてもよい。また、遊星ギア機構を用いたハイブリッド自動車としては、1つのモータジェネレータを遊星ギア機構のサンギアに接続し、エンジンを遊星ギア機構のキャリアに接続し、もう1つのモータジェネレータをリングギアに接続するものも公知であるが、この発明を、このようなハイブリッド自動車にも適用できる。
【0117】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態におけるモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図2】図1に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図3】図2に示すモータトルク制御手段の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図4】図2に示す異常検出手段の機能ブロック図である。
【図5】NPNトランジスタの温度変化を示す図である。
【図6】インダクタンスの異常を検出する動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】従来のモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【符号の説明】
10,13 電圧センサー、11 温度センサー、12,310 昇圧コンバータ、14,330 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17W相アーム、24 電流センサー、30 制御装置、40 モータ制御用相電圧演算部、42 インバータ用PWM信号変換部、50 インバータ入力電圧指令演算部、52 コンバータ用デューティー比演算部、54 コンバータ用PWM信号変換部、70 温度推定部、72 演算部、74 判定部、100,300 モータ駆動装置、301 モータトルク制御手段、302 電圧変換制御手段、303 異常検出手段、B 直流電源、SR1,SR2 システムリレー、C1,C2,320 コンデンサ、L1,311 リアクトル、Q1〜Q8,312,313 NPNトランジスタ、D1〜D8,314,315 ダイオード、M1 交流モータ。
Claims (16)
- リアクトルと、
前記リアクトルに蓄積された電力を開放するスイッチング制御を行なうスイッチング素子と、
前記スイッチング素子の素子温度に基づいて前記リアクトルのインダクタンスの異常を検出するインダクタンス異常検出手段とを備える電圧変換装置。 - 前記インダクタンス異常検出手段は、
前記素子温度を検出する温度センサーと、
前記温度センサーから受けた素子温度と前記スイッチング素子の推定素子温度との温度差を演算し、その演算した温度差が基準値を超えたとき、前記インダクタンスが異常であると判定する判定手段とを含む、請求項1に記載の電圧変換装置。 - 前記推定素子温度は、負荷に応じて推定された前記スイッチング素子の素子温度である、請求項2に記載の電圧変換装置。
- 前記インダクタンス異常検出手段が前記インダクタンスの異常を検出したとき、前記リアクトルに供給される直流電流を制限する制限手段をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電圧変換装置。
- 前記インダクタンス異常検出手段は、さらに、前記素子温度が上限値以上であるか否かを判定し、
前記制限手段は、前記素子温度が前記上限値以上であるとき、前記リアクトルへの前記直流電流の供給を遮断する、請求項4に記載の電圧変換装置。 - 前記リアクトルおよび前記スイッチング素子は、電気負荷への入力電圧を直流電源から出力される直流電圧に対して任意に変更する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電圧変換装置。
- 前記リアクトルおよび前記スイッチング素子は、直流電源への入力電圧を電気負荷から供給される直流電圧に対して任意に変更する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電圧変換装置。
- 前記リアクトルおよび前記スイッチング素子は、電気負荷への入力電圧を直流電源から出力される直流電圧に対して任意に変更し、および前記直流電源への入力電圧を前記電気負荷から供給される直流電圧に対して任意に変更する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電圧変換装置。
- 前記リアクトルに直流電圧を供給する電源と、
車両の駆動輪を駆動するモータと、
前記スイッチング素子がスイッチング制御を行なうことによって前記リアクトルから開放された電力を受けて前記モータを駆動するインバータとをさらに備える、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電圧変換装置。 - 前記モータは、エンジンの出力軸に対して補助的に駆動トルクを出力する、請求項9に記載の電圧変換装置。
- リアクトルのインダクタンスの異常を検出する異常検出方法であって、
前記リアクトルに蓄積された電力を開放するスイッチング制御を行なうスイッチング素子の素子温度を検出する第1のステップと、
前記スイッチング素子の素子温度を推定し、前記スイッチング素子の推定素子温度を検出する第2のステップと、
前記第1のステップで検出された素子温度と前記第2のステップで検出された推定素子温度との温度差を演算する第3のステップと、
前記演算された温度差に基づいて、前記インダクタンスの異常を検出する第4のステップとを含む異常検出方法。 - 前記第4のステップは、
前記温度差が基準値よりも大きいか否かを判定する第1のサブステップと、
前記第1のサブステップにおいて、前記温度差が前記基準値よりも大きいと判定されたとき、前記インダクタンスが異常であると判定する第2のサブステップとを含む、請求項11に記載の異常検出方法。 - 前記第3のステップにおいて、前記推定素子温度は、負荷に応じて推定される、請求項11または請求項12に記載の異常検出方法。
- リアクトルのインダクタンスの異常検出をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
前記リアクトルに蓄積された電力を開放するスイッチング制御を行なうスイッチング素子の素子温度を検出する第1のステップと、
前記スイッチング素子の素子温度を推定し、前記スイッチング素子の推定素子温度を検出する第2のステップと、
前記第1のステップで検出された素子温度と前記第2のステップで検出された推定素子温度との温度差を演算する第3のステップと、
前記演算された温度差に基づいて、前記インダクタンスの異常を検出する第4のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。 - 前記第4のステップは、
前記温度差が基準値よりも大きいか否かを判定する第1のサブステップと、
前記第1のサブステップにおいて、前記温度差が前記基準値よりも大きいと判定されたとき、前記インダクタンスが異常であると判定する第2のサブステップとを含む、請求項14に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。 - 前記第3のステップにおいて、前記推定素子温度は、負荷に応じて推定される、請求項14または請求項15に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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