JP4013739B2 - 電圧変換装置、電圧変換方法および電圧変換をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

電圧変換装置、電圧変換方法および電圧変換をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電源からの入力電圧を出力電圧に変換する電圧変換装置、電圧変換方法および電圧変換をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境に配慮した自動車としてハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が大きな注目を集めている。そして、ハイブリッド自動車は、一部、実用化されている。
【0003】
このハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。また、電気自動車は、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。
【0004】
このようなハイブリッド自動車または電気自動車においては、直流電源からの直流電圧を昇圧コンバータによって昇圧し、その昇圧した直流電圧がモータを駆動するインバータに供給されるようにすることも検討されている(たとえば、特開平8−214592号公報参照)。
【0005】
すなわち、ハイブリッド自動車または電気自動車は、図22に示すモータ駆動装置を搭載している。図22を参照して、モータ駆動装置300は、直流電源Bと、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、双方向コンバータ310と、電圧センサー320と、インバータ330とを備える。
【0006】
直流電源Bは、直流電圧を出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置(図示せず)によってオンされると、直流電源Bからの直流電圧をコンデンサC1に供給する。コンデンサC1は、直流電源BからシステムリレーSR1,SR2を介して供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を双方向コンバータ310へ供給する。
【0007】
双方向コンバータ310は、リアクトル311と、NPNトランジスタ312,313と、ダイオード314,315とを含む。リアクトル311の一方端は直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタ312とNPNトランジスタ313との中間点、すなわち、NPNトランジスタ312のエミッタとNPNトランジスタ313のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタ312,313は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタ312のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタ313のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタ312,313のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオード314,315が接続されている。
【0008】
双方向コンバータ310は、制御装置(図示せず)によってNPNトランジスタ312,313がオン/オフされ、コンデンサC1から供給された直流電圧を昇圧して出力電圧をコンデンサC2に供給する。また、双方向コンバータ310は、モータ駆動装置300が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1によって発電され、インバータ330によって変換された直流電圧を降圧してコンデンサC1へ供給する。
【0009】
コンデンサC2は、双方向コンバータ310から供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ330へ供給する。電圧センサー320は、コンデンサC2の両側の電圧、すなわち、双方向コンバータ310の出力電圧Vmを検出する。
【0010】
インバータ330は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置(図示せず)からの制御に基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ330は、モータ駆動装置300が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置からの制御に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して双方向コンバータ310へ供給する。
【0011】
【特許文献1】
特開平8−214592号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平5−115106号公報
【0013】
【特許文献3】
特開2002−10668号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のモータ駆動装置300においては、インバータ330の雰囲気温度が低下し、交流モータM1のモータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも高くなると、インバータ330の動作特性が低下する可能性がある。
【0015】
すなわち、図23を参照して、インバータ330および交流モータM1の体格が大きい場合、温度T0〜T3の使用範囲において、モータ逆起電圧が直線k1によって示される温度依存性を有し、インバータ耐圧が直線k2によって示される温度依存性を有するようにインバータ330および交流モータM1を設計する。つまり、モータ逆起電圧がインバータ耐圧と交差しないようにインバータ330および交流モータM1を設計する。
【0016】
しかし、インバータ耐圧を向上させることはコストアップに繋がり、体格を大きくすることも制約されるため、実際には、モータ逆起電圧が直線k3によって示される温度依存性を有し、インバータ耐圧が直線k4によって示される温度依存性を有するようにインバータ330および交流モータM1は設計される。
【0017】
そうすると、温度T1(T0<T1<T3)において、直線k3は直線k4と交差し、温度T0〜温度T1の範囲において、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも大きくなり、領域LTRにおいて、インバータ330の動作特性が低下するという問題がある。
【0018】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、雰囲気温度が低下してモータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも高くなったとき、インバータの動作特性の低下を防止するように電圧変換を行なう電圧変換装置を提供することである。
【0019】
また、この発明の別の目的は、雰囲気温度が低下してモータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも高くなったとき、インバータの動作特性の低下を防止可能な電圧変換方法を提供することである。
【0020】
さらに、この発明の別の目的は、雰囲気温度が低下してモータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも高くなったとき、インバータの動作特性の低下を防止可能な電圧変換をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明によれば、電圧変換装置は、電圧変換器と、駆動回路とを備える。電圧変換器は、電源からの入力電圧の電圧レベルを変えて出力電圧を電気負荷に供給する。駆動回路は、雰囲気温度が基準値よりも低下した場合、電気負荷の温度が上昇するように電圧変換器を駆動する。
【0022】
好ましくは、駆動回路は、出力電圧の電圧レベルが上昇するように電圧変換器を駆動する。
【0023】
好ましくは、駆動回路は、入力電圧を出力電圧に昇圧するときの昇圧比を上昇して電圧変換器を駆動する。
【0024】
好ましくは、駆動回路は、雰囲気温度の低下度合いが大きい程、昇圧比の上昇度合いを大きくする。
【0025】
好ましくは、駆動回路は、出力電圧の目標値を上昇して電圧変換器を駆動する。
【0026】
好ましくは、駆動回路は、雰囲気温度の低下度合いが大きい程、目標値の上昇度合いを大きくする。
【0027】
好ましくは、電圧変換装置は、検出手段をさらに備える。検出手段は、電圧変換器の周辺に配置された周辺装置の温度を雰囲気温度として検出する。
【0028】
また、この発明によれば、電圧変換装置は、電圧変換器と、電気負荷と、駆動回路とを備える。電圧変換器は、電源からの入力電圧の電圧レベルを変えて出力電圧を出力する。電気負荷は、電圧変換器の出力電圧によって駆動される。駆動回路は、雰囲気温度が基準値よりも低下した場合、電気負荷の温度が上昇するように電圧変換器および電気負荷を駆動する。
【0029】
好ましくは、電気負荷は、インバータであり、駆動回路は、雰囲気温度が基準値よりも低下した場合、出力電圧の電圧レベルが上昇するように電圧変換器を駆動し、キャリア周波数を雰囲気温度の検出時の値よりも高くしてインバータを駆動する。
【0030】
好ましくは、駆動回路は、入力電圧を出力電圧に昇圧するときの昇圧比を雰囲気温度の検出時の値よりも高くして電圧変換器を駆動する。
【0031】
好ましくは、駆動回路は、雰囲気温度の低下度合いが大きい程、昇圧比の上昇度合いを大きくする。
【0032】
好ましくは、駆動回路は、出力電圧の目標値を雰囲気温度の検出時の値よりも高くして電圧変換器を駆動する。
【0033】
好ましくは、駆動回路は、雰囲気温度の低下度合いが大きい程、目標値の上昇度合いを大きくする。
【0034】
好ましくは、駆動回路は、雰囲気温度の検出時の値よりも高くしたキャリア周波数に応じて、高くした昇圧比または高くした目標値を決定する。
【0035】
好ましくは、駆動回路は、高くしたキャリア周波数と高くした昇圧比との関係を示す第1のマップまたは高くしたキャリア周波数と高くした目標値との関係を示す第2のマップを保持しており、第1のマップを参照して高くしたキャリア周波数に対応する高くした昇圧比を決定し、または第2のマップを参照して高くしたキャリア周波数に対応する高くした目標値を決定する。
【0036】
好ましくは、電気負荷は、インバータであり、駆動回路は、雰囲気温度が基準値よりも低下した場合、キャリア周波数を保持してインバータを駆動し、出力電圧の電圧レベルが上昇するように電圧変換器を駆動する。
【0037】
好ましくは、駆動回路は、入力電圧を出力電圧に昇圧するときの昇圧比を上昇して電圧変換器を駆動する。
【0038】
好ましくは、駆動回路は、出力電圧の目標値を上昇して電圧変換器を駆動する。
【0039】
好ましくは、駆動回路は、インバータのキャリア周波数に応じて、昇圧比または目標値を決定する。
【0040】
好ましくは、駆動回路は、キャリア周波数と昇圧比との関係を示す第1のマップまたはキャリア周波数と目標値との関係を示す第2のマップを保持しており、第1のマップを参照してキャリア周波数に対応する昇圧比を決定し、または第2のマップを参照してキャリア周波数に対応する目標値を決定する。
【0041】
好ましくは、基準値は、モータ逆起電圧に基づいて決定される。
さらに、この発明によれば、電源からの入力電圧を出力電圧に変換する電圧変換方法は、入力電圧を出力電圧に変換する電圧変換器の雰囲気温度を検出する第1のステップと、雰囲気温度が基準値よりも低いか否かを判定する第2のステップと、雰囲気温度が基準値よりも低いと判定されたとき、出力電圧によって駆動される電気負荷の温度が上昇するように入力電圧を出力電圧に変換する第3のステップとを含む。
【0042】
好ましくは、第3のステップは、出力電圧の電圧レベルが上昇するように入力電圧を出力電圧に変換する。
【0043】
好ましくは、第3のステップは、入力電圧を出力電圧に変換する際の昇圧比を雰囲気温度の検出時の値よりも高くして入力電圧を出力電圧に変換する。
【0044】
好ましくは、第3のステップは、出力電圧の目標値を雰囲気温度の検出時の値よりも高くして入力電圧を出力電圧に変換する。
【0045】
好ましくは、第3のステップは、雰囲気温度の低下度が大きい程、昇圧比または目標値の上昇度合いを大きくする。
【0046】
さらに、この発明によれば、電源からの入力電圧を出力電圧に昇圧し、その昇圧した出力電圧を交流電圧に変換する電圧変換方法は、入力電圧を出力電圧に変換する電圧変換器の雰囲気温度を検出する第1のステップと、雰囲気温度が基準値よりも低いか否かを判定する第2のステップと、雰囲気温度が基準値よりも低いと判定されたとき、出力電圧を交流電圧に変換するインバータの温度が上昇するように入力電圧を交流電圧に変換する第3のステップとを含む。
【0047】
好ましくは、第3のステップは、出力電圧の電圧レベルが上昇するように入力電圧を出力電圧に変換する第1のサブステップと、インバータのキャリア周波数を雰囲気温度の検出時の値よりも高くして出力電圧を交流電圧に変換する第2のサブステップとを含む。
【0048】
好ましくは、第3のステップは、出力電圧の電圧レベルが上昇するように入力電圧を出力電圧に変換する第1のサブステップと、インバータのキャリア周波数を雰囲気温度の検出時の値に保持して出力電圧を交流電圧に変換する第2のサブステップとを含む。
【0049】
好ましくは、第1のサブステップは、入力電圧を出力電圧に昇圧するときの昇圧比を雰囲気温度の検出時の値よりも高くして入力電圧を出力電圧に変換する。
【0050】
好ましくは、第1のサブステップは、出力電圧の目標値を雰囲気温度の検出時の値よりも高くして出力電圧を交流電圧に変換する。
【0051】
好ましくは、第1のサブステップは、雰囲気温度の低下度が大きい程、昇圧比または目標値の上昇度合いを大きくする。
【0052】
さらに、この発明によれば、電源からの入力電圧を出力電圧に変換する電圧変換をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、入力電圧を出力電圧に変換する電圧変換器の雰囲気温度を検出する第1のステップと、雰囲気温度が基準値よりも低いか否かを判定する第2のステップと、雰囲気温度が基準値よりも低いと判定されたとき、出力電圧によって駆動される電気負荷の温度が上昇するように電圧変換器を駆動する第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0053】
好ましくは、第3のステップは、出力電圧の電圧レベルが上昇するように電圧変換器を駆動する。
【0054】
好ましくは、第3のステップは、入力電圧を出力電圧に昇圧する際の昇圧比を雰囲気温度の検出時の値よりも高くして電圧変換器を駆動する。
【0055】
好ましくは、第3のステップは、出力電圧の目標値を雰囲気温度の検出時の値よりも高くして電圧変換器を駆動する。
【0056】
好ましくは、第3のステップは、雰囲気温度の低下度が大きい程、昇圧比または目標値の上昇度合いを大きくする。
【0057】
さらに、この発明によれば、電源からの入力電圧を出力電圧に昇圧し、その昇圧した出力電圧を交流電圧に変換する電圧変換をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、入力電圧を出力電圧に変換する電圧変換器の雰囲気温度を検出する第1のステップと、雰囲気温度が基準値よりも低いか否かを判定する第2のステップと、雰囲気温度が基準値よりも低いと判定されたとき、出力電圧を交流電圧に変換するインバータの温度が上昇するように電圧変換器およびインバータを駆動する第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0058】
好ましくは、第3のステップは、出力電圧の電圧レベルが上昇するように電圧変換器を駆動する第1のサブステップと、インバータのキャリア周波数を雰囲気温度の検出時の値よりも高くしてインバータを駆動する第2のサブステップとを含む。
【0059】
好ましくは、第1のサブステップは、入力電圧を出力電圧に変換する際の昇圧比を雰囲気温度の検出時の値よりも高くして電圧変換器を駆動する。
【0060】
好ましくは、第1のサブステップは、雰囲気温度の低下度合いが大きい程、昇圧比の上昇度合いを大きくする。
【0061】
好ましくは、第1のサブステップは、出力電圧の目標値を雰囲気温度の検出時の値よりも高くして電圧変換器を駆動する。
【0062】
好ましくは、第1のサブステップは、雰囲気温度の低下度合いが大きい程、目標値の上昇度合いを大きくする。
【0063】
好ましくは、第1のサブステップは、雰囲気温度の検出時の値よりも高くしたキャリア周波数に応じて、高くした昇圧比または高くした目標値を決定する。
【0064】
好ましくは、第1のサブステップは、高くしたキャリア周波数と高くした昇圧比との関係を示す第1のマップを参照して高くしたキャリア周波数に対応する高くした昇圧比を決定し、または高くしたキャリア周波数と高くした目標値との関係を示す第2のマップを参照して高くしたキャリア周波数に対応する高くした目標値を決定する。
【0065】
好ましくは、第3のステップは、出力電圧の電圧レベルが上昇するように電圧変換器を駆動する第1のサブステップと、インバータのキャリア周波数を雰囲気温度の検出時の値に保持してインバータを駆動する第2のサブステップとを含む。
【0066】
好ましくは、第1のサブステップは、入力電圧を出力電圧に変換する際の昇圧比を雰囲気温度の検出時の値よりも高くして電圧変換器を駆動する。
【0067】
好ましくは、第1のサブステップは、雰囲気温度の低下度合いが大きい程、昇圧比の上昇度合いを大きくする。
【0068】
好ましくは、第1のサブステップは、出力電圧の目標値を雰囲気温度の検出時の値よりも高くして電圧変換器を駆動する。
【0069】
好ましくは、第1のサブステップは、雰囲気温度の低下度合いが大きい程、目標値の上昇度合いを大きくする。
【0070】
好ましくは、第1のサブステップは、キャリア周波数に応じて、昇圧比または目標値を決定する。
【0071】
好ましくは、第1のサブステップは、キャリア周波数と昇圧比との関係を示す第1のマップを参照してキャリア周波数に対応する昇圧比を決定し、またはキャリア周波数と目標値との関係を示す第2のマップを参照してキャリア周波数に対応する目標値を決定する。
【0072】
この発明においては、雰囲気温度が基準値よりも低下した場合、電気負荷の温度が上昇するように電圧変換器が駆動される。
【0073】
また、この発明においては、雰囲気温度が基準値よりも低下した場合、電気負荷の温度が上昇するように電圧変換器および電気負荷が駆動される。
【0074】
したがって、この発明によれば、電気負荷の温度を所定温度以上に上昇させることができる。その結果、電気負荷の動作特性の低下を防止できる。
【0075】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0076】
[実施の形態1]
図1を参照して、この発明の実施の形態1による電圧変換装置を備えるモータ駆動装置100は、直流電源Bと、電圧センサー10,11と、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、昇圧コンバータVBCと、温度センサー13と、インバータ14と、電流センサー24と、制御装置30とを備える。
【0077】
交流モータM1は、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。あるいは、このモータはエンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。
【0078】
昇圧コンバータVBCは、リアクトルL1と、昇圧IPM(Intellectual Power Module)12とを含む。昇圧IPM12は、NPNトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とから成る。リアクトルL1の一方端は直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2との中間点、すなわち、NPNトランジスタQ1のエミッタとNPNトランジスタQ2のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタQ1,Q2は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタQ1のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタQ2のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2が接続されている。
【0079】
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とから成る。U相アーム15、V相アーム16、およびW相アーム17は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
【0080】
U相アーム15は、直列接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、V相アーム16は、直列接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成り、W相アーム17は、直列接続されたNPNトランジスタQ7,Q8から成る。また、各NPNトランジスタQ3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
【0081】
各相アームの中間点は、交流モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、交流モータM1は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
【0082】
直流電源Bは、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池から成る。他にも、交流電力を整流などして得られた直流電圧を電源としてもよいし、太陽電池などの種々の電源を用いてもよい。電圧センサー10は、直流電源Bから出力される直流電圧Vbを検出し、その検出した直流電圧Vbを制御装置30へ出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによりオン/オフされる。より具体的には、システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からのH(論理ハイ)レベルの信号SEによりオンされ、制御装置30からのL(論理ロー)レベルの信号SEによりオフされる。
【0083】
コンデンサC1は、直流電源Bから供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を昇圧コンバータVBCへ供給する。
【0084】
昇圧コンバータVBCは、コンデンサC1から供給された直流電圧を昇圧してコンデンサC2へ供給する。より具体的には、昇圧コンバータVBCは、制御装置30から信号PWMUを受けると、信号PWMUによってNPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じて直流電圧を昇圧してコンデンサC2に供給する。
【0085】
また、昇圧コンバータVBCは、制御装置30から信号PWMDを受けると、コンデンサC2を介してインバータ14から供給された直流電圧を降圧して直流電源Bを充電する。ただし、昇圧機能のみを行なうような回路構成に昇圧コンバータVBCを適用してもよいことは言うまでもない。
【0086】
コンデンサC2は、昇圧コンバータVBCからの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14へ供給する。電圧センサー11は、コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、昇圧コンバータVBCの出力電圧Vm(インバータ14への入力電圧に相当する。以下、同じ。)を検出し、その検出した出力電圧Vmを制御装置30へ出力する。
【0087】
温度センサー13は、インバータ14を冷却する冷却水の温度(「インバータ冷却水温」と言う。)Tivを検出し、その検出したインバータ冷却水温Tivを制御装置30へ出力する。
【0088】
インバータ14は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置30からの信号PWMIに基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ14は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMCに基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータVBCへ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車または電気自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
【0089】
電流センサー24は、交流モータM1に流れるモータ電流MCRTを検出し、その検出したモータ電流MCRTを制御装置30へ出力する。
【0090】
制御装置30は、外部に設けられたECU(Electrical Control Unit)から入力されたトルク指令値TRおよびモータ回転数MRN、電圧センサー10からの直流電圧Vb、および電流センサー24からのモータ電流MCRTに基づいて、後述する方法により昇圧コンバータVBCを駆動するための信号PWMUとインバータ14を駆動するための信号PWMIとを生成し、その生成した信号PWMUおよび信号PWMIをそれぞれ昇圧コンバータVBCおよびインバータ14へ出力する。
【0091】
信号PWMUは、昇圧コンバータVBCがコンデンサC1からの直流電圧を出力電圧Vmに変換する場合に昇圧コンバータVBCを駆動するための信号である。そして、制御装置30は、昇圧コンバータVBCが直流電圧Vbを出力電圧Vmに変換する場合に、出力電圧Vmをフィードバック制御し、出力電圧Vmが指令された電圧指令Vdccomになるように昇圧コンバータVBCを駆動するための信号PWMUを生成する。信号PWMUの生成方法については後述する。
【0092】
また、制御装置30は、温度センサー13からのインバータ冷却水温Tivをモータ駆動装置100の雰囲気温度として検知する。そして、交流モータM1のモータ逆起電圧がインバータ14のインバータ耐圧と一致する温度を基準温度T1とした場合、制御装置30は、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いか否かを判定する。制御装置30は、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いと判定した場合、昇圧コンバータVBCにおける昇圧比が現在の値よりも高くなるように昇圧IPM12を制御し、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1以上であると判定した場合、昇圧IPM12に対して通常制御を行なう。
【0093】
さらに、制御装置30は、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号を外部のECUから受けると、交流モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMCを生成してインバータ14へ出力する。この場合、インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8は信号PWMCによってスイッチング制御される。これにより、インバータ14は、交流モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータVBCへ供給する。
【0094】
さらに、制御装置30は、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号を外部のECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するための信号PWMDを生成し、その生成した信号PWMDを昇圧コンバータVBCへ出力する。これにより、交流モータM1が発電した交流電圧は、直流電圧に変換され、降圧されて直流電源Bに供給される。
【0095】
さらに、制御装置30は、システムリレーSR1,SR2をオン/オフするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
【0096】
図2は、交流モータM1を駆動する駆動ユニットを示す斜視図である。図2を参照して、駆動ユニット60は、モータ駆動装置100のうち、リアクトルL1、昇圧IPM12、インバータ14、コンデンサC2および制御装置30を格納する。昇圧IPM12は、リアクトルL1に隣接して配置される。インバータ14は、リアクトルL1および昇圧IPM12に隣接して配置される。コンデンサC2は、インバータ14の上に配置される。制御装置30は、コンデンサC2の上に配置される。なお、直流電源Bは、リアクトルL1および昇圧IPM12側の駆動ユニット60の外側に配置され、リアクトルL1に直流電圧を供給する。そして、駆動ユニット60の下側には、リアクトルL1、昇圧IPM12およびインバータ14を冷却する冷却水を流すための配管61が設けられている。温度センサー13は、配管61を流れる冷却水の温度をインバータ冷却水温Tivとして検出する。
【0097】
このように、駆動ユニット60は、リアクトルL1、昇圧IPM12、インバータ14、コンデンサC2および制御装置30をコンパクトに格納してハイブリッド電気自動車または電気自動車に搭載され、直流電源Bから直流電圧を受けて交流モータM1を駆動する。
【0098】
図3は、制御装置30の機能ブロック図である。図3を参照して、制御装置30は、モータトルク制御手段301と、電圧変換制御手段302とを含む。
【0099】
モータトルク制御手段301は、トルク指令値TR(車両におけるアクセルペダルの踏み込み度合い、ハイブリッド車両においてはエンジンの動作状態をも考慮しながらモータに与えるべきトルク指令を演算して得られている)、直流電源Bから出力された直流電圧Vb、モータ電流MCRT、モータ回転数MRNおよび出力電圧Vmに基づいて、交流モータM1の駆動時、後述する方法により昇圧コンバータVBCのNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMUと、インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフするための信号PWMIとを生成し、その生成した信号PWMUおよび信号PWMIをそれぞれ昇圧コンバータVBCおよびインバータ14へ出力する。
【0100】
また、モータトルク制御手段301は、温度センサー13からのインバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いか否かを判定する。そして、モータトルク制御手段301は、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いと判定したとき、昇圧コンバータVBCにおける昇圧比が現在の値よりも高くなるように昇圧IPM12を駆動するための信号PWMU_upを生成して昇圧IPM12へ出力し、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1以上であると判定したとき、昇圧IPM12を通常に駆動するための信号PWMUを生成して昇圧IPM12へ出力する。
【0101】
電圧変換制御手段302は、回生制動時、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部のECUから受けると、交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMCを生成してインバータ14へ出力する。
【0102】
また、電圧変換制御手段302は、回生制動時、信号RGEを外部のECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するための信号PWMDを生成して昇圧コンバータVBCへ出力する。このように、昇圧コンバータVBCは、直流電圧を降圧するための信号PWMDにより直流電圧を降下させることもできるので、双方向コンバータの機能を有するものである。
【0103】
図4は、モータトルク制御手段301の機能ブロック図である。図4を参照して、モータトルク制御手段301は、モータ制御用相電圧演算部40と、インバータ用PWM信号変換部42と、昇圧比変更部48と、インバータ入力電圧指令演算部50と、フィードバック電圧指令演算部52と、デューティー比変換部54とを含む。
【0104】
モータ制御用相電圧演算部40は、昇圧コンバータVBCの出力電圧Vm、すなわち、インバータ14への入力電圧を電圧センサー11から受け、交流モータM1の各相に流れるモータ電流MCRTを電流センサー24から受け、トルク指令値TRを外部ECUから受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部40は、これらの入力される信号に基づいて、交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果をインバータ用PWM信号変換部42へ供給する。
【0105】
インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から受けた計算結果に基づいて、実際にインバータ14の各NPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフする信号PWMIを生成し、その生成した信号PWMIをインバータ14の各NPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。この場合、インバータ用PWM信号変換部42は、所定のキャリア周波数を設定して信号PWMIを生成する。
【0106】
これにより、各NPNトランジスタQ3〜Q8は、所定のキャリア周波数によってスイッチング制御され、交流モータM1が指令されたトルクを出力するように交流モータM1の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TRに応じたモータトルクが出力される。
【0107】
一方、昇圧比変更部48は、電圧センサー10からの直流電圧(「バッテリ電圧」とも言う。以下同じ。)Vbと、電圧センサー11からの出力電圧Vmと、温度センサー13からのインバータ冷却水温Tivとを受け、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いか否かを判定する。そして、昇圧比変更部56は、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いと判定したとき、バッテリ電圧Vbと出力電圧Vmとに基づいて現在の昇圧比Rbn(=Vm/Vb)を演算し、その演算した現在の昇圧比Rbnよりも高い昇圧比Rbuをインバータ入力電圧指令演算部50へ出力する。また、昇圧比変更部48は、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1以上であると判定したとき、現在の昇圧比Rbnを演算し、その演算した現在の昇圧比Rbnをインバータ入力電圧指令演算部50へ出力する。
【0108】
インバータ入力電圧指令演算部50は、昇圧比変更部48から昇圧比Rbnを受けると、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてインバータ入力電圧の最適値(目標値)、すなわち、電圧指令Vdccomを演算し、その演算した電圧指令Vdccomをフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。また、インバータ入力電圧指令演算部50は、昇圧比変更部56から昇圧比Rbuを受けると、その受けた昇圧比Rbuに直流電源Bから出力されるバッテリ電圧Vbを乗算する。そして、インバータ入力電圧指令演算部50は、乗算した値を電圧指令Vdccom_upとしてフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。
【0109】
フィードバック電圧指令演算部52は、電圧センサー11からの昇圧コンバータVBCの出力電圧Vmと、インバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令VdccomまたはVdccom_upとに基づいて、フィードバック電圧指令Vdccom_fbまたはVdccom_fb_upを演算し、その演算したフィードバック電圧指令Vdccom_fbまたはVdccom_fb_upをデューティー比変換部54へ出力する。
【0110】
デューティー比変換部54は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー11からの出力電圧Vmと、フィードバック電圧指令演算部52からのフィードバック電圧指令Vdccom_fbまたはVdccom_fb_upとに基づいて、電圧センサー11からの出力電圧Vmを、フィードバック電圧指令演算部52からのフィードバック電圧指令Vdccom_fbまたはVdccom_fb_upに設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比に基づいて昇圧コンバータVBCのNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMUまたは信号PWMU_upを生成する。そして、デューティー比変換部54は、生成した信号PWMUまたは信号PWMU_upを昇圧コンバータVBCのNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0111】
このように、モータトルク制御手段301は、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1以上であるとき、交流モータM1がトルク指令値TRによって指定されたトルクを出力するために必要な出力電圧Vmを出力するように昇圧コンバータVBCをフィードバック制御し、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いとき、交流モータM1がトルク指令値TRによって指定されたトルクを出力するために必要な出力電圧Vmよりも高い出力電圧Vm_uを出力するように昇圧コンバータVBCをフィードバック制御する。
【0112】
そうすると、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低い場合、インバータ14は、昇圧コンバータVBCから出力電圧Vm_uを受け、その受けた出力電圧Vm_uを交流電圧に変換する。この場合、インバータ14は、交流モータM1がトルク指令値TRによって指定されたトルクを出力するために必要な出力電圧Vmよりも高い出力電圧Vm_uを受けるので、出力電圧Vm_uを交流電圧に変換するとき、出力電圧Vmを交流電圧に変換するときよりも損失が増加し、インバータ14の温度が基準温度T1以上に上昇する。その結果、インバータ14は、交流モータM1のモータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも低い条件で駆動され、インバータ14の動作特性の低下が防止される。
【0113】
なお、昇圧コンバータVBCの下側のNPNトランジスタQ2のオンデューティーを大きくすることによりリアクトルL1における電力蓄積が大きくなるため、より高電圧の出力を得ることができる。一方、上側のNPNトランジスタQ1のオンデューティーを大きくすることにより電源ラインの電圧が下がる。したがって、インバータ冷却水温Tivが基準電圧T1よりも低い場合、NPNトランジスタQ2のオンデューティーは、インバータ冷却水温Tivが基準電圧T1以上である場合のオンデューティーよりも大きい。
【0114】
図5を参照して、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも低い条件でインバータ14が動作するように昇圧コンバータVBCを駆動する動作について説明する。なお、図5に示す動作は、一定時間ごとに実行される。
【0115】
一連の動作が開始されると、温度センサー13は、インバータ冷却水温Tivを検出して制御装置30へ出力し、制御装置30の昇圧比変更部48は、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いか否かを判定する(ステップS1)。そして、昇圧比変更部48は、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1以上であると判定したとき、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと電圧センサー11からの出力電圧Vmとに基づいて現在の昇圧比Rbnを演算し、その演算した現在の昇圧比Rbnをインバータ入力電圧指令演算部50へ出力する。
【0116】
インバータ入力電圧指令演算部50は、昇圧比変更部48から昇圧比Rbnを受けると、外部ECUからのトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて、インバータ入力電圧の最適値(目標値)である電圧指令Vdccomを演算し、その演算した電圧指令Vdccomをフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。
【0117】
フィードバック電圧指令演算部52は、電圧センサー11からの昇圧コンバータVBCの出力電圧Vmと、インバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdccomとに基づいて、フィードバック電圧指令Vdccom_fbを演算し、その演算したフィードバック電圧指令Vdccom_fbをデューティー比変換部54へ出力する。デューティー比変換部54は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー11からの出力電圧Vmと、フィードバック電圧指令演算部52からのフィードバック電圧指令Vdccom_fbとに基づいて、電圧センサー11からの出力電圧Vmを、フィードバック電圧指令演算部52からのフィードバック電圧指令Vdccom_fbに設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比に基づいて昇圧コンバータVBCのNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMUを生成する。そして、デューティー比変換部54は、生成した信号PWMUを昇圧コンバータVBCのNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。このようにして、昇圧コンバータVBCに対する通常制御が行なわれる(ステップS2)。
【0118】
一方、ステップS1において、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いと判定されると、昇圧比変更部48は、現在の昇圧比Rbnよりも高い昇圧比Rbuを設定し、その設定した昇圧比Rbuをインバータ入力電圧指令演算部50へ出力する。インバータ入力電圧指令演算部50は、昇圧比変更部48から昇圧比Rbuを受けると、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbに昇圧比Rbuを乗算し、その乗算した値を電圧指令Vdccom_upとしてフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。
【0119】
フィードバック電圧指令演算部52は、電圧センサー11からの昇圧コンバータVBCの出力電圧Vmと、インバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdccom_upとに基づいて、フィードバック電圧指令Vdccom_fb_upを演算し、その演算したフィードバック電圧指令Vdccom_fb_upをデューティー比変換部54へ出力する。デューティー比変換部54は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー11からの出力電圧Vmと、フィードバック電圧指令演算部52からのフィードバック電圧指令Vdccom_fb_upとに基づいて、電圧センサー11からの出力電圧Vmを、フィードバック電圧指令演算部52からのフィードバック電圧指令Vdccom_fb_upに設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比に基づいて昇圧コンバータVBCのNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMU_upを生成する。そして、デューティー比変換部54は、生成した信号PWMU_upを昇圧コンバータVBCのNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。このようにして、昇圧コンバータVBCにおける昇圧比を上昇する動作が行なわれる(ステップS3)。
【0120】
昇圧IPM12のNPNトランジスタQ1,Q2は、信号PWMU_upに基づいてオン/オフされ、出力電圧Vm_upをコンデンサC2を介してインバータ14へ供給する。インバータ14は、信号PWMIに基づいて出力電圧Vm_upを交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。この場合、インバータ14における損失が増加し、インバータ14の温度が上昇する。
【0121】
その後、昇圧比変更部48は、温度センサー13からインバータ冷却水温Tivを受け、その受けたインバータ冷却水温Tivが基準温度T2よりも高いか否かを判定する(ステップS4)。この基準温度T2は、基準温度T1にインバータ14のハンチングを防止する温度を加えた温度であり、たとえば、10〜15℃の範囲である。そして、インバータ冷却水温Tivが基準温度T2以下であると判定されたとき、ステップS3,S4が繰返し実行される。
【0122】
一方、ステップS4において、インバータ冷却水温Tivが基準温度T2よりも高いと判定されたとき、昇圧比変更部48は、バッテリ電圧Vbと出力電圧Vmとに基づいて現在の昇圧比Rbnを演算し、その演算した現在の昇圧比Rbnをインバータ入力電圧指令演算部50へ出力する。その後、上述した動作によって、昇圧コンバータVBCに対する通常制御が行なわれる。これにより、昇圧コンバータVBCにおける昇圧制御を通常に復帰させる動作が完了する(ステップS5)。そして、一連の動作を一旦終了する。
【0123】
このように、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いときは、インバータ14の温度が上昇するように昇圧コンバータVBCが駆動され、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1以上であるとき、昇圧コンバータVBCは通常に駆動される。その結果、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも高くなる温度まで雰囲気温度が低下しても、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも低くなる温度以上に雰囲気温度が上昇され、インバータ14の動作特性の低下が防止される。
【0124】
インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低い場合、昇圧コンバータVBCにおける昇圧比が上昇されるが、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低い度合いに応じて昇圧比を上昇させる度合いを変えてもよい。図6を参照して、昇圧比は、直線k5によって示されるように、温度差T1−Tivと比例関係にある。昇圧比変更部48は、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いと判定したとき、基準温度T1とインバータ冷却水温Tivとの差T1−Tivを演算する。そして、昇圧比変更部48は、直線k5によって示される関係をマップとして保持しており、その保持したマップを参照して温度差T1−Tivに対応する昇圧比を決定する。これにより、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1から大きく低下する程、昇圧比は、より高く設定される。その結果、昇圧コンバータVBCは、より高い電圧レベルを有する出力電圧Vmを出力し、インバータ14の損失がより増加してインバータ14の温度がより早く上昇する。
【0125】
図7は、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも低い条件でインバータ14が動作するように昇圧コンバータVBCを駆動する動作を説明するための他のフローチャートを示す。なお、図7に示す動作も、一定時間ごとに実行される。
【0126】
図7に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートのステップS3をステップS3Aに代えたものであり、その他は、図5に示すフローチャートと同じである。図7を参照して、ステップS1において、昇圧比変更部48は、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いと判定したとき、基準温度T1とインバータ冷却水温Tivとの温度差T1−Tivをさらに演算し、その演算した温度差T1−Tivに対応する昇圧比を、保持したマップ(図6に示す直線k5)を参照して決定する。そして、昇圧比変更部48は、決定した昇圧比を昇圧比Rbuとしてインバータ入力電圧指令演算部50へ出力する(ステップS3A)。
【0127】
その後、上述した動作に従ってインバータ14の温度が上昇するように昇圧コンバータVBCが駆動される。その他は、上述したとおりである。
【0128】
このように、図7に示すフローチャートに従って昇圧コンバータVBCを駆動した場合、雰囲気温度の低下度合いに応じて昇圧コンバータVBCにおける昇圧比が決定されるので、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも高くなる程、雰囲気温度が低下してインバータ14の動作特性が低下する可能性が生じても、インバータ14の動作特性の低下を速やかに防止できる。
【0129】
この実施の形態1においては、モータトルク制御手段301は、図8に示すモータトルク制御手段301Aであってもよい。図8を参照して、モータトルク制御手段301Aは、モータトルク制御手段301の昇圧比変更部48を削除し、インバータ入力電圧指令演算部50をインバータ入力電圧指令演算部50Aに代えたものであり、その他は、モータトルク制御手段301と同じである。
【0130】
インバータ入力電圧指令演算部50Aは、外部ECUからのトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNと、温度センサー13からのインバータ冷却水温Tivとを受ける。そして、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いか否かを判定する。
【0131】
インバータ入力電圧指令演算部50Aは、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1以上であると判定したとき、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて電圧指令Vdccomを演算し、その演算した電圧指令Vdccomをフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。また、インバータ入力電圧指令演算部50Aは、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いと判定したとき、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて演算した電圧指令Vdccomよりも高い値を電圧指令Vdccom_upとして決定し、その決定した電圧指令Vdccom_upをフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。
【0132】
直流電源Bの出力電圧Vbは、雰囲気温度の低下によって低下する場合もあり、そのような直流電源Bが用いられている場合は、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いとき、昇圧コンバータVBCにおける昇圧比を上昇させるよりも、昇圧コンバータVBCの出力電圧Vmの電圧指令をインバータ14の温度が基準温度T1以上になる値に設定することが好ましい。
【0133】
したがって、出力電圧Vbが雰囲気温度に依存する直流電源Bが用いられている場合、好ましくは、モータトルク制御手段301Aによって昇圧コンバータVBCの駆動が制御される。
【0134】
モータトルク制御手段301Aによって昇圧コンバータVBCの駆動が制御される場合、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも低い条件でインバータ14が動作するように昇圧コンバータVBCを駆動する動作は、図5に示すフローチャートに従って実行される。その場合、図5に示すステップS3の「昇圧比」を「電圧指令」に読替えればよい。
【0135】
また、モータトルク制御手段301Aによって昇圧コンバータVBCの駆動が制御される場合、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも低い条件でインバータ14が動作するように昇圧コンバータVBCを駆動する動作は、図7に示すフローチャートに従って実行されてもよい。電圧指令Vdccomは、温度差T1−Tivとの間に、図6の直線k5によって示される比例関係がある。したがって、図7のステップS3Aの「昇圧比」を「電圧指令」と読替えれば、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1から大きく低下する程、電圧指令Vdccomの値を高く設定して昇圧コンバータVBCを駆動できる。
【0136】
再び、図1を参照して、モータ駆動装置100における動作について説明する。制御装置30は、外部のECUからトルク指令値TRが入力されると、Hレベルの信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力するとともに、交流モータM1がトルク指令値TRによって指定されたトルクを発生するように昇圧コンバータVBCおよびインバータ14を制御するための信号PWMUおよび信号PWMIを生成してそれぞれ昇圧コンバータVBCおよびインバータ14へ出力する。
【0137】
そして、直流電源Bは直流電圧Vbを出力し、システムリレーSR1,SR2は直流電圧VbをコンデンサC1へ供給する。コンデンサC1は、供給された直流電圧Vbを平滑化し、その平滑化した直流電圧Vbを昇圧コンバータVBCへ供給する。
【0138】
そうすると、昇圧コンバータVBCのNPNトランジスタQ1,Q2は、制御装置30からの信号PWMUに応じてオン/オフされ、昇圧コンバータVBCは、出力電圧Vmが電圧指令Vdccomになるように直流電圧Vbを出力電圧Vmに昇圧してコンデンサC2に供給する。
【0139】
コンデンサC2は、昇圧コンバータVBCから供給された直流電圧を平滑化してインバータ14へ供給する。インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8は、制御装置30からの信号PWMIに従ってオン/オフされ、インバータ14は、直流電圧を交流電圧に変換し、トルク指令値TRによって指定されたトルクを交流モータM1が発生するように交流モータM1のU相、V相、W相の各相に所定の交流電流を流す。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生する。
【0140】
そして、制御装置30は、上述したモータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも低い条件でインバータ14が動作するように昇圧コンバータVBCを駆動する動作を一定時間ごとに実行し、インバータ14の動作特性の低下が防止される。
【0141】
一方、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードになった場合、制御装置30は、回生制動モードになったことを示す信号を外部のECUから受け、信号PWMCおよび信号PWMDを生成してそれぞれインバータ14および昇圧コンバータVBCへ出力する。
【0142】
交流モータM1は、交流電圧を発電し、その発電した交流電圧をインバータ14へ供給する。そして、インバータ14は、制御装置30からの信号PWMCに従って、交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータVBCへ供給する。
【0143】
なお、上記においては、インバータ冷却水温Tivが雰囲気温度として検出されると説明したが、この発明においては、直流電源Bの温度およびエンジン水温が雰囲気温度として検出されてもよい。
【0144】
また、この発明においては、昇圧コンバータVBC、温度センサー13、制御装置30の昇圧比変更部48、インバータ入力電圧指令演算部50、フィードバック電圧指令演算部52およびデューティー比変換部54は、「電圧変換装置」を構成する。
【0145】
さらに、この発明においては、昇圧コンバータVBC、温度センサー13、制御装置30のインバータ入力電圧指令演算部50A、フィードバック電圧指令演算部52およびデューティー比変換部54は、「電圧変換装置」を構成する。
【0146】
さらに、この発明においては、昇圧比変更部48、インバータ入力電圧指令演算部50、フィードバック電圧指令演算部52およびデューティー比変換部54は、電圧変換器としての昇圧コンバータVBCを駆動する「駆動回路」を構成する。
【0147】
さらに、この発明においては、インバータ入力電圧指令演算部50A、フィードバック電圧指令演算部52およびデューティー比変換部54は、電圧変換器としての昇圧コンバータVBCを駆動する「駆動回路」を構成する。
【0148】
さらに、この発明においては、インバータ14は「電気負荷」を構成する。
さらに、基準温度T1は、図23に示すように、モータ逆起電圧の温度依存性を示す直線がインバータ耐圧の温度依存性を示す直線と交差する温度として決定される。そこで、この発明においては、基準温度T1は、モータ逆起電圧に基づいて決定されるようにする。
【0149】
さらに、この発明による電圧変換方法は、図5または図7に示すフローチャートに従ってフィードバック制御を行ない、直流電圧Vbを出力電圧VmまたはVm_upに変換する電圧変換方法である。
【0150】
さらに、昇圧比変更部48、インバータ入力電圧指令演算部50、フィードバック電圧指令演算部52およびデューティー比変換部54におけるフィードバック制御は、実際にはCPU(Central Processing Unit)によって行なわれ、CPUは、図5または図7に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROM(Read Only Memory)から読出し、その読出したプログラムを実行して図5または図7に示すフローチャートに従って直流電圧Vbから出力電圧VmまたはVm_upへの電圧変換を制御する。したがって、ROMは、図5または図7に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0151】
さらに、インバータ入力電圧指令演算部50A、フィードバック電圧指令演算部52およびデューティー比変換部54におけるフィードバック制御は、実際にはCPUによって行なわれ、CPUは、図5または図7に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROMから読出し、その読出したプログラムを実行して図5または図7に示すフローチャートに従って直流電圧Vbから出力電圧VmまたはVm_upへの電圧変換を制御する。したがって、ROMは、図5または図7に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0152】
実施の形態1によれば、電圧変換装置は、インバータ冷却水温が基準温度よりも低い場合、電気負荷としてのインバータの温度が上昇するように、昇圧比(または電圧指令)を現在の昇圧比(または現在の電圧指令)よりも高く設定して昇圧コンバータを駆動する駆動回路を備えるので、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも高くなる温度まで雰囲気温度が低下してもインバータの動作特性の低下を防止できる。
【0153】
[実施の形態2]
図9を参照して、実施の形態2による電圧変換装置を備えるモータ駆動装置100Aは、モータ駆動装置100の制御装置30を制御装置30Aに代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100と同じである。
【0154】
制御装置30Aは、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低い場合、インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するキャリア周波数を現在のキャリア周波数に保持し、その保持したキャリア周波数に応じて昇圧コンバータVBCにおける昇圧比または電圧指令を決定する。それ以外の制御装置30Aの動作は制御装置30の動作と同じである。
【0155】
図10を参照して、制御装置30Aは、制御装置30のモータトルク制御手段301をモータトルク制御手段301Bに代えたものであり、それ以外は、制御装置30と同じである。
【0156】
モータトルク制御手段301Bは、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いか否かを判定し、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1以上であると判定した場合、トルク指令値TR、モータ回転数MRN、バッテリ電圧Vbおよび出力電圧Vmに基づいて信号PWMUを生成して昇圧コンバータVBCのNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0157】
また、モータトルク制御手段301Bは、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いと判定した場合、インバータ14のキャリア周波数を保持し、その保持したキャリア周波数に応じて昇圧コンバータVBCにおける昇圧比または電圧指令を現在の値よりも大きくして信号PWMU_upを生成する。そして、モータトルク制御手段301Bは、生成した信号PWMU_upを昇圧コンバータVBCのNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0158】
図11を参照して、モータトルク制御手段301Bは、モータトルク制御手段301の昇圧比変更部48を昇圧比変更部48Aに代えたものであり、その他は、モータトルク制御手段301と同じである。昇圧比変更部48Aは、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、温度センサー13からのインバータ冷却水温Tivと、インバータ用PWM信号変換部42からのキャリア周波数fcとを受ける。
【0159】
そして、昇圧比変更部48Aは、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いか否かを判定し、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1以上であると判定したとき、バッテリ電圧Vbおよび出力電圧Vmに基づいて昇圧比Rbn(=Vm/Vb)を演算し、その演算した昇圧比Rbnをインバータ入力電圧指令演算部50へ出力する。また、昇圧比変更部48Aは、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いと判定したとき、バッテリ電圧Vbおよび出力電圧Vmに基づいて昇圧コンバータVBCにおける現在の昇圧比を演算し、その演算した現在の昇圧比よりも高く、かつ、インバータ用PWM信号変換部42から受けたキャリア周波数fcに応じた昇圧比Rbuに設定し、その設定した昇圧比Rbuをインバータ入力電圧指令演算部50へ出力する。この場合、昇圧比変更部48Aは、キャリア周波数fcを保持するための信号HLDを生成してインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。
【0160】
図12を参照して、昇圧比とインバータ14のキャリア周波数fcとの間には直線k6によって示される関係が成立する。すなわち、昇圧比は、キャリア周波数fcが高くなるに従って一定の割合で低下する。
【0161】
昇圧比変更部48Aは、直線k6によって表わされる関係をマップとして保持しており、その保持したマップを参照して、キャリア周波数fcに対応した昇圧比を抽出する。たとえば、演算された現在の昇圧比とインバータ14のキャリア周波数fcとによって表わされる点が図12に示す点Aである場合、昇圧比変更部48Aは、キャリア周波数fcを変えずに昇圧比のみを上昇させた直線k6上の点Bを抽出し、その点Bにおける昇圧比を設定すべき昇圧比Rbuとして決定する。
【0162】
なお、モータトルク制御手段301Bにおいては、インバータ用PWM信号変換部42は、昇圧比変更部48Aから信号HLDを受けると、現在のキャリア周波数fcを保持して信号PWMIを生成する。
【0163】
このように、実施の形態2においては、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低い場合の昇圧比Rbuは、直線k6に従って決定されるが、インバータ14の現在のキャリア周波数fcを保持し、その保持したキャリア周波数fcを有する点Bよりも上側に位置する点によって昇圧比Rbuを決定してもよい。すなわち、インバータ14の現在のキャリア周波数fcを保持しながら基準温度T1とインバータ冷却水温Tivとの温度差T1−Tivに応じて、昇圧比を決定してもよい。この場合、現在のキャリア周波数fcを有し、かつ、点Bよりも上側に位置する点における昇圧比が昇圧比Rbuとして設定される。
【0164】
図13を参照して、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも低い条件でインバータ14が動作するように昇圧コンバータVBCおよびインバータ14を駆動する動作について説明する。図13に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートのステップS3をステップS31,S32に代えたものであり、その他は、図5に示すフローチャートと同じである。なお、図13に示すフローチャートに従って行なわれる動作は一定時間ごとに実行される。
【0165】
ステップS1において、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いと判定されたとき、昇圧比変更部48Aは、信号HLDを生成してインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。インバータ用PWM信号変換部42は、信号HLDに応じて、現在のキャリア周波数fcを保持して信号PWMIを生成してインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。これにより、インバータ14のキャリア周波数が現在の値に保持される(ステップS31)。
【0166】
その後、昇圧比変更部48Aは、保持したマップを参照して、昇圧比Rbuを現在の値よりも大きく、かつ、インバータ14の現在のキャリア周波数fcに対応した値に設定し、その設定した昇圧比Rbuをインバータ入力電圧指令演算部50へ出力する(ステップS32)。その後、上述したステップS4,S5が実行され、一旦、一連の動作が終了する。
【0167】
このように、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いと判定されたとき、インバータ14のキャリア周波数fcが現在の値に保持されるとともに、昇圧コンバータVBCは、電圧変換における昇圧比を現在の値よりも大きく、かつ、インバータ14のキャリア周波数fcに対応した昇圧比に設定して駆動される。
【0168】
したがって、昇圧コンバータVBCは、インバータ14の温度に大きく影響するNPNトランジスタQ3〜Q8のスイッチング周波数(キャリア周波数fc)に適した直流電圧をインバータ14へ供給でき、インバータ14の温度を基準温度T1以上にスムーズに上昇できる。
【0169】
実施の形態2においては、モータトルク制御手段301Bは、図14に示すモータトルク制御手段301Cであってもよい。モータトルク制御手段301Cは、モータトルク制御手段301Bの昇圧比変更部48Aを削除し、インバータ入力電圧指令演算部50をインバータ入力電圧指令演算部50Bに代えたものであり、その他は、モータトルク制御手段301Bと同じである。
【0170】
インバータ入力電圧指令演算部50Bは、外部ECUからのトルク指令値TRおよびモータ回転数MRN、温度センサー13からのインバータ冷却水温Tivおよびインバータ用PWM信号変換部42からのキャリア周波数fcを受ける。そして、インバータ入力電圧指令演算部50Bは、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いか否かを判定し、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1以上であると判定したとき、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて電圧指令Vdccomを演算し、その演算した電圧指令Vdccomをフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。
【0171】
一方、インバータ入力電圧指令演算部50Bは、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いと判定したとき、信号HLDを生成してインバータ用PWM信号変換部42へ出力するとともに、電圧指令をインバータ用PWM信号変換部42から受けたキャリア周波数fcに対応した電圧指令Vdccom_upに設定してフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。
【0172】
電圧指令とインバータ14のキャリア周波数fcとの間には、図12に示す直線k6によって表わされる関係と同じような関係が成立する。つまり、電圧指令は、キャリア周波数fcが上昇するに従って一定の割合で低下する。したがって、インバータ入力電圧指令演算部50Bは、電圧指令とキャリア周波数fcとの関係をマップとして保持しており、その保持したマップを参照して、現在の値よりも大きく、かつ、インバータ14の現在のキャリア周波数に対応する電圧指令を電圧指令Vdccom_upとして抽出してフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。
【0173】
モータトルク制御手段301Cによって昇圧コンバータVBCおよびインバータ14の駆動が制御される場合、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも低い条件でインバータ14が動作するように昇圧コンバータVBCおよびインバータ14を駆動する動作は、図13に示すフローチャートに従って実行される。その場合、図13に示すステップS32の「昇圧比」を「電圧指令」に読替えればよい。
【0174】
モータ駆動装置100Aにおける全体動作は、実施の形態1におけるモータ駆動装置100の全体動作のうち、制御装置30のモータトルク制御手段301,301Aの動作をモータトルク制御手段301B,301Cの動作に代えたものであり、その他は、実施の形態1における動作と同じである。
【0175】
上述したように、この実施の形態2においては、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低い場合、インバータ14の温度が基準温度T1以上に上昇するように、昇圧コンバータVBCおよびインバータ14を駆動することを特徴とする。すなわち、現在のキャリア周波数fcを保持してインバータ14を駆動するとともに、インバータ14の現在のキャリア周波数fcに対応する昇圧比または電圧指令を用いて昇圧コンバータVBCを駆動する。
【0176】
これにより、インバータ14の現在のキャリア周波数fcによってNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御した場合に、インバータ14の温度を基準温度T1以上に速やかに上昇可能な直流電圧をインバータ14に供給できる。その結果、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも高くなる温度まで雰囲気温度が低下した場合でも、インバータ14の温度が速やかに上昇し、インバータ14の動作特性の低下が防止される。
【0177】
この発明においては、昇圧コンバータVBC、温度センサー13、制御装置30Aの昇圧比変更部48A、インバータ入力電圧指令演算部50、フィードバック電圧指令演算部52、デューティー比変換部54およびインバータ14は、「電圧変換装置」を構成する。
【0178】
また、この発明においては、昇圧コンバータVBC、温度センサー13、制御装置30Aのインバータ入力電圧指令演算部50B、フィードバック電圧指令演算部52、デューティー比変換部54およびインバータ14は、「電圧変換装置」を構成する。
【0179】
さらに、この発明においては、モータトルク制御手段301Bまたは301Cは、電圧変換器としての昇圧コンバータVBCと電気負荷としてのインバータとを駆動する「駆動回路」を構成する。
【0180】
さらに、この発明による電圧変換方法は、図13に示すフローチャートに従ってフィードバック制御を行ない、直流電圧Vbを出力電圧VmまたはVm_upに変換する電圧変換方法である。
【0181】
さらに、モータトルク制御手段301Bまたは301Cにおける昇圧コンバータVBCおよびインバータ14の駆動は、実際にはCPUによって行なわれ、CPUは、図13に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROMから読出し、その読出したプログラムを実行して図13に示すフローチャートに従って直流電圧Vbから出力電圧VmまたはVm_upを介して交流電圧への電圧変換を制御する。したがって、ROMは、図13に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0182】
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態2によれば、電圧変換装置は、インバータ冷却水温が基準温度よりも低い場合、現在のキャリア周波数を保持してインバータを駆動するとともに、昇圧比(または電圧指令)を現在の昇圧比(または現在の電圧指令)よりも高く、かつ、インバータの現在のキャリア周波数に対応した昇圧比(または電圧指令)に設定して昇圧コンバータを駆動する駆動回路を備えるので、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも高くなる温度まで雰囲気温度が低下しても、インバータの温度を速やかに上昇でき、インバータの動作特性の低下を防止できる。
【0183】
[実施の形態3]
図15を参照して、実施の形態3による電圧変換装置を備えるモータ駆動装置100Bは、モータ駆動装置100の制御装置30を制御装置30Bに代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100と同じである。
【0184】
制御装置30Bは、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低い場合、現在のキャリア周波数fcよりも高いキャリア周波数fc_upを用いてインバータ14を駆動するとともに、現在の値よりも大きく、かつ、キャリア周波数fc_upに対応した昇圧比または電圧指令を用いて昇圧コンバータVBCを駆動する。制御装置30Bのその他の動作は制御装置30の動作と同じである。
【0185】
図16を参照して、制御装置30Bは、制御装置30のモータトルク制御手段301をモータトルク制御手段301Dに代えたものであり、その他は、制御装置30と同じである。
【0186】
モータトルク制御手段301Dは、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いか否かを判定する。そして、モータトルク制御手段301Dは、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1以上であると判定したとき、トルク指令値TR、モータ回転数MRNおよび出力電圧Vmに基づいてインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMIを生成するとともに、トルク指令値TR、バッテリ電圧Vb、モータ回転数MRNおよび出力電圧Vmに基づいて昇圧コンバータVBCのNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するための信号PWMUを生成する。そして、モータトルク制御手段301Dは、生成した信号PWMUおよび信号PWMIをそれぞれ昇圧コンバータVBCおよびインバータ14へ出力する。
【0187】
また、モータトルク制御手段301Dは、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いと判定したとき、インバータ14の現在のキャリア周波数fcよりも高いキャリア周波数fc_upを用いてNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI_upを生成するとともに、現在の値よりも大きく、かつ、キャリア周波数fc_upに対応した昇圧比または電圧指令を用いてNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するための信号PWMU_upを生成する。そして、モータトルク制御手段301Dは、生成した信号PWMU_upおよび信号PWMI_upをそれぞれ昇圧コンバータVBCおよびインバータ14へ出力する。
【0188】
図17を参照して、モータトルク制御手段301Dは、モータトルク制御手段301の昇圧比変更部48をキャリア周波数/昇圧比変更部49に代えたものであり、その他は、モータトルク制御手段301と同じである。
【0189】
キャリア周波数/昇圧比変更部49は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vb、温度センサー13からのインバータ冷却水温Tivおよびインバータ用PWM信号変換部42からのキャリア周波数fcを受ける。そして、キャリア周波数/昇圧比変更部49は、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いか否かを判定する。
【0190】
キャリア周波数/昇圧比変更部49は、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1以上であると判定したとき、バッテリ電圧Vbおよび出力電圧Vmに基づいて現在の昇圧比Rbn(=Vm/Vb)を演算し、その演算した現在の昇圧比Rbnをインバータ入力電圧指令演算部50へ出力する。
【0191】
そうすると、インバータ入力電圧指令演算部50、フィードバック電圧指令演算部52およびデューティー比演算部54は、上述した動作によって信号PWMUを生成して昇圧コンバータVBCへ出力する。また、インバータ用PWM信号変換部42は、現在のキャリア周波数fcを用いて信号PWMIを生成してインバータ14へ出力する。
【0192】
したがって、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1以上である場合、信号PWMUおよび信号PWMIが生成され、それぞれ、昇圧コンバータVBCおよびインバータ14へ出力される。
【0193】
キャリア周波数/昇圧比変更部49は、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いと判定したとき、インバータ用PWM信号変換部42から受けたキャリア周波数fcよりも高いキャリア周波数fc_upを設定し、その設定したキャリア周波数fc_upをインバータ用PWM信号変換部42へ出力するとともに、現在の値よりも高く、かつ、キャリア周波数fc_upに対応する昇圧比Rbuを設定し、その設定した昇圧比Rbuをインバータ入力電圧指令演算部50へ出力する。
【0194】
図18を参照して、上述したように、昇圧比は、インバータ14のキャリア周波数fcとの間に直線k6によって表わされる関係を有する。バッテリ電圧Vbおよび出力電圧Vmに基づいて演算した現在の昇圧比と、インバータ用PWM信号変換部42から受けたキャリア周波数fcとによって表わされる点が図18に示す点Aである場合、キャリア周波数/昇圧比変更部49は、点Aにおけるキャリア周波数fcよりも高いキャリア周波数fc_upを決定し、その決定したキャリア周波数fc_upを有する点Cを抽出する。そして、キャリア周波数/昇圧比変更部49は、点Cにおける昇圧比を昇圧比Rbuと決定する。
【0195】
一般的には、キャリア周波数/昇圧比変更部49は、fc<fc_up<fclを満たすようにキャリア周波数fc_upを決定する。キャリア周波数fc_upとしてキャリア周波数fclよりも高いキャリア周波数を選択すると、昇圧コンバータVBCにおける昇圧比が現在の昇圧Rbnよりも低下するからである。
【0196】
したがって、キャリア周波数/昇圧比変更部49は、直線k6によって表わされる関係をマップとして保持しており、その保持したマップを参照して、直線k6上の点P1から点P2までの間に存在する任意の点におけるキャリア周波数および昇圧比をそれぞれキャリア周波数fc_upおよび昇圧比Rbuとして決定する。
【0197】
そして、キャリア周波数/昇圧比変更部49は、決定したキャリア周波数fc_upをインバータ用PWM信号変換部42へ出力し、決定した昇圧比Rbuをインバータ入力電圧指令演算部50へ出力する。
【0198】
そうすると、インバータ用PWM信号変換部42は、キャリア周波数/昇圧比変更部49からのキャリア周波数fc_upを用いて信号PWMI_upを生成してインバータ14へ出力する。また、インバータ入力電圧指令演算部50、フィードバック電圧指令演算部52およびデューティー比変換部54は、実施の形態1において説明したように昇圧比Rbuを用いて信号PWMU_upを生成して昇圧コンバータVBCへ出力する。
【0199】
このように、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低い場合、現在のキャリア周波数fcよりも高いキャリア周波数fc_upを用いてインバータ14を駆動するための信号PWMI_upが生成され、現在の値よりも大きく、かつ、高くしたキャリア周波数fc_upに対応した昇圧比Rbuを用いて信号PWMU_upが生成される。
【0200】
つまり、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低い場合、インバータ14の温度が上昇するように昇圧コンバータVBCおよびインバータ14が駆動される。
【0201】
上述したように、実施の形態3においては、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低い場合の昇圧比Rbuは、インバータ14の現在のキャリア周波数が高くなり、かつ、現在の昇圧比が大きくなるように直線k6に従って決定されるが、高くしたキャリア周波数fc_upを有し、直線k6よりも上側に位置する点によって昇圧比Rbuを決定してもよい。すなわち、基準温度T1とインバータ冷却水温Tivとの温度差T1−Tivに応じて、昇圧比Rbuを決定してもよい。この場合、高くしたキャリア周波数fc_upを有し、直線k6よりも上側に位置する点における昇圧比が昇圧比Rbuとして設定される。
【0202】
図19を参照して、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも低い条件でインバータ14が動作するように昇圧コンバータVBCおよびインバータ14を駆動する動作について説明する。図19に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートのステップS3をステップS33に代えたものであり、その他は、図5に示すフローチャートと同じである。なお、図19に示すフローチャートに従って行なわれる動作は一定時間ごとに実行される。
【0203】
ステップS1において、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いと判定されたとき、キャリア周波数/昇圧比変更部49は、インバータ14の現在のキャリア周波数fcよりも高いキャリア周波数fc_upを設定してインバータ用PWM信号変換部42へ出力するとともに、現在の値よりも大きく、かつ、高く設定したキャリア周波数fc_upに対応する昇圧比Rbuを設定してインバータ入力電圧指令演算部50へ出力する(ステップS33)。その後、上述したステップS4,S5が実行され、一連の動作が一旦終了する。
【0204】
このように、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低い場合、インバータ14の温度が上昇するように昇圧コンバータVBCおよびインバータ14が駆動される。
【0205】
実施の形態3においては、モータトルク制御手段301Dは、図20に示すモータトルク制御手段301Eであってもよい。モータトルク制御手段301Eは、モータトルク制御手段301Dのキャリア周波数/昇圧比変更部49をキャリア周波数/電圧指令変更部51に代え、インバータ入力電圧指令演算部50をインバータ入力電圧指令演算部50Cに代えたものであり、その他は、モータトルク制御手段301Dと同じである。
【0206】
インバータ入力電圧指令演算部50Cは、外部ECUからのトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて電圧指令Vdccomを演算し、その演算した電圧指令Vdccomをキャリア周波数/電圧指令変更部51およびフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。
【0207】
キャリア周波数/電圧指令変更部51は、インバータ入力電圧指令演算部50Cからの電圧指令Vdccom、温度センサー13からのインバータ冷却水温Tivおよびインバータ用PWM信号変換部42からのキャリア周波数fcを受ける。そして、キャリア周波数/電圧指令変更部51は、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いか否かを判定し、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1以上であると判定したとき、インバータ入力電圧指令演算部50Cからの電圧指令Vdccomを用いてフィードバック電圧指令を演算することを示す信号SNMを生成してフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。
【0208】
一方、キャリア周波数/電圧指令変更部51は、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低いと判定したとき、インバータ14の現在のキャリア周波数fcよりも高いキャリア周波数fc_upを設定してインバータ用PWM信号変換部42へ出力するとともに、電圧指令をインバータ用PWM信号変換部42から受けたキャリア周波数fcに対応した電圧指令Vdccom_upに設定してフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。
【0209】
電圧指令とインバータ14のキャリア周波数fcとの間には、図18に示す直線k6によって表わされる関係と同じような関係が成立する。つまり、電圧指令は、キャリア周波数fcが上昇するに従って一定の割合で低下する。したがって、キャリア周波数/電圧指令変更部51は、電圧指令とキャリア周波数fcとの関係をマップとして保持しており、その保持したマップを参照して、現在の値よりも大きく、かつ、インバータ14の高くしたキャリア周波数fc_upに対応する電圧指令を電圧指令Vdccom_upとして抽出してフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。
【0210】
モータトルク制御手段301Eによって昇圧コンバータVBCおよびインバータ14の駆動が制御される場合、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも低い条件でインバータ14が動作するように昇圧コンバータVBCおよびインバータ14を駆動する動作は、図19に示すフローチャートに従って実行される。その場合、図19に示すステップS33の「昇圧比」を「電圧指令」に読替えればよい。
【0211】
モータ駆動装置100Bにおける全体動作は、実施の形態1におけるモータ駆動装置100の全体動作のうち、制御装置30のモータトルク制御手段301,301Aの動作をモータトルク制御手段301D,301Eの動作に代えたものであり、その他は、実施の形態1における動作と同じである。
【0212】
上述したように、この実施の形態3においては、インバータ冷却水温Tivが基準温度T1よりも低い場合、インバータ14の温度が基準温度T1以上に上昇するように、昇圧コンバータVBCおよびインバータ14を駆動することを特徴とする。すなわち、現在のキャリア周波数fcよりも高いキャリア周波数fc_upを設定してインバータ14を駆動するとともに、インバータ14の高く設定したキャリア周波数fc_upに対応する昇圧比または電圧指令を用いて昇圧コンバータVBCを駆動する。
【0213】
これにより、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも高くなる温度まで雰囲気温度が低下した場合でも、インバータ14の温度がより速やかに上昇し、インバータ14の動作特性の低下が防止される。
【0214】
この発明においては、昇圧コンバータVBC、温度センサー13、制御装置30Bのキャリア周波数/昇圧比変更部49、インバータ入力電圧指令演算部50、フィードバック電圧指令演算部52、デューティー比変換部54およびインバータ14は、「電圧変換装置」を構成する。
【0215】
また、この発明においては、昇圧コンバータVBC、温度センサー13、制御装置30Bのインバータ入力電圧指令演算部50C、キャリア周波数/昇圧比変更部51、フィードバック電圧指令演算部52、デューティー比変換部54およびインバータ14は、「電圧変換装置」を構成する。
【0216】
さらに、この発明においては、モータトルク制御手段301Dは、電圧変換器としての昇圧コンバータVBCと電気負荷としてのインバータ14とを駆動する「駆動回路」を構成する。
【0217】
さらに、この発明においては、モータトルク制御手段301Eは、電圧変換器としての昇圧コンバータVBCと電気負荷としてのインバータ14とを駆動する「駆動回路」を構成する。
【0218】
さらに、この発明による電圧変換方法は、図19に示すフローチャートに従ってフィードバック制御を行ない、直流電圧Vbを出力電圧VmまたはVm_upに変換する電圧変換方法である。
【0219】
さらに、モータトルク制御手段301Dまたは301Eにおける昇圧コンバータVBCおよびインバータ14の駆動は、実際にはCPUによって行なわれ、CPUは、図19に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROMから読出し、その読出したプログラムを実行して図19に示すフローチャートに従って直流電圧Vbから出力電圧VmまたはVm_upを介して交流電圧への電圧変換を制御する。したがって、ROMは、図19に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0220】
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態3によれば、電圧変換装置は、インバータ冷却水温が基準温度よりも低い場合、キャリア周波数を現在の値よりも高く設定してインバータを駆動するとともに、昇圧比(または電圧指令)を現在の昇圧比(または現在の電圧指令)よりも高く、かつ、インバータの高く設定したキャリア周波数に対応した昇圧比(または電圧指令)に設定して昇圧コンバータを駆動する駆動回路を備えるので、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも高くなる温度まで雰囲気温度が低下しても、インバータの温度をより速やかに上昇でき、インバータの動作特性の低下を防止できる。
【0221】
上記の実施の形態1〜実施の形態3においては、交流モータが1個の場合について説明したが、この発明は、図21に示すように交流モータが2個の場合についても適用可能である。
【0222】
図21を参照して、モータ駆動装置100Cは、電流センサー28およびインバータ31をモータ駆動装置100に追加し、モータ駆動装置100の制御装置30を制御装置30Cに代え、温度センサー13を温度センサー13A,13Bに代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100と同じである。
【0223】
なお、コンデンサC2は、昇圧コンバータVBCからの出力電圧VmをノードN1,N2を介して受け、その受けた出力電圧Vmを平滑化してインバータ14のみならずインバータ31にも供給する。また、電流センサー24は、モータ電流MCRT1を検出して制御装置30Cへ出力する。さらに、インバータ14は、制御装置30Cからの信号PWMI1に基づいてコンデンサC2からの直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動し、信号PWMC1に基づいて交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換する。
【0224】
温度センサー13Aは、インバータ14の冷却水温Tiv1を検出して制御装置30Cへ出力する。温度センサー13Bは、インバータ31の冷却水温Tiv2を検出して制御装置30Cへ出力する。
【0225】
インバータ31は、インバータ14と同じ構成から成る。そして、インバータ31は、制御装置30Cからの信号PWMI2に基づいて、コンデンサC2からの直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM2を駆動し、信号PWMC2に基づいて交流モータM2が発電した交流電圧を直流電圧に変換する。
【0226】
電流センサー28は、交流モータM2の各相に流れるモータ電流MCRT2を検出して制御装置30Cへ出力する。
【0227】
制御装置30Cは、直流電源Bから出力された直流電圧Vbを電圧センサー10から受け、出力電圧Vmを電圧センサー11から受け、モータ電流MCRT1,MCRT2をそれぞれ電流センサー24,28から受け、トルク指令値TR1,TR2およびモータ回転数MRN1,MRN2を外部ECUから受け、インバータ冷却水温Tiv1,Tiv2をそれぞれ温度センサー13A,13Bから受ける。
【0228】
そして、制御装置30Cは、直流電圧Vb、出力電圧Vm、モータ電流MCRT1、トルク指令値TR1、インバータ冷却水温Tiv1およびモータ回転数MRN1に基づいて、上述した実施の形態1〜実施の形態3のいずれかの方向によりインバータ14が交流モータM1を駆動するときにインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI1(またはPWMI1_up)を生成し、その生成した信号PWMI1(またはPWMI1_up)をインバータ14へ出力する。
【0229】
また、制御装置30Cは、直流電圧Vb、出力電圧Vm、モータ電流MCRT2、トルク指令値TR2、インバータ冷却水温Tiv2およびモータ回転数MRN2に基づいて、上述した実施の形態1〜実施の形態3のいずれかの方向によりインバータ31が交流モータM2を駆動するときにインバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI2(またはPWMI2_up)を生成し、その生成した信号PWMI2(またはPWMI2_up)をインバータ31へ出力する。
【0230】
さらに、制御装置30Cは、インバータ14(または31)が交流モータM1(またはM2)を駆動するとき、直流電圧Vb、出力電圧Vm、モータ電流MCRT1(またはMCRT2)、トルク指令値TR1(またはTR2)、インバータ冷却水温Tiv1(またはTiv2)およびモータ回転数MRN1(またはMRN2)に基づいて、上述した方法により昇圧コンバータVBCのNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するための信号PWMU(または信号PWMU_up)を生成して昇圧コンバータVBCへ出力する。
【0231】
さらに、制御装置30Cは、回生制動時に交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMC1、または交流モータM2が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMC2を生成し、その生成した信号PWMC1または信号PWMC2をそれぞれインバータ14またはインバータ31へ出力する。この場合、制御装置30Cは、インバータ14または31からの直流電圧を降圧して直流電源Bを充電するように昇圧コンバータVBCを制御する信号PWMDを生成して昇圧コンバータVBCへ出力する。
【0232】
さらに、制御装置30Cは、システムリレーSR1,SR2をオン/オフするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
【0233】
モータ駆動装置100Cにおける全体動作について説明する。全体の動作が開始され、外部のECUからトルク指令値TR1,TR2が入力されると、制御装置30Cは、Hレベルの信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
【0234】
そして、制御装置30Cは、交流モータM1がトルク指令値TR1によって指定されたトルクを発生し、交流モータM2がトルク指令値TR2によって指定されたトルクを発生するように昇圧コンバータVBCおよびインバータ14,31を制御するための信号PWMUおよび信号PWMI1,PWMI2を生成してそれぞれ昇圧コンバータVBCおよびインバータ14,31へ出力する。
【0235】
そして、直流電源Bは直流電圧Vbを出力し、システムリレーSR1,SR2は直流電圧VbをコンデンサC1へ供給する。コンデンサC1は、供給された直流電圧Vbを平滑化し、その平滑化した直流電圧Vbを昇圧コンバータVBCへ供給する。
【0236】
そうすると、昇圧コンバータVBCのNPNトランジスタQ1,Q2は、制御装置30Cからの信号PWMUに応じてオン/オフされ、昇圧コンバータVBCは、出力電圧Vmが電圧指令Vdccomになるように直流電圧Vbを出力電圧Vmに変換してコンデンサC2に供給する。
【0237】
コンデンサC2は、昇圧コンバータVBCから供給された直流電圧を平滑化してインバータ14,31へ供給する。インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8は、制御装置30Cからの信号PWMI1に従ってオン/オフされ、インバータ14は、直流電圧を交流電圧に変換し、トルク指令値TR1によって指定されたトルクを交流モータM1が発生するように交流モータM1のU相、V相、W相の各相に所定の交流電流を流す。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TR1によって指定されたトルクを発生する。
【0238】
また、インバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8は、制御装置30Cからの信号PWMI2に従ってオン/オフされ、インバータ31は、直流電圧を交流電圧に変換し、トルク指令値TR2によって指定されたトルクを交流モータM2が発生するように交流モータM2のU相、V相、W相の各相に所定の交流電流を流す。これにより、交流モータM2は、トルク指令値TR2によって指定されたトルクを発生する。
【0239】
そして、制御装置30Cは、インバータ冷却水温Tiv1またはTiv2が基準温度T1よりも低いか否かを判定し、インバータ冷却水温Tiv1またはTiv2が基準温度T1よりも低いと判定したとき、上述した実施の形態1〜実施の形態3のいずれかの方法により、インバータ14または31の温度が上昇するように、昇圧コンバータVBC(または昇圧コンバータVBCおよびインバータ14,31)を駆動する。
【0240】
モータ駆動装置100Cが搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードになった場合、制御装置30Cは、外部ECUから信号RGEを受け、その受けた信号RGEに応じて、信号PWMC1,2を生成してそれぞれインバータ14,31へ出力し、信号PWMDを生成して昇圧コンバータVBCへ出力する。
【0241】
そうすると、インバータ14は、交流モータM1が発電した交流電圧を信号PWMC1に応じて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータVBCへ供給する。また、インバータ31は、交流モータM2が発電した交流電圧を信号PWMC2に応じて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータVBCへ供給する。そして、昇圧コンバータVBCは、コンデンサC2からの直流電圧をノードN1,N2を介して受け、その受けた直流電圧を信号PWMDによって降圧し、その降圧した直流電圧を直流電源Bに供給する。これにより、直流電源Bは、交流モータM1またはM2によって発電された電力により充電される。
【0242】
このように、2つの交流モータM1,M2を駆動するモータ駆動装置100Cにおいても、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも高くなる温度まで雰囲気温度が低下した場合、インバータ14,31の温度が、モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも低くなる温度以上に上昇されるように、昇圧コンバータVBC(または昇圧コンバータVBCおよびインバータ14,31)が駆動される。
【0243】
これにより、交流モータが2個の場合においても、2個のモータのそれぞれを駆動する2個のインバータの動作特性の低下を防止できる。
【0244】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1におけるモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図2】 図1に示すリアクトル、昇圧IPM、コンデンサ、インバータおよび制御装置から成る駆動ユニットの斜視図である。
【図3】 図1に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図4】 図3に示すモータトルク制御手段の機能ブロック図である。
【図5】 モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも低い条件でインバータが動作するように昇圧コンバータを駆動する動作を説明するための実施の形態1におけるフローチャートである。
【図6】 基準温度とインバータ冷却水温との温度差と、昇圧比との関係を示す図である。
【図7】 モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも低い条件でインバータが動作するように昇圧コンバータを駆動する動作を説明するための実施の形態1における他のフローチャートである。
【図8】 実施の形態1におけるモータトルク制御手段の他の機能ブロック図である。
【図9】 実施の形態2におけるモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図10】 図9に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図11】 図10に示すモータトルク制御手段の機能ブロック図である。
【図12】 昇圧比と、インバータのキャリア周波数との関係を示す図である。
【図13】 モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも低い条件でインバータが動作するように昇圧コンバータを駆動する動作を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。
【図14】 実施の形態2におけるモータトルク制御手段の他の機能ブロック図である。
【図15】 実施の形態3におけるモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図16】 図15に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図17】 図16に示すモータトルク制御手段の機能ブロック図である。
【図18】 昇圧比と、インバータのキャリア周波数との関係を示す図である。
【図19】 モータ逆起電圧がインバータ耐圧よりも低い条件でインバータが動作するように昇圧コンバータを駆動する動作を説明するための実施の形態3におけるフローチャートである。
【図20】 実施の形態3におけるモータトルク制御手段の他の機能ブロック図である。
【図21】 2個の交流モータを駆動するモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図22】 従来のモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図23】 モータ逆起電圧およびインバータ耐圧の温度依存性を示す図である。
【符号の説明】
10,11,310 電圧センサー、12 昇圧IPM、13,13A,13B 温度センサー、14,31,320 インバータ、15 U相アーム、16V相アーム、17 W相アーム、24,28 電流センサー、30,30A,30B,30C 制御装置、40 モータ制御用相電圧演算部、42 インバータ用PWM信号変換部、48,48A 昇圧比変更部、49 キャリア周波数/昇圧比変更部、50,50A,50B,50C インバータ入力電圧指令演算部、51 キャリア周波数/電圧指令変更部、52 フィードバック電圧指令演算部、54 デューティー比変換部、60 駆動ユニット、61 配管、100,100A,100B,100C,300 モータ駆動装置、301,301A,301B,301C,301D,301E,301F モータトルク制御手段、302 電圧変換制御手段、B 直流電源、SR1,SR2 システムリレー、C1,C2 コンデンサ、L1 リアクトル、Q1〜Q8 NPNトランジスタ、D1〜D8 ダイオード、M1,M2 交流モータ、VBC 昇圧コンバータ。

Claims (42)

  1. 電源からの入力電圧の電圧レベルを変換して電源線に出力する電圧変換器と、
    耐圧が雰囲気温度の低下に伴なって低下する温度依存性を有し、前記電源線の電圧を回転に伴い逆起電圧を発生するモータの駆動電圧に変換するインバータとを備え
    前記モータは、前記逆起電圧が前記雰囲気温度の低下に伴なって高くなる温度依存性を有し
    前記電圧変換器の周辺に配置された周辺装置の温度を前記雰囲気温度として検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された前記雰囲気温度が前記モータの逆起電圧が前記インバータの耐圧と一致するときの温度である基準値よりも低下した場合、前記電源線の電圧レベルが、前記モータが要求された駆動力を出力するのに必要な電圧レベルよりも高くなるように前記電圧変換器を駆動し、前記雰囲気温度が前記基準値以上に上昇した場合、前記電源線の電圧レベルが、前記モータが要求された駆動力を出力するのに必要な電圧レベルとなるように前記電圧変換器を駆動する駆動回路とをさらに備える、電圧変換装置。
  2. 前記駆動回路は、前記電圧変換器が前記入力電圧を昇圧するときの昇圧比を前記雰囲気温度の検出時の値よりも高くして前記電圧変換器を駆動する、請求項に記載の電圧変換装置。
  3. 前記駆動回路は、前記雰囲気温度の低下度合いが大きい程、前記昇圧比の上昇度合いを大きくする、請求項に記載の電圧変換装置。
  4. 前記駆動回路は、前記電圧変換器の出力電圧の目標値を、前記モータが要求された駆動力に応じて設定された値よりも高くして前記電圧変換器を駆動する、請求項に記載の電圧変換装置。
  5. 前記駆動回路は、前記雰囲気温度の低下度合いが大きい程、前記目標値の上昇度合いを大きくする、請求項に記載の電圧変換装置。
  6. 電源からの入力電圧の電圧レベルを変換して電源線に出力する電圧変換器と、
    耐圧が雰囲気温度の低下に伴なって低下する温度依存性を有し、前記電源線の電圧を回転に伴い逆起電圧を発生するモータの駆動電圧に変換するインバータとを備え
    前記モータは、前記逆起電圧が前記雰囲気温度の低下に伴なって高くなる温度依存性を有し
    前記電圧変換器の周辺に配置された周辺装置の温度を前記雰囲気温度として検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された前記雰囲気温度が前記モータの逆起電圧が前記インバータの耐圧と一致するときの温度である基準値よりも低下した場合、前記電源線の電圧レベルが、前記モータが要求された駆動力を出力するのに必要な電圧レベルよりも高くなるように前記電圧変換器を駆動するとともに、キャリア周波数を前記雰囲気温度の検出時の値よりも高くして前記インバータを駆動し、前記雰囲気温度が前記基準値以上に上昇した場合、前記電源線の電圧レベルが、前記モータが要求された駆動力を出力するのに必要な電圧レベルとなるように前記電圧変換器を駆動するとともに、前記キャリア周波数を前記雰囲気温度の検出時の値に設定して前記インバータを駆動する駆動回路とをさらに備える、電圧変換装置。
  7. 記駆動回路は、前記雰囲気温度が前記基準値よりも低下した場合、前記電圧変換器が前記入力電圧を昇圧するときの昇圧比を前記雰囲気温度の検出時の値よりも高くして前記電圧変換器を駆動する、請求項に記載の電圧変換装置。
  8. 前記駆動回路は、前記雰囲気温度の低下度合いが大きい程、前記昇圧比の上昇度合いを大きくする、請求項に記載の電圧変換装置。
  9. 記駆動回路は、前記雰囲気温度が前記基準値よりも低下した場合、前記電圧変換器の出力電圧の目標値を、前記モータが要求された駆動力に応じて設定された値よりも高くして前記電圧変換器を駆動する、請求項に記載の電圧変換装置。
  10. 前記駆動回路は、前記雰囲気温度の低下度合いが大きい程、前記目標値の上昇度合いを大きくする、請求項に記載の電圧変換装置。
  11. 前記駆動回路は、前記雰囲気温度の検出時の値よりも高くしたキャリア周波数に応じて、前記高くした昇圧比または前記高くした目標値を決定する、請求項から請求項1のいずれか1項に記載の電圧変換装置。
  12. 前記駆動回路は、前記高くしたキャリア周波数と前記高くした昇圧比との関係を示す第1のマップまたは前記高くしたキャリア周波数と前記高くした目標値との関係を示す第2のマップを保持しており、前記第1のマップを参照して前記高くしたキャリア周波数に対応する前記高くした昇圧比を決定し、または第2のマップを参照して前記高くしたキャリア周波数に対応する前記高くした目標値を決定する、請求項1に記載の電圧変換装置。
  13. 電源からの入力電圧の電圧レベルを変換して電源線に出力する電圧変換器と、
    耐圧が雰囲気温度の低下に伴なって低下する温度依存性を有し、前記電源線の電圧を回転に伴い逆起電圧を発生するモータの駆動電圧に変換するインバータとを備え
    前記モータは、前記逆起電圧が前記雰囲気温度の低下に伴なって高くなる温度依存性を有し
    前記電圧変換器の周辺に配置された周辺装置の温度を前記雰囲気温度として検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された前記雰囲気温度が前記モータの逆起電圧が前記インバータの耐圧と一致するときの温度である基準値よりも低下した場合、キャリア周波数を保持して前記インバータを駆動するとともに、前記インバータのキャリア周波数に応じて、前記電源線の電圧レベルが、前記モータが要求された駆動力を出力するのに必要な電圧レベルよりも高くなるように前記電圧変換器を駆動し、前記雰囲気温度が前記基準値以上に上昇した場合、前記電源線の電圧レベルが、前記モータが要求された駆動力を出力するのに必要な電圧レベルとなるように前記電圧変換器を駆動する駆動回路とをさらに備える、電圧変換装置。
  14. 記駆動回路は前記雰囲気温度が前記基準値よりも低下した場合、前記電圧変換器が前記入力電圧を昇圧するときの昇圧比を前記雰囲気温度の検出時の値よりも高くして前記電圧変換器を駆動する、請求項1に記載の電圧変換装置。
  15. 記駆動回路は、前記雰囲気温度が前記基準値よりも低下した場合、前記電圧変換器の出力電圧の目標値を、前記モータが要求された駆動力に応じて設定された値よりも高くして前記電圧変換器を駆動する、請求項1に記載の電圧変換装置。
  16. 前記駆動回路は、前記インバータのキャリア周波数に応じて、前記昇圧比または前記目標値を決定する、請求項1または請求項1に記載の電圧変換装置。
  17. 前記駆動回路は、前記キャリア周波数と前記昇圧比との関係を示す第1のマップまたは前記キャリア周波数と前記目標値との関係を示す第2のマップを保持しており、前記第1のマップを参照して前記キャリア周波数に対応する前記昇圧比を決定し、または第2のマップを参照して前記キャリア周波数に対応する前記目標値を決定する、請求項1に記載の電圧変換装置。
  18. 電源からの入力電圧を回転に伴い逆起電圧を発生するモータの駆動電圧に変換する電圧変換装置の電圧変換方法であって、
    前記電圧変換装置は、前記電源からの入力電圧の電圧レベルを変換して電源線に出力する電圧変換器と、耐圧が雰囲気温度の低下に伴なって低下する温度依存性を有し、前記電源線の電圧を前記モータの駆動電圧に変換するインバータとを備え、
    前記モータは、前記逆起電圧が前記雰囲気温度の低下に伴なって高くなる温度依存性を有し
    前記電圧変換装置の雰囲気温度を検出する第1のステップと、
    前記雰囲気温度が前記モータの逆起電圧が前記インバータの耐圧と一致するときの温度 である基準値よりも低いか否かを判定する第2のステップと、
    前記雰囲気温度が前記基準値よりも低いと判定されたとき、前記電源線の電圧レベルが、前記モータが要求された駆動力を出力するのに必要な電圧レベルよりも高くなるように前記入力電圧の電圧レベルを変換する第3のステップと
    前記雰囲気温度が前記基準値以上に上昇したと判定されたとき、前記電源線の電圧レベルが、前記モータが要求された駆動力を出力するのに必要な電圧レベルとなるように前記入力電圧の電圧レベルを変換する第4のステップとを含む、電圧変換方法。
  19. 前記第2のステップは、前記インバータの耐圧の温度依存性および前記モータの逆起電圧の温度依存性とに基づいて前記基準値を設定し、
    前記第3のステップは、前記電圧変換器が前記入力電圧を昇圧するときの昇圧比を前記雰囲気温度の検出時の値よりも高くして前記入力電圧の電圧レベルを変換する、請求項1に記載の電圧変換方法。
  20. 前記第3のステップは、前記電圧変換器の出力電圧の目標値を、前記モータが要求された駆動力に応じて設定された値よりも高くして前記入力電圧の電圧レベルを変換する、請求項1に記載の電圧変換方法。
  21. 前記第3のステップは、前記雰囲気温度の低下度合いが大きい程、前記昇圧比または前記目標値の上昇度合いを大きくする、請求項19または請求項2に記載の電圧変換方法。
  22. 電源からの入力電圧を回転に伴い逆起電圧を発生するモータの駆動電圧に変換する電圧変換装置の電圧変換方法であって、
    前記電圧変換装置は、前記電源からの入力電圧の電圧レベルを変換して電源線に出力する電圧変換器と、耐圧が雰囲気温度の低下に伴なって低下する温度依存性を有し、前記電源線の電圧を前記モータの駆動電圧に変換するインバータとを備え、
    前記モータは、前記逆起電圧が前記雰囲気温度の低下に伴なって高くなる温度依存性を有し
    前記電圧変換装置の雰囲気温度を検出する第1のステップと、
    前記雰囲気温度が前記モータの逆起電圧が前記インバータの耐圧と一致するときの温度である基準値よりも低いか否かを判定する第2のステップと、
    前記雰囲気温度が前記基準値よりも低いと判定されたとき、前記インバータの電力損失が前記雰囲気温度の検出時の値よりも大きくなるように前記入力電圧を前記モータの駆動電圧に変換する第3のステップと
    前記雰囲気温度が前記基準値以上に上昇したと判定されたとき、前記インバータの電力損失が前記雰囲気温度の検出時の値に等しくなるように前記入力電圧を前記モータの駆動電圧に変換する第4のステップとを含み、
    前記第3のステップは、
    前記電源線の電圧レベルが、前記モータが要求された駆動力を出力するのに必要な電圧レベルよりも高くなるように前記入力電圧の電圧レベルを変換する第1のサブステップと、
    前記インバータのキャリア周波数を前記雰囲気温度の検出時の値よりも高くして前記電源線の電圧を前記モータの駆動電圧に変換する第2のサブステップとを含む、電圧変換方法。
  23. 電源からの入力電圧を回転に伴い逆起電圧を発生するモータの駆動電圧に変換する電圧変換装置の電圧変換方法であって、
    前記電圧変換装置は、前記電源からの入力電圧の電圧レベルを変換して電源線に出力する電圧変換器と、耐圧が雰囲気温度の低下に伴なって低下する温度依存性を有し、前記電源線の電圧を前記モータの駆動電圧に変換するインバータとを備え、
    前記モータは、前記逆起電圧が前記雰囲気温度の低下に伴なって高くなる温度依存性を有し
    前記電圧変換装置の雰囲気温度を検出する第1のステップと、
    前記雰囲気温度が前記モータの逆起電圧が前記インバータの耐圧と一致するときの温度 である基準値よりも低いか否かを判定する第2のステップと、
    前記雰囲気温度が前記基準値よりも低いと判定されたとき、前記インバータの電力損失が前記雰囲気温度の検出時の値よりも大きくなるように前記入力電圧を前記モータの駆動電圧に変換する第3のステップと
    前記雰囲気温度が前記基準値以上に上昇したと判定されたとき、前記インバータの電力損失が前記雰囲気温度の検出時の値に等しくなるように前記入力電圧を前記モータの駆動電圧に変換する第4のステップとを含み、
    前記第3のステップは、
    前記電源線の電圧レベルが、前記モータが要求された駆動力を出力するのに必要な電圧レベルよりも高くなるように前記入力電圧の電圧レベルを変換する第1のサブステップと、
    前記インバータのキャリア周波数を前記雰囲気温度の検出時の値に保持して前記電源線の電圧を前記モータの駆動電圧に変換する第2のサブステップとを含む、電圧変換方法。
  24. 前記第2のステップは、前記インバータの耐圧の温度依存性および前記モータの逆起電圧の温度依存性とに基づいて前記基準値を設定し、
    前記第1のサブステップは、前記電圧変換器が前記入力電圧を昇圧するときの昇圧比を前記雰囲気温度の検出時の値よりも高くして前記入力電圧の電圧レベルを変換する、請求項2または請求項2に記載の電圧変換方法。
  25. 前記第2のステップは、前記インバータの耐圧の温度依存性および前記モータの逆起電圧の温度依存性とに基づいて前記基準値を設定し、
    前記第1のサブステップは、前記電圧変換器の出力電圧の目標値を、前記モータが要求された駆動力に応じて設定された値よりも高くして前記入力電圧の電圧レベルを変換する、請求項2または請求項2に記載の電圧変換方法。
  26. 前記第3のステップは、前記雰囲気温度の低下度合いが大きい程、前記昇圧比または前記目標値の上昇度合いを大きくする、請求項2または請求項2に記載の電圧変換方法。
  27. 電源からの入力電圧を回転に伴い逆起電圧を発生するモータの駆動電圧に変換する電圧変換をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記モータは、前記逆起電圧が雰囲気温度の低下に伴なって高くなる温度依存性を有し
    前記電源からの入力電圧の電圧レベルを変換して電源線に出力する電圧変換器と、耐圧が雰囲気温度の低下に伴なって低下する温度依存性を有し、前記電源線の電圧を前記モータの駆動電圧に変換するインバータとを備えた電圧変換装置の雰囲気温度を検出する第1のステップと、
    前記雰囲気温度が前記モータの逆起電圧が前記インバータの耐圧と一致するときの温度である基準値よりも低いか否かを判定する第2のステップと、
    前記雰囲気温度が前記基準値よりも低いと判定されたとき、前記電源線の電圧レベルが、前記モータが要求された駆動力を出力するのに必要な電圧レベルよりも高くなるように前記電圧変換器を駆動する第3のステップと
    前記雰囲気温度が前記基準値以上に上昇したと判定されたとき、前記電源線の電圧レベルが、前記モータが要求された駆動力を出力するのに必要な電圧レベルとなるように前記電圧変換器を駆動する第4のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  28. 前記第2のステップは、前記インバータの耐圧の温度依存性および前記モータの逆起電圧の温度依存性とに基づいて前記基準値を設定し、
    前記第3のステップは、前記電圧変換器が前記入力電圧を昇圧するときの昇圧比を前記雰囲気温度の検出時の値よりも高くして前記電圧変換器を駆動する、請求項2に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  29. 前記第2のステップは、前記インバータの耐圧の温度依存性および前記モータの逆起電圧の温度依存性とに基づいて前記基準値を設定し、
    前記第3のステップは、前記電圧変換器の出力電圧の目標値を、前記モータが要求された駆動力に応じて設定された値よりも高くして前記電圧変換器を駆動する、請求項2に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  30. 前記第3のステップは、前記雰囲気温度の低下度合いが大きい程、前記昇圧比または前記目標値の上昇度合いを大きくする、請求項2または請求項29に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  31. 電源からの入力電圧を回転に伴い逆起電圧を発生するモータの駆動電圧に変換する電圧変換をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記モータは、前記逆起電圧が雰囲気温度の低下に伴なって高くなる温度依存性を有し
    前記電源からの入力電圧の電圧レベルを変換して電源線に出力する電圧変換器と、耐圧が雰囲気温度の低下に伴なって低下する温度依存性を有し、前記電源線の電圧を前記モータの駆動電圧に変換するインバータとを備えた電圧変換装置の雰囲気温度を検出する第1のステップと、
    前記雰囲気温度が前記モータの逆起電圧が前記インバータの耐圧と一致するときの温度である基準値よりも低いか否かを判定する第2のステップと、
    前記雰囲気温度が前記基準値よりも低いと判定されたとき、前記インバータの電力損失が前記雰囲気温度の検出時の値よりも大きくなるように前記電圧変換器および前記インバータを駆動する第3のステップと
    前記雰囲気温度が前記基準値以上に上昇したと判定されたとき、前記インバータの電力損失が前記雰囲気温度の検出時の値に等しくなるように前記電圧変換器および前記インバータを駆動する第4のステップとを含み、
    前記第3のステップは、
    前記電源線の電圧レベルが、前記モータが要求された駆動力を出力するのに必要な電圧レベルよりも高くなるように前記電圧変換器を駆動する第1のサブステップと、
    前記インバータのキャリア周波数を前記雰囲気温度の検出時の値よりも高くして前記インバータを駆動する第2のサブステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  32. 前記第2のステップは、前記インバータの耐圧の温度依存性および前記モータの逆起電圧の温度依存性とに基づいて前記基準値を設定し、
    前記第1のサブステップは、前記電圧変換器が前記入力電圧を昇圧するときの昇圧比を前記雰囲気温度の検出時の値よりも高くして前記電圧変換器を駆動する、請求項3に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  33. 前記第2のステップは、前記インバータの耐圧の温度依存性および前記モータの逆起電圧の温度依存性とに基づいて前記基準値を設定し、
    前記第1のサブステップは、前記電圧変換器の出力電圧の目標値を、前記モータが要求された駆動力に応じて設定された値よりも高くして前記電圧変換器を駆動する、請求項3に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  34. 前記第1のサブステップは、前記雰囲気温度の低下度合いが大きい程、前記昇圧比または前記目標値の上昇度合いを大きくする、請求項3または請求項3に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  35. 前記第1のサブステップは、前記雰囲気温度の検出時の値よりも高くしたキャリア周波数に応じて、前記高くした昇圧比または前記高くした目標値を決定する、請求項3または請求項3に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  36. 第1のサブステップは、前記高くしたキャリア周波数と前記高くした昇圧比との関係を示す第1のマップを参照して前記高くしたキャリア周波数に対応する前記高くした昇圧比を決定し、または前記高くしたキャリア周波数と前記高くした目標値との関係を示す第2のマップを参照して前記高くしたキャリア周波数に対応する前記高くした目標値を決定する、請求項3に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  37. 電源からの入力電圧を回転に伴い逆起電圧を発生するモータの駆動電圧に変換する電圧変換をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記モータは、前記逆起電圧が雰囲気温度の低下に伴なって高くなる温度依存性を有し
    前記電源からの入力電圧の電圧レベルを変換して電源線に出力する電圧変換器と、耐圧が雰囲気温度の低下に伴なって低下する温度依存性を有し、前記電源線の電圧を前記モータの駆動電圧に変換するインバータとを備えた電圧変換装置の雰囲気温度を検出する第1のステップと、
    前記雰囲気温度が前記モータの逆起電圧が前記インバータの耐圧と一致するときの温度である基準値よりも低いか否かを判定する第2のステップと、
    前記雰囲気温度が前記基準値よりも低いと判定されたとき、前記インバータの電力損失が前記雰囲気温度の検出時の値よりも大きくなるように前記電圧変換器および前記インバータを駆動する第3のステップと
    前記雰囲気温度が前記基準値以上に上昇したと判定されたとき、前記インバータの電力損失が前記雰囲気温度の検出時の値に等しくなるように前記電圧変換器および前記インバータを駆動する第4のステップとを含み、
    前記第3のステップは、
    前記電源線の電圧レベルが、前記モータが要求された駆動力を出力するのに必要な電圧レベルよりも高くなるように前記電圧変換器を駆動する第1のサブステップと、
    前記インバータのキャリア周波数を前記雰囲気温度の検出時の値に保持して前記インバータを駆動する第2のサブステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  38. 前記第2のステップは、前記インバータの耐圧の温度依存性および前記モータの逆起電圧の温度依存性とに基づいて前記基準値を設定し、
    前記第1のサブステップは、前記電圧変換器が前記入力電圧を昇圧するときの昇圧比を前記雰囲気温度の検出時の値よりも高くして前記電圧変換器を駆動する、請求項3に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  39. 前記第2のステップは、前記インバータの耐圧の温度依存性および前記モータの逆起電圧の温度依存性とに基づいて前記基準値を設定し、
    前記第1のサブステップは、前記電圧変換器の出力電圧の目標値を、前記モータが要求された駆動力に応じて設定された値よりも高くして前記電圧変換器を駆動する、請求項3に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  40. 前記第1のサブステップは、前記雰囲気温度の低下度合いが大きい程、前記昇圧比または前記目標値の上昇度合いを大きくする、請求項3または請求項39に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  41. 前記第1のサブステップは、前記インバータのキャリア周波数に応じて、前記昇圧比または前記目標値を決定する、請求項3または請求項39に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  42. 前記第1のサブステップは、前記キャリア周波数と前記昇圧比との関係を示す第1のマップを参照して前記キャリア周波数に対応する前記昇圧比を決定し、または前記キャリア周波数と前記目標値との関係を示す第2のマップを参照して前記キャリア周波数に対応する前記目標値を決定する、請求項4に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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